JP2003014972A - 光導波路の形成方法 - Google Patents

光導波路の形成方法

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JP2003014972A
JP2003014972A JP2001199693A JP2001199693A JP2003014972A JP 2003014972 A JP2003014972 A JP 2003014972A JP 2001199693 A JP2001199693 A JP 2001199693A JP 2001199693 A JP2001199693 A JP 2001199693A JP 2003014972 A JP2003014972 A JP 2003014972A
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JP2001199693A
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Naohiro Hirose
直宏 広瀬
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ等の光配線の一端のコアの端面に
高精度な端面処理を施すことなしに、該光配線との接続
性に優れる光導波路を形成することができる光導波路の
形成方法を提供する。 【解決手段】 感光性樹脂または感光性組成物中に光配
線の一端を浸漬し、上記光配線を介して光を照射するこ
とにより、上記感光性樹脂または感光性組成物中の光の
経路に応じたコア層を形成する光導波路の形成方法であ
って、上記コア層の光屈折率は、上記光配線のコアの光
屈折率の75〜125%であり、上記光配線の端面は、
特に平坦化処理が施されていないか、または、少なくと
も端面のJIS B 0601に基づく面粗度Raが、
0.1μm以上であることを特徴とする光導波路の形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ等の光
配線と無調芯接続する光導波路の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光技術を利用した光通信や光情報
処理、あるいは電子機器、光学機器等の分野が急速に進
展しつつあり、各種光デバイスを接続するための光導波
路の開発が大きな課題となっている。各種光デバイス間
は光ファイバ等の光導波路部品を介して接続されるが、
その接続には極めて高い位置精度が要求される。従来こ
のような接続作業は手作業もしくは高精度な調芯設備に
より行われているため、接続コストが上昇する一因とな
るという問題があった。
【0003】そこで、このような問題を解決するため
に、自己形成光導波路の技術が開発されている。これ
は、光配線等の接続端部を感光性樹脂に浸漬し、この光
配線等を介して感光性樹脂に光を照射することにより感
光性樹脂を徐々に硬化させて、接続端部の先端に光導波
路のコア層を形成するものである。これにより、特に高
価な調芯設備等を用いなくても、光配線と完全に結合し
た光導波路を形成することができ、これにより接続コス
ト上昇の一因となる問題を解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、従来技術のよう
な光接続を達成する際に、もう一つ大きな問題が存在し
ていた。すなわち、光配線同士を結合させる際に、低接
続損失を達成するためには、接続端部を平坦にする必要
があり、そのため高精度な端面処理を施す必要があると
されていた。すなわち、光配線等の接続端部の端面が平
滑でない場合には、形成した光導波路と光配線等との接
続部分で、伝送光の乱反射等に起因した接続損失等が発
生するとされていたのである。
【0005】このため、被覆部材等が除去された光ファ
イバ等を単純に接続する際等においてはファイバカッタ
等を用いて切断することにより比較的平滑な端面を形成
することができるが、光ファイバ等が複数本組み込まれ
たファイバアレイやコネクタ等においては、接続端面を
揃える必要がある等の理由から、切断の後、微細砥粒を
用いて長時間研磨処理を行っており、また、研磨処理方
法も平面研磨のみでなく、球面研磨等を行う必要がある
場合もあり、工程が煩雑化する、コストが嵩むといった
問題は避けることができないとされていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかしながら、本発明者
は、上記問題について鋭意検討を重ねた結果、硬化後に
特定の光屈折率を有する感光性樹脂を用いて、光導波路
のコア層を形成する場合には、高精度な端面処理を施さ
なくても、光配線との接続性に優れたコア層を形成する
ことができ、この場合には、上述した工程が煩雑化す
る、コストが嵩むといった問題を解消することができる
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明の光導波路の形成方法
は、感光性樹脂または感光性組成物中に光配線の一端を
浸漬し、上記光配線を介して光を照射することにより、
上記感光性樹脂または感光性組成物中の光の経路に応じ
たコア層を形成する光導波路の形成方法であって、上記
コア層の光屈折率は、上記光配線のコアの光屈折率の7
5〜125%であり、上記光配線の端面は、特に平坦化
処理が施されていないか、または、少なくとも端面のJ
IS B 0601に基づく面粗度Raが、0.1μm
以上であることを特徴とする。
【0008】また、本発明の光導波路の形成方法におい
て、上記コア層の光屈折率は、上記光配線のコアの光屈
折率の85〜115%であることが望ましく、95〜1
05%であることがより望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光導波路の形成方法は、
感光性樹脂または感光性組成物(以下、両者を合わせて
感光性組成物等ともいう)中に光配線の一端を浸漬し、
上記光配線を介して光を照射することにより、上記感光
性樹脂または感光性組成物中の光の経路に応じたコア層
を形成する光導波路の形成方法であって、上記コア層の
光屈折率は、上記光配線のコアの光屈折率の75〜12
5%であり、上記光配線の端面は、特に平坦化処理が施
されていないか、または、少なくとも端面のJIS B
0601に基づく面粗度Raが、0.1μm以上であ
ることを特徴とする
【0010】本発明の光導波路の形成方法では、光導波
路のコア層を形成するための感光性樹脂として、その硬
化後の光屈折率が、上記感光性樹脂に光を照射するため
に用いる光配線のコアの光屈折率の75〜125%とな
るものを用いている。そのため、感光性樹脂に光を照射
する光配線のコアの端面が、特に平坦化処理が施されて
いないか、または、少なくとも端面のJIS B 06
01に基づく面粗度Raが、0.1μm以上であって
も、光配線との接続性に優れるコア層を形成することが
できる。また、上記コアの端面は、高精度な端面処理を
施さなくても、例えば、通常配線等の切断に用いられる
切断用冶具を用いて切断するのみで形成することができ
るため、光導波路の形成工程を簡略化することができる
とともに、経済的にも有利である。
【0011】また、本発明においては、上記感光性組成
等を硬化させて形成したコア層が上記範囲の光屈折率を
有するとともに、硬化前のコア層の光屈折率、すなわ
ち、上記感光性組成物等自体の光屈折率が、上記光配線
のコアの光屈折率の75〜125%であることが望まし
い。上記硬化前の光屈折率が上記範囲にある場合、光配
線を介して感光性組成物等に光を照射した際に、この光
は、光配線のコアのほぼ延長線上に確実に照射されるこ
ととなり、上記光配線と上記感光性組成物等の界面で散
乱したりすることがほとんどないからである。このよう
に、硬化前後のコア層が特定の範囲の光屈折率を有する
ことにより、高精度な端面処理を施していない光配線
と、より高い信頼性で接続された光導波路を形成するこ
とができる。
【0012】なお、本明細書において、「光配線」と
は、光ファイバ等の光導波路部品で、紫外線、可視光、
赤外線等の光を通し、それにより情報を伝達するための
ものであるが、その材質は特に限定されず、例えば、石
英ガラス等の無機材料よりなるものであっても、高分子
材料(プラスチック)よりなるものであってもよい。
【0013】また、「光配線のコアの光屈折率」とは、
光配線のコアが、ステップインデックス光ファイバ(S
I型光ファイバ)のコアのように単一の光屈折率を有す
るものである場合には、その光屈折率をいい、グレーデ
ッドインデックス光ファイバ(GI型光ファイバ)のコ
アのようにある範囲の光屈折率を有するものである場合
には、そのピーク光屈折率をいう。なお、本発明で形成
する光導波路のコア層の光屈折率も同様に、該コア層が
ある範囲の光屈折率を有する場合には、そのピーク光屈
折率をコア層の光屈折率という。
【0014】上記光配線に用いられる材料は、紫外線、
可視光、赤外線等の光を通す材料であれば特に限定され
ないが、無機材料としては、例えば、石英ガラスを主成
分としているもの、ソーダ石灰ガラス、ホウ硅ガラス等
を主成分とする多成分ガラス等が挙げられ、高分子材料
(プラスチック)としては、例えば、シリコン樹脂、P
MMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル樹脂等
が挙げられる。さらに、高分子材料(プラスチック)と
して、場合により、例えば、下記する光導波路として用
いられる材料も用いることができる。
【0015】以下、本発明の光導波路の形成方法につい
て、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(d)
は、本発明の光導波路の形成方法の一例を説明するため
の模式図である。
【0016】本発明の光導波路の形成方法では、まず、
感光性組成物等中に光配線の一端を浸漬し、この光配線
を介して、上記感光性組成物等に光を照射することによ
り光の経路に応じたコア層を形成し光導波路とする。
【0017】具体的には、まず、感光性組成物等1を光
配線2の先端部を包み込むように塗り付けたり(図1
(a)参照)、感光性組成物等を容器に入れ、ここに、
光配線の一端を浸漬したりする。
【0018】上記感光性組成物等は、その硬化後の光屈
折率(コア層の光屈折率)が、上記光配線のコアの光屈
折率の75〜125%である。このような範囲の光屈折
率を有するコア層を形成することができる感光性樹脂を
用いることにより、光配線の端面が上記範囲の粗度を有
していても、該光配線との接続性に優れたコア層を形成
することができる。また、上記コア層の光屈折率は、上
記光配線のコアの光屈折率の85〜115%であること
が望ましく、95〜105%であることがより望まし
い。上記光配線のコアの光屈折率は、その材料により異
なるが、例えば、純粋石英ガラスの光屈折率は、n
約1.46であるので、純粋石英ガラスを光配線に用い
た場合、感光性組成物等の硬化後の光屈折率は、n
約1.24〜約1.82の範囲内となる。なお、上記光
屈折率nは、Naの輝線589nmの光を通過させた
ときの屈折率を意味する。また、光配線や光導波路に用
いる樹脂等の光屈折率は、その波長に依存して変化する
が、その比(光導波路のコア層の光屈折率/光配線のコ
アの光屈折率)は、例えば、紫外線領域〜近赤外線領域
において殆ど変わらない。
【0019】また、上述したように、硬化前のコア層の
光屈折率、すなわち、上記感光性組成物等自体の光屈折
率は、上記光配線のコアの光屈折率の75〜125%で
あることが望ましい。より望ましくは85〜115%で
あり、特に望ましくは95〜105%である。
【0020】上記感光性樹脂としては、硬化後に、光導
波路としての基本的な特性、すなわち、所望の波長帯域
の光に対して透過性を有するとともに、上記範囲の光屈
折率を有するものであれば特に限定されず、具体的に
は、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、
重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA、フッ素化
PMMA等のアクリル樹脂に、必要に応じて、単量体や
光重合開始剤、増感剤等の各種添加剤、溶剤等を含むも
のが挙げられる。
【0021】また、上記感光性樹脂として、エポキシ樹
脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重
水素化シリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、ベンゾシク
ロブテン等に感光性を付与したものを樹脂成分として含
み、さらに、必要に応じて、単量体や光重合開始剤、増
感剤等の各種添加剤、溶剤等を含むものも挙げられる。
なお、上記樹脂成分に感光性を付与する方法としては、
例えば、その末端や側鎖にアリル基やアクリロイル基を
付与する方法等が挙げられる。また、アリル基やアクリ
ロイル基を分子の末端または側鎖にもつポリエン化合物
と、ポリチオール化合物と、光重合開始剤と、必要に応
じて、各種添加剤や溶剤等を含むものも感光性組成物と
して用いることができる。
【0022】なお、本明細書において、感光性樹脂に
は、上述したような光の照射により化学反応を起こす高
分子のみならず、光の照射により光重合反応が進行する
単量体、例えば、(メタ)アクリル酸メチル等も含むも
のとし、さらには、2種類以上の樹脂成分および/また
は単量体が、光の照射により化学反応を起し、樹脂複合
体を形成するものも含むものとする。
【0023】また、本発明の形成方法で用いる感光性樹
脂は、光を照射することにより硬化反応が進行するもの
であればよく、例えば、エポキシ樹脂と、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等の光を照射すること
によりルイス酸を発生する光開始剤と含むものであって
よい。また、ベンゾインアルキルエーテル、アセトフェ
ノン誘導体類、ベンゾフェノンやその誘導体等の光を照
射することによりラジカルを生成する光開始剤と、ラジ
カル重合機構により重合が進行する樹脂成分とを含むも
のや、塩素化アセトフェノンやその誘導体等の光を照射
することにより強酸が遊離する光開始剤と、酸により重
合が進行する樹脂成分とを含むものであってもよい。従
って、本明細書においては、樹脂成分が感光性の官能基
を有さないものであっても、光を照射することにより硬
化反応が進行するものは、感光性樹脂ということとす
る。
【0024】上記感光性組成物としては、硬化後に、光
導波路としての基本的な特性を有するとともに、上記範
囲の光屈折率を有する感光性樹脂を含むものが挙げら
れ、具体的には、例えば、上記した感光性樹脂を2種以
上含む樹脂組成物等が挙げられる。
【0025】上記感光性組成物等中には、さらに、樹脂
粒子、無機粒子、金属粒子等の粒子が含まれていてもよ
い。このような粒子を含む感光性組成物等を用いて光導
波路を形成することにより、光配線と光導波路との間で
熱膨張係数の整合をはかることができる。
【0026】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂の一部
が感光性化された樹脂、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂と
の樹脂複合体、感光性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体等
からなるものが挙げられる。
【0027】具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポ
リフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等
の熱硬化性樹脂;これらの熱硬化性樹脂の熱硬化基(例
えば、エポキシ樹脂におけるエポキシ基)にメタクリル
酸やアクリル酸等を反応させ、アクリル基を付与した樹
脂;フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PE
S)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスル
ホン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPE
S)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテル
イミド(PI)等の熱可塑性樹脂;アクリル樹脂等の感
光性樹脂等からなるものが挙げられる。また、上記熱硬
化性樹脂と上記熱可塑性樹脂との樹脂複合体や、上記ア
クリル基を付与した樹脂や上記感光性樹脂と上記熱可塑
性樹脂との樹脂複合体からなるものを用いることもでき
る。また、上記樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒
子を用いることもできる。
【0028】また、上記無機粒子としては、例えば、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、
炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合
物、炭酸カリウム等のカリウム化合物、マグネシア、ド
ロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム化
合物、シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等からなる
ものが挙げられる。また、上記無機粒子として、リンや
リン化合物からなるものを用いることもできる。
【0029】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、パラジウム、ニッケル、白金、鉄、亜鉛、鉛、アル
ミニウム、マグネシウム、カルシウム等からなるものが
挙げられる。これらの樹脂粒子、無機粒子および金属粒
子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよ
い。
【0030】また、上記粒子の形状は特に限定されず、
例えば、球状、楕円球状、破砕状、多面体状等が挙げら
れる。これらのなかでは、球状、または、楕円球状が望
ましい。球状や楕円球状の粒子には角がないため、光導
波路にクラック等が発生しにくいからである。
【0031】また、上記粒子の粒径は、通信波長より短
いことが望ましい。粒径が通信波長より長いと光信号の
伝送を阻害することがあるからである。なお、本明細書
において、粒子の粒径とは、粒子の一番長い部分の長さ
をいう。
【0032】上記感光性組成物等に粒子が含まれる場
合、その配合量は、硬化後の配合量で10〜80重量%
であることが望ましく、20〜70重量%であることが
より望ましい。粒子の配合量が10重量%未満である
と、粒子を配合させる効果があまり得られないことがあ
り、一方、粒子の配合量が80重量%を超えると、光信
号の伝送が阻害されることがあるからである。
【0033】また、上記感光性組成物等は、上述したよ
うに、光を照射することにより硬化し、特定の範囲の光
屈折率を有するコア層となる。従って、本発明の形成方
法では、コア層が上記範囲の光屈折率となる感光性組成
物等を選択して使用すればよいが、上記範囲外の光屈折
率となる感光性組成物等であっても、その光屈折率を調
整することにより使用することができる。また、ここ
で、感光性組成物等の光屈折率を調整する場合、硬化前
後のコア層の光屈折率が上記範囲になるように調整する
ことが望ましい。
【0034】一般に、高分子の光屈折率は、分子屈折と
分子容との比(以下、(分子屈折)/(分子容)と示
す)が大きければ大きくなるため、分子屈折および/ま
たは分子容を調整することにより、高分子の光屈折率を
調整することができる。
【0035】具体的には、分子屈折(高分子の折り返し
単位を構成する個々の基の原子屈折の総和)を調整する
場合には、例えば、塩素、イオウ等の分極率の大きな基
を導入すると原子屈折が上がるため、分子屈折を大きく
することができる。また、二重結合基や芳香族環基を導
入し、分子の対称性を下げた場合にも分極率が大きくな
り、原子屈折が上がるため、分子屈折を大きくすること
ができる。
【0036】また、密度を調整する場合には、例えば、
架橋点間分子量を小さくすることにより密度を大きくす
ることができる。また、例えば、フッ素は分極率に比し
てその体積が大きいため、フッ素を含む基を導入するこ
とによっても密度を大きくすることができる。
【0037】また、本発明で使用する光配線2の一端の
コアの端面3aは、特に研磨処理等の平滑化処理が施さ
れてなくてもよく、この場合、端面のJIS B 06
01に基づく面粗度Raは特に限定されない。しかしな
がら、端面に何の平滑化処理も施さずに、端面の面粗度
Raが0.1μm未満となることは考えにくいので、通
常、その端面の面粗度Raは、少なくとも0.1μm以
上であると考えられる。
【0038】また、ファイバアレイ等を製造する際に
は、切断処理等が必要になることから、本発明において
も、簡単な研磨処理等の平滑化処理を施してよいが、そ
の場合にも、光配線の端面の面粗度Raが0.1μm未
満となるように、精密な研磨処理を施す必要はない。な
お、ファイバカッタ等を用いた切断処理も、一種の端面
の平滑化処理であるため、本発明では、上記切断処理も
平滑化処理に含めるものとする。
【0039】本発明において、光配線の端面に上記平坦
化処理を施した場合、少なくとも光配線の端面の面粗度
Raが0.1μm以上となるように研磨処理を施せばよ
い。また、研磨処理後の光配線の端面の面粗度Raは、
1μm以上であってもかまわない。より簡単に低コスト
で研磨処理を行うことができるからである。このような
粗度を有する端面は、そのほぼ延長上に形成するコア層
との接続性にも優れる。
【0040】本発明の形成方法では、上述したように、
端面に平坦化処理が施されていないか、または、少なく
ともJIS B 0601に基づく面粗度Raが、0.
1μm以上の端面を有する光配線2の一端を感光性組成
物等に浸漬した後、光配線2を介して光を照射する(図
1(b)参照)このように光配線2を介して光を照射す
ることにより、感光性組成物等1が、光の経路に応じ
て、光配線側から硬化しはじめ、光配線2のコア3の延
長上に光導波路のコア層4が形成されることとなる(図
1(c)、(d)参照)。
【0041】このように、本発明の光導波路の形成方法
では、照射した光の経路に応じて、光導波路側から序々
にコア層が形成されていくこととなる。従って、本発明
の形成方法で用いる感光性樹脂や感光性組成物は、硬化
後に、その屈折率が硬化前よりも高くなるものであるこ
とが望ましい。硬化後に光屈折率が高くなることによ
り、光配線を介して照射した光が形成されたコア層に閉
じ込められつつ、先端から集中的に照射されることとな
り、光の経路に応じた光導波路をより確実に形成するこ
とができるからである。
【0042】また、本発明の形成方法において、感光性
組成物等を硬化させる際に照射する光としては特に限定
されず、感光性組成物等の組成を考慮して適宜選択すれ
ばよく、例えば、波長200〜500nmの紫外線等を
用いることができる。また、このような波長の光を照射
する光源としては、例えば、高圧水銀ランプ等を用いる
ことができる。また、メタルハライドランプやキセノン
ランプ、レーザ等も使用することができる。
【0043】このような工程を経ることにより、本発明
の光導波路の形成方法では、光の経路に応じて硬化した
コア層と、未硬化のクラッド層とからなる光導波路を形
成することができる。しかしながら、未硬化のクラッド
層は、通常液体であり、この状態では、コア層が流動し
やすく、光導波路として非常に不安定である。
【0044】従って、上記コア層を形成した後、上記未
硬化のクラッド層に硬化処理を施すことにより、固体の
クラッド層を形成することが望ましい。そこで、上記コ
ア層を形成した後、未硬化のクラッド層に光を照射する
ことにより、系全体を固体化することが可能である。し
かしながら、上記感光性組成物等として1種類の感光性
樹脂のみを含むものを使用する場合には、クラッド層の
硬化により、コア層とクラッド層とがほぼ同一の光屈折
率を有することとなり、コア層に光を閉じ込めることが
できなくなるため、光導波路として機能しなくなってし
まう。そのため、以下のような方法を用いて固体化した
クラッド層を形成することにより、系全体が固体化した
安定な光導波路とすることが望ましい。
【0045】すなわち、例えば、上記コア層を形成した
後、その周囲の未硬化の感光性組成物等を除去し、続い
て、上記コア層を別の樹脂や樹脂組成物に浸漬した後、
硬化処理を施すことによりクラッド層を形成する方法を
用いることができる。しかしながら、上述したように、
コア層のみが硬化した状態では、該コア層は非常に不安
定であり、この状態で未硬化の感光性組成物等を除去す
ることは、取り扱いを極めて慎重に行わなければなら
ず、あまり実用的ではない。従って、例えば、下記のよ
うな方法を用いることが望ましい。
【0046】すなわち、上記感光性組成物中に、コア層
を形成するための感光性樹脂(以下、コア形成用樹脂と
もいう)とは別に、予め、クラッド層形成するための樹
脂(以下、クラッド形成用樹脂ともいう)を混合してお
く。ここで、クラッド形成用樹脂としては、上記コア形
成用樹脂よりも強い強度の光を受けて初めて重合する感
光性樹脂であって、硬化前後の光屈折率がともにコア層
の光屈折率よりも小さいものを選択しておく。上記クラ
ッド形成用樹脂としては、上記した特性を有するもので
あれば、上述した感光性樹脂を適宜選択して使用するこ
とができる。
【0047】そして、上述したように、光配線を介して
光を照射する。その際、照射する光としては弱い光、す
なわち、コア形成用樹脂の重合は可能であるが、クラッ
ド形成用樹脂の重合は実質的に不可能な強度の光を照射
する。すると、感光性組成物のうち感光性がより高いコ
ア形成用樹脂だけが選択的に重合を開始する。コア形成
用樹脂およびクラッド形成用樹脂を含む感光性組成物の
うち、コア形成用樹脂だけが重合を始めると、未硬化の
クラッド形成用樹脂は、流動性を保っているため、硬化
していくコア形成用樹脂から排除されていく。また、コ
ア層の光屈折率は未硬化のクラッド形成用樹脂の光屈折
率よりも大きいため、光配線を介して照射した光は形成
されたコア層に閉じ込められつつ、先端に集中的に照射
される。その結果、光配線の一端から照射された光によ
って、光の経路に応じてコア形成用樹脂が優先的に硬化
し、その光の経路に応じたコア層が形成され、その周囲
を未硬化の感光性組成物が包囲した状態となる。
【0048】この後、例えば、光源からの光を未硬化の
感光性組成物全体に照射することができるようにし、光
源の出力を上げてクラッド形成用樹脂を重合させること
が可能な強度の光を照射する。すると、クラッド形成用
樹脂および未硬化のコア形成用樹脂が硬化してコア層を
包囲するクラッド層を形成することができる。
【0049】このように、重合反応が進行する光の強度
が異なる2種類の感光性樹脂を含む感光性組成物を用い
て光導波路を形成する場合、コア形成用樹脂およびクラ
ッド形成用樹脂としては、例えば、互いに異なる重合反
応機構を経て重合反応が進行する樹脂を選択することが
できる。すなわち、アクリル系樹脂に代表されるような
ラジカルによる逐次重合反応によって重合が進むラジカ
ル重合系の感光性樹脂と、エポキシ系樹脂に代表される
ようなイオン対を介して重合が進むカチオン重合系の感
光性樹脂とを選択することができる。これらを選択した
場合、ラジカル重合系の感光性樹脂の方が、カチオン重
合系の感光性樹脂よりも重合反応が急速に進行するた
め、弱い光によっては、アクリル系樹脂だけが選択的に
重合することになる。
【0050】また、弱い光の照射によって、より確実に
一方の感光性樹脂の重合が進行するように、上述の2種
類の感光性樹脂の重合の進み具合いにさらに差をつけて
もよい。これは、例えば、ラジカル重合系の感光性樹脂
の重合反応速度を速くすることにより行うことができ
る。具体的には、アクリル系樹脂を例にとると、アクリ
ル系樹脂の単位質量あたりに含まれるアクリル基の数を
多く(すなわち、アクリル当量を少なく)したり、単量
体の濃度を高めることにより、重合に関与する反応基の
濃度を高くして重合反応速度を速くすることができる。
また、光重合開始剤の量子収率(光子量あたりのラジカ
ル生成量)や濃度を高くして重合反応速度を速くするこ
ともできる。
【0051】また、2種類の感光性樹脂の重合の進み具
合いに差をつけることは、カチオン重合系の感光性樹脂
の重合反応速度を遅くすることによっても行うことがで
きる。具体的には、エポキシ系樹脂を例にとると、エポ
キシ系樹脂の単位質量あたりに含まれるエポキシ基の数
を少なく(すなわち、エポキシ当量を多く)したり、単
量体の濃度を低くすることにより、重合に関与する反応
基の濃度を低くして重合反応速度を遅くすることができ
る。また、重合に関与するイオン対の非求核性を低くし
たり、または、光重合開始剤の量子収率(光子量あたり
のカチオン生成量)を低くして重合反応速度を遅くする
こともできる。
【0052】また、同一の機構を経て重合反応が進行す
る感光性樹脂同士を混合しても、どちらか一方の感光性
樹脂のみを選択的に重合させることができる。この場
合、同一の機構で反応が進行するため、光重合開始剤や
増感剤の異なる樹脂同士を混合しても選択的に重合させ
ることは困難であるが、マトリクスであるオリゴマ分子
に反応基の濃度差をつけることにより一方の感光性樹脂
のみを選択的に重合させることができる。例えば、ラジ
カル重合系のアクリル樹脂であれば、反応基であるアク
リル当量に差をつければ、ある照射光にて反応基の多い
(すなわち、アクリル当量の少ない)方が選択的に重合
する。
【0053】このようなコア形成用樹脂およびクラッド
形成用樹脂を用いて光導波路を形成する場合、1種類の
光源で両者の重合反応を行うことができるため、設備コ
ストや工程数を少なくすることができる。なお、コア形
成用樹脂とクラッド形成用樹脂とを選択する際に、両者
の硬化波長が全く同一でない場合でも、増感剤等を添加
することにより、1種類の光源で両者の重合反応を行う
ことができる。これは、照射する光の波長域に吸収を持
たないか、または、少量しか持たない感光性樹脂であっ
ても、その波長域に吸収を持つ適当な増感剤を添加し、
その増感剤が吸収したエネルギーを利用することによ
り、重合反応を進行させることができるからである。す
なわち、増感剤を添加すると照射光の波長域内に大きな
吸収を持たせ、結果として感度を増大させることができ
る。一般にこのような増感された吸収波長域はラジカル
発生剤本来の持つ吸収波長域よりもより長波長側に拡大
され、光源の発する光子を効率よく利用することができ
るので、感度が上昇する。
【0054】また、上記クラッド形成用樹脂として、上
記した特性を有する感光性樹脂に代えて、加熱処理を行
うことにより始めて重合が進行する樹脂を選択し、さら
に、コア層を形成した後、強度の強い光を未硬化の感光
性組成物全体に照射する方法に代えて、未硬化の樹脂を
加熱硬化させる方法を用いてクラッド層を形成し、光導
波路としてもよい。
【0055】さらには、クラッド形成用樹脂として、上
記コア形成用樹脂とは異なる波長の光を照射することに
より初めて重合し、硬化後の光屈折率が硬化後のコア形
成用樹脂の光屈折率よりも小さいものを選択しておき、
コア層を形成した後、未硬化の感光性組成物全体にクラ
ッド形成用樹脂が重合する波長の光を照射する方法を用
いてクラッド層を形成し、光導波路としてもよい。この
ような形成方法を用いることにより、光配線との接続性
に優れるとともに、系全体が固体化して安定性に優れる
光導波路を形成することができる。なお、2種類以上の
樹脂(例えば、コア形成用樹脂とクラッド形成用樹脂)
を含む感光性組成物を用いる場合、その混合比は特に限
定されない。
【0056】また、本発明の光導波路の形成方法は、2
本の光配線間を光学的に接続する光導波路を形成する方
法としても用いることができる。図2(a)〜(d)
は、本発明の光導波路の形成方法の別の一例を説明する
ための模式図である。
【0057】具体的には、まず、光学的に結合すべき対
をなす光ファイバ12、12′を対向配置し、この光フ
ァイバ12、12′の端部間を包囲するように感光性組
成物等を塗布する等により、光ファイバ12、12′の
端部をともに、感光性組成物等11に浸漬する(図2
(a)参照)。次に、上記感光性組成物等11を硬化さ
せるための光を、一方の光ファイバ12から対向する光
ファイバ12′に向けて照射する(図2(b)参照)。
このように、一方の光ファイバ12から他方の光ファイ
バ12′に向かって光を照射することにより、感光性組
成物等11が、光の経路に応じて、光ファイバ12側か
ら序々に硬化し、光ファイバ12と光ファイバ12′と
を接続する光導波路のコア層が形成されることとなる
(図2(c)〜(d)参照)。この後、上記した方法と
同様の方法を用いてクラッド層を形成することにより、
2本の光ファイバ間を光学的に接続する光導波路を形成
することができる。
【0058】また、上述した2本の光ファイバ間を接続
する光導波路の形成方法では、1本の光ファイバのみを
介して光を照射しているが、この方法に代えて、2本の
光ファイバのそれぞれから他方の光ファイバに向かって
光を照射してもよい。この場合、2本の光ファイバを介
して同時に光を照射してもよいし、それぞれの光ファイ
バから交互に光を照射してもよい。
【0059】また、2本の光ファイバから他方の光ファ
イバに向かって、同時に光を照射する場合には、2本の
光ファイバの光軸がズレていたとしても、2本の光ファ
イバ間を接続するコア層を形成することができる。すな
わち、まず、光学的に接続する2本の光ファイバ22、
22′の一端を感光性組成物等21に浸漬するととも
に、その一端同士がほぼ対向するように光ファイバを配
置する。なお、光ファイバ同士の光軸はズレている(図
3(a)参照)。次に、2本の光ファイバ22、22′
のそれぞれから感光性組成物等21を硬化させるための
光を相手側の光ファイバ22′、22に向けて照射する
(図3(b)参照)。この場合、光ファイバ22、2
2′から出射される互いの出射光X、Yが重なり合う部
分Zにおいて光の強度が高くなる。そこで、その重畳部
分Zの光の強度をコア形成用樹脂のみが重合可能な強度
となるように設定すれば、互いの出射光が重なり合う部
分Zにコア層24が形成されることになる(図3(c)
参照)。この方法では、一対の光ファイバ22、22′
の光軸がズレていたとしても、両光ファイバ22、2
2′の端部同士を結ぶ光の経路にコア層24が形成さ
れ、高い確率で両者を光学的に結合させることできる。
【0060】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0061】(実施例1) A.感光性組成物の調製 紫外線照射時にラジカル重合反応により硬化するアクリ
レート系の紫外線硬化性接着剤(ロックタイト社製、L
octite358;以下、樹脂Aという)と、同じ
く、紫外線照射時にカチオン重合反応により硬化するフ
ッ素化エポキシ系の紫外線便化性接着剤(NTT−AT
社製;以下、樹脂Bという)とを重量比1:1で混合す
ることにより感光性組成物を調製した。なお、それぞれ
の感光性樹脂の波長850nmにおける光屈折率は、樹
脂Aが硬化前:約1.47、硬化後:約1.50で、樹
脂Bが硬化前:約1.44、硬化後:約1.47であ
る。
【0062】B.光導波路の形成(図4参照) (1)GI型石英製マルチモードファイバ(フジクラ社
製、コア/クラッド=50μm/125μm)を1m程
度用意した。また、光ファイバの感光性組成物に浸漬す
る側のコアの端面の粗度は、Raが1μmで、Rmax
が10μmであった。なお、この端面の粗度は、キーエ
ンス社製のレーザ変位計を用いて測定した。また、この
光ファイバのコアの波長850nmにおける光屈折率
は、約1.46である。
【0063】(2)次に、ファイバ2の一端に、上記A
で調製した感光性組成物を塗り付け、250Wの高圧水
銀ランプを光源とした紫外線照射装置5(松下マシンア
ンドビジョン社製、5252L)より200〜500n
mの波長範囲に分光分布を持つ紫外線を入射して、ファ
イバ2の他端から出射される紫外線照度を紫外線照度計
(ウシオ電機社製、UIT−150)を用いて0.3m
W/cmになるように調整した。
【0064】(3)次に、出射側のファイバ2の端部を
光ファイバ用V溝基板6(モリテックス社製、石英V
溝)に位置させ、さらに、そのファイバ2の端部全体
に、上記Aで調製した感光性組成物1を隙間無く埋まる
ように塗布した。その後、V溝押さえ板にてファイバ2
の端部および感光性組成物1を動かないように挟み込ん
だ。
【0065】(4)次に、上記(3)の状態にファイバ
2を保持したまま、上記(2)にて照度を調整した紫外
線をファイバ2の出射端より感光性組成物1中に照射
し、コア層を形成した。
【0066】また、この(4)の工程においては、紫外
線を1秒間、3秒間、および、10秒間照射した際に、
形成したコア層の形状を顕微鏡(キーエンス社製、VH
−7000)を用いて観察した。その結果、紫外線を1
秒間照射した際には約300μm、3秒間の照射では約
500μm、10秒間の照射では約1mmのコア層が形
成されていた。
【0067】なお、本実施例とは別に、上記(1)〜
(4)と同様の工程を、単独の樹脂Aおよび樹脂Bのそ
れぞれについて行い、上記と同様に、1秒間、3秒間お
よび10秒間紫外線を照射した際の硬化状態を顕微鏡で
観察したところ、樹脂Aについては、1秒間で約300
μm、3秒間で約500μm、10秒間で約1mmの硬
化層が観察され、樹脂Bについては、1秒間で100μ
m以下、3秒間で約100μm、10秒間で約300μ
mの硬化層が観察された。
【0068】これらの結果から、上記(1)〜(4)の
工程を経て形成されたコア層は、感光性組成物中の樹脂
Aが選択的に硬化して形成されたものと考えられる。
【0069】(5)上記(1)〜(4)の工程を行った
後、上記と同じ紫外線照射装置5を用いて、約300m
W/cmの照度を持つ紫外線をファイバ2の先端部分
の感光性樹脂1を含むV溝基板6全体に30秒間照射
し、クラッド層を形成した。
【0070】この(5)の工程でクラッド層を形成した
後、顕微鏡観察を行なったところ、上記(4)の工程終
了後に観察されたコア層は、その形が保持されているこ
とが確認された。さらに、可視光をファイバ2の出射端
より照射し、光導波路からの漏光を観察することによっ
ても、光導波路形状に沿って漏光が観察され、安定した
光導波路が形成されていることが確認された。なお、本
実施例で形成した光導波路のコア層の光屈折率は、該コ
ア層の接続された光ファイバのコアの光屈折率の110
%以下であった。
【0071】(実施例2) A.感光性組成物の調製 実施例1のAと同様にして感光性組成物を調製した。
【0072】B.光導波路の形成(図5参照) (1)実施例1で用いたものと同様の長さ1m程度のG
I型石英製マルチモードファイバ(フジクラ社製、コア
/クラッド=50μm/125μm)を2本用意した。
なお、光ファイバの感光性組成物に浸漬する側のコアの
端面の粗度は、2本の光ファイバともに、Raが5μm
で、Rmaxが20μmであった。
【0073】(2)それぞれの光ファイバ12、12′
の片端より、250Wの高圧水銀ランプを光源とした紫
外線照射鼓置15(松下マシンアンドビジョン社製、5
252L)より200〜500nmの波長範囲に分光分
布を持つ紫外線を入力して、出射側とするそれぞれのフ
ァイバ12、12′のもう一方の端から照射される紫外
線照度を紫外線照度計(ウシオ電機社製、UIT−15
0)を用いて0.3mW/cmになるように調整をし
た。
【0074】(3)次に、それぞれの出射側のファイバ
12、12′の端部を500μm程度の間隔をあけて光
ファイバ用V溝基板16(モリテックス社製、石英V
溝)に付き合わせて位置させ、さらにその付き合わせ部
全体に、上記Aで調製した感光性組成物11をファイバ
12、12′間に隙間無く埋まるように塗布した。その
後、V溝押さえ板にて付き合わせ部および感光性組成物
11を動かないように挟み込んだ。
【0075】(4)上記(3)の状態に光ファイバ1
2、12′を保持したまま、一方の光ファイバ12の入
射側に波長850nmのLED光源(安藤電機製、AQ
2140およびAQ4215)を用いて、出力約−10
dBm(約0.1mW)の光を入射し、他方の光ファイ
バ12′の入射側から出射される光出力をパワーメー夕
(安藤電機社製、AQ2140およびAQ2730)を
用いて測定した。
【0076】(5)さらに、上記(3)の状態に光ファ
イバ12、12′を保持したまま、上記(2)で照度を
調整した紫外線をそれぞれのファイバ12、12′の出
射端より同時に、感光性組成物11中に1〜2秒間照射
した。
【0077】(6)上記(5)の工程の後、上記と同じ
紫外線照射装置15を用いて、300mW/cmの照
度を持つ紫外線を光ファイバ12、12′の付き合わせ
部分の感光性組成物11を含むV溝基板13全体に30
秒間照射した。
【0078】上記(1)〜(4)の工程を行ったとこ
ろ、感光性組成物11の硬化が未だ行われておらず、上
記(4)の工程終了時においては、8dB以上の光出力
の損失が測定された。また、上記(5)の工程終了時に
おいては、双方の光ファイバ12、12′の出射端より
コア層が形成され、それぞれのコア層が真中付近で結合
していることが顕微鏡で観察された。
【0079】さらに、上記(6)の工程で系全体を硬化
させてクラッド層を形成した後も、上記(5)で観察さ
れたコア層は形が保持されていることが顕微鏡で確認で
きた。また、上記(4)で用いた方法と同様の方法によ
り、波長850nmにて光出力の損失を測定したところ
2dB〜5dBであり、この値は(4)にて測定された
ファイバ12、12′間に光導波路が形成されていない
状態よりも大幅に滅少している。すなわち、2本の光フ
ァイバ12、12′同士が確実に光結合されていること
を示しており、上記(6)の工程を施した後でも光が導
波していることが確認された。また実施例1と同様に、
可視光を一方のファイバ11の出射端より照射し、ファ
イバ12、12′間の光導波路からの漏光を観察するこ
とによっても、光導波路形状に沿って漏光が観察され、
安定した光導波路が形成されていることが確認された。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光導波路
の形成方法では、上記光配線の端面は、特に平坦化処理
が施されていないか、または、少なくとも端面のJIS
B 0601に基づく面粗度Raが、0.1μm以上
であるにも拘わらず、該光配線との接続性に優れるコア
層を形成することができる。さらに、上記範囲の粗度を
有する端面は、高精度な端面処理を施さなくても形成す
ることができるため、光導波路の形成工程を簡略化する
ことができるとともに、経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の光導波路の形成方
法の一実施形態を説明するための模式図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の光導波路の形成方
法の別の一実施形態を説明するための模式図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の光導波路の形成方
法のさらに別の一実施形態を説明するための模式図であ
る。
【図4】実施例1で行った光導波路の形成方法を説明す
るための概略図である。
【図5】実施例2で行った光導波路の形成方法を説明す
るための概略図である。
【符号の説明】
1、11、21 感光性樹脂または感光性組成物 2、12、12′、22,22′ 光ファイバ 3、13、23 コア 4、14、24 コア層 5、15 紫外線照射装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性樹脂または感光性組成物中に光配
    線の一端を浸漬し、上記光配線を介して光を照射するこ
    とにより、上記感光性樹脂または感光性組成物中の光の
    経路に応じたコア層を形成する光導波路の形成方法であ
    って、上記コア層の光屈折率は、上記光配線のコアの光
    屈折率の75〜125%であり、上記光配線の端面は、
    特に平坦化処理が施されていないか、または、少なくと
    も端面のJIS B 0601に基づく面粗度Raが、
    0.1μm以上であることを特徴とする光導波路の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 上記コア層の光屈折率は、上記光配線の
    コアの光屈折率の85〜115%である請求項1に記載
    の光導波路の形成方法。
  3. 【請求項3】 上記コア層の光屈折率は、上記光配線の
    コアの光屈折率の95〜105%である請求項1に記載
    の光導波路の形成方法。
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