JP4085716B2 - 垂直離着陸機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直離着陸機に係り、特に、ユーザーが、乗用車と同様の使用感覚により、広く利用することができる垂直離着陸機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在に至るまで、人や物の移動手段として自動車が広く使用されてきている。しかしながら、自動車はあくまでも走行可能な地域のみで利用され、走行可能な地面又は道路が存在しない場合には、目的地への移動、到達は不可能である。
【0003】
このような事情は、例えば、未だ、走行可能な道路が充分に整備されていない開発途上地域においては深刻であり、人や物の搬送にあたって自動車を即時に利用できない場合がある。また、道路網の発達した先進国においても、近年、自動車台数の増加に伴い、交通渋滞の事態が悪化している事情がある。従って、このような観点から、従来より飛行可能な乗用車両が検討されてきている。
【0004】
この場合、一般の航空機とは異なり、乗用車両として使用することを考慮した場合、滑走して離陸する場合には専用の滑走路が必要となることから、日常的な使用の観点からは一般的ではなく、あくまでも駐機している状態から垂直離着陸ができることが必要となる。
【0005】
一方、従来、図28に示すように、高揚力を発生しうる全体扁平形状に形成された胴体101と、この胴体101の両側に、小型の4枚の翼102を介して4機のプロペラ103,103,103,103を備えた航空機100が提案されている(特表平11−513635号参照)。
【0006】
この航空機100にあっては、上記翼102は略90度回動可能に形成され、上記胴体101内に装備されたガスタービンエンジンにより、減速機及びピッチ可変機構を介して駆動される4機のプロペラ103により発生する推力を利用して、垂直離着陸(VTOL)もしくは、短距離離着陸(R−VTOL, S−VTOL)を行ないうるように構成されている。
【0007】
そして、所定高度に至った場合には、上記翼102は回動されて水平位置に至り、プロペラ103,103,103,103は垂直方向において回転する状態に至り、水平方向の推力を得られ,水平飛行しうるように構成されている。
【0008】
しかしながら、このような従来の航空機100を、上記のような、現在要望されている「飛行可能な乗用車」に適用することを検討した場合には、以下のような不具合がある。
【0009】
即ち、上記航空機100にあっては、推力発生装置としてのプロペラ103が胴体110の外部に装着され、垂直離着陸時には、上記翼102が回動して上記プロペラ103が略水平に回転するように設定される。その結果、このプロペラ103の回転領域分、機体104の周囲に空間が必要となり、所定の面積の駐機スペースを必要とすることとなり、例えば、一般の駐車場等の極めて限られた場所への駐機、またはそのような場所からの離陸は不可能となり、乗用車感覚での使用は不可能である。
【0010】
また、プロペラ103が外方に剥き出しに配置され、乗用車としての利用は安全性の観点から困難である。
【0011】
一方、最も代表的且つ簡便な垂直離着陸機(VTOL)としては、図29に示すように、従来より、ヘリコプター111がある。
【0012】
このようなヘリコプター111は、大型のローター105を備え、このローター105を回転させて、発生する下方への空気の流れによる運動量の反作用により揚力を得ることから、機体106の長さと略同程度の長さ(約12m)のローター105を必要とする。その結果、ヘリコプター111の離発着には、いわゆるヘリポートを必要とし、「乗用車並の大きさ垂直離着陸機」の概念に適用することは不可能である。また、上記ローター105の大きさにより、乗用車107の大きさを逸脱する。
【0013】
この場合、例えば、エンジンを高性能大馬力なものにより構成した場合には、上記ローター径を小さくすることも可能である。
【0014】
しかしながら、図30乃至図32に示すように、例えば、5.3mの長さ寸法を有する乗用車107の幅寸法を逸脱しないように、約2mの長さ寸法のローター108を形成して、乗用車と同様の大きさ及び形状の機体109に装着し、「乗用車並みの大きさの垂直離着陸機」を構成した場合には以下のような不具合がありうる。
【0015】
垂直上昇時には、図31に示すように、ローター108の後流の直下に機体109があることから、機体109がプロぺラ後流の障害となり上昇のための推力が得られない。また、水平飛行時には、図32に示すように、機体109を傾斜させてローター108を傾斜させて飛行することとなるが、上記同様に、機体109がローター108のプロぺラ後流を遮ることとなり、十分な水平方向への推力が得られないこととなる。
【0016】
その結果、高速での飛行が不可能となり、機体109に発生する揚力を充分に利用することもできず、ローター108の回転駆動のための燃料を多量に積載する必要が生じ、機体109が大型化してしまうこととなり、「乗用車並の大きさの垂直離着陸機」を実現することは難しいものとなる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、現在、使用されている自動車に代替することができ、乗員及び貨物を運搬しうる、自動車感覚で使用可能な垂直離着陸機を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような課題解決のため、本発明にあっては、乗員が乗機して飛行しうる垂直離着陸機であって、全体として乗用車と略同様の大きさに形成されている。そして、この垂直離着陸機は、乗員が乗機可能なキャビンを有する胴体部と、機体を空中において推進させうる推進装置部と、この推進装置を駆動しうる駆動装置部と、折りたたみ可能に形成された主翼とを備えていることを特徴とする。
【0019】
従って、全体として乗用車と略同様の大きさに形成されていることから、ヘリポートのような広い駐機場を必要とはせず、離着陸は自動車の駐車場等から行なうことができ、乗用車感覚で使用することができる。
【0020】
また、上記推進装置部は、上記駆動装置により駆動されるプロぺラと、このプロぺラにより形成された気流の方向を制御しうるプロぺラ後流方向制御装置と、上記プロぺラ及びプロぺラ後流方向制御装置とを収納しうるハウジング部とを有し、離着陸時には、プロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を機体下方へ向けて垂直上昇又は下降のための推力を得ると共に、所定高度に上昇した場合にはプロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を水平方向に向けて水平飛行用の推力を得るように構成されている。
【0021】
従って、従来のヘリコプターのように大型のローターを設ける必要はなく、全体としての大きさを乗用車並の大きさに近づけることが可能となる。
【0022】
また、各推進装置部はそれぞれ、機体幅方向に沿って配置された2基のプロぺラを有してもよい。さらに、上記推進装置部は胴体部の機首下部と尾部上部とにそれぞれ1基づつ設けられていてもよい。このように2基の推進装置部が設けられていた場合には、仮に1基が故障した場合であっても他の1基により最低限の飛行は可能でありフェールセーフが達成される。
【0023】
また、上記駆動装置部は、胴体部の後部に搭載されている。駆動装置部はレシプロエンジンによって構成されていてもよく、ジェットエンジンにより構成されていてもよい。
さらに、電気モータにより構成することも可能である。
【0024】
また、上記機首下部に設けられた推進装置部には、ラダーが設けられており、機体のヨーイング制御を行う。
【0025】
また、上記推進装置部は、上記胴体部に機体水平方向において回動可能に固定されていてもよい。その結果、このように構成された場合には、上記ラダーによるヨーイング制御のみならず、より積極的に、プロぺラ後流の方向を変更することができる。その結果、容易にヨーモーメント力を得ることができ、より迅速かつ効率的に機体のヨーイング制御が可能となる。
【0026】
また、上記胴体部の後端部には主翼が設けられ、この主翼は、基端部と、この基端部に下方に折りたたみ可能に接合された翼部とを有する。
【0027】
従って、本発明にあっては、機が着陸している場合には、翼部を下方に折り畳んでおき、所定高度に上昇した場合には上記翼部を展開し、飛行に必要な揚力を得ることにより水平飛行を行うものである。
【0028】
その結果、着陸時には翼部を折り畳むことから、着陸に必要な面積を低減でき、乗用車と同様の広さの小さな駐機スペースであっても着陸することができる。また、水平飛行時には、上記翼部が展開されることから、上記翼部により必要な揚力を得て安定した飛行を行うことができる。
【0029】
上記翼部は、折りたたまれた際には、その先端部が、機首下部に設けられた推進装置部の下端部と略同一の高さ位置に至るように形成されている。その結果、機の着陸時には、推進装置部と翼部の先端部とが同時に接地し、着陸用装置としての役割を果たす。
【0030】
また、上記翼部にはフラペロンが設けられている。その結果、上記翼部のフラペロンにより、必要な揚力を発生すると共に、機体のローリング制御を行うことができる。
【0031】
上記翼部の先端部には車輪が設けられていてもよい。その結果、このように構成された場合には、例えば、ホバリング状態で着陸する際に機体の安定性をうるために翼部を展開していた場合で、所定の高さのビルの谷間等に着陸を行うような場合には、機体の横方向の移動、揺れ等により、翼端部が建物と接触するような場合には、上記車輪が建物壁面に接触することによって、建物に対する緩衝部として機能し、機体に損傷を与えることなく着陸を行うことが可能となる。
【0032】
また、着陸後にあっては、上記翼部が下方に折り畳まれ、機首下部に設けられた推進装置部の下端部と略同一の高さ位置に至ることから、上記車輪が地面に接地し、上記車輪を利用して地面上を移動することが可能となる。また、上記機首下部に設けられた推進装置部には着陸用のそりが設けられていてもよい。このように、推進装置部にそりが設けられていた場合には、上記翼部の車輪と相俟って、着地時の機体の移動を容易に行うことができる。
【0033】
上記プロぺラ後流方向制御装置は、プロぺラ後方に配置されたルーバー装置と、このルーバー装置を駆動しうる駆動装置を有する。
【0034】
従って、上記ルーバー装置が駆動装置により駆動されることにより、プロぺラ後流の方向は制御される。また、上記ルーバー装置は、機体左右方向に沿って配置され、
機体上下方向に複数枚設けられたフィンを備えている。この複数枚のフィンは部分的に駆動され、プロぺラ後流方向を部分的に変化させうるように構成されていてもよい。
【0035】
その結果、例えば、駆動部により複数枚のフィンを機体上方へ向け、残存するフィンを機体下方に向けることによりプロぺラ後流を機体上方及び機体下方の双方へ送ることが可能となり、プロぺラ後流の機体上方及び機体下方への分流制御により、機体を減速しつつ水平飛行、上昇飛行又は下降飛行を行うことができる。
【0036】
上記推進装置には前方を照射可能なライトが設けられていてもよい。さらに、上記推進装置にはキャビン内換気用の換気口が設けられていてもよい。
【0037】
上記推進装置には補助翼が設けられていてもよい。また、上記補助翼は、機首下部に設けられた推進装置部及び尾部上部に設けられた推進装置部の双方に設けられ、常態時には推進装置部と一体に形成されていると共に、必要時には展開して飛行に必要な揚力を得ることができるように構成されていてもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に従って、本発明を詳細に説明する。
【0039】
図1乃至図3に示すように、本実施の形態に係る垂直離着陸機10は、乗員が乗機して飛行でき、全体として乗用車と略同様の大きさに形成されている。即ち、乗員が乗機可能なキャビン11を有する胴体部12と、機体18を空中において推進させうる2基の推進装置部13,14と、この推進装置部13,14を駆動しうる駆動装置部15と、折りたたみ可能に形成された主翼16,16とを備えている。
従って、上記主翼16,16を折り畳んだ状態では、図2に示すように、一般の乗用車17の幅寸法W及び長さ寸法Lと略同じ全幅及び全長になるように形成されている。胴体部12は、本実施の形態にあっては、いわゆる涙滴形状に形成され、機首19と尾部20とはテーパを有し、流線形に形成されている。
【0040】
前部側推進装置部13は胴体部12の機首19の下部に設けられると共に、後部側推進装置部14は胴体部12の尾部20の上部に設けられ、図1及び図3に示すように、2基の推進装置部13,14はいずれも上記駆動装置部15により駆動されている。
【0041】
推進装置部13,14は、それぞれ、機体18の後方へ向けた推力を得ることができるように、機体18幅方向に沿って配置された2機のプロぺラ21,21と、このプロぺラ21,21により発生する推力の方向を制御しうるプロぺラ後流方向制御装置22と、上記プロぺラ21,21及びプロぺラ後流方向制御装置22とを収納しうるハウジング部23とを有している
上記推進装置部13,14を構成するハウジング部23は、図1及び図2に示すように、全体が長さ方向に短い筒状に形成され、幅寸法は胴体部12よりも大きく形成されている。図1及び図2に示すように、ハウジング部23の開口部24は横長の楕円形状であり、側面部25は、前端部26では大きな曲率を以って形成されているが後端部27に至るに従って曲率は減少し、後端部27においては開口部28は長方形状になるように形成されている。
【0042】
従って、ハウジング部23の形状は、前端部26においては、空気抵抗の少ない形状となっていると共に後端部27においては空気抵抗を増大する形状として形成されていることから、ハウジング部23の形状そのものが機体18全体の揚力の増大に寄与する。その結果、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のハウジング部23の下面部71は飛行時には、主翼16,16と共に揚力を発生する。
【0043】
上記プロぺラ21,21は、図4に示すように、上記ハウジング部23の前端部に機体横方向に並列に配置されている。本実施の形態にあっては、これらのプロぺラ21,21は、機体18の前後方向において同一平面状において配設され、プロぺラガバナ46,46に、回転時においても互いに干渉しない回転角度の位置関係で取り付けられている。このような取り付け位置関係を形成することにより、プロぺラ21,21の配置間隔寸法を低減し、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の幅寸法を不必要に大きなものになることを回避できる。
【0044】
なお、上記2機のプロぺラ21,21は、互いに反対方向へ回転するように装着されている。なお、プロぺラ21,21は前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の前後方向においてずらせて、プロぺラ21,21の回転平面が一致しないように装着することも可能である。
【0045】
図3に示すように、上記前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のプロぺラ後流方向制御装置22は、上記ハウジング部23の後端部に配置されており、上記プロぺラ21,21の後方に配置されたルーバー装置29と、このルーバー装置29を駆動しうる駆動装置30とを有する。
【0046】
上記ルーバー装置29は、機体幅方向に沿って配置され、機体上下方向に沿って複数枚配設されたフィン31を備えている。このフィン31は図5に示すように、ハウジング部23内において機体18の幅方向に沿って配設され、前端部はハウジング部23の幅方向両側部に設けられた一対の支持バー32,32に、支持点34により回動可能に固定され、後端部は駆動バー33により駆動され、駆動バー33が上下動することにより、フィン31は支持点34を中心に回動し、フィン31の上下方向における角度が変化することにより、プロぺラ後流35の流出方向を上下方向において変化させることができるように構成されている。
【0047】
上記駆動バー33は、図17に示すように、本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の上下方向に沿って複数設けられており、上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37とからなる。
【0048】
上方側駆動バー36は、上記複数枚のフィン31の内、上方部側フィン31aを上下動しうるように形成され、下方側駆動バー37は下方側フィン31bを上下動しうるように形成されている。その結果、複数枚のフィン31は、上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37を独立して駆動させた場合には、上段部及び下段部において独立して回動しうると共に、必要に応じて上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37を同方向に作動させた場合には、図5に示すように、上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37は協働して同一方向に作動しうるよう構成されている。
【0049】
上記駆動装置30は油圧シリンダーにより構成され、上記上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37はそれぞれ別個の油圧シリンダー48及び49により、独自に駆動されるように構成されている。
【0050】
その結果、図5に示すように、垂直離着陸機10の離陸時には、上記上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37は全て、油圧シリンダー48、49により下方へ駆動される。その結果、全てのフィン31は支持点34を中心として下方へ略45度回動し、この状態でプロぺラ後流35はフィン31を介して、機体18の下方へ向かって噴出され、機体18の垂直上昇用の推力を得ることができる。
【0051】
また、垂直離着陸機10が離陸後、所定高度に上昇した場合には、図10に示すように、プロぺラ後流方向制御装置22によりプロぺラ後流35を水平方向に向けて水平飛行用の推力を得るように構成されている。
【0052】
また、図3に示すように、前部側推進装置部13のハウジング部23の下面部には着陸用のそり62が設けられており、後述の主翼16の先端部に設けられた車輪58と共に着陸時の接地装置となる。このそり62は、前部側推進装置部13のハウジング部23の幅方向両端部に一対設けられている。
【0053】
また、図1に示すように、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のハウジング部23の両側後端部には、それぞれ補助翼68,68が設けられており、常態時にはハウジング部23の側面部25と一体となり同一表面を形成して格納状態にあり、必要な場合、緊急時の滑空用の翼等として使用することができる。
【0054】
この補助翼68,68は、図6に示すように、上端部は回動可能にハウジング部23の側面部25に固定される軸部89と、補助翼68,68が展張された場合に水平状態に固定する支持ロッド90,90とを有する。この支持ロッド90,90は、上端部が補助翼68,68の裏面側において、常時、補助翼68,68を展張しうるように付勢されており、補助翼68,68が展張された場合には、付勢力を以って自動的に補助翼68,68を水平状態に支持固定するように構成されている。
【0055】
即ち、補助翼68,68は、常態時にあっては、下端部94は適宜の固定手段によりハウジング部23の側面部25に固定されている。緊急時等において機体18に揚力が必要となった場合には、操縦者64は上記補助翼68,68の下端部91の固定手段を解除する。この場合、上述のように、支持ロッド90,90は常時、補助翼68,68を展張するように付勢されていることから、図7に示すように、支持ロッド90,90により、補助翼68,68は展張し、補助翼68,68を水平状態に支持固定する。
【0056】
なお、補助翼68,68の展張に関しては、適宜、アクチュエータ等を使用して機械的に展張するように構成してもよい。また、上記支持ロッド90,90はワイヤー等の手段を用いても良い。さらに、上記支持ロッド90,90等を使用することなく、補助翼68,68が開いて回動し、水平状態に至った場合には適宜の手段により回動を停止するようなストッパ手段を設け、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のハウジング部23付近に発生する気流により自動的に開い、上記ストッパ手段により水平状態に固定されるように構成してもよい。
【0057】
従って、本実施の形態に係る垂直離着陸機10にあっては、何らかのトラブルにより離陸後主翼16,16が展開できないような場合や、飛行中に主翼16,16に構造被害が発生したような場合には、補助翼68,68を使用することにより揚力を得ることにより、適切に機体18を着陸させることができる。
【0058】
一方、図3に示すように、上記駆動装置部15は、胴体部12の尾部20側に搭載されている。上記駆動装置部15は、プロぺラ21,21を駆動する主駆動装置38と、プロぺラ後流方向制御装置22を駆動しうる補助駆動装置39とを有する。
【0059】
上記主駆動装置38は、エンジン70と、このエンジン70の駆動力を前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14へ伝達するドライブシャフト40,45を有している。本実施の形態にあってはエンジン70は、レシプロエンジンにより構成されており、最大出力は600馬力であって、最大速度は500km /
時が可能である。
【0060】
前部ドライブシャフト40は、主ドライブシャフト40aと副ドライブシャフト40bとにより構成され、上記主ドライブシャフト40aは、エンジン70に設けられた駆動ギヤ41に係合する伝達ギヤ42を後端部に有し、機体18の前後方向に沿って機体18の下部を、キャビン11の床下を略貫通するようにして機首19側へ延設され、先端部には、コネクティングギヤ43を有する。上記副ドライブシャフト40bは、後端部に、上記コネクティングギヤ43と係合するコネクティングギヤ44を有し、先端部はプロぺラガバナー46に適宜のギヤを介して接続されている。
【0061】
後部ドライブシャフト45も、同様に、主ドライブシャフト45aと、副ドライブシャフト45bとにより構成され、主ドライブシャフト45aは機体18の尾部20へ向けて延設され、先端部にはコネクティングギヤ部43が設けられている。一方、副ドライブシャフト45bは尾部20から機体18の上方ヘ向かって延設され、後端部は、コネクティングギヤ部43を介して主ドライブシャフト45aに接続されていると共に後端部はプロぺラガバナー47に適宜のギヤを介して接続されている。
【0062】
なお、本実施の形態にあっては、エンジン70がレシプロエンジンにより構成されている場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、ジェットエンジン、又は高性能な電動式のモータにより構成してもよい。
【0063】
上記補助駆動装置39は、尾部20に搭載され、所定の油圧を発生し得る油圧発生装置により構成され、上記ルーバー装置29を駆動しうる油圧シリンダー48,49に油圧を供給し得る油圧パイプ50,51を有する。
【0064】
従って、上記ルーバー装置29は、補助駆動装置39により発生する油圧が油圧パイプ50,51を介して油圧シリンダー48,49に供給され、駆動されるように構成されている。その結果、離陸時には、補助駆動装置39から油圧が油圧パイプ50,51を介して油圧シリンダー48,49に供給され、油圧シリンダー48,49によりルーバー装置29を構成する上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37が機体18下方へ駆動されることによりルーバー装置29を駆動する。
【0065】
また、図3に示すように、前部側推進装置部13を構成する上記ハウジング部23の後端部には、ラダー52が設けられている。ラダー52はハウジング部23後端部において、上記ルーバー装置29の後流側に設けられ、ルーバー装置29により形成されたプロぺラ後流の方向を左右方向において変更しうるように形成されている。
【0066】
また、図2及び図3に示すように、上記主翼16は、胴体部12の尾部20側であって、キャビン11の後方に設けられており、胴体部12に固着された基部54と、この基部54に対して、機体水平位置と下方垂直位置との間を回動可能に接合された翼部55とにより形成されている。この翼部55にはフラペロン56が形成されており、フラップとエルロンの機能を同時に果たすように構成されている。
【0067】
この翼部55は、長さ寸法が前部側推進装置部13の高さ寸法と略同一に形成され、基部54を回動中心として90度下方に折り畳めるように構成されていることから、下方に折り畳んだ場合には、図3に示すように、前部側推進装置部13と共に地面57に接地する。
【0068】
この翼部55の端部には、車輪58が設けられている。この車輪58は、翼部55内部に設けられたフレーム部59に、コイルスプリング60及びダンパー95を介して固定された車軸69と、この車軸69に設けられたタイヤ61とを備えている。
【0069】
この車輪58は、翼部55が胴体部12下方に折り畳まれた場合には、離着陸用車輪として、上記前部側推進装置部13の下面部71に設けられたそり62と共に機体18を略水平状態に保持して着陸できるように形成されている。
【0070】
また、上記車輪58は、翼部55が水平に展開され主翼16を形成している場合には、図8において、符号58aにより示すように、機体18の後方部において胴体部12の高さ方向の中間部に位置する。その結果、例えば、ビル等の建築物が密集した地域のように狭い場所において離発着するような場合で、機体18がホバリング状態にあるような際に、主翼16が周囲の建築物に接触したような場合であっても、主翼16の先端部方向へ突出する車輪58のタイヤ61及び、上記スプリングダンパ60により当該衝撃を吸収緩和し、胴体部12を保護して機体18への衝撃の伝達を緩和し、機体18を保護することができる。
【0071】
また、特に、機体18がホバリング状態で回転中しているような場合で主翼16,16の端部が近接する建築物等と接触したような場合には、上記車輪58の回転により衝撃を回転方向に逃がすことができ、非常に有効である。
【0072】
一方、図3に示すように、上記キャビン11には、本実施の形態にあっては、一般の乗用車と同様に、4名の乗員が乗機できるように4つのシート65が配設され、操縦者64が機体18を適宜操縦できるように操縦桿53が設けられている。
【0073】
キャビン11の床部にはラダーペダル67が設けられ、操縦者64は、操縦桿53の操作により、上記フラペロン56を操作して、飛行時における揚力制御及び制動制御、さらに機体18のローリング制御を行ない、また、上記ラダーペダル67により上記ラダー52を操作して機体18のヨーイング制御を行なう。
【0074】
また、上記後方側シート65下方には燃料タンク66が設けられている。本実施の形態にあっては、後方側シート65は機体18の前後方向略中央部分に設けられていることから、燃料タンク66を後方側シート65の下方に設けることにより、燃料の増減による機体18の重量バランスの変化を最低限に押さえることができる。
【0075】
以下、本実施の形態の作用について説明する。
【0076】
本実施の形態に係る垂直離着陸機10は、着陸時には、上述のように、主翼16の翼部55は胴体部12下方に直角に折り畳まれており、前部側推進装置部13と共に、胴体部12の脚として機能し、前部側推進装置部13の下面部71のそり62と共に翼部55の先端部に設けられた車輪58が接地面(地面)57に接地した状態で機体18を保持している。
【0077】
乗員が乗車し、離陸する際には、操縦者64がエンジン70を始動させ、エンジン70の原動力はドライブシャフト40及びドライブシャフト45を経由して前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14へ伝達される。これにより前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のプロぺラ21,21が回転を開始し、その後、最大パワー時には最大回転に至る。
【0078】
また、操縦者64は補助駆動装置39を始動させ、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のプロぺラ後流方向制御装置22を作動させるための油圧を、油圧パイプ50,51を介して油圧シリンダー48,49,91に供給する。
【0079】
油圧シリンダー48,49は所定の油圧が供給された場合には、図5に示すように、上方側駆動バー36、下方側駆動バー37及び中段部駆動バー72を全て機体18下方へ向かって作動させ、プロぺラ後流方向制御装置22を構成するルーバー装置29を構成する全てのフィン31が支持点34を軸中心に機体18下方へ約45度回動する。
【0080】
その結果、プロぺラ後流35は、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のハウジング部23の開口部28から機体18の下方へ向かい接地面(地面)57へ当接することから、図9に示すように、機体18はその反力により機体18を上昇させることが可能となる。
【0081】
上昇後、所定高度に至った場合には、図1に示すように、操縦者64は翼部55を、基部54を中心に回動させて展開させ、主翼16を形成する。その後、図10に示すように、油圧シリンダー48,49を作動させて前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37を上方へ駆動させ、全てのフィン31を水平状態にし、プロぺラ後流35を機体18後方へ水平に向かって噴出させ、機体18前方への推力Fをうるように設定する。
【0082】
図11に示すように、これにより前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14により発生する全ての推力により機体18は前進し、垂直離着陸機10は水平飛行を行なう。この場合、本実施の形態にあっては、図11に示すように、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のハウジング部23,23の下面部71にも揚力L1が発生することから、上記主翼16により発生する揚力L2に加えて、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の下面部71に作用する揚力L1も水平飛行時に機体18に作用することとなる。
【0083】
また、操縦者64は、適宜、操縦桿53を操作することにより主翼16,16のフラペロン56,56及び前部側推進装置部13に装備されたラダー52を操作することにより、機体18の姿勢制御を行うことができる。
【0084】
即ち、垂直離着陸機10の飛行高度を上げたい場合には、フラペロン56を操作して揚力を増大させる。同様に、垂直離着陸機10の高度を下げたい場合には、フラペロン56を操作することにより抗力を増大させ、機体18に制動をかける。また、図12及び図13に示すように、ラダー52を操作することにより機体18のヨーイング制御を行なうことができ、
また、図14及び図15に示すように、フラペロン56,56を操作することにより機体18のローリング制御を行なうことができる。即ち、例えば、機体18を進行方向左側へ倒したい場合には、機体18の進行方向右側のフラペロン56aを下げ、左側のフラペロン56bを上げる。これにより右側の主翼16の揚力L1が増大すると共に左側の主翼16の揚力L2は減少し、その結果、機体18は矢印Aの方向へ傾く。
【0085】
また、上記フラペロン56,56を同時に上下動させることにより、ピッチング制御をすることができるが、ピッチング制御に関しては、後部側推進装置部14を使用することにより、より迅速に行なうことが可能である。即ち、図5に示すように、後部側推進装置部14のプロぺラ後流方向制御装置22を構成するフィン31を、飛行中に下方に回動させることにより、プロぺラ後流を機体18の下方に向け、その反力により、図16に示すように、機首19を下方へ向けることができる。同様に、後部側推進装置部14のプロぺラ後流方向制御装置22を構成するフィン31を、上方に回動させることにより、プロぺラ後流を機体18の上方に向け、その反力により機首19を上方へ向けることができる。
【0086】
さらに、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を使用することにより、様々な飛行制御が可能となる。即ち、水平飛行時において減速を行なう場合には、図17に示すように、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の上方側駆動バー36を駆動させて上半部のフィン31aを上方へ回動させると共に、下方側駆動バー37を駆動させて、下半部のフィン31bを下方へ回動させることにより、プロぺラ後流35,35を、機体18の上方及び下方へ同時に流出させることにより、抗力Dを発生させると共に、揚力L3及び反揚力−L3を発生させ、機体18前方への推力Fを減少させ、減速させることができる。
【0087】
また、さらに、フィン31をさらに分割して駆動させることにより、上昇飛行時の迅速な減速、降下飛行時の迅速な減速が可能となる。即ち、例えば、図18及び図19に示す実施の形態にあっては、前記実施の形態とは異なり、ルーバー装置29のフィン31を上下方向において3分割して作動させることができるように、上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37に加えて、中段部駆動バー72が設けられ、フィン31を上段部、中段部、下段部に分割してフィン31を作動させうるように形成され、必要に応じて、フィン31の方向の全体の比率を変更することができるように構成されている。
【0088】
従って、上昇飛行時に、減速の必要が生じた場合には、図18に示すように、上方側駆動バー36を上方へ駆動させて全体のフィン31の上方側1/3を機体18上方へ向け、中段部駆動バー72及び下方側駆動バー37をいずれも下方へ作動させることにより、全体のフィン31の下方側1/3を機体18下方へ向ける。
【0089】
この操作により、プロぺラ後流35の内、主流35aを機体18下方へ流出させるとと共に、副流35bを機体18上方へ流出させる。その結果、主流35aにより機体18の上昇の推力F及び揚力L4を確保しつつ、同時に、上記副流35bにより機体18の後方への抗力Dを確保し、上昇方向への制動力も確保することができる。
【0090】
また、機体降下時に、減速の必要が生じた場合には、図19に示すように、上方側駆動バー36及び中段部駆動バー72をいずれも上方へ駆動させて、全体のフィン31の上方側2/3を上方へ向けると共に、下方側駆動バー37を下方へ作動させることにより、全体のフィン31の下方側1/3を機体18の下方へ向け、プロぺラ後流35の内、主流35aを機体18上方へ流出させるとと共に、副流35bを機体18下方へ流出させる。
【0091】
その結果、主流35aにより機体18の下降のための推力F及び反揚力L4を確保しつつ、同時に、上記副流35bにより機体18後方への抗力Dを発生させ、機体18の下降方向への制動力も確保することができる。
【0092】
従って、図18及び図19に示す実施の形態にあっては、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のルーバー装置29を、上方側駆動バー36及び下方側駆動バー37、さらには中段部駆動バー72によって構成し、個別に駆動制御を行ないフィン31の設定方向の比率を変化させることにより、上昇又は降下飛行中であっても直接にプロぺラ後流35の方向及び割合を多様に変化させることから、様々な形態の減速制御を行なうことができ、フラペロン56による操作のみの場合に比して、機体18の運動性能を向上させることができる。
【0093】
このようにして飛行した垂直離着陸機10を着陸させる場合には、上記と同様の手順を逆に行なうことにより、所望の地域に適宜着陸させることができる。即ち、操縦者64は着陸位置が近づいた場合には、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を操作して、プロぺラ後流方向制御装置22のルーバー装置29を、フィン31が機体18上方へ向くように作動させ、プロぺラ後流35を機体18上方へ向かって噴出するように設定する。
【0094】
同時に、フラペロン56を適宜下方へ作動させて抗力を得、機体18への制動をかける。これらの操作により、機体18下方への反推力及び抗力を得ることから、機体18は効率よく下降し、着陸地点に到達する。
【0095】
この場合、必要に応じて、上方側駆動バー36、下方側駆動バー37及び中段部駆動バー72を操作して、フィン31の方向制御を行ない、前方への推力と、下降に必要な制動力とを調整しつつ機体18を安定させながら所定高度に至るまで降下する。
【0096】
なお、この場合、例えば、前部側推進装置部13又は後部側推進装置部14、もしくはその双方が機能を停止し、もしくはエンジントラブル等により所望の推力が得られない等の緊急時にあっては、上記のように上記補助翼68,68を展張し、滑空が可能なように形成されている。従って、必要な場合には、上記要領により補助翼68,68を使用して、所望の着陸地点に至るまで滑空を行ない着陸を行なうことができる。
【0097】
その後、機体18が所定高度に至った場合には、操縦者64は主翼16の翼部55を折り畳み、同様にプロぺラ後流方向制御装置22の操作により上方側駆動バー36,下方側駆動バー37及び、中段部駆動バー72を全て下方へ駆動させて全てのフィン31を下方へ向け、ホバリング状態を維持しつつ垂直に着陸予定地へ着地する。
【0098】
着陸に際しては、主翼16の先端部に装着された車輪58のコイルスプリング60、ダンパー95及びタイヤ61が、接地面(地面)57との接地に際してクッションとなり、着陸時の衝撃を有効に吸収する。
【0099】
図20及び図21は他の実施の形態を示す。本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13のプロぺラ後流方向制御装置22の後方側において、前部側推進装置部13の上下方向に沿ってアクチュエータ63が配設されている。このアクチュエータ63は油圧シリンダ73と油圧シリンダ内の油圧により駆動されるピストン74とにより構成され、上記ピストン74の先端部は上記そり62に接続されている。
【0100】
本実施の形態に係る垂直離着陸機10にあっては、離陸時には、操縦者64は、上記補助駆動装置39を作動させて油圧を供給することにより、アクチュエータ63を作動させ、ピストン74を接地面(地面)57に対して伸張させることにより、車輪58を支点として機体18の機首19側を持ち上げる。これにより、図20に示すように、機体18は車輪58を中心として所定角度機首19が上方を向き、この状態で前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を作動させて離陸させるものである。
【0101】
前記実施の形態にあっては、図5に示すように、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のプロぺラ後流方向制御装置22のルーバー装置29を構成するフィン31の角度を略45度下方へ向けることにより、プロぺラ後流35を機体18の下方へ噴出させて上昇推力を得ることとしているが、プロぺラ後流35の噴出方向をフィン31により略90度にわたり変化させることから、推力のロスが発生する。
【0102】
しかしながら、本実施の形態にあっては、離陸時に、機体18そのもののに仰角を付与することから、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のフィン31の角度を前記実施の形態における場合よりも小さくすることができ、プロぺラ後流35そのものの流出方向の変更に伴う、推力ロスを低減することができる。
【0103】
その結果、垂直離着陸機10の離陸、飛行等に必要なエンジン推力を低減することができることから、エンジンの大きさ及び重さも低減することができ、機体18の重量を低減することもできる。
【0104】
また、本実施の形態にあっては、離陸時に、機体18そのもののに仰角を付与することから、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の作動時における、ハウジング部23の開口部24からの小石、草等の障害物流入によるプロぺラ21,21の破損を防止することも可能となる。
【0105】
さらに、同様に図21に示すように、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を機体18の左右方向に沿って軸着すると共に、補助駆動装置39により供給される油圧により作動するアクチュエータ75,75をそれぞれ設けることにより、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を機体18の前後方向に沿って所定角度回動可能に形成することもできる。
【0106】
本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14は、それぞれ、軸部92,93を介して胴体部12に固定されると共に、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14の後端部に接合され、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を機体18から離間又は近接させうるアクチュエータ75が設けられている。従って、本実施の形態にあっては、アクチュエータ75を駆動することにより、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を軸部93,94を中心に、機体18後方へ向け、上下方向において所定角度分、回動しうるように形成されている。
【0107】
従って、本実施の形態にあっては、離陸時には、操縦者64はアクチュエータ75,75を作動させることにより前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を所定角度、機体18後方側へ回動させ、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14そのものに仰角を形成する。
【0108】
この状態で前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14を作動させることにより、図20における実施の形態の場合と同様に、前部側推進装置部13及び後部側推進装置部14のフィン31の角度をより小さくすることができ、プロぺラ後流35そのものの流出方向の変更に伴う、推力ロスを低減することができる。
【0109】
なお、図22は、ルーバー角度と空気力との座標において、入力推力、揚力及び抗力との関係を示すグラフである。このグラフより明らかなように、ルーバー装置29によりプロぺラ21,21のプロぺラ後流方向を機体18下方へ噴出するように角度変更を行ない、垂直離陸のための推力を得る場合には、機体18の通常の離陸、飛行に要求されるパワーの1.3倍のパワーが要求されるものである。
【0110】
しかしながら、図20及び図21に示す実施の形態によれば、上記のようにルーバー装置29のフィン31の偏向角度を小さく設定することがえできることから、プロぺラ21,21のプロぺラ後流を機体18後方へそのまま噴出させる場合に要求されるパワーと略同様のパワーでよく、要求されるエンジンパワーそのものを低減することができ、その結果、機体18の重量を低減することも可能となる。
【0111】
また、図23乃至図26は、本発明に係る垂直離着陸機10の他の実施の形態を示す。
【0112】
本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13が機首19において水平方向に回動可能に形成され、ヨーイング制御をより容易に行ない得るように構成されている。
【0113】
即ち、図23及び図24に示すように、本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13は軸部76を介して機首19に回動固定に固定され、ワイヤーリンク機構77を介してキャビン11内の操縦席に配設されたラダーペダル78,78と連動して操作しうるように形成されている。
【0114】
このワイヤーリンク機構77は、前部側推進装置部13を機首19へ回動可能に固定する軸部76と、この軸部76の機体後方側に設けられたワイヤー係止部80,80と、一対のラダーペダルが固定されたラダーバー81と、両端部がラダーバー81に固定され、上記ワイヤー係止部80,80を介して上記軸部76に掛けまわされたワイヤー79とにより構成されている。
【0115】
従って、操縦者64が操縦席において、一対のラダーペダル78,78のいずれかを踏んだ場合には、前部側推進装置部13はラダー52の作動に連動して、左右方向に回動するように構成されている。
【0116】
その結果、本実施の形態にあっては、例えば、図24に示すように、操縦者64が機体18を、機首が左方向へ回頭するように姿勢制御させようとして進行方向右側のラダーペダル78aを踏んだ場合には、ラダー52が操作されると同時に、上記ワイヤーリンク機構77により前部側推進装置部13が機体18の進行方向左側へ回動する。
【0117】
従って、前部側推進装置部13のプロぺラ後流35の噴出方向も機体18の進行方向右側後方へ変化することとなり、ラダー52による制御に加えて、前部側推進装置部13の推力により、進行方向左側への機体18のヨーイング制御が迅速に行なわれる。
【0118】
この状況を機体18全体で考慮した場合を図25及び図26に示す。通常、垂直離着陸機10が、特に、横風等の影響を受けることなく、直進して飛行している場合には、図25に示すように、前部側推進装置部13は通常の状態にあり、機体18後方へプロぺラ後流35を真っ直ぐに噴出している。従って、機体進行軸Xと推力軸FXとは一致している。
【0119】
一方、垂直離着陸機10が飛行中に斜めからの横風を受けたような場合、一般的には、尾部20は風下を向き機首19が風上を向くように機体18がZ軸周りに回頭し始める。この場合、一般的には、操縦者64はラダーペダル78,78によりラダー52を操作し、Z軸周りの偏揺れを適宜、修正又は維持することとなる。
【0120】
しかしながら、本実施の形態にあっては、例えば、機体18の進行方向左側斜め前方から横風を受けたような場合には、操縦者64は右側のラダーペダル78aを踏むことにより、上記ワイヤーリンク機構77により前部側推進装置部13を所定角度回動させ、機体18の進行方向左側へ開口部24を向ける。
【0121】
これにより、前部側推進装置部13の推力方向は、機体18の進行方向後方右斜め側へ変化することから、機体18に作用する推力軸FXは、前部側推進装置部13の回転軸Z1を中心に機体進行軸Xよりも進行方向左側に回転する。その結果、機体18の進行方向左側へのヨーモーメント力のベクトルPが発生し、斜め風に対する力のバランスを確保することができる。
【0122】
従って、本実施の形態にあっては、水平飛行時の斜めからの横風に遭遇したような場合、より迅速にヨーイング制御を行なうことが可能となる。
【0123】
さらに、垂直離着陸機10がホバリング状態で上昇又は降下している場合に横風を受けたような場合には、ラダー52のみの操作ではヨーイングモーメントが不足し、適切に機体18のヨーイング制御を行なうことができない場合がある。このような場合には、上記ワイヤーリンク機構77を用いて前部側推進装置部13を回動させ必要なヨーイングモーメント力を得、迅速適切にヨーイング制御を行うことができる。
【0124】
また、図27は本発明に係る垂直離着陸機10の他の実施の形態を示す。
【0125】
本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13のハウジング部23の開口部24の幅方向の中央上端部及び幅方向の中央下端部には、2機のプロぺラ21,21の間の空隙を埋めるように、エアインテーク部85及びライト部86が設けられている。エアインテーク部85及びライト部86はいずれも三角形状に形成され、エアインテーク用の開口部87及びライト88がそれぞれ設けられている。
【0126】
前記各実施の形態における前部側推進装置部13は、図4に示すように、ハウジング部23の2機のプロぺラ21,21の間には、中央上端部及び中央下端部にはそれぞれ、空隙部82が形成されており、この空隙部89において、プロぺラ21,21の回転に伴い渦流が発生し、プロぺラ21,21により形成されるプロぺラ後流35の円滑な噴出を妨げ、結果的に、推力低下へつながることとなる。
【0127】
そこで、本実施の形態にあっては、開口部24内において渦流の発生する可能性のある部位である、中央上端部及び中央下端部に、それぞれ、正面三角形状のエアインテーク部85及びライト部86を形成し、渦流の発生を防止すると共に、エアインテーク部85に設けられたエアインテーク用の開口部87から流入した空気はキャビン11内へ導入してキャビン11内の換気用空気に用いることとしている。この場合、飛行中にあっては、機体18の前面に位置することから、飛行速度に合致した動圧が作用し、有効に換気用の空気をキャビン11へ導入することができる。また、ライト部86に設けられたライト88は夜間における照明として利用しうるように構成されている。
【0128】
従って、本実施の形態にあっては、前部側推進装置部13内に装備されたプロぺラ21,21の作動による渦流の発生による推力低下を有効に防止できると共に、飛行中の動圧が最も高い前部側推進装置部13の前面にエアインテーク用の開口部を設けたことから、有効に室内換気用の空気を導入することができ、さらに、夜間の飛行にも有効な照明をうることができる。
【0129】
なお、上記各実施の形態における、機体全体の形状、各構成部分の具体的形状等は、上記実施の形態に限定されない。また、上記実施の形態にあっては、4名の乗員が乗機できる機体を例に説明したが、より多くの乗員を収容できるように構成することも可能である。
【0130】
【発明の効果】
従って本発明に係る垂直離着陸機にあっては、現在、使用されている自動車に代替することができ、乗員及び貨物を運搬しうる、自動車感覚で使用可能な、垂直離着陸機を提供することができる。
【0131】
また、本発明に係る垂直離着陸機にあっては、フェールセーフの観点から安全性に優れた垂直離着陸機を提供することができる。
【0132】
さらに、本発明にあっては、機体の制動操作及びヨーイング制御を容易かつ迅速に行なうことができ、機体の運動性能に優れた垂直離着陸機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、一般の乗用車と対比した状態を示す図である。
【図3】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す側面断面図である。
【図4】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、
前部側推進装置部を示す図である。
【図5】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す側面断面図であって、前部及び後部側推進装置部を示す図である。
【図6】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、特に、補助翼の構成を示す図である。
【図7】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、特に、補助翼の展開状態を示す図である。
【図8】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す側面断面図であって、特に、主翼を展開した状態での車輪の位置を示す図である。
【図9】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体の垂直離陸状態を示す図である。
【図10】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、水平飛行状態における推進装置部の作動状態を示す図である。
【図11】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体の水平飛行状態を示す図である。
【図12】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、ヨーイング制御状態を示す図である。
【図13】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体のヨーイング制御状態を示す図である。
【図14】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体のローリング制御状態を示す図である。
【図15】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体のローリング制御状態を示す図である。
【図16】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体のピッチング制御状態を示す図である。
【図17】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、水平飛行状態において減速した場合の推進装置部の作動状態を示す図である。
【図18】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、上昇飛行状態において減速した場合の推進装置部の作動状態を示す図である。
【図19】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、降下飛行状態において減速した場合の推進装置部の作動状態を示す図である。
【図20】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、前部側推進装置部内にアクチュエータを設け、離陸時に機体の機首側を上方へ持ち上げることができるように構成し、機首を持ち上げた状態を示す図である。
【図21】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す断面図であって、前部側及び後部側推進装置部内にアクチュエータを設け、前部側及び後部側推進装置部を回動させて機体上方に向くように構成した場合を示す図である。
【図22】 ルーバー角度と空気力との座標において、入力推力と抗力及び揚力との関係を示すグラフである。
【図23】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す部分斜視図であって、前部側推進装置部内にワイヤーリンク機構を設け、前部側推進装置部を水平方向において回動させるように構成した状態を示す図である。
【図24】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す部分斜視図であって、前部側推進装置部内にワイヤーリンク機構を設け、前部側推進装置部を水平方向において回動させた状態を示す図である。
【図25】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、機体進行軸と推力軸との関係を示す図である。
【図26】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す斜視図であって、前部側推進装置部内にワイヤーリンク機構を設け、前部側推進装置部を水平方向において回動させた状態における機体進行軸と推力軸との関係及び、作用するヨーモーメント力のベクトルを示す図である。
【図27】 本発明に係る垂直離着陸機の一実施の形態を示す部分斜視図であって、前部側推進装置部の前面中央部上下端部に空気取り入れ口とライトとを設けた状態を示す図である。
【図28】 従来のVTOLの一例を示す斜視図である。
【図29】 一般のヘリコプターと一般の乗用車との大きさの関係を示す図である。
【図30】 一般の乗用車に見合う大きさのローターを装備して、垂直離着陸機として構成した状態を示す斜視図である。
【図31】 一般の乗用車に見合う大きさのローターを装備して、垂直離着陸機として構成した場合において、上昇中のプロぺラ後流の状態を示す図である。
【図32】 一般の乗用車に見合う大きさのローターを装備して、垂直離着陸機として構成した場合において、水平飛行中のプロぺラ後流の状態を示す図である。
【符号の説明】
10 垂直離着陸機
11 キャビン
12 胴体部
13 前部側推進装置部
14 後部側推進装置部
15 駆動装置部
16 主翼
17 乗用車
18 機体
19 機首
20 尾部
21 プロぺラ
22 プロぺラ後流方向制御装置
23 ハウジング部
24 開口部
25 側面部
26 前端部
27 後端部
28 開口部
29 ルーバー装置
30 駆動装置
31 フィン
32 支持バー
33 駆動バー
34 支持点
35 プロぺラ後流
36 上方側駆動バー
37 下方側駆動バー
38 主駆動装置
39 副駆動装置
40 ドライブシャフト
41 駆動ギヤ
42 伝達ギヤ
43 コネクティングギヤ
44 コネクティングギヤ
45 ドライブシャフト
46 プロぺラガバナ
47 プロぺラガバナ
48 油圧シリンダ
49 油圧シリンダ
50 油圧パイプ
51 油圧パイプ
52 ラダー
53 操縦桿
54 基部
55 翼部
56 フラペロン
57 接地面(地面)
58 車輪
59 フレーム部
60 スプリングダンパ
61 タイヤ
62 そり
63 アクチュエータ
64 操縦者
65 シート
66 燃料タンク
67 ラダーペダル
68 補助翼
69 車軸
70 エンジン
71 下面部
72 中段部駆動バー
73 油圧シリンダ
74 ピストン
75 アクチュエータ
76 軸部
77 ワイヤーリンク機構
78 ラダーペダル
79 ワイヤー
80 係止部
81 ラダーバー
82 空隙部
85 エアインテーク部
86 ライト部
87 空気取入口
88 ライト
89 軸部
90 支持ロッド
91 油圧シリンダ
92 軸部
93 軸部
94 下端部
95 ダンパー
L1 揚力
L2 揚力
L3 揚力
L4 揚力
−L3 反揚力
X 機体進行軸
FX 推力軸
Z Z軸
Z1 前部側推進装置部の回転軸
P ベクトルのヨーモーメント力
D 抗力

Claims (18)

  1. 乗員が乗機して飛行しうる垂直離着陸機であって、全体として乗用車と略同様の大きさに形成され、乗員が乗機可能なキャビンを有する胴体部と、機体を推進させうる推進装置部と、この推進装置部を駆動しうる駆動装置部と、折りたたみ可能に形成された主翼とを備え、
    上記推進装置部は、機体後方へ向けた推力を得ることができるように配置されたプロぺラと、このプロぺラにより形成された気流の方向を制御しうるプロぺラ後流方向制御装置と、上記プロぺラ及びプロぺラ後流方向制御装置とを収納しうるハウジング部とを有し、離着陸時には、プロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を機体下方へ向けて上昇用の推力を得ると共に、所定高度に上昇した場合にはプロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を水平方向に向けて水平飛行用の推力を得るように構成されており、
    上記機体の機首側を上方に持ち上げることにより上記推進装置部に仰角を付与することが可能であることを特徴とする垂直離着陸機。
  2. 乗員が乗機して飛行しうる垂直離着陸機であって、全体として乗用車と略同様の大きさに形成され、乗員が乗機可能なキャビンを有する胴体部と、機体を推進させうる推進装置部と、この推進装置部を駆動しうる駆動装置部と、折りたたみ可能に形成された主翼とを備え、
    上記推進装置部は、機体後方へ向けた推力を得ることができるように配置されたプロぺラと、このプロぺラにより形成された気流の方向を制御しうるプロぺラ後流方向制御装置と、上記プロぺラ及びプロぺラ後流方向制御装置とを収納しうるハウジング部とを有し、離着陸時には、上記主翼を折りたたんだ状態でプロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を機体下方へ向けて上昇用の推力を得ると共に、所定高度に上昇した場合には上記主翼を展開した状態でプロぺラ後流方向制御装置によりプロぺラ後流方向を水平方向に向けて水平飛行用の推力を得るように構成されていることを特徴とする垂直離着陸機。
  3. 上記プロぺラは、機体幅方向に沿って2基配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  4. 上記推進装置部は胴体部の機首下部と尾部上部とにそれぞれ設けられ、上記駆動装置部は、胴体部の後部に搭載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  5. 上記機首下部に設けられた推進装置部には、ラダーが設けられていることを特徴とする請求項に記載の垂直離着陸機。
  6. 上記機首下部に設けられた推進装置部は、上記胴体部に機体水平方向において回動可能に固定されていることを特徴とする請求項に記載の垂直離着陸機。
  7. 上記駆動装置部は、プロぺラを駆動する主駆動装置と、プロぺラ後流方向制御装置を駆動しうる補助駆動装置とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  8. 上記胴体部の後端部には主翼が設けられ、この主翼は、基端部と、この基端部に機体下方へ折りたたみ可能に接合された翼部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  9. 上記翼部は、折りたたまれた際には、その先端部が、機首下部に設けられた推進装置部の下端部と略同一の高さ位置に至るように形成されていることを特徴とする請求項に記載の垂直離着陸機。
  10. 上記翼部にはフラペロンが設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の垂直離着陸機。
  11. 上記翼部の先端部には車輪が設けられていることを特徴とする請求項8から10の何れか1項に記載の垂直離着陸機。
  12. 上記機首下部に設けられた推進装置部には着陸用のそりが設けられていることを特徴とする請求項に記載の垂直離着陸機。
  13. 上記プロぺラ後流方向制御装置は、プロぺラ後方に配置されたルーバー装置と、このルーバー装置を駆動しうる駆動装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  14. 上記ルーバー装置は、機体左右方向に亘り配置されると共に機体上下方向に沿って複数枚設けられたフィンを備え、この複数枚のフィンは部分的に駆動され、プロぺラ後流方向を部分的に変化させうるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の垂直離着陸機。
  15. 上記推進装置部には機体前方を照射可能なライトが設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の垂直離着陸機。
  16. 上記推進装置部にはキャビン内換気用の換気口が設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の垂直離着陸機。
  17. 上記推進装置には補助翼が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直離着陸機。
  18. 上記補助翼は、機首下部に設けられた推進装置部及び尾部上部に設けられた推進装置部の双方に設けられ、常態時には推進装置部と一体に形成されていると共に、必要時には展開して飛行に必要な揚力を得ることができるように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の垂直離着陸機。
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