図1に、本発明の1実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)13と、操作ボード20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ14およびフィニッシャ100の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード20,ADF13付きのカラースキャナ10およびフィニッシャ100は、プリンタ14から分離可能なユニットであり、カラースキャナ10は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ14の機内の制御ボードの画像データ処理装置ACP(図3)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニットFCU(図3)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。カラープリンタ14のプリント済の用紙は、フィニッシャ100に排出される。
図2に、カラープリンタ14の機構を示す。この実施例のカラープリンタ14は、レーザプリンタである。1色のトナー像を形成する、感光体56および現像器55ならびに図示を省略したチャージャ,クリーニング装置および転写器の組体(作像ユニット)は、M(マゼンタ),C(シアン),Y(イエロー)およびBk(黒)のそれぞれの作像用に一組、合せて4組があり、この順に搬送ベルト57に沿ってタンデムに配列されており、それらによって形成された各色トナー像が順次に一枚の転写紙上に重ねて転写される。
第1トレイ48,第2トレイ49および第3トレイ50に積載された転写紙は、各々第1給紙装置51,第2給紙装置52および第3給紙装置53によって給紙され、縦搬送ユニット54によって感光体56に当接する位置まで搬送される。
スキャナ10にて読み込まれた画像データは、画像データ処理器IPP(図3)で補正され、一旦メモリMEM(図3)に書き込まれてから、読み出され、読み出した画像データを用いる図2の書込ユニット30からのレーザ露光によって、図示を省略したチャージャによって均一に荷電した感光体56に書込まれこれにより静電潜像を形成する。この静電潜像が現像ユニット55を通過することによって感光体56上にトナー像が現れる。転写紙が感光体56の回転と等速で搬送ベルト57によって搬送されながら、感光体56上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット58にて画像を定着させ、排紙ユニット59によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
図2に示す、後処理装置のフィニシャ100は、本体の排紙ユニット59によって搬送された転写紙を、通常排紙ローラ103方向と、ステープル処理部方向へ導く事ができる。切り替え板101を上に切り替える事により、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙する事ができる。また、切り替え板101を下方向に切り替える事で、搬送ローラ105,107を経由して、ステープル台108に搬送する事ができる。ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
一方、通常の排紙トレイ104は前後(図2紙面と垂直な方向)に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、排出されてくるコピー紙を簡易的に仕分けるものである。
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ48〜50から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えの為の分岐爪60を下向きに廻す事で、一旦反転ユニット112に導き、そして両面給紙ユニット111にストックする。
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び、感光体56に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えの為の分岐爪60を図示水平に戻し、排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に、反転ユニット112および両面給紙ユニット111が使用される。
感光体56,搬送ベルト57,定着ユニット58,排紙ユニット59および現像ユニット55は、図示を省略したメインモータによって駆動され、各給紙装置51〜53はメインモータの駆動を、やはり図示を省略した各給紙クラッチによって伝達することにより駆動される。縦搬送ユニット54は、メインモータの駆動を図示を省略した中間クラッチによって伝達することにより駆動される。
図3に、図1に示す複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるカラー原稿スキャナ10が、画像データ処理装置ACPの画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)に接続されている。画像データ処理装置ACPにはまた、カラープリンタ14が接続されている。カラープリンタ14は、画像データ処理装置ACPの画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)から、書込みI/F15に記録画像データを受けて、作像ユニット16でプリントアウトする。作像ユニット16は、図2に示すものである。
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)は、パラレルバスPb,画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述),画像メモリであるメモリモジュールMEM(以下では単にMEMと記述),プログラムならびに書画情報の格納,蓄積を行うハードディスク装置HDD(以下では単にHDDと記述),システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC,IPP等、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
カラー原稿スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光を、センサボードユニットSBU(以下では単にSBUと表記)上の、CCDで光電変換してR,G,B画像信号を生成し、A/DコンバータでRGB画像データに変換し、そしてシェーディング補正して、出力I/F12を介してCDICに送出する。
CDICは、画像データに関し、原稿スキャナ10(出力I/F12),パラレルバスPb,IPP間のデータ転送、ならびに、プロセスコントローラ17とACPの全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM18はプロセスコントローラ17のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ19はプロセスコントローラ17の動作プログラム等を記憶している。
画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)は、MEMやHDDに対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ1は、HDDに対するプログラム,制御データ等の書画情報以外のデータの読み書きを制御し、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
操作ボード20は、ACPがおこなうべき処理を指示する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
スキャナ10の読取ユニット11より読み取った画像データは、スキャナ10のSBUでシェーディング補正210,画素密度変換211および変倍212を施してから、IPPで、スキャナガンマ補正,フィルタ処理などの、読取り歪を補正する画像処理を施してから、MEMやHDDに蓄積する。MEMあるいはHDDの画像データをプリントアウトするときには、IPPにおいてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPPから書込みI/F15に転送される。書込みI/F15は、階調処理された信号に対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット16へ送られ、作像ユニット16が転写紙上に再生画像を形成する。
IMACは、システムコントローラ1の制御に基づいて、MEM,HDDに対する画像データのアクセス制御,LAN上に接続した図示しないパソコンPC(以下では単にPCと表記)のプリント用データの展開,MEM,HDDの有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
IMACへ送られた画像データは、データ圧縮後、MEM,HDDに蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPbを経由してCDICへ戻される。CDICからIPPへの転送後は画質処理をして書込みI/F15に出力し、作像ユニット16において転写紙上に再生画像を形成する。
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDICでのバス制御により、デジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、読取られた画像データをIPPにて画像処理を実施し、CDICおよびパラレルバスPbを経由してFCUへ転送することによりおこなわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PNへファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDICを経由してIPPへ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F15から出力し、作像ユニット16において転写紙上に再生画像を形成する。
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット16およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ17において制御する。プロセスコントローラ17は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
システムコントローラ1とプロセスコントローラ17は、パラレルバスPb,CDICおよびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ17間の通信を行う。
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F 7、シリアルバスI/F 9、ローカルバスI/F 3およびネットワークI/F 8は、IMACに接続されている。コントローラーユニット1は、ACP全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMACに対して、画像データをMEMに蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC,パラレルバスI/F 7、パラレルバスPbを経由して送られる。この動作制御指令に応答して、画像データはCDICからパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F 7を介してIMACに送られる。そして、画像データはIMACの制御によりMEMに格納されることになる。
一方、ACPのシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワーク経由の場合、IMACはネットワークI/F 8を介してプリント出力要求データを受け取る。汎用的なシリアルバス接続の場合、IMACはシリアルバスI/F 9経由でプリント出力要求データを受け取る。汎用のシリアルバスI/F 9は複数種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Universal Serial Bus)、1284または1394等の規格のインターフェースに対応する。
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F 3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。
シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACPの操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。システムコントローラ1とMEM,HDDおよび各種バスとのデータ送受信は、IMACを経由しておこなわれる。MEM,HDDを使用するジョブはACP全体の中で一元管理される。
図4に、スキャナ10およびADF13の画像読み取りの電気系統の構成を示す。イメージセンサ207から出力される電気信号すなわち、R,G,B各色アナログ画像信号はそれぞれ、信号処理208で増幅され、A/D変換209によってデジタル画像信号すなわち画像データに変換される。この画像データは、シェーディング補正214,画素密度変換211および変倍212の処理段を経て、CDICを介して画像データ処理器IPPに出力される。A/D変換209では、アナログ画像信号を画像データにディジタル変換する。
スキャナ制御回路206は、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ17からの指示に従って、点灯タイミング制御回路205,信号処理タイミング制御回路213及びモータ制御ユニット260を制御する。点灯タイミング制御回路205は、スキャナ制御回路206からの指示に従って露光ランプ232(232a,232b)のオン/オフを制御するとともに、信号処理タイミング制御回路213を介してプロセスコントローラ17が指示する照度(光量)に露光ランプ232の明るさ(時系列平均値又は平滑値)を定める。なお、参照符号232a,232bを総括的に参照符号232で示すことがある。
モータ制御ユニット260は、スキャナ制御回路206からの指示に従って、副走査駆動モータ238及びADFモータ224を制御する。これらのモータは、いずれもステッピングモータであり、駆動系統の軸にはロータリエンコーダ(E)221及び225が連結されている。原稿の走査位置(y)および駆動量ならびにADF送り原稿の先,後端位置および送り量は、各ロータリエンコーダ221,225が発生する電気パルスを計数して把握される。図4に示す紙センサ223は、ADF30の原稿トレイ上に原稿があるかを検知するもの,ペーパジャム検知のもの及び原稿サイズ検知のものを含む。
信号処理タイミング制御回路213は、スキャナ制御回路206,システムコントローラ1及びプロセスコントローラ17からの指示あるいは制御信号に従って、各種信号を生成する。即ち、画像読み取りを開始すると、イメージセンサ207に対しては、シフトゲート信号SH,転送クロックΦ1,Φ2,リセット信号RSおよびクランプゲート信号CLP等を含む制御信号を与え、システムコントローラ1に対しては、画素同期クロックパルスCLK(CLK1),ライン同期信号LSYNC及び主走査有効期間信号LGATEを出力する。この画素同期クロックパルスCLKは、イメージセンサ207に与えるシフトクロックと略同一の信号である。また、ライン同期信号LSYNCは、プリンタ14の作像ユニット16のビームセンサが出力するライン同期信号MSYNCと対応する信号であるが画像読み取りを行なっていない時は出力が禁止される。主走査有効期間信号LGATEは、イメージセンサ207が出力する画信号が有効と見なせるタイミングで高レベルHになる。
スキャナ制御回路206は、プロセスコントローラ17から読み取り開始指示を受けると、スイッチングレギュレータ203への制御信号Seを電源出力オンを指示するレベルに切換え、信号処理タイミング制御回路213(の制御信号発生)を制御してイメージセンサ207の読み取りを開始し、露光ランプ232を点灯し、副走査駆動モータ238(手差しモード)又はADFモータ(ADFモード)を駆動開始する。また、副走査有効期間信号FGATEを高レベルH(原稿領域外)にセットする。この信号FGATEは、手差しモードでは第1キャリッジが原稿始端位置に達したときに、原稿領域内を示すLに切り替えられ、ADFモードでは、レジストローラからの原稿(先端)の送り出し搬送量が、ADF13を使用するシートスルー画像読取りモードでの原稿読み取り位置までの送り量に達したときに原稿領域内を示すLに切り替えられる。そして、手差しモードでは原稿尾端の走査が終わると、ADFモードでは原稿尾端がHPを通過すると、副走査有効期間信号FGATEは原稿領域外を示すHに戻される。
読み取りユニット11の交流入力回路201には商用交流が印加され、直流電源回路202が商用交流を直流に変換する。スイッチングレギュレータ203が、直流電圧を昇圧直流に変換して定電圧に制御し、インバータを含む駆動回路204a,204bに放電灯電源として印加する。駆動回路204a,204bの各インバータが、点灯タイミング制御回路205が与える各点灯制御信号TG1,TG2に応答して、それが点灯指示である低レベルLの間高電圧直流を高電圧交流に変換して各露光ランプ232a,232bに印加する。露光ランプ232a,232bは放電灯であり、該高電圧交流によって駆動されて発光し、原稿を照明する。各点灯制御信号TG1,TG2の高レベルHは消灯指示であり、各点灯制御信号TG1,TG2が高レベルHに切換わると駆動回路204a,204bの各インバータが、高電圧直流の高電圧交流への変換を停止し、すなわち露光ランプへの高電圧交流出力を停止し、これにより露光ランプ232a,232bが消灯する。
図5に、画素密度変換211の機能の概要を示す。この実施例では、A/D変換209はCCD207が出力するアナログ画像信号を1画素(1ドット)あたり8ビット(256階調)のデジタル画像データに変換する。この画像データがシェーディング補正して画素密度変換211に与えられる。シェーディング補正した画像データD[7:0]が宛てられる画素の区切り(画像データの区切り)を示す画素同期クロックCLK1,それに同期しその1/2の周波数の同期クロックCLK2、および、CLK1に同期しその1/4の周波数の同期クロックCLK1/4が、画像データD[7:0]と共に画素密度変換211に与えられる。入力画像データD[7:0]および画素同期クロックCLK1は、データセレクタ211dの第1入力ポートaに与えられる。
入力画像データD[7:0]は、2値化211aで、1ビットデータD[0:0]に2値化され、画素同期クロックCLK1と共に、データセレクタ211dの第2入力ポートbに与えられる。
2値化画像データD[0:0]と画素同期クロックCLK1および同期クロックCLK1/2は2/4階調変換211bに与えられる。2/4階調変換とは、1ビット(2階調)データD[0:0]を、主走査方向の画素密度を2/4に変更し、2ビット(4階調)データD[1:0]に変換する画素密度および階調数(データが表わす値の範囲)の変換を意味する。他の階調変換の表現も同様であり、2a/2b階調変換は、画素密度を2a/2bに変更しaビットデータをbビットデータに変換することを意味する。
2/4階調変換211bは、DフリップフロップF1に、入力画素同期クロックCLK1に同期して2値化画像データD[0:0]を与えて、各画像データD[0:0]に1画素(CLK1の1周期)分の遅延を与えて、主走査方向の先行画素(奇数番画素)の画像データD[0:0]と後行画素(偶数番画素)の画像データD[0:0]を、同期クロックCLK1/2によって同時にラッチL1にラッチして、ラッチL1の2ビットデータD[1:0]を変換後データとして、同期クロックCLK1/2(画素出力同期クロック)と共に、データセレクタ211dの第3入力ポートcに与える。
4/16階調変換211cは、2/4階調変換211bが出力する2ビットデータD[1:0]を入力画像データとしてそれを、DフリップフロップF2に、同期クロックCLK1/2に同期して与えて、各画像データD[1:0]に1画素(CLK1/2の1周期)分の遅延を与えて、主走査方向の先行画素(奇数番画素)の画像データD[1:0]と後行画素(偶数番画素)の画像データ1[0:0]を、同期クロックCLK1/4によって同時にラッチL2にラッチして、ラッチL2の4ビットデータD[3:0]を変換後データとして、同期クロックCLK1/4(画素出力同期クロック)と共に、データセレクタ211dの第4入力ポートdに与える。
これにより、入力画像データD[1:0]が、例えば図12の(a)に示すように、主走査方向(同図上の左から右への方向)の画素分布に対応して画素同期クロックCLK1に同期して4/16階調変換211cに与えられると、図12の(b)に示す変換データD[3:0]が4/16階調変換211cから出力される。4/16階調変換211cに入力される先行,後行画素の画像データD[1:0]のデータ値と、4/16階調変換211cから出力される変換データD[3:0]のデータ値との関係を、次の表1に示す。
なお、表1上の、先行,後行画素の画像データD[1:0]の組合せに対応する変換データD[3:0]に基づいて、図11の(b)に示すパルス変調形状を実現する、レーザ露光用の画信号を生成できる。
データセレクタ211dは、階調指定データfが第1入力ポートaを指定するものであると、第1入力ポートaに与えられる8ビット画像データD[7:0]および画素同期パルスCLK1を、データセレクタ211dの出力ポートeから、変倍212に出力する。階調指定データfが第2入力ポートb,第3入力ポートc又は第4入力ポートdを指定するものであると、第2入力ポートb,第3入力ポートc又は第4入力ポートdに与えられる1ビット画像データD[0:0]と画素同期パルスCLK1,2ビット画像データD[1:0]と同期パルスCLK1/2又は4ビット画像データD[3:0]と同期パルスCLK1/4を、データセレクタ211dの出力ポートeから、変倍212に出力する。
本実施例の画素密度変換211は、画像読み取りデータを、画素同期クロックCLK1が2400dpi用の周波数の高密度(低速)モード(密度グループNo.1),画素同期クロックCLK1が2400dpi用の周波数の半分の中高密度(中低速)モード(密度グループNo.2),画素同期クロックCLK1が2400dpi用の周波数の1/4の中低密度(中高速)モード(密度グループNo.3)、および、画素同期クロックCLK1が400dpi用の周波数の低密度(高速)モード(密度グループNo.4)の、4モードのいずれにも適合する。
階調指定データfが第1入力ポートaを指定するときの、各モード(密度グループNo.)での画素密度変換211の入出力を次の表2に示す。階調指定データfが第2入力ポートbを指定するとき,階調指定データfが第3入力ポートcを指定するとき、および、階調指定データfが第4入力ポートdを指定するときの画素密度変換211の入出力を、それぞれ次の第3表,第4表および第5表に示す。
なお、スキャナ10(のセンサボードユニットSBU)によっては、表1〜4のNo.1〜No.4のすべてに適合できない場合もある。スキャナ10の信号制御タイミング回路213にあるコントローラの不揮発メモリには、表1〜4の密度グループNo.1〜4の中の適合するモードを表わすデータがあり、スキャナ10をACPに接続したときに、システムコントローラ1に適合モード(スキャナ適合モード)が登録される。PC又は操作ボード20から、画像読取又は複写のコマンドがあると、システムコントローラ1がスキャナ適合モードの中の、コマンドに適合するモードを選択して、スキャナ10の信号制御タイミング回路213にあるコントローラに通知し、これに応答して信号制御タイミング回路213が、選択されたモードに適合する同期クロック(CLK1,CLK1/2,CLK1/4)および階調指定fを発生して画素密度変換211に出力する。
図6は、図2上の書込ユニット(書き込み光学系)30を構成する光学ユニットを上から見下した平面図である。同図において、レーザダイオードおよびそのレーザ光を変調するレーザドライバを含むレーザダイオードユニット(LDユニット)31bkおよびLDユニット31mからの光ビームは、シリンダレンズ32bk,32mを通り、反射ミラー33bkおよび反射ミラー33mによってポリゴンミラー34の下部側の面に入射し、ポリゴンミラー34が回転することにより光ビームを偏向し、fθレンズ35ybkおよびfθレンズ35mcを通り、第1ミラー36bkおよび第1ミラー36mによって折り返えされる。
一方、LDユニット31yおよびLDユニット31cからの光ビームは、シリンダレンズ32yおよび32cを通り、ポリゴンミラー34上部側の面に入射し、ポリゴンミラー34が回転することにより光ビームを偏向し、fθレンズ35ybkおよびfθレンズ35mcを通り、第1ミラー36yおよび第1ミラー36cによって折り返される。
主走査方向の書き出し位置より上流側にはシリンダミラー37ybkおよび37mcさらにはセンサ38ybkおよび38mcが備わっており、fθレンズ35ybkおよび30mcを通った光ビームがシリンダミラー37ybkおよび37mcによって反射集光されて、センサ38ybkおよび38mcに入射するような構成となっている。これらのセンサ38ybkおよび38mcは、主走査方向の同期を取るための同期検知センサである。
また、LDユニット31bkおよび31yからの光ビームの検出では、書き出し側で共通のセンサ38ybkを使用している。LDユニット31mおよび31cからの光ビームの検出についても同様に、書き出し側で共通のセンサ38mcを使用している。同じセンサに2色の作像用光ビームが入射することとなるので、各色の光ビームのポリゴンミラー34の入射角を異なるようにすることで、それぞれの光ビームが各センサに入射するタイミングを変え、時系列的にパルス列として出力されるようになっている。図からも分かるように、K(bk)とY(y)およびM(m)とC(c)は逆方向に走査される。
図7に、プリンタ14の書込みI/F15の構成を示す。書込ユニット30のセンサ38mcの光電変換信号に含まれるLDユニット31mおよび31cの各光ビームを検出した各信号が、分離回路65で分離され、それぞれ所定パルス形状に成形されて、ライン同期MおよびCとして書込I/F15,IPPおよび画像書込制御部16c(図10)に出力される。同様に、書込ユニット30のセンサ38ybkの光電変換信号に含まれるLDユニット31yおよび31bkの各光ビームを検出した各信号が、分離回路66で分離され、それぞれ所定パルス形状に成形されて、ライン同期YおよびKとして書込I/F15,IPPおよび画像書込制御部16c(図10)に出力される。
書込I/F15には、実質上同一機能の、M,C,Y,K書込I/F15m,15c,15y,15kがあり、それぞれが、IPPが出力する画像データM,C,Y,Kを、半導体レーザ31m,31c,31y,31kの発光を変調するパルス信号(変調パルス)である画信号M,C,Y,Kに変換して、作像ユニット16内の画像書込制御部16cの印字画像制御部25m,25c,25y,25k(図10)に出力する。
M書込I/F15mに関して説明すると、ライン同期Mはフレーム遅延61およびメモリコントローラ62に与えられる。
この実施例では、カラー画像記録で最先に作像を開始する感光体ドラムMを画像露光するレーザビームのライン同期Mを基準のライン同期信号としており、作像ユニット16が作像可で、プロセスコントローラ17が、書込みI/F15とIPPに、作像モード(表1)および画像データの送受信を設定したのち、IPPが、画像データの送信可になるとライン同期Mに同期してEnable信号を、1頁の作像を指示するH(作像指示信号)とする。
フレーム遅延61は、Enable信号が発生してから設定数STD−Mのライン同期Mをカウントアップすると、1ページ(1フレーム)のM作像期間を規定するFGATE−Mを有効にする。他の書込I/F15c,15y,15kでは、Enable信号が発生してからFGATE−C,FGATE−Y,FGATE−Kを有効にするまでのライン同期Mのカウント値(設定数)STD−C,STD−Y,STD−Kは、感光体ドラムMから各感光体ドラムC,Y,Kまで転写ベルトが移動する間のライン同期Mの発生数分、書込I/F15mの設定数STD−Mより大きい値である。これらの設定値を表わすデータは、各書込I/F15m,15c,15y,15kのメモリコントローラ62に設定されており、メモリコントローラ62からフレーム遅延61に与えられる。
FGATE−Mが有効になると、メモリコントローラ62とIPPとの間で、画信号生成モード(表6〜13)対応の制御信号をやり取りして、ライン同期M,C,Y,Kおよび画素クロックCLK1でタイミングを合わせて、IPPからM画像データの、バッファメモリ63への書込を行う。これと並行して、メモリコントローラ62は、バッファメモリ63の画像データを、ライン同期Mおよび画素クロックCLK1に同期して、画像データバッファメモリ63から画信号生成64に送出する。画信号生成64は、画素密度変換機能を含むとともに、画像データを半導体レーザ31mのレーザ光変調用のパルス信号(画信号)に変換して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に出力する。
図8および図9に、画信号生成64の機能構成を示す。画信号生成64には、図8に示す2/4階調変換64a,4階調処理64b,4/16階調変換64c,図9に示す16階調処理64d,16/4階調処理64e,16/2階調変換64ev,4/2階調変換64f、および、これらの何れか1つが生成した画信号Mを選択出力するデータセレクタ64gがあり、該画信号Mが、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)の印字画像制御部25mを介してレーザ駆動回路23mに与えられる。この画信号生成64は、表6〜13に示し後述する画素密度変換および画信号生成を選択的に実施し得るものである。
−2階調生成1−
図8を参照すると、1ビット画像データD[0:0]および入力画素同期クロックCLK1をそのまま、データセレクタ64gの第1入力ポートAに与える。1ビット画像データD[0:0]はいわゆる2値信号であり、画素同期クロックCLK1によって区切る1画素の記録/非記録を指定するものとなる。この画像データD[0:0]および入力画素同期クロックCLK1は、階調指定Fが第1入力ポートAを指定するものであるときに、データセレクタ64gの出力ポートJから、作像ユニット16内の画像書込制御部16c(図10)に出力する。このときの画信号生成64の入出力を表6に示す。
−4階調生成1(2/4階調変換&4階調生成)−
図8に示す2/4階調変換64aは、1ビット(2階調)画像データD[0:0]を2ビット(4階調)画像データD[1:0]に変換して、変換した画像データD[1:0]に対応する4階調表現の画信号を生成する。すなわち、2/4階調変換64aは、DフリップフロップF3に、入力画素同期クロックCLK1に同期して1ビット画像データD[0:0]を与えて、各画像データD[0:0]に1画素(CLK1の1周期)分の遅延を与えて、主走査方向の先行画素(奇数番画素)の画像データD[0:0]と後行画素(偶数番画素)の画像データD[0:0]を、同期クロックCLK1/2によって同時にラッチL3にラッチする。これにより1ビット画像データD[0:0]を2ビットデータに変換したデータD[1:0]が、同期クロックCLK1/2に同期して、ラッチL3から得られる。
一方、同期クロックCLK1をカウンタC1がカウントアップするが、このカウンタC1は同期クロックCLK1/2でクリアされるので、カウント値は0,1とアップし2になるときに0となりそして1,2とアップして2で0となる循環となる。デコーダD1が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA1に、カウント値が1の間HをアンドゲートA2に出力する。アンドゲートA1にはD0が与えられるので、D0が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の前半の間、アンドゲートA1の出力がHとなる。アンドゲートA2にはD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の後半の間、アンドゲートA2の出力がHとなる。アンドゲートA1とA2の出力Hの両者がオアゲートR1から出力される(例えば図11の(a)の黒区間)。
データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが第2入力ポートBを指定するときには、オアゲートR1の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1/2とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表7に示す。
−4階調生成2−
図8に示す4階調処理64bは、2ビット(4階調)の入力画像データD[1:0]を、そのまま2ビット(4階調)画像データD[1:0]に対応する4階調表現の画信号を生成する。入力画像データD[1:0]は4階調処理64bのラッチL4に入力画素同期クロックCLK1に同期してラッチされる。同期クロックCLK2をカウンタC2がカウントアップするが、このカウンタC2は同期クロックCLK1でクリアされるので、カウント値は0,1とアップし2になるときに0となりそして1,2とアップして2で0となる循環となる。デコーダD1が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA3に、カウント値が1の間HをアンドゲートA4に出力する。アンドゲートA3にはD0が与えられるので、D0が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1の1周期の前半の間、アンドゲートA3の出力がHとなる。アンドゲートA4にはD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1の1周期の後半の間、アンドゲートA4の出力がHとなる。アンドゲートA3とA4の出力Hの両者がオアゲートR2から出力される(例えば図11の(a)の黒区間)。
データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが第3入力ポートCを指定するときには、オアゲートR2の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表8に示す。
−16階調生成1(4/16階調変換&16階調生成)−
図8に示す4/16階調変換64cは、2ビット(4階調)画像データD[1:0]を4ビット(16階調)画像データD[3:0]に変換して、変換した画像データD[3:0]に対応する16階調表現の画信号を生成する。すなわち、4/16階調変換64cは、隣り合う2画素宛ての一対の画像データD[1:0]の、先行画素宛てのものを入力画素同期クロックCLK1に同期してDフリップフロップ(ラッチ)F4に保持し、CLK1/2に同期して後行画素のものと同時にラッチL5に出力する。一方、CLK2をカウンタC3がカウントアップするが、このカウンタC3はCLK1/2でクリアされるので、カウント値は0,1,2,3とアップし4になるときに0となりそして1,2,3とアップして4で0となる循環となる。デコーダD3が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA5に、カウント値が1の間HをアンドゲートA6に、カウント値が2の間高レベルHをアンドゲートA7に、カウント値が3の間HをアンドゲートA8に出力する。各アンドゲートA5〜A8には、ラッチL5が保持する変換後データ(LD書込データ)D[3:0]の各ビットD0〜D3が与えられるので、データD[3:0]のD0が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第1の1/4区間の間、アンドゲートA5の出力がHとなる。アンドゲートA6にはデータD[3:0]のD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第2の1/4区間の間、アンドゲートA6の出力がHとなる。また、データD[3:0]のD2が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第3の1/4区間の間、アンドゲートA7の出力がHとなる。アンドゲートA8にはデータD[3:0]のD3が与えられるので、D3が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の最後の1/4区間の間、アンドゲートA8の出力がHとなる。
アンドゲートA5〜A8の各出力HがオアゲートR3から出力される(例えば図11の(b)の黒区間)。データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが入力ポートDを指定するときには、オアゲートR3の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1/2とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表9に示す。
図12には、4/16階調変換64cにおける、画像データ変換前後の画像データと制御クロックの関係の1態様を示した。図12の(a)に示す変換前の元画像配列は、スキャナ部で読み込んだ原稿の画素配列や、PCホストからプリンタドライバに転送される画像信号の配列である。この画素配列に基づき各種画像処理を施して画像書込制御部に入力画像データ:D[1:0]を入力する。入力された画像データは主走査1200dpi、1画素2bit構成で、1200dpi対応の周波数の入力画素同期クロックCLK1により制御される態様を説明する。4/16階調変換64cは、主走査方向に配列された複数の画素信号を1つの画素信号に合成変換する。この態様では、N=2個の画素信号を1つの画素信号に変換し、1200dpiの画素信号を600dpiの画素信号に変換する。変換は、図12の(b)に示すように、1画素2bit構成の1200dpiデータ:D[1:0]を1画素4bit構成の600dpiデータ:D[3:0]に変換する。この変換によって主走査方向の解像度が1/2になることにより、制御用のクロック信号をCLK1からCLK2へ1/2の周波数クロックに切り換え制御する。但し、変換前後にてPWM変調を100%再現する為に、変換前のPWM変調が1画素4値出力であった機能を、解像度を低解像度に変更することにより、変換後は1画素16値出力に高機能化する必要が有る。しかし、1画素単位の制御クロックをCLK1からCLK2に切り換えることで、制御クロック周波数を1/2に変更することにより、後段の書込みレーザ駆動部への制御クロック信号を低周波数化することができる。レーザ駆動部は前述の書込走査光学系に含まれ、全体システム的に画像書込制御部から離れた位置にレイアウトされることが多い。その場合、ハーネスやケーブル等によりクロック信号を配回す必要が出る。クロック信号を配回す場合、周波数の増大は安全器各棟のシステム試験に大きな影響を及ぼし、規格を満足する為に様々な対策を施す必要が有る。
そこで、スキャナ10の画素密度変換211の2/4階調変換211b,4/16階調変換211c、もしくは、プリンタ14の画信号生成64の2/4階調変換64a,4/16階調変換により主走査方向に配列するN個の複数画素信号を1つの画素信号に合成変換することにより、制御クロック周波数を変換前の周波数に対し変換後には1/N周波数に切り換えられる。
なお、スキャナ10の画素密度変換211の2/4階調変換211b,4/16階調変換211cで変換した画像データを、プリンタ14の画信号生成64の4階調処理64b,16階調処理64dで、密度変換無しに画信号に変換することができる。
−16階調生成2−
図9に示す16階調処理64dには、4ビット画像データD[3:0]、例えば、スキャナ10の画素密度変換211の4/16階調変換211cが出力する4ビット(16階調)画像データD[3:0]、が入力され、入力画素同期クロックCLK1/2に同期してラッチL6に保持される。一方、CLK2をカウンタC4がカウントアップするが、このカウンタC4はCLK1/2でクリアされるので、カウント値は0,1,2,3とアップし4になるときに0となりそして1,2,3とアップして4で0となる循環となる。デコーダD4が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA9に、カウント値が1の間HをアンドゲートA10に、カウント値が2の間高レベルHをアンドゲートA11に、カウント値が3の間HをアンドゲートA12に出力する。各アンドゲートA9〜A12には、ラッチL6が保持する入力画像データD[3:0]の各ビットD0〜D3が与えられるので、データD[3:0]のD0が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第1の1/4区間の間、アンドゲートA9の出力がHとなる。アンドゲートA10にはデータD[3:0]のD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第2の1/4区間の間、アンドゲートA10の出力がHとなる。また、データD[3:0]のD2が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の第3の1/4区間の間、アンドゲートA11の出力がHとなる。アンドゲートA12にはデータD[3:0]のD3が与えられるので、D3が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1/2の1周期の最後の1/4区間の間、アンドゲートA12の出力がHとなる。
アンドゲートA9〜A12の各出力HがオアゲートR4から出力される(例えば図11の(b)の黒区間)。データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが入力ポートEを指定するときには、オアゲートR4の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1/2とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表10に示す。
−4階調生成3(16/4階調変換&4階調生成)−
図9に示す16/4階調変換64eには、4ビット画像データD[3:0]、例えば、スキャナ10の画素密度変換211の4/16階調変換211cが出力する4ビット(16階調)画像データD[3:0]、が入力され、入力画素同期クロックCLK1/2に同期してラッチL7に保持される。一方、CLK2をカウンタC4がカウントアップするが、このカウンタC4はCLK1/2でクリアされるので、カウント値は0,1,2,3とアップし4になるときに0となりそして1,2,3とアップして4で0となる循環となる。デコーダD5が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA13に、カウント値が1の間HをアンドゲートA14に、カウント値が2の間高レベルHをアンドゲートA15に、カウント値が3の間HをアンドゲートA16に出力する。各アンドゲートA13〜A16には、ラッチL7が保持する入力画像データD[3:0]の各ビットD0〜D3が与えられるので、データD[3:0]のD0が「1」すなわち高レベルHであると、先行のCLK1の1周期の前半区間の間、アンドゲートA13の出力がHとなる。アンドゲートA14にはデータD[3:0]のD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、該先行のCLK1の1周期の後半区間の間、アンドゲートA14の出力がHとなる。また、データD[3:0]のD2が「1」すなわち高レベルHであると、後行のCLK1の1周期の前半区間の間、アンドゲートA15の出力がHとなる。アンドゲートA16にはデータD[3:0]のD3が与えられるので、D3が「1」すなわち高レベルHであると、該後行のCLK1の1周期の後半区間の間、アンドゲートA16の出力がHとなる。
アンドゲートA13〜A16の各出力HがオアゲートR5から出力される(例えば図11の(a)の黒区間)。データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが入力ポートFを指定するときには、オアゲートR5の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表11に示す。
図12の(c)には、16/4階調変換64eに入力される4ビット(16階調)画像データD[3:0]と、該16/4階調変換64eが変換(復元)した2ビット(4階調)の画像データD[1:0](L7のD0,D1出力、および、D2,D3出力)のビット配列の関係を示す。入力される4ビット(16階調)画像データD[3:0]は例えば図5に示す4/16階調変換211cが生成する変換データである(ただし、図9の16/4階調変換64eのCLK1/2はCLK1/4に、CLK1はCLK1/2に、CLK2はCLK1に読み替える)。16/4階調変換64eに入力される図12の(c)に示した画像データ(出力LD書込データ)の配列は、図12の(b)に示した配列と同様である。16/4階調変換64eが復元した画像データD[1:0](L7のD0,D1出力、および、D2,D3出力)は、図12の(a)に示す、画素密度変換211の4/16階調変換211cの入力画像データ:D[1:0]と同一である。即ち、4/16階調変換211cで低密度高階調に変換した画像データを、16/4階調変換64eで元の高密度低階調の画像データに復元することができる。また復元した画像データが表わす階調を表現する画信号を生成できる。同様に、2/4階調変換211bで低密度高階調に変換した画像データを、4/2階調変換64fで元の高密度低階調の画像データを復元することができる。また復元した画像データが表わす階調を表現する画信号を生成できる。
更には、4/16階調変換64cによれば、高密度低階調の画像データD[1:0]を低密度高階調の画像データD[3:0](L5の出力)に変換してそれが表わす階調を表現する画信号を生成できる。同様に、2/4階調変換64aによれば、高密度低階調の画像データD[0:0]を低密度高階調の画像データD[1:0](L3の出力)に変換してそれが表わす階調を表現する画信号を生成できる。
−2階調生成2(16/2階調変換&2階調生成)−
図9に示す16階調変換64evは、上記16/4階調変換64eが生成する画信号をCLK2と共にデータセレクタ64gの入力ポートGに出力する。データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが入力ポートGを指定するときには、オアゲートR5の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK2とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表12に示す。この場合のプリンタ14による作像は、スキャナ10の画像密度変換211の2値化211aが出力する1ビット画像データD[0:0]を記録する2値記録の作像と同等になる。
−2階調生成3(4/2階調変換&2階調生成)−
図9に示す4/2階調変換64fは、同期クロックCLK1/2に同期して2ビット構成の入力画像データD[1:0]をラッチL8に保持する。同期クロックCLK2をカウンタC6がカウントアップするが、このカウンタC6は同期クロックCLK1でクリアされるので、カウント値は0,1とアップし2になるときに0となりそして1,2とアップして2で0となる循環となる。デコーダD6が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA17に、カウント値が1の間HをアンドゲートA18に出力する。アンドゲートA17にはD0が与えられるので、D0が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1の1周期の前半の間、アンドゲートA17の出力がHとなる。アンドゲートA18にはD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、CLK1の1周期の後半の間、アンドゲートA18の出力がHとなる。アンドゲートA17とA18の出力Hの両者がオアゲートR6から出力される。
データセレクタ64gに与えられる階調指定Fが第8入力ポートHを指定するときには、オアゲートR6の出力が画信号として、データセレクタ64gを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図10)に、CLK1とともに出力される。このときの画信号生成64の入出力を表13に示す。この場合のプリンタ14による作像も、スキャナ10の画像密度変換211の2値化211aが出力する1ビット画像データD[0:0]を記録する2値記録の作像と同等になる。
図10に、カラープリンタ14の作像ユニット16にある画像書込制御部16cの構成を示す。マゼンタM,シアンC,イエローYおよびブラックKの各色画信号宛ての印字画像制御部25m,25c,25yおよび25kは、プロセスコントローラ17のCPUの命令により書込制御部16c全体の制御をし、書込I/F15の各色書込I/F15m,15c,15y,15kの各画信号生成64のデータセレクタ64dから出力される画信号M,C,YおよびKをレーザ駆動回路23m,23c,23yおよび23kに転送する。
以下においては、記述を簡単にするために、色成分区分符号m,c,yおよびkを省略して要素符号を示す。
書込クロック生成回路21は、主走査画素単位の周期のクロック信号であるCLK1/2又はCLK1(図6)を位相同期回路22に送る。位相同期回路22は、分離65,66(図7)から送られるライン同期信号(ライン同期パルス)で、書込クロック生成回路21から送られるCLK1/2又はCLK1を位相補正し主走査画素単位でレーザ点灯するための信号CLK−W(書込み画素同期信号;画素同期パルス)をレーザ駆動回路23に転送する。
印字画像制御部25は、画像データ枠(用紙面)にトリム領域を設定したり、画像枠(画像面)に任意の枠線を重ねあわせるなどの画像加工処理をプロセスコントローラ17の内部のCPUが指定する内容により行う。すなわち印字画像制御部25は、プロセスコントローラ17が与える用紙サイズ,トリム領域データおよび境界線書込有無に基いて、到来する画像信号の用紙上の印字位置を、主走査カウント(画素同期パルスのカウント)と副走査カウント(ライン同期パルスのカウント)で追跡し、トリム領域に割当てられる画像信号の出力を停止又は非記録信号への変換を行い、境界線書込有の場合は更に、トリム領域のエッジの内側の数画素の画像信号を、線書込信号に変換する(トリム境界線の書込)。
レーザ駆動回路23は、印字画像制御部25から送られる画信号M,C,Y,Kで、位相同期回路22からくるCLK信号(画素同期パルス)の周期の画素駆動信号を変調してレーザ駆動信号を発生して半導体レーザ31に印加する。半導体レーザ31はレーザ駆動回路23から送られたレーザ駆動信号のレベルに対応する光量のビームを照射する。ポリゴンモータ制御回路24は、印字画像制御部25の信号で、ポリゴンモータを所定の回転速度にPLL(Phase Locked Loop)制御する。
各色作像の画像解像度は、主走査画素クロック設定(画素同期パルスの周期の設定)とポリゴン回転速度設定(ライン同期パルスの周期の設定)で行う。書込クロック生成回路21は、画信号生成が与える画素同期パルス(CLK1/2,CLK1,CLK2)に同期したレーザ駆動用の画素同期パルスを発生する。ポリゴン回転速度設定はポリゴンモータ制御回路24によって行われる。
ここで図8に示す4/16階調変換64cが行う密度および階調変換の内容を、更に詳しく説明する。図11の(a)には、高密度低階調の入力画像データD[1:0]に対応した、レーザ変調のパルス波形対応の記録ドット長を模式的に、パルス変調形状として示した。ここでは、入力画像データD[1:0]は、主走査,副走査共に1200dpiの解像度、1画素(1ドット)当たり2bit構成(4階調)の画像データである。技術上、1画素あたり3bit(8階調)以上の画像データ構成の場合でも同様に可能である。
1画素の画像データが2bit構成の場合、入力画像データのデータ値は4通り存在する。従って、1200dpi単位のパルス変調(1ドット記録区間内での、記録指示レベルのパルス幅および位置)にて4値出力(4階調表現)を目標仕様とする。即ち、図11の(a)に示した様に1200dpiの1画素幅を半分に分離し、前半と後半にて画信号レベルを独立制御することにより4値(4階調)のパルス変調を実現する。2bit構成の入力画像データD[1:0]のLSBをパルス変調周期(1ドット区間)の前半部に、MSBを後半部に対応させ、入力画像データの各ビットが0の時は画信号(変調データ):OFF(低レベルL)、1の時は画信号:ON(高レベルH)とする組合せにて、入力画像データとパルス変調形状のイメージを対応させている。
4/16階調変換64cでは、主走査方向で隣接する2画素を1対とする区分にして、1対の画素に宛てられた2画像データを1画素宛てのLD書込画像データD[3:0]に変換する。ここで、主走査方向に配列された、変換の対象となる入力画像データを、N=2個を1対とするが、技術上、N≧3個以上主走査方向に配列された入力画像データを1組にすることも同様に可能であるが、組合せが多数発生し、説明が複雑になるので、ここではN=2個を例示した。
入力画像データD[1:0]の解像度が1200dpi、N=2個の場合、主走査方向に配列した2個の画像データD1[1:0],D2[1:0]を1つの画像データであるLD書込画像データD[3:0]に置換すると、LD書込画像データD[3:0]の解像度は1200/2=600dpiになる。この場合のデータ変換の模式図を図13に示した。左側(a),(c)が変換前の1200dpi入力画像データD[1:0]であり、右側(b),(d)が変換後の600dpiのLD書込画像データD[3:0]である。入力画像データD[1:0]のN=2個のある組合せ例として図13の(a)には先行画素データ=3h、後行画素データ=0hの黒白画素の組合せを示し、図13の(b)には、変換後のLD書込画像データD[3:0]が表わす画像を模式的に示した。ベタ黒とベタ白の画素組合せの場合、変換後の600dpiのLD書込画像データはパルス変調にて前半50%が黒、後半50%が白の左50%モードの画信号とする。
他方、図13の(c)に示した先行画素データ=1h、後行画素データ=2hの画素組合せの場合、変換後の600dpiのデータを2ビット構成のD[1:0]とすると、入力画像データの階調を100%再現することができない。つまり、1画素2bit構成の入力画像データD[1:0]を、主走査方向に2画素を1画素とするものに変換する場合に、変換後のLD書込画像データも同様に1画素2bit構成のD[1:0]では、複数画素の入力画像データの組み合わせを再現可能な合成変換できる組合せは100%達成できない。そこで、図11の(b)のようにLD書込画像データを1画素当たり4bit構成(16階調)のD[3:0]にして、前述の図13の(c)に示した先行画素,後行画素の組合せにD[3:0]=6hを割り当てて図13の(d)に示すように再現するようにした。その他の先行画素と後行画素の組合せでも、LD書込画像データを4bit構成D[3:0]にすることにより、1200dpi解像度の入力画像データD[1:0]の2画素分のデータを600dpi解像度のLD書込画像データD[3:0]に変換する事ができる(図11の(b)参照)。
4/16階調変換64cでは、上記1画素2bit構成の1200dpi入力画像データD[1:0]を、主走査方向に配列された2つの画像データD1[1:0],D2[1:0]の組合せに応じて、1画素4bit構成の600dpiLD書込画像データD[3:0]に変換し同等のパルス変調特性を有する画信号に変換する。この変換後のLD書込画像データD[3:0]に基づいて主走査600dpi、副走査1200dpiの中高速エンジン装置を用いる事で主走査1200dpi解像度の高速エンジン装置を用いた場合と同等の高解像度の出力画像を得る事ができる。
図5に示す4/16階調変換211cは、上記4/16階調変換64cの低密度高階調変換と同等のデータ変換を行い、図9に示す16階調処理64dが、上記4/16階調変換64cの変換データの画信号(パルス信号:レーザ光変調信号)への変換と同等の変換を行う。すなわち、4/16階調変換211cと16階調処理64dによって4/16階調変換64cと同等の変換処理を実現することもできる。また、4/16階調変換211cが変換した画像データを、16/4階調変換64eで元の画像データに復元してから画信号(パルス信号:レーザ光変調信号)に変換できる。いずれの画像データ間変換/復元でも、元の画像データを忠実に再現することができる。
なお、作像ユニット16のハードウエアと機能設定によって、作像ユニット16が上述の画信号生成64の処理機能のすべてに適合するとは限らないので、不揮発メモリ19(図3)には、適合するモードを表わすコード(データセレクタ64dに与える出力選択データF相当のもの)を登録しており、これをプロセスコントローラ17を介してシステムコントローラ1に保持し、プリントコマンドを受けるとシステムコントローラ1がモードコードをプリントコマンドを発したホスト(例えばPC,FCU)に返送して、画信号生成モードをホストが指定し、この指定をシステムコントローラ1がIPPおよびプロセスコントローラ17およびその他の作像制御に関連する部位に報知し、これを受信した各部が、指定があった画信号生成モードの制御あるいは信号処理を実行する。
操作ボード20からのコピー又はプリントコマンドに関しては、システムコントローラ1が、作像ユニット16が適合する画信号生成モード(作像モード)の指定入力のみを受け付けて、他のモードの指定には応答しないので、ユーザは操作ボード20からは、作像ユニット16が適合しない作像モードの指示入力はできない。