JP4089285B2 - 綴じ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ルーズリーフ用紙にバインダーを自動的に装着する綴じ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
市販のルーズリーフ用紙や、多穴ペーパーパンチにて穿孔処理した書類を綴じるためのプラスチック製のバインダーが知られている。図8は従来例を示し、バインダー1は背骨部2の両側に多数の1/2リング部3, 4が一定間隔で配列されており、背骨部2自体が二つ割りのヒンジとなっている一体成形品である。一方の列の1/2リング部3は先端に突起5が形成されており、これに対向する列の1/2リング部4の先端には突起5に対応する穴6が形成されている。ルーズリーフ用紙をバインダー1にて綴じる際は、一方の列の1/2リング部3または4を紙の穴に通し、手で二列の1/2リング部3, 4を閉じると、1/2リング部3, 4の穴5と突起6が嵌合してリングが形成され、ルーズリーフ用紙が綴じられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、バインダーで書類を綴じる作業は手で行っているが、多数の1/2リング部を紙の穴に通し、二列の1/2リング部を手で閉じて嵌合させる作業は手間がかかり、特に多数の書類を綴じる場合には時間がかかるため、手作業以上に能率的なバインド手段が望まれている。そこで、本発明は手作業によらずプラスチック製バインダーによる綴じ作業を能率的に処理できる綴じ装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、背骨部の両側に分割リング部を並列配置したプラスチック製バインダーを用いてルーズリーフ用紙を綴じる綴じ装置であって、用紙テーブルと、バインダーの背骨部の両端を保持してバインダー供給先からバインダーを移送し、バインダーを用紙テーブル上のルーズリーフ用紙の背に対向させるバインダー保持部と、バインダー保持部によって保持されているバインダーの背骨部の前面並びに用紙テーブル上のルーズリーフ用紙の背側に位置してルーズリーフ用紙を位置決めする昇降式ストッパー部と、バインダーの分割リング部を背後から押して分割リング部を閉鎖及び嵌合させるバインド部と、前記バインダー保持部とストッパー部とバインド部の動作をシーケンス制御する制御手段を備え、ルーズリーフ用紙へバインダーを装着する1サイクルの作業を自動実行するように構成した綴じ装置を提供するものである。
【0005】
また、上記用紙テーブルの後縁部に、バインダーのリングピッチと同一ピッチで複数の溝を形成し、バインダーのリング部がルーズリーフ用紙の穴及び前記溝を通じて閉鎖及び嵌合するように形成した綴じ装置を提供するものである。
また、上記バインダー保持部は開閉自在なピンチ部を備え、ピンチ部を開閉駆動してバインダーの背骨部の両端を把持するように形成した綴じ装置を提供するものである。
【0006】
また、上記ストッパー部はバインダーのリングピッチの整数倍のピッチで配列した複数のストッパーピンを備え、ストッパーピンにてルーズリーフ用紙の位置決め及びバインダーの背骨部の支えを行うように形成した綴じ装置を提供するものである。
【0007】
また、バインダーの分割リング部を背後から押して分割リング部を閉鎖及び嵌合させるバインド部の前縁部に、バインド部前進時において上記ストッパー部のストッパーピンの干渉を避ける溝を形成した綴じ装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1及び図2は綴じ装置51を示し、52は用紙テーブルである。用紙テーブル52の後方(図1において右)に、前進移動してプラスチック製バインダーを閉じるバインド部53を設け、バインド部53の上方に用紙及びバインダーを位置決めするストッパー部54を配置し、ストッパー部54のやや前方且つ用紙テーブル52の左右両側にバインダー保持部55を配置している。
【0009】
用紙テーブル52の後縁部は櫛の歯形に多数の溝56が一定間隔で形成されていて、溝56の間隔はルーズリーフ用紙のパンチ穴の間隔と一致している。ストッパー部54はラックピニオン機構57により昇降されるプレート58の前面に一定間隔で角棒形のストッパーピン59を取付けている。ストッパーピン59はプレート58から下方へ垂下しており、ストッパー部54を下降したときにストッパーピン59の下端は用紙テーブル52よりも下方にあり、ストッパー部54を上昇したときにストッパーピン59は用紙テーブル52の上方に退避する。
【0010】
バインダー保持部55はそれぞれ上下二つのプーリ60, 61にかけたベルト62に係止してあり、左右の上側プーリ60を同期シャフト63にて連結し、モータ(図示せず)により下側プーリ61を駆動して左右のバインダー保持部55を一体に昇降させる。バインダー保持部55は、各々の対向面に開閉式のピンチ部64が設けられていて、ソレノイド等の駆動手段によりピンチ部64を開閉してバインダーの背骨部の両端を掴む。
【0011】
バインド部53は水平且つ上下に平行配置した一対のプレート65からなり、図2に示すようにプレート65の先端部の内側対向面は斜面となっていて、V形断面の開口を形成している。バインド部53はリンク66を介してクランクプレート67に連結されており、モータ(図示せず)によって回転駆動されるクランクプレート67に連動して前後に往復運動する。また、バインド部53を構成する上下一対のプレート65の前面には、ストッパー部54のストッパーピン59に対応する縦長の溝68を形成してあり、バインド部53はストッパーピン59に干渉することなく用紙テーブル52の方向へ前進することができる。
【0012】
図3はバインダー11を示し、12は背骨部であり、背骨部12の一側の上下縁部に多数の1/2リング部13, 14が一定間隔で配列されていて、背骨部12と上下両側の1/2リング部13, 14は薄肉のヒンジ部を介して連結されている一体成形品であり、従来のバインダーとの相違点は背骨部12が二つ割りのヒンジではないことである。これは、本発明の如く手作業によらず機械によってバインダーを装着するにあたって、背骨部自体が開閉するヒンジ構造であると背骨部を掴んで保持することが困難であるという理由による。尚、上列の1/2リング部13の先端に突起15が形成されていて、下列の1/2リング部14の先端に形成した穴16に突起15が嵌合する構造は従来のバインダーと同じである。
【0013】
続いて、綴じ装置51の動作を説明する。電源を投入すると、左右のバインダー保持部55は用紙テーブル52の下方のバインダーストッカー(図示せず)へ下降し、ピンチ部64を開いてバインダーの背骨部の両端をピンチ部64の間に入れ、ピンチ部64を閉じてバインダーを保持した後に上昇し、図4乃至図6に示すようにバインダー11が用紙テーブル52の後縁に対向する。これと同時に、ストッパー部54は下降してストッパーピン59が用紙テーブル52の溝56へ挿入され、用紙セットを待つスタンバイ状態となる。
【0014】
スタンバイ状態でルーズリーフ用紙Pの束を用紙テーブル52へ載せ、ルーズリーフ用紙Pの背をストッパーピン59の前面へあてて位置を決め、起動スイッチボタン(図示せず)を押すと、バインド部53が前進してバインダー11を背後から前方へ押すが、このときバインダー11の背骨部12がストッパーピン59に当たるので、背骨部12が前方へ押し出されることはなく、上下の1/2リング部13, 14がバインド部53のV形断面開口の斜面に当たって閉鎖方向へ回動され、図7に示すように上下の1/2リング部13, 14はルーズリーフ用紙Pの穴内で嵌合する。
【0015】
バインド完了後にバインド部53は後退し、ストッパー部54が上昇してストッパーピン59がバインダー11の背骨部12の前面から退避し、バインディングされたルーズリーフ用紙Pを用紙テーブル52から取出しできる状態となり、バインダー保持部55はバインダーストッカー(図示せず)へ下降し、次のバインダー11を掴んでスタンバイ状態に戻り、1サイクルの動作を完了する。
【0016】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、起動スイッチを手動操作することにより1サイクルの動作を行う上記の形態に代えて、用紙テーブルに紙検出センサを設け、用紙テーブルに紙をセットすることにより自動的に起動して1サイクルの動作を実行するように構成してもよい。また、紙送り機構を設けて、用紙テーブルへの用紙引き込み、バインディング、用紙排出までの一連の動作を自動的に実行するように構成したり、複写機と多穴ペーパーパンチ等を組合わせた複合機に搭載して複写と穿孔と綴じの処理を一括して行うように構成したりするなど、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の綴じ装置によれば手作業によらずルーズリーフ用紙へバインダーを装着できるので、書類の綴じ処理を著しく迅速に遂行でき、省力化及び事務処理能率の向上に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、綴じ装置の背面側斜視図。
【図2】綴じ装置の前面側斜視図。
【図3】バインダーを示し、(a)は開放状態の側面図、(b)は開放状態の正面図、(c)は閉鎖状態の側面図、(d)は閉鎖状態の正面図である。
【図4】スタンバイ状態の綴じ装置の背面側斜視図。
【図5】スタンバイ状態の綴じ装置の前面側斜視図。
【図6】スタンバイ状態の綴じ装置の側面断面図。
【図7】バインド完了状態の綴じ装置の側面断面図。
【図8】従来のバインダーを示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
11 バインダー
12 背骨部
13, 14 1/2リング部
15 突起
16 穴
51 綴じ装置
52 用紙テーブル
53 バインド部
54 ストッパー部
55 バインダー保持部
56 溝
58 プレート
59 ストッパーピン
64 ピンチ部
65 プレート
68 溝

Claims (5)

  1. 背骨部の両側に分割リング部を並列配置したプラスチック製バインダーを用いてルーズリーフ用紙を綴じる綴じ装置であって、用紙テーブルと、バインダーの背骨部の両端を保持してバインダー供給先からバインダーを移送し、バインダーを用紙テーブル上のルーズリーフ用紙の背に対向させるバインダー保持部と、バインダー保持部によって保持されているバインダーの背骨部の前面並びに用紙テーブル上のルーズリーフ用紙の背側に位置してルーズリーフ用紙を位置決めする昇降式ストッパー部と、バインダーの分割リング部を背後から押して分割リング部を閉鎖及び嵌合させるバインド部と、前記バインダー保持部とストッパー部とバインド部の動作をシーケンス制御する制御手段を備え、ルーズリーフ用紙へバインダーを装着する1サイクルの作業を自動実行するように構成した綴じ装置。
  2. 上記用紙テーブルの後縁部にバインダーのリングピッチと同一ピッチで複数の溝を形成し、バインダーのリング部がルーズリーフ用紙の穴及び前記溝を通じて閉鎖及び嵌合するように形成した請求項1記載の綴じ装置。
  3. 上記バインダー保持部は開閉自在なピンチ部を備え、ピンチ部を開閉駆動してバインダーの背骨部の両端を把持するように形成した請求項1記載の綴じ装置。
  4. 上記ストッパー部はバインダーのリングピッチの整数倍のピッチで配列した複数のストッパーピンを備え、ストッパーピンにてルーズリーフ用紙の位置決め及びバインダーの背骨部の支えを行うように形成した請求項1記載の綴じ装置。
  5. バインダーの分割リング部を背後から押して分割リング部を閉鎖及び嵌合させるバインド部の前縁部に、バインド部前進時において上記ストッパー部のストッパーピンの干渉を避ける溝を形成した請求項4記載の綴じ装置。
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