(2)第1画素密度をD1(1200dpi)、第1階調数をB1(4)、
第2画素密度をD2(600dpi)、および、第2階調数をB2(16)、とするとき、
B2(16)/B1(4)=(D1(1200dpi)/D2(600dpi))2
である、上記(1)に記載の画像形成装置。これによれば、第1画像データ(D[1:0])が表わす画像の階調と同程度の階調の画像を作像することができる。
(3)前記画信号生成手段(64)は、主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群の内容に対応する第2画像データ(A[3:0])を格納したデータ変換テーブル(T1)、および、主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群を形成し前記データ変換テーブル(T1)に与えるシリアル/パラレル変換手段(F1)、を含む上記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。これによれば、テーブルアクセスにより、主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群対応の第2画像データ(A[3:0])を直ちに得ることができる。
(4)前記データ変換テーブル(T1)は、書込および読み出しが可能であるが電源オフによりデータが消失する揮発性メモリであり;画像形成装置は更に、主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群の内容に対応する第2画像データ(A[3:0])を含むデータテーブルを格納した不揮発性のメモリ(HDD)および該データテーブルを前記揮発性メモリに転送するテーブル設定手段(17)を備える;上記(3)に記載の画像形成装置。
これによれば、揮発性メモリのアドレスに主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群を同時に与えて、第2画像データ(A[3:0])を直ちに得ることができる。不揮発性のメモリ(HDD)のデータテーブルを書き換えることによって、変換特性を変更できる。
(5)前記不揮発性のメモリ(HDD)には、主走査方向の前記隣接複数画素宛ての第1画像データ(D[1:0])群の内容に対応する第2画像データ(A[3:0])の相関が少なくとも部分的に異なる複数のデータテーブルがあり;画像形成装置は更に、前記テーブル設定手段(17)が前記揮発性メモリに転送するデータテーブルを指定する手段(20,1)を備える;上記(4)に記載の画像形成装置。
これによれば、該指定手段(20,1)によって、変換特性を選択指定できる。固定された変換特性だけではなく、ある一通りのデータテーブル群をそなえることにより、固定された変換テーブルによる不具合を解消可能であり、画像表現特性が個別要求される所望の出力画像を出力可能な画像形成装置を提供することができる。
(6)前記画信号生成手段(64)は、
第1画素密度(1200dpi)かつ第1階調数(22)の第1画像データ(D[1:0])を、主走査方向の隣接複数画素宛てのものを該複数画素(2)より少ない数(1)の画素宛ての、第1画素密度(1200dpi)よりも低密度である第2画素密度(600dpi)かつ第1階調数(4)よりも多階調数の第2階調数(24)の第2画像データ(A[3:0])に変換し、第2画像データ(A[3:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図8の(b)のパルス変調形状)、を発生する低密度高階調変換手段(64b);
第1画素密度(1200dpi)かつ第1階調数(22)の第1画像データ(D[1:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図8の(a)のパルス変調形状)、を発生する高密度低階調処理手段(64a);および、
前記低密度高階調変換手段(64b)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記高密度低階調処理手段(64a)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力を選択的に行う切換手段(64d);
を含む、上記(1)乃至(5)の何れか1つに記載の画像形成装置。
これによれば、低密度高階調変換手段(64b)が発生する第2画像データ(A[3:0])に基づく画信号による、上記(1)乃至(5)に記載した低密度高階調の作像と、高密度低階調処理手段(64a)が発生する第1画像データ(D[1:0])に基づく画信号による、高密度低階調の作像とを、選択的に行うことができる。
(7)前記画信号生成手段(64)は、
第1画素密度(1200dpi)かつ第1階調数(22)の第1画像データ(D[1:0])を、主走査方向の隣接複数画素宛てのものを該複数画素(2)より少ない数(1)の画素宛ての、第1画素密度(1200dpi)よりも低密度である第2画素密度(600dpi)かつ第1階調数(4)よりも多階調数の第2階調数(24)の第2画像データ(A[3:0])に変換し、第2画像データ(A[3:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図8の(b)のパルス変調形状)、を発生する低密度高階調変換手段(64b);
第2画素密度(600dpi)かつ第1階調数(22)の入力画像データ(D[1:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図9の(b)のパルス変調形状)、を発生する低密度低階調処理手段(64a);および、
前記低密度高階調変換手段(64b)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記低密度低階調処理手段(64a)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力を選択的に行う切換手段(64d);
を含む、上記(1)乃至(5)の何れか1つに記載の画像形成装置。
これによれば、低密度高階調変換手段(64b)が発生する第2画像データ(A[3:0])に基づく画信号による、上記(1)乃至(5)に記載した低密度高階調の作像と、低密度低階調処理手段(64a)が発生する入力画像データ(D[1:0])に基づく画信号による、低密度低階調の作像とを、選択的に行うことができる。
(8)前記画信号生成手段(64)は、
第1画素密度(1200dpi)かつ第1階調数(22)の第1画像データ(D[1:0])を、主走査方向の隣接複数画素宛てのものを該複数画素(2)より少ない数(1)の画素宛ての、第1画素密度(1200dpi)よりも低密度である第2画素密度(600dpi)かつ第1階調数(4)よりも多階調数の第2階調数(24)の第2画像データ(A[3:0])に変換し、第2画像データ(A[3:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図8の(b)のパルス変調形状)、を発生する低密度高階調変換手段(64b);
第2画素密度(600dpi)かつ第2階調数(24)の入力画像データ(D[3:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図9の(a)のパルス変調形状)、を発生する低密度高階調処理手段(64c);および、
前記低密度高階調変換手段(64b)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記低密度高階調処理手段(64c)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力を選択的に行う切換手段(64d);
を含む、上記(1)乃至(5)の何れか1つに記載の画像形成装置。
これによれば、低密度高階調変換手段(64b)が発生する第2画像データ(A[3:0])に基づく画信号による、上記(1)乃至(5)に記載した低密度高階調の作像と、低密度高階調処理手段(64c)が発生する入力画像データ(D[3:0])に基づく画信号による、低密度高階調の作像とを、選択的に行うことができる。
(9)前記画信号生成手段(64)は更に、第1画素密度(1200dpi)かつ第1階調数(22)の第1画像データ(D[1:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図8の(a)のパルス変調形状)、を発生する高密度低階調処理手段(64a);を備え、
前記切換手段(64d)は、前記低密度高階調変換手段(64b)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記低密度高階調処理手段(64c)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記高密度低階調処理手段(64a)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力を選択的に行う;上記(8)に記載の画像形成装置。
これによれば、低密度高階調変換手段(64b)が発生する第2画像データ(A[3:0])に基づく画信号による、上記(1)乃至(5)に記載した低密度高階調の作像と、低密度高階調処理手段(64c)が発生する入力画像データ(D[3:0])に基づく画信号による、低密度高階調の作像と、高密度低階調処理手段(64a)が発生する第1画像データ(D[1:0])に基づく画信号による、高密度低階調の作像とを、選択的に行うことができる。
(10)前記画信号生成手段(64)は更に、第2画素密度(600dpi)かつ第1階調数(22)の入力画像データ(D[1:0])のデータ値対応の、画像記録指示レベル幅および1画素記録区間内発生タイミングの画信号(図9の(b)のパルス変調形状)、を発生する低密度低階調処理手段(64a);を備え、
前記切換手段(64d)は、前記低密度高階調変換手段(64b)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記低密度高階調処理手段(64c)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力と、前記低密度低階調処理手段(64a)により発生する画信号の前記変調手段(23)への出力とを選択的に行う;上記(8)に記載の画像形成装置。
これによれば、低密度高階調変換手段(64b)が発生する第2画像データ(A[3:0])に基づく画信号による、上記(1)乃至(5)に記載した低密度高階調の作像と、低密度高階調処理手段(64c)が発生する入力画像データ(D[3:0])に基づく画信号による、低密度高階調の作像と、低密度低階調処理手段(64a)が発生する入力画像データ(D[1:0])に基づく画信号による、低密度低階調の作像とを、選択的に行うことができる。
図1に、本発明の1実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)13と、操作ボード20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ14およびフィニッシャ100の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード20,ADF13付きのカラースキャナ10およびフィニッシャ100は、プリンタ14から分離可能なユニットであり、カラースキャナ10は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ14の機内の制御ボードの画像データ処理装置ACP(図3)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニットFCU(図3)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。カラープリンタ14のプリント済の用紙は、フィニッシャ100に排出される。
図2に、カラープリンタ14の機構を示す。この実施例のカラープリンタ14は、レーザプリンタである。1色のトナー像を形成する、感光体56および現像器55ならびに図示を省略したチャージャ,クリーニング装置および転写器の組体(作像ユニット)は、M(マゼンタ),C(シアン),Y(イエロー)およびBk(黒)のそれぞれの作像用に一組、合せて4組があり、個の順に搬送ベルト57に沿ってタンデムに配列されており、それらによって形成された各色トナー像が順次に一枚の転写紙上に重ねて転写される。
第1トレイ48,第2トレイ49および第3トレイ50に積載された転写紙は、各々第1給紙装置51,第2給紙装置52および第3給紙装置53によって給紙され、縦搬送ユニット54によって感光体56に当接する位置まで搬送される。
スキャナ10にて読み込まれた画像データは、画像データ処理器IPP(図3)で補正され、一旦メモリMEM(図3)に書き込まれてから、読み出され、読み出した画像データを用いる図2の書込ユニット30からのレーザー露光によって、図示を省略したチャージャによって均一に荷電した感光体56に書込まれこれにより静電潜像を形成する。この静電潜像が現像ユニット55を通過することによって感光体56上にトナー像が現れる。転写紙が感光体56の回転と等速で搬送ベルト57によって搬送されながら、感光体56上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット58にて画像を定着させ、排紙ユニット59によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
図2に示す、後処理装置のフィニシャ100は、本体の排紙ユニット59によって搬送された転写紙を、通常排紙ローラ103方向と、ステープル処理部方向へ導く事ができる。切り替え板101を上に切り替える事により、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙する事ができる。また、切り替え板101を下方向に切り替える事で、搬送ローラ105,107を経由して、ステープル台108に搬送する事ができる。ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
一方、通常の排紙トレイ104は前後(図2紙面と垂直な方向)に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、排出されてくるコピー紙を簡易的に仕分けるものである。
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ48〜50から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えの為の分岐爪60を下向きに廻す事で、一旦反転ユニット112に導き、そして両面給紙ユニット111にストックする。
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び、感光体56に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えの為の分岐爪60を図示水平に戻し、排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に、反転ユニット112および両面給紙ユニット111が使用される。
感光体56,搬送ベルト57,定着ユニット58,排紙ユニット59および現像ユニット55は、図示を省略したメインモータによって駆動され、各給紙装置51〜53はメインモータの駆動を、やはり図示を省略した各給紙クラッチによって伝達することにより駆動される。縦搬送ユニット54は、メインモータの駆動を図示を省略した中間クラッチによって伝達することにより駆動される。
図3に、図1に示す複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、読取ユニット11と画像データ出力I/F(Interface:インターフェイス)12でなるカラー原稿スキャナ10が、画像データ処理装置ACPの画像データインターフェース制御CDIC(以下単にCDICと表記)に接続されている。画像データ処理装置ACPにはまた、カラープリンタ14が接続されている。カラープリンタ14は、画像データ処理装置ACPの画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)から、書込みI/F15に記録画像データを受けて、作像ユニット16でプリントアウトする。作像ユニット16は、図2に示すものである。
画像データ処理装置ACP(以下では単にACPと記述)は、パラレルバスPb,画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述),画像メモリであるメモリモジュールMEM(以下では単にMEMと記述),プログラムならびに書画情報の格納,蓄積を行うハードディスク装置HDD(以下では単にHDDと記述),システムコントローラ1,RAM4,不揮発メモリ5,フォントROM6,CDIC,IPP等、を備える。パラレルバスPbには、ファクシミリ制御ユニットFCU(以下単にFCUと記述)を接続している。操作ボード20はシステムコントローラ1に接続している。
カラー原稿スキャナ10の、原稿を光学的に読み取る読取ユニット11は、原稿に対するランプ照射の反射光を、センサボードユニットSBU(以下では単にSBUと表記)上の、CCDで光電変換してR,G,B画像信号を生成し、A/DコンバータでRGB画像データに変換し、そしてシェーディング補正して、出力I/F12を介してCDICに送出する。
CDICは、画像データに関し、原稿スキャナ10(出力I/F12),パラレルバスPb,IPP間のデータ転送、ならびに、プロセスコントローラ17とACPの全体制御を司るシステムコントローラ1との間の通信をおこなう。また、RAM18はプロセスコントローラ17のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ19はプロセスコントローラ17の動作プログラム等を記憶している。
画像メモリアクセス制御IMAC(以下では単にIMACと記述)は、MEMやHDDに対する画像データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ1は、HDDに対するプログラム,制御データ等の書画情報以外のデータの読み書きを制御し、パラレルバスPbに接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM4はシステムコントローラ1のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ5はシステムコントローラ1の動作プログラム等を記憶している。
操作ボード20は、ACPがおこなうべき処理を指示する。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力する。これにより、画像データ制御情報の入力をおこなうことができる。
スキャナ10の読取ユニット11より読み取った画像データは、スキャナ10のSBUでシェーディング補正210を施してから、IPPで、スキャナガンマ補正,フィルタ処理などの、読取り歪を補正する画像処理を施してから、MEMやHDDに蓄積する。MEMあるいはHDDの画像データをプリントアウトするときには、IPPにおいてRGB信号をYMCK信号に色変換し、プリンタガンマ変換,階調変換,および、ディザ処理もしくは誤差拡散処理などの階調処理などの画質処理をおこなう。画質処理後の画像データはIPPから書込みI/F15に転送される。書込みI/F15は、階調処理された信号に対し、パルス幅とパワー変調によりレーザー制御をおこなう。その後、画像データは作像ユニット16へ送られ、作像ユニット16が転写紙上に再生画像を形成する。
IMACは、システムコントローラ1の制御に基づいて、MEM,HDDに対する画像データのアクセス制御,LAN上に接続した図示しないパソコンPC(以下では単にPCと表記)のプリント用データの展開,MEM,HDDの有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
IMACへ送られた画像データは、データ圧縮後、MEM,HDDに蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPbを経由してCDICへ戻される。CDICからIPPへの転送後は画質処理をして書込みI/F15に出力し、作像ユニット16において転写紙上に再生画像を形成する。
画像データの流れにおいて、パラレルバスPbおよびCDICでのバス制御により、デジタル複合機の機能を実現する。ファクシミリ送信は、読取られた画像データをIPPにて画像処理を実施し、CDICおよびパラレルバスPbを経由してFCUへ転送することによりおこなわれる。FCUは、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線PNへファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPbおよびCDICを経由してIPPへ転送することによりおこなわれる。この場合、特別な画質処理はおこなわず、書込みI/F15から出力し、作像ユニット16において転写紙上に再生画像を形成する。
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読取ユニット11,作像ユニット16およびパラレルバスPbの使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ17において制御する。プロセスコントローラ17は画像データの流れを制御し、システムコントローラ1はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード20においておこなわれ、操作ボード20の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能等の処理内容を設定する。
システムコントローラ1とプロセスコントローラ17は、パラレルバスPb,CDICおよびシリアルバスSbを介して相互に通信をおこなう。具体的には、CDIC内においてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータ,インターフェースのためのデータフォーマット変換をおこなうことにより、システムコントローラ1とプロセスコントローラ17間の通信を行う。
各種バスインターフェース、たとえばパラレルバスI/F 7、シリアルバスI/F 9、ローカルバスI/F 3およびネットワークI/F 8は、IMACに接続されている。コントローラーユニット1は、ACP全体の中での独立性を保つために、複数種類のバス経由で関連ユニットと接続する。
システムコントローラ1は、パラレルバスPbを介して他の機能ユニットの制御をおこなう。また、パラレルバスPbは画像データの転送に供される。システムコントローラ1は、IMACに対して、画像データをMEMに蓄積させるための動作制御指令を発する。この動作制御指令は、IMAC,パラレルバスI/F 7、パラレルバスPbを経由して送られる。
この動作制御指令に応答して、画像データはCDICからパラレルバスPbおよびパラレルバスI/F 7を介してIMACに送られる。そして、画像データはIMACの制御によりMEMに格納されることになる。
一方、ACPのシステムコントローラ1は、PCからのプリンタ機能としての呼び出しの場合、プリンタコントローラとネットワーク制御およびシリアルバス制御として機能する。ネットワーク経由の場合、IMACはネットワークI/F 8を介してプリント出力要求データを受け取る。
汎用的なシリアルバス接続の場合、IMACはシリアルバスI/F 9経由でプリント出力要求データを受け取る。汎用のシリアルバスI/F 9は複数種類の規格に対応しており、たとえばUSB(Universal Serial Bus)、1284または1394等の規格のインターフェースに対応する。
PCからのプリント出力要求データはシステムコントローラ1により画像データに展開される。その展開先はMEM内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバスI/F 3およびローカルバスRb経由でフォントROM6を参照することにより得られる。ローカルバスRbは、このコントローラ1を不揮発メモリ5およびRAM4と接続する。
シリアルバスSbに関しては、PCとの接続のための外部シリアルポート2以外に、ACPの操作部である操作ボード20との転送のためのインターフェースもある。これはプリント展開データではなく、IMAC経由でシステムコントローラ1と通信し、処理手順の受け付け、システム状態の表示等をおこなう。
システムコントローラ1とMEM,HDDおよび各種バスとのデータ送受信は、IMACを経由しておこなわれる。MEM,HDDを使用するジョブはACP全体の中で一元管理される。
図4は、図2上の書込ユニット(書き込み光学系)30を構成する光学ユニットを上から見下した平面図である。同図において、レーザダイオードおよびそのレーザ光を変調するレーザドライバを含むレーザダイオードユニット(LDユニット)31bkおよびLDユニット31mからの光ビームは、シリンダレンズ32bk,32mを通り、反射ミラー33bkおよび反射ミラー33mによってポリゴンミラー34の下部側の面に入射し、ポリゴンミラー34が回転することにより光ビームを偏向し、fθレンズ35ybkおよびfθレンズ35mcを通り、第1ミラー36bkおよび第1ミラー36mによって折り返えされる。
一方、LDユニット31yおよびLDユニット31cからの光ビームは、シリンダレンズ32yおよび32cを通り、ポリゴンミラー34上部側の面に入射し、ポリゴンミラー34が回転することにより光ビームを偏向し、fθレンズ35ybkおよびfθレンズ35mcを通り、第1ミラー36yおよび第1ミラー36cによって折り返される。
主走査方向の書き出し位置より上流側にはシリンダミラー37ybkおよび37mcさらにはセンサ38ybkおよび38mcが備わっており、fθレンズ35ybkおよび30mcを通った光ビームがシリンダミラー37ybkおよび37mcによって反射集光されて、センサ38ybkおよび38mcに入射するような構成となっている。これらのセンサ38ybkおよび38mcは、主走査方向の同期を取るための同期検知センサである。
また、LDユニット31bkおよび31yからの光ビームの検出では、書き出し側で共通のセンサ38ybkを使用している。LDユニット31mおよび31cからの光ビームの検出についても同様に、書き出し側で共通のセンサ38mcを使用している。同じセンサに2色の作像用光ビームが入射することとなるので、各色の光ビームのポリゴンミラー34の入射角を異なるようにすることで、それぞれの光ビームが各センサに入射するタイミングを変え、時系列的にパルス列として出力されるようになっている。図からも分かるように、K(bk)とY(y)およびM(m)とC(c)は逆方向に走査される。
図5に、書込みI/F15の構成を示す。書込ユニット30のセンサ38mcの光電変換信号に含まれるLDユニット31mおよび31cの各光ビームを検出した各信号が、分離回路65で分離され、それぞれ所定パルス形状に成形されて、ライン同期MおよびCとして書込I/F15,IPPおよび画像書込制御部16c(図7)に出力される。同様に、書込ユニット30のセンサ38ybkの光電変換信号に含まれるLDユニット31yおよび31bkの各光ビームを検出した各信号が、分離回路66で分離され、それぞれ所定パルス形状に成形されて、ライン同期YおよびKとして書込I/F15,IPPおよび画像書込制御部16c(図7)に出力される。
書込I/F15には、実質上同一機能の、M,C,Y,K書込I/F15m,15c,15y,15kがあり、それぞれが、IPPが出力する画像データM,C,Y,Kを、半導体レーザ31m,31c,31y,31kの発光を変調するパルス信号(変調パルス)である画信号M,C,Y,Kに変換して、作像ユニット16内の画像書込制御部16cの印字画像制御部25m,25c,25y,25k(図7)に出力する。
M書込I/F15mに関して説明すると、ライン同期Mはフレーム遅延61およびメモリコントローラ62に与えられる。
この実施例では、カラー画像記録で最先に作像を開始する感光体ドラムMを画像露光するレーザビームのライン同期Mを基準のライン同期信号としており、作像ユニット16が作像可で、プロセスコントローラ17が、書込みI/F15とIPPに、作像モード(表1)および画像データの送受信を設定したのち、IPPが、画像データの送信可になるとライン同期Mに同期してEnable信号を、1頁の作像を指示するH(作像指示信号)とする。
フレーム遅延61は、Enable信号が発生してから設定数STD−Mのライン同期Mをカウントアップすると、1ページ(1フレーム)のM作像期間を規定するFGATE−Mを有効にする。他の書込I/F15c,15y,15kでは、Enable信号が発生してからFGATE−C,FGATE−Y,FGATE−Kを有効にするまでのライン同期Mのカウント値(設定数)STD−C,STD−Y,STD−Kは、感光体ドラムMから各感光体ドラムC,Y,Kまで転写ベルトが移動する間のライン同期Mの発生数分、書込I/F15mの設定数STD−Mより大きい値である。これらの設定値を表わすデータは、各書込I/F15m,15c,15y,15kのメモリコントローラ62に設定されており、メモリコントローラ62からフレーム遅延61に与えられる。
FGATE−Mが有効になると、メモリコントローラ62とIPPとの間で、画信号生成モード(表2)対応の制御信号をやり取りして、ライン同期M,C,Y,Kおよび画素クロックCLK1でタイミングを合わせて、IPPからM画像データの、バッファメモリ63への書込を行う。これと並行して、メモリコントローラ62は、バッファメモリ63の画像データを、ライン同期Mおよび画素クロックCLK1に同期して、画像データバッファメモリ63から画信号生成64に送出する。画信号生成64は、画像データを半導体レーザ31mのレーザ光変調用のパルス信号(画信号)に変換して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に出力する。
図6に、画信号生成64の機能構成を示す。画信号生成64には、高密度低階調の作像と低密度低階調の作像に共用の高密度低階調処理/低密度低階調処理64a,高密度低階調の入力画像データを低密度高階調のLD書込データに変換する低密度高階調作像用の低密度高階調変換64b,低密度高階調作像用の低密度高階調64c、および、これらの何れか1つが生成した画信号Mを選択出力するデータセレクタ64dがあり、該画信号Mが、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)の印字画像制御部25mを介してレーザ駆動回路23mに与えられる。この画信号生成64は、次の表1に示すが信号生成モードAH,B,CおよびALを選択的に実施し得るものである。
−信号生成モードAH−
信号生成モードAHは、2ビット(4階調)の画像データD[1:0],画素密度1200dpiで作像用の画素クロックCLK1(以下では1200dpi用CLK1という)、および、それに同期してその2倍の周波数のパルスCLK2(2400dpiで作像用の画素クロックに相当:以下では2400dpi用CLK2という)を高密度低階調処理(/低密度低階調処理)64aに与えて、高密度低階調処理64aで画像データD[1:0]を図8の(a)に示す、画像データD[1:0]のデータ値対応の画信号(同図上のパルス変調形状)に変換して、この画信号を作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に出力する。
2ビット構成の画像データD[1:0]の下位ビットはラッチL1のD0に、上位ビットはラッチL1のD0に、1200dpi用CLK1に同期してラッチ(保持)される。一方、2400dpi用CLK2をカウンタC1がカウントアップするが、このカウンタC1は1200dpi用CLK1でクリアされるので、カウント値は0,1とアップし2になるときに0となりそして1,2とアップして2で0となる循環となる。デコーダD1が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA1に、カウント値が1の間HをアンドゲートA2に出力する。アンドゲートA1にはD0が与えられるので、D0が「1」すなわち高レベルHであると、1200dpi用CLK1の1周期の前半の間、アンドゲートA1の出力がHとなる。アンドゲートA2にはD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、1200dpi用CLK1の1周期の後半の間、アンドゲートA2の出力がHとなる。アンドゲートA1とA2の出力Hの両者がオアゲートR1から出力される(図8の(a)の黒区間)。データセレクタ64dに与えられる信号生成モードデータFが「高密度低階調処理」モードAHを指定するときには、オアゲートR1の出力が画信号として、データセレクタ64dを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に、1200dpi用CLK1(画素同期クロック)とともに出力される。
−信号生成モードB−
信号生成モードBは、2ビット(4階調)の画像データD[1:0],画素密度1200dpiで作像用の1200dpi用CLK1および2400dpi用CLK2を低密度高階調変換64bに与えて、低密度高階調変換64bで、主走査方向(ポリゴンミラーによるレーザ走査方向)で隣り合う2画素宛ての一対の画像データD[1:0]を図8の(b)に示す、画信号(同図上のパルス変調形状)に変換して、この画信号を作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に出力する。
低密度高階調変換64bでは、隣り合う2画素宛ての一対の画像データD[1:0]の、先行画素宛てのものがDフリップフロップ(ラッチ)F1に保持されて、後行画素のものと同時に、変換テーブルT1の読み出しアドレス入力端に与えられ、変換テーブルT1が、該一対の画像データに宛てた、4ビット構成(16階調)のLD書込データA[3:0]を、ラッチL2に出力する。分周H1が、1200dpi用CLK1の2倍の周期の、該CLK1に同期した画素同期クロックCLK1/2(以下では600dpi用CLK1/2という)を発生してラッチL2,カウンタC2およびデータセレクタ64dに出力する。ラッチL2が上記LD書込データA[3:0]を、600dpi用CLK1/2に同期してラッチする。
4ビット構成のLD書込データA[3:0]の各ビットA0〜A3はラッチL2のA0〜A3に、600dpi用CLK1/2に同期してラッチされる。一方、2400dpi用CLK2をカウンタC2がカウントアップするが、このカウンタC2は600dpi用CLK1/2でクリアされるので、カウント値は0,1,2,3とアップし4になるときに0となりそして1,2,3とアップして4で0となる循環となる。デコーダD2が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA3に、カウント値が1の間HをアンドゲートA4に、カウント値が2の間高レベルHをアンドゲートA5に、カウント値が3の間HをアンドゲートA6に出力する。各アンドゲートA3〜A6には、ラッチL2が保持するLD書込データA[3:0]の各ビットA0〜A3が与えられるので、データA[3:0]のA0が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1/2の1周期の第1の1/4区間の間、アンドゲートA3の出力がHとなる。アンドゲートA4にはデータA[3:0]のA1が与えられるので、A1が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1/2の1周期の第2の1/4区間の間、アンドゲートA4の出力がHとなる。また、データA[3:0]のA2が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1/2の1周期の第3の1/4区間の間、アンドゲートA5の出力がHとなる。アンドゲートA6にはデータA[3:0]のA3が与えられるので、A3が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1/2の1周期の最後の1/4区間の間、アンドゲートA6の出力がHとなる。
アンドゲートA3〜A6の各出力HがオアゲートR2から出力される(図8の(b)の黒区間)。データセレクタ64dに与えられる信号生成モードデータFが「低密度高階調変換」モードBを指定するときには、オアゲートR2の出力が画信号として、データセレクタ64dを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に、600dpi用CLK1/2(画素同期クロック)とともに出力される。
−信号生成モードC−
信号生成モードCは、4ビット(16階調)の画像データD[3:0],画素密度600dpiで作像用の画素クロックCLK1(以下では600dpi用CLK1という)、および、それに同期しその4倍の周波数のパルスCLK2(2400dpiで作像用の画素クロックに相当:以下では2400dpi用CLK2という)を低密度高階調処理64cに与えて、低密度高階調処理64cで画像データD[3:0]を図9の(a)に示す、画像データD[3:0]のデータ値対応の画信号(同図上のパルス変調形状)に変換して、この画信号を作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に出力する。
4ビット構成の画像データD[3:0]の各ビットD0〜D3はラッチL3のD0〜D3に、600dpi用CLK1に同期してラッチされる。一方、2400dpi用CLK2をカウンタC3がカウントアップするが、このカウンタC3は600dpi用CLK1でクリアされるので、カウント値は0,1,2,3とアップし4になるときに0となりそして1,2,3とアップして4で0となる循環となる。デコーダD3が、カウント値が0の間高レベルHをアンドゲートA7に、カウント値が1の間HをアンドゲートA8に、カウント値が2の間高レベルHをアンドゲートA9に、カウント値が3の間HをアンドゲートA10に出力する。各アンドゲートA7〜A10には、ラッチL3が保持するデータD[3:0]の各ビットD0〜D3が与えられるので、データD[3:0]のD0が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1の1周期の第1の1/4区間の間、アンドゲートA7の出力がHとなる。アンドゲートA8にはデータD[3:0]のD1が与えられるので、D1が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1の1周期の第2の1/4区間の間、アンドゲートA8の出力がHとなる。また、データD[3:0]のD2が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1の1周期の第3の1/4区間の間、アンドゲートA9の出力がHとなる。アンドゲートA10にはデータD[3:0]のD3が与えられるので、D3が「1」すなわち高レベルHであると、600dpi用CLK1の1周期の最後の1/4区間の間、アンドゲートA10の出力がHとなる。
アンドゲートA8〜A10の各出力HがオアゲートR3から出力される(図9の(a)の黒区間)。データセレクタ64dに与えられる信号生成モードデータFが「低密度高階調処理」モードCを指定するときには、オアゲートR3の出力が画信号として、データセレクタ64dを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に、600dpi用CLK1(画素同期クロック)とともに出力される。
−信号生成モードAL−
信号生成モードALは、2ビット(4階調)の画像データD[1:0],600dpi用CLK1、および、それに同期してその2倍の周波数の1200dpi用CLK2を低密度低階調処理(/高密度低階調処理)64aに与えて、低密度低階調処理64aで画像データD[1:0]を図9の(b)に示す、画像データD[1:0]のデータ値対応の画信号(同図上のパルス変調形状)に変換して、この画信号を作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に出力する。低密度低階調処理64aの機能は、前述の「高密度低階調処理」モードAHのときと同様である。ただし、オアゲートR1からは、図9の(b)に示す黒区間を形成するが信号が出力される。データセレクタ64dに与えられる信号生成モードデータFが「低密度低階調処理」モードALを指定するときに、オアゲートR1の出力が画信号として、データセレクタ64dを介して、作像ユニット16の画像書込制御部16c(図7)に、600dpi用CLK1(画素同期クロック)とともに出力される。
図7に、カラープリンタ14の作像ユニット16にある画像書込制御部16cの構成を示す。マゼンタM,シアンC,イエローYおよびブラックKの各色画信号宛ての印字画像制御部25m,25c,25yおよび25kは、プロセスコントローラ17のCPUの命令により書込制御部16c全体の制御をし、書込I/F15の各色書込I/F15m,15c,15y,15kの各画信号生成64のデータセレクタ64dから出力される画信号M,C,YおよびKをレーザ駆動回路23m,23c,23yおよび23kに転送する。
以下においては、記述を簡単にするために、色成分区分符号m,c,yおよびkを省略して要素符号を示す。
書込クロック生成回路21は、主走査画素単位の周期のクロック信号であるCLK1/2又はCLK1(図6)を位相同期回路22に送る。位相同期回路22は、分離65,66(図5)から送られるライン同期信号(ライン同期パルス)で、書込クロック生成回路21から送られるCLK1/2又はCLK1を位相補正し主走査画素単位でレーザ点灯するための信号CLK−W(書込み画素同期信号;画素同期パルス)をレーザ駆動回路23に転送する。
印字画像制御部25は、画像データ枠(用紙面)にトリム領域を設定したり、画像枠(画像面)に任意の枠線を重ねあわせるなどの画像加工処理をプロセスコントローラ17の内部のCPUが指定する内容により行う。すなわち印字画像制御部25は、プロセスコントローラ17が与える用紙サイズ,トリム領域データおよび境界線書込有無に基いて、到来する画像信号の用紙上の印字位置を、主走査カウント(画素同期パルスのカウント)と副走査カウント(ライン同期パルスのカウント)で追跡し、トリム領域に割当てられる画像信号の出力を停止又は非記録信号への変換を行い、境界線書込有の場合は更に、トリム領域のエッジの内側の数画素の画像信号を、線書込信号に変換する(トリム境界線の書込)。
レーザ駆動回路23は、印字画像制御部25から送られる画信号M,C,Y,Kで、位相同期回路22からくるCLK信号(画素同期パルス)の周期の画素駆動信号を変調してレーザ駆動信号を発生して半導体レーザ31に印加する。半導体レーザ31はレーザ駆動回路23から送られたレーザ駆動信号のレベルに対応する光量のビームを照射する。ポリゴンモータ制御回路24は、印字画像制御部25の信号で、ポリゴンモータを所定の回転速度にPLL(Phase Locked Loop)制御する。
各色作像の画像解像度は、主走査画素クロック設定(画素同期パルスの周期の設定)とポリゴン回転速度設定(ライン同期パルスの周期の設定)で行う。書込クロック生成回路21は、画信号生成が与える画素同期パルス(CLK1/2,CLK1)に同期したレーザ駆動用の画素同期パルスを発生する。ポリゴン回転速度設定はポリゴンモータ制御回路24によって行われる。
ここで図6を再度参照して、「低密度高階調変換」64bの内容を、更に詳しく説明する。図8の(a)には、高密度低階調の入力画像データD[1:0]に対応した、レーザ変調のパルス波形対応の記録ドット長を模式的に、パルス変調形状として示した。ここでは、入力画像データD[1:0]は、主走査,副走査共に1200dpiの解像度、1画素(1ドット)当たり2bit構成(4階調)の画像データである。技術上、1画素あたり3bit(8階調)以上の画像データ構成の場合でも同様に可能である。
1画素の画像データが2bit構成の場合、入力画像データのデータ値は4通り存在する。従って、1200dpi単位のパルス変調(1ドット記録区間内での、記録指示レベルのパルス幅および位置)にて4値出力(4階調表現)を目標仕様とする。即ち、図8の(a)に示した様に1200dpiの1画素幅を半分に分離し、前半と後半にて画信号レベルを独立制御することにより4値(4階調)のパルス変調を実現する。2bit構成の入力画像データD[1:0]のLSBをパルス変調周期(1ドット区間)の前半部に、MSBを後半部に対応させ、入力画像データの各ビットが0の時は画信号(変調データ):OFF(低レベルL)、1の時は画信号:ON(高レベルH)とする組合せにて、入力画像データとパルス変調形状のイメージを対応させている。
「低密度高階調変換」64bでは、主走査方向で隣接する2画素を1対とする区分にして、1対の画素に宛てられた2画像データを1画素宛てのLD書込画像データA[3:0]に変換する。ここで、主走査方向に配列された、変換の対象となる入力画像データを、N=2個を1対とするが、技術上、N≧3個以上主走査方向に配列された入力画像データを1組にすることも同様に可能であるが、組合せが多数発生し、説明が複雑になるので、ここではN=2個を例示した。
入力画像データD[1:0]の解像度が1200dpi、N=2個の場合、主走査方向に配列した2個の画像データD1[1:0],D2[1:0]を1つの画像データであるLD書込画像データA[3:0]に置換すると、LD書込画像データA[3:0]の解像度は1200/2=600dpiになる。この場合のデータ変換の模式図を図10に示した。左側(a),(c)が変換前の1200dpi入力画像データD[1:0]であり、右側(b),(d)が変換後の600dpiのLD書込画像データA[3:0]である。入力画像データD[1:0]のN=2個のある組合せ例として図10の(a)には先行画素データ=3h、後行画素データ=0hの黒白画素の組合せを示し、図10の(b)には、変換後のLD書込画像データA[3:0]が表わす画像を模式的に示した。ベタ黒とベタ白の画素組合せの場合、変換後の600dpiのLD書込画像データはパルス変調にて前半50%が黒、後半50%が白の左50%モードの画信号とする。
他方、図10の(c)に示した先行画素データ=1h、後行画素データ=2hの画素組合せの場合、変換後の600dpiのデータを2ビット構成のA[1:0]とすると、入力画像データの階調を100%再現することができない。つまり、1画素2bit構成の入力画像データD[1:0]を、主走査方向に2画素を1画素とするものに変換する場合に、変換後のLD書込画像データも同様に1画素2bit構成のA[1:0]では、複数画素の入力画像データの組み合わせを再現可能な合成変換できる組合せは100%達成できない。そこで、図8の(b)のようにLD書込画像データを1画素当たり4bit構成(16階調)のA[3:0]にして、前述の図10の(c)に示した先行画素,後行画素の組合せにA[3:0]=6hを割り当てて図10の(d)に示すように再現するようにした。その他の先行画素と後行画素の組合せでも、LD書込画像データを4bit構成A[3:0]にすることにより、1200dpi解像度の入力画像データD[1:0]の2画素分のデータを600dpi解像度のLD書込画像データA[3:0]に変換する事ができる(図8の(b)参照)。
「低密度高階調変換」64bでは、上記1画素2bit構成の1200dpi入力画像データD[1:0]を、主走査方向に配列された2つの画像データD1[1:0],D2[1:0]の組合せに応じて、1画素4bit構成の600dpiLD書込画像データA[3:0]に変換し同等のパルス変調特性を有する画信号に変換する。この変換後のLD書込画像データA[3:0]に基づいて主走査600dpi、副走査1200dpiの中高速エンジン装置を用いる事で主走査1200dpi解像度の高速エンジン装置を用いた場合と同等の高解像度の出力画像を得る事ができる。
表2に、図6に示す変換テーブルT1の変換データを示す。表2上の、先行,後行画素の画像データD1[1:0],D2[1:0]の組合せに対応する変換データA[3:0]は、図8の(b)に示すパルス変調形状を実現するものである。変換テーブルT1は、先行,後行画素の画像データD1[1:0],D2[1:0]の組合せに、組み合わせ濃度を忠実に再現する1つのLD書込画像データA[3:0]を割付けて登録(記憶)したものであり、先行,後行画素の画像データD1[1:0],D2[1:0]の組合せをアドレスとして与えると、該組合せに割付けられたLD書込画像データA[3:0]を出力するものである。つまりデータ変換テーブルT1は、例えば先行画素データD1[1:0]=2h、後行画素データD2[1:0]=3hを与えると、LD書込画像データA[3:0]=Bh(表2)を出力する。
この変換テーブルT1は、プリンタ14に電源が投入された直後に、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ17の共同によって、不揮発メモリであるHDDから読み出されて、書込I/F15の制御ASIC内部の、揮発メモリであるRAMの変換データ格納領域に格納(転送)されている。レーザ駆動回路23あるいは半導体レーザ31の駆動特性あるいは発光特性が変化したり、画像形成の対象となる印刷物が文字原稿や写真原稿によりジョブの種別が変更された場合には、入力画像データに対するパルス変調特性を変更する場合がある。そこで本実施例では、HDD(図3)に複数グループの変換テーブルを登録しており、操作ボード20の初期設定キーを操作して実行する初期設定モードにおいて1グループの変換テーブルを使用に登録し、該グループの中の濃度表現が中位(例えば図8の(b))のテーブルを標準テーブル(デフォルト)として、他の指定に切り換えられない限り、プリンタ電源がオンになった直後に、システムコントローラ1およびプロセスコントローラ17によって該標準テーブルをHDDから書込I/F15の制御ASIC内部のRAMの変換データ格納領域(図6のT1)に転送する。操作ボード20のユーザ入力による濃度表現の切り換え指定に応じてシステムコントローラ1が、指定が合った濃度表現に対応付けられているテーブルを切り換え指定して、プロセスコントローラ17と共同して、該指定があったテーブルをHDDから書込I/F15の制御ASIC内部のRAMの変換データ格納領域(図6のT1)に転送する。すなわち図6の変換テーブルT1を書き換える。
図6の変換テーブルT1(表2)の変換特性は、高濃度データを減らし低濃度データを多くすることにより低濃度変換特性となり、逆に高濃度データを多くし低濃度データを減らすことにより高濃度変換特性となる。また、高濃度データおよび低濃度データを多くして中濃度データを減らすことにより高低濃度差を強調する変換特性となり、逆に高濃度データおよび低濃度データを少なくして中濃度データを多くすることにより、濃度差を抑制する変換特性となる。
図11の(a)には、HDDに格納している、高濃度データを1つ減らし低濃度データを1つ多くすることによりやや低濃度変換特性とした変換特性の変換テーブルの一例を示し、図11の(b)には、高濃度データを1つ増やし低濃度データを1つ少なくすることによりやや高濃度変換特性とした変換特性の一例を示す。ユーザが、ジョブ種別に応じて操作ボード20上の濃度表現の指定を切り換えると、図6の変換テーブルT1のデータが、HDDにある、指定された濃度表現に対応付けられた変換特性のものに書き換えられる。ユーザが要求する所望の出力画像を得る事ができる。
なお、作像ユニット16のハードウエアと機能設定によって、作像ユニット16が上述の画信号生成モードAH,B,CおよびALのすべてに適合するとは限らないので、不揮発メモリ19(図3)には、適合するモードを表わすコード(データセレクタ64dに与える出力選択データF相当のもの)を登録しており、これをプロセスコントローラ17を介してシステムコントローラ1に保持し、プリントコマンドを受けるとシステムコントローラ1がモードコードをプリントコマンドを発したホスト(例えばPC,FCU)に返送して、画信号生成モードをホストが指定し、この指定をシステムコントローラ1がIPPおよびプロセスコントローラ17およびその他の作像制御に関連する部位に報知し、これを受信した各部が、指定があった画信号生成モードの制御あるいは信号処理を実行する。
操作ボード20からのコピー又はプリントコマンドに関しては、システムコントローラ1が、作像ユニット16が適合する画信号生成モード(作像モード)の指定入力のみを受け付けて、他のモードの指定には応答しないので、ユーザは操作ボード20からは、作像ユニット16が適合しない作像モードの指示入力はできない。