JP2003212192A - 回転翼機における方向安定システム - Google Patents

回転翼機における方向安定システム

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JP2003212192A
JP2003212192A JP2002009467A JP2002009467A JP2003212192A JP 2003212192 A JP2003212192 A JP 2003212192A JP 2002009467 A JP2002009467 A JP 2002009467A JP 2002009467 A JP2002009467 A JP 2002009467A JP 2003212192 A JP2003212192 A JP 2003212192A
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Choichi Nishimura
長一 西村
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Nishimura Mutsuko
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C27/00Rotorcraft; Rotors peculiar thereto
    • B64C27/82Rotorcraft; Rotors peculiar thereto characterised by the provision of an auxiliary rotor or fluid-jet device for counter-balancing lifting rotor torque or changing direction of rotorcraft
    • B64C2027/8245Rotorcraft; Rotors peculiar thereto characterised by the provision of an auxiliary rotor or fluid-jet device for counter-balancing lifting rotor torque or changing direction of rotorcraft using air jets

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転翼機のテールローターで地上近くの運転
時の巻き込み事故が多く、このテールローターを廃止す
る構造研究が大きな課題であった。 【解決手段】 テールローターを廃止し、胴体に可変安
定翼を装設し、メインローターからのダウンウォッシュ
を受けて機体を安定させる。 【効果】 テールローターを廃止することにより、地上
近くの作業での障害物の危険性から開放され、回転翼機
の構造が簡単になり、機体の騒音や振動の軽減に効果が
望める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転翼機即ちヘル
コプターの反トルクを相殺するように制御するためのテ
ールローターを廃止し、その役目を機体と尾翼との間の
胴部に備えた可変安定翼で行うことができる回転翼機に
おける方向安定システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転翼機は、垂直に上昇下降が可能で、
また前後左右に如何なる方向への飛行が可能で、尚且つ
空中停止飛行が可能であることなど、飛行機と異なった
様々な特性を有しているので、古くから構造が研究され
て来た。
【0003】すなわち、回転翼機は、メインローターを
回転させることにより浮力を得て機体を浮かせることが
でき、メインローターの回転角度を変えることにより前
進方向に機体を傾けることができ、進行方向を選択でき
るのである。
【0004】公知の事実から、メインローターより作用
されるトルクに対する反作用で、メインローターの回転
方向と反対方向に胴体が回転するように成ることが知ら
れており、胴体が受ける反作用トルクに対向するように
回転翼機と同一駆動源で回転させ、横推進力を発生させ
るテールローターを設けることが一般的であることが知
られている。
【0005】回転翼機の機構上に於ては、ベル式やシコ
ルスキー式のような尾部にテールローターを持ったもの
が一番多く使用されており、薬剤撒布のための小型無人
回転翼機からビジネス機などさまざまに利用されてい
る。次にバートル式のように前後に互いに反対方向にメ
インローターを回転させる大型回転翼機のようなもの
や、カーマン式のように左右互いに反対方向に回転する
回転翼を持ったもの、垂直離着陸機(VTOL)のよう
な回転翼機と飛行機とのハイブリッドタイプのものなど
が設計されている。
【0006】それらは、単なる回転翼機としての利点を
追求しているだけでなく、今後の都市輸送機関や地上交
通の輻輳化と相俟って、社会の必要性により新しい輸送
機関として見直されてきているのである。
【0007】従来の主な構造としては、図9で示すよう
なメインローター1aとテールローター6を有した回転
翼機Bが代表機種である。従来の回転翼機Bは、機体2
aのほぼ中央・上部に位置したメインローター1aを装
設して、メインローター1aに発動機で回転駆動を与え
ることにより機体2aへの浮力を利用して上昇させ、次
いでメインローター1aの回転角度を変動させて前進飛
行を制御していた。
【0008】そこで、前述の説明のようにメインロータ
ー1aを機体2aのほぼ中央・上部で回転させると、そ
のメインローター1aを中心に機体2aが反対方向(反
トルク)に回転するように作用する。それを打ち消すた
めに、テールローター6を装設するのである。
【0009】そのテールローター6は、機体2aの発動
機からの動力を利用して回転駆動させる。また、テール
ローター6の他の役目としては、機体2aのヨー方向へ
の運動制御の為にも利用され、テールローター6のブレ
ード7の回転角度を変化させることにより推力を制御す
る方法で機体安定を図っていた。
【0010】また、他に回転翼機Bの機体安定制御とし
て尾翼3a、方向舵29a、水平尾翼4aなどを備える
ことが一般的であり、各装置のそれぞれが充分な機能の
役目をし、連携し合って安定姿勢制御を行うことが必要
である。
【0011】図10に於て、テールローター6の働きを
詳しく説明すると、回転翼機に装設された発動機の回転
駆動により、メインローター1aの回転方向αが発生す
る。そこで、メインローター1aにより浮力を得ようと
すると回転翼機Bの機体2aに対して、逆回転の機体の
反トルクβが発生する。
【0012】該機体の反トルクβにより、回転翼機Bの
機体2aが地上より浮き上がるまでは地上との摩擦抵抗
により機体2aは回動しないが、機体が地上より浮上
し、地上との摩擦抵抗が解除された状態では、機体2a
の中央のメインローター1aの回転軸30aを中心に機
体2aは、機体の反トルクβの方向に回転し始める。
【0013】この機体の反トルクβを相殺するため、機
体2aの尾部に装設されたテールローター6の回転方向
γへテールローター6を回転駆動させることにより、テ
ールローターの反トルクδを発生させて機体2aを制御
していた。
【0014】該テールローター6は、回転翼機Bの発動
機の一部の動力を直接利用しているため、発動機作動中
は自由自在にテールローターの駆動を停止させることは
できず、制御はテールローター6のブレード7の回転角
度で推力を変化させて実施していた。
【0015】このテールローター6は、機体2aの制御
のために必要な装備ではあるが、回転翼機Bの機体性質
上メインローター1aより離れた尾翼3a付近の位置に
取り付けられるのが通常である。離着陸時に於て、該テ
ールローター6の装設位置は、操縦席より目視できない
死角に位置しているので、操縦者が方向制御する際に
は、機体は回転軸30aを中心に胴体5aが回転するこ
ととなり、テールローター6と尾翼3aの回転移動位置
は、操縦者の勘に頼ることにもなっていた。
【0016】ここで、回転翼機Bの性能を改善する為
に、ヨー運動の安定を設ける作用として尾翼3aを装設
することが有利である。これにより前進飛行の際では、
回転翼機Bに設けられた尾翼3aにより機体の反トルク
βを無荷重にして飛行できるのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】回転翼機は、複雑な機
構で操縦が難しく、テールローターの回転による騒音や
振動により飛行区域周辺の住民に不快感を与え、公害問
題にも指摘されていた。また低空飛行(ホバーリングな
ど)により草木や電線などに接触したり、地上での作業
者をテールローターで巻き込むなどの事故も多発してい
た。
【0018】したがって、安全性、構造の複雑性、操縦
の困難さも踏まえ、回転翼機のテールローターを廃止し
てもメインローターのトルクを相殺でき、構造を簡素化
する回転翼機の構造研究が大きな課題となっていた。
【0019】テールローターをなくす方法としては、図
11で示す回転翼機Cのように機体内に送風機8を組み
込んで、その圧縮空気をテールブーム5bの先端にある
噴出口10の開口部9より噴出させるものがある。図1
2に於て、回転翼機Cは、機体2bと送風機8とテール
ブーム5bとに分散して、テールローターの替わりの機
能として圧縮空気W5を利用するものである。圧縮空気
W5を噴出させる噴出口10の開口部9は、向きを変え
ることができ方向舵の役目も果たしている。
【0020】または、エンジン排気を圧縮空気として噴
出させるもの(図示なし)で反トルクを発生させ、安定
させる機種などが考え出されてきた。
【0021】これらの技術は、テールローターで発生す
る推力を圧縮空気W5などの機構で作用させるので、テ
ールローターを使用していないため騒音対策やホバーリ
ング時のテールローターの回転による危険からは解消さ
れている。しかし、機体内部に送風機8を単独で組み込
むため、機体2bの重量が増加し、そのため搭載量が減
少するという軽量・コンパクト面からの技術的な問題点
が解消されていないことが現状である。
【0022】また、テールローターを廃止し、シングル
ローター回転翼機の技術として特願平9−271864
のようにメインローターの中心軸の下に可変整流翼を装
設して、反トルクを制御する構造が考え出されている
が、高速飛行時にはダウンウォッシュが減少し、機体の
前方と後方では空気速度が異なるので尾翼や方向舵によ
り機体を制御した方が、効率が良くメインローターの直
下の可変整流翼では空気抵抗となり回転翼の運動性能に
も大きく影響を及ぼすことになる。
【0023】したがって、本発明はメインローターの回
転軸と尾翼の間に設けることにより、対地上との飛行速
度が遅い時は最も効果を発し、飛行速度が速い時はダウ
ンウォッシュの最も少ない位置に可変安定翼を配置し、
発動機の動力を最も効果的に利用できる飛行システムを
目的とする。
【0024】また、本発明は複雑な機構で操縦の難しい
テールローターの機構を廃止することにより、地上近く
での運転時のテールローターでの巻き込み事故を無く
し、簡単な機構・構造でありながら操縦時における安全
な飛行システムを提供するところにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、その要旨 とすると
ころは、回転翼機即ちヘルコプターにおいて、操縦席が
設置された機体と尾翼との間の胴部に、メインローター
のダウンウォッシュを受けて、メインローターの反トル
クを相殺するように、揚力の発生側に彎曲した半円弧状
の凸部を成し、反トルク発生側に直線部を成し、上部の
ダウンウォッシュの受側より徐々に厚みを増し、翼巾の
35〜40%付近を最大厚みとし、下部方向へ徐々に厚
みを薄くし、長手方向に半円弧で欠截された断面を持つ
翼形の可変安定翼を装設することにより、テールロータ
ーを廃止することができ、及び可変安定翼を自動角度回
動制御装置により制御することができ、並びに可変安定
翼と機体後部に装設した尾翼と水平尾翼とを自動角度回
動制御して、ダウンウォッシュの状況に応じて反トルク
制御と横推力の制御をすることができることを特徴とす
る回転翼機における方向安定システムに関するものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明を図面を参照しながら詳細
に説明する。図1,図4において、5は従来の回転翼機
のテールローターを廃止し、その替わりの機能を備えた
可変安定翼を示す。図2、図3の反トルク発生メカニズ
ムと共に、合わせて説明する。
【0027】図1において、本発明の回転翼機Aは、機
体2と尾翼3との間に翼形状を成した可変安定翼5を装
設する。該可変安定翼5を自動角度回動制御することに
よりテールローターの機能を作用させるものである。こ
の可変安定翼5の形状は、後述の図4に示すように、揚
力の発生側に彎曲した半円弧状の凸部を成し、反トルク
発生側に直線部を成し、上部のダウンウォッシュWの受
側より徐々に厚みを増し、翼巾の35〜40%付近を最
大厚みとし、下部方向へ徐々に厚みを薄くした長方形の
断面で翼形で、下部は軽量化を考慮して長手方向に半円
弧で欠截された構造である。
【0028】図2,図3に示すように、該可変安定翼5
の回転翼機Aへの装設位置は、メインローター1が発生
させるダウンウォッシュWを有効に受けるため、メイン
ローター1に対して平衡に可変安定翼5の枢軸11を装
設し、ダウンウォッシュWの整流を可変安定翼5全体で
受けることが望ましい。
【0029】つまり、回転翼機Aの回転軸30に装設さ
れたメインローター1は、できる限り機体2に接近させ
ることにより強い整流のダウンウォッシュWを可変安定
翼5に当てることができる。従って、回転翼機Aの回転
軸30を短く設計することは、本発明の重要な要素の1
つである。
【0030】図3に於て、メインローター1より発生す
るダウンウォッシュWの方向を示す。メインローターの
回転方向αが左回転で回転すると、メインローター1よ
り機体2を浮上させようとする空気速度のダウンウォッ
シュWが発生する。このダウンウォッシュWは、発生時
は渦巻き状の層流であるが回転速度が増加すれば下方向
に下降する整流のダウンウォッシュWとなり、その大き
さはメインローター1の回転角度を変えることで大きく
影響する。回転方向に対しメインローター1の空気速度
を受ける角度を増すようメインローター1の傾きを下げ
ると下向きの力であるダウンウォッシュWが増し、機体
を持ち上げる浮力が増す。前進飛行の際もメインロータ
ー1の回転角度を変化することにより、メインローター
1の空気速度を速め飛行速度を速めることができる。
【0031】図4は、本発明の可変安定翼5の機構を示
し、メインローター1より発生したダウンウォッシュW
を空気速度として的確に受けるように回動駆動するもの
である。可変安定翼5は、機体2の後方より尾翼3まで
の全長に渡り枢軸11を介して装設される。また可変安
定翼5の骨構造は、枢軸11が貫通した半円弧状の数個
の骨板34を配設されることにより翼強度が保たれてい
る。形状は、図4に示すように、揚力の発生側に彎曲し
た半円弧状の凸部を成し、反トルクの発生側に直線部を
成し、上部のダウンウォッシュWの受側より徐々に厚み
を増し、翼巾の35〜40%付近を最大厚みとし、下部
方向へ徐々に厚みを薄くし、長手方向に半円弧状で欠截
された断面を持つ翼形にて形成される。
【0032】本発明の可変安定翼5は、上部のダウンウ
ォッシュWの受側より徐々に厚みを増し、翼巾の35〜
40%付近を最大厚みとし、下部方向へ徐々に厚みを薄
くした、長手方向に同じ断面形状を成した長方形の形状
で、可変安定翼5の駆動を容易にし、軽量化を図るため
下部の直線を半円弧状に欠截した形状としているが、製
作を容易とするため、単純に下部を直線とした長方形で
も構わない。
【0033】この可変安定翼5の最大厚み側に可変安定
翼5全体を回動させる枢軸11を挿通して前後端を軸受
22,23で支持している。この軸受22は、機体2内
に、軸受23は尾翼3内に支持され可変安定翼5が枢軸
11により容易に回動するように構成される。
【0034】図4,図5(ブロック図)において、制御
盤31によって空気速度や反トルクを算出し、制御盤3
1からの信号受けてモーター24を駆動させ、歯車25
を必要量回転させる。また、本発明の可変安定翼5の機
構は、電動制御でも油圧制御でも構わず、また、可変安
定翼5に挿設してある枢軸11が直接回動する機構でも
構わない。その歯車25に嵌合した歯車26で枢軸11
を回転させることにより、可変安定翼5が受けるダウン
ウォッシュWについては詳しく図6で説明する。
【0035】図6a,図6bに於て、可変安定翼5の空
気速度Wの2状態を説明する。図6aに示す空気速度W
は、可変安定翼5の揚力の発生側27の凸部21と反ト
ルクの発生側28とに分流し、スムーズに前方より後方
へ流動している状態であり、可変安定翼5には空気抵抗
が発生しない。回転翼機Aが前進飛行をしている際は、
回転翼機Aの後部に設けられた尾翼の作用で、同一の空
力学的推力により反トルクを無荷重にすることができる
ので、この可変安定翼5は無荷重にすることが好まし
い。従って前進飛行の場合は図6aに示すような無荷重
の状態により前進飛行していることになる。
【0036】つまり、無荷重にすることにより、上部か
らの空気速度Wは、可変安定翼5の厚み部の先端で触突
して、空気速度W1と空気速度W2に分流される。そこで
ダウンウォッシュWの空気の流れと翼中心との角度θを
維持することにより、可変安定翼5の揚力の発生側27
の凸部21と反トルクの発生側28とに沿って前方より
後方へ流動していくが、空気速度W1と空気速度W2が同
一となっている角度θとしているので翼を浮遊させる揚
力や反トルク発生側の力が発生せず均衡していることに
なる。
【0037】図6bに示すように、離着陸時の低速飛行
やホバーリング時では、可変安定翼5に懸かる空気速度
はメインローター1のダウンウォッシュWの風量のみと
なり、浮力はダウンウォッシュWに影響する。上方から
のダウンウォッシュWは、可変安定翼に触突して空気速
度W3,W4に分かれて下方へ流動する。そして、反トル
クの数値を制御盤にて算出し、空気速度W3,W4と翼中
心との角度θ1を決定し制御盤からの信号を受けて可変
安定翼5を必要量だけ回動させる。
【0038】図6bの状態に於て、ダウンウォッシュW
の空気の流れと翼中心との角度θ1では、可変安定翼5
の揚力の発生側27の凸部21に流動する空気速度W3
が反トルクの発生側28に流動する空気速度W4より大
きいため、可変安定翼5を揚力の発生側に揚力ζを発生
させる。ダウンウォッシュWと可変安定翼5の角度θ1
で発生した揚力ζにより機体の反トルクβとが釣り合っ
た状態となるので機体が安定する。
【0039】図6a,図6bにおける可変安定翼5の操
縦方法として、発生した揚力ζと機体の反トルクβとの
関係は、可変安定翼5の枢軸11中心と可変安定翼5の
後端を結んだ線と平衡層流であるダウンウォッシュWと
の成す角度θにて決定される。すなわち、可変安定翼5
に装設された枢軸11を徐々に回転させることにより、
ダウンウォッシュWとの成す角度θが変化し、揚力ζを
変更することができる。そこで、揚力ζが変化すれば機
体の反トルクβのバランスが崩れ、機体が徐々に横回転
することになり、したがって、機体は、可変安定翼5を
操作することにより、横方向の向きを自由に変えること
ができるのである。
【0040】また、機体操縦の方法を図2において説明
すると、回転翼機Aがメインローター1の回転角度を変
えて前進飛行し、ダウンウォッシュWが可変安定翼5に
的確に当たらなくなる場合に備えて、可変安定翼5の後
部には可動式の尾翼3と水平尾翼4が装設され、高速前
進や反転などは該尾翼3と水平尾翼4を使用して機体安
定操縦することになる。
【0041】図7に於て、尾翼3に装設された方向舵2
9の機構について示す。尾翼3は、揚力の発生側に彎曲
した半円弧状の凸部を成し、反トルク発生側に直線部を
成し、前方からの空気速度の受側に厚みを有した断面
で、後部方向へ徐々に厚みを薄くした長方形の翼形の固
定翼でこれを固定することにより、横滑りなく飛行する
ことができるが、その尾翼3の後部に揚力の発生側に彎
曲した半円弧状の凸部を成し、反トルク発生側に直線部
を成し、前方からの空気速度の受側に厚みを有した断面
で、後部方向へ徐々に厚みを薄くした長方形の翼形の方
向舵29を装設する。この方向舵29は、枢軸18を支
軸として、下面にヨーク14,15を配設してアクチュ
エータ12の前後方向の揺動に対しヨーク14の動きを
枢軸18に固定されたヨーク15により方向変換して、
方向舵28を扇動させる機構である。また方向舵の骨構
造は、枢軸18が貫通した半円弧状の数個の骨板35を
配設されることにより翼強度が保たれている。本発明の
方向舵29機構は、電動制御でも油圧制御でも構わず、
また、方向舵29に挿設してある枢軸18が直接回動す
る機構でも構わない。
【0042】図7,図8(ブロック図)に於て、制御盤
32からの信号により方向舵29の適切な向きを決定し
て行うことが可能である。従って、本発明の可変安定翼
5の自動回動制御もこの方向舵29の扇動の信号をデー
タとして組み込む必要がある。また、メインローター1
から発生するダウンウォッシュWを的確に可変安定翼5
及び尾翼3に伝えるためには、ダウンウォッシュWが大
きいほど、且つ、機体2とメインローター1とが接近し
ているほど望ましいことになる。
【0043】図7に於て、機体後方に装設された水平尾
翼4の機構について示す。水平尾翼4は、揚力の発生側
に彎曲した半円弧状の凸部を成し、反トルク発生側に直
線部を成し、前方からの空気速度の受側より徐々に厚み
を増し、翼巾の35〜40%付近を最大厚みとした断面
で、後部方向へ徐々に厚みを薄くした長方形の翼形の可
変回転翼で構成される。この水平尾翼4は、枢軸19を
支軸として、下面にヨーク16,17を配設してアクチ
ュエータ13の前後方向の揺動に対しヨーク15の動き
を枢軸19に固定されたヨーク16により方向変換し
て、水平尾翼4を扇動させる機構である。また水平尾翼
の骨構造は、枢軸19が貫通した半円弧状の数個の骨板
36を配設されることにより翼強度が保たれている。ま
た、本発明の水平尾翼4機構は、電動制御でも油圧制御
でも構わず、水平尾翼4に挿設してある枢軸19が直接
回動する機構でも構わない。
【0044】前述の図3,図5と図8(ブロック図)に
於て、方向安定制御の方法としては、機体の反トルクβ
を制御盤31により算出し、可変安定翼5を自動に回動
させ、メインローター1の回転角度によるダウンウォッ
シュWを有効に受ける角度で方向制御することができ、
尾翼3に設置された方向舵29においても方向制御でき
る。したがって、可変安定翼5の角度θと方向舵29の
角度と水平尾翼4との角度の夫々のデータで方向安定制
御することになる。
【0045】
【発明の効果】本発明の可変安定翼を装設することによ
り、テールローターが廃止され、機体の作動騒音やテー
ルローターの振動の発生源がなくなり、テールローター
の複雑な機構が必要でなく運転整備を容易にすることが
できる。
【0046】本発明の可変安定翼を装設し、テールロー
ターを廃止し、送風機などの機材を装備する必要がない
ことで、機体の発動機からの駆動伝達機構が不必要とな
るので、回転翼機の機体重量の軽量化が実現でき、尚且
つ、航続距離が延び経済的な回転翼機を提供することが
できる。
【0047】本発明の可変安定翼を装設し、尾翼の方向
舵と水平尾翼とを自動角度回動制御することにより複雑
な運転操作が不用となり、可変安定翼と尾翼の方向舵と
水平尾翼との信号をデータとして使用することにより、
確実な操縦を簡単な運転講習で実施することができる利
便性を備えている。
【0048】本発明の可変安定翼を装設することによ
り、従来のテールローターの装設位置が操縦席より死角
であったことより開放され、地上近くの作業での障害物
への接触の危険性が除去され、安全性に富んだ回転翼機
を提供することができる
【0049】本発明の可変安定翼を装設することによ
り、従来のテールローターを廃止することができるの
で、送風機を搭載した回転翼機よりも、回転翼機の機体
が軽量化され、回転部分を少なくした騒音対策や可変安
定翼の構造の簡易性など優れた機能を有している。
【0050】本発明の可変安定翼を装設することで、従
来のテールローターの搭載回転翼機よりも摺動部構成部
品が削減され、故障の発生原因が減少し、回転翼機の製
造上の簡便性などのさまざまな効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変安定翼を装備した回転翼機の外観
正面図である。
【図2】本発明の可変安定翼を装備した回転翼機の外観
斜視図である。
【図3】本発明の可変安定翼を装備した回転翼機で、メ
インローターを回転させた場合の揚力を発生するメカニ
ズムの説明図である。
【図4】本発明の可変安定翼の機構の一部を透視した部
分拡大図である。
【図5】本発明の可変安定翼の要部ブロック図である。
【図6】a 本発明の可変安定翼にダウンウォッシュが
流れる状態を示す参考説明図である。 b 本発明の可変安定翼にダウンウォッシュが流れる状
態を示す参考説明図である。
【図7】本発明の方向舵・水平尾翼の機構の一部を透視
した部分拡大図である。
【図8】本発明の方向舵・水平尾翼の要部ブロック図で
ある。
【図9】従来のテールローターを装備した回転翼機の参
考図である。
【図10】従来のテールローターを装備した回転翼機で、
メインローターとテールローターの回転方向による反ト
ルクの働きを示した参考図である。
【図11】従来のテールローターを廃止し、変わりに送風
機を装備した回転翼機の参考図である。
【図12】従来のテールローターを廃止し、変わりに送風
機を装備した回転翼機の圧縮空気の流れを示した説明図
である。
【符号の説明】
1 メインローター 1a メインローター 1b メインローター 2 機体 2a 機体 2b 機体 3 尾翼 3a 尾翼 3b 尾翼 4 水平尾翼 4a 水平尾翼 4b 水平尾翼 5 可変安定翼 5a 胴体 5b テールブーム 6 テールローター 7 ブレード 8 送風機 9 開口部 10 噴出口 11 枢軸 12 アクチュエータ 13 アクチュエータ 14 ヨーク 15 ヨーク 16 ヨーク 17 ヨーク 18 枢軸 19 枢軸 20 支柱 21 凸部 22 軸受 23 軸受 24 モーター 25 歯車 26 歯車 27 揚力の発生側 28 反トルクの発生側 29 方向舵 29a方向舵 30 回転軸 30a回転軸 31 制御盤 32 制御盤 33 制御盤 34 骨板 35 骨板 36 骨板 A 回転翼機 B 回転翼機 C 回転翼機 W 空気速度 W1 空気速度 W2 空気速度 W3 空気速度 W4 空気速度 W5 圧縮空気 α メインローターの回転方向 β 機体の反トルク γ テールローターの反トルク δ テールローターの回転方向 ε 可変安定翼の回転方向 ζ 揚力 θ 角度 θ1 角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転翼機において、操縦席が設置された
    機体と尾翼との間の胴部に、メインローターのダウンウ
    ォッシュを受けて、メインローターの反トルクを相殺す
    るように、揚力の発生側に彎曲した半円弧状の凸部を成
    し、反トルク発生側に直線部を成し、上部のダウンウォ
    ッシュの受側より徐々に厚みを増し、翼巾の35〜40
    %付近を最大厚みとし、下部方向へ徐々に厚みを薄く
    し、長手方向に半円弧で欠截された断面を持つ翼形の可
    変安定翼を装設することにより、テールローターを廃止
    することができることを特徴とする回転翼機における方
    向安定システム。
  2. 【請求項2】 片面に湾曲した凸部を形成してなる長方
    形の翼形の可変安定翼を自動角度回動制御装置により制
    御することができることを特徴とする請求項1の記載の
    回転翼機における方向安定システム。
  3. 【請求項3】 片面に湾曲した凸部を形成してなる長方
    形の翼形の可変安定翼と機体後部に装設した尾翼と水平
    尾翼とを自動角度回動制御して、ダウンウォッシュの状
    況に応じて反トルク制御と横推力の制御をすることがで
    きることを特徴とする請求項1の記載の回転翼機におけ
    る方向安定システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016506335A (ja) * 2012-12-18 2016-03-03 ビーエルアール エアロスペース リミテッド ライアビリティ カンパニー 航空機安定化システム及びそれにより航空機を修正する方法
CN113086165A (zh) * 2021-04-20 2021-07-09 中国直升机设计研究所 一种主旋翼与尾桨间距可变的直升机
WO2023188268A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 三共木工株式会社 回転翼機

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