JP6771756B2 - β−ガラクトシダーゼ - Google Patents

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Description

本発明は、β−ガラクトシダーゼに関する。
糖鎖は、アポトーシス(細胞死)、感染、免疫、細胞接着、移動、発生、分化、増殖、等の多様な生命現象に関与しており、その異常は、がん、糖尿病等の様々な疾患に繋がる。このため、糖鎖構造の解析は、これらの生命現象や疾患の理解にとって非常に重要である。
NMR解析が困難な複雑かつ微量糖鎖における糖鎖構造の解析は、その一つの有効的な手段として解析対象の糖鎖のグリコシド結合を酵素で切断し、切断断片をHPLC分析および質量分析することによって行われる。この解析においては、酵素の特異性が低い場合は切断断片から元の糖鎖構造を推測することが困難であるので、ある特定のグリコシド結合を特異的に切断する酵素が重要なツールとなる。
一方、現在、市販されているβ−ガラクトシダーゼは、基質特異性が低く(或いは全く無く)、例えばガラクトースと他の六炭糖との結合であれば、ガラクトースの1番炭素と他の六炭糖の3番炭素、4番炭素、及び6番炭素とのβ−グリコシド結合(Galβ(1→3)結合、Galβ(1→4)結合、及びGalβ(1→6)結合)の全てを切断してしまうものが大半である。また、Galβ(1→4)結合やGalβ(1→6)結合に対する切断活性が特異的に高いβ−ガラクトシダーゼは知られているものの(非特許文献1)、Galβ(1→3)結合に対する切断活性が特異的に高いβ−ガラクトシダーゼは未だ知られていない。
N−アセチルラクトサミン(Galβ(1→4)GlcNAc)やラクト−N−ビオース(Galβ(1→3)GlcNAc)等のガラクトオリゴ糖は、消化管内のビフィズス菌の増殖活性を有し、この活性に基づいて腸内フローラ改善、消化吸収促進、便通改善、老化防止等の様々な効果を発揮することが期待される。また、N−アセチルラクトサミンやラクト−N−ビオースは、多くの生理活性糖鎖の部分構造であることから、これらの化学合成及び酵素合成におけるビルディングブロックとしての需要が高い。
N−アセチルラクトサミンやラクト−N−ビオースの合成方法としては、例えばβ−ガラクトシダーゼの逆反応を利用した方法や、UDP−ガラクトースを基質としたβ−ガラクトシルトランスフェラーゼを用いる方法が知られているが、これらの方法には収率が悪いという問題や、試薬が高価であるという問題がある。このため、N−アセチルラクトサミンやラクト−N−ビオース(特に、ラクト−N−ビオース)の市販品は非常に高価である(参考市場価格は、N−アセチルラクトサミンが5mg当たり18000円、ラクト−N−ビオースが1mg当たり10000円である)。
本発明は、Galβ(1→3)結合に対する切断活性が特異的に高いβ−ガラクトシダーゼを提供することを課題とする。また、本発明は、N−アセチルラクトサミンやラクト−N−ビオース等のガラクトオリゴ糖を、簡便且つ効率的に合成できる酵素を提供することも課題とする。
本発明者は鋭意研究を進めた結果、バシラス属に属する細菌により産生される特定のβ−ガラクトシダーゼであれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、完成されたものである。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 下記(a)〜(e)の特性を有するβ−ガラクトシダーゼ:
(a)バシラス属に属する細菌により産生される。
(b)Galβ(1→3)結合の切断活性が、Galβ(1→4)結合の切断活性及びGalβ(1→6)結合の切断活性の10倍以上である。
(c)SDS−PAGEで測定される分子量が35〜43kDaである。
(d)至適pHがpH5〜10である。
(e)至適温度が40〜60℃である。
項2. 前記バシラス属に属する細菌が、GS−MAIU株(特許生物寄託センター受領番号:NITE AP−02240)である、項1に記載のβ−ガラクトシダーゼ。
項3. さらに下記(f)の特性を有する、項1又は2に記載のβ−ガラクトシダーゼ:
(f)N末端のアミノ酸配列が配列番号1で示されるアミノ酸配列である。
項4. 項1〜3のいずれかに記載のβ−ガラクトシダーゼの産生能を有する、バシラス属に属する細菌。
項5. GS−MAIU株(特許生物寄託センター受領番号:NITE AP−02240)である、項4に記載の細菌。
項6. ガラクトース供与体及び水酸基含有化合物とを、項1〜3のいずれかに記載のβ−ガラクトシダーゼの存在下で反応させる工程を含む、β−ガラクトース連結化合物の製造方法。
項7. 前記ガラクトース供与体が一般式(1):
[一般式(1)中:Rは置換されていてもよいフェニル基を示す。]
で表される化合物である、項6に記載の製造方法。
項8. 前記水酸基含有化合物が一般式(2):
[一般式(2)中:Rはエチニル基、ビニル基、−O−C(=O)−C(−CH)=CH、−O−C(=O)−CH=CH、アジド基、エポキシ基、アルデヒド基、又はオキシルアミノ基を示す。mは0又は1を示す。Rは2価の炭化水素基を示す。pは0又は1を示す。]
で表される化合物、N−アセチルグルコサミン、又はN−アセチルガラクトサミンである、項6又は7に記載の製造方法。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、Galβ(1→3)結合を特異的に切断することができる。このような酵素は今まで知られていないことから、この酵素を用いることにより、従来では解析が困難(又は不可能)であった糖鎖構造の解析が容易(又は可能)になる。
本発明のβ−ガラクトシダーゼを用いることにより、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ビオース、Galβ(1→3) GalNAc等のガラクトオリゴ糖(特に、ラクト−N−ビオース)を、簡便且つ効率的に合成することができる。また、この酵素を用いることにより、種々の水酸基含有化合物に、ガラクトースをβ−グリコシド結合させることができる。例えば、親水性部分構造として糖残基を有し、且つ疎水性部分構造として炭化水素鎖を有する界面活性剤や、反応性官能基が連結した糖を合成することが可能である。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、バシラス属に属する細菌により産生され、該菌体外に分泌される。このため、この酵素は、菌体を破砕することなく、培養液から簡便に得ることができる。しかも、この酵素は、培養上清やその粗精製物(例えば硫安沈殿画分)であっても強い活性を有するので、精製が容易である。
β−ガラクトシダーゼの分子量を示す、CBB染色ゲルの写真を示す(実施例3)。Sampleはβ−ガラクトシダーゼ液をアプライしたレーンを示し、Mはマーカーをアプライしたレーンを示す。写真右側の数値は、マーカーの各バンドが示す分子量(kDa)である。 β−ガラクトシダーゼの、各pH(横軸)における相対活性(縦軸)を示す(実施例4)。 β−ガラクトシダーゼの、各温度(横軸)における相対活性(縦軸)を示す(実施例5)。 各反応時間(横軸)における、ラクト−N−ビオースと、副生成物であるN−アセチルアロラクトサミン(Galβ(1→6) GlcNAc)それぞれの生成量(縦軸、任意単位)を示す(実施例16)。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.β−ガラクトシダーゼ
本発明は、下記の特性(a)〜(e)を有するβ−ガラクトシダーゼ(本明細書において、「本発明のβ−ガラクトシダーゼ」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
特性(a)は、バシラス属に属する細菌により産生される、という特性である。
バシラス属に属する細菌は、特に限定されないが、本発明のβ−ガラクトシダーゼを産生できるという観点から、好ましくはGS−MAIU株(特許生物寄託センター受領番号:NITE AP−02240)である。
特性(b)は、Galβ(1→3)結合の切断活性が、Galβ(1→4)結合の切断活性及びGalβ(1→6)結合の切断活性の10倍以上である、という特性である。
「Galβ(1→3)結合」とは、ガラクトースの1番炭素と六炭糖の3番炭素とのβ−グリコシド結合を意味する。「Galβ(1→4)結合」とは、ガラクトースの1番炭素と六炭糖の4番炭素とのβ−グリコシド結合を意味する。「Galβ(1→6)結合」とは、ガラクトースの1番炭素と六炭糖の6番炭素とのβ−グリコシド結合を意味する。例えば、六炭糖がN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)であれば、Galβ(1→3)結合は、ラクト−N−ビオース(Galβ(1→3)GlcNAc)中のβ−グリコシド結合であり、Galβ(1→4)結合は、N−アセチルラクトサミン(Galβ(1→4)GlcNAc)中のβ−グリコシド結合である。なお、これらの結合を形成する六炭糖としては、特に限定されず、公知の六炭糖、例えばN−アセチルグルコサミン、グルコース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、マンノース、フルクトース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、イドース、プシコース、ソルボース、タガトース等が挙げられ、これらの中でも、N−アセチルグルコサミン、グルコース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン等が好ましく、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、グルコース等がさらに好ましく、N−アセチルグルコサミンが特に好ましい。また、これらは一部の水酸基が還元されて水素原子に置換されていてもよいし、一部の水酸基が公知の保護基で保護されていても、硫酸基等の官能基で置換されていてもよい。
切断活性は、上記β−グリコシド結合を加水分解する活性である。この活性はエキソ型である。Galβ(1→3)結合、Galβ(1→4)結合、又はGalβ(1→6)結合の切断活性は、これらの結合を有する多糖(好ましくは、Galβ(1→3)結合が末端に存在し、該結合を形成するβ−ガラクトースの非還元末端が他の糖と結合を形成していない多糖、より好ましくは2糖)とβ−ガラクトシダーゼとを反応させ、反応後の生成物(加水分解により生じた分解物の量やその生成速度)をHPLC等により分析することによって評価することができる。この評価は、例えば比活性(units/mg)を測定し、この値を比較することによって行うことができる。なお、反応の条件は、後述の、至適pHや至適温度、実施例の条件等を参照して、適宜設定できるものであり、Galβ(1→3)結合、Galβ(1→4)結合、及びGalβ(1→6)結合の切断活性は同じ反応条件で比較することが望ましい。
本発明のβ−ガラクトシダーゼのGalβ(1→3)結合切断活性は、Galβ(1→4)結合の切断活性及びGalβ(1→6)結合の切断活性の、好ましくは20倍以上、より好ましくは100倍以上、さらに好ましくは1000倍以上、よりさらに好ましくは10000倍以上である。
特性(c)は、SDS−PAGEで測定される分子量が35〜43kDaである、という特性である。
SDS−PAGEは、公知の方法に従って又は準じて行うことができる。分離ゲルの濃度は、分子量が35〜43kDa程度のタンパク質を分離可能であり、且つ分子量マーカーのバンドとの比較により該タンパク質の分子量を測定できる程度の濃度である限り特に限定されない。該濃度は、例えば8〜16%、好ましくは10〜14%、より好ましくは11〜13%である。
本発明のβ−ガラクトシダーゼの、SDS−PAGEで測定される分子量は、好ましくは38〜40kDaである。
特性(d)は、至適pHがpH5〜10である、という特性である。
至適pHとは、酵素活性が最大を示すpHを意味する。
本発明のβ−ガラクトシダーゼの至適pHは、好ましくはpH6〜10、より好ましくはpH7〜9である。
特性(e)は、至適温度が40〜60℃である、という特性である。
至適温度とは、酵素活性が最大を示す温度を意味する。
本発明のβ−ガラクトシダーゼの至適温度は、好ましくは45〜55℃、より好ましくは48〜52℃である。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、上記特性(a)〜(e)に加えて、さらに下記の特性(f)を有することが好ましい。
特性(f)は、N末端のアミノ酸配列が配列番号1で示されるアミノ酸配列である、という特性である。
N末端のアミノ酸配列とは、N末端のアミノ酸から始まるアミノ酸配列を意味する。
配列番号1で示されるアミノ酸配列においては、1又は複数個(例えば2〜3個、好ましくは2個)のアミノ酸(好ましくは1個のアミノ酸)が、置換、欠失、付加又は挿入されていてもよい。なお、これらの変異は、保存的置換であることが好ましい。保存的置換とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されることを意味する。例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジンといった塩基性側鎖を有するアミノ酸残基同士で置換されることが、保存的な置換技術にあたる。その他、アスパラギン酸、グルタミン酸といった酸性側鎖を有するアミノ酸残基;グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システインといった非帯電性極性側鎖を有するアミノ酸残基;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンといった非極性側鎖を有するアミノ酸残基;スレオニン、バリン、イソロイシンといったβ−分枝側鎖を有するアミノ酸残基、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンといった芳香族側鎖を有するアミノ酸残基同士での置換も同様に、保存的な置換にあたる。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、上記特性(a)〜(e)に加えて、さらに下記の特性(g)を有することが好ましい。
特性(g)は、銅イオンによる酵素活性の減少割合が、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びマグネシウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種の金属イオン(好ましくはマグネシウムイオン)による酵素活性の減少割合の3倍以上(好ましくは5倍、より好ましくは10倍以上)である、という特性である。
金属イオンによる酵素活性の減少割合とは、金属イオンの非存在下における酵素活性値(例えば比活性等)から、金属イオン存在下における酵素活性値を引いて得られる値を、金属イオンの非存在下における酵素活性値で除して得られる値である。この減少割合の評価は、銅イオンによる酵素活性の減少割合、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びマグネシウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種の金属イオンによる酵素活性の減少割合の両方が、例えば0.01〜0.8、好ましくは0.03〜0.75の範囲となるように、金属イオン濃度を調整して行うことが望ましい。この観点から、減少割合の評価における金属イオン濃度は、例えば2〜20mM、好ましくは4〜12mM、より好ましくは6〜10mMである。
本発明のβ−ガラクトシダーゼの基質としては、例えば上記Galβ(1→3)結合を有する多糖(好ましくは、Galβ(1→3)結合が末端に存在し、該結合を形成するβ−ガラクトースの非還元末端が他の糖と結合を形成していない多糖、より好ましくは2糖)、一般式(1):
[一般式(1)中:Rは置換されていてもよいフェニル基を示す。]で表される化合物等が挙げられる。本発明のβ−ガラクトシダーゼがより効率的に加水分解できるという観点から、該基質としては、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
フェニル基の置換基としては、特に制限されないが、例えば、ニトロ基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの中でも、ニトロ基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が好ましく、ニトロ基、アルコキシ基等がより好ましく、ニトロ基がさらに好ましい。
アルコキシ基は、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルコキシ基が挙げられる。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
アルキル基は、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基が挙げられる。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜8、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4のアルケニル基が挙げられる。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜8、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4のアルキニル基が挙げられる。このようなアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アルキル基で置換されていてもよいアミノ基としては、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。アルキル基による置換数は、特に制限されない。このような置換されていてもよいアミノ基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換基の数は特に制限はなく、例えば0〜5個、好ましくは0〜4個、より好ましくは0〜3個、さらに好ましくは1〜3、よりさらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
置換基の位置は特に制限されない。該位置は、好ましくはパラ位(4位)である。
一般式(1)で表される化合物のより好ましい態様としては、一般式(1a):
[一般式(1a)中:Rはニトロ基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示す。nは0又は1〜3の整数を示す。]で表される化合物が挙げられる。
一般式(1a)においてRで示されるアルコキシ基は、特に制限はなく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルコキシ基が挙げられる。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1a)において、Rは、本発明のβ−ガラクトシダーゼがより効率的に加水分解できるという観点から、ニトロ基、アルコキシ基等が好ましく、ニトロ基がより好ましい。
nは、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1である。
nが1以上の場合、パラ位(4位)がRで置換されていることが好ましい。
nが2以上の場合、2以上のRは、全て又は一部が同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
本発明のβ−ガラクトシダーゼの基質の具体例としては、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メトキシフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、フェニル−β−D−ガラクトピラノシド、ラクト−N−ビオース等が挙げられる。
特性(d)、(e)、及び(g)において、酵素活性とは、上記基質中のβ−ガラクトシド結合(基質が多糖の場合は、Galβ(1→3)結合)を加水分解する活性である。この活性はエキソ型である。酵素活性は、上記基質とβ−ガラクトシダーゼとを反応させ、反応後の生成物(加水分解により生じた分解物の量やその生成速度)をHPLC等により分析することによって評価することができる。この評価は、例えば比活性(units/mg)を測定し、この値を比較することによって行うことができる。なお、反応の条件は、至適pH、至適温度、実施例の条件等を参照して、適宜設定できるものであり、酵素活性は同じ反応条件で比較することが望ましい。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、上記したバシラス属に属する細菌から分泌されるので、該細菌の培養液を回収する工程を含む製造方法によって得ることができる。
培養は、公知の方法に従って又は準じて行うことができる。
培地は、特に制限されず、バシラス属に属する細菌を培養できる培地を採用することができる。例えば、0.5〜2%(好ましくは0.8〜1.2%) トリプトン及び/又はペプトン(好ましくはペプトン)、0.12〜0.5%(好ましくは0.2〜0.3%) 酵母エキス、0.05〜0.4%(好ましくは0.1〜0.3%)ラクトース/水の組成を有する培地を用いることができる。
培養温度は、バシラス属に属する細菌を培養できる温度である限り特に制限されず、例えば15〜45℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30〜38℃である。
培養時間は、本発明のβ−ガラクトシダーゼの産生が可能である限り特に制限されず、例えば1時間〜6日間、好ましくは12時間〜5日間、より好ましくは1日間〜4日間である。
培養後に得られた培養液中には、本発明のβ−ガラクトシダーゼが含まれているので、この培養液をそのまま本発明のβ−ガラクトシダーゼとして用いることができる。
また、上記に加え、さらに培養液を遠心分離して培養上清を得る工程、各種タンパク質精製工程(例えば、硫安分画等)、各種クロマトグラフィーにより分画する工程等の精製を行うことにより、本発明のβ−ガラクトシダーゼの純度や比活性をより高めることが可能である。
特に、本発明のβ−ガラクトシダーゼは、培養上清の硫安分画した場合、硫安50〜70%(好ましくは55〜65%、特に58〜62%)画分に多く含まれることが分かっている。この性質を利用すれば、本発明のβ−ガラクトシダーゼを効率的に得ることができる。
また、この観点から、本発明のβ−ガラクトシダーゼは、好ましくは、特性(h):バシラス属に属する細菌の培養上清の硫安50〜70%(好ましくは55〜65%、特に58〜62%)画分に多く含まれる、という特性を有する。ここで、「多く」とは、硫安50〜70%(好ましくは55〜65%、特に58〜62%)画分のβ−ガラクトシダーゼ活性が、硫安20%画分の活性よりも高いことを意味する。より具体的には、硫安50〜70%(好ましくは55〜65%、特に58〜62%)画分のβ−ガラクトシダーゼ活性が、硫安20%画分の活性の、例えば2倍、好ましくは5倍、より好ましくは10倍、さらに好ましくは30倍、よりさらに好ましくは100倍であることを意味する。
2.β−ガラクトース連結化合物の製造方法
本発明は、ガラクトース供与体及び水酸基含有化合物とを、本発明のβ−ガラクトシダーゼの存在下で反応させる工程を含む、β−ガラクトース連結化合物の製造方法(本明細書において、「本発明の製造方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
ガラクトース供与体は、本発明のβ−ガラクトシダーゼで加水分解可能な結合を有する化合物であれば特に限定されない。ガラクトース供与体としては、例えば上記「1.β−ガラクトシダーゼ」で説明した、本発明のβ−ガラクトシダーゼの基質を上げることができる。より安価に入手できるという観点及び/又はより効率的に加水分解できるという観点から、ガラクトース供与体としては、上記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
ガラクトース供与体は1種単独を用いてもよいし、2種以上の組み合わせを用いてもよい。
水酸基含有化合物は、ガラクトースとβ−ガラクトシド結合を形成可能な水酸基を有する化合物である限り、特に制限されない。水酸基含有化合物としては、例えば糖、脂肪族アルコール、反応性官能基を有する化合物等が挙げられる。
糖は、特に制限されず、単糖及びオリゴ糖のいずれであってもよい。
単糖としては、特に限定されず、公知の単糖を採用することができる。例えば、七炭糖、六炭糖、五炭糖、四炭糖、又は三炭糖等が挙げられ、これらの中でも六炭糖が好ましく挙げられる。六炭糖としては、N−アセチルグルコサミン、グルコース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、マンノース、フルクトース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、イドース、プシコース、ソルボース、タガトース等が挙げられ、これらの中でもN−アセチルグルコサミン、グルコース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン等が好ましく挙げられ、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、グルコース等さらに好ましく挙げられ、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン等がよりさらに好ましく挙げられ、N−アセチルグルコサミンが特に好ましく挙げられる。また、これらは一部の水酸基が還元されて水素原子に置換されていてもよいし、一部の水酸基が公知の保護基で保護されていても、硫酸基等の官能基で置換されていてもよい。
オリゴ糖は、2分子以上の単糖がグリコシド結合により1分子に連結された糖である。オリゴ糖を構成する単糖の分子数としては、例えば2〜20が挙げられ、好ましくは2〜10が挙げられ、より好ましくは2〜5が挙げられ、更に好ましくは2〜3が挙げられる。オリゴ糖を構成する単糖の種類としては、特に限定されず、上記に示した単糖を採用することができる。またオリゴ糖を構成する単糖の組み合わせも特に限定されない。
脂肪族アルコール及び反応性基を有する化合物は、特に制限されないが、例えば一般式(2):
[一般式(2)中:Rはエチニル基、ビニル基、−O−C(=O)−C(−CH)=CH、−O−C(=O)−CH=CH、アジド基、エポキシ基、アルデヒド基、又はオキシルアミノ基を示す。mは0又は1を示す。Rは2価の炭化水素基を示す。pは0又は1を示す。]で表される化合物が挙げられる。
で示される2価の炭化水素基は、鎖状、分枝状、又は環状のいずれでもよく、また飽和又は不飽和のいずれでもよい。好ましくは該炭化水素基は、鎖状又は分枝状(より好ましくは鎖状)の飽和又は不飽和(好ましくは飽和)炭化水素である。該炭化水素基の炭素原子数は、特に制限されず、例えば1〜40である。
製造対象であるβ−ガラクトース連結化合物とは、水酸基含有化合物の水酸基と、ガラクトースの1番炭素の水酸基とが、β−ガラクトシド結合してなる化合物である。
水酸基含有化合物は、製造対象(β−ガラクトース連結化合物)に応じて適宜選択される。
例えば水酸基含有化合物として、N−アセチルグルコサミンやN−アセチルガラクトサミンを用いる場合、本発明の製造方法により、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ビオース、Galβ(1→3) GalNAc等のガラクトオリゴ糖(特に、ラクト−N−ビオース)を、簡便且つ効率的に合成することができる。なお、この場合、副生成物としてN−アセチルアロラクトサミン(Galβ(1→6) GlcNAc)が生成されるが、この副生成物の生成をより抑制できるという観点から、ガラクトース供与体として、パラ位(4位)に置換基を有するフェノールにガラクトースがβ結合した化合物、好ましくはnが1〜3(より好ましくは1)であり、且つパラ位(4位)がRで置換されている一般式(1a)で表される化合物を用いることにより、副生成物の生成割合をより抑制することができる。
例えば水酸基含有化合物として、脂肪族アルコール、好ましくは、pが1であり、且つRで示される炭化水素基の炭素原子数が例えば6以上(好ましくは8以上、より好ましくは10以上)の一般式(2)で表される化合物を用いる場合、本発明の製造方法により、親水性部分構造としてβ−ガラクトースを有し、且つ疎水性部分構造として炭化水素鎖を有する界面活性剤を、簡便且つ効率的に合成することができる。
例えば水酸基含有化合物として、反応性官能基を有する化合物、好ましくは、mが1である一般式(2)で表される化合物を用いる場合、本発明の製造方法により、反応性官能基が連結したβ−ガラクトースを、簡便且つ効率的に合成することができる。得られた化合物は、反応性官能基を有しているので、これを利用してさらに多様な化合物に連結させることができる。例えば、アルキニル基は、アジド基と1,3‐双極子付加環化反応することにより、1,2,3-トリアゾール環を形成することが知られている。ビニル基は、チオール基と反応して結合を形成する。エポキシ基はアミノ基やチオール基と反応し結合を形成する。アルデヒド基はアミノ基と反応し、シッフ塩基を形成し、それを還元すると結合を形成する。オキシルアミノ基はケトン基、アルデヒド基と反応し、オキシムを形成する。アジド基は、アルキニル基と1,3‐双極子付加環化反応することにより、1,2,3-トリアゾール環を形成することが知られている。
水酸基含有化合物は1種単独を用いてもよいし、2種以上の組み合わせを用いてもよい。
本発明のβ−ガラクトシダーゼは、担体に固定化されたβ−ガラクトシダーゼであってもよい。本発明のβ−ガラクトシダーゼを担体に固定化する方法は、公知の方法を採用することができる。担体は、本発明のβ−ガラクトシダーゼを固定化できる限りにおいて特に限定されず、例えば本発明のβ−ガラクトシダーゼに含まれるアミノ基とアミド結合できるカルボキシル基を有する担体が挙げられる。具体例としては、カルボキシル基をN‐ヒドロキシスクシンイミド(NHS)でエステル化したセファロース(担体)の活性化エステル基と、本発明のβ−ガラクトシダーゼのアミノ基とをアミド結合させることにより、担体に本発明のβ−ガラクトシダーゼを固定化することができる。また、他の具体例としては、担体を臭化シアンで活性化して、本発明のβ−ガラクトシダーゼのアミノ基とアミド結合させる固定化方法等が挙げられる。その他にも、例えば、本発明のβ−ガラクトシダーゼを、イオン性のゲルに固定化する方法やアルギン酸に埋包する方法等が挙げられる。
反応は、適当な溶媒中で行う。溶媒としては、水酸基含有化合物及びガラクトース供与体を溶解させることができ、且つ本発明のβ−ガラクトシダーゼが失活しない溶媒であれば特に限定されない。このような溶媒としては、例えば、水、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等が挙げられ、好ましくはトリス緩衝液等が挙げられる。また、溶媒には、少量の有機溶媒が混入していてもよい。
反応温度は、本発明のβ−ガラクトシダーゼが失活しない温度であれば特に限定されないが、効率等の観点から、本発明のβ−ガラクトシダーゼの至適温度より比較的低温域であることが好ましい。より具体的には、反応温度としては、例えば、25℃〜40℃、好ましくは35〜40℃が挙げられる。
反応pHは、本発明のβ−ガラクトシダーゼの酵素活性が十分に発揮される限り特に限定されない。反応pHは、至適pHを参照して適宜設定することができる。
反応時間は、本発明のβ−ガラクトシダーゼの酵素活性が十分に発揮できる限り特に限定されない。反応時間は、製造対象によって適宜設定することができ、例えば30分間〜3日間である。製造対象に、本発明のβ−ガラクトシダーゼが切断できる結合が含まれる場合(例えば、製造対象がラクト−N−ビオースの場合)は、反応時間を長くすると製造対象が一旦製造されても次第に分解されていってしまうので、反応時間を、比較的短い時間、例えば30分間〜24時間、好ましくは2時間〜15時間程度にすることが望ましい。
ガラクトース供与体及び水酸基含有化合物のモル比は、本発明のβ−ガラクトシダーゼによる酵素反応が起こる限り特に限定されない。該モル比は、製造対象によっても異なり、実施例の条件等を参照して適宜設定することができる。例えば、ガラクトース供与体1モルに対して、水酸基含有化合物が、例えば2〜500モル、好ましくは5〜400モル、より好ましくは10〜300モルである。特に、水酸基含有化合物が糖(好ましくは単糖)である場合、ガラクトース供与体1モルに対して、糖が、例えば50〜300モル、好ましくは80〜250モル、より好ましくは120〜220モルである。
上記反応後、反応によって得られた製造対象のβ−ガラクトース連結化合物を含む溶液を、さらに精製工程に供してもよい。精製手段は、公知の方法(分液、蒸留、クロマトグラフィー、再結晶等)を採用できる。また過剰の糖受容体は反応終了後、回収、再利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1:細菌の単離
バシラス属細菌GS−MAIU株を土壌から単離し、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(NPMD)に、2016年4月15日付けで寄託した(受領番号:NITE AP−02240)。
実施例2:β-ガラクトシダーゼの精製
本精製において、各画分のβ−ガラクトシダーゼ活性の評価は次のように行った。50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)5μL、33.5 mM p-ニトロフェニル-β-ガラクトピラノシド水溶液(以下、「PNP-Gal」、又は「β-PNP-ガラクトース」と示すこともある)5μL、及び画分溶液 20μLを混合し、37℃で24時間反応させた。反応後、定法に従って、生成したPNPの量を吸光度測定により定量し、定量結果に基づいて、各画分の比活性(units/mg)を求めた。
実施例1で単離した細菌(バシラス属に属する細菌 GS−MAIU株)を、培地(組成:ペプトン 5 g、酵母エキス 1.25 g、ラクトース 1 g、蒸留水 500 mL)中、37℃で3日間、振とう培養した。培養液を遠心(5000 g、10分間)して、上清1を回収した。上清1に硫酸アンモニウムを終濃度20%になるように添加して、4℃で30分間放置後、遠心(4℃、22260 g、30分間)してペレット2及び上清2を得た。ペレット2を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)に溶解して、20%硫安画分とした。上清2に硫酸アンモニウムを終濃度40%になるように添加して、4℃で4時間放置後、遠心(4℃、22260 g、30分間)してペレット3及び上清3を得た。ペレット3を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)に溶解して、40%硫安画分とした。上清3に硫酸アンモニウムを終濃度60%になるように添加して、4℃で一晩放置後、遠心(4℃、22260 g、30分間)してペレット4を得た。ペレット4を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)に溶解して、60%硫安画分とした。各硫安画分のβ−ガラクトシダーゼ活性を評価したところ、60%硫安画分において活性が認められた。
60%硫安画分を、20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)で平衡化したHiTrap DEAE FF(GE Healthcare 社製)カラムにアプライし、カラム20ベッドボリュームの溶出液でリニアグラジエント溶出(NaCl 0 M→1 M/20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0))した。各溶出画分のβ−ガラクトシダーゼ活性を評価した。活性を有する溶出画分を集め、Microsep Advance Centrifugal Device 10 KMWCO(Pall社製)を用いて濃縮した(精製画分1)。
精製画分1を、0.15M NaClを含む20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)で平衡化したHiLoad 16/600 Superdex 200pg(GE Healthcare社製)カラムにアプライし、カラム20ベッドボリュームの溶出液(0.15M NaClを含む20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0))で溶出した。各溶出画分のβ−ガラクトシダーゼ活性を評価した。活性を有する溶出画分を集め、Microsep Advance Centrifugal Device 10 KMWCO(Pall社製)を用いてに濃縮した(精製画分2)。
上記精製過程における各画分の比活性、及び精製度(上清1の比活性を1とした場合の値)を、表1に示す。以下の実施例では、精製画分2を、「β−ガラクトシダーゼ液」として用いた。なお、このβ−ガラクトシダーゼ液のユニット数は0.033 U /mLであった。
実施例3:β−ガラクトシダーゼの分子量の測定
β-ガラクトシダーゼ液を、分離ゲル濃度が12%のMini-PROTEAN TGX(BIO-RAD社製)を用いて、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)した。泳動後のゲルをクマシーブリリアントブルー(CBB)染色した。
CBB染色後のゲルの写真を図1に示す。図1に示されるように、β−ガラクトシダーゼの分子量は、約38〜40kDaであった。
実施例4:β−ガラクトシダーゼの至適pHの測定
各pHの50 mM緩衝液30μL、33.5 mM p-ニトロフェニル-β-ガラクトピラノシド30μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液10μLを混合し、37℃で26時間反応させた。反応後、定法に従って、生成したPNPの量を吸光度測定により定量し、定量結果に基づいて最大活性を100とする相対活性を求めた。なお、使用した緩衝液は、グリシン-HClバッファー(pH 3.0〜3.5)、酢酸ナトリウムバッファー(pH 4.0〜4.5)、リン酸ナトリウムバッファー(pH 5.0〜6.8)、クエン酸ナトリウムバッファー(pH 3.0〜6.0)、Tris-HClバッファー(pH 7.4〜8.6)、グリシン-NaOHバッファー(pH 8.6〜10.0)である。
結果を図2に示す。図2より、β-ガラクトシダーゼの至適pHはpH 5〜10の間にあることが示唆された。
実施例5:β−ガラクトシダーゼの至適温度の測定
50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)30μL、33.5 mM p-ニトロフェニル-β-ガラクトピラノシド30μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液10μLを混合し、20〜60℃の範囲で4時間反応させた。反応後、定法に従って、生成したPNPの量を吸光度測定により定量し、定量結果に基づいて最大活性を100とする相対活性を求めた。
結果を図3に示す。図3より、β−ガラクトシダーゼの至適温度は45〜55℃の間にあることが示唆された。
実施例6:β−ガラクトシダーゼの基質特異性の評価
50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)30μL、33.5 mM p-ニトロフェニル-β-ガラクトピラノシド30μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液10μLを混合し、37℃で20時間反応させた。反応後、定法に従って、生成したPNPの量を吸光度測定により定量し、定量結果に基づいて最大活性を100とする相対活性を求めた。
結果を表2に示す。表2に示されるように、β−ガラクトシダーゼは、置換基を有していてもよいフェノールにガラクトースがβ結合した化合物や、多糖のGalβ(1→3)結合を特異的に対して、特異的な切断活性を有することが示唆された。
実施例7:β−ガラクトシダーゼの阻害因子の評価
各種金属イオンを含む50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)20μL、33.5 mM p-ニトロフェニル-β-ガラクトピラノシド20μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液10μLを混合し、37℃で7時間反応させた。なお、反応液中の金属イオン濃度は8 mMとした。反応後、定法に従って、生成したPNPの量を吸光度測定により定量し、定量結果に基づいて最大活性を100とする相対活性を求めた。
結果を表3に示す。表3より、β−グルコシダーゼ活性は、各種金属イオン、特に銅イオン、鉄イオン、銀イオン等によって、阻害されることが示唆された。
実施例8:β-アリルガラクトースの合成
β-PNP-ガラクトース(50 mg, 0.166 mmol)を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0) 4.95 mLに溶解した。続いて、β-ガラクトシダーゼ液1 mL、及びアリルアルコール(1 mL)を加え、 37℃にて 24時間インキュベートした。反応終了後、減圧濃縮をして得られたシラップをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Fuji Silysia 300 mesh, L = 17 cm)に供し、溶出液(CHCl3:MeOH= 5 : 1 )にてβ-アリルガラクトース( 32.9 mg, 0.149 mmol, 90%)を得た。
1H-NMR (D2O) δ5.94-5.83 (m), 5.28 (d), 5.17 (d), 4.48(d, 1H, J=7.6Hz), 3.86-3.61 (m).
実施例9:β-プロパルギルガラクトースの合成
β-PNP-ガラクトース(50 mg, 0.166 mmol)を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0) 4.95 mLに溶解した。続いて、β-ガラクトシダーゼ液 1 mL、及びプロパルギルアルコール(1 mL)を加え、 37℃にて 24時間インキュベートした。反応終了後、減圧濃縮をして得られたシラップをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Fuji Silysia 300 mesh, L = 17 cm)に供し、溶出液(CHCl3:MeOH= 5 : 1 )にてβ-プロパルギルガラクトース( 16.3 mg, 0.075 mmol, 45%)を得た。
1H-NMR (D2O) δ4.47 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 4.41 (t, 1 H), 3.68~3.54 (m), 3.42 (t, 1H), 2.8 (t, 1H).
実施例10:β-2HEMAガラクトースの合成
β-PNP-ガラクトース(50 mg, 0.166 mmol)を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0) 4.95 mLに溶解した。続いて、β−ガラクトシダーゼ液 1 mL、及びメタクリル酸2ヒドロキシエチル(2HEMA)(1 mL)を加え、 37℃にて 24時間インキュベートした。反応終了後、減圧濃縮をして得られたシラップをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Fuji Silysia 300 mesh, L = 17 cm)に供し、溶出液(CHCl3:MeOH= 20 : 1 )にてβ-2HEMAガラクトース( 24.2 mg, 0.083 mmol, 50%)を得た。
1H-NMR (D2O) δ6.04 (s, 1 H), 5.62 (s, 1 H), 4.42 (d, 1 H, J = 7.6 Hz), 4.31-4.27 (m), 3.93-3.87 (m), 3.75-3.28 (m), 1.82 (s).
実施例11:β-オクチルガラクトースの合成
β-PNP-ガラクトース(50 mg, 0.166 mmol)を50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0) 4.95 mLに溶解した。続いて、β-ガラクトシダーゼ液 1 mL、及び1-オクタノールDMSO溶液(1-オクタノール/DMSO=1/1) 1 mLを加え、 37℃にて 24時間インキュベートした。反応終了後、減圧濃縮をして得られたシラップを逆相カラム(Wakogel 100 C18, L = 15 cm)に供し、溶出液(H2O:MeOH= 2 : 8 )にてβオクチルガラクトース( 5.82 mg, 0.020 mmol, 12%)を得た。
1H-NMR (CD3OD) δ4.2 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 3.86-3.68 (m), 1.58 (m), 1.27 (m), 0.86 (t).
実施例12:ラクト-N-ビオース(LNB)の合成
β-PNP-ガラクトース(5 mg, 16.6μmol)を蒸留水 495μLに溶解した。続いて、β−ガラクトシダーゼ液 100μL、及びN-アセチルグルコサミン飽和溶液(50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)) 2.5 mL(N-アセチルグルコサミン:625 mg、2.83 mmol)を加え、 37℃にて 24時間インキュベートした。反応終了後、100℃にて3分間加熱し酵素を失活し反応を停止した。その反応液を脱塩、フィルターし不溶成分を除去した後、GLサイエンス社製(HPLCシステムPLC761)、Inertsil Amide 5 μm (14 x 250 mm) カラムに供し(カラム温度:40℃、溶離液:アセトニトリル/水=7/3、流速:9.5 mL / min)、検出はUV-215nmにてラクト-N-ビオース(Galβ(1→3) GlcNAc)( 6.17 mg, 16.1μmol, 97%)を得た。
1H-NMR (D2O) 5.04 (d, 1 H, J = 3.2 Hz), 4.33 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 3.94 (dd, 1H), 3.81-3.55 (m), 3.52-3.36 (m), 1.89 (s, 3 H).
実施例13:N-アセチルラクトサミンの合成
β-PNP-ガラクトース(5 mg, 16.6μmol)を蒸留水 495μLに溶解した。続いて、β−ガラクトシダーゼ液 100μL、及びN-アセチルグルコサミン飽和溶液(50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)) 2.5 mL(N-アセチルグルコサミン:625 mg、2.83 mmol)を加え、 37℃にて 48 h インキュベートした。反応終了後、100℃にて3分間加熱し酵素を失活し反応を停止した。その反応液を脱塩、フィルターし不溶成分を除去した後、GLサイエンス社製(HPLCシステムPLC761)、Inertsil Amide 5 μm (14 x 250 mm) カラムに供し(カラム温度:40℃、溶離液:アセトニトリル/水=7/3、流速:9.5 mL / min)、検出はUV-215nmにてN-アセチルラクトサミン(Galβ(1→4) GlcNAc)( 0.83 mg, 2.16μmol, 13%)を得た。
1H-NMR (D2O) δ5.09 (s), 4.37 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 3.87 -3.54 (m), 3.81-3.64 (m),3.46-3.41 (m), 1.93 (s, 3H).
実施例14:Galβ(1→3) GalNAcの合成
β-PNP-ガラクトース(5 mg, 16.6μmol)を蒸留水 495μLに溶解した。続いて、β−ガラクトシダーゼ液 100μL、及びN-アセチルガラクトサミン溶液(50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)) 2.5 mL(N-アセチルガラクトサミン:200 mg、0.91 mmol)を加え、 37℃にて 48 h インキュベートした。反応終了後、100℃にて3分間加熱し酵素を失活し反応を停止した。その反応液を脱塩、フィルターし不溶成分を除去した後、GLサイエンス社製(HPLCシステムPLC761)、Inertsil Amide 5 μm (14 x 250 mm) カラムに供し(カラム温度:40℃、溶離液:アセトニトリル/水=7/3、流速:9.5 mL / min)、検出はUV-215nmにてGalβ(1→3) GalNAc( 4.93 mg, 12.7μmol, 77.5%)を得た。
1H-NMR (D2O) δ5.11 (s), 4.36 (d, 1 H, J = 6.4 Hz), 4.28 (m), 3.95-3.90 (m), 3.68-3.61 (m), 3.56-3.50 (m), 3.41 (t, 1H), 1.92 (s, 3H).
実施例15:ラクト−N−ビオースの選択的合成
33.5 mMの各種基質(表4)30μLに、アクセプターとしてN−アセチルグルコサミン飽和溶液(50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)) 30μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液10μLを混合し、37℃で20時間反応させた。反応後、100℃にて3分間加熱し酵素を失活し反応を停止した。その反応液を脱塩、フィルターし不溶成分を除去した後、HPLCにより生成物を分析することにより、ラクト−N−ビオースと、副生成物であるN−アセチルアロラクトサミン(Galβ(1→6) GlcNAc)との生成比率を算出した。
結果を表4に示す。
表4より、基質として、パラ位(4位)に置換基を有するフェノールにガラクトースがβ結合した化合物を用いることにより、副生成物の生成を抑制できることが示唆された。
実施例16:反応時間と生成物の関係の解析
33.5mMのβ−PNP−ガラクトース40μLに、N−アセチルグルコサミン飽和溶液(50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)) 200μL、及びβ−ガラクトシダーゼ液40μLを混合し、37℃でインキュベートした。インキュベート開始から1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間経過後にそれぞれ40μLずつ分取し、100℃にて3分間加熱し酵素を失活し反応を停止した。その反応液を脱塩、フィルターし不溶成分を除去した後、HPLCにより生成物を分析することにより、ラクト−N−ビオースと、副生成物であるN−アセチルアロラクトサミン(Galβ(1→6) GlcNAc)の生成量を測定した。
結果を図4に示す。図4に示されるように、ラクト−N−ビオースが最初は優位に生成されるが、時間がたつとラクト−N−ビオースも酵素の基質となるので分解が生じ、最終的には副生成物であるN−アセチルアロラクトサミンの生成量まで落ちていた。
実施例17:β−ガラクトシダーゼのN末端のアミノ酸配列の解析
β-ガラクトシダーゼ液を実施例3と同様にSDS-PAGEした。β−ガラクトシダーゼのバンド(約38〜40kDa)のタンパク質のN末端アミノ酸配列について、エドマン分解法により決定した。その結果、N末端のアミノ酸配列(一文字表記)は、N末端側からMKLEVFMVLF(配列番号1)であった。

Claims (6)

  1. 下記(a)〜(f)の特性を有するβ−ガラクトシダーゼ:
    (a)バシラス属に属する細菌により産生される。
    (b)Galβ(1→3)結合の切断活性が、Galβ(1→4)結合の切断活性及びGalβ(1→6)結合の切断活性の10倍以上である。
    (c)SDS−PAGEで測定される分子量が35〜43kDaである。
    (d)至適pHがpH5〜10である。
    (e)至適温度が40〜60℃である。
    (f)N末端のアミノ酸配列が配列番号1で示されるアミノ酸配列である。
  2. 前記バシラス属に属する細菌が、GS−MAIU株(特許生物寄託センター受領番号:NITE −02240)である、請求項1に記載のβ−ガラクトシダーゼ。
  3. 請求項1又は2に記載のβ−ガラクトシダーゼの産生能を有且つGS−MAIU株(特許生物寄託センター受領番号:NITE P−02240)である、バシラス属に属する細菌。
  4. ガラクトース供与体及び水酸基含有化合物とを、請求項1又は2に記載のβ−ガラクトシダーゼの存在下で反応させる工程を含む、β−ガラクトース連結化合物の製造方法。
  5. 前記ガラクトース供与体が一般式(1):
    [一般式(1)中:Rは置換されていてもよいフェニル基を示す。]
    で表される化合物である、請求項に記載の製造方法。
  6. 前記水酸基含有化合物が一般式(2):
    [一般式(2)中:Rはエチニル基、ビニル基、−O−C(=O)−C(−CH)=CH、−O−C(=O)−CH=CH、アジド基、エポキシ基、アルデヒド基、又はオキシルアミノ基を示す。mは0又は1を示す。Rは2価の炭化水素基を示す。pは0又は1を示す。]
    で表される化合物、N−アセチルグルコサミン、又はN−アセチルガラクトサミンである、請求項又はに記載の製造方法。
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