JP4086496B2 - 光導波路および光導波路の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路および光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光技術を利用した光通信や光情報処理、あるいは電子機器、光学機器等の分野が急速に進展しつつあり、各種光デバイスを接続するための光導波路の開発が大きな課題となっている。各種光デバイス間は光ファイバ等の光導波路部品を介して接続されるが、その接続には極めて高い位置精度が要求される。従来このような接続作業は手作業もしくは高精度な調芯設備により行われているため、接続コストが上昇する一因となるという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、自己形成光導波路の技術が開発されている。これは、感光性樹脂等を含む感光性組成物に、光ファイバ等の接続端部を浸漬し、この光配線等を介して感光性組成物に光を照射することにより感光性組成物を徐々に硬化させて、接続端部の先端に光導波路のコア部を形成するものである。これにより、特に高価な調芯設備等を用いなくても、光ファイバと完全に結合した光導波路を製造することができ、これにより接続コスト上昇の一因となる問題を解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、従来技術のような光接続を達成する際、光ファイバ等を介して各種光デバイス間を接続する方法としては、例えば、コネクタを用いる方法や、光ファイバ等を各種光デバイスに融着させる方法や、光ファイバ等と各種光デバイスとを光学接着剤により接着させる方法等が用いられていた。ところが、これらの方法はいずれも、光ファイバ等と各種光デバイスとを押し付けて固定することにより接続する方法であるため、接続時に、光ファイバや各種光デバイスの端面が傷付いたり、接続部分が変形したりしてしまい、光ファイバと各種光デバイスとの接続部分で伝送光の乱反射等に起因した接続損失が発生するおそれがあった。
【0005】
さらに、光ファイバ等と各種光デバイスとを光学接着剤により接着させる方法等を用いる場合、低損失接続を達成するには、接続端部を平坦にしたり、球面にしたりする等の高精度な端面処理を施す必要があるため、工程が煩雑化したり、コストが嵩んだりするといった問題は避けることができないとされていた。
【0006】
また、上述した自己形成光導波路の技術を用いた場合、感光性組成物が液体であるため、光導波路を製造する際にコア部が流動してしまい、コア部の形状が不安定になる場合があった。そのようにコア部の形状が不安定な光導波路では、各種光デバイス間の低接続損失を達成することが困難であるという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、異なる光配線同士を接続するコア部とクラッド部とからなる光導波路を製造した後、少なくともコア部の両端を引っ張ることにより、コア部が流動することがなく、その形状が安定化することを見出した。
また、光配線または光学部品と接続されたコア部とクラッド部とからなる光導波路であって、少なくともコア部の両端が引っ張られている光導波路によれば、コア部の形状が安定化しており、さらに、光導波路の端面や、該光導波路の両端に接続された光配線等の端面に傷や変形等が発生せず、異なる光配線等同士の低接続損失を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の光導波路は、コア部とクラッド部とからなり、その両端のそれぞれが光配線または光学部品と接続された光導波路であって、上記コア部のみ、その両端が引っ張られていることを特徴とする。
本発明の光導波路においては、上記コア部は、感光性組成物からなり、上記コア部は引っ張られた状態が維持されるようにその周囲にクラッド部が形成されていることが望ましい。また、上記クラッド部は、樹脂組成物からなることが望ましい。
【0009】
また、本発明の光導波路の製造方法は、異なる光配線のそれぞれの一端が略向き合い、かつ、少なくとも向き合った一端がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、上記光配線を配置した後、上記光配線の少なくとも一方から他方の光配線に光を照射することにより、上記光配線同士を接続するコア部を形成し、さらに、上記コア部の両端を引っ張ることを特徴とする。
本発明の光導波路の製造方法においては、上記コア部を引っ張った後、または、上記コア部を引っ張っている際、上記コア部の周囲に安定なクラッド部を形成することが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の光導波路は、コア部とクラッド部とからなり、その両端のそれぞれが光配線または光学部品と接続された光導波路であって、上記コア部のみ、その両端が引っ張られていることを特徴とする。
【0011】
本発明のコア部とクラッド部とからなる光導波路では、コア部の両端が引っ張られているため、該コア部の形状が安定化しており、光導波路内における光損失を低減させることができる。
また、互いに押し付ける力が加わることがないため、該光導波路の端面や、該光導波路の両端に接続された光配線等の端面に傷や変形等が発生せず、伝送光の乱反射や、外部への放射等に起因した接続損失が発生しにくい。
従って、本発明の光導波路によれば、異なる光配線等同士の低接続損失を達成することができる。
【0012】
「その両端が引っ張られている」とは、光導波路における伝送光の進行方向と略同じ方向または略逆の方向(以下、この2方向を合わせて、伝送光の進行方向と略平行な方向という)、少なくともコア部の両端が引っ張られることにより、少なくとも上記コア部に引張応力が生じている状態をいう。上記引張応力は、例えば、その両端に接続された光配線等が引っ張られること等に起因して、少なくともコア部に生じる力である。
従って、重力等により、伝送光の進行方向と略平行な方向にコア部が引っ張られていることも、本発明における「その両端が引っ張られている」ことに該当する。一方、重力等により、伝送光の進行方向と略平行な方向以外の方向、例えば、伝送光の進行方向と略垂直な方向にコア部の両端が引っ張られていることは、本発明における「その両端が引っ張られている」ことには該当しない。
また、本発明の光導波路には、少なくともコア部の一端が固定され、他端のみが引っ張られているものも含むこととする。このように他端のみが引っ張られている場合も、コア部に生じている引張応力は、その両端が引っ張られているコア部と同様の状態にあり、異なる光配線等同士の低接続損失を達成することができるからである。
【0013】
本明細書において、上記光学部品としては、例えば、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェフォトダイオード)等の受光素子や、LD(半導体レーザ)、DFB−LD(分布帰還型−半導体レーザ)、LED(発光ダイオード)等の発光素子等が挙げられる。
【0014】
また、「光配線」とは、光ファイバ等の光導波路部品で、紫外線、可視光線、赤外線等の光を通し、それにより情報を伝達するためのものであるが、その材質は特に限定されず、例えば、無機材料よりなるものであっても、高分子材料(プラスチック)よりなるものであってもよい。
上記光配線に用いられる材料は、紫外線、可視光線、赤外線等の光を通す材料であれば、上述したように特に限定されず、無機材料としては、例えば、石英ガラスを主成分とするもの、ソーダ石灰ガラス、ホウ硅ガラス等を主成分とする多成分ガラス等が挙げられ、高分子材料(プラスチック)としては、例えば、シリコーン樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル樹脂等が挙げられる。さらに、高分子材料(プラスチック)として、場合によっては、下記する光導波路として用いられる材料も用いることができる。
【0015】
次に、本発明の光導波路の構成について説明する。
本発明の光導波路の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、その材質等を考慮して設定されることが望ましい。具体的には、通常、50〜5000μm程度であり、100〜3000μm程度であることが望ましい。
上述した範囲内であれば、コア部の両端が引っ張られることにより形状が安定化するという本発明の効果を充分に得ることができるからである。
【0016】
上記光導波路の長さが、50μm未満であると、光導波路が短すぎて、その形状が不安定になるおそれが殆どないため、コア部の両端が引っ張られることにより形状が安定化するという本発明の効果を充分に得ることができないおそれがある。一方、5000μmを超えると、光導波路が長すぎて、コア部の両端が引っ張られていても、その形状が安定化しにくくなるため、コア部の両端が引っ張られることにより形状が安定化するという本発明の効果を充分に得ることが困難になるおそれがある。
【0017】
本発明の光導波路において、コア部の断面視形状は、特に限定されるものではなく、例えば、略真円の形状等を挙げることができる。なお、ここでいう断面視形状とは、上記コア部における伝送光の進行方向に垂直な該コア部の切断面の形状をいう。
【0018】
本発明の光導波路において、コア部の断面の大きさは、特に限定されるものではないが、上記光導波路の端部が光配線と接続されている場合、上記端部におけるコア部の断面の大きさは、上記光配線のコアの断面の大きさと略同じであることが望ましい。より確実に低接続損失を達成することができるからである。
【0019】
また、上記光導波路の端部が光学部品と接続されている場合、接続された光学部品が発光素子であれば、上記端部におけるコア部の断面の大きさは、上記発光素子の発光面(発光部)の大きさと略同じであるか、または、上記発光面(発光部)の大きさより大きいことが望ましい。より確実に低接続損失を達成することができるからである。
【0020】
一方、接続された光学部品が受光素子であれば、上記端部におけるコア部の断面の大きさは、上記受光素子の受光面(受光部)の大きさと略同じであるか、または、上記受光面(受光部)の大きさより小さいことが望ましい。より確実に低接続損失を達成することができるからである。
【0021】
なお、上記コア部の断面の大きさは、必ずしも一定である必要はない。従って、上記コア部の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、部分的に太くなっている形状であってもよく、一端から他端に向けて徐々に太くなる形状であってもよい。
【0022】
ただし、本発明のコア部の形状は、その一端に接続された光配線または光学部品より入射する伝送光の進行方向と、光導波路における伝送光の進行方向と、他端に接続された光配線または光学部品へ出射する伝送光の進行方向とが同じになる形状であることが望ましく、具体的には、円柱形状のコアを有する光配線同士を接続する光導波路であれば、そのコア部の形状は円柱形状であることが望ましい。光導波路内における光損失を低減させることができるからである。
【0023】
次に、本発明の光導波路の材質等について説明する。
本発明の光導波路の材質は特に限定されないが、有機材料からなるものが望ましく、特にコア部は有機材料からなるものが望ましい。上記コア部が有機材料からなる場合、その両端が引っ張られることにより、その形状が安定化しやすく、本発明の効果を充分に得ることができるからである。
【0024】
上記有機材料の具体例としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA、フッ素化PMMA等の樹脂成分に、必要に応じて、単量体、光重合開始剤、増感剤、溶剤等が配合された感光性を有する樹脂組成物;エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシクロブテンからなる樹脂等の樹脂成分に、必要に応じて、各種添加剤が配合された樹脂組成物等が挙げられる。
なお、本明細書においては、以下、樹脂組成物のうち、特に感光性を有する樹脂組成物を特に感光性組成物ともいうこととする。
【0025】
上記樹脂組成物としては、感光性組成物が望ましく、特に、上記コア部の材質は感光性組成物が望ましい。このような感光性組成物を用いることが、本発明の光導波路を製造するのに適しており、特にコア部を形成するのに適しているからである。
なお、このような感光性組成物を用いた本発明の光導波路の製造方法については後述する。
また、上記エポキシ樹脂やポリオレフィン系樹脂等に感光性を付与し、これらの樹脂に、必要に応じて、単量体、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを感光性組成物として用いてもよい。
なお、上記エポキシ樹脂やポリオレフィン系樹脂等に感光性を付与する方法としては、これらの樹脂の末端や側鎖にアリル基やアクリロイル基を付与する方法等が挙げられる。
【0026】
また、アリル基やアクリロイル基を分子の末端または側鎖にもつポリエン化合物と、ポリチオール化合物と、光重合開始剤と、必要に応じて、各種添加剤や溶剤等を含むものも感光性組成物として用いることができる。
【0027】
また、上記感光性組成物としては、光を照射することにより硬化反応が進行するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂と、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等の光を照射することによりルイス酸を発生する光開始剤とを含むものも用いることができる。
さらに、ベンゾインアルキルエーテル、アセトフェノン誘導体類、ベンゾフェノンやその誘導体等の光を照射することによりラジカルを生成する光開始剤と、ラジカル重合機構により重合が進行する樹脂成分とを含むものや、塩素化アセトフェノンやその誘導体等の光を照射することにより強酸が遊離する光開始剤と、酸により重合が進行する樹脂成分とを含むものも感光性組成物として用いることができる。
【0028】
なお、本明細書において、感光性組成物は、光の照射により化学反応を起す高分子のみならず、光の照射により、光重合反応が進行する単量体、例えば、(メタ)アクリル酸メチル等も含むものとし、さらには、2種類以上の樹脂成分および/または単量体が、光の照射により化学反応を起し、樹脂複合体を形成するものも含むものとする。
【0029】
また、上記コア部には、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよい。
このような粒子を含む光導波路は、光学部品や光配線に直接取り付けた際に、この光学部品との間で熱膨張係数の整合をはかることができる。
【0030】
上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等からなるものが挙げられる。
【0031】
具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感光性樹脂等からなるものが挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記アクリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもできる。
また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。
【0032】
また、上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等からなるものが挙げられる。
また、上記無機粒子として、リンやリン化合物からなるものを用いることもできる。
【0033】
上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが挙げられる。
これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0034】
また、上記粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光導波路にクラック等が発生しにくいからである。
【0035】
また、上記粒子の粒径は、通信波長より短いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の伝送を阻害することがあるからである。
なお、本明細書において、粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さをいう。
【0036】
上記コア部に粒子が含まれる場合、その配合量は、硬化後の配合量で10〜80重量%であることが望ましく、20〜70重量%であることがより望ましい。粒子の配合量が10重量%未満であると、粒子を配合させる効果があまり得られないことがあり、一方、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信号の伝送が阻害されることがあるからである。
【0037】
本発明の光導波路において、クラッド部は、コア部内を導波する光を該コア部内に閉じ込める手段として機能するものであれば、特に限定されるものではない。上記クラッド部は、例えば、樹脂組成物から形成されていてもよく、また、コア部の周囲に空気等の気体が存在する場合には、該気体がクラッド部として機能することになる。
ただし、本発明の光導波路において、上記クラッド部は、上記樹脂組成物からなることが望ましい。
上述したように、上記コア部の周囲が空気であっても、通常、上記した材質からなるコア部は、その光屈折率が、空気よりも大きいため光導波路としての役割を果たすことができるが、上記コア部の周囲にクラッド部を形成することにより、より確実に光信号を伝送することができるからである。
なお、本明細書において、樹脂組成物とは、樹脂成分に、必要に応じて各種添加剤配合されたものをいい、勿論、上記感光性組成物も樹脂組成物に含むこととする。
【0038】
また、上記コア部の材料が感光性組成物であって、該感光性組成物が硬化後に、光屈折率が硬化前よりも大きくなるものである場合には、上記感光性組成物の一部を硬化させて、コア部を形成した際に、該コア部の周囲に残る未硬化の感光性組成物がクラッド部としての役割を果たすことができるものの、この場合、クラッドは流動性を有しており、光導波路の信頼性という点であまり望ましくない。従って、クラッド部は硬化することにより安定化しているほうが望ましい。
【0039】
上記クラッド部の材質としては、その光屈折率が、上記コア部の光屈折率よりも小さいものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、上記コア部の材質と同様のもの等が挙げられる。
また、上記クラッド部の形状としては特に限定されるものではなく、上記クラッド部の外観としては、例えば、円柱状や角柱状等を挙げることができる。
また、上記クラッド部にも上記した粒子が含まれていてもよい。
【0040】
本発明の光導波路において、少なくともコア部の両端が引っ張られている力の大きさは、上述した光導波路の太さ、長さ、材質等に応じて、上記光導波路が破断したり、該光導波路とその両端に接続された光配線等とが外れたりしてしまうおそれのない範囲内で設定されることが望ましい。また、少なくともコア部の両端が引っ張られている力の大きさは、常に一定である必要はない。
【0041】
また、本発明の光導波路は、少なくともコア部の両端が引っ張られている状態を維持するための手段を備え、該手段は上記光導波路と一体的に構成されていることが望ましい。その両端が引っ張られた状態で、容易に光導波路を移動させることができるからである。
【0042】
ただし、本発明の光導波路は、必ずしも、上述したような手段を備えていなくてもよい。光導波路に接続された光配線等が、例えば、光学微動台(例えば、Xステージ等)等の装置に設置され、該装置により光配線が引っ張られることにより、コア部の両端が引っ張られている場合、上記光導波路は、上述したような手段を備えていないが、コア部の両端が引っ張られているので、本発明の光導波路である。なお、この場合、光配線は光学微動台に直接載置されていてもよいし、光ファイバ固定台等の光配線を固定する部材を介して載置されていてもよい。
【0043】
次に、本発明の光導波路について、図面を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は、それぞれ本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図である。
なお、図1において、白抜きの矢印は、引っ張る力がかかっている方向を示している。
【0044】
(a)に示す光導波路100は、コア部104と、空気のクラッド部(図示せず)とからなり、その一端が光配線102のコア103と接続され、残りの一端が光配線112のコア113と接続されている。光配線102、112は、それぞれが異なる光学微動台等の装置(図示せず)に載置され、該装置によって引っ張られており、該装置によって光配線102、112がそれぞれ矢印に示す方向に引っ張られているため、光導波路100のコア部104は、その両端が引っ張られている。
【0045】
(b)に示す光導波路110は、(a)に示す光導波路100のコア部104の周囲に樹脂組成物からなるクラッド部105が形成された光導波路である。
また、光配線102、112は、上記光学微動台等の装置により引っ張られている力が取り除かれているが、光導波路110のコア部104は、その両端が引っ張られている状態を維持している。従って、クラッド部105は、その両端が引っ張られている状態を維持するための手段としても機能していることになる。
【0046】
(c)に示す光導波路120は、(a)に示す光導波路100の両端に接続された光配線102、112を一体的に覆う被覆層106が形成された光導波路である。
また、光配線102、112は、上記光学微動台等の装置により引っ張られている力が取り除かれているが、光導波路120のコア部104は、その両端が引っ張られている状態を維持している。従って、被覆層106は、その両端が引っ張られている状態を維持するための手段として機能していることになる。
【0047】
また、本発明の光導波路は、コア部の両端が引っ張られる力を調節することができるようにすることにより、On/Offスイッチとして機能させることができる。すなわち、コア部の両端が引っ張られる力を強めて該コア部の形状を安定化させ、伝送光の光損失を低減させることにより、伝送光の通過を可能にして、スイッチを「On」とし、また、上記コア部の両端が引っ張られる力を弱めて該コア部の形状を不安定化させ、伝送光の光損失を増大させることにより、伝送光の通過を困難にし、スイッチを「Off」とすることができるのである。
【0048】
さらに、本発明の光導波路は、コア部の両端が引っ張られる力を精度よく調節することができるようにすることにより、光アッテネータ(光減衰器)として機能させることもできる。
すなわち、コア部の両端が引っ張られる力を調節し該コア部の形状を変化させ、伝送光の光損失を調節することにより、上記光導波路を通過する伝送光の強度を調整することもできるのである。
このような本発明の光導波路は、例えば、後述する本発明の光導波路の製造方法により製造することができる。
【0049】
次に、本発明の光導波路の製造方法について説明する。
本発明の光導波路の製造方法は、異なる光配線のそれぞれの一端が略向き合い、かつ、少なくとも向き合った一端がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、上記光配線を配置した後、上記光配線の少なくとも一方から他方の光配線に光を照射することにより、上記光配線同士を接続するコア部を形成し、さらに、上記コア部の両端を引っ張ることを特徴とする。
【0050】
本発明の光導波路の製造方法では、コア部を、その両端のそれぞれが光配線と接続された状態で形成することができ、さらに、上記コア部の両端を引っ張るため、従来技術のように、光配線同士を接続する際に押し付けて固定する必要がなく、また、コア部と光配線とが押し付けられることもない。その結果、接続時に、光配線等の端面に傷や変形等を発生させることなく光導波路を製造することができる。また、コア部の両端を引っ張るため、コア部が流動することがなく、その形状が安定化した光導波路を得ることができる。
従って、本発明の光導波路の製造方法により得られた光導波路によれば、該光導波路に接続された光配線間の低接続損失を達成することができる。
【0051】
なお、本発明の光導波路の製造方法では、異なる光配線のそれぞれの一端が略向き合い、かつ、少なくとも向き合った一端がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、上記光配線を配置するのであるが、光配線に代えて、光学部品を用いることも可能である。
従って、発光素子の発光面(発光部)と、受光素子の受光面(受光部)とが略向き合い、かつ、少なくとも向き合った発光面および受光面がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、上記発光素子および受光素子を配置してもよい。また、光配線と光学部品とを向き合うように配置し、これらを接続する光導波路を製造してもよい。
【0052】
また、「異なる光配線のそれぞれの一端が略向き合い」とは、必ずしも、異なる光配線の光軸が合致するように配置されていなくてもよく、光配線の少なくとも一方から他方の光配線に光を照射することにより、上記光配線同士を接続するコア部を形成することができる範囲内であれば、異なる光配線の光軸がズレていてもよいことを意味する。
ここでは、まず、異なる光配線の光軸が合致するように上記光配線を配置する場合について説明することとし、異なる光配線の光軸がズレている場合については、後述することとする。
【0053】
以下、本発明の光導波路の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜(d)は、本発明の光導波路の製造方法の一例を説明するための模式図である。
【0054】
本発明の光導波路の製造方法では、まず、異なる光配線のそれぞれの一端が向き合い、かつ、少なくとも向き合った一端がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、上記光配線を配置する。
【0055】
具体的には、まず、光ファイバ12、12′を、それぞれの一端が向き合うように配置し、この光ファイバ12、12′の端部間を包囲するように感光性組成物11を塗布する等により、光ファイバ12、12′の端部をともに、感光性組成物11中に浸漬する(図2(a)参照)。
【0056】
次に、感光性組成物11を硬化させるための光を、一方の光ファイバ12から、向き合うように配置された光ファイバ12′に向けて照射する(図2(b)参照)。
このように、一方の光ファイバ12から他方の光ファイバ12′に向かって光を照射することにより、感光性組成物11が、光の経路に応じて、光ファイバ12側から序々に硬化し、光ファイバ12と光ファイバ12′とを接続する光導波路のコア部が形成されることとなる(図2(c)〜(d)参照)。
なお、本明細書においては、光を照射することにより成長させる硬化物には、半硬化物も含むこととする。従って、光を照射することにより感光性組成物を硬化させることには、感光性組成物を半硬化させることも含むものとする。
【0057】
上述した2本の光ファイバ間を接続する光導波路の製造方法では、1本の光ファイバのみを介して光を照射しているが、この方法に代えて、2本の光ファイバのそれぞれから他方の光ファイバに向かって光を照射してもよい。この場合、2本の光ファイバを介して同時に光を照射してもよいし、それぞれの光ファイバから交互に光を照射してもよい。
【0058】
また、本発明の製造方法において、感光性組成物を硬化させる際に照射する光としては特に限定されず、感光性組成物の組成を考慮して適宜選択すればよく、例えば、上記感光性組成物が紫外線領域にて感光性を有する組成物であれば、紫外線領域の波長の光を照射すればよい。また、紫外線領域の波長の光を照射する光源としては、例えば、高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、メタルハライドランプやキセノンランプ、レーザ等も使用することができる。
【0059】
このように、本発明の光導波路の製造方法では、照射した光の経路に応じて、光配線側から序々にコア部が形成されていくこととなる。
従って、本発明の製造方法で用いる感光性組成物は、硬化後に、その屈折率が硬化前よりも高くなるものであることが望ましい。硬化後に光屈折率が高くなることにより、光配線を介して照射した光が形成されたコア部に閉じ込められつつ、先端から集中的に照射されることとなり、光の経路に応じた光導波路をより確実に製造することができるからである。
【0060】
本発明の光導波路の製造方法では、光配線の一端部を感光性組成物に浸漬した状態でコア部の形成を行うため、この感光性組成物の硬化後の光屈折率は、上記光配線のコアの光屈折率の75〜125%であることが望ましい。
上記範囲の光屈折率を有するコア部を形成することができる感光性組成物を用いる場合には、上記光配線の端面に特に平坦化処理が施されていない場合や、上記光配線の端面のJIS B 0601に基づく面粗度が0.1μm以上であっても、該光配線との接続性に優れたコア部を形成することができるからである。
上記感光性組成物の硬化後の光屈折率は、上記光配線のコアの光屈折率の85〜115%であることがより望ましく、95〜105%であることが特に望ましい。
【0061】
上記光配線のコアの光屈折率は、その材料により異なるが、例えば、純粋石英ガラスの光屈折率は、nDが約1.46であるので、純粋石英ガラスを光配線に用いる場合には、感光性組成物の硬化後の光屈折率nDが、約1.24〜約1.82であるものを用いることが望ましい。なお、上記光屈折率nDは、Naの輝線589nmの光を通過させたときの屈折率を意味する。
また、光配線や光導波路に用いる樹脂等の光屈折率は、その波長に依存して変化するが、その比(光導波路のコア部の光屈折率/光配線のコアの光屈折率)は、例えば、紫外線領域〜近赤外線領域において殆ど変わらない。
【0062】
また、硬化前のコア部の光屈折率、すなわち、上記感光性組成物等自体の光屈折率もまた、上記光配線のコアの光屈折率の75〜125%であることが望ましい。より望ましくは85〜115%であり、特に望ましくは95〜105%である。
【0063】
このように本発明の製造方法では、硬化後に上記した範囲の光屈折率を有する感光性組成物を選択して使用することが望ましいが、上記した範囲外の光屈折率となる感光性組成物であっても、その光屈折率を調整して使用することができる。また、ここで、感光性組成物等の光屈折率を調整する場合、硬化前後のコア部の光屈折率が上記範囲になるように調整することが望ましい。
【0064】
一般に、高分子の光屈折率は、分子屈折と分子容との比(以下、(分子屈折)/(分子容)と示す)が大きければ大きくなるため、分子屈折および/または分子容を調整することにより、高分子の光屈折率を調整することができる。
【0065】
具体的には、分子屈折(高分子の折り返し単位を構成する個々の基の原子屈折の総和)を調整する場合には、例えば、塩素、イオウ等の分極率の大きな基を導入すると原子屈折が上がるため、分子屈折を大きくすることができる。
また、二重結合基や芳香族環基を導入し、分子の対称性を下げた場合にも分極率が大きくなり、原子屈折が上がるため、分子屈折を大きくすることができる。
【0066】
また、分子容(分子量/密度)を調整する場合には、例えば、密度を調整すればよく、この場合には、例えば、架橋点間分子量を小さくすることにより密度を大きくすることができる。
また、例えば、フッ素は分極率に比してその体積が大きいため、フッ素を含む基を導入することによっても密度を大きくすることができる。
【0067】
なお、本明細書において、「光配線のコアの光屈折率」とは、光配線のコアがステップインデックス光ファイバ(SI型光ファイバ)のコアのように単一の光屈折率を有するものである場合には、その光屈折率をいい、グレードインデックス光ファイバのようにある範囲の光屈折率を有するものである場合には、そのピーク光屈折率をいう。
【0068】
このような工程を経ることにより、本発明の光導波路の製造方法では、光の経路に応じて硬化したコア部と、未硬化のクラッド部とからなる光導波路を製造することができる。
しかしながら、未硬化のクラッド部は、通常液体であり、この状態では、コア部が流動しやすく、光導波路として非常に不安定である。
【0069】
従って、本発明の光導波路の製造方法では、上記コア部を形成した後、上記コア部の両端を引っ張り、その形状を安定化させる。
上記コア部の両端を引っ張る方法としては、例えば、異なる光配線をそれぞれ別の光学微動台等の装置に載置し、その状態で、異なる光配線を接続するコア部を形成した後、該装置により異なる光配線を引っ張る方法を挙げることができる。なお、光学微動台等の装置は、必ずしも、2台用いる必要はなく、1台用いることとしてもよい。その場合、一の光配線を該一の光配線を固定するための台に載置・固定し、他の光配線を光学微動台等の装置に載置して、該装置により該他の光配線を引っ張ればよい。また、上記コア部の両端を引っ張る方法として、該コア部を引っ張る力に重力を用いる方法を採ることも可能である。すなわち、異なる光配線を接続するコア部を形成した後、一の光配線を持ち上げ、該コア部を鉛直方向にぶら下げることにより、該コア部の両端を引っ張ることも可能である。なお、このように一の光配線を固定し、他の光配線のみを引っ張る場合や、一の光配線を持ち上げ、コア部を鉛直方向にぶら下げる場合にも、上記コア部は、その両端が引っ張られていることとなる。
【0070】
上記コア部を引っ張る力の大きさは、例えば、上述した光導波路の太さ、長さ、材質等を考慮して設定することが望ましいが、具体的には、該コア部の長さが5〜50%程度延びる力であることが望ましい。なお、この力は常に一定である必要はない。
【0071】
本発明の光導波路の製造方法では、上述した方法でコア部を引っ張った後、または、引っ張っている際、該コア部の周囲に安定なクラッド部を形成することが望ましい。
コア部の両端を引っ張った後、または、引っ張っている際、コア部の周囲に安定なクラッド部を形成することにより、コア部の両端が引っ張られた状態が維持された光導波路を製造することができるからである。
従って、得られた光導波路は、該光導波路の両端に接続された光配線を引っ張る力を取り除いた後でも、コア部の両端が引っ張られた状態を維持することができる。また、安定なクラッド部を形成することにより、より確実に光信号を伝送することができる光導波路となる。
なお、「引っ張っている際」とは、引っ張ることによりコア部の少なくとも一の端部に変位が生じている状態をいう。また、「引っ張った後」とは、引っ張る力を取り除いた状態をいうのではなく、コア部の両端を引っ張っている状態であり、かつ、コア部の端部に生じていた変位が停止した状態をいう。従って、「引っ張っている際」であっても、「引っ張った後」であっても、コア部には引張応力が生じていることになる。
【0072】
上記クラッド部を形成する場合には、例えば、上記コア部を形成した後、その周囲の未硬化の感光性組成物を除去し、続いて、上記コア部を別の樹脂組成物(感光性組成物であってもよいし、感光性組成物でなくてもよい)に浸漬した後、この樹脂組成物に硬化処理を施すことにより安定なクラッド部を形成することができる。
この方法は、未硬化の感光性組成物を除去する際等に、コア部の取り扱いを極めて慎重に行わなければならず、あまり実用的ではなかった。
しかしながら、本発明の光導波路の製造方法によれば、例えば、光配線同士を引っ張りながら、該光配線に接続されたコア部を未硬化の感光性組成物から持ち上げること等により、コア部を引っ張りながら、該コア部の形状を安定化させた状態で、その周囲の未硬化の感光性組成物を除去することができる。その後、コア部を引っ張った状態を保持したまま、上記コア部を別の樹脂組成物に浸漬し、この樹脂組成物に硬化処理を施すことにより、安定化した形状のコア部と、安定なクラッド部とからなる光導波路を製造することができる。
なお、コア部の周囲の未硬化の感光性組成物を除去する際には、特に、引っ張る等の処理を施さず、上記コア部を別の樹脂組成物に浸漬した後、該樹脂組成物に硬化処理を施す前にのみコア部を引っ張る処理を行ってもよい。
また、上記した方法以外に、例えば、下記のような方法を用いることができる。
【0073】
すなわち、コア部を形成するための感光性組成物(以下、コア形成用樹脂ともいう)中に、予め、別途、クラッド部を形成するための樹脂(以下、クラッド形成用樹脂ともいう)を混合しておく。
ここで、クラッド形成用樹脂としては、上記コア部を形成するための感光性組成物よりも強い強度の光を受けて初めて重合する感光性組成物であって、硬化前後の光屈折率がともにコア部の光屈折率よりも小さいものを選択しておく。上記クラッド形成用樹脂としては、上記した特性を有するものであれば、上述した感光性組成物を適宜選択して使用することができる。
【0074】
そして、上述したように、光配線を介して光を照射する。その際、コア形成用樹脂の重合は可能であるが、クラッド形成用樹脂の重合は実質的に殆ど不可能な強度の光を照射する。
すると、感光性組成物のうち感光性がより高いコア形成用樹脂が選択的に重合を開始する。コア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂を含む感光性組成物のうち、コア形成用樹脂が重合を始めると、未硬化のクラッド形成用樹脂は、流動性を保っているため、硬化していくコア形成用樹脂から排除されていく。また、コア部の光屈折率は未硬化のクラッド形成用樹脂の光屈折率よりも大きいため、光配線を介して照射した光は形成されたコア部に閉じ込められつつ、先端に集中的に照射される。その結果、光配線の一端から照射された光によって、光の経路に応じてコア形成用樹脂が優先的に硬化し、その光の経路に応じたコア部が形成され、その周囲を未硬化の感光性組成物が包囲した状態となる。
【0075】
この後、例えば、光源からの光を未硬化の感光性組成物全体に照射することができるようにし、光源の出力を上げてクラッド形成用樹脂を重合させることが可能な強度の光を照射する。すると、クラッド形成用樹脂および未硬化のコア形成用樹脂が硬化してコア部の周囲に安定なクラッド部を形成することができる。
【0076】
このように、予め重合反応が進行する光の強度が異なる2種類の感光性組成物を混合しておき、コア部とクラッド部とを形成する場合、コア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂としては、例えば、互いに異なる重合反応機構を経て重合反応が進行する樹脂を選択することができる。
すなわち、アクリル系樹脂に代表されるようなラジカルによる逐次重合反応によって重合が進むラジカル重合系の感光性組成物と、エポキシ系樹脂に代表されるようなイオン対を介して重合が進むカチオン重合系の感光性組成物とを選択することができる。これらを選択した場合、ラジカル重合系の感光性組成物の方が、カチオン重合系の感光性組成物よりも重合反応が急速に進行するため、光の強度が弱い場合には、アクリル系樹脂だけが選択的に重合することになる。
【0077】
また、より確実に一方の感光性組成物の重合が進行するように、上述の2種類の感光性組成物の重合の進み具合いにさらに差をつけてもよい。
これは、例えば、ラジカル重合系の感光性組成物の重合反応速度を速くすることにより行うことができる。具体的には、アクリル系樹脂を例にとると、アクリル系樹脂の単位質量あたりに含まれるアクリル基の数を多く(すなわち、アクリル当量を少なく)したり、単量体の濃度を高めることにより、重合に関与する反応基の濃度を高くして重合反応速度を速くすることができる。また、光重合開始剤の量子収率(光子量あたりのラジカル生成量)や濃度を高くして重合反応速度を速くすることもできる。
【0078】
また、2種類の感光性組成物の重合の進み具合いに差をつけることは、カチオン重合系の感光性組成物の重合反応速度を遅くすることによっても行うことができる。具体的には、エポキシ系樹脂を例にとると、エポキシ系樹脂の単位質量あたりに含まれるエポキシ基の数を少なく(すなわち、エポキシ当量を多く)したり、単量体の濃度を低くすることにより、重合に関与する反応基の濃度を低くして重合反応速度を遅くすることができる。また、重合に関与するイオン対の非求核性を低くしたり、または、光重合開始剤の量子収率(光子量あたりのカチオン生成量)を低くして重合反応速度を遅くすることもできる。
【0079】
また、同一の機構を経て重合反応が進行する感光性組成物同士を混合しても、どちらか一方の感光性組成物のみを選択的に重合させることができる。この場合、同一の機構で反応が進行するため、光重合開始剤や増感剤の異なる感光性組成物同士を混合しても選択的に重合させることは困難であるが、マトリクスであるオリゴマ分子に反応基の濃度差をつけることにより一方の感光性組成物のみを選択的に重合させることができる。例えば、ラジカル重合系のアクリル樹脂であれば、反応基であるアクリル当量に差をつければ、ある照射光にて反応基の多い(すなわち、アクリル当量の少ない)方が選択的に重合する。
【0080】
このようなコア形成用樹脂およびクラッド形成用樹脂を用いて光導波路を形成する場合、1種類の光源で両者の重合反応を行うことができるため、設備コストや工程数を少なくすることができる。
なお、コア形成用樹脂とクラッド形成用樹脂とを選択する際に、両者の硬化波長が全く同一でない場合でも、増感剤等を添加することにより、1種類の光源で両者の重合反応を行うことができる。これは、照射する光の波長域に吸収を持たないか、または、少量しか持たない感光性組成物であっても、その波長域に吸収を持つ適当な増感剤を添加し、その増感剤が吸収したエネルギーを利用することにより、重合反応を進行させることができるからである。すなわち、増感剤を添加すると照射光の波長域内に大きな吸収を持たせ、結果として感度を増大させることができる。一般にこのような増感された吸収波長域はラジカル発生剤本来の持つ吸収波長域よりもより長波長側に拡大され、光源の発する光子を効率よく利用することができるので、感度が上昇する。
【0081】
また、上記クラッド形成用樹脂として、上記した特性を有する感光性組成物に代えて、加熱処理を行うことにより始めて重合が進行する樹脂組成物を選択し、さらに、コア部を形成した後、強度の強い光を未硬化の感光性組成物全体に照射する方法に代えて、未硬化の樹脂を加熱硬化させる方法を用いて安定なクラッド部を形成し、光導波路としてもよい。
【0082】
さらには、クラッド形成用樹脂として、上記コア形成用樹脂とは異なる波長の光を照射することにより初めて重合し、硬化後の光屈折率が硬化後のコア形成用樹脂の光屈折率よりも小さいものを選択しておき、コア部を形成した後、未硬化の感光性組成物全体にクラッド形成用樹脂が重合する波長の光を照射する方法を用いてクラッド部を形成し、コア部の周囲に安定なクラッド部を形成してもよい。なお、2種類以上の感光性組成物(例えば、コア形成用樹脂とクラッド形成用樹脂)を含むものを用いる場合、その混合比は特に限定されない。
このような製造方法を用いることにより、光配線との接続性に優れるとともに、系全体が固体化して安定性に優れる光導波路を製造することができる。
【0083】
ここでは、感光性組成物中に光配線の一端を浸漬して光導波路を製造する方法について説明したが、このとき、光配線に代えて、発光素子等の光学部品を使用し、その発光面(発光部)を感光性組成物中に浸漬したり、該発光面に感光性組成物を塗り付けたりすることにより、光学部品の発光面に直接取り付けられたコア部を形成することができる。
このように、コア部が直接取り付けられた光配線や光学部品では、光導波路(コア部)と光配線等との間で位置合わせが不要である。
【0084】
次に、異なる光配線の光軸が完全に合致していない場合の光導波路の製造方法について説明する。
2本の光ファイバから他方の光ファイバに向かって、同時に光を照射することにより、2本の光ファイバの光軸がズレていたとしても、2本の光ファイバ間を接続するコア部を形成することができる。
すなわち、まず、光学的に接続する2本の光ファイバ22、22′の一端を感光性組成物21に浸漬するとともに、その一端同士がほぼ対向するように光ファイバを配置する。なお、光ファイバ同士の光軸はズレている(図3(a)参照)。次に、2本の光ファイバ22、22′のそれぞれから感光性組成物21を硬化させるための光を相手側の光ファイバ22′、22に向けて照射する(図3(b)参照)。この場合、光ファイバ22、22′から出射される互いの出射光X、Yが重なり合う部分Zにおいて光の強度が高くなる。そこで、その重畳部分Zの光の強度をコア形成用樹脂のみが重合可能な強度となるように設定すれば、互いの出射光が重なり合う部分Zにコア部24が形成されることになる(図3(c)参照)。
この方法では、一対の光ファイバ22、22′の光軸がズレていたとしても、両光ファイバ22、22′の端部同士を結ぶ光の経路にコア部24が形成され、高い確率で両者を光学的に結合させることできる。
また、本発明の光導波路の製造方法では、上述したように光導波路を製造した場合、その後、光ファイバ22、22′の光軸を合致させるようにコア部24を引っ張ってもよく、光ファイバ22、22′の光軸がズレたままコア部24を引っ張ってもよい。
【0085】
なお、ここでは、感光性組成物を用いて光導波路を製造する方法について説明したが、本発明の光導波路が感光性組成物以外の樹脂組成物からなる場合には、例えば、以下のような方法により光導波路を製造することができる。
すなわち、異なる光配線をそれぞれの一端が向き合うように配置し、それぞれの一端の間に、例えば、熱硬化性樹脂等を含む樹脂組成物が充填された筒状のコア部形成用部材を配置して、所定の温度で加熱することにより、異なる光配線間を接続するコア部を形成し、その後、上記コア部を残してコア部形成用部材を取り除き、コア部をその両端から引っ張ることにより、本発明の光導波路を製造することができる。
【0086】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0087】
(実施例1)光導波路の製造(図4参照)
(1)ファイバカッタを用いて端面処理を施した、長さ約1mのGI型石英製マルチモード光ファイバ(フジクラ社製、コア/クラッド=50/125μm)を2本用意した。
【0088】
(2)それぞれの光ファイバ12、12′の片端より、250Wの高圧水銀ランプを光源とした紫外線照射装置15(松下マシンアンドビジョン社製、5252L)より紫外線を、光ファイバ12の一端から入射し、光ファイバ12の他端から照射される紫外線の強度を0.3mW/cm2程度になるように調整した。なお、紫外線の強度の測定は、紫外線照度計(ウシオ電機社製、UIT−150)を用いて行った。
【0089】
(3)次に、光ファイバ12、12′のそれぞれを、2台の光学微動台(Xステージ)(図示せず)上に載置した光ファイバ固定台のそれぞれに固定し、さらに、それぞれの出射側の光ファイバ12、12′の端部を500μm程度の間隔をあけて光ファイバ用V溝基板16(モリテックス社製、石英V溝)に付き合わせて配置させ、さらにその付き合わせ部全体に、紫外線硬化型樹脂組成物11(ロックタイト社製、Loctite358)を隙間なく埋まるように塗布した。その後、V溝押さえ板にて付き合わせ部および感光性組成物11を動かないように挟み込んだ。
【0090】
(4)上記(3)の状態に光ファイバ12、12′を保持したまま、一方の光ファイバ12の入射側に波長850nmのLED光源(安藤電機製、AQ2140およびAQ4215)を用いて、出力約−10dBm(約0.1mW)の光を入射し、他方の光ファイバ12′の入射側から出射される光出力をパワーメー夕(安藤電機社製、AQ2140およびAQ2730)を用いて測定した。
【0091】
(5)さらに、上記(3)の状態に光ファイバ12、12′を保持したまま、上記(2)で照度を調整した紫外線をそれぞれのファイバ12、12′の出射端より同時に、感光性組成物11中に1〜2秒間照射した。
【0092】
上記(1)〜(4)の工程を行ったところ、感光性組成物11の硬化が未だ行われておらず、上記(4)の工程終了時においては、8dB以上の光出力の損失が測定された。また、上記(5)の工程終了時においては、双方の光ファイバ12、12′の出射端よりコア部が形成され、それぞれのコア部が真中付近で結合していることが顕微鏡(キーエンス社製、VH−7000)で観察された。
【0093】
(6)上記(5)の工程を行った後、上記(4)の工程と同様の方法を用いて、光ファイバ12′の入射側から出射される光出力の測定を実施した。
その結果、3dB以下の光出力の損失が測定された。
【0094】
上記(6)の工程終了時において測定された光出力の損失(3dB以下)が、上記(4)の工程終了時において測定された光出力の損失(8dB以上)より少なかったことは、双方の光ファイバ12、12′の出射端の間にコア部からなる光導波路が形成され、上記光導波路により、光ファイバ12、12′が接続されていることを示している。
【0095】
また、上記(6)の工程終了後、可視光を光ファイバ12の出射端より照射し、光導波路からの漏光を観察することによっても、光導波路形状に沿って漏光が観察され、形成した光導波路に出射した光が上記光導波路内に閉じ込められていることが確認された。
【0096】
(7)さらに、上記(6)の状態を保持し、光ファイバ12′の入射側から出射される光出力の測定を連続的に実施した。
その結果、上記(6)の工程終了時において測定された光出力の損失(3dB以下)が時間とともに増大していくことが確認された。
具体的には、上記(6)の工程において光出力の測定を実施してから約30秒後には、約5dBの光出力の損失が測定され、約60秒後には、約10dBの光出力の損失が測定された。
また、顕微鏡により観察すると、光出力の損失の増大に伴い、光ファイバ12、12′間に形成された光導波路が流動によって変形しているのが確認された。
【0097】
(8)その後、光ファイバ12′の入射側から出射される光出力の測定を行っている状態で、光ファイバ12、12′の付き合わせ部が動かないように挟み込んでいたV溝押さえ板の固定を緩め、上記光学微動台を用いて、光ファイバ12、12′の端部の間隔が約50μm広がるように、光ファイバ12、12′を引っ張った。
このとき、3dB以下の光出力の損失が測定された。
【0098】
(9)さらに、光ファイバ12、12′の端部の間隔が約50μm広がるように、光ファイバ12、12′を引っ張るという工程を繰り返しながら、光ファイバ12′の入射側から出射される光出力の測定を連続的に実施した。
その結果、光出力の損失が減少していき、光ファイバ12、12′の端部の間隔が約700μmになったとき、2dB以下の光出力の損失が測定された。
【0099】
上記(9)の工程終了時において測定された光出力の損失(2dB以下)が、上記(8)の工程終了時において測定された光出力の損失(3dB以下)より少なかったのは、引っ張り続けることにより、光導波路の形状が安定化し、該光導波路が、光損失を少なくすることができる形状になったためであると考えられる。
【0100】
(実施例2)光導波路の製造
A.感光性組成物の調整
紫外線照射時にラジカル重合反応により硬化するアクリレート系の紫外線硬化性接着剤(ロックタイト社製、Loctite358;以下、樹脂Aという)と、同じく、紫外線照射時にカチオン重合反応により硬化するフッ素化エポキシ系の紫外線便化性接着剤(NTT−AT社製;以下、樹脂Bという)とを重量比1:1で混合することにより感光性組成物を調製した。
【0101】
B.光導波路の形成
(1)実施例1の(3)において、A.で調整した感光性組成物を用いた以外は、実施例1の(1)〜(7)と同様にして、その両端に光ファイバが接続されたコア部からなる光導波路を形成した。
【0102】
また、実施例1の(5)〜(7)の工程においては、紫外線を3秒間照射した際に、形成したコア部の形状を顕微鏡(キーエンス社製、VH−7000)を用いて観察した。その結果、双方の光ファイバの出射端よりコア部が形成され、それぞれのコア部が真中付近で結合していることが観察された。
【0103】
なお、本実施例とは別に、実施例1の(1)〜(7)と同様の工程を、単独の樹脂Aおよび樹脂Bのそれぞれについて行い、上記と同様に、3秒間紫外線を照射した際の硬化状態を顕微鏡で観察した。その結果、樹脂Aについては、双方の光ファイバの出射端よりコア部が形成され、それぞれのコア部が真中付近で結合していることが観察された。一方、樹脂Bについては、双方の光ファイバの出射端よりコア部が形成されているが、それぞれのコア部は結合していないことが観察された。
さらに、樹脂Bについては紫外線を照射し続け硬化状態を顕微鏡で観察した。その結果、紫外線の照射を開始してから10秒後においても、コア部が結合していないことが観察された。
【0104】
これらの結果から、上記(1)〜(7)の工程を経て形成されたコア部は、感光性組成物中の樹脂Aが選択的に硬化して形成されたものと考えられる。
【0105】
(2)次に、コア部の両端を引っ張った状態で、上記と同じ紫外線照射装置15を用いて、300mW/cm2の照度を持つ紫外線を光ファイバ12、12′の付き合わせ部分の感光性組成物11を含むV溝基板13全体に30秒間照射し、クラッド部を形成した。
この(2)の工程でクラッド部を形成した後、顕微鏡観察を行なったところ、上記(1)の工程終了後に観察されたコア部は、その形が保持されていることが確認された。さらに、可視光を光ファイバ12の出射端より照射し、光導波路からの漏光を観察することによっても、光導波路形状に沿って漏光が観察され、コア部の周囲に安定したクラッド部が形成されていることが確認された。
【0106】
(3)その後、コア部の両端に接続された光ファイバを引っ張ることを止め、光出力の損失を測定した。その結果、2dB以下の光出力の損失が測定された。
このように、上記(3)の工程終了時において測定された光出力の損失(2dB以下)が、上記(1)の工程終了時において測定された光出力の損失(2dB以下)と同じであったのは、コア部の両端を引っ張った状態でクラッド部を形成したことにより、コア部の両端が引っ張った状態が維持され、安定化した形状が維持されたためであると考えられる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコア部とクラッド部とからなる光導波路は、コア部の両端のそれぞれが光配線または光学部品と接続され、少なくとも上記コア部は、その両端が引っ張られているため、コア部の形状が安定化しており、光導波路内における光損失を低減させることができる。
また、互いに押し付ける力が加わることがないため、該光導波路の端面や、該光導波路の両端に接続された光配線等の端面に傷や変形等が発生せず、伝送光の乱反射や、外部への放射等に起因した接続損失が発生しにくい。
従って、本発明の光導波路によれば、異なる光配線等同士の低接続損失を達成することができる。
【0108】
また、本発明の光導波路の製造方法では、コア部を、その両端のそれぞれが光配線と接続された状態で形成することができ、さらに、上記コア部の両端を引っ張るため、従来技術のように、コア部を光配線に接続する際に押し付けて固定する必要がなく、コア部と光配線とが押し付けられることもない。その結果、光配線やコア部の端面に傷や変形等を発生させることなく光導波路を形成することができる。また、コア部の両端を引っ張るため、コア部が流動することがなく、その形状が安定化した光導波路を得ることができる。
従って、本発明の光導波路の製造方法により得られた光導波路によれば、該光導波路に接続された光配線間の低接続損失を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の光導波路の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の光導波路の製造方法の一実施形態を説明するための模式図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の光導波路の製造方法の別の一実施形態を説明するための模式図である。
【図4】実施例1で行った光導波路の製造方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
100、110、120 光導波路
11、21 感光性組成物
12、22 光ファイバ
13、23 コア
14、24 コア部
105 クラッド部
Claims (2)
- 異なる光配線のそれぞれの一端が略向き合い、かつ、少なくとも向き合った一端がともに未硬化の感光性組成物中に浸漬されるように、前記光配線を配置した後、前記光配線の少なくとも一方から他方の光配線に光を照射することにより、前記光配線同士を接続するコア部を形成し、さらに、前記コア部の両端を引っ張ることを特徴とする光導波路の製造方法。
- 前記コア部を引っ張っており、かつ、該引っ張りによりコア部の端部に生じた変位が停止した状態となっている際か、または、前記コア部を引っ張っている際に、前記コア部の周囲に安定なクラッド部を形成する請求項1に記載の光導波路の製造方法。
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