JP4088459B2 - 新規糖質およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規糖質アルキルα−2−デオキシグルコシド及びD-グルカールとアルコールを原料として用い、α−グルコシダーゼを作用させることを特徴とするその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキルグリコシドは界面活性剤や酵素阻害剤などとして広く利用されている素材である。これらのアルキルグリコシドは、単糖類とアルコールを強酸などの触媒存在下で加熱するなどの方法や、グリコシダーゼの糖転移反応を利用して製造することができる。
また、アルキル2−デオキシグリコシドについては、β型のグルコシドとガラクトシドがそれぞれβ-グルコシダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼを用いての合成が報告されている(J. M. Petitら,Tetrahedron Letters:32, 6125-6128 (1991))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記方法の前者ではα型とβ型の混合物として得られ、後者では酵素の有機溶媒に対する安定性による制約があるなどの問題点を有していた。また、プティ(Petit)らの報告においても糖転移反応のアクセプターとなるアルコールの他に70から75%のアセトンもしくはアセトニトリルを添加しているものの、その生成率は最大で64%であった。プティ(Petit)らの方法では、β型の2−デオキシグリコシドしか得ることができず、α型の2−デオキシグリコシドに関しては効率的に得る方法が開発されておらず、アルキルグリコシドよりも高い消化酵素系の阻害効果などが期待されながらも解明できずにいた。
【0004】
そこで本発明の目的は、新規糖質であるアルキルα−2−デオキシグルコシド、およびその効率的な製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、アルキル α−2−デオキシグルコシドについて鋭意研究し、グルカールを供与体、アルコールを受容体として用い、α-グルコシダーゼを反応させることによりアルキルα−2−デオキシグルコシドを効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、
(1)下記化学式で示される新規糖質であるアルキルα−2−デオキシグルコシド
を提供する。
【化3】
Figure 0004088459
(式中、Rは−CH3 、−(CH2)nCH3 (但し、nは1〜7の整数である)、−CH(CH3)CH3 、−CH2CH(CH3)CH3 、−CH(CH3)CH2CH3
【化4】
Figure 0004088459
または−CH2CH=CH2である)
【0007】
更に、本発明は、
(2)D-グルカールと式ROHで示されるアルコール(但し、Rは、(1)における定義と同義である)との混合物に、α−グルコシダーゼを作用させることを特徴とする(1)に記載のアルキル α−2−デオキシグルコシドの製造方法を提供する。
【0008】
上記本発明の製造方法の好ましい態様を以下に示す。
(3)有機溶媒を含む反応系で行う(2)に記載の製造方法。
(4)前記有機溶媒が式ROHで示されるアルコールである(3)に記載の製造方法。
(5)式ROHで示されるアルコールが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、またはアリルアルコールである(2)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記α-グルコシダーゼが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼである(2)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記α-グルコシダーゼが、ブタ起源のα-グルコシダーゼである(2)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記α-グルコシダーゼが、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)起源のα-グルコシダーゼである(2)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(9)前記α-グルコシダーゼが、水解活性が天然型の10000分の1以下となるように活性に関与するアミノ酸を改変されたα-グルコシダーゼである(2)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
(10)前記アミノ酸を改変されたα-グルコシダーゼが、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomayces pombe)起源のα-グルコシダーゼの481番目のアスパラギン酸がアラニンまたはグリシンに改変された改変酵素である(9)に記載の製造方法。
【0009】
【発明の実施の態様】
本発明によって新規に提供される
【化5】
Figure 0004088459
で示されるアルキルα−2−デオキシグルコシドは、D-グルカールとアルコールとを混合し、その混合物にα−グルコシダーゼを作用させることにより得ることができる。
本発明において、アルキルα−2−グルコシダーゼを製造するために用いるα-グルコシダーゼは、その起源など特に限定されるものではない。但し、アルキル α−2−デオキシグルコシドを製造する際に受容体としてアルコールを用いるので、アルコールや有機溶媒に対して安定性の高いα-グルコシダーゼ、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼなどを用いることが好ましい。用いるα-グルコシダーゼは精製された標品でも、市販されている粗精製標品でも構わない。
【0010】
α−グルコシダーゼとしては、天然型α−グルコシダーゼを用いることもでき、α-グルコシダーゼの特定のアミノ酸を置換した改変α-グルコシダーゼを用いることもできる。本発明では、水解活性が天然型の10000分の1以下となるように活性に関与するアミノ酸を改変されたα−グルコシダーゼを用いることが好ましい。ここで、「水解活性が天然型の10000分の1以下」とは、改変前の酵素をマルトースやp−フェニルα−グルコシド等を基質として生成するグルコース量と比較して、生成するグルコース量が10000分の1以下であることを意味する。水解活性が低減された改変α−グルコシダーゼは、アルキルα−2−デオキシグルコシドをほとんど加水分解しないため、本発明のアルキルα−2−デオキシグルコシドの製造に用いると、その収率を向上させることができる。
以下に、この改変α-グルコシダーゼについて、更に詳細に説明する。
【0011】
本発明において、アルキルα−2−グルコシドの製造のために用いることのできる改変α−グルコシダーゼは、例えば、配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼであって、前記アミノ酸配列の481番目のアスパラギン酸を、水解活性が配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼに比較して10000分の1以下に低下するように他のアミノ酸に置換した改変α−グルコシダーゼであることができる。
【0012】
アミノ酸が改変されていない配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼは、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼである。そして、配列番号1に示されたアミノ酸配列の481番目のアスパラギン酸を他のアミノ酸に置換する。アミノ酸の置換は、水解活性が配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼに比較して10000分の1以下に低下するように行うことが好ましい。具体的には、481番目のアスパラギン酸を側鎖にカルボキシル基を含まないアミノ酸に置換する。そして、側鎖にカルボキシル基を含まないアミノ酸は、例えば、アラニンまたはグリシンであることができる。
【0013】
本発明では、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼであって、該α−グルコシダーゼの活性解離基のうち解離型カルボキシル基を含むアミノ酸を、水解活性が野生型の酵素に比較して10000分の1以下に低下するように側鎖にカルボキシル基を含まないアミノ酸に置換した改変α−グルコシダーゼを用いることもできる。
【0014】
上記改変α−グルコシダーゼでは、基礎とするα−グルコシダーゼは、配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼに限らず、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼであればよい。そして、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼの活性解離基のうち解離型カルボキシル基を含むアミノ酸を側鎖にカルボキシル基を含まない他のアミノ酸で置換する。他のアミノ酸で置換するアミノ酸は、例えば、配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列の481番目のアスパラギン酸に相当するアミノ酸である。配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼも、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼであることから、配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼ以外のシズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼも、配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列と高い相同性を有し、配列表の配列番号1に示されたアミノ酸配列の481番目のアスパラギン酸に相当するアミノ酸は容易に見出すことができる。
【0015】
アミノ酸の置換は、水解活性が野生型の酵素、即ち、野生型のシズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼに比較して10000分の1以下に低下するように行うことが好ましい。また、側鎖にカルボキシル基を含まないアミノ酸は、例えば、アラニンまたはグリシンであることができる。
【0016】
本発明において、改変α−グルコシダーゼは常法により調製することができる。例えば、配列番号1に示されたアミノ酸配列を有するα−グルコシダーゼ遺伝子、または、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼ遺伝子に、目標とする解離型カルボキシル基を有するアミノ酸残基をポイントミュテーションにより他のアミノ酸に置換することにより調製できる。改変α−グルコシダーゼは、これらの改変酵素を、微生物を培養することにより調製し、その上清もしくは菌体破砕物としても利用可能であるが、必要に応じて各種クロマトグラフィーにて精製して用いることもできる。
【0017】
シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のα−グルコシダーゼは、すでにその精製方法や酵素化学的諸性質、糖転移反応について千葉らにより報告されている(Chiba et al., Agric. Biol. Chem. : 29, 540-547 (1965)、Chiba et al., Agric. Biol. Chem. : 30, 536-540 (1966))。また、その遺伝子も取得されており、活性解離基の同定も行われている(日本農芸化学会誌72巻、1998年度大会講演要旨集p.134)。
【0018】
本発明の製造方法において、アルコールは、酵素反応の受容体として働く。長鎖のアルキル鎖を有するアルコールは酵素の受容体となり難いため、本発明では、式ROH(式中、Rは−CH3 、−(CH2)nCH3 (但し、nは1〜7の整数である)、−CH(CH3)CH3 、−CH2CH(CH3)CH3 、−CH(CH3)CH2CH3
【化6】
Figure 0004088459
または−CH2CH=CH2である)で示されるアルコールを使用する。例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、またはアリルアルコールなどを用いることができる。また、反応系にこれら受容体となるアルコール以外のアセトンやアセトニトリルなどの有機溶媒を添加することもできる。これらのアルコールの濃度は、特に限定されるものではないが、30%以上であることが望ましく、これらアルコール濃度が100%での反応を行うことも可能である。
【0019】
本発明で用いるD-グルカールは、W. Roth, W. Pigman; 'D-Glucal and the Glycals', METHODS IN Carbohydrate Chemistry VOLUME II Reactions of Carbohydrates, p405-408, Academic Press Inc. New York and London (1963)に記載の方法により調製することができ、また、試薬として東京化成株式会社からも販売されている。D-グルカールは、例えば0.5〜500mMの濃度で用いることができる。
【0020】
本発明では、上記アルコールとD-グルカールとを混合し、その混合物にα−グルコシダーゼを添加して酵素反応を行うことにより、アルキルα―2−デオキシグルコシドを生成する。
アルキルα−2−デオキシグルコシドを生成させるための酵素反応条件は、用いるα-グルコシダーゼの酵素化学的諸性質を考慮して、酵素反応の最適条件を用いれば良く、反応時間や酵素量などは特に限定されるものではない。例えば、α−グルコシダーゼを0.1〜1000ユニットの量で添加し、反応温度15〜60℃、反応時間0.5〜100時間、pH3.0〜6.0の反応条件において行うことができる。
また、生成したアルキルα−2−デオキシグルコシドは、ゲル濾過、イオン交換樹脂、吸着樹脂などを用いたクロマトグラフィーや濃縮、蒸留、結晶化などの従来より知られている糖質の精製方法や有機溶媒の除去方法などを単独もしくは組み合わせることにより精製することができる。
【0021】
【実施例】
以下に本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1
α - グルコシダーゼの耐有機溶媒性の確認
アルキル α−2−デオキシグルコシドの生成反応では、アルコール存在下において反応を行うため、各種α-グルコシダーゼの有機溶媒による耐性について調査した。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ブタ血清、ソバ起源のα-グルコシダーゼを、35℃において50%(v/v)メタノール中で処理した場合の残存酵素活性を測定した。その結果を図1に示す。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼは4時間の処理でも90%以上の残存活性を示している。これに対して、ブタ血清起源のα-グルコシダーゼは経時的に残存活性が低下し、4時間処理において約20%、ソバ起源のα-グルコシダーゼは処理開始直後から残存活性が急激に低下し、30分処理においてほとんど残存活性は失われた。
【0023】
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼについて、各種メタノール濃度における耐性について調査した。35℃において0〜70%(v/v)メタノール中でアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを処理した場合の残存酵素活性を測定した。その結果を図2に示す。70%(v/v)メタノール中においても、4時間の処理で70%以上の残存活性を示し、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼが高い耐有機溶媒特性を有することが判明した。
【0024】
実施例2
メチルα−2−デオキシグルコシドの生成反応
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において反応を行った際の結果を図3に示す。反応開始直後からD-グルカールが減少し、それに伴ってメチルα−2−デオキシグルコシドが生成した。24時間反応を行った結果、メチルα−2−デオキシグルコシドは83%、2−デオキシグルコシドが16%の生成率であった。
【0025】
実施例3
メチルα−2−デオキシグルコシドの生成反応の最適温度、最適p H の測定
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、各種温度において24時間反応を行った際の結果を図4に、また各種pHの20mM酢酸緩衝液、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、24時間反応を行った際の結果を図5に示す。その結果、メチルα−2−デオキシグルコシドの生成反応の最適温度は35〜45℃、最適pHは4.5であった。
【0026】
実施例4
メチルα−2−デオキシグルコシドの生成反応のグルカール濃度の影響
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、各種濃度のD-グルカール、70%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った際の結果を図6に示す。その結果、グルカール濃度の上昇に伴ってメチルα−2−デオキシグルコシドの生成量は増大した。
【0027】
実施例5
メチルα−2−デオキシグルコシドの生成反応のメタノール濃度の影響
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度のメタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った際の結果が図7に示されている。その結果、70%(v/v)メタノールにおいてメチルα−2−デオキシグルコシドの生成量最大となり、その生成率は93%であった。しかしながら80%(v/v)メタノール以上の濃度ではメチルα−2−デオキシグルコシドの生成量は減少した。
【0028】
実施例6
プロピル α−2−デオキシグルコシドの生成反応
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度のプロパノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った際の結果を図8に示されている。その結果、90%(v/v)プロパノールにおいてプロピル α−2−デオキシグルコシドの生成量最大となり、その生成率は88%であった。しかしながら100%(v/v)プロパノールの濃度ではプロピル α−2−デオキシグルコシドの生成量は減少した。
【0029】
実施例7
各種アルコールを用いたアルキル α−2−デオキシグルコシドの生成反応
20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度の各種アルコール、0.1mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において36時間反応を行った際の結果が表1及び図9に示す。水と混和しない1-ペンタノールや1-ヘプタノールにおいても、ペンチルα−2−デオキシグルコシド、ヘプチルα−2−デオキシグルコシドが83.45%の生成率で得られた。また、その他のアルコールを用いてもアルキルα−2−デオキシグルコシドの生成が認められた。
【0030】
【表1】
Figure 0004088459
【0031】
これらのアルキル α−2−デオキシグルコシドの構造に関しては、質量分析およびNMR分析を行い、アルキル α−2−デオキシグルコシドであることを確認した。結果を表2〜16に示す。
【0032】
【表2】
Figure 0004088459
【0033】
【表3】
Figure 0004088459
【0034】
【表4】
Figure 0004088459
【0035】
【表5】
Figure 0004088459
【0036】
【表6】
Figure 0004088459
【0037】
【表7】
Figure 0004088459
【0038】
【表8】
Figure 0004088459
【0039】
【表9】
Figure 0004088459
【0040】
【表10】
Figure 0004088459
【0041】
【表11】
Figure 0004088459
【0042】
【表12】
Figure 0004088459
【0043】
【表13】
Figure 0004088459
【0044】
【表14】
Figure 0004088459
【0045】
【表15】
Figure 0004088459
【0046】
【表16】
Figure 0004088459
【配列表】
Figure 0004088459
Figure 0004088459
Figure 0004088459
Figure 0004088459
Figure 0004088459

【図面の簡単な説明】
【図1】アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ブタ血清、ソバ起源のα-グルコシダーゼを、35℃において50%(v/v)メタノール中で処理した場合の残存酵素活性の測定結果を示す。
【図2】35℃において0〜70%(v/v)メタノール中でアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを処理した場合の残存酵素活性の測定結果を示す。
【図3】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において反応を行った結果を示す。
【図4】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、各種温度において24時間反応を行った結果を示す。
【図5】各種pHの20mM酢酸緩衝液、20mM D-グルカール、50%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、24時間反応を行った結果を示す。
【図6】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、各種濃度のD-グルカール、70%(v/v)メタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った結果を示す。
【図7】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度のメタノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った結果を示す。
【図8】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度のプロパノール、0.15mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において24時間反応を行った結果を示す。
【図9】20mM酢酸緩衝液(pH 4.3)、20mMのD-グルカール、各種濃度の各種アルコール、0.1mg/mlのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼを用いて、35℃において36時間反応を行った結果を示す。

Claims (9)

  1. D-グルカールと式ROHで示されるアルコール(但し、Rは、請求項1における定義と同義である)との混合物に、α−グルコシダーゼを作用させることを特徴とする、下記化学式で示されるアルキルα−2−デオキシグルコシドの製造方法。
    Figure 0004088459
    ( 式中、 R は− CH 3 、− (CH 2 ) n CH 3 ( 但し、 n 1 〜7の整数である ) 、− CH(CH 3 )CH 3 、− CH 2 CH(CH 3 )CH 3 、− CH(CH 3 )CH 2 CH 3
    Figure 0004088459
    または− CH 2 CH CH 2 である)
  2. 有機溶媒を含む反応系で行う請求項に記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒が式ROHで示されるアルコールである請求項に記載の製造方法。
  4. 式ROHで示されるアルコールが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、またはアリルアルコールである請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記α-グルコシダーゼが、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源のα-グルコシダーゼである請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記α-グルコシダーゼが、ブタ起源のα-グルコシダーゼである請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記α-グルコシダーゼが、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)起源のα-グルコシダーゼである請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記α-グルコシダーゼが、α−グルコシダーゼの活性解離基の解離型カルボキシル基を含むアミノ酸を、側鎖にカルボキシル基を含まないアミノ酸に置換して、水解活性が野生型の酵素に比較して10000分の1以下に低下させた改変α−グルコシダーゼである請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記改変α - グルコシダーゼが、シズサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomayces pombe)起源のα-グルコシダーゼの481番目のアスパラギン酸がアラニンまたはグリシンに改変された改変酵素である請求項に記載の製造方法。
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