JP3021232B2 - ヘリコプタ - Google Patents

ヘリコプタ

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JP3021232B2
JP3021232B2 JP5129495A JP12949593A JP3021232B2 JP 3021232 B2 JP3021232 B2 JP 3021232B2 JP 5129495 A JP5129495 A JP 5129495A JP 12949593 A JP12949593 A JP 12949593A JP 3021232 B2 JP3021232 B2 JP 3021232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリコプタの形状およ
び推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘリコプタ1は図17に示すよう
に主ロータ2を回転させ、かつ、サイクリック・ピッチ
・コントロ−ルによりロータ面を傾けることによって得
られる主ロータによる推力11の鉛直成分(すなわち揚
力)と重量10をバランスさせて、ヘリコプタ1を空中
に浮揚させ、前記推力11の前進方向成分(すなわち前
進力)と前進飛行時の機体の抵抗とをバランスさせるこ
とによりヘリコプタを飛行させていた。すなわち、ヘリ
コプタの主ロータ2のみにより、ヘリコプタの重量を支
えるとともに、主ロータによる前進力19でヘリコプタ
を進行方向9に前進させていた。
【0003】そして主ロータを回転させる反作用とし
て、胴体に発生するトルク(以下主ロータトルクとい
う)13は、垂直尾翼7の上部にとりつけられたテール
ロータの推力による重心9まわりの偏揺れモーメント1
6により打ち消していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のヘリコプタで
は、前進飛行を行なうためには図17に示すように、主
ロータを傾けることにより得られる推力の前進方向成分
で前進力を得、前記推力の鉛直方向成分で揚力を得て、
前進飛行を行なっていた。
【0005】しかし、従来のヘリコプタの主ロータのロ
ータ面を傾ける方法では、傾ける角度が限られている
(約10〜20°程度)ため主ロータによる前進力の大
きさは制限される。そのため、ヘリコプタの高速性能
(最高速度、巡航速度等)も制限をうけ、固定翼航空機
(プロペラ機とかジェット機)よりも高速性能がはるか
に劣っていた。
【0006】また、従来のヘリコプタでは、図17
(c)に示すように、胴体の幅の広い所から、幅の狭い
所にかけて、剥離した空気の流れが発生し、胴体の空気
抵抗を増加している。この空気抵抗の増加と、前述の主
ロータによる前進力の限界とにより、ヘリコプタの高速
性能は、固定翼航空機に比して、大幅な劣性の状態にあ
るため、ヘリコプタの高速性能の向上が強く望まれてい
た。
【0007】また剥離した空気の流れに起因する振動を
発生して、パイロット等の乗員、乗客の乗り心地を悪化
したり、振動に起因する搭載品のトラブルを発生した
り、騒音を発生して、パイロット等の乗員、乗客等の快
適性の支障をきたしたり、ヘリコプタが飛行する付近の
住民に対する騒音公害をもたらしていたりしていた。
【0008】また、従来のヘリコプタでは主ロータの回
転によって発生する主ロータトルクは、垂直尾翼の先端
部にとりつけられたテールロータ推力による重心回りの
偏揺れモーメントにより打ち消す必要があるため、テー
ルロータは比較的大きくする必要があった。そのため垂
直尾翼も大きくなり、重量増加をもたらしたり、空力抵
抗の増加をもたらしたりしていた。またテールロータと
垂直尾翼とが空力干渉を発生して、垂直尾翼の効きを悪
化して、方向安定性を小さくしていた(図18参照)。
これを補うためには、より大きな垂直尾翼を必要とする
ので、これに起因して重量が増加したり、空気抵抗が増
加したりして、ヘリコプタの性能も悪化するという不具
合があった。本発明は従来のヘリコプタが有する前述の
問題点を解消するヘリコプタを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1の手段) 本発明に係るヘリコプタは、胴体中心線14に対して左
右非対称の胴体を有するとともに、該胴体の後部にプロ
ペラ23又はダクティッドプロペラ28を装着したヘリ
コプタにおいて、前記プロペラ又はダクティッドプロペ
ラの前後方向の位置は、胴体後部と水平尾翼の間とし、
左右方向の位置は、胴体中心線14に対し、テールコー
ン60の位置の反対側とし、前記プロペラ又はダクティ
ッドプロペラの駆動は、電動装置26と制御装置25を
介して主ロータの駆動装置20の駆動により行ない、前
記プロペラ23又はダクティッドプロペラ28の制御は
スイッチ22からの信号に基づき制御装置25により行
なうことを特徴とする。 (第2の手段) 本発明に係るヘリコプタは、第1の手段において、ヘリ
コプタの速度センサ31とコンピュータ33を具備し、
前記ヘリコプタの速度センサ31は、ヘリコプタの前進
速度を示す信号をコンピュータ33に出力し、前記コン
ピュータ33は、ヘリコプタの前進速度が所定の速度以
上になると、自動的に制御装置25に、プロペラ23又
はダクティッドプロペラ28を作動させる信号を出力す
ることを特徴とする。 (第3の手段) 本発明に係るヘリコプタは、胴体中心線14に対して左
右非対称の胴体を有するとともに、該胴体の後部にプロ
ペラ23又はダクティッドプロペラ28を装着したヘリ
コプタにおいて、前記プロペラ23又はダクティッドプ
ロペラ28の前後方向の位置は、胴体後部と水平尾翼の
間とし、左右方向の位置は、胴体中心線14に対し、テ
ールコーン60の位置の反対側とし、前記プロペラ23
又はダクティッドプロペラ28の駆動は、電動機30に
より行ない、該電動機30の制御は、スイッチ22から
の信号により行なうことを特徴とする。 (第4の手段) 本発明に係るヘリコプタは、胴体中心線(14)に対し
て左右非対称の胴体を有するとともに、該胴体の後部に
プロペラ(23)又はダクティッドプロペラ(28)を
装着したヘリコプタにおいて、前後方向の位置を胴体後
部と水平尾翼の間とするとともに左右方向の位置を胴体
中心線(14)に対してテールコーン(60)の位置の
反対側としたプロペラ(23)又はダクティッドプロペ
ラ(28)と、前記プロペラ(23)又はダクティッド
プロペラ(28)を駆動する電動機(30)と、ヘリコ
プタの速度センサ(31)と、この速度センサ(31)
の検出信号により前記電動機(30)を駆動制御するコ
ンピュータ(33)とを具備し、前記ヘリコプタの速度
センサ(31)は、ヘリコプタの前進速度を示す信号を
コンピュータ(33)に出力し、該コンピュータ(3
3)は、ヘリコプタの前進速度が所定の速度以上になる
と前記電動機(30)を自動的に作動させることを特徴
とする。
【0010】
【作用】ヘリコプタの胴体を、上方から見て、その胴体
中心線14に対して、左右非対称形状とし、主ロータ回
転方向12が上方から見て反時計まわりの場合には、ヘ
リコプタの尾部(水平尾翼6、垂直尾翼7、テールロー
タ38等)が中心線14より左舷側に位置するように配
置する。このようにすると左舷側の空力抵抗が右舷側に
比して大きくなり、非対称形状による偏揺れモーメント
(主ロータトルク13と反対向)39が重心9まわりに
作用して主ロータ2の回転によって発生する主ロータト
ルク13を打ち消すことができる。そのためテールロー
タ8は従来のテールロータに比して、より小さなテール
ロータ38にすることができる。
【0011】ヘリコプタの左右非対称とした胴体の右舷
側の後部にプロペラ23またはダクティッドプロペラ2
8を装着することにより、ヘリコプタの主ロータ2によ
る前進力とは別の独立した前進力が得られる。そのため
主ロータ面を傾けた状態にすることによって得られる主
ロータによる前進力19(図17参照)よりも大幅に前
進力を増加することができ、ヘリコプタの高速性能(最
高速度、巡航速度等)の向上に寄与することができる。
【0012】ダクティッドプロペラ28にすると、単な
るプロペラの場合よりも大きな推力(前進力)を得るこ
とができ、同一の推力(前進力)を得ることとすると、
ダクティッドプロペラは単なるプロペラの場合よりも小
さな直径のものとすることができる。ダクト47の効果
は、図16に示すとおりで、ダクト47をつけると、同
一の直径の場合、ダクト47なしの約1.5倍以上の推
力(推力)を得ることができる。また、同一の推力(前
進力)を得るものとすると、ダクティッドプロペラ28
の直径はプロペラ23の約0.7以下とすることができ
ることとなる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。 第1実施例 本発明の第1実施例について、図1及び図12を参照し
ながら説明する。図1(A)は第1実施例を横から見た
図、図1(B)は第1実施例を上方から見た図、図1
(C)は第1実施例を前方から見た断面図、図12は第
1実施例の作動ブロック図を示す。
【0014】ヘリコプタの胴体形状を胴体37の胴体中
心線14に対して、上方から見て左右非対称形状とし、
胴体37の左舷側の外形線を直線的に胴体37の後端部
までのばし、かつ、テールコーンの左舷側外形線と一直
線になるように形成する。そしてテールコーン後端部に
水平尾翼6と垂直尾翼7とテールロータ38をとりつけ
る。胴体の右舷側は図1(A)に示すように従来の胴体
形状にするが胴体の後端部では胴体中心線14の左側で
テールコーンの右舷側外形線と交わるようにする。ここ
で主ロータ2の回転方向は、上方から見て反時計まわり
とする。(以下の実施例の説明においても同様とす
る。) このように配置すると、中心線14より左舷側の空力抵
抗が大となって重心9まわりに非対称形状による偏揺れ
モーメント39が形成され、主ロータ2の回転により発
生する主ロータトルク11の一部を打ち消すことができ
る。そのためテールロータ38は従来のテールロータよ
りも小さくすることができる。
【0015】またプロペラ23を右舷側の胴体37の後
部にとりつけることができるので、このプロペラ23に
よる推力(前進力)が得られる。そのため主ロータ面を
前傾状態18とすることにより得られる主ロータによる
前進力19にプラスされて、大きな前進力を得ることが
できる。
【0016】その上、プロペラ23が作動することによ
り、図17(C)に示すような剥離した空気の流れ17
も整流されて、図1(B)に示すような剥離の少ない流
れ35になり、胴体37の空力抵抗を減少させることが
できるので、これれと上述の前進力向上とあいまって、
ヘリコプタの高速性能の向上をはかることができる。
【0017】また、プロペラ23が作動すると、重心9
まわりにプロペラ推力(前進力)による偏揺れモーメン
ト36が形成され、主ロータ2の回転により発生する主
ロータトルク13の一部を打ち消すことができる。その
ため前述の非対称形状による偏揺れモーメント39との
両方からテールロータの直径を従来のテールロータより
も小さくすることができる。
【0018】プロペラ23の作動により、胴体37まわ
りの流れを剥離の少い空気の流れ35とすることがで
き、従来のヘリコプタが有していた剥離した空気の流れ
17に起因して生じていた振動を軽減できる。そのため
パイロット等の乗員、乗客等の乗り心地を改善したり、
振動に起因する搭載品のトラブルの発生を減少したり、
騒音を軽減して、パイロット等の乗員、乗客等に対する
快適性を向上し、ヘリコプタが飛行する付近の住民に対
する騒音公害を減少することに寄与することができる。
【0019】プロペラ23は胴体37の右舷側の後部に
とりつけ、プロペラ回転軸24と制御装置25と伝達装
置26を介して、主ロータ2を駆動する駆動装置20の
動力により回転させる。
【0020】パイロット21がスイッチ22を操作する
と電気信号が配線27を通って制御装置25に伝達さ
れ、この制御装置25の制御によりプロペラ23はプロ
ペラ回転軸24を介して回転することができる。これら
の作動プロセスを図12の作動ブロック図に示す。
【0021】なおプロペラ23の胴体37への取付位置
は、胴体37の右舷側としたが、中心線14上でも左舷
側でもよい。しかし主ロータトルク13を打ち消す効果
から見ると右舷側のできるだけ外側にプロペラ23をと
りつける方が効果が大きい。
【0022】また、プロペラ23の個数を1個として説
明してきたが、複数個でもよい。 第2実施例 本発明の第2実施例について、図2及び図12を参照し
ながら説明する。図2(A)は第2実施例を横から見た
図、図2(B)は第2実施例を上方から見た図、図2
(C)は第2実施例を前方から見た図、図12は第2実
施例の作動ブロック図を示す。
【0023】第2実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、プロペラ23とプロペラ回転軸2
4を備えているが、第2実施例では、それらの代わりに
ダクティッドプロペラ28とダクティッドプロペラ回転
軸29を備えている。したがって第1実施例と同様な機
能、作用、効果等を有する。
【0024】プロペラ23をダクティッドプロペラ28
にすると、単なるプロペラ23の場合よりも大きな推力
(前進力)を得ることができる。そのため同一推力(前
進力)を得ることとすると、ダクティッドプロペラ28
は単なるプロペラ23の場合よりも小さな直径のものに
することができる。ダクト47の効果は図16に示すよ
うに、ダクト47をつけることにより、同一の直径とす
ると、ダクト47なしの場合の約1.5倍以上の推力
(前進力)を得ることができる。また同一の推力(前進
力)を得るものとすると、ダクティッドプロペラ28の
直径は、プロペラ23の約0.7以下にすることができ
る。
【0025】第2実施例のダクティッドプロペラ28
は、以下に説明する第3〜11実施例にも適用できる。 第3実施例 本発明の第3実施例について、図3及び図13を参照し
ながら説明する。図3(A)は第3実施例を横から見た
図、図3(B)は第3実施例を上方から見た図、図13
は第3実施例の作動ブロック図を示す。
【0026】第3実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、プロペラ23を回転させる動力と
して主ロータ2を回転する駆動装置20の動力を利用し
ていたが、第3実施例では、独立した電動機30を装着
し、その電動機の動力により、直接プロペラ23を回転
させる。このようにすれば、駆動装置20と伝達装置2
6と制御装置25を介することなく、直接に電動機30
の動力でプロペラ23を回転することができるので、プ
ロペラ23の動力系統をコンパクトにまとめることがで
きる。
【0027】第3実施例は、前述の第1実施例と同様に
以下に説明する第4〜9実施例のいずれにも適用でき
る。第3実施例は動力源を異にする以外は、第1実施例
と同様である。したがって第1実施例と同様な機能、作
用、効果等を有する。
【0028】もちろん、第2実施例のダクティッドプロ
ペラ28を適用することもできる。 第4実施例 本発明の第4実施例について、図4及び図12を参照し
ながら説明する。図4(A)は第4実施例を横から見た
図、図4(B)は第4実施例を上方から見た図、図4
(C)は第4実施例を前方から見た断面図、図12は第
4実施例の作動ブロック図を示す。
【0029】第4実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、胴体37の形状が胴体37の左舷
側の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばし後端
部に、テールコーン60と水平尾翼6と垂直尾翼7とテ
ールロータ38をとりつけ、右舷側の胴体37形状は、
従来のものと同じであったが、第4実施例では、左舷側
については第1実施例と同様にし、右舷側は胴体の幅の
広い部分から後方を上方から見て、直線的に整形した
(曲線的に後方に凸形になるように整形してもよい)形
状の胴体40として、より空力抵抗を小として、その右
舷側にプロペラ23をとりつける。プロペラ23は胴体
40の中心線14上または左舷側にとりつけてもよい
が、その場合は、右舷側にプロペラ23をつけた場合に
比して、プロペラ推力による偏揺れモーメント36の大
きさが小さくなり、主ロータ2の回転により発生する主
ロータトルク13の一部を打ち消す効果が減少すること
となる。
【0030】以上点を除けば、第1実施例と同様であ
る。したがっ第4実施例も第1実施例と同様な機能、作
用、効果等を有する。もちろん、第2実施例のダクティ
ッドプロペラ28および第3実施例の電動機30による
動力も第4実施例に適用することができる。
【0031】第5実施例 本発明の第5実施例について、図5及び図12を参照し
ながら説明する。図5(A)は第5実施例を横から見た
図、図5(B)は第5実施例を上方から見た図、図5
(C)は第5実施例を前方から見た断面図、図12は第
5実施例の作動ブロック図を示す。
【0032】第5実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では胴体37の形状が胴体37の左舷側
の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばしテール
コーン60の後端部に水平尾翼6と垂直尾翼7とテール
ロータ38をとりつけているが、第5実施例では、第1
実施例の胴体形状にかえ、胴体37の左舷側の外形線よ
りもテールコーン60を左側に配置し、胴体44の幅の
広い所からテールコーン60に至る部分を前述の第1実
施例よりも左側に直線的に移動させる。したがって、テ
ールコーン60と水平尾翼6と垂直尾翼7とテールロー
タ38は、中心線14に対して第1実施例より左側へオ
フセットされた形状になる。そのため重心9まわりに第
1実施例の場合よりも大きい非対称形状による偏揺れモ
ーメント39を形成して主ロータ2の回転によって発生
する主ロータトルク13の一部を打ち消すことができ
る。
【0033】以上のほかは、第1実施例と同様である。
したがっ第1実施例と同様な機能、作用、効果等を有す
る。もちろん、第2実施例のダクティッドプロペラ28
および第3実施例の電動機30による動力も第5実施例
に適用することができる。
【0034】第6実施例 本発明の第6実施例について、図6及び図12を参照し
ながら説明する。図6(A)は第6実施例を横から見た
図、図6(B)は第6実施例を上方から見た図、図6
(C)は第6実施例を前方から見た断面図、図12は第
6実施例の作動ブロック図を示す。
【0035】第6実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、胴体37の形状が胴体37の左舷
側の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばし、テ
ールコーン60の後端部に水平尾翼6と垂直尾翼7とテ
ールロータ38をとりつけ、右舷側は従来の胴体5形状
を延長したものであったが、第6実施例では、左舷側の
胴体45の幅の広い所の中央部から後方を前述の第1実
施例よりも左側に直線的に移動させ、右舷側は図6
(B)の胴体42のように修正する。
【0036】したがって、テールコーン60と水平尾翼
6と垂直尾翼7とテールロータ32を中心線14に対し
て、前述の第1実施例よりも左側へ移動させ、右舷側も
胴体45のように修正するため前述の第1実施例よりも
左側へオフセットされた形状となり、重心9まわりに第
1実施例の場合よりも大きな非対称形状による偏揺れモ
ーメント39を形成して、主ロータ2の回転によって発
生する主ロータトルク13の一部を打ち消すことができ
る。
【0037】以上のほかは、第6実施例は第1実施例と
同様である。したがって第1実施例と同様な機能、作
用、効果等を有する。もちろん、第2実施例のダクティ
ッドプロペラ28および第3実施例の電動機30による
動力も第6実施例に適用できる。
【0038】第7実施例 本発明の第7実施例について、図7及び図12を参照し
ながら説明する。図7(A)は第7実施例を横から見た
図、図7(B)は第7実施例を上方から見た図、図7
(C)は第7実施例を前方から見た断面図、図12は第
7実施例の作動ブロック図を示す。
【0039】第7実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、胴体37の形状が胴体37の左舷
側の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばしテー
ルコーン60の後端部に水平尾翼6と垂直尾翼7とテー
ルロータ38をとりつけ、右舷側は従来の胴体5を延長
したものであったが、第7実施例では、左舷側の胴体4
3の幅の広い所の中央部から後方を曲線的に前述の第1
実施例よりも左側に直線的に移動させ、右舷側は第1実
施例の胴体37と同じ形状とするものである。
【0040】したがって、テールコーン60と水平尾翼
6と垂直尾翼7とテールロータ38が中心線14に対し
て、前述の第1実施例より左側へオフセットされた形状
となる。そのため重心9まわりに第1実施例よりも大き
な非対称形状による偏揺れモーメント39を形成して、
主ロータ2の回転によって発生する主ロータトルク13
の一部を打ち消すことができる。
【0041】以上のほかは、第1実施例と同様である。
したがって第1実施例と同様な機能、作用、効果等を有
する。もちろん、第2実施例のダクティッドプロペラ2
8および第3実施例の電動機30による動力も第7実施
例に適用することができる。
【0042】右舷側は第4実施例の図4に示すような胴
体形状にしてもよく、その直線的変化部を曲線的に変化
してもよい。 第8実施例 本発明の第8実施例について、図8及び図12を参照し
ながら説明する。図8(A)は第8実施例を横から見た
図、図8(B)は第8実施例を上方から見た図、図8
(C)は第8実施例を前方から見た断面図、図12は第
8実施例の作動ブロック図を示す。
【0043】第8実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、胴体37の形状が胴体37の左舷
側の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばし、後
端部にテールコーン60と水平尾翼6と垂直尾翼7とテ
ールロータ38をとりつけ、右舷側は従来の胴体5形状
を延長したものであったが、第8実施例では、左舷側の
外形線が胴体44の前部から後方へ直線的に第1実施例
よりも左側に移動(中心線14からはなれるように)さ
せ、右舷側は胴体37と同じ形状とするものである。
【0044】したがって、テールコーン60と水平尾翼
6と垂直尾翼7とテールロータ32を中心線14に対し
て、前述の第1実施例よりも左側へオフセットされた形
状となり、重心9まわりに第1実施例よりも大きな非対
称形状による偏揺れモーメント39を形成して主ロータ
2の回転によって発生する主ロータトルク13の一部を
打ち消すことができる。
【0045】以上のほかは第8実施例は第1実施例と同
様である。したがって第1実施例と同様な機能、作用、
効果等を有する。もちろん、第2実施例のダクティッド
プロペラ28および第3実施例の電動機30による動力
も第8実施例に適用できる。
【0046】右舷側は第4実施例の図4に示すような胴
体形状にしてもよく、直線的変化部を曲線的に変化して
もよい。 第9実施例 本発明の第9実施例について、図9及び図12を参照し
ながら説明する。図9(A)は第9実施例を横から見た
図、図9(B)は第9実施例を上方から見た図、図9
(C)は第9実施例を前方から見た断面図、図12は第
9実施例の作動ブロック図を示す。
【0047】第9実施例は、第1実施例と次の点が異な
る。第1実施例では、胴体37の形状が胴体37の左舷
側の外形線を直線的に胴体37の後端部までのばし、テ
ールコーン60の後端部に水平尾翼6と垂直尾翼7とテ
ールロータ38をとりつけ、右舷側は従来の胴体5形状
を延長したものであったが、第9実施例では、左舷側の
胴体45の前部から後方を曲線的に第1実施例よりも左
側に移動させるとともに、右舷側の胴体45の幅の広い
所から後方を、後方が凸になるように曲線的に整形する
ものである。
【0048】したがって、テールコーン60と水平尾翼
6と垂直尾翼7とテールロータ38が中心線14に対し
て、前述の第1実施例よりも左側へオフセットされた形
状となり、重心9まわりに第1実施例の場合よりも大き
な非対称形状による偏揺れモーメント39を形成して、
主ロータ2の回転によって発生する主ロータトルク13
の一部を打ち消すことができる。
【0049】以上のほかは、第9実施例は第1実施例と
同様である。したがって第1実施例と同様な機能、作
用、効果等を有する。もちろん、第2実施例のダクティ
ッドプロペラ28および第3実施例の電動機30による
動力も第9実施例に適用できる。
【0050】第10実施例 本発明の第10実施例について、図10及び図14を参
照しながら説明する。図10は第10実施例を横から見
た図、図14は第10実施例の作動ブロック図を示す。
【0051】前述の第1、2、4〜9実施例では、パイ
ロット21のスイッチ22操作により、電気信号が配線
27を通って制御装置25に伝達され、この制御装置2
5の制御によりプロペラ23はプロペラ回転軸24を介
して回転するが、第10実施例では、センサ31をヘリ
コプタに搭載し、配線32を介してセンサ31で検出さ
れたヘリコプタの速度信号がコンピュータ33に入力さ
れ、コンピュータ33で処理、制御され、速度がある大
きさ(例えば50ノット)以上になると制御信号が配線
34を通って制御装置25に伝達され、制御されてプロ
ペラ23はプロペラ回転軸24を介して、回転させられ
る。これらの作動プロセスを、図14の作動ブロックに
示す。
【0052】第10実施例は、前述の第1、2、4〜9
実施例にも適用できる。第10実施例の自動システムに
よれば、パイロット21のスイッチ22操作なしに自動
的にプロペラ23の作動ができるので、パイロット21
の作業負担を軽減することができ、ヘリコプタの飛行安
全の確保に寄与することができる。
【0053】以上はプロペラ23を装備した場合に対す
る説明であるが、ダクティッドプロペラ28を装備した
場合に対しても、同様に適用できる。 第11実施例 本発明の第11実施例について、図11及び図15を参
照しながら説明する。図11は第11実施例を横から見
た図、図15は第11実施例の作動ブロック図を示す。
【0054】前述の第3実施例では、パイロット21の
スイッチ22操作により、電気信号が配線27を通って
電動機30に伝達され、電動機30の動力によりプロペ
ラ回転軸24を介して、プロペラ23を回転させるが、
第11実施例では、センサ31をヘリコプタに搭載し、
配線32を介してセンサ31で検出されたヘリコプタの
速度信号をコンピュータ33に入力し、コンピュータ3
3により処理と制御を行ない、速度がある大きさ(例え
ば50ノット)以上になると、制御信号を配線34を介
して電動機30に伝達し、プロペラ23の回転数を制御
する。これらの作動プロセスを、図15の作動ブロック
に示す。
【0055】第11実施例は、前述の第3実施例にも適
用できる。このように、第11実施例の自動システムに
よればパイロット21のスイッチを操作なしに自動的に
プロペラの作動ができるので、パイロット21の作業負
担を軽減でき、ヘリコプタの飛行安全の確保に寄与でき
る。以上はプロペラ23を装備した場合に対する説明で
あるが、ダクティッドプロペラ28を装備した場合に対
しても、同様に適用できる。
【0056】
【発明の効果】本発明のヘリコプタは前述のように構成
されているので、以下に記載するような効果を奏する。 (1)ヘリコプタの胴体中心線に対し左右が非対称の胴
体を有し、その後端部にテールコーンと、水平尾翼と、
垂直尾翼とテールロータをとりつけているために発生す
る非対称形状による偏揺れモーメントにより、主ロータ
トルクの1部を打ち消すことができる。 (2)ヘリコプタにプロペラまたはダクティッドプロペ
ラを装着しているので前進力を増大することができる。
そのためヘリコプタの高速性能を向上することができ
る。 (3)プロペラ又はダクティッドプロペラの装着位置
を、前後方向の位置については胴体後部と水平尾翼の間
とし、左右方向の位置については、胴体中心線に対しテ
ールコーンの位置の反対側としているので、プロペラ又
はダクティッドプロペラが発生する前進力に基づく偏揺
れモーメントにより、主ロータトルクの1部を打ち消す
ことができる。 (4)プロペラ又はダクティッドプロペラを(3)に記
載した位置、すなわち前後方向の位置については胴体後
部と水平尾翼の間とし、左右方向の位置については胴体
中心線に対しテールコーンの位置に装着しているため、
プロペラ又はダクティッドプロペラを回転することによ
り胴体まわりの流れを剥離の少ない流れにすることがで
きる。
【0057】そのため剥離した空気の流れに起因する振
動と騒音を軽減することができる。その結果、ヘリコプ
タの乗り心地を改善することができるとともに、ヘリコ
プタの飛行する付近の住民に対する騒音公害を減少させ
ることができる。 (5)プロペラ又はダクティッドプロペラの駆動に、主
ロータ駆動用の動力を利用するのではなく、独立した電
動機を搭載して、その動力により直接プロペラ又はダク
ティッドプロペラを回転する場合には、プロペラ又はダ
クティッドプロペラの駆動に駆動装置20、伝達装置2
6および制御装置25を介して主ロータ駆動用の動力を
利用する場合に比し、コンパクトにできるとともに、駆
動装置20が故障してもプロペラ又はダクティッドプロ
ペラを回転することができる。
【0058】そのため飛行の安全性を向上することがで
きる。 (6)ヘリコプタの速度を検出するセンサ31を搭載
し、ヘリコプタの速度が所定の速度以上になるとコンピ
ュータ33の制御により、自動的に制御装置25または
電動機30を作動させる自動システムを有する場合に
は、パイロットの作動負担を軽減することができる。そ
のためヘリコプタの飛行の安全性を向上させることがで
きる。 (7)前述の(1)および(3)の効果を有することに
より、主ロータトルクの1部を打ち消すことができるの
で、テールロータの直径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図。
【図2】本発明の第2実施例を示す図。
【図3】本発明の第3実施例を示す図。
【図4】本発明の第4実施例を示す図。
【図5】本発明の第5実施例を示す図。
【図6】本発明の第6実施例を示す図。
【図7】本発明の第7実施例を示す図。
【図8】本発明の第8実施例を示す図。
【図9】本発明の第9実施例を示す図。
【図10】本発明の第10実施例を示す図。
【図11】本発明の第11実施例を示す図。
【図12】本発明の作動ブロック図(第1、2、4〜9
実施例)。
【図13】本発明の作動ブロック図(第3実施例)。
【図14】本発明の作動ブロック図(第10実施例)。
【図15】本発明の作動ブロック図(第11実施例)。
【図16】ダクティッドプロペラの説明図。
【図17】従来のヘリコプタの説明図。
【図18】偏揺れモーメントと横滑り角の関係を示す
図。
【符号の説明】
1…ヘリコプタ、2…主ロータ、3…主ロータ回転軸、
4…エンジン、5…胴体、6…水平尾翼、7…垂直尾
翼、8…テールロータ、9…進行方向、10…ヘリコプ
タの重量、11…主ロータによる揚力、12…主ロータ
回転方向、13…主ロータトルク、14…中心線(水平
方向)、14V…中心線(垂直方向)、15…重心、1
6…テールロータ推力による偏揺れモーメント、17…
剥離した空気の流れ、18…ロータ面を傾けた状態、1
9…主ロータによる推力、20…駆動装置、21…パイ
ロット、22…スイッチ、23…プロペラ、24…プロ
ペラ回転軸、25…制御装置、26…伝達装置、27…
配線、28…ダクティッドプロペラ、29…ダクティッ
ドプロペラ回転軸、30…電動機、31…センサ31、
32…配線、33…コンピュータ、34…配線、35…
剥離の少い空気の流れ、36…プロペラ推力による偏揺
れモーメント、37…胴体、38…テールロータ、39
…非対称形状による偏揺れモーメント、40〜45…胴
体、46…ダクティッドプロペラ、47…ダクト、48
…プロペラのある位置の断面積、49…出口面積、50
…ダクトのない場合の推力、51…ダクトのある場合の
推力、52…気流、53…横滑り角、54…偏揺れモー
メント、60…テールコーン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−86700(JP,A) 特開 昭59−29598(JP,A) 特開 平5−193582(JP,A) 特開 平4−328096(JP,A) 特開 平3−121996(JP,A) 特開 平4−27697(JP,A) 特開 平4−358997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64C 27/82

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴体中心線(14)に対して左右非対称
    の胴体を有するとともに、該胴体の後部にプロペラ(2
    3)又はダクティッドプロペラ(28)を装着したヘリ
    コプタにおいて、前記プロペラ又はダクティッドプロペ
    ラの前後方向の位置は、胴体後部と水平尾翼の間とし、
    左右方向の位置は、胴体中心線(14)に対し、テール
    コーン(60)の位置の反対側とし、前記プロペラ又は
    ダクティッドプロペラの駆動は、電動装置(26)と制
    御装置(25)を介して主ロータの駆動装置(20)の
    駆動により行ない、前記プロペラ(23)又はダクティ
    ッドプロペラ(28)の制御はスイッチ(22)からの
    信号に基づき制御装置(25)により行なうことを特徴
    とするヘリコプタ。
  2. 【請求項2】 ヘリコプタの速度センサ(31)とコン
    ピュータ(33)を具備し、前記ヘリコプタの速度セン
    サ(31)は、ヘリコプタの前進速度を示す信号をコン
    ピュータ(33)に出力し、前記コンピュータ(33)
    は、ヘリコプタの前進速度が所定の速度以上になると、
    自動的に制御装置(25)に、プロペラ(23)又はダ
    クティッドプロペラ(28)を作動させる信号を出力す
    ることを特徴とする請求項1記載のヘリコプタ。
  3. 【請求項3】 胴体中心線(14)に対して左右非対称
    の胴体を有するとともに、該胴体の後部にプロペラ(2
    3)又はダクティッドプロペラ(28)を装着したヘリ
    コプタにおいて、前記プロペラ(23)又はダクティッ
    ドプロペラ(28)の前後方向の位置は、胴体後部と水
    平尾翼の間とし、左右方向の位置は、胴体中心線(1
    4)に対し、テールコーン(60)の位置の反対側と
    し、前記プロペラ(23)又はダクティッドプロペラ
    (28)の駆動は、電動機(30)により行ない、該電
    動機(30)の制御は、スイッチ(22)からの信号に
    より行なうことを特徴とするヘリコプタ。
  4. 【請求項4】 胴体中心線(14)に対して左右非対称
    の胴体を有するとともに、該胴体の後部にプロペラ(2
    3)又はダクティッドプロペラ(28)を装着したヘリ
    コプタにおいて、前後方向の位置を胴体後部と水平尾翼
    の間とするとともに左右方向の位置を胴体中心線(1
    4)に対してテールコーン(60)の位置の反対側とし
    たプロペラ(23)又はダクティッドプロペラ(28)
    と、前記プロペラ(23)又はダクティッドプロペラ
    (28)を駆動する電動機(30)と、ヘリコプタの速
    度センサ(31)と、この速度センサ(31)の検出信
    号により前記電動機(30)を駆動制御するコンピュー
    タ(33)とを具備し、前記ヘリコプタの速度センサ
    (31)は、ヘリコプタの前進速度を示す信号をコンピ
    ュータ(33)に出力し、該コンピュータ(33)は、
    ヘリコプタの前進速度が所定の速度以上になると前記電
    動機(30)を自動的に作動させることを特徴とするヘ
    リコプタ。
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