JP4089887B2 - サーマルヘッド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明はサーマルヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のサーマルヘッドは、図５の斜視図及び図６の断面図に示すように、回路基板３上に発熱体２と該発熱体２を通電する電極（図示せず）を設けた絶縁基板１を粘着材（図示せず）により固定し、前記発熱体２を駆動する駆動素子４が前記回路基板３上に設けられている。
そして、前記電極と前記駆動素子４、及び前記駆動素子４と前記回路基板３に形成された配線（図示せず）とがワイヤ１１、１１にて接続され、前記駆動素子全体を樹脂６で封止して前記駆動素子４の保護を図っている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
実開平５−９９４１号公報
【０００４】
サーマルヘッドは、発熱体の熱によって印字を行うので、サーマルヘッド本体の温度も必然的に上昇する。本体の温度が上昇している場合は常温時と同じエネルギーを印加すると印字が濃くなり過ぎ、逆に、本体の温度が低下している場合は常温と同じエネルギーを印加すると印字が薄くなる。
そこで、サーマルヘッドの温度が上昇している場合は印加エネルギーの設定を下げ、温度が低下している場合は印加エネルギーの設定を上げて印字を行う制御方法が用いられる。
【０００５】
サーマルヘッドの温度を検出をする手段として、温度によって抵抗値が変化するサーミスタ５を回路基板３に形成されたランド８に接続して用いているのが一般的である。（例えば、特許文献２）
【０００６】
【特許文献２】
実開昭６１−１７７８４６号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献１に記載の構成を有するようなサーマルヘッド（本願の図６に示すような従来例）において、発熱体２が設けられている絶縁基板１が加熱されると、熱は矢印１２で示すように絶縁基板１から回路基板３を経て支持板１０に伝わり、さらに、支持板１０の内部を経て再び回路基板３を経てサーミスタ５に伝わる。
【０００８】
回路基板３は、例えばガラス布基材エポキシ樹脂（熱伝導率：０．３８１Ｗ／ｍ・Ｋ）などを主材料としているので非常に熱伝導が悪い。このため、絶縁基板１の熱がサーミスタ５に伝わるのが遅れ、サーミスタ５で検出される温度は、絶縁基板１の温度よりも低くなってしまう。
絶縁基板１の温度とサーミスタ５の検出温度に大きな差がある場合は、エネルギー調整にずれが生じるので、印字の濃さを適切に調整することが困難となり、その結果、印字の品質が低下することになる。
【０００９】
本発明は、前記問題点に鑑み、回路基板上の絶縁基板と回路基板に搭載されたサーミスタ間の伝熱を向上させ、印字品質の高いサーマルヘッドを提案するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、該回路基板上に前記発熱体を駆動する駆動素子及びサーミスタを設けたサーマルヘッドであって、前記絶縁基板からの熱を前記サーミスタに伝える温度検出用金属パターンと伝熱用金属パターンとを前記回路基板内に形成し、前記温度検出用金属パターンを前記発熱体と重なる絶縁基板部下に設ける。
絶縁基板の熱が前記各金属パターンを経て速やかにサーミスタに伝わり、絶縁基板の温度とサーミスタの検出温度との温度差が小さくなる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の実施の形態を図１及び図２を参照しながら説明する。ここで、従来と同じ構成要素には図５及び図６と同じ符号を付してある。
以下、詳述すると、図１の断面図及び図２の平面図に示すように、回路基板３ａ上に発熱体２と該発熱体２を通電する電極（図示せず）を設けた絶縁基板１ａを粘着材（図示せず）により固定し、前記発熱体２を駆動するための駆動素子４が前記回路基板３ａ上に設けられている。
また、前記電極と前記駆動素子４、及び前記駆動素子４と前記回路基板３ａに形成された回路配線とがワイヤ１１、１１にて接続され、樹脂６で前記駆動素子全体を一体封止して保護を図っている。
【００１２】
さらに、前記回路基板３ａの上面には、前記絶縁基板１ａを介して前記発熱体２と重なる部分に温度検出用金属パターン７が形成されている。
前記温度検出用金属パターン７は、前記回路基板３ａのスルーホール１４を経て前記回路基板３ａの下面に密着して形成された伝熱用金属パターン１３及び回路基板３ａのスルーホール１５を経て回路基板３ａのランド９にが接続され、該ランド９にはサーミスタ５が接続されている。
そして、前記回路基板３ａは、全体として支持板１０上に粘着材（図示せず）により固定されている。
【００１３】
このように、前記回路基板３ａ上の温度検出用金属パターン７と前記サーミスタ５が接続されたランド９間を伝熱用金属パターン１３で繋ぐことにより、図１の矢印１６で示すように、前記絶縁基板１ａからの熱が温度検出用金属パターン７、スルーホール１４、伝熱用金属パターン１３、スルーホール１５及びランド９を経てサーミスタ５に速く伝わり、絶縁基板１ａの温度とサーミスタ５の検出温度を近づけることができる。
【００１４】
例えば、銅（熱伝導率：４００Ｗ／ｍ・Ｋ）などの金属は熱伝導が良いので、これを伝熱経路に利用すると前記絶縁基板１ａの熱が前記伝熱用金属パターン１３を経て前記サーミスタ５に速く伝わり、前記絶縁基板１ａの温度と前記サーミスタ５の検出温度との温度差を小さくすることができる。
【００１５】
次に、第２の実施の形態を説明する。
図３の断面図及び図４の平面図に示すように、回路基板３ｂの絶縁基板１ａが設けられる上面とは反対の下面にランド９ａを設けられている。そして、温度検出用金属パターン７ａとサーミスタ５が接続されるランド９ａは、前記回路基板３ｂの下面に密着して設けられた伝熱用金属パターン１３及びスルーホール１４を経て接続されている。これによって、第１の実施の形態のスルーホール１５を省略することができる。その他の構成は前記第１の実施の形態と変わらない。
【００１６】
以上の構成により、図３の矢印１７で示すように、絶縁基板１ａからの熱が温度検出用金属パターン７ａ、スルーホール１４、伝熱用金属パターン１３及びランド９ａを経てサーミスタ５に速く伝わり、絶縁基板１ａの温度とサーミスタ５の検出温度を近づけることができる。
前記実施の形態では、伝熱用金属パターンを回路基板の下面に設けたが、伝熱用金属パターンを回路基板の上面に設けて実施することもでき、伝熱に寄与するスルーホールを全て省略することができる。
【００１７】
【発明の効果】
本発明は、回路基板に設けた伝熱用金属パターンによって、回路基板上に設けた絶縁基板の熱をサーミスタに速く伝えることができるので、サーミスタの検出温度を絶縁基板の温度により近づけることができる。その結果、適切な発熱体の温度制御が可能となり、印字品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態の断面図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態の平面図である。
【図３】本発明の第２の実施の形態の断面図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態の平面図である。
【図５】従来のサーマルヘッドの斜視図である。
【図６】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
１ａ・・絶縁基板 ２・・発熱体 ３ａ、３ｂ・・回路基板 ５・・サーミスタ１３・・伝熱用金属パターン

Claims (2)

1. 発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、該回路基板上に前記発熱体を駆動する駆動素子及びサーミスタを設け、前記絶縁基板の熱を前記サーミスタへ伝達するようにしたサーマルヘッドであって、
   前記絶縁基板部下において前記発熱体に重なるように前記回路基板の上面に形成され、前記絶縁基板からの熱を検出する温度検出用金属パターンと、
   前記回路基板に設けられた第１のスルーホールを介して前記温度検出用金属パターンと接続され、前記回路基板の下面に密着して形成された伝熱用金属パターンと
   を有し、
   前記回路基板に設けられた第２のスルーホールを介して前記伝熱用金属パターンと前記回路基板の上面に設けたサーミスタと接続してなることを特徴とするサーマルヘッド。
2. 発熱体を設けた絶縁基板を回路基板上に固定し、該回路基板上に前記発熱体を駆動する駆動素子及びサーミスタを設け、前記絶縁基板の熱を前記サーミスタへ伝達するようにしたサーマルヘッドであって、
   前記絶縁基板部下において前記発熱体に重なるように前記回路基板の上面に形成され、前記絶縁基板からの熱を検出する温度検出用金属パターンと、
   前記回路基板に設けられたスルーホールを介して前記温度検出用金属パターンと接続され、前記回路基板の下面に密着して形成された伝熱用金属パターンと
   を有し、
   前記伝熱用金属パターンと前記回路基板の下面に設けられたサーミスタと接続してなることを特徴とするサーマルヘッド。

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