JP4089312B2 - 画像形成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成システムに関し、詳しくは画像形成装置と情報処理装置とがネットワークで接続されて成る画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像が記録された原稿から画像を読み取り画像データとして出力する画像読取手段と、画像データに基づいて用紙等に画像を形成する画像形成手段とを有するディジタル複写機等の画像形成装置がよく知られている。
【0003】
このような画像形成装置では、たとえば、画像読取手段によって読み取った画像データに対してトリミング等の簡単な画像処理を施し、この画像処理を施した画像データに基づいて画像形成手段が画像形成を行うことができる。
【0004】
また、従来からネットワーク環境で用いられる画像形成システムが提供されている。
【0005】
この画像形成システムは、たとえば、ディジタル複写機等の画像形成装置と、たとえば画像形成装置に対して画像のスキャン(読み取り)やプリント(印刷)を指示するパソコンやワークステーション等の情報処理装置とがネットワークで相互に接続されて構成される。また、ネットワークに複数の画像形成装置や複数の情報処理装置が接続される構成もとり得る。
【0006】
このような画像形成システムにおいては、たとえば情報処理装置からもしくは画像形成装置の操作部から画像形成装置に対して画像の読み取りを指示し、画像形成装置が読み取った画像を情報処理装置に転送するスキャナモードとしての利用法が知られている。
【0007】
従来の画像形成システムでは、たとえばこのスキャナモードで画像形成装置が読み取った画像の画像データを情報処理装置に転送し、この画像データを受け取った情報処理装置では、画像データを画像ファイルとしてそのままたとえばハードディスクに保存したり、その画像ファイルを必要に応じて画像形成装置に転送して画像形成を行うことができる。
【0008】
このように従来は、ネットワークで接続された装置どうしの間で画像データ等のやり取りを行う画像形成システムが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像形成システムにおいてはネットワークに接続された資源を有効活用することが望まれる。たとえば、自装置だけでは提供できない画像処理機能であってもネットワークに接続された他の装置によって実現可能であれば、その他の装置に画像データを送信してその画像処理機能を利用し、ユーザに提供することができる。
【0010】
一方、画像形成システムにおいて、ネットワーク上のどの装置によってどの機能が提供されるのかを細かくユーザに意識させるのは、操作性向上の観点からあまり望ましくない。このため、ネットワークに接続された他の装置の機能を利用するような場合に、ユーザは知らぬ間に、たとえば画像データを思いもよらない装置に送信してしまっていることがある。さらには、誤操作により重要機密データを予想外の相手に漏洩してしまうことさえあり得る。
【0011】
こうなると、画像形成システムにおける、データのセキュリティ管理の面で不安が残るという問題があった。
【0012】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、ネットワークに接続された画像形成装置等の複数の装置で構成される画像形成システムにおいて、データのセキュリティ管理を行うことができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【0013】
本発明は上記の目的を達成するために、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置と画像データのやり取りを行う複数の情報処理装置とをネットワークで接続して成る画像形成システムにおいて、前記画像形成装置から前記情報処理装置に前記画像データを送信する際の通信許容範囲を定めるセキュリティレベルを、ユーザごとに設定するセキュリティレベル設定手段を備え、前記ネットワークに接続されたサーバを有し、前記サーバが前記セキュリティレベル設定手段によって設定されたユーザごとのセキュリティレベルを記憶するセキュリティレベル記憶手段と、前記セキュリティレベル記憶手段に記憶されたセキュリティレベルに基づいて、該ユーザが操作する画像形成装置の通信範囲を制限するセキュリティ手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記ネットワークを介して行われた処理のログを記録するログ記録手段をさらに有することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、請求項3に記載の発明において、前記画像形成装置が、ユーザが該画像形成装置を使用する際に該ユーザに設定されたセキュリティレベルに基づくセキュリティ状態を表示するセキュリティ状態表示手段を有することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記画像形成装置が、前記セキュリティレベル設定手段によって設定されたセキュリティレベルの通信許容範囲に基づいて、表示する内容を異ならせる表示手段を有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
ここで、図1を参照して本実施の形態の画像形成システムの構成および基本動作について説明する。
【0022】
図1は、本発明による画像形成システムの一実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施の形態では、画像形成装置の例として電子写真方式のディジタル複写機を挙げ、情報処理装置の例としてPC(パソコン)を挙げて説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態の画像形成システムは、ディジタル複写機1と、ディジタル複写機2と、PC3と、PC4と、PC5とをネットワーク6で接続して構成される。
【0025】
ディジタル複写機1および2は、それぞれが単独で原稿の読み取り(スキャン)および画像形成(プリント)が可能なものであり、そのほかに、ネットワーク6に接続されることにより、たとえばディジタル複写機1で読み取った画像をディジタル複写機2に転送しディジタル複写機2で画像形成したり、その逆も可能である。すなわち、ディジタル複写機1や2で読み取った画像をネットワーク6を介して他の装置に転送したり、ネットワーク6を介して他の装置から受け取った画像をディジタル複写機1や2で画像形成したりすることが可能である。
【0026】
また、本実施の形態は、ネットワーク6にPC3、4、5も接続されて構成されている。このうち、PC3はPCサーバとして動作するものであり、このPCサーバ3は、後述のように、画像形成システムにおけるセキュリティを制御する。PC4、PC5は、それぞれ画像処理手段を有し、この画像処理手段によってたとえばネットワーク6を介して入力された画像データに対して所定の画像処理を施すことができる。この画像処理としては、輝度調整、色調調整、階調調整、画像のトリミング、画像のシャープ化、ソフト化、面付けなど、画像データに対して施されるすべての画像処理が対象となる。
【0027】
ネットワーク6は、たとえばイーサネット(登録商標)やトークンリング等のLANやそのほかインターネットなど、どのようなネットワークでもかまわない。ネットワーク6に接続された各装置のそれぞれには、予めネットワーク上のアドレス(たとえばIPアドレス)が設定されており、各装置はこのアドレスによって識別され、ネットワーク6に接続された他の装置との通信を行う。
【0028】
なお、図1では、ディジタル複写機すなわち画像形成装置とPCすなわち情報処理装置との数的関係が多対多となっているが、これが1対多となってもかまわないことはいうまでもない。
【0029】
図2は、図1に示したディジタル複写機1の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示したディジタル複写機1および2は、本実施の形態に関わる基本構成は同様であるので、ここでは代表してディジタル複写機1について説明する。
【0031】
ディジタル複写機1は、図1に示したネットワーク6とのインタフェースであるネットワーク接続手段11と、ディジタル複写機1全体の動作を制御する制御手段12と、原稿から画像を読み取る画像読取手段13と、たとえば紙などに画像を形成する画像形成手段14と、画像読取手段13が読み取った画像データやそのほかディジタル複写機1の動作に必要なパラメータ等を記憶する記憶手段15と、ユーザがディジタル複写機1に対する操作、指示等を入力する入力手段16と、ユーザに対して様々な情報を表示する表示手段17とを有して構成される。なお、入力手段16と表示手段17とは、タッチパネルのように一体化した操作画面で構成されることもあり得る。
【0032】
図3は、図1に示したPC3の構成を示すブロック図である。
【0033】
PC3は、図1に示したネットワーク6とのインタフェースであるネットワーク接続手段31と、PC3全体の動作を制御する制御手段32と、制御手段32で実行する、本実施の形態の画像形成システムにおいてPCサーバとして動作するためのプログラムなどを記憶する記憶手段33と、ユーザがPC3に対する操作、指示等を入力する入力手段34と、ユーザに対して様々な情報を表示する表示手段35とを有して構成される。
【0034】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0035】
本実施の形態の画像形成システムでは、ネットワーク内に設けられたPCサーバすなわちPC3がセキュリティレベルの管理を行う。
【0036】
このセキュリティレベルはたとえばユーザごとに予め定めたものである。ユーザがディジタル複写機1で画像処理の指示を行う際には、まず、たとえばパスワードによる認証が行われ、そのユーザに予め設定されたセキュリティレベルに応じて通信可能なネットワーク範囲が定められる。
【0037】
図4は、セキュリティレベルの一例を示す表図である。
【0038】
この図4ではセキュリティレベルを5段階に設定した例を示す。なお、セキュリティレベルが5段階に限らず、何段階であってもいいことはいうまでもない。
【0039】
セキュリティレベル1は利用権限が最も許容されたレベルであり、このレベルに設定されたユーザは、ネットワーク接続されたすべての装置と通信することが可能であり、すなわち、そのネットワーク接続されたすべての装置のいずれかによって提供される画像処理を利用することができる。
【0040】
また、セキュリティレベル2では予め定めた指定IPアドレスの装置以外の装置とのみ通信することが可能であり、すなわち、このレベルに設定されたユーザは、その通信可能な装置のうちのいずれかによって提供される画像処理を利用することができる。
【0041】
また、セキュリティレベル3では予め定めたローカルネットワーク内の装置とのみ通信することが可能であり、すなわち、このレベルに設定されたユーザは、その通信可能な装置のうちのいずれかによって提供される画像処理を利用することができる。この場合、たとえばユーザの会社内でローカルネットワークを構築し、さらに外部のネットワークとも接続するような場合、社内ネットワークに接続された装置とのみ通信を行うような利用をすることができる。
【0042】
また、セキュリティレベル4では予め定めた指定IPアドレスの装置とのみ通信することが可能であり、すなわち、このレベルに設定されたユーザは、その通信可能な装置のうちのいずれかによって提供される画像処理を利用することができる。
【0043】
また、セキュリティレベル5ではネットワークによって接続されたすべての装置と通信することができず、すなわち、このレベルに設定されたユーザは、自分が使用しているディジタル複写機1によって提供される画像処理のみを利用することができる。
【0044】
上述のPCサーバとしてのPC3では、記憶手段33に、ユーザを特定するユーザIDと、それに対応する、認証のためのパスワードおよびセキュリティレベルを記憶しておき、ユーザがたとえばディジタル複写機1の入力手段16から操作開始のためにユーザIDを入力した際に、記憶手段33に記憶されたパスワードを参照して認証を行い、そのユーザに設定されたセキュリティレベルにおける操作を認める。
【0045】
なお、このユーザごとのセキュリティレベルの設定や変更を行うことができるのは、ある特定の管理者ユーザのみとするのがよい。このようにすることによって、不正なネットワーク処理を抑制することができる。
【0046】
また、上述のようなユーザごとのセキュリティレベルを設定すると、ユーザごとに利用することができる画像処理の種類に違いが生じてくる。そこで、ディジタル複写機1の表示手段17において、たとえば利用可能な画像処理名を表示する際には、ユーザごとに表示内容を異ならせ、そのユーザが利用できない画像処理名はグレイアウトや網掛けをして操作できない状態で表示したり、まったく表示しないようにすることができる。
【0047】
また、個々のユーザが自ら、ネットワークに接続するかしないかをディジタル複写機1の入力手段16から入力し、これに基づき、PC3が、セキュリティレベルの許容範囲内でネットワークを使用するか、まったく使用しないかを定めるようにしてもよい。
【0048】
また、ディジタル複写機1の表示手段17には、現在のセキュリティレベルを表示し、ユーザがそれを知ることによって安心して操作を行うことができるようにしてもよい。
【0049】
また、上述の実施の形態では、ユーザごとにセキュリティレベルを設定したが、本発明はこれに限られるものではなく、たとえば、画像処理の機会ごとにセキュリティレベルを変更、設定することができるようにしてもよい。
【0050】
また、PC3においては、画像形成システム全体のネットワークを介して行われた処理のログ(履歴)を記録しておくようにするのがよい。こうすることによって、いつ誰がどの機能を利用したのかをネットワーク管理者が把握することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークに接続された画像形成装置等の複数の装置で構成される画像形成システムにおいて、データのセキュリティ管理を行うことができる画像形成システムを提供することができる。
【0052】
すなわち本発明によれば、画像形成システムで実行される各処理において、セキュリティを設定し、それに応じてネットワーク内の通信可能範囲を定めるようにしたので、セキュリティの高いネットワーク処理を行うことができる。
【0053】
また、ユーザがネットワークを利用するかしないかを選択することができるようにすれば、ユーザ自身が重要機密データであると認識しているデータをユーザ自身の選択によって完全に漏洩しないよう機密管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成システムの一実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したディジタル複写機の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したPCサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】セキュリティレベルの一例を示す表図である。
【符号の説明】
1、2 ディジタル複写機
3 PCサーバ
4、5 PC
6 ネットワーク
11 ネットワーク接続手段
12 制御手段
13 画像読取手段
14 画像形成手段
15 記憶手段
16 入力手段
17 表示手段
31 ネットワーク接続手段
32 制御手段
33 記憶手段
34 入力手段
35 表示手段

Claims (4)

  1. 画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置と画像データのやり取りを行う複数の情報処理装置とをネットワークで接続して成る画像形成システムにおいて、
    前記画像形成装置から前記情報処理装置に前記画像データを送信する際の通信許容範囲を定めるセキュリティレベルを、ユーザごとに設定するセキュリティレベル設定手段を備え、
    前記ネットワークに接続されたサーバを有し、前記サーバが前記セキュリティレベル設定手段によって設定されたユーザごとのセキュリティレベルを記憶するセキュリティレベル記憶手段と、前記セキュリティレベル記憶手段に記憶されたセキュリティレベルに基づいて、該ユーザが操作する画像形成装置の通信範囲を制限するセキュリティ手段とを有する
    ことを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記ネットワークを介して行われた処理のログを記録するログ記録手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記画像形成装置が、ユーザが該画像形成装置を使用する際に該ユーザに設定されたセキュリティレベルに基づくセキュリティ状態を表示するセキュリティ状態表示手段を有することを特徴とする請求項に記載の画像形成システム。
  4. 前記画像形成装置が、前記セキュリティレベル設定手段によって設定されたセキュリティレベルの通信許容範囲に基づいて、表示する内容を異ならせる表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
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