JP4089019B2 - 多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度合成石英ガラスの前駆体である石英ガラス多孔質母材を合成するための多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔質石英ガラス母材の製造方法の一つとして、気相反応により生成したシリカ微粒子を石英製等の出発部材に向けて堆積させ、成長させる方法がある。この方法は、バーナから、例えば四塩化珪素等の珪素化合物からなるガラス原料、水素ガス、酸素ガス、不活性ガスを、鉛直に懸下した回転する出発部材に向けて供給し、ガラス原料を酸水素炎中で加水分解あるいは酸化反応させて生成するシリカ微粒子を該出発部材の下端部に付着・堆積させ、且つ、この出発部材を回転しつつ母材の軸方向に引き上げることにより、多孔質石英ガラス母材を形成させるものである。こうして合成した多孔質石英ガラス母材は、焼結炉でヘリウム雰囲気中又は減圧下で加熱処理することにより透明な高純度石英ガラスとすることができる。
【0003】
このような気相合成法による多孔質石英ガラス母材合成技術は、基礎的な技術は既に確立されおり、乱れのない安定した火炎を形成させるためには多重管バーナが好適である。この際、ガラス微粒子の成長速度には限界があるため、多孔質母材を高速で合成するには母材径を大口径化するのが一般的である。しかし大型の多孔質石英ガラス母材を高速で合成しようとする場合には様々の問題があり、生産性向上の観点からバーナの改良に技術開発の力点が置かれている。
【0004】
生産性の尺度として用いられる合成速度(kg/hr)を高めるためには、火炎中でのガラス原料の反応を促進させ、且つ、生成したシリカ微粒子を効率的に堆積面に付着させてゆくことが重要なポイントである。ガラス原料の反応を促進するには、反応温度を高くして粒成長するのに十分な滞留時間を与えることが必要であり、またガラス微粒子の堆積を促進するためには、堆積面と火炎の温度差を大きくし、ガラス微粒子に働くサーモホレシス効果を最大限に利用することが必要と考えられる。そのためには火炎の乱れを極力抑えることも重要となるが、バーナを大口径化するに伴い様々な問題が生ずるため、多孔質母材を高速で安定して製造することはなかなか困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記課題を解決するため、いくつかの提案がなされている。例えば特開昭63ー274637号、特公平4ー16418号では多重管バーナの各層に流す成分ガスの流速分布を規定する方法が提案されている。この方法では、多重管バーナでガラス原料を加水分解又は酸化反応させてガラス原料を生成させる際、ガラス原料の供給により火炎温度が低下してくるので、ガラス原料の供給量に見合った分だけ酸素ガス、水素ガスの量を増大する必要がある。例えば2kg/hr以上の合成速度を得ようとすれば、水素ガスだけでも数100NL/minもの量であり、このためのバーナは大口径になる。
【0006】
このような大口径バーナにおいては、各ノズルに導入する原料ガス導入口近傍でのガスの乱れや、ノズル円周方向での流れの分布により、安定した火炎流を形成するのに好適なガスの流速分布を整えにくくなり、また、火炎を形成する酸素ガスと水素ガス供給ノズルの保護用に酸素ガス及び水素ガス導入ノズル間に供給する不活性ガス供給ノズルの影響により、酸素ガスと水素ガスの拡散・混合が阻害され、ガラス原料の反応、粒成長、堆積に好適な火炎状態が達成できず、高速で多孔質母材を製造できないという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題を解決すべく、多孔質石英ガラス母材を高速且つ安定して合成するに適した大型の多重管バーナの構造について実験、研究を重ねた結果、大型の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナにおいて、乱れのない安定した火炎を形成させるためには、以下の三点が重要であることが分かった。
【0008】
すなわち、まず第一に(1)多重管バーナの各ノズルに供給された各原料ガス成分を各ノズル内で整流し、ノズル円周方向で均一な線速度分布を維持しつつ各ノズルから吐出させること、第二点として(2)内周炎と外周炎の線速度比を一定値の範囲内に保持すること、更に第三点として(3)酸素ガス/水素ガス間の拡散距離を適正範囲内に保持することが重要であることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0009】
本発明は、内周炎を形成する複数個のノズルで構成される内筒と外周炎を形成する複数個のノズルで構成される外筒とからなる二段構造のバーナであって、該複数個のノズルは先端を解放した管径の異なる同心状の多重管群体からなるとともに、その中心層である第1層ノズルをガラス原料及び水素ガスを供給するノズルとしてなる多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナにおいて、第1層ノズルの内径をd、内周炎を形成する多重管ノズルの内径をD1、外周炎を形成する多重管ノズルの内径をD2としたとき、比D1/dが2.0〜3.5であり、且つ比D2/dが4.0〜6.0であることを特徴とする多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、上記二段構造における内周炎を形成する複数個のノズルで構成される内筒は、主として反応を行うための部分であり、ノズルの数は個々のガス流を整流させるように例えば4〜6層というように配置される。また、外周炎を形成する複数個のノズルで構成される外筒は、主として内周炎の火炎温度を維持するための保温に与かる部分であり、ノズルの数は個々のガス流を整流させるように例えば5〜8層というように配置される。本発明においては、中心層であって、ガラス原料及び水素ガスを供給する第1層ノズルの内径を15mmφ以上とすることが好ましい。これ未満では高速での多孔質母材の製造ができないおそれがあるからである。
【0011】
本発明の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナの好ましい態様例として、先端を解放した管径の異なる同心状の11層の多重管群体からなる場合には、下記のように構成される。すなわち、多重管群体の内側の5層が内周炎を形成するノズルをなし、外側の6層が外周炎を形成するノズルをなす二段構造の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナであって、その中心層を第1層ノズル、最外層を第11層ノズルとし、第1層ノズルがハロゲン化珪素及び水素ガス用、第2、7、9層ノズルが水素ガス用、第3、6、8、10層ノズルが不活性ガス用、第4、5、11層ノズルが酸素ガス用としてなる多重管バーナである。
【0012】
以下、本発明の内容を多重管群体が上記11層構造である多重管バーナを例にして説明する。図1は多重管群体が11層構造の多重管バーナのノズル構造の断面図であり、図2は同多重管バーナの構成図である。先端を解放した管径の異なる第1層ノズル〜第11層ノズルまで順次挿通された同心状の多重管群体とするとともに、内径dの第1層ノズルから第5層ノズルまでの内周炎を形成する内径D1の内筒1と第6層ノズルから第11層ノズルで構成される外周炎を形成する内径D2の外筒2からなる二段構造に構成される。図2中、3はノズルの最外周部にとりつけられるフードである。
【0013】
ここで、第1層ノズルに供給されるガラス原料及び水素ガスは第4層、第5層ノズルに供給される酸素ガスと反応し、L2−L1(−は引くの意味)のゾーンでシリカ微粒子が生成し、ゾーンL3で第6層ノズル乃至第11層ノズルで形成さる火炎で保温されつつ粒成長して多孔質母材の堆積面に付着していく。
【0014】
多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナで上記反応と生成したガラス微粒子の粒成長を好適な条件下で行うためには、第1層ノズルに供給するガラス原料及び水素ガスと第2層〜第11層に供給する水素ガス、不活性ガス、酸素ガス等のガス供給量及び各ノズルからのガス線速度を適正範囲に制御することが重要である。すなわち、第1層ノズル〜第5層ノズルで形成される内周炎と第6層から第11層ノズルで形成される外周炎の二重火炎を揺らぎなく安定して形成させるために、内周炎のガス線速度を外周炎のガス線速度に対して、供給ガス量ベースで2.7倍以上、好ましくは3〜4倍に高めることが重要であり、そのためにはD1/d比を2.0〜3.5、好ましくは2.7〜3.0の範囲にし、またD2/d比を4〜6.0、好ましくは4.8〜5.6の範囲にするのが適当である。
【0015】
図2におけるバーナ直胴部の長さは、比L1/D1及び比L2/D2が、それぞれ3.5以上及び3.0以上でかつ比L2/L1を1.10から1.50にすることが好ましい。
【0016】
比L1/d及び比L2/dがこの範囲以下では、バーナの外周部から導入された各ガス成分が不均一な速度分布を持ったまま各ノズルから吐出されるため、火炎が乱れる原因となる。
一方、L1、L2が長すぎると、バーナサイズが必要以上に長くなり、またコストも高くなるので、上記範囲内で適宜選ぶのが好ましい。またL2/L1比が大きすぎると反応で生成したガラス微粒子が第5層ノズルの内面に付着しスケールとなること、短すぎるとガラス微粒子の加水分解反応又は酸化反応が十分進行しないまま吐出されるので、上記範囲から適宜選ぶのが好ましい。
【0017】
水素ガスを供給する第2、7、9層のズル及び酸素ガスを供給する第4、5、11層ノズルのクリアランス及びノズルの厚みは上記比D1/d及び比D2/dを満足する範囲で適宜選ぶことができるが、例えば中心ノズルの内径を25mmφ、ノズルの厚みを1mmtとした場合、ノズルのクリアランスは3〜6mmtの範囲が適当である。ノズルのクリアランスが3mmt以下あるいは6mmt以上では、ノズルから吐出されるガス線速度が適正範囲から逸脱し安定な火炎が得られない。ノズルの厚みは、厚すぎると連接する酸素ガス及び水素ガスとの拡散距離が離れ、火炎温度の低下や火炎みだれの原因になるので薄い方が好ましく、通常1mmt前後が適当であるが、これに限定されるものではない。
【0018】
不活性ガスを導入する第3、6、8、10層ノズルのクリアランスは酸素ガスとガラス原料及び水素ガスの拡散混合を支配するため適正な範囲が規定される。このクリアランスが狭すぎると、酸素ガスとガラス原料及び水素ガス反応熱によりノズル先端が劣化したり第3層ノズルと第4層ノズル間に反応で生成したシリカ微粒子が堆積し、ノズル閉塞の原因となる。またクリアランスが広すぎると酸素ガスとガラス原料及び水素ガスとの拡散混合を阻害する。以上のことを考慮して、このクリアランスは1〜5mmtの範囲が好ましく、特に第3層ノズルは1〜4mmtの範囲にから適宜選ぶのが好ましい。
【0019】
本発明における前記多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナの使用に際しては、バーナの最外周部にバーナの口径よりやや太めのフードを取り付けて、ガラス微粒子の合成と堆積を行うのが好ましい。最外周部に取り付けるフードの内径は、太すぎると火炎流の膨張による乱れの原因になるのでバーナ口径に近い方が好ましく、通常、最外周のノズルの外径の1.005〜1.02倍の範囲から適宜選ぶことが好ましい。前記フードのバーナ先端からの長さはガラス微粒子の合成に適用されるガス条件によっても異なるが、短すぎると粒成長に必要十分な滞留時間を確保できないこと、また長すぎると成長したガラス微粒子がフード内に付着しスケールとなるため、通常、最外周のノズル内径(D2)の2〜3.5倍の範囲で選ぶのが適当である。
【0020】
前記多重管バーナを用いてガラス原料を火炎中で加水分解反応又は酸化反応させ、出発部材上にシリカ微粒子を付着、堆積させて多孔質石英ガラス母材を形成させる好ましい方法として、第1層ノズルに水素ガスをキャリヤとしたガラス原料を第2層ノズルに水素ガス、第3層のノズルに不活性ガスを、第4、5層ノズルに酸素ガスを供給して内周炎を形成させるが、この際、乱れのない好適な内周炎を形成させるさせるために各ノズルのクリアランスに見合った分の各ガス成分を適宜各ノズルに供給する。
【0021】
次いで、第6、8、10層ノズルに不活性ガスを第7、8層ノズルに水素ガスを、第11層ノズルに酸素ガスを供給して外周炎を形成させる。この際、第7層ノズルには不活性ガスの代わりに水素ガスを供給してもよく、各ノズルに供給するガスは好適な外周炎を形成させるのに適正なノズルクリアランスに見合った分の量を適宜各ノズルに供給する。
【0022】
本発明において使用されるガラス原料としては、SiCl4、H2SiCl2、HSiCl3、CH3SiCl3、(CH3)2SiCl2等のハロゲン化珪素化合物、ポリメチルシロキサン等のハロゲンを含まない珪素化合物の中から単独あるいは混合物として適宜選ぶことができる。このうち、価格が安く、ガス化も容易で、排ガス処理も容易である点からすれば、好ましくはSiCl4が用いられる。
【0023】
本発明における不活性ガスとしてアルゴン、窒素等から適宜選ぶことができるが、経済性の観点からすれば窒素ガスを用いるのが好ましい。その量は、ノズルクリアランスや所望する火炎径方向の温度分布によっても異なるが、必要以上にその量を増大させると火炎温度の低下や火炎流が乱れる要因となり、また少なすぎるとノズル先端が火炎により損傷を受ける原因となるので、バーナのノズル構造や酸素ガス、水素ガスの流量条件に合わせて適宜選ぶことができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を基に本発明を更に詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。表1は実施例1〜4で用いたバーナの各部構造の仕様を示している。各バーナ構造▲1▼及び▲2▼中、ノズルNo.1の内径がd、ノズルNo.5の内径がD1、ノズルNo.11の内径がD2であり、これらの点は後述表2についても同じである。
【0025】
【表1】
【0026】
《実施例1》
表1中▲1▼欄に示す構造のバーナに内径126mmφ、第11層のノズルの先端からの長さが360mmのフードを取り付け、第1層である中心ノズルに水素ガスとSiCl4 を、第2、7、9層ノズルに水素ガスを、第4、5、11層ノズルに酸素ガスを、第3、6、8、10層ノズルに窒素ガスを供給して、火炎中でシリカ微粒子を生成させ、これを石英製の回転する出発部材の底部に吹き付け、堆積速度に合わせて軸方向に引き上げる方法で多孔質石英ガラス母材を合成した。
【0027】
この際、内周炎を形成する第1〜5層ノズルに115g/minのSiCl4 と総量152NL/minの水素ガス、90NL/minの酸素ガス、3NL/minの窒素ガスを、また外周炎を形成する第6〜11層ノズルに総量125NL/minの水素ガス、84NL/minの酸素ガス、9NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分して、多孔質母材の成長に合わせて徐々に流量を増大させながら供給し、約20時間かけて径510mmφ、長さ670mmで重量約33kgの多孔質石英ガラス母材を合成した。ガラス原料の平均付着率(母材重量*100/投入シリカ換算量)は73%で、定常時の合成速度は1.78kg/hrであった。
【0028】
《実施例2》
表1中、▲2▼に示す構造のバーナに内径135mmφ、第11層のノズルの先端からの長さが380mmのフードを取り付け、第1層である中心ノズルに水素ガスとSiCl4 を、第2、7、9層ノズルに水素ガスを、第4、5、11層ノズに酸素ガスを、第3、6、8、10層ノズルに窒素ガスを供給して、火炎中でシリカ微粒子を生成させ、これを石英製の回転する出発部材の底部に吹き付け、堆積速度に合わせて軸方向に引き上げる方法で多孔質石英ガラス母材を合成した。この際、内周炎を形成する第1〜5層ノズルに130g/minのSiCl4 と総量176NL/minの水素ガス、14NL/minの酸素ガス、3NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分し、また外周炎を形成する第6〜11層ノズルに総量154NL/minの水素ガス、104NL/minの酸素ガス、9NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分して、多孔質母材の成長に合わせて徐々に流量を増大させながら供給し、約22時間かけて径545mmφ、長さ710mmで重量約39.7kgの多孔質石英ガラス母材を合成した。ガラス原料の平均付着率(母材重量*100/投入シリカ換算量)は71%で、定常時の合成速度は1.96kg/hrであった。
【0029】
《実施例3》
表1中、▲1▼に示す構造のバーナに内径126mmφ、第11層ノズルの先端からの長さが360mmのフードを取り付け、第1層である中心ノズルに水素ガスとSiCl4 を、第2、7、9層ノズルに水素ガスを、第4、5、11層ノズに酸素ガスを、第3、6、8、10層ノズルに窒素ガスを供給して、火炎中でシリカ微粒子を生成させ、これを石英製の回転する出発部材の底部に吹き付け、堆積速度に合わせて軸方向に引き上げる方法で多孔質石英ガラス母材を合成した。この際、内周炎を形成する第1〜5層ノズルに120g/minのSiCl4 と総量152NL/minの水素ガス、90NL/minの酸素ガス、8NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分し、また外周炎を形成する第6〜11層ノズルに総量125NL/minの水素ガス、84NL/minの酸素ガス、36NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分して多孔質母材の成長に合わせて徐々に流量を増大させながら供給し、約20時間かけて径500mmφ、長さ660mmで重量約30kgの多孔質石英ガラス母材を合成した。ガラス原料の平均付着率(母材重量*100/投入シリカ換算量)は67%で、定常時の合成速度は1.7kg/hrであった。
【0030】
《実施例4》
実施例1で合成した多孔質ガラス母材を1300℃の温度条件下、空気雰囲気中で一旦仮焼した後、カーボン製の炉内で減圧下、温度1350℃〜1450℃の領域で徐々に昇温しながら内部の気泡を脱法して透明な石英ガラスロッドを得た。
【0031】
【表2】
【0032】
〈比較例1〉
表2は比較例1〜2で用いたバーナの各部構造の仕様を示している。表2中、▲1▼に示す構造のバーナに内径126mmφ、第11層のノズルの先端からの長さが360mmのフードを取り付け、第1層である中心ノズルに水素ガスとSiCl4 を、第2、7、9層ノズルに水素ガスを、第4、5、11層ノズに酸素ガスを、第3、6、8、10層ノズルに窒素ガスを供給して、火炎中でシリカ微粒子を生成させ、これを石英製の回転する出発部材の底部に吹き付け、堆積速度に合わせて軸方向に引き上げる方法で多孔質石英ガラス母材を合成した。
【0033】
この際、内周炎を形成する第1〜5層ノズルに120g/minのSiCl4 と総量152NL/minの水素ガス、90NL/minの酸素ガス、3NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分し、また外周炎を形成する第6〜11層ノズルに総量125L/minの水素ガス、84NL/minの酸素ガス、9NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分して、多孔質母材の成長に合わせて徐々に流量を増大させながら供給し、約21時間かけて径451mmφ、長さ605mmの母材を合成した。この母材の重量は約24.1kgでシリカ付着率が約56%で、定常時の合成速度は1.32kg/hrであった。
【0034】
〈比較例2〉
表2中、▲2▼に示す構造のバーナに内径95mmφ、第11層のノズルの先端からの長さが270mmのフードを取り付け、第1層である中心ノズルに水素ガスとSiCl4 を、第2、7、9層ノズルに水素ガスを、第4、5、11層ノズに酸素ガスを、第3、6、8、10層ノズルに窒素ガスを供給して、火炎中でシリカ微粒子を生成させ、これを石英製の回転する出発部材の底部に吹き付け、堆積速度に合わせて軸方向に引き上げる方法で多孔質石英ガラス母材を合成した。
【0035】
この際、内周炎を形成する第1〜5層ノズルに120g/minのSiCl4 と総量152NL/minの水素ガス、90NL/minの酸素ガス、3NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分し、また外周炎を形成する第6〜11層ノズルに総量125NL/minの水素ガス、84NL/minの酸素ガス、9NL/minの窒素ガスを各ノズルに適正配分して、多孔質母材の成長に合わせて徐々に流量を増大させながら供給していった。約4時間かけて、各原料ガスを上記流量まで増大させていったが、火炎の乱れが顕著で、浮遊するシリカにより反応器の内部が観察できない状態になったので合成を中断した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、多重管バーナの口径及び各ノズルの長さを適正範囲に規定することにより、ガラス微粒子の生成・粒成長反応と堆積面への付着を好適な条件で行うことができ、大口径の多孔質石英ガラス母材を高速且つ安定に製造することができる。これにより高純度石英ガラスの生産コストの低下が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多重管群体が11層構造の多重管バーナのノズル構造の断面図。
【図2】図1の多重管バーナの構成図。
【符号の説明】
1 内筒
2 外筒
3 フード
Claims (8)
- 内周炎を形成する複数個のノズルで構成される内筒と外周炎を形成する複数個のノズルで構成される外筒とからなる二段構造のバーナであって、該複数個のノズルは先端を解放した管径の異なる同心状の多重管群体からなるとともに、その中心層である第1層ノズルをガラス原料及び水素ガスを供給するノズルとしてなる多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナにおいて、第1層ノズルの内径をd、内周炎を形成する多重管ノズルの内径をD1、外周炎を形成する多重管ノズルの内径をD2としたとき、比D1/dが2.0〜3.5であり、且つ、比D2/dが4.0〜6.0であることを特徴とする多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 第1層ノズルの内径dが15mmφ以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- D2と内径D1との比D2/D1が1.5〜2.5の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 内周炎形成用ノズルの直胴部の長さL1がD1の3.5倍以上で、外周炎形成用ノズル直胴部の長さL2がD2の3倍以上であり、かつ、比L2/L1が1.1〜1.5であることを特徴とする請求項1、2または3記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 前記多重管バーナにおいて、ノズルの最外周部に最外周のノズルの外径よりやや太めの内径を有するフードを取り付け、ガラス微粒子の合成と堆積を行うようにしてなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 前記のフードの内径が最外周のノズルの外径の1.005〜1.02倍で、最外周のノズルの先端からフードの先端までの長さがD2の2〜3.5倍であることを特徴とする請求項5記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 多重管バーナの複数個のノズルが先端を解放した管径の異なる同心状の11層の多重管群体からなり、該多重管群体のうちの内側の5層が内周炎を形成するノズルをなし、外側の6層が外周炎を形成するノズルをなすとともに、その中心層を第1層ノズル、最外層を第11層ノズルとし、第1層ノズルがハロゲン化珪素及び水素ガス用、第2、7、9層ノズルが水素ガス用、第3、6、8、10層ノズルが不活性ガス用、第4、5、11層ノズルが酸素ガス用としてなる請求項1〜6のいずれか1項記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
- 前記不活性ガス導入用の第3、6、8、10層ノズルのノズルクリアランスが1〜5mmの範囲にあることを特徴とする請求項7記載の多孔質石英ガラス母材合成用多重管バーナ。
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