JPH11217099A - 空中運搬機 - Google Patents

空中運搬機

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JPH11217099A
JPH11217099A JP5565898A JP5565898A JPH11217099A JP H11217099 A JPH11217099 A JP H11217099A JP 5565898 A JP5565898 A JP 5565898A JP 5565898 A JP5565898 A JP 5565898A JP H11217099 A JPH11217099 A JP H11217099A
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JP
Japan
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air
rudder
propulsion
generated
axis
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JP5565898A
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Heihachi Shimono
兵八 下野
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BAITEKKUSU KK
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BAITEKKUSU KK
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直離着陸、水平移動、空中停止、水平
面回転を可能にすると同時に、高い運動の制御性を持っ
た空中運搬機を得ること。 【解決手段】 1.ダクトの中に、エンジン、多翼ファ
ン、推進翼を装備し多翼ファンが発生した高速空気流で
推進力、回転力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人ないし様々な物資
を空中運搬する飛行物体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人ないし物資を大量かつ遠距離へ輸送す
るのにジャンボジェット機に代表される航空手段、また
比較的少ない人数ないし物資を近距離に運ぶヘリコプタ
ー等、今日商業的には極めて発達した航空輸送手段が運
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に規模の大き
い航空輸送手段が世界中で運用されているにも拘わら
ず、日本の規模の農場への肥料や消毒剤の散布とか、森
林から切り出した木材の運搬、クレーンの設置が困難か
或いはその運搬範囲を超えている場合の物資の運搬、ひ
いては個人レベルの通勤等に対する空中運搬手段の実状
は極めて未発達であると言わざるをえない。この種の限
定された範囲での人ないし物資の運搬には普通の航空機
は明らかに不向きである。何故なら、上記した人ないし
物資の運搬では滑走路による離直陸機では実用にならな
いし、一方ホバーリング(空中停止)の性能が不可欠で
あるからである。その為この種の運搬目的に従来のヘリ
コプターが用いられる事がある。しかしヘリコプターは
元来動的に不安定である一方、上昇、下降、前進、転回
を主ローターと補助ローターだけで行っている為、主ロ
ーターの駆動機構が極めて複雑になる分、安全性に欠け
る。またローターがむき出しになっている為に何らかの
障害物に接触しただけでローターを破損し、大事故に至
る危険性をはらんでいる。
【0004】本発明は、この様な従来のヘリコプターの
問題点を排除し、上記の様に限定された範囲における人
ないし物資の空中運搬手段としてヘリコプターよりはる
かに安定かつ安全で、垂直上昇、垂直下降、ホバーリン
グ、前進、後退、左右横滑り、水平面回転、等の運動性
能を有する操縦性の高い空中運搬機を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に、従来のヘリコプターのローターに代わってダクト内
で回転する多翼ファンが用いられる。またこの多翼ファ
ンの回転面を変更する手段として従来のヘリコプターが
持っている複雑なヒンジ機構は一切なく、多翼ファンは
それを駆動するエンジンと直結されるか、或いは減速機
構を介して接続されるだけである。
【0006】従来のヘリコプターと同じように、本発明
の空中運搬機に単一の多翼ファンが採用される場合に
は、その多翼ファンによるトルク反作用を打ち消す必要
がある。これを避けるため二重反転多翼ファンに採用も
当然可能である。しかしその場合減速機構や多翼ファン
の駆動軸等が複雑になってしまう。前記した本空中運搬
機の用途ではなるべく単純な機構で安全性の高い機体と
することが最も重要である事から単一の多翼ファンとす
る方が望ましい。そこで問題となるトルク反作用を打ち
消すためダクト内に設けられたカンバーも持った逆トル
ク板が設けられる。この逆トルク板は多翼ファン、減速
機構、駆動エンジンを支える内部支持体とダクトを結合
してこれらを一体とする構造体でもある。ダクトとその
内部機構を含めたものを総称して推進機と呼ぶ事にす
る。
【0007】従来の航空機の方向舵は機体の前進による
空気の流れを使って空力を発生し、その空力で機体を方
向転換させるものである。しかし空中停止を可能とする
本発明の空中運搬機に於いて従来の航空機の方向舵で
は、空中停止の状態から前進、後退、左右横滑り、水平
面回転等を行うことが出来ない。そこでこれらの運動を
起こす手段としてダクトの吹き出し部に設けられた、X
軸方向舵、Y軸方向舵ならびに回転舵の三種の方向舵を
用いている。これらの方向舵は機体の運動によって発生
する気流を受けて空力を発生するのでなく、多翼ファン
の発生する流れの早い噴出流を受けて空力を発生する。
これらの方向舵の空力による機体の運動は後で説明され
る。
【0008】上記の方向舵で機体は前進、後退、横滑
り、回転運動を行うことが出来るが、より早い前進速度
を得るために次の工夫が行われている。推進機にはその
重心を通る水平軸と交わるダクト外壁に設けられた吊下
げヒンジが有り、そこからペイロードコンテナ(以下コ
ンテナと言う)が吊下げバーによって吊下げられてい
る。推進機とコンテナおよび吊下げ装置全体を機体と呼
ぶ。後述する手段によって、推進機は垂直の位置から前
後方向に傾斜することが出来るようになっているため
に、多翼ファンの発生する推力は前進方向または後進方
向の分力を発生し、この強力な分力によって早い前進速
度または後進速度を獲得することが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
ずき図面を参照して説明する。第1図において、推進機
はダクト1、ダクトの一部であるベルマウス2、内部支
持体3、多翼ファン4、ファンの駆動エンジン5、減速
機6、多翼ファンが発生する空気流を整流する整流板
7、多翼ファンによるトルク反作用を打ち消す逆トルク
板8、燃料タンク9、舵取装置10、X軸方向舵11
(a,b)、Y軸方向舵12(a、b)、第6図に示す
回転舵16(a、b,c,d)、それらの駆動装置17
(a,b,c,d)から構成されている。整流板7なら
びに逆トルク板8は上記した本来の機能と共にダクト1
と内部支持体3を結合してこれを一体となす構造体でも
ある。
【0010】ベルマウス2は空気の取り入れ口であり、
推進機に吸入される空気の抵抗を減らすような形状で、
同時に推進機が障害物に接触したときに多翼ファンに損
傷を与えないように設置されるものである。第2図にベ
ルマウスの上面図を示しているが、ダクトならびにベル
マウスの横からの衝突に対して強度を保ち、かつ多翼フ
ァンに損傷を与えるような物体を吸い込まないように補
強枠13が設けられている。さて、駆動エンジンの動力
は直接ないし減速機6を通して多翼ファン4に伝えら
れ、多翼ファンは回転する。それによって吸入された空
気は加速され、ダクト1と内部支持体3の間を勢いよく
流れ、第1図下部から噴出する。これが推進機の推力と
なる。
【0011】第3図に空気の流れに対して翼が発生する
力について示されている。本図では翼が対称翼として描
かれている。この場合翼弦が流れに並行ならば揚力を発
生しないが、図のように或る迎え角を持ったとき空気の
流れに垂直の方向に揚力を発生する。翼は同時に空気に
よる抵抗、抗力を発生するので揚力と合成された空気合
力を発生する。ただ迎え角が失速を伴うほど大きくない
ときは空気合力は揚力の方向と殆ど一致するので、本文
では抗力を無視した説明とした。空力は翼断面全域にわ
たって発生するのであるが、その空力をすべてベクトル
的に加算すれば或る一点に集中して代表させることが出
来る。その点を翼の空力中心と呼ぶ。対称翼では空力中
心まわりの空力モーメントはゼロである。
【0012】多翼ファン4が第1図実施例のように単一
の多翼ファンならば、推進機はファンの回転に伴うトル
ク反作用をうけ、推進機はファンの回転と逆向きに回転
してしまう。本発明ではこのトルク反作用を打ち消す方
法として、第4図に示すようにダクト1と内部支持体3
を結合する逆トルク板8の断面がカンバーのある翼型と
なっており、かつ適切に調整された迎え角をもって取り
付けられる。従って逆トルク板8は急速な空気流によっ
て、第3図で説明した揚力によって、大きな回転トルク
を発生するがこの回転トルクが多翼ファンによるトルク
反作用と逆向きになるように設置されるため、トルク反
作用を打ち消すことが出来る。逆トルク板8が発生する
逆トルクは空気流速の二乗に比例する。一方トルク反作
用も空気流速の二乗に比例する。従ってトルク反作用と
逆トルクは或る一定の係数で関係づけられる。即ち逆ト
ルク板8は固定翼とすることが出来る。しかしこの説明
は極めて定性的である。実用段階でトルク反作用を完全
に打ち消すには、逆トルク板の数、翼型の選択、カンバ
ーの大きさ、迎え角等、多くのパラメータに対して最適
化を図らなければならない。また多翼ファンの回転全域
にわたってトルク反作用を完全に打ち消すことは困難で
ある。なぜならば多翼ファンが発生する空気流はかなり
渦巻いているから、流速によって逆トルク板8が受ける
流れの状態が変わることが予想されるからである。この
問題を解決する手段として逆トルク板8に前置して整流
板7が設けられている。しかも後述する手段によって、
トルク反作用と逆トルクによる逆トルクの微妙なアンバ
ランスは回転舵16(a,b,c,d)で調整出来る様
になっている。
【0013】次に方向舵の実施例について説明する。推
進機の空気噴出口の内側に設けられた方向舵の詳細を第
5図に示す。X軸方向舵11(a,b)、Y軸方向舵1
2(a,b)はその断面が対称翼の形状を持っており、
これらの翼が空気の流れに平行なときは揚力を生じない
が、流れに対し或る迎え角を持つときには、迎え角が切
られた方向に揚力を発生する。ただし本発明での翼型の
使い方は単に飛行体を浮き上がらせる為のものではない
から、揚力と呼ばずに空力と呼ぶ。空力中心では空力モ
ーメントがゼロであるから、方向舵の迎え角を切るのに
さして力は要しない。X軸方向舵は人がコンテナ19
(第7図)の中に前進方向に向かって座ったとき両手方
向に延びた方向舵であり、Y軸方向舵は前後方向に延び
た方向舵である。X軸方向舵は連結器10aによって一
体となり、サーボシリンダー14につながれている。Y
軸方向舵は連結器10bによって一体となり、サーボシ
リンダー15につながれている。従って方向舵11
(a、b)または12(a、b)は同じ方向に迎え角を
持つように動作する。またX軸方向舵とY軸方向舵はま
ったく独立して動作する。
【0014】回転舵は方向舵と同じ位置に取り付けられ
ているが、図面が見づらくなるために第5図では表示せ
ず、第6図に示した。この図は方向舵および回転舵を噴
出口から覗き込んだ断面図である。本図において回転舵
は16(a,b,c,d)でそれぞれがサーボモータ1
7(a,b,c,d)につながれている。もちろんサー
ボモーターは一個とする機構も可能である。サーボモー
ターの駆動力で回転舵は方向舵と違って同じ方向に捩る
様に運動する。従って第14図に示すように機体を回転
させる力を発生する。
【0015】第7図は空中運搬機の正面図、第8図は側
面図である。コンテナ19は吊下げバー20で推進機に
吊下げられている。本図でコンテナ19は人が搭乗する
ことを想定して窓付きのキャビンの如く図示されている
が、常にこのようなコンテナが吊下げられる訳ではな
い。工事現場では人ではなく物資そのものがワイヤーに
縛られて吊下げられるかも知れない。本項で説明するこ
とは推進機の吊下げ装置18の部分の機構である。推進
機はこの装置で部分回転が可能なように構成されてい
る。
【0016】第9図、第10図に於いてヒンジ18aは
推進機の重心を通る水平線上のダクトの部分に取り付け
れれるからヒンジ18aを中心として推進機全体を回転
させるのに大きな力は必要ない。必要な力は推進機の重
量による慣性モーメントと多翼ファンの回転による慣性
モーメントだけである。部分歯車18bは吊下げバー2
0と一体であり、ヒンジ18aを中心として回転でき
る。ダクト1に取り付けられたサーボモーター18cの
回転軸に装着された歯車18dは部分歯車18bと噛み
合っており、部分歯車を回転させる。しかし吊下げバー
20の下にはコンテナの大きな重量が掛かっているから
コンテナは回転せず、推進機自体がヒンジ18aを中心
として回転する。結果として推進機は鉛直線上から或る
傾斜角θを持つことになる。その様子を示したのが第1
1図である。
【0017】今まで本発明の空中運搬機の構造的な面を
説明したが、次に機体で発生する力と機体の運動につい
て説明する。第12図は推進機の傾斜角がゼロで機体が
鉛直方向の運動ないしホバーリングの状態にある時の力
の関係を表している。もしX、Y軸方向舵が多翼ファン
の発生する空気の噴流方向に対して迎え角を持たない状
態であれば方向舵は空力を発生しない。そのため機体に
掛かる力は多翼ファンが発生する推力と推進機の重力1
およびコンテナの重力2だけである。これらの力はすべ
て鉛直線上にあるから、推力とこの二つの重力が一致し
た状態ではホバーリング状態となる。ここで推力が勝て
ば機体は上昇し、劣れば下降する。推力のコントロール
にはいろいろな方法があるが、多翼ファンのピッチ角を
増減して推力を上げ下げするのは多翼ファンの機構が複
雑になるから、単に回転数をコントロールする方法で十
分と思われる。つまり自動車のアクセルペダルでエンジ
ンの回転数をコントロールする方法と同様である。
【0018】機体がホバーリングないし鉛直線上の運動
をするとき、X軸方向舵を第12図の様に前方に運動す
るよう迎え角を切った状態とすれば、X軸方向舵は前方
に向いた空力を発生する。機体の鉛直線上に何か固定し
た軸があればこの力はその軸を中心とした回転力を与え
ることになるが、機体にはそのような固定軸は存在しな
いので、この空力は機体を前方に平行移動させる力とな
る。もしこの方向舵の迎え角を本図の表示と逆に切れば
その時の空力は反対方向に発生し機体を後退させる力と
なる。
【0019】第13図はY軸方向舵を操作したときの力
の関係を示している。この方向舵と発生する空力との関
係はX軸方向舵と少しも違わない。違いは方向舵の取り
付けがX軸方向舵と90°違うだけである。今第13図
のように迎え角を切ったとすれば、方向舵は右方向の力
を発生し、機体に右横滑りの運動を起こさせる。迎え角
を反対に切れば左横滑りの運動を起こさせる。
【0020】機体に水平面上の回転を与える機構は第1
4図に示されている。回転方向舵16(a,b,c,
d)はサーボモータ−17(a,b,c,d)によっ
て、図示されている方向か、すべてがこの方向の逆の方
向に迎え角を切るように設計されている。従って空気の
噴流による回転舵の空力は機体を水平面上で回転させる
ように働く。図示されている迎え角では図示されている
回転方向の回転力を与える。以前に多翼ファンのトルク
反作用とそれを打ち消すための逆トルク板8の作用につ
いての説明の中で、両トルクのアンバランスの問題に言
及した。その時二重反転ファンのトルクのアンバランス
については述べなかったが、たとえ二重反転ファンを使
用したとしても両トルクのアンバランスの問題は依然と
して存在する。その理由として前後のファンで空気の流
れが違う事、実際的には両ファンの製造上のバラ付きが
考えられるからである。故意(操縦)でない機体の回転
は機体の運行上重大な危険をもたらすものと考えられ
る。そこで本発明の回転舵は単に機体を回転させるとい
った操縦の問題だけでなく、このトルクのアンバランス
を排除する作用も兼ね備えているのである。つまりエン
ジンの或る回転数のとき不意に機体の回転が始まったと
すれば、この回転舵を逆方向に効かして回転を止めるこ
とができる。必要ならジャイロを基準として回転止めを
自動化できる。
【0021】本空中運搬機は今まで説明した方向舵の作
用によって、前後、左右、上下、水平面回転の4自由度
の運動能力を持っている事がわかった。運動の自由度の
面から見れば、最初に設定した本空中運搬機の用途面で
は十分だが、ただ前進速度について若干の不満が残って
いる。それはX軸方向舵の迎え角を切ることによって発
生する前進速度がどれ位のレベルに達するかが推定でき
ないからである。なぜなら現時点で機体の速度とそれに
対し機体全体にかかる空気抵抗の関係が分からないから
である。そこで、より早い前進速度を得る方法として推
進機を傾斜させ推進機の推力の分力を前進速度として利
用する手段を本発明の一部として提案するものである。
第9図、第10図において推進機を進行方向に傾斜させ
る機構について説明した。第15図に推進機を傾斜させ
たときの機体に作用する力について図示してある。この
後すぐ説明する前進/後退の操縦カンを操作することに
よって、今推進機をθだけ傾斜させたとする。すると前
進方向の推力Fの分力としてFSINθを得る。この
時垂直分力はFCOSθとなるが、θが小さいときは
垂直分力はFとほとんど変わらないから機体が急激に降
下することはない。一方FSINθは大きな値とな
る。それはF自体が大きな値だからである。 θが増大
するに従ってFSINθは更に増大し強い前進力を得
ることになる。一方FCOSθは次第に小さくなるか
ら機体は降下する。同じ高度を保ちたいならアクセルを
踏めばよい。次に、この状態での方向舵と回転舵の役割
について説明する。推進機が或る傾斜角θを得たとき、
X軸方向舵は有効な役割を持たなくなる。この方向舵は
推進機の重心軸に対して回転力を与えることになるが、
これは結局コンテナを前後に揺らすだけの事で何ら有効
な運動にならない。そのためX軸方向舵はこの時効かな
くされ、この方向舵の迎え角はゼロに固定される。Y軸
方向舵は逆に重要な役目を果たし、機体の前進方向を大
きく転回する作用を持っている。つまりY軸方向舵は従
来の航空機の方向舵と同じ役割を果たす。第16図は第
15図に於いて矢印Aの方向から眺めた図であるが、こ
れからY軸方向舵が機体の進行方向を転回させる力を発
生していることが分かる。回転舵は垂直運動時の状態に
固定される。なぜなら、推進機の中心軸に作用し推進機
を回転させようとする多翼ファンのトルク反作用、それ
を阻害しようとする逆トルク板8の逆トルクのアンバラ
ンスは、コンテナの重量によるモーメントによって十分
に安定化されるからである。
【0022】第17図は操縦のための操作機の一例を示
している。操縦カン21は推進機を傾斜させ早い前進速
度を得るためのもので人の手で動かすが、その動きは非
常に重く設定される。この操縦カン21は第9図におけ
るサーボモーター18cの回転制御を行い、操縦カンを
動かした角度だけサーボモータが回転し、推進機をその
角度だけ傾斜させるものである。操縦カン22は操縦カ
ン21が0°の位置にセットされているとき(つまり空
中運搬機が垂直上昇/下降ないしホバーリング状態のと
き)、前後左右および回転の3運動を制御する。この操
縦カンが前方に倒されると、その角度分だけサーボシリ
ンダー14によってX軸方向舵に前進迎え角が与えら
れ、機体は前方に移動する。手前に引かれたときはその
角度分だけX軸方向舵に後退迎え角が与えれるので機体
は後方に移動する。操縦カン22が右に倒されたとき
は、その角度分だけサーボシリンダー15によってY軸
方向舵に右迎え角が与えれるので、機体は右に移動す
る。左に倒されたときは機体は左に移動する。操縦カン
22を回転させると、その回転方向に機体は回転するこ
とになる。前後、左右、回転のいずれの運動にしても、
操縦カンを動かしたままにしていると機体の運動はその
まま続行されることになる。これは自動車のハンドルを
切ったままにしておくと自動車は円運動を続けるのと似
ているが、大きく違うのは操縦カンを元に戻したからと
いってその前の運動がすぐ終わらないことである。つま
り機体の慣性よってその前の運動を続けてしまうことで
ある。そのため、前の運動を通して目的の位置に到達す
るかしないうちに、操縦カンを逆に操作し前の運動を打
ち消してやる必要がある。操縦カン21で推進機に傾斜
角が与えられたとき、操縦カン22は左右方向の制御の
みが有効となる。つまり、高速前進(後退)のとき進行
方向を大きく転回するのにY軸方向舵だけが使用できる
ようになる。本実施例では推進器の推力のコントロール
を普通の自動車と同様に足踏み式のペダル23で行うよ
うにしてある。踏み込めばエンジンの回転数が上がって
多翼ファン推力が上昇し、踏み込みを緩めれば回転数が
下がりファンの推力は下がる。何らかの理由によって突
然ペダルから足が離れた場合は自動的にホバーリングの
推力に維持される。
【0023】操縦カンとそれに関連するサーボ機構は電
気制御系にせよ、油圧制御系にせよ極めてありふれたシ
ステムであり、産業機械や土木機械等に多用されている
ものである。したがってここではその機構についての説
明は割愛する。
【発明の効果】本発明は実施例に記したごとく構成され
るので以下に記載されるような効果を得る事が出来る。
【0024】回転部分がダクトならびにベルマウスで保
護されているから、本機体が障害物に接触しただけでは
墜落等大きな事故に至らない。また従来のヘリコプター
の主ローターのような複雑な回転機構を必要としないか
ら安全性が高い。
【0025】3種の方向舵の空力は機体の速度に伴う空
気流によって発生するのでなく、自己の多翼ファンが発
生した速い空気流によって発生するからホバーリング状
態でもすばやい前後、左右、水平面回転運動が出来、ま
た精度の良い運動制御が可能となる。
【0026】多翼ファンで発生する空気流はダクト内だ
けを通過するから空気流の散逸がおこらない。そのため
ファンの効率がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推進機の内部構造図。
【図2】推進機の上面図。
【図3】翼の空力の説明図。
【図4】逆トルク板構造の一例を示す。
【図5】方向舵の構造の一例を示す。
【図6】方向舵と回転舵の断面図。
【図7】空中運搬機の正面図。
【図8】空中運搬機の側面図。
【図9】吊下げ装置の正面図。
【図10】吊下げ装置の側面図。
【図11】推進機が傾斜した時の空中運搬機側面図。
【図12】X軸方向舵の迎え角が切られた時の力の関係
図。
【図13】Y軸方向舵の迎え角が切られた時の力の関係
図。
【図14】回転舵の迎え角が切られた時の力の関係図。
【図15】推進機が傾斜角を持った時の力の関係図。
【図16】推進機を上から見た時のY軸方向舵を示す。
【図17】操縦方法の一実施例。
【符号の説明】
1 ダクト 2 ベルマウス 3 内部支持体 4 多翼ファン 5 駆動エンジン 6 減速機 7 整流板 8 逆トルク板 9 燃料タンク 10 舵取装置 11a,11b X軸方向舵 12a、12b Y軸方向舵 13 補強枠 14 X軸方向舵のサーボシリンダー 15 Y軸方向舵のサーボシリンダー 16a、16b、16c、16d 回転舵 17a、17b、17c、16d 回転舵サーボモータ
ー 18 吊下げ装置 18a 吊下げヒンジ 18b 部分歯車 18c 推進機サーボモーター 18d サーボモーターの歯車 19 ペイロードコンテナ 20 吊下げバー 21 前進・後退操縦カン 22 ホバーリング操縦カン 23 エンジンアクセル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 空中運搬機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人ないし様々な物資
を空中運搬する飛行物体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人ないし物資を大量かつ遠距離へ輸送す
るのにジャンボジェット機に代表される航空手段、また
比較的少ない人数ないし物資を近距離に運ぶヘリコプタ
ー等、今日商業的には極めて発達した航空輸送手段が運
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に規模の大き
い航空輸送手段が世界中で運用されているにも拘わら
ず、日本の規模の農場への肥料や消毒剤の散布とか、森
林から切り出した木材の運搬、クレーンの設置が困難か
或いはその運搬範囲を超えている場合の物資の運搬、ひ
いては個人レベルの通勤等に対する空中運搬手段の実状
は極めて未発達であると言わざるをえない。この種の限
定された範囲での人ないし物資の運搬には普通の航空機
は明らかに不向きである。何故なら、上記したごく狭い
範囲の人ないし物資の運搬では滑走路による離直陸機で
は実用にならないし、一方空中停止(ホバーリング)の
性能が不可欠であるからである。その為この種の運搬手
段に従来よりヘリコプターが用いられている。しかしヘ
リコプターは元来動的に不安定である一方、上昇、下
降、前進、転回等を主ローターと補助ローターだけで行
っている為、主ローターの駆動機構が極めて複雑になる
分、安全性に欠ける。またローターがむき出しになって
いる為に何らかの障害物に接触しただけでローターを破
損し破局的な大事故に至る危険性をはらんでいる。
【0004】本発明は、この様な従来のヘリコプターの
問題点を排除し、上記の様に限定された範囲における人
ないし物資の空中運搬手段としてヘリコプターよりはる
かに単純な機構を持ち、安定かつ安全で、垂直上昇、垂
直下降、空中停止、前進、後退、左右横滑り、水平面回
転等の運動機能を有する操縦性の高い空中運搬機(以後
機体と言う)を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に、従来のヘリコプターのローターに代わってダクト内
で回転する多翼ファンが用いられる。この多翼ファンは
減速・反転機を介して駆動エンジンに連結されるだけ
で、従来のヘリコプターが持つ複雑なヒンジ機構は必要
としない。作動する部分の機構が簡単なことは、その分
機体の安全性が高い事を意味する。又、ダクトは多翼フ
ァンの空気加速効率を増大させるのに重要であるが、一
方本発明の機体が他の障害物に接触したときに多翼ファ
ンを保護し、重大な事故に至らしめない保護カバーとし
ての機能も持ち合わせている。
【0006】従来の航空機のプロペラないしターボファ
ンやヘリコプターの主ローター並びに多翼ファンを一般
的に空気加速機といえば、航空機の場合は空気加速器が
推進力を発生し、それで得た空気の流れによる翼の揚力
で機体を浮上させている。一方ヘリコプターは空気加速
機だけで浮上と推進力を得ている.従ってその分複雑な
ヒンジ機構を必要としている。
【0007】本発明の機体は従来の航空機と全く逆の機
能を有している。つまり空気加速機は浮上の為の揚力を
発生するが、前進後退、横滑り、回転運動の為には翼が
用いられるのである。空気加速機が揚力を得るのは従来
のヘリコプターと同じ機能であるが、本発明の機体では
空気加速機が揚力を得る為にだけ使われ,前進後退、横
滑り、回転運動には翼の機能が使われるので、ヘリコプ
ターとは全くその動作を異にする。その為、作動部分の
機構がヘリコプタに比べ極めて単純化され、近距離輸送
の目的に適した安全な空中運搬機を提供する事が出来
る。
【0008】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。第1図において、本発明の
機体はダクト1、ダクトの一部であるベルマウス2、内
部支持体3、多翼ファン4a,4b、ファンの駆動エン
ジン5、減速・反転機6、多翼ファンが発生する空気流
を整流する整流板7、燃料タンク8、推進駆動装置9、
X軸推進翼10a,10b、Y軸推進翼11a,11b
から構成されている。整流板7は上記した本来の機能と
共にダクト1と内部支持体3を結合してこれを一体とな
す構造体でもある。推進駆動装置9、X軸推進翼10
a,10b、Y軸推進翼11a,11bを一緒にして推
進装置と呼ぶ。12はペイロードコンテナであり、本機
体が運搬する物資や人を収容する。このコンテナは一種
類ではなく、運ぶ物の形態によって最も適したものに取
り替える事が出来るものとなろう。13a,13b,1
3cは着地装置である。本機体は垂直離着地が可能であ
るから車輪は不要である。本実施例では多段の空気ダン
パーの効いた三脚を用いている。空中では脚を最小限に
縮めて空気抵抗を減らし、離着地時には最大限に伸ばし
てペイロードコンテナが接地しないように設計される。
【0009】第2図は発明を効率的に説明するために、
図面の座標を表示するものである。
【0010】ベルマウス2は空気の取り入れ口であり、
機体に吸入される空気の抵抗を減らすような形状で、同
時に機体が障害物に接触したときに多翼ファンに損傷を
与えないように設置されるものである。第3図にベルマ
ウスの上面図を示しているが、ダクトならびにベルマウ
スの横からの接触やある程度の衝突に対して強度を保
ち、かつ多翼ファンに損傷を与えるような物体を吸い込
まないように保護枠14が設けられている。駆動エンジ
ンの動力は減速・反転機6を通して多翼ファン4a、4
bに伝えられ多翼ファンは回転する。多翼ファン4aと
4bは互いに逆回転しているのでファンによるトルク反
作用はキャンセルされる。なお残るわずかなトルクアン
バランスの修正に付いては後で説明する。多翼ファンに
よって吸入された空気は加速され、ダクト1と内部支持
体3の間を勢いよく流れ、第1図の下部から噴出する。
これが機体の揚力となる。
【0011】第4図は空気の流れに対して翼が発生する
力について示している。本図では翼が対称翼として描か
れている。この場合翼弦が流れに並行ならば揚力を発生
しないが、図のように或る迎え角を持ったとき空気の流
れに垂直の方向に揚力を発生する。翼は同時に空気によ
る抵抗、抗力を発生するので揚力と合成された合力を発
生する事になる。ただ迎え角が失速を伴うほど大きくな
いとき、抗力は揚力に比べて非常に小さいので、合力は
揚力の方向と殆ど一致する。本文では抗力を無視した説
明とした。空力は翼断面全域にわたって発生するが、そ
の空力をすべてベクトル的に加算すれば或る一点に集中
して代表させることが出来る。その点を翼の空力中心と
呼ぶ。対称翼では空力中心まわりの空力モーメントはゼ
ロである。
【0012】次に推進装置の実施例について説明する。
機体の空気噴出口の内側に設けられた推進装置の詳細を
第5図に示す。X軸推進翼10a、10b、Y軸推進翼
11a,11bはその断面が対称翼の形状を持つもので
ある。これらは推進駆動装置9の中で第5図に示す如く
連結されている。X軸推進翼10a,10bはロッド1
0cで連結され、ロッドはレバー10d、サーボシリン
ダー10eで推進駆動装置外箱に固定されている。そし
てサーボシリンダー10eの伸縮に伴い、空気の流れに
対し±の迎え角を持つような動作を行う。一方Y軸推進
翼11a,11bは多少複雑な機構となっている。推進
翼11a,11bに固定されたロッドは傘型歯車17
a,17bに連結され、傘型歯車17と噛み合ってい
る。そしてこれらは連結枠15によって一体化されてい
る。連結枠15にはサーボモーター16が取付けられて
おり、それが傘型歯車17を駆動する。連結枠15には
レバー11dが連結され、これがサーボシリンダー11
eを介して推進駆動装置外箱9に固定されている。従っ
てY軸推進翼11a,11bはサーボシリンダー11e
によって同一方向の迎え角を持つ動作をすると共に、サ
ーボモーターの回転によって互いに逆方向の迎え角を持
つことが出来る。このような迎え角逆切り機構はX軸推
進翼の方で行っても良いし又XY両推進翼で行っても構
わない。翼が発生する揚力は迎え角の増加につれて増大
するが、殆どすべての翼型で15゜程度が最大値であっ
て、それ以上の迎え角では揚力が低下し一方抗力が急激
に増加する。従ってサーボシリンダーやサーボモーター
の作動範囲は少なくて足りることになる。
【0013】今まで本発明の空中運搬機の構造的な面を
説明したが、次に機体で発生する力と機体の運動につい
て説明する。推進翼は多翼ファンが作る高速な空気流に
対し平行、つまり第4図における迎え角が0の位置であ
れば、機体に対して何等の力も及ぼさない。従って多翼
ファン4a,4bによる揚力が機体の総重量プラス空気
流によって機体が発生する抗力と釣り合うように駆動エ
ンジン5の出力を調節すれば機体は空中停止状態とな
る。第6図から第8図は推進翼の傾斜角がゼロでない場
合に推進翼が発生する空力の状況を表している。図中の
重力2はペイロードコンテナ12の重心と重力を示し、
重力1はペイロードコンテナを含まない機体の重心と重
力を示している。機体は機体全体の重心を推進翼が発生
する空力中心より下になるように設計される。従って空
力によって機体が傾こうとすれば、それを戻そうとする
回転モーメントが働くために、機体は常に安定である。
第6図はX軸推進翼が或る迎え角を持ったとき、この推
進翼が発生する空力を示したものである。図のように迎
え角が前方に切られたとき、第4図が教える通り、発生
する空力はY軸前方に向かい機体を前進させる力とな
る。迎え角が本図と逆の方向に切られれば当然機体を後
退させる力となる。第7図はY軸推進翼について示した
ものであるが、事情はX軸推進翼と全く同じであって、
その迎え角が図のように切られれば機体は右横滑りの運
動を行う。迎え角が図と反対方向ならば左横滑り運動と
なる。第8図はY軸推進翼11a,11bがサーボモー
ター16によって迎え角を逆切りされた状態を示してい
る。迎え角が図のように切られれば、図に示したように
右回りの回転運動を機体に与える。迎え角の切り方が図
と逆であれば、機体は左回転の運動を行う。
【0014】従来の航空機ではその速度によって主翼の
揚力や方向舵の空力が変化する。従って、離着陸の速度
が遅いときフラップを効かせて揚力の低下を補ってい
る。しかし、本発明の機体においては空中停止の時でさ
え、推進翼は多翼ファンによる高速の空気流を受けてい
るから、強力な空力を発生することが出来る。従って、
空中停止の状態からすぐに3次元並びに水平面回転を実
行する事ができる。これが本発明の空中運搬機の大きな
特徴となっている。
【0015】以上で本発明の空中運搬機が前後、左右、
上下の3次元運動と水平面の回転が可能なことが説明さ
れた。この欄では本機体の実際的な運動と制御の問題を
考察する。先ず揚力を制御するのにはいろいろな方法が
考えられる。一つには多翼ファンのピッチ角を制御して
揚力を変えることが考えられるが、多翼ファンのピッチ
角を可変とすれば機構が極めて複雑になってしまう。従
って本機体ではピッチ可変とせず、空中停止状態の多翼
ファン回転数から、前進翼(X軸推進翼10a,10
b)が最高前進空力を発生し、かつ同一高度を保つ回転
数の領域において最高効率となるように、多翼ファン4
a,4b、駆動エンジン5、減速・反転機6の調和的な
設計が行われるであろう。そしてエンジンの回転数はち
ようど自動車のアクセルを踏むような感覚で制御され
る。細かな上下運動の制御には上下加速度センサーによ
る自動制御が併用される。本機体においては多翼ファン
の回転に伴うトルク反作用を、2重反転ファンを用いる
ことで打ち消している。しかしトルク反作用を実際に起
こるファンの回転数全域において完全に打ち消すことは
困難である。つまり多翼ファンの或る回転数のときわず
かなトルク反作用のアンバランスが発生し、このため機
体が自発的に回転してしまうことが考えられる。この回
転を打ち消すためにも実施例で説明したY軸推進翼に設
けた回転機構は重要である。つまりこの回転機構は故意
に機体を回転させる、いわゆる操縦的回転のほかに機体
の自発的な回転を修正する機能も果たしているのであ
る。トルク反作用のアンバランスによる機体の自発的な
回転に対しては、回転加速度センサーによる自動制御が
可能であり、操縦的回転は自動制御系に設定した目標値
の変更と言う形式で、自動制御系に命令を与えることに
よって達成される。推進翼の迎え角を切るためには、推
進翼の回転軸であるロッドが空力中心に固定されるなら
ば、非常に小さな力で足りる。従って力を増幅するため
の油圧システムは不要である。ただ操縦の指示を如何に
確実に伝えるかが設計上の問題となる。
【0016】
【発明の効果】本発明は実施例に記したごとく構成され
るので以下に記載されるような効果を得る事が出来る。
【0017】多翼ファンなど回転部分がダクトならびに
ベルマウスで保護されているから、本機体が障害物に接
触しただけでは墜落等大きな事故に至らない。
【0018】ヘリコプターの主ローターのような複雑な
回転機構を必要としないから製造コストが安く、安全性
が高い。
【0019】推進翼の空力は機体の速度に伴う空気流に
よって発生するのでなく、機体の多翼ファンが発生した
速い空気流によって発生するから空中停止状態でもすば
やい前後、左右、水平面回転運動が可能で、精度の良い
運動制御が可能となる。
【0020】2重反転多翼ファンを用いるためファン後
流の渦の発生が少なく、かつ空気流はダクト内だけを通
過するから空気流の散逸がおこらない。そのためファン
の効率が非常に良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 機体の内部構造図。
【図2】 座標軸。
【図3】 機体の上面図
【図4】 翼の空力の説明図。
【図5】 推進装置の内部構造の一例。
【図6】 X軸推進翼の空力説明図。
【図7】 Y軸推進翼の空力説明図。
【図8】 Y軸推進翼の回転力説明図。
【符号の説明】 1 ダクト 2 ベルマウス 3 内部支持体 4a,4b 多翼ファン 5 駆動エンジン 6 減速・反転機 7 整流板 8 燃料タンク 9 推進翼駆動装置 10a,10b X軸推進翼 10c X軸ロッド 10d X軸レバー 10e X軸サーボシリンダー 11a,11b Y軸推進翼 11c Y軸ロッド 11d Y軸レバー 11e Y軸サーボシリンダー 12 ペイロードコンテナ 13a,13b,13c 着地装置 14 保護枠 15 連結枠 16 サーボモーター 17 主傘型歯車 17a,17b 傘型歯車
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図5】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクト(1)内に、駆動エンジン
    (5)、多翼ファン(4)、方向舵(11、12)、回
    転舵(16)を設置し、多翼ファンが発生た高速空気流
    で舵の力を得る推進装置。
  2. 【請求項2】 多翼ファンによるトルク反作用を打ち消
    すためにダクト(1)と内部支持体(3)の間に翼型構
    造を持つ逆トルク板(8)を設置した請求項1の推進装
    置。
  3. 【請求項3】 上記推進装置と別体のペイロードコンテ
    ナ(19)を吊下げ装置(18)、吊下げバー(20)
    で推進装置から吊下げ、吊下げ装置によって推進機の傾
    斜角を可変とする空中運搬機。
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