JP2009051381A - サイクロイダル・ブレード - Google Patents
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Abstract
【課題】前進飛行時に前進力を発生させることができて、前進速度を増加させることができるサイクロイダル・ブレードを提供すること。
【解決手段】ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて、一方向に推力Fを発生させるサイクロイダル・ブレード10であって、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延びる回転軸12と、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延び、かつ、前記回転軸12とともに回転する複数枚のブレード11と、前記一方向と反対の方向に移動させられることにより、前記一方向と反対の側を通過する前記ブレード11のピッチ角を減少させ、前記一方向と同じ側を通過するブレード11のピッチ角を増加させるピッチ角変更機構13とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて、一方向に推力Fを発生させるサイクロイダル・ブレード10であって、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延びる回転軸12と、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延び、かつ、前記回転軸12とともに回転する複数枚のブレード11と、前記一方向と反対の方向に移動させられることにより、前記一方向と反対の側を通過する前記ブレード11のピッチ角を減少させ、前記一方向と同じ側を通過するブレード11のピッチ角を増加させるピッチ角変更機構13とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて推力を発生するサイクロイダル・ブレードに関するものである。
ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて推力を発生するものとしては、メインロータのアンチトルクを発生させるテールロータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−145196号公報(図2)
しかしながら、上記特許文献1に開示されたようなテールロータは、メインロータのアンチトルクを発生させるだけのものであり、前進力に寄与する推力を発生させるものではなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、前進飛行時に前進力を発生させることができて、前進速度を増加させることができるサイクロイダル・ブレードを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るサイクロイダル・ブレードは、ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて、一方向に推力を発生させるサイクロイダル・ブレードであって、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延びる回転軸と、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延び、かつ、前記回転軸とともに回転する複数枚のブレードと、前記一方向と反対の方向に移動させられることにより、前記一方向と反対の側を通過する前記ブレードのピッチ角を減少させ、前記一方向と同じ側を通過するブレードのピッチ角を増加させるピッチ角変更機構とを備えている。
本発明に係るサイクロイダル・ブレードは、ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて、一方向に推力を発生させるサイクロイダル・ブレードであって、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延びる回転軸と、前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延び、かつ、前記回転軸とともに回転する複数枚のブレードと、前記一方向と反対の方向に移動させられることにより、前記一方向と反対の側を通過する前記ブレードのピッチ角を減少させ、前記一方向と同じ側を通過するブレードのピッチ角を増加させるピッチ角変更機構とを備えている。
本発明に係るサイクロイダル・ブレードによれば、例えば、図2および図3に示すように、水平面(回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面))内において、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19を備えたピッチ角変更機構13を、発生させたい推力Fの方向と反対の方向に移動させることにより、移動させた側を通過するブレード11のピッチ角が減少し、移動させた側と反対の側を通過するブレード11のピッチ角が増加することとなり、これにより、移動させた側と反対の側に向かって推力Fが発生することとなる。
すなわち、本発明に係るサイクロイダル・ブレードによれば、例えば、水平面内の所望の方向に推力Fを発生させることができる。
すなわち、本発明に係るサイクロイダル・ブレードによれば、例えば、水平面内の所望の方向に推力Fを発生させることができる。
本発明に係るヘリコプタは、例えば、水平面内の所望の方向に推力を発生させることができるサイクロイダル・ブレードを備えている。
本発明に係るヘリコプタによれば、サイクロイダル・ブレードにより発生した推力が、ホバリング時には、主としてメインロータのトルク作用を打ち消すのに利用され、前進飛行時には、主として前進力を得るのに利用されることとなる。
そして、サイクロイダル・ブレードにより発生した推力の前向き(飛行方向)分力を、前進飛行時における前進力に寄与させる(利用する)ことができるので、ヘリコプタの前進速度を増加させ、ヘリコプタの高速化を図ることができる。
そして、サイクロイダル・ブレードにより発生した推力の前向き(飛行方向)分力を、前進飛行時における前進力に寄与させる(利用する)ことができるので、ヘリコプタの前進速度を増加させ、ヘリコプタの高速化を図ることができる。
本発明に係るサイクロイダル・ブレードによれば、前進飛行時に前進力を発生させることができて、前進速度を増加させることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係るサイクロイダル・ブレードの一実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
なお、図1は、本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10を具備したヘリコプタ(「回転翼航空機」ともいう。)1の概略全体斜視図である。
なお、図1は、本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10を具備したヘリコプタ(「回転翼航空機」ともいう。)1の概略全体斜視図である。
図1に示すように、ヘリコプタ1は、胴体2と、胴体2の上方に配置されたメインロータシステム3と、胴体2の下方に配置された降着装置(図示せず)と、胴体2の後方に配置されたテールブーム4と、このテールブーム4の後端部に配置されたサイクロイダル・ブレード(「テール・ロータ」ともいう。)10とを主たる要素として構成されている。
つぎに、図1に示すサイクロイダル・ブレード10を簡略化して描いた図2および図3を用いて、サイクロイダル・ブレード10の構成および動作等について説明する。
サイクロイダル・ブレード10は、複数枚(本実施形態では8枚)のブレード11(図1参照)と、ヘリコプタ1のZ軸(ヨー軸:垂直軸)に沿って延びる回転軸12と、ピッチ角変更機構13とを備えている。
サイクロイダル・ブレード10は、複数枚(本実施形態では8枚)のブレード11(図1参照)と、ヘリコプタ1のZ軸(ヨー軸:垂直軸)に沿って延びる回転軸12と、ピッチ角変更機構13とを備えている。
図2および図3に示すように、ブレード11はそれぞれ、平面視略矩形状、断面視翼型形状を呈する板状の部材であり、各ブレード11の前縁部には、回転軸12の回転軸線に沿って延びる第1のヒンジ(回動軸)14aが設けられており、各ブレード11の翼弦長における略中央部には、回転軸12の回転軸線と直交するとともに、各ブレード11の翼弦長に略沿って延びる第2のヒンジ14bが設けられている。また、第1のヒンジ14aと回転軸12とは、リンク15を介してそれぞれ連結(接続)されている。
回転軸12は、図示しない原動機(例えば、ガスタービンエンジン等)の回転力が、メイン・ギアボックス(図示せず)、ドライブ・シャフト(駆動軸)16(図4参照)、およびテール・ギアボックス17(図4参照)を介して与えられることにより、回転軸12の回転軸線回りに回転させられるようになっている。そして、回転軸12が回転すると、ブレード11およびリンク15も一体的(一緒)に回転するようになっている。
図4に示すように、ピッチ角変更機構13は、テール・ギアボックス17の上方(略真上)に配置されたステーショナリー・ディスク18と、ステーショナリー・ディスク18の上方に配置されたローテーティング・ディスク19とを備えている。
ステーショナリー・ディスク18は、ローテーティング・ディスク19を回転可能に支持するものであり、図示しない駆動機構を介してテールブーム4の後端部に取り付けられている。駆動機構は、ステーショナリー・ディスク18(およびローテーティング・ディスク19)を、回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面)内において移動させるものであり、この駆動機構には、胴体2内に収められた制御器から出力された制御信号(指令信号)を伝達する電気配線(あるいは制御器から出力された制御信号に基づいて制御(操作)されるリンク)20が接続されている。
ステーショナリー・ディスク18は、ローテーティング・ディスク19を回転可能に支持するものであり、図示しない駆動機構を介してテールブーム4の後端部に取り付けられている。駆動機構は、ステーショナリー・ディスク18(およびローテーティング・ディスク19)を、回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面)内において移動させるものであり、この駆動機構には、胴体2内に収められた制御器から出力された制御信号(指令信号)を伝達する電気配線(あるいは制御器から出力された制御信号に基づいて制御(操作)されるリンク)20が接続されている。
ローテーティング・ディスク19は、ステーショナリー・ディスク18に対して回転するとともに、ステーショナリー・ディスク18とともに、回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面)内を移動するものである。また、ローテーティング・ディスク19の外周面には、対応する第2のヒンジ14bの軸線に沿って延びる第3のヒンジ22が設けられており、第2のヒンジ14bと第3のヒンジ22とは、ピッチ・リンク21を介してそれぞれ連結(接続)されている。そして、回転軸12が回転すると、ローテーティング・ディスク19およびピッチ・リンク21も一体的(一緒)に回転するようになっている。
さて、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19が、駆動機構によって、図3に示す中立位置(すべてのブレード11のピッチ角が0度となる位置)から、例えば、図3において上方に移動させられると、図3において上方を通過するブレード11は、第1のヒンジ14a回りに回動してそのピッチ角が減少させられ(ピッチダウンさせられ)、図3において下方を通過するブレード11は、第1のヒンジ14a回りに回動してそのピッチ角が増加させられ(ピッチアップさせられ)て、図3において下向きに推力Fが発生することとなる。すなわち、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19が移動した方向と反対の方向に推力Fが発生することとなる。ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19は、駆動機構によって、水平面(回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面))内のいずれの方向にも移動できるように構成されているので、推力Fは、水平面内のいずれの方向にも発生させることができるようになっている。
また、ブレード11のピッチ角は、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19の移動量、すなわち、第2のヒンジ14bから回転軸12までの距離に反比例する、言い換えれば、第2のヒンジ14bから回転軸12までの距離が大きいとピッチ角が小さくなり、第2のヒンジ14bから回転軸12までの距離が小さいとピッチ角が大きくなるので、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19の移動量を調整することにより、推力Fの大きさを調整することができるようになっている。
そして、本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10を具備したヘリコプタ1では、サイクロイダル・ブレード10により発生した推力Fが、ホバリング時には、主としてメインロータのトルク作用を打ち消すのに利用され、前進飛行時には、主として前進力を得るのに利用される。
本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10によれば、水平面(回転軸12の回転軸線と直交する一平面(ヘリコプタ1のXY平面))内において、ステーショナリー・ディスク18およびローテーティング・ディスク19を、発生させたい推力Fの方向と反対の方向に移動させることにより、移動させた側を通過するブレード11のピッチ角が減少し、移動させた側と反対の側を通過するブレード11のピッチ角が増加することとなり、これにより、移動させた側と反対の側に向かって推力Fが発生することとなる。
すなわち、本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10によれば、水平面内の所望の方向に推力Fを発生させることができる。
すなわち、本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10によれば、水平面内の所望の方向に推力Fを発生させることができる。
また、サイクロイダル・ブレード10は、テールブーム4の後端部に取り付けられ、かつ、従来のテールロータと同様、図示しない原動機(例えば、ガスタービンエンジン等)の回転力が、メイン・ギアボックス(図示せず)、ドライブ・シャフト(駆動軸)16(図4参照)、およびテール・ギアボックス17(図4参照)を介して与えられるように構成(設計)されているので、既存のヘリコプタに搭載されているテールロータを取り外して、その代わりに適用することも可能である。
本実施形態に係るサイクロイダル・ブレード10を具備したヘリコプタ1によれば、サイクロイダル・ブレード10により発生した推力Fの前向き(飛行方向)分力を、前進飛行時における前進力に寄与させる(利用する)ことができるので、ヘリコプタ1の前進速度を増加させ、ヘリコプタ1の高速化を図ることができる。
また、サイクロイダル・ブレード10の回転軸12は、図示しない原動機(例えば、ガスタービンエンジン等)の回転力が、メイン・ギアボックス(図示せず)、ドライブ・シャフト(駆動軸)16(図4参照)、およびテール・ギアボックス17(図4参照)を介して与えられることにより、回転軸12の回転軸線回りに回転させられるようになっており、サイクロイダル・ブレード10の回転軸12を駆動するための駆動装置を別途用意する(設ける)必要がないので、製造コストの高騰化およびヘリコプタ1の重量増加を抑制(回避)することができる。
なお、上述した実施形態においてサイクロイダル・ブレード10の前方側または後方側に垂直尾翼が設けられているとさらに好適である。
これにより、前進飛行時におけるアンチトルクが垂直尾翼が発生する力によって相殺され、サイクロイダル・ブレード10が発生する推力Fのすべてを前進力に寄与させることができて、ヘリコプタ1の前進速度をさらに増加させ、ヘリコプタ1のさらなる高速化を図ることができる。
これにより、前進飛行時におけるアンチトルクが垂直尾翼が発生する力によって相殺され、サイクロイダル・ブレード10が発生する推力Fのすべてを前進力に寄与させることができて、ヘリコプタ1の前進速度をさらに増加させ、ヘリコプタ1のさらなる高速化を図ることができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更実施可能である。
1 ヘリコプタ
4 テールブーム
10 サイクロイダル・ブレード
11 ブレード
12 回転軸
13 ピッチ角変更機構
18 ステーショナリー・ディスク(ピッチ角変更機構)
19 ローテーティング・ディスク(ピッチ角変更機構)
F 推力
4 テールブーム
10 サイクロイダル・ブレード
11 ブレード
12 回転軸
13 ピッチ角変更機構
18 ステーショナリー・ディスク(ピッチ角変更機構)
19 ローテーティング・ディスク(ピッチ角変更機構)
F 推力
Claims (2)
- ヘリコプタのテールブームの後端部に配置されて、一方向に推力を発生させるサイクロイダル・ブレードであって、
前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延びる回転軸と、
前記ヘリコプタの垂直軸に沿って延び、かつ、前記回転軸とともに回転する複数枚のブレードと、
前記一方向と反対の方向に移動させられることにより、前記一方向と反対の側を通過する前記ブレードのピッチ角を減少させ、前記一方向と同じ側を通過するブレードのピッチ角を増加させるピッチ角変更機構とを備えていることを特徴とするサイクロイダル・ブレード。 - 請求項1に記載のサイクロイダル・ブレードを具備してなることを特徴とするヘリコプタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007220829A JP2009051381A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | サイクロイダル・ブレード |
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---|---|---|---|
JP2007220829A JP2009051381A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | サイクロイダル・ブレード |
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009051381A (ja) |
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-
2007
- 2007-08-28 JP JP2007220829A patent/JP2009051381A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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