JP4088576B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載すると共に駆動軸に車軸が機械的に連結されてなる自動車に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、ダブルピニオン形式の第1プラネタリギヤのサンギヤ、リングギヤ、キャリアに第2モータ、出力軸、エンジンをそれぞれ接続し、シングルピニオン形式の第2プラネタリギヤのサンギヤ、リングギヤ、キャリアに第1モータ、第1プラネタリギヤのリングギヤ、第1プラネタリギヤのキャリアをそれぞれ接続し、さらに第1プラネタリギヤのサンギヤにブレーキが接続されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−32808号公報(図28)
しかしながら、上述の動力出力装置では、装置の構成は記載されているものの制御については記載されていない。一般的に、4軸を回転要素とするいわゆる4要素タイプでは、通常、第1モータは発電機として機能し、第2モータは電動機として機能するため、この状態のときにエネルギ効率が良くなるように設計されている。出力軸を高回転低トルクで運転したり低回転高トルクで運転したりすると、一方のモータが逆回転する場合が生じる。この場合、本来発電機として機能すべきモータが電動機として機能したり、本来電動機として機能すべきモータが発電機として機能したりすることにより、通常時に比してエネルギ効率が低下する。また、上述の動力出力装置では、ブレーキを作動させた場合、第2モータの回転数を値0に固定するため、発進時にはエンジンを運転することができず、第1モータからの駆動力のみで動力を出力しなければならない。この結果、駆動軸に十分なトルクを出力することができない。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車は、エネルギ効率の向上を図ることを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを備える自動車は、電動機の小型化を図ることを目的の一つとする。さらに、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車は、駆動軸の回転開始時に十分なトルクを出力することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
発電可能な第1の電動機と、
発電可能な第2の電動機と、
前記駆動軸に連結された第1軸と前記内燃機関の出力軸に連結された第2軸と前記第1の電動機の回転軸に連結された第3軸と前記第2の電動機の回転軸に連結された第4軸とを有する4軸以上の複数軸に接続され、前記第1軸と前記第2軸と前記第3軸と前記第4軸の4軸のうちのいずれか2軸の回転数に基づいて残余の2軸を回転させ、前記複数軸に入出力される動力の収支をもって前記駆動軸に動力を出力可能な多軸式動力入出力手段と、
前記第4軸に制動力を付与可能な制動手段と、
前記駆動軸に要求される要求動力に基づく制動力が前記第4軸に作用するよう前記制動手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、多軸式動力入出力手段は、駆動軸に連結された第1軸と内燃機関の出力軸に連結された第2軸と第1の電動機の回転軸に連結された第3軸と第2の電動機の回転軸に連結された第4軸とを有する4軸以上の複数軸に接続され、第1軸ないし第4軸の4軸のうちのいずれか2軸の回転数に基づいて残余の2軸を回転させ、この複数軸に入出力される動力の収支をもって駆動軸に動力を出力するから、いわゆる4要素タイプとして駆動することができる。したがって、いわゆる3要素タイプに比して電動機の小型化を図ることができると共にエネルギ効率の向上を図ることができる。また、制動手段により第4軸に制動力を付与することができるから、第4軸に出力すべき動力を第2の電動機と制動手段とから出力することができる。この結果、第2の電動機の更なる小型化を図ることができる。さらに、駆動軸に要求される要求動力に基づく制動力が第4軸に作用するよう制動手段を制御するから、要求される要求動力に対してより適正な動力を第4軸に出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記要求動力が所定動力範囲内のときに前記第4軸に制動力が作用するよう制御する手段であるものとすることもできる。ここで、前記所定動力範囲は、所定回転数未満で所定トルク以上の動力範囲であるものとすることもできる。こうすれば、要求動力が所定回転数未満で所定トルク以上のときに要求動力に対してより適正な動力を第4軸に出力することができる。なお、所定動力範囲には駆動軸の回転開始時が含まれるから、回転開始時に十分なトルクを出力することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記第4軸は、前記第1軸に対する回転比率が前記第3軸に比して小さい軸であるものとすることもできる。こうすれば、第4軸を固定したときに比較的高回転低トルクの運転領域で第3軸を運転することができるから、第1の電動機の小型化を図ることができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記制動手段は、前記第4軸の回転を停止した状態で固定可能な手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関からの動力や第1の電動機からの動力を機械的に変速することにより駆動軸に直接出力することができる。したがって、動力―電力間のエネルギ変換による損失がなくなりエネルギ効率の向上を図ることができる。また、第2の電動機の運転に支障が生じたときであっても内燃機関と第1の電動機からの動力により要求動力を駆動軸に出力することができる。
或いは、本発明の動力出力装置において、前記多軸式動力入出力手段は、前記第1軸と前記第2軸と前記第3軸の3軸に接続され該3軸のいずれかの2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する第1の3軸式動力入出力手段と、前記第1軸と前記第2軸と前記第4軸の3軸に接続され該3軸のいずれかの2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する第2の3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。ここで、第1の3軸式動力入出力手段や第2の3軸式動力入出力手段は、遊星歯車機構により構成されてなるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置において、操作者の操作に基づいて前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定する要求動力設定手段と、該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標動力を設定する目標動力設定手段と、を備え、前記制御手段は、前記設定された目標動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1の電動機と前記第2の電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、操作者の操作に基づく要求動力から設定された目標動力を内燃機関から出力すると共に要求動力を駆動軸に出力することができる。
この操作者の操作に基づく要求動力を駆動軸に出力する態様の本発明の動力出力装置において、前記第1の電動機および前記第2の電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電すべき要求電力を設定する要求電力設定手段と、を備え、前記目標動力設定手段は、前記設定された要求動力と前記設定された要求電力とに基づいて前記目標動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段を効率よく用いることにより装置のエネルギ効率を向上させることができる。
また、操作者の操作に基づく要求動力を駆動軸に出力する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記制動手段による制動力を作用させないと前記第2の電動機から前記第4軸に出力すべきトルクを出力することができないときに前記制動手段による制動力を作用させる手段であるものとすることもできる。こうすれば、第2の電動機の定格トルク以上の制動トルクを第4軸に出力することができる。
さらに、操作者の操作に基づく要求動力を駆動軸に出力する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記制動手段による制動力が所定の制動力となるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第4軸に出力すべき制動トルクから所定の制動トルクを減じて第2の電動機から出力すべきトルクを算出することができる。
或いは、操作者の操作に基づく要求動力を駆動軸に出力する態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記制動手段による制動力と前記第2の電動機から出力される駆動力との和が一定となるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第4軸に出力される動力は一定となるので、内燃機関や第1の電動機から出力される動力を制御することにより要求動力を駆動軸に出力することができる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、発電可能な第1の電動機と、発電可能な第2の電動機と、前記駆動軸に連結された第1軸と前記内燃機関の出力軸に連結された第2軸と前記第1の電動機の回転軸に連結された第3軸と前記第2の電動機の回転軸に連結された第4軸とを有する4軸以上の複数軸に接続され、前記第1軸と前記第2軸と前記第3軸と前記第4軸の4軸のうちのいずれか2軸の回転数に基づいて残余の2軸を回転させ、前記複数軸に入出力される動力の収支をもって前記駆動軸に動力を出力可能な多軸式動力入出力手段と、前記第4軸に制動力を付与可能な制動手段と、前記駆動軸に要求される要求動力に基づく制動力が前記第4軸に作用するよう前記制動手段を制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が機械的に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、4要素タイプとして駆動することに基づく電動機の小型化やエネルギ効率の向上を図ることができる効果、第4軸に出力すべき動力を第2の電動機と制動手段から出力することに基づく第2の電動機の更なる小型化を図ることができる効果、要求される要求動力に対してより適正な動力を第4軸に出力することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト26にダンパ28を介して接続されると共に駆動輪69a,69bにデファレンシャルギヤ68とギヤ機構66とを介して接続された4軸式の動力分配統合機構30と、この動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、同じく動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、2つのプラネタリギヤP1,P2とブレーキB1とにより構成されている。第1プラネタリギヤP1のサンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはギヤ機構66が、ピニオンギヤ33を連結するキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、それぞれ接続されている。リングギヤ32は、上述したようにギヤ機構66に接続され、最終的には駆動輪69a,69bに接続されているから、その回転軸を説明の都合上、「駆動軸」65と呼ぶことにする。第2プラネタリギヤP2のサンギヤ36には第1プラネタリギヤのキャリア34(エンジン22のクランクシャフト26)が、リングギヤ37にはモータMG2が、ピニオンギヤ38を連結するキャリア39には第1プラネタリギヤP1のリングギヤ32(ギヤ機構66)が、それぞれ接続されている。また、第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37は、ブレーキB1を介してケースに接続されている。ブレーキB1は、スリップ係合可能なブレーキとして構成されており、第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37の回転を停止することや抑制することができる。
こうして構成された動力分配統合機構30は、第1プラネタリギヤP1のリングギヤ32の回転軸であると共に第2プラネタリギヤP2のキャリア39の回転軸である駆動軸65と、第1プラネタリギヤP1のキャリア34と第2プラネタリギヤP2のサンギヤ36とに接続されたエンジン22のクランクシャフト26と、第1プラネタリギヤP1のサンギヤ31に接続されたモータMG1の回転軸と、第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37に接続されたモータMG2の回転軸と、の4軸を回転要素とするいわゆる4要素タイプの動力分配統合機構として機能させることができる。この4要素タイプの動力分配統合機構として機能する際の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図2に示す。図中、左のR2軸はモータMG2の回転数Nm2である第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37の回転数を示し、R1,C2軸は駆動軸65の回転数Ndである第1プラネタリギヤP1のリングギヤ32の回転数を示すと共に第2プラネタリギヤP2のキャリア39の回転数を示す。また、C1,S2軸は、エンジン22のクランクシャフト26の回転数Ne(以下、エンジン22の回転数Neという)である第1プラネタリギヤP1のキャリア34の回転数を示すと共に第2プラネタリギヤP2のサンギヤ36の回転数を示す。右端のS1軸は、モータMG1の回転数Nm1である第1プラネタリギヤP1のサンギヤ31の回転数を示す。この共線図は、各回転要素(各軸)に作用するトルクを共線を梁に見立てたときにこの梁に作用する力と同一視することができるものである。したがって、各軸に作用するトルク或いは作用させるべきトルクを、同様の力が作用している梁の釣り合いを解くことにより計算することができる。なお、図中、ρ1は第1プラネタリギヤP1のギヤ比(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)であり、ρ2は第2プラネタリギヤP2のギヤ比(サンギヤ36の歯数/リングギヤ37の歯数)である。
また、動力分配統合機構30は、ブレーキB1をスリップ係合することにより第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37に出力すべき制動トルクの一部をブレーキB1により作用させることができる。この場合の共線図の一例を図3に示す。図中、R2軸上の2つの太線矢印は、モータMG2から出力されるトルクTm2と、ブレーキB1をスリップ係合することにより作用する制動トルクTbとを示している。図示するように、モータMG2が逆回転している状態で駆動軸65に要求される要求動力が低回転高トルクのときには、R2軸に出力すべき制動トルクをモータMG2とブレーキB1とにより作用させることができる。このように、R2軸に対して大きな制動力が要求されたときには、制動力の一部をブレーキB1から作用させると共に残余の制動力をモータMG2から作用させることができる。したがって、モータMG2の定格値を超える制動力が要求されたときであっても要求された制動力を作用させることができる。
さらに、動力分配統合機構30は、ブレーキB1により第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37の回転を停止した状態で固定することもできる。この場合の共線図の一例を図4に示す。図中、実線で示すように、ブレーキB1によりR2軸の回転を停止させたときには、エンジン22やモータMG1からの動力を機械的に変速して駆動軸65に直接出力することができる。したがって、エンジン22からの動力を電力変換を伴ってトルク変換する場合に比してエネルギ効率の向上を図ることができる。また、エンジン22やモータMG1からの動力を減速して駆動軸65に出力するから、駆動軸65に要求される要求トルクに比してエンジン22やモータMG1からのトルクを小さくすることができる。この結果、モータMG1の小型化を図ることができる。ここで、エンジン22やモータMG1,MG2からの動力を直接駆動軸65に出力する手法としては、R2軸を固定する場合に代えてS1軸を固定することもできる(図中、破線参照)。この場合、駆動軸(R1,C2軸)に対するモータMG2の回転軸(R2軸)の回転数の比は、実施例におけるモータMG1の回転軸(S1軸)の回転数の比に比して小さくなる。このため、実施例と同じトルクを駆動軸65に出力するためには、モータMG2の回転軸(R2軸)を固定した場合に比して大きなトルクをモータMG2から出力する必要がある。実施例では、モータの小型化やエネルギ効率の向上を図るために、モータMG1の回転軸(S1軸)ではなく、モータMG2の回転軸を固定するものとしている。図3の共線図の場合でも同様である。これらに加えて、モータMG2が接続されているR2軸をブレーキB1により固定するから、モータMG2に支障が生じたときであっても、エンジン22やモータMG1からの動力により要求動力を出力することができる。なお、こうしたブレーキB1の制御はハイブリッド用電子制御ユニット70により行なわれている。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ51,52を介してバッテリ60と電力のやりとりを行なう。インバータ51,52とバッテリ60とを接続する電力ライン64は、各インバータ51,52が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ60は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ60は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)50により駆動制御されている。モータECU50には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ53,54からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU50からは、インバータ51,52へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU50は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ60は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)62によって管理されている。バッテリECU62には、バッテリ60を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ60の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ60の出力端子に接続された電力ライン64に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ60に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ60の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU62では、バッテリ60を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づく残容量(SOC)やこの残容量(SOC)と電池温度とに基づく入出力制限Win,Woutなども演算または設定している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、ブレーキB1への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU50,バッテリECU62と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU50,バッテリECU62と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸65に出力すべき駆動要求トルクTd*を計算し、この駆動要求トルクTd*に対応する要求動力が駆動軸65に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸65に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ60の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ60の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸65に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG1やモータMG2から要求動力に見合う動力を駆動軸65に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードはバッテリ60の充放電を行なうか否かの差があるだけで実質的な制御における差違はない。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にブレーキB1の切り替えを含む基本的な動作について説明する。図5は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ60を充放電するための要求充放電パワーPb*など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ53,54により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU50から通信により入力するものとした。また、
バッテリ60を充放電するための要求充放電パワーPb*は、残容量(SOC)に基づいて設定されたものをバッテリECU62から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動軸65に出力すべき駆動要求トルクTd*と車両に要求される車両要求パワーP*とを設定する(ステップS110)。駆動要求トルクTd*は、要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTd*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。車両要求パワーP*は、設定した駆動要求トルクTd*に駆動軸65の回転数Ndを乗じたものとバッテリ60が要求する要求充放電パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、駆動軸65の回転数Ndは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。
こうして駆動要求トルクTd*と車両要求パワーP*とを設定すると、設定した車両要求パワーP*に基づいてエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*を設定する(ステップS120)。エンジン要求パワーPe*の設定は、エンジン22の応答性がモータMG1,MG2などに比して遅いことから、今までにこのルーチンが実行されて設定されたエンジン要求パワーPe*と今回設定された車両要求パワーP*とを用いて車両要求パワーP*がいずれエンジン要求パワーPe*として設定されるようなまし処理やレート処理を用いてエンジン要求パワーPe*を設定する。これによりエンジン22は無理なくエンジン要求パワーPe*を出力することができる。
こうしてエンジン要求パワーPe*を設定すると、設定したエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS130)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとエンジン要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインとエンジン要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、駆動要求トルクTd*を駆動軸65に出力すると共にエンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転させるものとして4要素タイプにおける釣り合いの関係式を用いてモータMG1のトルク指令値Tm1*と第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37に出力すべき目標トルクTr2*とを計算する(ステップS140)。ここで、ステップS140で用いる関係式を以下に示す。
Figure 0004088576
続いて、目標トルクTr2*が制動力であるか否か、目標トルクTr2*の絶対値がモータMG2から出力可能なトルクTm2maxより大きいか否かを判定する(ステップS150,S160)。目標トルクTr2*が制動力でないときや、目標トルクTr2*が制動力であってもその絶対値がモータMG2から出力可能なトルクTm2max以下のときには、ブレーキB1をオフにして(ステップS170)、モータMG2のトルク指令Tm2*に目標トルクTr2*を入力する(ステップS180)。即ち、図2の共線図に示すように、動力分配統合機構30を4要素タイプの動力分配統合機構として機能させてエンジン22からの動力をトルク変換して駆動軸65に出力するのである。
一方、目標トルクTr2*が制動力であり、且つ、その絶対値がモータMG2から出力可能なトルクTm2maxより大きいときには、ブレーキB1をスリップ係合し(ステップS190)、目標トルクTr2*からブレーキB1のスリップ係合による制動トルクTbを減じたものをモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS200)。ここで、実施例では、ブレーキB1の係合状態としては、R2軸に予め設定された制動トルクTbが作用するようブレーキB1のアクチュエータを作動させるスリップ係合と、R2軸を回転が完全に停止した状態で保持するためのトルクをR2軸に作用させるようブレーキB1のアクチュエータを作動させる固定係合とが設定されており、ステップS190の処理ではスリップ係合となるようブレーキB1のアクチュエータを作動させるのである。なお、ブレーキB1のアクチュエータとしては、油圧を用いるものや電磁的に作動するものを用いることができる。これにより、図3の共線図に示すように、モータMG2の回転軸(R2軸)に出力すべき制動トルクに対してその一部をブレーキB1から作用させる(図中、制動トルクTb)と共に残余の制動力をモータMG2から作用させる(図中、制動トルクTm2)ことができる。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU50にそれぞれ送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU50は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ51,52のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、通常は4要素タイプの動力分配統合機構として機能する動力分配統合機構30の第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37にスリップ係合可能なブレーキB1を設け、リングギヤ37に大きな制動力が要求されたときには、制動力の一部をブレーキB1により作用させることができる。この結果、リングギヤ37に取り付けられたモータMG2にその定格値以上の制動力が要求されたときであってもブレーキB1をスリップ係合させることにより要求された制動力をリングギヤ37に作用させることができる。また、ブレーキB1によりリングギヤ37の回転を停止した状態で固定することにより、エンジン22やモータMG1からの動力を機械的に変速して駆動軸65に直接出力することができる。したがって、エンジン22の動力を電力変換を伴ってトルク変換する場合に比してエネルギ効率の向上を図ることができる。もとより、動力分配統合機構30は、4要素タイプの動力分配統合機構として機能するから、いわゆる3要素タイプの動力分配統合機構に比してモータMG1,MG2の小型化やエネルギ効率の向上を図ることができる。また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、運転者のアクセル操作に基づく要求動力をエンジン22から出力し、動力分配統合機構30と二つのモータMG1,MG2とによりトルク変換して駆動軸65に出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、目標トルクTr2*が制動力であり、且つ、その絶対値がモータMG2から出力可能なトルクTm2maxより大きいときにブレーキB1をスリップ係合するものとしたが、目標トルクTr2*が制動力であればその絶対値に拘わらずブレーキB1をスリップ係合するものとしてもよい。この場合、ブレーキB1に作用させるトルクは予め設定した制動トルクTbでなくてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、目標トルクTr2*が制動力であり、且つ、その絶対値がモータMG2から出力可能なトルクTm2maxより大きいときにブレーキB1をスリップ係合するものとしたが、図4の共線図で示すように、ブレーキB1を固定係合することによりモータMG2の回転軸(R2軸)の回転を停止するよう制御するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキB1をスリップ係合させる際には、ブレーキB1から予め設定された制動トルクTbが作用するようそのアクチュエータを作動させるものとしたが、R2軸に作用させるべき目標トルクTr*の大きさに応じた制動トルクがブレーキB1から作用するようアクチュエータを作動させるものとしてもよい。この場合、ブレーキB1により作用するトルクとして多段階または無段階のトルクを予め設定しておき、目標トルクTr*に基づいて制動トルクを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキB1をスリップ係合させるときにはブレーキB1から制動トルクTbが作用するようアクチュエータを作動させるものとしたが、リングギヤ37に一定の制動力が作用するようブレーキB1とモータMG2とを制御するものとしてもよい。この場合、エンジン22とモータMG1とを駆動軸65に駆動要求トルクTd*が出力されるよう制御すればよい。なお、この場合、リングギヤ37に作用させる一定の制動力におけるブレーキB1とモータMG2のトルクの内訳は如何なるものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20では、目標トルクTr2*のみに基づいてブレーキB1をスリップ係合するか否かを判定するものとしたが、目標トルクTr2*に加えてバッテリ60の残容量(SOC)を考慮するものとしてもよい。例えば、バッテリ60の残容量(SOC)が80%や90%以上のときには、目標トルクTr2*の絶対値に拘わらずブレーキB1をスリップ係合するものとしてもよい。こうすれば、モータMG2のトルク指令Tm2*に基づく回生エネルギによるバッテリ60の過充電を防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1プラネタリギヤP1のサンギヤ31にモータMG1を接続し、第1プラネタリギヤP1のキャリア34と第2プラネタリギヤP2のサンギヤ36とにエンジン22のクランクシャフト26を接続し、第1プラネタリギヤP1のリングギヤ32と第2プラネタリギヤP2のキャリア39とに駆動軸65を接続し、第2プラネタリギヤP2のリングギヤ37にモータMG2を接続したが、接続関係はこれに限定されるものではなく、例えば、第1プラネタリギヤP1のサンギヤ31の接続関係とリングギヤ32の接続関係を入れ替えるものとしたり、第2プラネタリギヤP2のサンギヤ36の接続関係とリングギヤ37の接続関係とを入れ替えるものとしたり、駆動軸65の接続位置とエンジン22のクランクシャフト26の接続位置とを入れ替えるなど、種々の接続としてもよい。
上述した各実施例やその変形例では、エンジン22とモータMG1とモータMG2と動力分配統合機構30,130,230とを備え駆動軸65,165,265に動力を出力する動力出力装置を自動車に搭載するものとしたが、こうした動力出力装置を自動車以外の列車などの車両や船舶,航空機などの移動体に搭載するものとしてもよいし、建設機器などの移動しない設備の動力源として用いるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、機械産業や自動車産業に利用可能である。
実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31,36 サンギヤ、32,37 リングギヤ、33,38 ピニオンギヤ、34,39 キャリア、50 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、51,52 インバータ、53,54 回転位置検出センサ、60 バッテリ、62 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、64 電力ライン、65 駆動軸、66ギヤ機構、68 デファレンシャルギヤ、69a,69b 駆動輪、70 ハイブリッド電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ88、P1,P2 プラネタリギヤ、MG1,MG2 モータ、B1 ブレーキ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    発電可能な第1の電動機と、
    発電可能な第2の電動機と、
    前記駆動軸に連結された第1軸と前記内燃機関の出力軸に連結された第2軸と前記第1の電動機の回転軸に連結された第3軸と前記第2の電動機の回転軸に連結された第4軸とを有する4軸以上の複数軸に接続され、前記第1軸と前記第2軸と前記第3軸と前記第4軸の4軸のうちのいずれか2軸の回転数に基づいて残余の2軸を回転させ、前記複数軸に入出力される動力の収支をもって前記駆動軸に動力を出力可能な多軸式動力入出力手段と、
    前記第4軸に制動力を付与可能な制動手段と、
    操作者の操作に基づいて前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定する要求動力設定手段と、
    該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標動力を設定する目標動力設定手段と、
    前記制動手段による制動力を作用させなくても前記第2の電動機から前記第4軸に出力すべきトルクを出力することができるときには、前記設定された目標動力が前記内燃機関から出力されると共に前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1の電動機と前記第2の電動機とを制御し、前記制動手段による制動力を作用させないと前記第2の電動機から前記第4軸に出力すべきトルクを出力することができないときには、前記設定された目標動力が前記内燃機関から出力されると共に前記制動手段による前記第4軸への制動力の作用を伴って前記設定された要求動力に基づく制動力が前記第4軸に作用し、前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1の電動機と前記第2の電動機と前記制動手段を制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記第4軸は、前記第1軸に対する回転比率が前記第3軸に比して小さい軸である請求項記載の動力出力装置。
  3. 前記制動手段は、前記第4軸の回転を停止した状態で固定可能な手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記多軸式動力入出力手段は、前記第1軸と前記第2軸と前記第3軸の3軸に接続され該3軸のいずれかの2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する第1の3軸式動力入出力手段と、前記第1軸と前記第2軸と前記第4軸の3軸に接続され該3軸のいずれかの2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する第2の3軸式動力入出力手段と、を備える手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記第1の3軸式動力入出力手段および/または前記第2の3軸式動力入出力手段は、遊星歯車機構により構成されてなる請求項記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記第1の電動機および前記第2の電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電すべき要求電力を設定する要求電力設定手段と、
    を備え、
    前記目標動力設定手段は、前記設定された要求動力と前記設定された要求電力とに基づいて前記目標動力を設定する手段である
    動力出力装置。
  7. 前記制御手段は、前記制動手段による制動力が所定の制動力となるよう制御する手段である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  8. 前記制御手段は、前記制動手段による制動力と前記第2の電動機から出力される駆動力との和が一定となるよう制御する手段である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が機械的に連結されてなる自動車。
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