JP4086355B2 - アリ用ベイト剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アリ用ベイト剤とその製造方法に関し、詳しくは膨潤した吸液性ポリマーからなる粒状体を用いた新規なアリ用ベイト剤とその製造方法、並びに製造用表面処理用薬液、製造のための浸漬用薬液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アリを防除するために殺蟻剤と誘引物質とを含む各種のタイプのアリ用防除製剤が知られている。その中でも粉状剤や顆粒状剤はベイト剤としてアリの活動域や巣の周囲、さらには家屋の周囲に散布したり、容器などに納めた状態で設置しておくだけでアリを誘引し防除することができることから、使用が簡単であり広く用いられている。
そして近年、アリ等のベイト剤の誘引性についていろいろと検討されており、その中でベイト剤の誘引性および喫食性に水分が関係していることが考察されている。そこでベイト剤の中に吸水材を添加することにより、水分を保持させ、乾燥条件下で水分を蒸散しつつ、長時間にわたり周辺よりも高水準の水分を保持することができるようにして優れた誘引性と喫食性を発揮させるような技術が検討されている。
【0003】
一方、ゴキブリ誘引毒餌剤において、使用時に該誘引毒餌剤が外部の水分を吸収しすぎてふやけたり、反対に乾燥し過ぎたりしてその効果が劣化するのを防ぐために吸水材を添加したり、誘引成分などを保持させた吸水材を誘引毒餌剤の中に添加することによりその効果を持続することが検討されている。
ところが、これらの製剤は製剤中の水分を調節することでその効果を維持するための検討がある程度なされているが、いずれも十分とはいえず、アリの中でも吸蜜性の種属に対しては誘引効果や喫食効果が発揮されにくく、それによって十分な防除効果を得ることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題点を解消し、優れた誘引性と喫食性をもつ、安定な粒状体を用いるアリ用ベイト剤を提供し、かつ前記アリ用ベイト剤を安価にかつ効率良く製造する方法、製造用の表面処理液、浸漬用薬液を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記のアリ用ベイト剤とその製造方法によって本発明の前記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
(1)膨潤した吸液性ポリマーからなる粒状体であって、アリを防除するための害虫防除剤が保持されていることを特徴とするアリ用ベイト剤。
(2)前記粒状体の少なくとも表面にアリを防除するための害虫防除剤が保持されていることを特徴とする前記(1)記載のアリ用ベイト剤。
(3)表面にアリを防除するための害虫防除剤を保持した吸液性ポリマーに少なくとも誘引成分を含む液を吸収させ、該吸液性ポリマーを膨潤させて粒状体としたことを特徴とするアリ用ベイト剤。
(4)吸液性ポリマーに少なくとも誘引成分を含む液を吸収させて、該吸液性ポリマーを膨潤させて粒状体としたことを特徴とするアリ用ベイト剤。
【0006】
(5)膨潤した吸液性ポリマーからなり、アリを防除するための害虫防除剤が保持されている粒状体と、膨潤した吸液性ポリマー以外の物質からなり、害虫防除剤及び/又は誘引成分が保持されている他の製剤のものとが併用されていることを特徴とするアリ用ベイト剤。
(6)吸液性ポリマーの粒状体の表面にアリを防除するための害虫防除剤を含む溶液を処理・乾燥して少なくとも表面に前記害虫防除剤を保持した吸液性ポリマー粒状体とし、該吸液性ポリマー粒状体に少なくとも誘引成分を含む液を吸収させることで膨潤させ、粒状体とすることを特徴とするアリ用ベイト剤の製造方法。
(7)吸液性ポリマーの粒状体をアリを防除するための害虫防除剤と少なくとも誘引成分とを含む液に接触させて吸収させることで膨潤させ、粒状体とすることを特徴とするアリ用ベイト剤の製造方法。
(8)アリを防除するための害虫防除剤と揮発性溶剤とを含むことを特徴とする前記(6)のアリ用ベイト剤の製造方法に用いるための表面処理用薬液。
(9)アリを防除するための害虫防除剤、界面活性剤と水を含むことを特徴とする前記(7)のアリ用ベイト剤の製造方法に用いるための浸漬用薬液。
【0007】
前記の「膨潤した(吸液性ポリマーからなる)粒状体」としては、その好ましい態様として「ゼリー状」のものが挙げられる。ここで、「ゼリー状」とは、前記吸液性ポリマーが液を吸って膨潤し、そのままの状態で流動性がなく弾性的なかたまりとなっている状態をいう。「ゼリー」は「ゲル」の一種であるが、特に「コロイド液全体が分散媒を含んだまま流動性を失い弾性的なかたまりとなった状態をいう」ものであって、本発明では吸蜜性のアリに対しても有効であることを意図していることから、従来技術との区別上からも、本発明では特に「ゼリー状」というものである。
【0008】
本発明のアリ用ベイト剤は、膨潤した吸液性ポリマーからなる粒状体が担体であって、それに害虫防除剤等が保持されているものを用いるものであり、このアリ用ベイト剤は、例えば乾燥吸液性ポリマーの粒状体を前記害虫防除剤を含有する液に浸漬するなどの手段で容易に製造することができる。
このようにして得られたアリ用ベイト剤は、例えば、害虫防除剤が親油性の場合には少なくとも表面に害虫防除剤を保持した状態であり、その吸液性ポリマーは、少なくとも誘引成分を含む液を吸収させることにより膨潤されており、粒状体となっている。そして、膨潤した吸液性ポリマーの内部には処理した害虫防除剤、例えば殺蟻剤の全体の中、例えば20%以下といった少ない量が存在し、その80%以上という大部分が粒状体、例えばゼリー状体の表面、及びその周囲にに存在することになる。
【0009】
さらに、吸液性ポリマー内部にある殺蟻剤の分布も比較的粒状体の表面に近い層内に分布しているという特徴をもつ。ただし、これらの吸液性ポリマーの内部やその表面に存在する殺蟻剤の量、さらにはポリマー内での分布は、用いる殺蟻剤の性状によってある程度は変化するものであって、ここに示した範囲に限られるものではない。例えば害虫防除剤が親水性の場合には、上記の親油性とは異なりポリマー内部にほぼ均一に吸収されることもある。
粒状体、例えばゼリー状体全体に平均した殺蟻剤の濃度はその有効量であればよく、例えば、0.0001〜10重量%程度を示すことができる。そしてアリが喫食、若しくは接触した時直ぐには死なず、巣に持ちかえった後死亡する程度の濃度とすることが望ましい。これによって、巣にいる蟻についても間接的に防除することができる。もっとも、その害虫防除剤が遅効性のものである場合には、このような細かい点まで考慮することは必要ではなく、その有効量を使用すればよい。
さらに、本発明のアリ用ベイト剤は、害虫防除剤が保持されてなく、誘引物質のみを保持しているいわゆる誘引剤であってもよく、この場合にもアリ用ベイト剤として有効に使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の害虫防除剤、すなわち殺蟻剤としては、殺蟻作用を有する化合物であればよく、例えばフィプロニルの他、ヒドラメチルノンや、レスメトリン、dl−レスメトリン、ペルメトリン、サイフェノトリン、フェノトリン、サイパーメスリンなどのピレスロイド系化合物及び/又はこれらの異性体、誘導体、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラチオン、カルクロホスなどの有機リン系化合物、バイゴン、セビンなどのカーバメイト系化合物、メトプレン、ハイドロプレン、プレコセン、エクダイソンなどのホルモン剤、ホウ酸などを例示し得るがこれらに限定されるものではない。また、これらと共に、共力剤を一緒に使用してもよい。共力剤としては、ピペロニルブトキサイド、S−421などを使用することができる。
殺蟻剤としては、本発明に使用する吸液性ポリマーの表面によく被覆させることができるが、ポリマーの表面を殺蟻剤を含む溶液で処理し、例えば塗布、乾燥して殺蟻剤を保持せしめた後、吸液性ポリマーを水を含むことのある液に浸漬させて吸液性ポリマーを膨潤させた場合に、吸液性ポリマー内部にはほとんど移行しないでその多くが表面に存在するような性状を有するものを選択使用することが好ましい。その理由としては、その作用からいって害虫防除剤が表面にあれば目的は十分達せられるもので、表面にあれば害虫が摂取し易く、使用する薬量が少なくてすむという利点がある。
【0011】
本発明に使用する吸液性ポリマーとしては、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸ソーダグラフト重合体の架橋物、ポリアクリル酸ソーダの架橋物、イソブチレン−マレイン酸共重合体の架橋物及びその塩、ポリビニルアルコールアクリル酸ソーダグラフト重合体の架橋物、ポリ酢酸ビニル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体の鹸化物の架橋物の塩、長鎖アルキルアクリレート架橋重合体、ポリソルボルネン、アルキルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクレート系架橋重合体などが示され、好ましくはイソブチレン−マレイン酸共重合体の架橋物及びその塩を挙げることができる。
前記吸液性ポリマーの吸液倍率(ここではポリマーの吸液能に対する倍率を意味する)は、吸液性ポリマーの吸液能を100とした場合、吸水能のものを例に示すと、その20/100〜100/100、好ましくは30/100〜40/100として用いるのがよい。このポリマーの吸液能はポリマーによって異なるものであって、ポリマーの有する吸液能に対して一杯の状態で使用すると、時間の経過に伴い内部にある液が表面に浮いてきたり、製剤自体が崩壊しやすいなどの欠陥があるので、それよりも吸液能一杯に満たない状態のものを使用することが好ましい。
【0012】
本発明に使用する前記吸液性ポリマーの粒状体(乾燥物)の大きさは、3〜100メッシュ(粒径5000μm〜150μmの範囲)のものが使用するに適しており、3〜50メッシュ(粒径5000μm〜300μmの範囲)のものが好ましく、8〜30メッシュ(粒径2000μm〜500μmの範囲)のものがより好ましい。
前記殺蟻剤を前記吸液性ポリマーに処理するには、その例として殺蟻剤はアルコール類(多価アルコール類を含む)、ケトン類、エステル類、エーテル類(グリコールエーテル類など)などの有機溶媒あるいは水、及びこれらの混合溶媒に溶解した液として塗布し、80℃以下で乾燥する。塗布方法としては、噴霧による吹きつけ法、浸漬法などが挙げられる。
【0013】
表面に害虫防除剤を保持した粒状体の形状をした吸液性ポリマーを誘引成分などを含む液中に浸漬して吸液性ポリマーを膨潤させ、粒状体のゼリー状アリ用ベイト剤を製造する方法に使用する誘引成分の液について以下に説明する。
本発明に使用するアリに対する誘引成分としては、炭水化物および/あるいは蛋白源(アミノ酸)が挙げられる。ただし、本発明に使用できるものは、それらを溶解した液中に前記吸液性ポリマーを浸漬した時、誘引成分が吸液性ポリマー中にその多くが浸透するものが適している。
前記炭水化物としては蔗糖、ブドウ糖、ソルビトール、セロビオース、還元デキストリンなどを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。この中、蔗糖、ソルビトール、ブドウ糖などが好ましい。
前記蛋白源(アミノ酸)としては、グリシン、アラニン、チロシン、チロキシン、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルギニン、リジンなどを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
これらと共に脂質をも併用することができるが、この脂質は普通は水に溶けにくいことから、脂質を水に乳化、分散、可溶化することができる物質、例えば界面活性剤などと共に処理することで誘引成分として使用することができる。また前記の物質を主として粒状体の表面に付ける作用を有する点などで有用であり、例えば、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、ゴマ油、バター脂、昆虫からの油脂、イワシ油、サメ肝油などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0014】
前記吸液性ポリマー中に吸液させる液中の成分としては、前記誘引成分の他、防腐剤、pH調整剤、香料、色素、防腐剤などがあげられる。
本発明の前記誘引成分などを含む液に浸漬して吸液性ポリマーを膨潤させて製造された粒状体であるゼリー状のベイト剤は、その形状が球状であることが好ましいが、楕円形その他不定形の粒状体でもよく、その形は球面をもっているものでなくても、角状をした小片状のものでも粒状体に近い形をしていればどのような形であっても構わない。その大きさは、アリが好んで喫食し、また巣まで運搬するような大きさとするのがよく、平均粒径が0.1〜3.0mm程度、好ましくは0.5〜2.0mm程度のものである。またゼリー状のベイト剤は、ほかの粉体(アリが好む動植物の粉体や増量剤など)および結合剤を含んでいてもよい。
【0015】
本発明のベイト剤は、これ自体で優れた効果を有するが、その他の製剤と組み合わせて使用することで、より広範囲の蟻に対して有効に効果を奏することができる。例えば、顆粒状、粉状、ペースト状、液状、ゲル状、ゾル状(後の2者は吸液性ポリマーでないもの)などの他の製剤(剤型)のものと組み合わせると、それらの製剤について誘引性の高い蟻も同時に防除することができる。本発明のベイト剤と他の製剤とを併用する際には、両者を混合して使用するよりは、併置するようにして使用する方が効果が高い場合がある。
本発明のベイト剤が保持している害虫防除剤(その多くは粒状体のベイト剤の表面に存在している)、すなわち殺蟻剤は水、誘引成分やその他pH調整剤、防腐剤などの成分による影響を受けにくいので、安定であり、吸液性ポリマーを使用するという新規な発想によるものである。
【0016】
本発明のベイト剤の製造方法は、いくつかの方法を取ることができるが、その1つの方法として例示できるものは、吸液性ポリマーの粒状体を害虫防除剤を含有する溶液に浸漬するか、あるいは吹きつけにより、前記粒状体に害虫防除液を塗布した後、乾燥し、それにより得られた表面に害虫防除剤を保持した吸液性ポリマーの粒状体を誘引成分などを含み、必要な液量を有する液に浸漬して吸液性ポリマーを膨潤させ、全部の液を吸収したところで、膨潤したゲル体を引き上げればよい。
また、最も簡単な方法の例としては、吸液性ポリマーの粒状体を害虫防除剤及び誘引成分などを含み、所定量の液を有する液に浸漬して吸液性ポリマーを膨潤させ、予め定めた吸液倍率に達したところで、膨潤したゼリー状体を引き上げるものであって、この処理により前記粒状体の表面への害虫防除剤の被覆と吸液性ポリマーの膨潤とが同時に行われる。その液を吸収させる量は、前記したように、吸液性ポリマーの吸液倍率が、吸液性ポリマーの吸液能を100とした場合、吸水性にものを例に示すと、その20/100〜100/100、好ましくは30/100〜40/100の場合が良いから、その範囲で用いる。
【0017】
なお、吸液性ポリマーの安定性は、吸液性ポリマーの極性基(水酸基、カルボキシル基などのような)と物理化学的、つまりイオン的あるいは化学的相互作用するものがその中に存在すると劣り、経時的に脱膨潤し、離漿現象を起こすことがあり、従って、誘引成分自身およびそれと共に加える成分は、吸液性ポリマーの極性基と相互作用を起こさないものを選択することが必要である。
なお、吸液性ポリマーの膨潤度は、実用上薬効を奏する上においてそれにかなりの影響を与える条件であるため、最適な範囲を選択することが必要である。
【0018】
本発明において防除の対象とするアリとしては、例えばヒメアリ、クロオオアリ、クロヤマアリ、アズマオオズカアリ、アミメアリ、トビイロケアリ、ルリアリ等が示される。
本発明の粒状体のアリ用ベイト剤は、以下に示す実施例から明らかになるように、優れた誘引作用を示す上にアリに対し優れた喫食性と運搬性を示す。
本発明の粒状体のアリ用ベイト剤は、侵入口を設けた容器に入れた形態でも、また容器に入れない場合でも環境の変化による影響を受けにくく、アリの通路や巣の近傍に置くような態様でも使用できる。
容器に入れない場合でもまた環境変化を受けにくいことから、長期にわたって優れた誘引性と喫食性を維持できるものである。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により、本発明について詳しく説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1
A.球状ゼリー状アリ用ベイト剤の製造
球状ゼリー状アリ用ベイト剤の製造方法を図1を用いて説明する。
先ず、殺蟻剤であるフィプロニル(2g)をエタノール(98g)に溶解させてフィプロニル2%含有するエタノール溶液とする。吸水性ポリマーとしてイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の架橋物であるKIゲル−201K−G2(クラレ社製、以下「KIゲル」という)の32メッシュパス(平均粒径が500μm)の粒状体を使用し、前記フィプロニル2%含有するエタノール溶液10gを前記KIゲル100gと混ぜ合わせることによりその表面に保持させ、約50〜80℃で乾燥する。
別に下記第1表に示す組成の誘引剤を含む浸漬用薬液を準備し、この浸漬用薬液40部中に前記殺蟻剤で処理した吸水性ポリマー1部を添加し30分間吸収させ、球状ゼリー状アリ用ベイト剤を得る。
【0021】
【表1】
Figure 0004086355
【0022】
前記薬液は、30分間の吸収により前記吸水ポリマーの吸水能の40/100まで吸収され、粒径1.3mm〜1.8mmの球状ゼリー状アリ用ベイト剤とした。このようにして得られたアリ用ベイト剤はやわらかい球状のベイト剤であり、相互に滑り合うことがないので累積してアリに餌として供与するのに適している。
【0023】
B.球状ゼリー状アリ用ベイト剤の安定性試験
ポリプロピレン製のトレイに約1.5gのAで得たアリ用ベイト剤を充填し、シリカ蒸着フイルムで包み、シールし、40℃の室内条件および窓際に約2.5ヶ月間置いてアリ用ベイト剤の安定性を調べた。Aで得た球状ゼリー状アリ用ベイト剤は離漿を起こすことはなく安定であった。
C.各種アリに対する誘引性および喫食性の試験
オオズアカアリ、トビイロシワアリおよびトビイロケアリに対してAで得た球状ゼリー状アリ用ベイト剤を供与し、その誘引性および喫食性を試験した。試験結果を第2表に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0004086355
【0025】
D.各種アリに対する防除効果
オオズアカアリ、トビイロシワアリおよびトビイロケアリに対してAで得た球状ゼリー状アリ用ベイト剤を供与し、その防除効果を観察した。その結果を図2のグラフに示した。
アリ用ベイト剤を設置した後1日間で、いずれのアリも活動数は著しく低下し、7日後ではほとんど活動はみられず、高い防除効果が認められた。
【0026】
実施例2
E.球状ゼリー状アリ用ベイト剤の製造
殺蟻剤であるフィプロニル(0.003g)をエタノール(1g)とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)(5g)と混合した後、加熱してエタノールを除去したものを水500gと混合してフィプロニルの水分散液を得る。一方、ブドウ糖(300g)、ソルビン酸カリウム(1g)、安息香酸デナトリウム(0.02g)、色素(微量)、水(174g)を混合して誘引成分溶液を調製し、これを前記のフィプロニルの水分散液と混合する。
吸水性ポリマーとしてイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の架橋物であるKIゲルの32メッシュパス(平均粒径が500μm)を使用し、前記の混合液(100g)を前記KIゲル2.5gと混ぜ合わせ、30分間吸液させ、球状ゼリー状アリ用ベイト剤を得た。
【0027】
実施例3
F.誘引剤のみを有する球状ゼリー状アリ用ベイト剤の製造
第3表に示す組成からなる誘引成分溶液を調製した。
吸水性ポリマーとしてイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の架橋物であるKIゲルの32メッシュパス(平均粒径が500μm)の球状体を使用し、第3表に示す誘引成分溶液(100g)を前記KIゲル2.5gと混ぜ合わせ、30分間吸液させ、球状ゼリー状アリ用ベイト剤を得た。
【0028】
【表3】
Figure 0004086355
【0029】
実施例4
G.顆粒ベイト剤の製造
第4表に示す成分を配合し、造粒機で造粒し、乾燥することにより、平均粒径が1000μmである顆粒状の形状をした顆粒ベイト剤を製造した。
H.球状ゼリー状体と顆粒剤との併用のアリ用ベイト剤
第5表に示す成分を配合し、実施例1と同様にして球状ゼリー状体を調製し、それをGで得た顆粒ベイト剤と併用した。
【0030】
【表4】
Figure 0004086355
【0031】
【表5】
Figure 0004086355
【0032】
I.試験方法
(試験方法)
上記Hで得た「併用のアリ用ベイト剤」と、比較のGで得た「顆粒ベイト剤」の両方について、各種のアリに対する誘引性試験を行った。
各種のアリに対し、「併用のアリ用ベイト剤」の場合には、両方のベイト剤を1.25gずつ置き、また「顆粒ベイト剤」の場合には、2.5g置き、ベイト剤を設置し1時間後における誘引性を調べた。
(試験結果)
「併用のアリ用ベイト剤」の場合の試験結果及び「顆粒ベイト剤」の場合の試験結果を第6表に示す。
「顆粒ベイト剤」だけの場合には誘引性が悪いか、或いは不十分であるものもあるのに対して、「併用のアリ用ベイト剤」については、総合的に誘引性に優れていた。
【0033】
【表6】
Figure 0004086355
【0034】
処方例1
J.液状製剤の製造
粒状ゼリー状アリ用ベイト剤と併用するために用いる液状製剤を第7表に示す割合で配合して製造した。
フィプロニルを界面活性剤に加え、適量の水に可溶化し、これに果糖、色素等を加えつつ水の量を増加し、100重量%とする。
【0035】
【表7】
Figure 0004086355
【0036】
処方例2
K.ペースト状製剤の製造
粒状ゼリー状アリ用ベイト剤と併用するために用いるペースト状製剤を第8表に示す割合で配合して製造した。
【0037】
【表8】
Figure 0004086355
【0038】
処方例3
L.粒状ゼリー状アリ用ベイト剤の調製
殺蟻剤であるフィプロニル(0.002g)をコーン油(40g)に溶解させてフィプロニル0.005%含有する溶液とする。次にグリセリン10gとマルトースシロップ20gとを、前記のフィプロニル含有溶液と混合する。
吸油性ポリマーとして長鎖アルキルアクリレート架橋重合体(商品名オレオソープPW−170)の粒状体29gを使用し、これを前記フィプロニル含有溶液と混ぜ合わせることにより、溶液を吸収させて膨潤させる。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、次のような効果が得られる。
1.粒状体であるためにアリに対する運搬性が優れ、それを適当な大きさとすることができ、かつアリに対する喫食性がよい。
2.吸液性ポリマーからなるため、状態が安定しており、アリ用ベイト剤を安定した性状のものとして提供することができる。
3.ゼリー状とすることにより吸蜜性のアリをも含み広範囲のアリにも有効に作用する。
4.粒状体のアリ用ベイト剤を特殊な技術を必要とせず、安価に製造することができる。
5.粒状体のアリ用ベイト剤を他の剤型のベイト剤と併用したアリ用ベイト剤とすると、広く各種のアリに対して誘引性をもつことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアリ用ベイト剤の製造工程の一例を示す説明図である。
【図2】本発明のアリ用ベイト剤の各種アリに対する防除効果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 殺蟻剤を被覆した吸水性ポリマー
2 浸漬用薬液
3 容器
4 球状のアリ用ベイト剤

Claims (9)

  1. 膨潤した吸液性ポリマーからなる粒状体であって、アリを防除するための害虫防除剤が保持されていることを特徴とするアリ用ベイト剤。
  2. 前記粒状体の少なくとも表面にアリを防除するための害虫防除剤が保持されていることを特徴とする請求項1記載のアリ用ベイト剤。
  3. 表面にアリを防除するための害虫防除剤を保持した吸液性ポリマーに少なくとも誘引成分を含む液を吸収させ、該吸液性ポリマーを膨潤させて粒状体としたことを特徴とするアリ用ベイト剤。
  4. 吸液性ポリマーに少なくとも誘引成分を含む液を吸収させて、該吸液性ポリマーを膨潤させて粒状体としたことを特徴とするアリ用ベイト剤。
  5. 膨潤した吸液性ポリマーからなり、アリを防除するための害虫防除剤が保持されている粒状体と、膨潤した吸液性ポリマー以外の物質からなり、害虫防除剤及び/又は誘引成分が保持されている他の製剤のものとが併用されていることを特徴とするアリ用ベイト剤。
  6. 吸液性ポリマーの粒状体の表面にアリを防除するための害虫防除剤を含む溶液を処理・乾燥して少なくとも表面に前記害虫防除剤を保持した吸液性ポリマー粒状体とし、該吸液性ポリマー粒状体に少なくとも誘引成分を含む液を吸収させることで膨潤させ、粒状体とすることを特徴とするアリ用ベイト剤の製造方法。
  7. 吸液性ポリマーの粒状体をアリを防除するための害虫防除剤と少なくとも誘引成分とを含む液に接触させて吸収させることで膨潤させ、粒状体とすることを特徴とするアリ用ベイト剤の製造方法。
  8. アリを防除するための害虫防除剤と揮発性溶剤とを含むことを特徴とする請求項6のアリ用ベイト剤の製造方法に用いるための表面処理用薬液。
  9. アリを防除するための害虫防除剤、界面活性剤と水を含むことを特徴とする請求項7のアリ用ベイト剤の製造方法に用いるための浸漬用薬液。
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