JP4085897B2 - 混合冷媒とそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合冷媒に特定な炭化水素類を混合して構成した混合冷媒と、それを用いた冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷凍サイクル装置は、圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブや膨張弁等の減圧器、蒸発器、等を配管接続して冷凍サイクルを構成し、その内部に冷媒を循環させることにより、冷却または加熱作用を行っている。これらの冷凍サイクル装置における冷媒としては、フロン類(以下便宜上米国ASHRAE34規格に基づきRを付した記号の次に2桁または3桁の数字をもって記す)と呼ばれるメタンまたはエタンから誘導されたハロゲン化炭化水素が知られている。
【0003】
上記のような冷凍サイクル装置用冷媒としては分子式がCH2F2で沸点が−51.7℃のジフルオロメタン(以下このジフルオロメタンをR32と言う)と分子式がC2HF5で沸点が−48.1℃のペンタフルオロエタン(以下このペンタフルオロエタンをR125と言う)との混合冷媒(以下この混合冷媒をR410Aと言う)などが用いられている。
【0004】
このR410Aは分子構造中に塩素を含まず水素を含むフッ化炭化水素類(以下HFC冷媒と言う)の混合冷媒であり、分子構造中に塩素を含むフッ化炭化水素類(以下HCFC冷媒と言う)、例えば、R22などが成層圏のオゾン破壊能力があり、モントリオール議定書によって使用量及び生産量の規制がされているHCFC冷媒の代替冷媒として使用されている。そして、HFC冷媒は、地球温暖化係数(以下GWPと記す)が高いという課題がある。
【0005】
また、R410Aを用いた冷凍サイクル装置では、高温の給湯をおこなうヒートポンプ給湯機用の冷媒として使用される場合、凝縮過程を含まない遷臨界サイクルとなりうるものであり、冷凍サイクル装置の圧縮機における吐出圧力がR410Aをエアコンなどに使用する場合の一般的な設計圧力(65℃の飽和圧力)である4.2MPaより上昇し、圧縮機吐出温度も上昇しやすく、冷凍サイクル部品の耐圧を強化し、圧縮機モータの絶縁材料や圧縮機用潤滑油の信頼性に細心の注意をしなければならないという課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記するR410Aの課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題はR410Aを使用したエアコン同等の耐圧強度を持つ機器に使用可能な優れた特性をもった代替冷媒、および、R410AとHCFC冷媒からなる混合冷媒を用い、圧縮機吐出温度を低減できる冷凍サイクル装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記する課題を解決するため、本発明はR410Aとプロパンとからなり、プロパンの含有量が65重量%以上含むことを特徴とする混合冷媒とした。
【0008】
また、本発明はR410Aとシクロプロパンとからなり、シクロプロパンの含有量が50重量%以上含むことを特徴とする混合冷媒とした。
【0009】
また、本発明はR410Aとイソブタンとからなり、イソブタンの含有量が20重量%以上含むことを特徴とする混合冷媒とした。
【0010】
また、本発明はR410Aとブタンとからなり、ブタンの含有量が10重量%以上含むことを特徴とする混合冷媒とした。
【0011】
また、本発明は前記した各混合冷媒に、着臭剤や着色剤の漏洩検知助剤を添加することとした。
【0012】
また、本発明は前記した各混合冷媒のうちの一つの混合冷媒を用いることを特徴とする冷凍サイクル装置とした。
【0013】
また、本発明は圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器を環状に接続し冷凍サイクルを構成し、前記凝縮器を流れる前記した各冷媒のうちの一つの冷媒と非加熱流体とを対向して流して、熱交換させることを特徴とする冷凍サイクル装置とした。
【0014】
また、本発明は減圧器の出口側から蒸発器の入口側までの間に設けられた気液分離器で、前記した各混合冷媒のうちの一つの混合冷媒の気相冷媒と液相冷媒を分離し、液相冷媒は蒸発器に流入するように気液分離器の配管を蒸発器に接続し、気相冷媒は圧縮機の吸入部に流入するように気液分離器の配管を圧縮機吸入部に接続することとした。
【0015】
また、本発明は圧縮機に封入される潤滑油が、圧縮機の動作条件において前記した各混合冷媒のうちの一つの混合冷媒と溶解または一部溶解し、2センチストークス以上の粘度の潤滑油とした。
【0016】
また、本発明は前記した圧縮機に低圧型圧縮機を用いることとした。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態の主要部とすることにより、達成出来るのであるが、以下には本発明の具体的な実施の形態の意義について、図1から図4を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1に、R410Aと分子式がCH3−CH2−CH3で沸点が−42.1℃、臨界温度が96.7℃のプロパン(以下R290と言う)と、分子式がC3H6で沸点が−32.9℃、臨界温度が125.2℃のシクロプロパン(以下RC270と言う)と、分子式がi−C4H8で沸点が−11.7℃、臨界温度が134.7℃のイソブタン(以下R600aと言う)と、分子式がn−C4H8で沸点が−0.5℃、臨界温度が152.0℃のブタン(以下R600と言う)等のHFC冷媒との混合冷媒の温度65℃における気液平衡特性を示す。
【0019】
同図から、冷媒であるR410AとHFC冷媒であるRC270、R600a、R600等とは非共沸混合冷媒を構成し、R410AとR290はR290の濃度が約25重量%で共沸点を持つが、それ以上の濃度では非共沸性を示すことがわかる。非共沸混合冷媒である、R410AとRC270、R410AとR600a、R410AとR600は、HFC冷媒の濃度が高くなるに従い飽和圧力は低下し、共沸点を有するR410AとR290は、R290の濃度が約50重量%以上でR410Aと同等以下の飽和圧力になる。
【0020】
図2は本発明の実施の形態1における冷凍サイクル装置の概略構成を示したものであり、同図において、11は圧縮機、12は凝縮器、13は減圧器、14は蒸発器であり、これらを配管接続することにより閉回路を形成し、凝縮器において水と冷媒は対向して流れて熱交換し、ヒートポンプ給湯機を構成している。冷媒としてR410Aと非共沸性の高いHFC冷媒からなる混合冷媒が封入されている。
【0021】
図3は本発明の冷凍サイクル装置にR410A35重量%、R290が65重量%を充填し、運転した場合の凝縮器の冷媒温度と水温変化を示したものである。ここで、加熱性能は、給水温度は10℃、凝縮器の冷媒温度と水温とのピンチ温度を5deg、凝縮器出口冷媒温度を19℃、蒸発器の平均蒸発温度を2℃として、凝縮器出口水温度が90℃となるように凝縮冷媒圧力を制御している。
【0022】
その結果、凝縮冷媒圧力4.2MPaで、水温90℃に加熱できる。
(表1)は、R410AとR290とからなる3成分系で、R290が60重量%から100重量%の混合冷媒(R290が100重量%はR290の単一冷媒)、R410AとRC270からなる3成分系でRC270が50重量%の混合冷媒、R410AとR600aとからなる3成分系でR600aが20重量%の混合冷媒、R410AとR600とからなる3成分系で、R600が10重量%の混合冷媒をヒートポンプ給湯機に用い、加熱性能を、R410Aおよび、R290の各単一冷媒と比較したものである。
【0023】
【表1】
【0024】
(表1)から明らかなように、R290を65重量%以上、R600aを20重量%以上、R600を10重量%以上にすれば、圧縮機の吐出圧力が、R410Aをエアコンなどに使用する場合の一般的な設計圧力(65℃の飽和圧力)である4.2MPaより低い圧力で90℃の給湯が可能となる。
【0025】
また、R410AやR290の各単一冷媒と比較すると、R290の濃度の増加とともに凝縮圧力は低下し、R290の濃度が30重量%でR410AやR290と同等以上の成績係数(COP)を示し、RC270、R600aやR600を混合してもR290の単一冷媒より高い値を示す。
【0026】
(表1)の凝縮温度勾配(ΔTc)は、非共沸混合冷媒の特徴であり、圧力一定の状態で冷媒が凝縮器で凝縮する時の温度変化を示すものである。R410Aと非共沸性の高いHFC冷媒を混合したことによって、凝縮温度勾配大きく、例えば、R290が30重量%の濃度で7.6℃になり、凝縮器において水と冷媒が対向して流れ熱交換するような給湯機のサイクルでは、平均凝縮温度の低下、圧縮比の低下につながり、成績効率の向上につながっている。
【0027】
さらに、(表1)からは、HFC冷媒の吐出温度低減効果により、R290が70重量%ではR410Aと比較して8degの吐出温度低減効果があることがわかる。このことは、他のRC270、R600a、R600等のHFC冷媒を混合する場合にも同様の効果を奏するものであり、R410AとHFC冷媒を混合すれば、HFC冷媒の吐出温度低減効果により、この混合冷媒を冷凍サイクル装置に用いたときに、R410Aのみを用いたときに比べ圧縮機における吐出温度を低減できるという作用を奏する。
【0028】
また、冷凍サイクル装置としての冷媒を、R410Aと自然冷媒であるHFC冷媒を含む混合冷媒とすることにより、成層圏オゾン層に及ぼす影響をなくすることを可能とするものである。さらにかかる混合冷媒は、GWPがほとんどないHFC冷媒を混合するため、R410Aと比較し地球温暖化に対する影響を低減できるものである。
【0029】
R410Aの混合量が少ない場合については、以下の通りである。すなわち、(表2)に示す如く、凝縮温度勾配(ΔTc)は、非共沸混合冷媒の特徴であり、圧力一定の状態で冷媒が凝縮器で凝縮する時の温度変化を示すものである。R410Aと非共沸生の高い炭化水素類を混合したことによって、凝縮温度勾配が大きくなり、凝縮器において水と冷媒が対向して流れ熱交換するような給湯機のヒートポンプサイクルでは、平均凝縮温度の低下、圧縮比の低下につながり、成績効率の向上につながる。
【0030】
例えば、80℃の凝縮温度の場合、凝縮温度勾配(ΔTc)が4deg以上となるのは、プロパンが90重量%以下、シクロプロパンが90重量%以下、イソブタンが98重量%以下、ブタンが98重量%以下の場合である。
【0031】
【表2】
【0032】
また、R290、RC270、R600a、R600等のHFC冷媒に対して、漏洩検知助剤として、メチルメルカプタン、テトラヒドロチオフェン、アンモニア、等を主成分とする着臭剤や、アゾ顔料、蛍光染料、蛍光顔料、等を主成分とする着色剤や、着臭剤の溶解助剤、着色剤の溶解助剤、等が微少量添加しても、通常ppmオーダーの極く微量の含有で効果を発揮するものである。
このように、R410AとHCF冷媒からなる3成分系の冷媒を、冷凍サイクル装置の冷媒として用いる場合、優れた特性を示すものである。
【0033】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における冷凍サイクル装置の概略構成を示したものであり、同図において、11は圧縮機、12は凝縮器、13は減圧器、15は気液分離器、14は蒸発器であり、これらを配管接続することにより閉回路を形成し、図中矢印の方向に冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、冷媒としてR410Aと非共沸性の高いHFC冷媒からなる混合冷媒が封入されている。
【0034】
さらに、気液分離器15では混合冷媒の気相冷媒と液相冷媒を分離し、液相冷媒は蒸発器14に流入するように気液分離器15の配管を蒸発器14に接続し、気相冷媒は圧縮機11の吸入部に流入するように気液分離器15の配管を圧縮機11の吸入部に接続する構成となっている。
【0035】
ここで、R410AとHFC冷媒は非共沸性が高いため、気液分離器15で分離された気相冷媒では、低沸点成分のR410Aの濃度の高い冷媒となり、液相冷媒では高沸点成分のHFC冷媒の濃度の高い冷媒となる。蒸発器14にはHFC冷媒の濃度が充填された濃度より高い混合冷媒が流入するため、非共沸性は小さくなり、温度勾配も小さくなる。
【0036】
その結果、蒸発器入口冷媒温度と出口冷媒温度の差が小さくなる。室外気温が低い場合、蒸発器の混合冷媒の温度は低下して、0℃以下のフィン部分に着霜するが、気液分離器で混合冷媒を気液分離して、蒸発器入口冷媒温度と出口冷媒温度の差を小さくできるため、蒸発器への部分的な着霜を防ぐことができる。
【0037】
また、R410AとHFC冷媒からなる混合冷媒を共存させると、運転状態においては、HFC冷媒が潤滑油に選択的に溶解するため、圧縮機11用の潤滑油は、圧縮機11の動作条件においてR410Aと不溶解域をもつ潤滑油であってもよく、潤滑油の選定や粘度管理が容易となる。特に、R410Aと各種の潤滑油の溶解性は、低温ばかりでなく、高温においても不溶解性となることが知られているが、圧縮機11においてHFC冷媒が潤滑油に選択的に溶解することによって、圧縮機11から吐出された潤滑油の圧縮機11への戻りを容易にし、圧縮機11内の潤滑油量を充分に保ち、圧縮機11の信頼性の向上を図ることができる。
【0038】
100℃で5センチストークス以上の粘度グレードをもつ潤滑油は、潤滑油の種類によって粘度指数も異なるため一概に言えないが、40℃ではほぼ50センチストークス以上の粘度グレードをもつ。このような100℃で5センチストークス以上の粘度グレードをもつ潤滑油と、R410AとHFC冷媒からなる混合冷媒を共存させると、圧縮機運転状態においては、HFC冷媒が潤滑油に選択的に溶解して潤滑油の粘度は低下する。
【0039】
すなわち、HFC冷媒が潤滑油に選択的に溶解して潤滑油の粘度が低下しても2センチストークス以上の粘度グレードをもつ潤滑油を選定しておけば信頼性上の保証が得られるものである。
【0040】
また、R410AとHFC冷媒からなる混合冷媒は全く溶解しないか、一部しか溶解しない潤滑油でも、圧縮機運転状態において潤滑油の粘度が2センチストークス以上の粘度グレードをもつ潤滑油を選定しておけば信頼性上の保証が得られるものである。
【0041】
粘度グレードの上限については特に特定しないが、100℃で20センチストークス以下程度が、摺動摩擦による消費電力の増大を防止するのに適当である。また潤滑油としては、ナフテン系やパラフィン系の鉱油、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、ポリアレキレングリコール油、カーボネート油、等の単独の基油でもよいし、これらの混合油でもよいことはもちろんのことである。
【0042】
本発明の実施例で用いている圧縮機11として低圧型圧縮機を用いる場合、潤滑油は冷凍サイクルの低圧冷媒と接するため、冷媒の潤滑油への溶解量を極めて少なくできるため、可燃性冷媒である炭化水素を含む冷媒量を少なくでき、機器の安全性を高めることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明においては以下の効果を有する。すなわち、
(1)冷媒を、R410AとR290からなり、65重量%以上のR290を含む混合冷媒とすることにより、成層圏オゾン層に及ぼす影響をなくし、地球温暖化に対する影響を低減し、高圧を低減して、R410Aを用いたエアコン用の部品を使用することができる。
【0044】
(2)冷媒を、R410AとRC270からなり、50重量%以上RC270を含む混合冷媒とすることにより、成層圏オゾン層に及ぼす影響をなくし、地球温暖化に対する影響を低減し、高圧を低減して、R410Aを用いたエアコン用の部品を使用することができる。
【0045】
(3)冷媒を、R410AとR600aからなり、20重量%以上のR600aを含む混合冷媒とすることにより、成層圏オゾン層に及ぼす影響をなくし、地球温暖化に対する影響を低減し、高圧を低減して、R410Aを用いたエアコン用の部品を使用することができる。
【0046】
(4)冷媒を、R410AとR600からなり、10重量%以上のR600を含む混合冷媒とすることにより、成層圏オゾン層に及ぼす影響をなくし、地球温暖化に対する影響を低減し、高圧を低減して、R410Aを用いたエアコン用の部品を使用することができる。
【0047】
(5)R410AとHFC冷媒を混合すれば、混合冷媒の非共沸性が高いため、ヒートポンプ給湯機などの冷凍サイクル装置に用いたときに、成績係数を炭化水素の単一冷媒より高くすることができる。
【0048】
(6)R410AとHFC冷媒を混合すれば、冷凍サイクル装置に用いたときに圧縮機における吐出温度をR410Aより低減できる。
【0049】
(7)HFC冷媒が主に圧縮機用潤滑油に溶解し、R410Aと共存する圧縮機用潤滑油の圧縮機へのオイルリターンを確保することができる。
【0050】
(8)圧縮機運転状態で、2センチストークス以上の粘度グレードをもつ潤滑油を選定しておけば信頼性上の保証が得られる。
【0051】
(9)圧縮機として低圧型圧縮機を用いる場合には、HFC冷媒の潤滑油への溶解量を少なくでき、冷凍サイクルの冷媒充填量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷媒の特性の一実施例を示す特性図
【図2】本発明による冷媒を用いた冷凍サイクル装置の一実施例を示す回路図
【図3】本発明による冷媒を用いた冷凍サイクル装置の凝縮冷媒温度と水温の変化を示す特性図
【図4】本発明による冷媒を用いた冷凍サイクル装置の他の実施例を示す回路図
【符号の説明】
11 圧縮機
12 凝縮器
13 減圧器
14 蒸発器
15 気液分離器
Claims (10)
- ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合冷媒にプロパンを混合した冷媒であって、プロパンの前記冷媒全体に占める含有量は65重量%以上としたことを特徴とする混合冷媒。
- ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合冷媒にシクロプロパンを混合した冷媒であって、シクロプロパンの前記冷媒全体に占める含有量は50重量%以上としたことを特徴とする混合冷媒。
- ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合冷媒にイソブタンを混合した冷媒であって、イソブタンの前記冷媒全体に占める含有量は20重量%以上としたことを特徴とする混合冷媒。
- ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合冷媒にブタンを混合した冷媒であって、ブタンの前記冷媒全体に占める含有量は10重量%以上としたことを特徴とする混合冷媒。
- 着臭剤または着色剤の漏洩検知助剤を添加したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の混合冷媒。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の混合冷媒を用いたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
- 圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器を環状に接続して冷凍サイクルを構成し、前記凝縮器を流れる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の混合冷媒と非加熱流体とを対向して流して、熱交換させることを特徴とする請求項6記載の冷凍サイクル装置。
- 減圧器の出口側から蒸発器の入口側までの間に設けられた気液分離器で、請求項1ないし5のいずれか1項に記載した前記混合冷媒の気相冷媒と液相冷媒を分離し、液相冷媒は蒸発器に流入するように気液分離器の配管を蒸発器に接続し、気相冷媒は圧縮機の吸入部に流入するように気液分離器の配管を圧縮機吸入部に接続することを特徴とする請求項6または7記載の冷凍サイクル装置。
- 圧縮機に封入される潤滑油が、圧縮機の動作条件において請求項1ないし5のいずれか1項に記載した混合冷媒と溶解し、2センチストークス以上の粘度の潤滑油としたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
- 圧縮機が低圧型圧縮機であることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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