JP2022532546A - 走行及び飛行可能な電気またはハイブリッド型のvtol車両 - Google Patents

走行及び飛行可能な電気またはハイブリッド型のvtol車両 Download PDF

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Abstract

本開示は、道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両であって、胴体と、折り畳み可能かつ展開可能な左右の翼と、を備える車両を提供する。左右の翼の各々は、翼付根折り畳み機構と、翼中間部折り畳み機構と、回動変位可能な翼端ダクテッドファンと、を含む。本開示の車両は、胴体に配置された胴体ダクテッドファンと、胴体の後端に配置された回動変位可能な後端ダクテッドファンと、をさらに備える。本開示の車両は、車両の道路上の走行を可能にするように構成された少なくとも3つの車輪、をさらに備える。【選択図】図6A

Description

本開示は、道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された電気またはハイブリッド型のVTOL車両に関する。
特に都市部では、地上の道路の車両交通量はすでに飽和状態の寸前であるか、または、すでに飽和状態を越えている。地下交通システムが発達している都市でさえ、地上の車両交通量は、通常、1日の長時間にわたって、飽和状態に近い。
安全で制御しやすく、かつ静粛性に優れた電気またはハイブリッド型の空飛ぶ車(HCAV)を開発する試みは、これまでのところ部分的にしか成功していない。車両サイズ、正味リフト重量、航続距離、飛行高度、車両形態での外形寸法、電気のみで離着陸を可能にする要件などの相反する設計要件は、これまでのところ実現不可能であることが分かった。電気またはハイブリッド型の空飛ぶ車(HCAV)のいくつかの従来技術の構成は、部分的な解決策をもたらすに過ぎず、仮にそうだとしても部分的な成功をもたらすに過ぎない。したがって、たとえ、「第3の次元」の活用、すなわち、地表の1以上の層に延びるパストラックを使用することは、交通渋滞の問題に対する準備ができている解決策であるように思われるとしても、上述の設計要件は今日まで未解決のままである。
そこで、道路を走行したり、駐車場に駐車したり、ヘリポートのような場所や非常に短い滑走路から離着陸したり、かなりの距離を飛行したりすることができる走行及び飛行可能な車両が求められている。
本開示は、道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両であって、車両の仮想基準座標系のX軸と一致する長手方向軸を有する胴体と、折り畳み可能かつ展開可能な左右の翼と、を備える車両を提供する。左右の翼は、展開時に、仮想基準座標系のY軸に対して実質的に平行に延びるように構成されている。本開示の車両は、少なくとも3つのダクテッドファンと、車両の道路上の走行を可能にするように構成された少なくとも3つの車輪と、をさらに備える。左右の翼の各々は、翼付根折り畳み機構と、翼中間部折り畳み機構とを含む。少なくとも3つのダクテッドファンのうちの2つは、各翼の翼端にそれぞれ配置された翼端ダクテッドファンであり、少なくとも4つのダクテッドファンのうちの1つは、車両の後端に配置された後端ダクテッドファンであり、後端ダクテッドファンアセンブリに含まれる。
いくつかの実施形態では、翼端ダクテッドファンの各々は、翼端ダクテッドファンによって生成された推力が車両の仮想基準座標系のZ軸に対して実質的に平行に向けられる第1の位置と、翼端ダクテッドファンによって生成された推力が車両の仮想基準座標系のX軸に対して実質的に平行に向けられる第2の位置との間で、車両の仮想基準座標系のY軸に対して平行な回動軸線を中心として制御可能に回動変位させることができるように構成されている。
いくつかの実施形態では、後端ダクテッドファンアセンブリは、後端ダクテッドファンによって生成された推力が仮想基準座標系のZ軸に対して実質的に平行に向けられる第1の位置と、後端ダクテッドファンによって生成された推力が仮想基準座標系のX軸に対して実質的に平行に向けられる第2の位置との間で、仮想基準座標系のY軸に対して平行な回動軸線を中心として制御可能に回動変位させることができるように構成されている。
いくつかの実施形態では、後端ダクテッドファンアセンブリは、少なくとも1つのラダーフィンと、少なくとも1つのエレベータフィンと、をさらに含み、ラダーフィンは、後端ダクテッドファンの後方において、Z軸に対して平行な第1の回動軸に取り付けられ、かつ、第1の回動軸を中心としてX軸に対する角度を制御可能に変更させることができるように構成されており、エレベータフィンは、後端ダクテッドファンの後方において、Y軸に対して平行な第2の回動軸に取り付けられ、かつ、第2の回動軸を中心としてX軸に対する角度を制御可能に変更させることができるように構成されている。
いくつかの実施形態では、少なくとも3つの車輪のうちの少なくとも1つの車輪は、モータ駆動されるように構成されている。
いくつかの実施形態では、翼付根折り畳み機構は、仮想基準座標系のX-Y平面に対して実質的に平行な平面内で、翼を仮想基準座標系のZ軸に対して平行な回動軸線を中心として回動変位させ、それにより、翼を展開姿勢と格納姿勢との間で変化させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、翼付根折り畳み機構は、翼を回動変位させるように構成されたアクチュエータと、翼を、格納姿勢または展開姿勢に確実に固定するように構成された固定手段と、を含む。
いくつかの実施形態では、翼中間部折り畳み機構は、仮想基準座標系のY-Z平面に対して実質的に平行な平面内で、X軸に対して平行な回動軸線を中心として、翼の外側部分を翼の内側部分に向けて回動変位させ、それにより、翼を展開姿勢と格納姿勢との間で変位させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、翼中間部折り畳み機構は、翼の外側部分を翼の内側部分に向けて回動変位させるように構成されたアクチュエータと、外側部分を、格納姿勢及び展開姿勢に確実に固定するように構成された固定手段と、を含む。
いくつかの実施形態では、翼付根折り畳み機構は、平歯車と回転アクチュエータとを含む。
いくつかの実施形態では、胴体ダクテッドファンは、該ファンのダクトの上側開口部を開閉可能に覆うように構成された制御可能な一連のベーンを含む。
いくつかの実施形態では、後端ダクテッドファンは、該ファンのダクトを通る空気の流れ方向に対して垂直な断面の面積が、ダクトの前側開口部及び後側開口部に近づくにしたがって、ダクトの中央部分よりも大きくなるように構成されている。いくつかの実施形態では、後端ダクテッドファンのダクトの内面は、ダクトの長手方向軸に沿った平面を含む断面が空気力学的形状になるように構成されている。
また、本開示は、道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両の形態を、飛行形態から走行形態へ変更する方法であって、全ての回動変位可能なダクテッドファンを垂直姿勢に回動変位させるステップと、全てのダクテッドファンをオフにするステップと、翼端ダクテッドファンを格納姿勢の角度に回動変位させるステップと、後端ダクテッドファンを水平姿勢に回動変位させるステップと、翼中間部折り畳み機構の固定手段を解除するステップと、翼の外側部分を垂直姿勢に回動変位させるステップと、翼付根折り畳み機構の固定手段を解除するステップと、翼を後方に回動変位させて格納姿勢に変化させるステップと、翼の外側部分を翼の内側部分の上側に折り畳むステップと、翼中間部折り畳み機構及び翼付根折り畳み機構の固定手段を格納姿勢に固定するステップと、を含む方法を提供する。
また、本開示は、道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両の離陸に必要な飛行制御パラメータを計算するプロセスを制御する方法であって、(a)推進システムの全体仕様、推進バッテリの利用可能なエネルギー、推進バッテリが提供可能な最大トルク、複数のダクテッドファンのそれぞれのイナーシャ、複数のダクテッドファンのそれぞれの最大RPM、複数のダクテッドファンのそれぞれから得ることができる最大推力及び回転モーメント、車両の少なくとも1つの電動車輪のそれぞれが提供可能な速度、及び車両の空力係数を含むリストから選択される少なくとも1つの項目の入力データを受け取るステップと、(b)飛行制御に加えられる変更の範囲を制限するために境界条件を設定するステップと、(c)ファンモータ及びホイールモータの各々を予め定められたRPMまで上昇/下降させることによって、ファンモータ及びホイールモータの各々の暖機中に必要とされるトルクを分析するステップと、(d)必要とされるトルクを継続的に計算し、推進システムを制御するための制御時定数を、推進システムの最大トルクを超えないように調節するステップと、(e)ダクテッドファンの各々について、上記のステップでの計算に使用したRPM値及び実際の離陸重量に基づいて、これから行う飛行運動に必要な推力を計算するステップと、(f)上記のステップでの計算結果に基づいて、離陸時に必要な加速度ベクトル、速度ベクトル、及び水平方向/垂直方向の移動距離を計算するステップと、(g)計算された離陸時に必要な加速度を比較し、それが提供可能な最大加速度よりも大きい場合には、計算された離陸時に必要な加速度が、提供可能な最大加速度よりも低くなるように、RPMを繰り返し調節するステップと、(h)離陸に必要なエネルギーと離陸滑走距離を計算するステップと、(i)車両が予め定められた高度に達したときに離陸プロセスを終了するステップと、を含む方法を提供する。
発明と見なされる主題は、明細書の結論部分で特に指摘され、明確に主張されている。しかしながら、本発明は、構成及び動作方法の両方に関して、また、その目的、特徴、及び利点と共に、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことによって最もよく理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態による車両の全体寸法(L/W/H)の設計制限を定義する3D空間を示す概略図である。 図2Aは、本発明の実施形態による、HCAVの「走行」形態を示す概略図である。 図2Bは、本発明の実施形態による、HCAVの「飛行」形態を示す概略図である。 図3Aは、DFの直径と、回転翼面荷重または動力加重との関係を示すグラフである。 図3Bは、車両の幅と、離陸に必要な動力との関係を、最大離陸重量(MToW)または電源の種類(燃料電池またはバッテリ)の関数として示したグラフである。 図4は、本発明の実施形態による後部DFアセンブリの概略部分拡大等角図である。 図5Aは、本発明の実施形態による、左翼の翼付根折り畳み機構及び翼中間部折り畳み機構を示す概略図である。 図5Bは、本発明の実施形態による翼付根折り畳み機構を示す概略図である。 図5Cは、本発明の実施形態による、右翼の翼中間部折り畳み機構を示す概略図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAVが飛行形態から走行形態に移行するための6つの段階を示す図である。 図6Gは、本発明の実施形態による、HCAVを飛行モードから走行モードに変化させるプロセスを示す概略フロー図である。 図7Aは、本発明の実施形態による、電動ホイールによる支援がある場合とない場合における、HCAVの離陸に必要な滑走路の長さをDFの傾斜角の関数として示したグラフである。 図7Bは、本発明の実施形態による、電動ホイールによる支援がある場合とない場合における、HCAVの離陸に必要なエネルギーをDFの傾斜角の関数として示したグラフである。 図7Cは、本発明の実施形態による、図7Bに示した2つのグラフのエネルギー差を示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態による、VTOL離陸モード及びSTOL離陸モードにおける、離陸時、水平以降時、及び上昇時にHCAVが消費するエネルギーを比較したグラフである。 図9は、本発明の実施形態による、VTOLモード(破線)モード及びSTOL(実線)モードで離陸したときの、離陸時の獲得高度と航続距離との関係を示すグラフである。 図10Aは、本発明の実施形態による、胴体DFのカバーシステムを示す4つの図である。 図10Bは、本発明の実施形態による、DF用ダクトアセンブリを示す概略断面図である。 図11は、本発明の実施形態による交換可能な衝撃吸収システムを示す概略図である。 図12は、HCAVの各飛行フェーズのエネルギー需要を示すグラフである。 図13は、本発明の実施形態による、降下中に獲得されるエネルギーの量を、DFを通過する空気流速の関数として示すグラフである。 図14は、本発明の実施形態による、HCAVの自律制御または手動制御に関連する物理的な飛行パラメータを計算及び制御するプロセスを示す概略フロー図である。
図示の簡略化及び明確化のために、図示されている要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確化のために、他の要素と比較して誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合には、対応する要素または類似する要素を示すために、参照番号が図面間で繰り返し使用される。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細を用いることなく実施してもよいことは、当業者には理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、及び構成要素は、本発明を不明瞭にしないように、詳細に記載されていない。
総論:本発明の実施形態による車両は、地上移動と航空移動との間で必要とされる接続を考慮することなく、通常の車両のように地上を走行することができ、かつ航空機のように空中を飛行することができる1台の車両によって、現実のドア・ツー・ドア移動を提供するように設計されている。本開示の車両は、現在の自家用車を使用する場合と同じ自由度を維持するとともに、渋滞した道路の上を飛行することによって移動の範囲を広げることができる。また、本開示の車両を使用することにより、郊外のコミュニティとメガシティとの共存の利点を維持することができる。以下、本明細書を通じて、本開示の車両は、「HCAV」とも称する。
T/O(離陸)に関する考察:本開示のHCAVは、垂直に、または非常に短い滑走路を使用して離着陸するように設計及び製造される。垂直離着陸のための揚力は、ダクテッドファンシステムによって提供される。密閉型ロータ(=ダクテッドファン)構成を使用することにより、車両の周囲の一般的安全性が高まり、それにより、車両の都市部で安全に飛行する能力を向上させることができる。また、ダクテッドファン構成は、車両の胴体部分に高い揚力を提供する。本開示のHCAVは、ダクテッドファンロータにより、着陸ゾーン付近の樹木や送電線に起因する制限などの、都市部でのオープンローター型車両に適用される運用制限を排除することができる。
サイズに関する考察:本開示のHCAVは、そのサイズ及び安全規定の要件が適用されることを意味する、認可された道路使用許可車両として使用することができる。このサイズ制限により、本開示のHCAVは、一般家庭のガレージや駐車場に駐車することが可能になる。本開示のHCAVは、道路車両の安全規定を満たしているため、高速道路を含む公道での走行が認可された道路車両である。図1は、公道での走行が認可された道路車両が収まるべき寸法を表す立方体寸法の長さL、幅W、及び高さHを示す図である。また、図2A及び図2Bは、本発明の実施形態によるHCAV200の「走行」形態及び「飛行」形態を示す概略図である。図2A及び図2Bは、HCAVの最大外形寸法の長さL、幅W、高さHを定義する標準的な立面図(上面図(2a)、側面図(2b)、前面図(2c)、及び等角図(2d))を含む。図2A及び図2Bに描かれている車両デザインは、車両の外部主要寸法を説明するためのものであり、車両の全体寸法について、以下の関係が成り立つことは明らかであろう。
<L、W<W、H<H
例えば、いくつかの実施形態では、HCAVの主要寸法は、以下の通りであり得る。
≦12000mm
≦3000mm
≦4000mm
図2Bの各図に、HCAV200のいくつかの主要なアセンブリが示されている。HCAV200は、本体部(胴体)210と、折り畳み可能な2つの翼220L及び220Rと、4つのダクテッドファン(DF)と、を備える。4つのダクテッドファン(DF)は、左右の翼の最外端(翼端)に回動変位可能に配置された各ダクテッドファンである左翼の翼端DF230L及び右翼の翼端DF230Rと、胴体DF230Fと、後端DF230Tとを含む。また、HCAV200は、前輪アセンブリ240F及び後輪アセンブリ240Rをさらに備える。これらのアセンブリの詳細については、以下に説明する。
いくつかの実施形態では、HCAVは、2人の乗客を乗せるように構成されており、他の実施形態では、4人以上の乗客を乗せるように構成されている。
揚力要件:垂直離着陸に必要な揚力、非常に短い滑走路を使用した離着陸に必要な推力、水平巡航飛行への移行及び水平巡航飛行に必要な推力は、一連のダクテッドファン(DF)ベースの推力システムによって提供される。ダクテッドファンによる推力提供は、力学的・空気力学的効率の向上、及び、安全性の向上(ファンのブレードがダクトによって取り囲まれて保護されている)のために好ましい。ダクテッドファンは、一般的に、空気力学的効率が向上しており、開放型ファンと比較して、より高い揚力(推力)を生成することができる。HCAVのダクテッドファンの少なくともいくつかは、水平飛行時に使用可能なHCAVの長手方向軸LA(図2A)に対して実質的に平行な角度と、離着陸中に使用可能なHCAVの長手方向軸LAに対して実質的に直交する角度との間で、推力を提供することを可能にするために回動変位可能に構成されている。
図2A及び図2Bの実施形態に示すHCAVの構成は、いくつかの主要な設計上の特徴を有している。翼220R、220Lは、詳細については後述するが、HCAV200の走行形態への変換を可能にするために折り畳み可能である。翼端DF230R、翼端DF230Lは、詳細については後述するが、それらが生成した推力を垂直離着陸時及び水平飛行時の両方で使用することができるように、車両の仮想基準座標系のY軸(HCAVの横軸)を中心として回動変位可能に構成されている。胴体DF230Fは、車室の後方、かつHCAVの重心(CG)の後方に配置されている。胴体DF230Fは、詳細については後述するが、回動変位することができず、車両の仮想基準座標系のZ軸に対して平行な方向にのみ推力を提供する。後端DF230Tは、詳細については後述するが、HCAV200の後端に配置されており、それが生成した推力を垂直離着陸時及び水平飛行時の両方で使用することができるように、回動変位可能に構成されている。HCAV200は、前輪アセンブリ240F及び後輪アセンブリ240Rを含む走行用の車輪アセンブリを備えており、これにより、走行形態において走行(駆動、操舵及び制動を含む)を可能にするように、かつ、HCAV200が滑走路上で離陸滑走中に前方推進力を提供することによって離陸を補助するように構成されている。
図2A及び図2Bに示すように、様々なダクテッドファン(DF)の最大直径は、交通規定(道路交通法)に適合するためにHCAVの最大許容幅を超えてはならない。したがって、様々な動作モード(飛行モード、VTOLモード、走行モード)におけるダクテッドファンの位置が示されている。
ダクテッドファン(DF)の総数、回動変位可能なDFのサブグループの数及び各DFの位置は、特定の設計及びそれに関連する制約及び要求、例えば、乗客数、正味総重量、航続可能距離、滑走路が利用可能であるか否か、などに依存することは明らかであろう。本明細書中の詳細な説明は、最大4人の乗客を乗せることができるように構成された、4つのDFを備えるHCAVの実施形態に関する。
ダクテッドファン(DF)の数:DFの数は、車両の寸法によって決定される。交通規定に起因して、HCAVの幅及び高さには制限がある。長さは可変であり、変更の対象である。この変更は、最大離陸重量とペイロードの寸法によって決定される。最大離陸重量によって、車両を安全に飛行させるのに十分な推力を発生するために必要なDFの総面積が決定される。必要な推力は、推力対重量の比で与えられる。推力に対するDF面積の依存性は、DFの回転翼面荷重によって与えられる。回転翼面荷重は、回転翼の面積に対する推力の比である。つまり、回転翼の面積が小さいほど、回転翼の荷重は増大する。回転翼の荷重の増大とは、動力荷重によって与えられる要求動力の増大を意味する。動力荷重は、要求動力に対する推力の比率である。
図3Aは、ダクテッドファン(DF)の直径に対する、回転翼面荷重及び動力荷重の依存性を示すグラフである。動力荷重はkWあたりの推力を示し、回転翼面荷重はファン面積あたりの推力を示す。DFの推力を最大にするためには、最大の回転翼面荷重が選択される。動力に関する最適値は、動力荷重曲線の最大値で見つけられ、大きな直径が選択される。最良の動力対推力比を得るために、両曲線の交点を求めた。
HCAVは、特定の目標を達成するように設計されているため、推進システムの密度とHCAVのミッションレンジとにより、車両幅によって制限されるDF直径が決定される。VTOLを可能にするためには、HCAVは、推進システムの重量を最小限に抑えるために、kWあたりの推力を最大化する必要がある。したがって、DFの直径は、車両寸法によって与えられる制約内で最大化される。推進密度が高くなると、最適な動力対推力比によって決定されるダクテッドファン(DF)の直径は小さくなる。推進密度の高い推進システムを有するHCAVには、より多くの、しかしより小さいダクテッドファンが組み込まれる。
図3Bは、最大離陸重量(MToW)及び電源の種類(燃料電池またはバッテリ)の関数として、車両の幅に対する離陸に必要な動力の依存性を示すグラフである。横線(水平線)は、様々な推進システムによって与えられる利用可能な動力である。横線は、本発明の実施形態によるHCAVに組み込まれたハイブリッドシステムの性能を表す。曲線は、様々な最大離陸重量(MToW)に対する車両サイズに応じた要求動力を表す。DFの直径は、車幅に正比例し、下記の式によって求められる。
胴体DFの直径(D)=k×車両の幅
後端DFの直径(D)=k×胴体DFの直径(D)
翼端DFの直径(D)=k×胴体DFの直径(D)
HCAVが走行モードにある場合、係数k~kは、最大幅を超えないように選択される。つまり、同程度のMToW値を有するより小さい車両を製造するためには、推進システムの動力を大きくするか、または、利用可能な回転翼面積を大きくする必要がある。このため、基準車両設計(MToW=2000kg)では、DFの回転翼面積を大きくする必要があるが、DFの幅に制限があるため、このことは、DFの数を増やすことによってのみ実現可能である。例えば推進力の発達などによる動力ユニットの動力供給の増大によって、より高い回転翼面荷重及びより低い動力荷重を実現することができ、これにより、様々な国におけるより厳しい道路規定に適合するように、現在の設計を小型化することができる。
Figure 2022532546000002
表中、XはDFの相対的縦方向位置であり、YはDFの相対的横方向位置であり、FoMは、性能指数である。FoMは、各DFを他のDFと比較して特徴付けるものであり、DFの直径を出口面積で除したものに、推力係数の2/3乗をかけたものを、動力係数で除したものと定義される。
翼端DF:翼220R、翼220Lの翼端にはそれぞれ、回動変位可能な翼端DF230R、翼端230Lが取り付けられている。この構成により、HCAVは、ヘリコプターのように離陸、ホバリング、及び着陸すること、及び、飛行機のように前方へ飛行することが可能となる。これにより、任意の場所での離着陸が可能になり、かつ、航続距離や速度が向上する。翼端DFは、車両の座標系のピッチ軸(通常はY軸)を中心として回動変位可能に構成されている。この構成のさらなる利点は、正の空力効果である。なお、本実施形態のダクテッドファン(DF)は、避けられない翼端渦に対する逆回転渦を発生させる方向に回転させられる。これにより、翼端渦によって生じるエネルギー損失を減衰させ、翼の抗力を低減させる。
翼端DFを翼端に配置すると、重心(CG)までのY方向の距離が長くなるので、別の利点が得られる。これは、推力偏向(スラストベクタリング)と呼ばれる操縦に使用することができる。翼端DFは、HCAVの安定性制御の一部でもある。上記のようなHCAVの設計では、ピッチ、ロール及びヨー(PRY)の安定性を積極的に制御する必要がある。この要件を満たすために、フライトコンピュータシステムは、HCAVの測定された瞬間的な現在の姿勢及び角度(AoA、Roll、及びYawの角度)に対する適切な対応を適用し、それに対応する制御コマンドを翼端DF及び回動変位可能な後方DFに適用する必要がある。通信システムは、フライトコンピュータシステムからの制御コマンドを、DFの回動変位及び瞬間推力を駆動するアクチュエータに提供する。また、HCAVは、翼の折り畳みまたは回動変位の動作時、及び/または、走行モード(翼を折り畳んだ状態)において、フライトコンピュータとアクチュエータ/モータとの間の通信を確立するための機構を備えている。
上述したように、翼端DFの最大直径は、走行モードにおける翼の確実な格納/折り畳みを可能にするために、HCAVの幅及び翼の形状によって制限される。翼端DFの直径は、垂直離陸に必要な揚力を発生させるために最大化される。
胴体DF:HCAVを離陸させるのに十分な推力を発生させ、かつ、安全な垂直着陸を確実にするため、大型の胴体DF230Fが、HCAVの胴体の後部、かつ、水平飛行方向に対してHCAVの重心(CG)の後方に配置される。胴体DF230Fの位置は、このサイズの航空機を安定させるために必要な負のピッチングモーメントを発生させるように選択される(推力の増加は、ノーズダウン効果の増加を引き起こす)。胴体DF230Fは、HCAVの胴体に組み込まれている。また、胴体DF230Fは、水平飛行中に胴体DF230Fを覆うことができるカバーを備えており、これにより、胴体DF230Fの未使用時に抗力を最小限に抑えることができる。胴体DF230Fの特別の配置位置の別の利点は、コアンダ効果を利用できることである。コアンダ効果は、流体が凸面との接触を保ち続ける傾向を表す。胴体DF230Fの特別の配置位置と、それが動作時に発生する推力により、発生した揚力を強化する空気流が胴体周りに生成される。この強化された揚力により、VTOL飛行フェーズ中に必要とされるエネルギーを低減させることが可能になる。
回動変位可能な後端DF:後端DF230Tのサイズは、車両のテール構造に適合し、かつ、揚力能力を最適化するように選択される。離陸モードでは、後端DF230Tは、その推力が重力方向に対して平行な方向(Z方向)に提供されるように回動変位し、これにより、後端DF230Tが発生した推力は、HCAVの長手方向軸に対して直交する方向に提供される。水平飛行中には、後端DF230Tは、車両の長手方向軸LAに対して実質的に平行な方向に推力を提供するように回動変位し、追加の飛行推力を提供するプッシャDFとして使用される。
回動変位可能な後端DF230Tアセンブリは、互いに独立して動作可能な2つのフィンを含み、各フィンは、ラダーフィン及びエレベータフィンとして使用される。図4は、本発明の実施形態による後端DF230Tアセンブリを示す概略的な部分拡大等角図である。後端DF230Tアセンブリは、ファン230T2を収容するダクト230T1を含む。ファン230T2の後方には、回動軸230T3Aに取り付けられたエレベータフィン230T3と、回動軸230T4Aに取り付けられたラダーフィン230T4とが配置されており、長手方向軸LAに対して平行な面に対する各フィンの角度を制御することができるように構成されている。エレベータフィン230T3及びラダーフィン230T4は、それらの背後の詳細を示すために、空力面を部分的に透明にして表示している。後端DFアセンブリ230Tの全体は、後端DF230Tの回動軸を中心にして回動変位可能である。後端DFアセンブリ230T内では、エレベータフィン230T3及びラダーフィン230T4の各々は、互いに独立して、それぞれエレベータフィン回動軸230T3Aまたはラダーフィン回動軸230T4Aを中心として回動変位可能であり、これにより、HCAVのピッチ及びヨーの制御が可能となる。なお、後端DFアセンブリ230Tの回動変位(回動角度)、エレベータフィン230T3及びラダーフィン230T4の回動変位(回動角度)を制御するアクチュエータは、図面を不明瞭にすることを排除するために図示していない。この構成は、NASAの研究によって分かっているように、エレベータフィン230T3及びラダーフィン230T4の表面の周りでDF230Tのより速い流速を利用することによって、エレベータフィン230T3及びラダーフィン230T4による制御効果を高めることができる。
いくつかの実施形態では、直線飛行中の抗力を最小限に抑え、胴体揚力を最大にするために、ダクトの吸気口及び直立ノズルを覆うようにしてもよい。
以下に基本的な実施形態を説明するが、上述したように、他の様々な実施形態が本発明の範囲内に含まれる。
翼折り畳み機構:HCAVの翼220R、220L(図2A、図2B)の翼折り畳み機構は、翼付根折り畳み機構と翼中間部折り畳み機構との2つの翼折り畳み機構を含む。図5Aは、本発明の実施形態による、左翼500Lの翼付根折り畳み機構510及び翼中間部折り畳み機構520を示す概略図である。HCAVの各翼々は、外側部分と内側部分との2つの主要部分を含む。図5Aに示す翼は、左翼である。右翼は、左翼の鏡像である。翼中間部折り畳み機構520は、翼の外側部分504Lを内側部分502Lの上側に180度回動変位させて折り畳む機構であり、翼付根折り畳み機構510は、翼全体を胴体に対して90度回動変位させる機構である。左翼500Lは、内側部分502Lと外側部分504Lとの2つの主要部分によって形成されている。内側部分502Lは、翼付根折り畳み機構510によって、HCAVの胴体に回動変位可能に結合されている。翼付根折り畳み機構510は、その回動軸510Aを中心として左翼500Lを後方に回動変位させて、左翼500Lを展開姿勢から格納姿勢に変化させることができるように構成されている。回動軸510Aを中心とした左翼500Lの回動変位は、破線矢印510Bで示すように、実質的に、長手方向軸LAに対して平行な平面内で行われる。翼付根折り畳み機構510の詳細は、図5Bを参照して説明する。
左翼500Lの外側部分504Lは、翼中間部折り畳み機構520によって、内側部分502Lに回動変位可能に結合されている。翼中間部折り畳み機構520は、破線矢印520Bで示すように、その回動軸520Aを中心として外側部分504Lを回動変位させて、外側部分504Lを内側部分502Lの上側に折り畳むことができるように構成されている。翼中間部折り畳み機構520の詳細な説明は、図5Cを参照して説明する。
次に、本発明の実施形態による、左翼500Lの翼付根折り畳み機構510の概略図である図5Bを参照する。図5Bの図「a」には、左翼500Lの部分図が、主ビーム530L及び後部ビーム532Lと共に示されている。主ビーム530Lは、翼付根折り畳み機構510を介してHCAVの胴体5000の胴体ビーム5100に結合されている。図5Bの図「b」は、翼付根折り畳み機構510の部分拡大図である。左翼500Lは、その主ビーム530Lを介して翼付根折り畳み機構510に結合されており、翼付根折り畳み機構510の回動軸511を中心として回動変位させることができるように構成されている。翼付根折り畳み機構510は、回動ヒンジギヤと、回動アクチュエータと、別個の2つの固定機構とを含む。HCAVの胴体5000は、胴体ビーム5100を介して、翼付根折り畳み機構510に結合されている。胴体ビーム5100の翼付根折り畳み機構510への結合の詳細は、図面を不明瞭にすることを排除するために図示していない。翼付根折り畳み機構510は、胴体ビーム5100または胴体5000の他の近傍の構造要素に機械的に結合された回動アクチュエータ5520Lによって、回動軸510Aを中心として回動変位することができるように構成された平歯車512Lを含む。回動アクチュエータは、例えば、電気モータであってよい。
飛行モード及び走行モードにおいて翼を固定するためには、2つの固定機構が必要である。飛行モード用の固定機構は、翼を確実に固定し、VTOL及び緊急機動を含む全ての飛行フェーズにおいて翼に作用する力に耐えるのに十分な強度を有する必要がある。飛行モード用の固定機構は、後部ビーム532Lを胴体後部ビーム5100Lに対する所定位置に固定するように構成された自動ロックピン5300を含む。主ビーム530Lは、平歯車を含むフロントヒンジによってロック(固定)される。飛行モード用の固定機構は、シャーピン5400(せん断ピン)をさらに含み得る。走行モードでは、翼に作用する外力は無視できるので、走行モードで翼を固定するように設計された後部固定機構は、飛行モード用の固定機構よりも小さな力に耐えるように作製することができ、したがって飛行モード用の固定機構よりも軽くすることができる。通常の走行時に、翼が展開しないようにする必要がある。これは、飛行モード用の固定機構と同じ原理である。ロックピン5300は、図5Bに示すように横向きに設置してもよいし、上下に設置してもよい。ロックピン5300の材料と寸法は、ロックピンの重量と、様々なモードにおいて翼に作用すると予想される力とを考慮して選択する必要がある。
次に、本発明の実施形態による、右翼500Rに関して示された翼中間部折り畳み機構520の概略図である図5Cを参照する。翼中間部折り畳み機構520は、その回動軸5520を中心として、右翼500Rの外側部分504Rを内側部分503Rの上側に折り畳むこと、及び、内側部分503Rの上側に折り畳まれた外側部分504Rを展開することができるように構成されている。図5Cの図「a」は、翼中間部折り畳み機構520をHCAVの後方から見た等角投影部分図である。内側部分503Rの主ビーム530Rは、回動軸5520を中心とした180度の回動変位による折り畳みを可能にするように構成された三角形ヒンジ5510を介して、右翼500Rの外側部分504Rの主ビーム540Rに回動変位可能に結合されている。回動軸5520は、三角形ヒンジ5510の第1の三角形頂点に位置している。第1のリニアアクチュエータ5530が、回動軸5530Aを介して主ビーム530Rに回動可能に結合されており、かつ、三角形ヒンジ5510の第2の三角形頂点5510Aに回動可能に結合されている。第2のリニアアクチュエータ5540が、回動軸5540Aを介して主ビーム540Rに回動可能に結合されており、かつ、三角形ヒンジ5510の第3の三角形頂点5510Bに回動可能に結合されている。右翼500Rが展開姿勢にあるとき、所望されない折り畳みを防止するために、右翼500Rはロックピン5560によって固定される。右翼500Rを折り畳むときは、アクチュエータ5530及びアクチュエータ55540が伸長するように操作することによって、第2の三角形頂点5510Aの回動軸を回動軸5530Aから離間させ、かつ、第3の三角形頂点5510Bの回動軸を回動軸5540Aから離間させ、これにより、図5Cの図「b」の破線部分によって示すように、回動軸5520を中心として、外側部分504Rを内側部分503Rの上側に折り畳む。二重冗長性を確保するために、主ビーム530R及び主ビーム540Rの各々に、それぞれ2組のアクチュエータを設置してもよい。ロックピン5560は、折り畳み動作時に、自動的に除去される(内側方向または外側方向に)。
翼の折り畳み-飛行形態から走行形態への移行:HCAVの飛行形態から走行形態への移行には、一連の操作を必要とする。この操作は、飛行中には実行することができず、また、走行中に実行することは推奨されない。図6A~図6Fは、本発明の実施形態による、HCAV6000の飛行形態から走行形態への移行の6つの段階を示す。HCAV6000は簡略化された図面で示されている。HCAV6000は、胴体6010、右翼6020R、左翼6020L、右翼の翼端DF6030R、左翼の翼端DF6030L、胴体DF6030F、後端DFアセンブリ6030T、及び、フェアリング空力面6050を備える。詳細については上述したように、右翼6020R及び左翼6020Lはそれぞれ、その外側部分(6020RO、6020LO)を回動軸(折り畳み軸)6020Rox及び6020Loxを中心として回動変位させて、内側部分(6020RI、6020LI)の上側に折り畳むことができるように構成されている。また、詳細については上述したように、折り畳まれた右翼6020R及び左翼6020Lはそれぞれ、その回動軸(格納/展開軸)6020Rix及び6020Lixを中心として後方に回動変位させて、格納姿勢に変化させることができる。詳細については上述したように、右翼の翼端DF6030R及び左翼の翼端DF6030Lはそれぞれ、その回動軸6030Rx及び6030Lxを中心として回動変位させることができる。詳細については上述したように、後端DF6030Tは、その回動軸6030Txを中心として回動変位させることができる。フェアリング空力面6050は、飛行形態から走行形態に移行するときに、前側軸線(図示せず)を中心として上向きに回動変位させることができ、これにより、飛行フェーズに適合した空力形態(閉形態)から、翼の格納を可能にするように適合された開形態に移行することができる。
飛行形態から走行形態への移行の次の5つの段階を図6B~図6Fに示す。図6B~図6Fでは、図面の不明瞭化を最小限に抑えるために、符号は付していない。それぞれの変化は、変化前の形態から変化後の形態に移行するために行われた回動変位を示す矢印によって示す。各回動変位は、図6Aに関して説明したように、各回動軸を中心として行われる。
図6Aの飛行形態では、HCAV6000は飛行モードにある。右翼6020R及び左翼6030Lは、完全に展開されており、展開姿勢に固定されている。右翼の翼端DF6030R、左翼の翼端DF6030L、及び後端DF6030Tは、飛行推力を提供するために前方に向けられている。フェアリング空力面6050は、滑らかな空力面を提供するために閉じられている。
図6Bでは、HCAV600はホバーモードにある。右翼6020R及び左翼6030Lは変化しておらず、完全に展開されており、展開姿勢に固定されている。右翼の翼端DF6030R、左翼の翼端DF6030L、及び後端DF6030Tは、それぞれ矢印6BR、6BL、及び6BTによって示すように、その推力を垂直に下方に向けるように回動変位されている。胴体DFはオンにしてもよいが、その向きは変わらない。胴体DFをオンにする場合は、胴体DFをオンにする前に、最良の空力プロファイルを維持するために飛行中は閉じられていたカバー(図示せず)を開く必要がある。
図6Cは、着陸後のHCAV6000の状態を示す。右翼6020R及び左翼6020Lは、依然として完全に展開されているが、固定機構のロックは解除されている。右翼の翼端DF6030R及び左翼の6030Lは、格納形態にするためにそれらを直角に位置決めするために、矢印6CR及び矢印6CLで示すように、前回の回動方向とは反対方向に少しだけ回動変位させる。後端DF6030Tは、矢印6CTで示すように、前方に向けて回動変位させる。矢印6CFIで示すように、フェアリング空力面6050を開き、次の段階で格納される翼のための空間を作る。胴体DFのカバーは、FOD(異物)から胴体DFを保護するために閉じる。
図6Dは、矢印6DR及び矢印6DLで示すように、右翼6020R及び左翼6020Lの外側部分の上方への折り畳みの第1段階を示す。この操作の前に、固定機構のロックを解除する必要がある。
図6Eは、矢印6ER及び矢印6ELで示すように、右翼6020R及び左翼6020LをHCAV6000の胴体6010に向けて回動変位させることによる翼の折り畳みの第2段階を示す。
図6Fは、飛行形態から走行形態への移行の最終段階を示す。右翼6020R及び左翼6020Lの外側部分を、実質的に直角の角度から実質的に180度の角度に回動変位させて折り畳む。これにより、右翼6030Rの翼端DF及び左翼6030Lの翼端は、HCAV6000の胴体6010の前端部のすぐ上の位置に変位する。この回動変位が完了し、翼を固定手段でロックすると、HCAV6000は、路上を走行可能な状態となる。
次に図6Gを参照する。図6Gは、本発明の実施形態による、HCAVの形態を飛行モードから走行モードに変更するプロセスを示す概略フロー図である。着陸後、全ての回動変位可能なダクテッドファン(DF)を垂直姿勢に回動変位させる(ステップ602)。ダクテッドファンをオフにした後、翼端DFを格納姿勢に回動変位させ、かつ、後端DFを水平姿勢に回動変位させる(ステップ604)。この段階で、翼中間部折り畳み機構の固定機構のロックを解除し、翼の外側部分を折り畳んで(回動変位させて)垂直姿勢にする(ステップ606)。翼付根折り畳み機構の固定機構のロックを解除し、翼を後方に回動変位させて格納姿勢にする(ステップ608)。終段階では、翼中間部折り畳み機構によって翼の外側部分を翼の内側部分の上側に折り畳んで(回動変位させて)格納姿勢にし、その後、全ての折り畳み機構の固定機構を格納姿勢にロックする(ステップ610)。
短距離T/O及び着陸:本発明の実施形態によるHCAV、例えばHCAV200やHCAV6000などは、搭載重量が多い場合、及び/または航続距離の延長が必要な場合には、非常に短い滑走路で離陸または着陸を行う。垂直離着陸は、滑走路を走行して離着陸する場合に比べて、エネルギー消費量が多いこと、及び/または搭載可能な重量が少ないことが知られている。当然ながら、滑走路の長さが短いと(ある程度の上限まで)、滑走路の長さが長い場合に比べて、リフト重量が低くなり、省エネ効果も小さくなる。さらに、HCAVのために滑走路が必要になると、実質的にどこでも離着陸できるという利点が失われる。滑走路の長さを最小限に抑えるために、様々な飛行フェーズ(飛行段階)で、回動変位可能なダクテッドファン(DF)を使用する。DFの正確な回動変位は、本発明の実施形態に従って決定される。
本開示の新規性は、ダクテッドファン(DF)の回動変位を実際に使用して、水平方向または垂直方向の一方向の推力を提供するだけでなく、推力の方向が、垂直方向の力と水平方向の力とに分割されるように設定することである。これにより、翼による揚力を確保するのに十分な速度が得られると同時に、ダクテッドファンの垂直方向に向けられた推力で揚力を高めることにより、必要な滑走路長を最小限に抑えることができる。
別の実施形態によれば、短距離離陸システムは、車輪の駆動能力を利用して、離陸に要求される動力(要求動力)をさらに低減させることができる。この場合、車輪駆動システムを使用して、HCAVを最大走行速度まで加速し、DFが完全に引き継ぐまでの間で最大の性能を発揮するポイントでDFの推力を追加することができる。いくつかの実施形態では、HCAV制御システムは、DFによる加速中に、車輪駆動システムによる車輪の駆動と車輪の自由回転とを切り替えるように構成されている。したがって、本発明の実施形態によるHCAVは、滑走離陸を行う場合に、加速及び速度増加の第1段階を支援するために、離陸滑走中に駆動される少なくとも1つの電動車輪、好ましくは2つの車輪を備える。本発明の実施形態によるHCAVは、走行モードで使用する電動車輪を備えているので、電動車輪システムは、離陸滑走中に動作するように構成することができる。離陸滑走中に得られる速度の第1段階では、電動車輪は実質的に全加速度に寄与すると予想されるので、電動車輪システムは、必要とされる滑走路の長さを短くするために、または、滑走路を使用するときの離陸時の総重量を増加させるために使用される。
次に、図7Aを参照する。図7Aは、本発明の実施形態による、電動車輪の補助の有無によるHCAVの離陸のために必要な滑走路の長さをDFの回動角度の関数として示すグラフである(DFの回動角度は、車両のZ方向と平行な軸線に対する回動角度)。これらの計算では、離陸段階は、高度20メートルに達したときに終了する。これは、垂直離陸と比較するためである。特に、DFの回動角度が小さい場合(すなわち、推力角度が大きい場合)には、インホイールモータを使用すると、HCAVの離陸に必要な滑走路の長さを15%短縮することができる。DFの回動角度を大きくすると、滑走路が短くなりすぎて、インホイールモータの効果が十分に発揮できなくなる。しかし、回動変位可能なDFを使用すれば、滑走路の長さを大幅に短くすることができる。例えば、HCAVは、DFの角度が70度(推力が20度上向きの)の場合、25m以内の滑走で、高度20mまで離陸及び上昇することができる。
次に、図7B及び図7Cを参照する。図7Bは、本発明の実施形態による、電動車輪の補助の有無による、HCAVの離陸に必要なエネルギー(KWH)をDF角のDFの回動角度の関数として示すグラフである(DFの回動角度は、車両のZ方向と平行な軸線に対する回動角度)。図7Cは、本発明の実施形態による、図7Bの2つのグラフのエネルギーの差を示すグラフである。図7BのHCAVの離陸に必要なエネルギーは、インホイールモータを使用した場合と使用しない場合について計算した。特に、DFの角度が小さい場合(推力角度が大きい場合)には、インホイールモータを使用すると、HCAVの離陸に必要なエネルギーを40%以上も節約することができる。DFの回動角度を大きくすると、図7Cに示すように、DFの回動角度が45度(推力が45度上向き)になるまで、エネルギー節約量は減少し、その後は、HCAVの離陸に必要なエネルギーは等しくなる。垂直離陸時に要求される動力は、非常に低いことに注目されたい。これは、20メートルの高度に達するのに必要な時間が短いためである。なお、最もエネルギーを必要とする飛行フェーズは、ホバリングから水平飛行へ移行するときであり、これは、HCAVが滑走路から離陸する場合には必要ではない。実際、この移行段階では、インホイールモータを使用しない従来の離陸方法の場合の3倍のエネルギーと、インホイールモータを使用した本開示の離陸方法の場合の3.5倍のエネルギーを必要とする。したがって、インホイールモータを使用することにより、離陸時のエネルギーを大幅に節約することができる。
上記の計算は、下記の物理学的方程式を解くことによって行われる。
=m(t)*
は、水平方向及び垂直方向のベクトルである。これには、これに限定しないが、空気力学的な力、インホイールモータの力、及び、特定のRPMにおいてDFによって与えられる推力が含まれる。重量m(t)は、時間の関数であり、一般的に、燃料が燃焼することにより経時的に重量が減少するので必要となる。しかし、離陸時は時間が短いため、このことは考慮されていない。加速度ベクトルは、計算の結果である。水平方向の加速度はHCAVを前方に加速するのに用いられ、垂直方向の加速度は、HCAVを空中に持ち上げるのに用いられる。特定の入力パラメータと境界条件が考慮される。
VTOL対STOL:本発明の実施形態によるHCAVは、地上走行及び空中飛行が可能な車両として設計されており、そのため、滑走路から離陸することができる。このアーバンエアモビリティ(UAM)のユニークな特徴は、インホイールモータと翼との両方を使用して短距離離陸を行うことにより、離陸時のエネルギーを節約できることである。離陸に必要とされるエネルギーは、垂直離陸の場合、意図された飛行高度であるFL40までの移行及び上昇について計算される。
垂直離陸と滑走路離陸とは、初期段階では、同程度のエネルギーを消費する。垂直離陸時には、HCAVを垂直方向に加速しなければならず、滑走路離陸時には、HCAVを失速速度の1.3倍に達するまで水平方向に加速しなければならない。加えて、VTOLモードでは、高度20mに達した時点でHCAVを失速速度の1.3倍に達するまで水平方向に加速しなければならない。この段階を、水平移行段階と称する。水平移行段階中、回動変位可能DFは、その回動軸を中心として回動変位させられる。水平移行段階は、HCAVを垂直方向に加速するために使用される推力の向きを、徐々に水平方向に変えるので、重要な段階である。設計要件によれば、HCAVは水平移行段階中に沈下(急に高度を下げること)してはならないことになっている。結論として、この水平移行段階は、エネルギーを大きく消費する。この水平移行段階は、垂直離着陸時にのみ必要とされる。
この水平移行段階でのエネルギー消費の差異は、本発明の実施形態による、VTOL及びSTOLの離陸モードにおける離陸、水平移行及び上昇中にHCAVによって消費されるエネルギーを比較するグラフである図8に見られる。破線は、垂直離陸及びFL(フライトレベル)40への上昇中に使用される典型的なエネルギーを示し、実線は、短距離離陸能力を利用した場合の離陸及び上昇中に使用されるエネルギーを示す。
垂直離陸と滑走路離陸とは、初期段階では、同程度のエネルギーを消費する。垂直離陸時には、HCAVを垂直方向に加速しなければならず、滑走路離陸時には、HCAVを失速速度の1.3倍に達するまで水平方向に加速しなければならない。加えて、VTOLモードでは、高度20mに達した時点でHCAVを失速速度の1.3倍に達するまで水平方向に加速しなければならない。この段階を、水平移行段階と称する。水平移行段階中、回動変位可能DFは、その回動軸(Y軸に対して平行な軸)を中心として回動変位させられる。これは、上述したように、重要な段階である。短距離離陸時の全体的なエネルギー節約は、最大で60%である。
次に、図9を参照する。図9は、本発明の実施形態による、VTOL(破線)モード及びSTOL(実線)モードで離陸した場合の、離陸によって得られた高度と航続距離との関係を示すグラフである。このグラフは、垂直離陸に対する短距離離陸の利点を明確に示している。滑走路を使用して離陸する短距離離陸は、垂直離陸と比較して、航続距離が約1000メートル、つまり14%増加する。これは、HCAV設計のリフト機能に起因する。HCAVが失速速度の1.3倍に達すると、推進システムは速度を維持するのに十分な推力を提供するだけでよい。垂直離陸の場合、水平飛行への移行後に車両を加速して揚力を発生させるのには時間がかかるが、短距離離陸の場合、車両が発進した直後に揚力が発生する。STOL離陸モードでは、翼端DF及び後端DFは、車両の座標系のピッチ軸(Y軸)を中心として回動変位させられる。
第4のダクテッドファンである胴体DFは、HCAVの胴体に組み込まれており、推力方向がヨー軸(Z軸)に沿って下向きに固定されたDFである。胴体DFは、離着陸時の使用を目的としており、設計パラメータは最低4分間のホバリングである。水平飛行中は、最適な空力面を維持するために、胴体DFは開閉可能なカバーシステムで覆われる。次に、図10Aを参照して説明する。図10Aは、本発明の実施形態による、胴体DFのカバーシステム1000を示す4つの図を含む。カバーシステム1000は、開状態から閉状態にまたは閉状態から開状態に変化するために、1つまたは2つのサーボモータ1020A、1020Bによって開閉可能な一連のベーン1010(羽根)を有する。サーボモータ1020A、1020Bは、それぞれ、サーボモータの回転運動をベーン全体に伝達するように構成された回転伝達システム1022A、1022Bに接続されている。胴体DFの吸気口1008及び排気口(図示せず)は、それぞれ10枚のベーンで覆われる。図「a」は、カバーシステム1000の等角図である。図「b」は、カバーシステム1000の上面図であり、ベーン1010の「閉」状態を示している。図「c」は、カバーシステム1000の側面図である。図「d」は、カバーシステム1000の上面図であり、ベーン1010の「開」状態を示している。
胴体DFの各開口部(吸気口及び排気口)を覆う一連のベーンは、2つのグループに分かれており(それぞれ5枚のベーン)、互いに反対方向に回動することによって開くように構成されている。左側のグループは時計回りに開き、右側のグループは反時計回りに開く。ベーンの各グループの回動(開閉)は、冗長性を確保するために、二重サーボによって制御される。ベーンは、軽量化のために炭素繊維から製造することができる。なお、ベーンは、アルミニウムやチタンなどの任意の軽量材料から製造してもよい。ベーンは、開閉プロセス中にダクトと衝突しないように、ベーンのダクトに最も近い端部には、切り欠きが形成されている。また、飛行中にベーンを閉じたときに、ベーンによって覆われていない領域が最小になるように設計されている。密閉面を確保するために、ベーンの両端にはテーパが付けられている。ベーンの一方のフィレットは内側を向いており、他方のフィレットは外側を向いている。これにより、ベーンが互いに重なり合って、滑らかな密閉面を形成することができる。これにより、ベーンを閉じたときに、抗力を最小限に抑えることができる。ベーン1010は、軸及びベアリングを介して、ダクトに回動可能に結合されている。
ベーンによる胴体DFの各開口部を覆うことは、これに限定しないが、フライトコンピュータシステムによって制御することができる。カバー可能な胴体DFを使用することにより、HCAVは、垂直離陸のための十分な推力を発揮し、十分な空力的揚力を提供するために必要な飛行速度まで加速し、それと同時に、水平飛行中の胴体の抗力を最小限に抑えることができる。本発明の実施形態によれば、緊急着陸の場合には、胴体DFは、垂直降下を抑えたり、停止させたりするために使用することができる。したがって、胴体DFは、HCAVの安全対策の一部である。胴体DFの利点は、DFの吸気口及び排気口を有することである。吸気口は、吸気を最大化し、ユニークな設計のHCAVの胴体の周りで空気を加速するように設計されており、これにより、離着陸時に追加の揚力を発生させる。排気口は、加速ダクト設計を利用して、離着陸時の効率を最大化するように設計されている。加速ダクト設計は、吸気口からファンの回転面に向うにしたがって狭くなり、その後、ダクトの排気口に向かうにしたがって広くなるという、ダクトの内面の空気力学的プロファイルを含む。加速ダクトは、より高いブレード荷重を受けることができるため、より効率的である。欠点は、このようなDFは、発生するノイズが大きくなることである。また、胴体DFをHCAVの胴体に配置することにより、ファンブレードとモータの機械的保護を強化することができる。
胴体DFの設計には、吸気口断面積、排気口断面積、ダクト内面(前縁及び後縁)のプロファイル、ファンブレードのピッチ角、ファンブレードのプロファイル、及び、作動時に必要とされる動力などのパラメータが関与する。水平飛行の要件とVTOLの要件は相反している。垂直離着陸のためには、吸気口と排気口の面積が大きいことが望ましい。一方、水平飛行のためには、吸気口と排気口の面積が小さく、かつ吸気口と排気口の内面のプロファイルは直線的であることが望ましい。したがって、胴体DFは、垂直離着陸のために最適化されている。胴体DFを垂直離着陸のために最適化する努力の大部分は、ファンの吸気口及び排気口に集中している。加速ダクトはブレードに向かう空気速度を増加させ、プロペラの後方で空気速度を低下させるので、ブレードはより高い負荷を受けることができ、その結果、効率が向上する。そのため、吸気口領域はノズル状に設計され、排気口領域はディフューザとして設計され、空気流がノズル面から離れないように注意深く設計される。最適化のもう1つの部分は、上記のコアンダ効果を利用するために、吸気口速度を最大化することである。最適化の取り組みは、パラメータスイープスダディ方式を用いて行われた。
回動変位可能なDFの設計上の考察:回動変位可能なDFは、離着陸時及び水平飛行時に十分な推力を提供するように設計されている。この設計は、この2つの要件の妥協点を述べている。ブレードは、ブレード先端での損失を最小限に抑えるように設計されており、ダクト設計に関しては、推力を最適化するように設計されている。変化する飛行条件において、最良の総合的な動力対推力比を得るために、ブレードの設計の一部として、ブレードのピッチ角がブレードの長さに沿って変化するように構成されている。次に、図10Bを参照する。図10Bは、DF用のダクテッドファンアセンブリ1500の具体的な設計を示す図である。ダクテッドファンアセンブリ1500は、中心線(CL)から外側に延びるDF断面の半分を示す断面図で示されている。ダクテッドファンアセンブリ1500は、空気力学的形状の内面1512を有するダクト1510と、内面1522を有するファンスピナ1520と、スピナ1520と共に回転するように構成されたファンのブレード1530とを含む。また、ダクテッドファンアセンブリ1500は、吸気口1502と、排気口1504とを有する。ダクテッドファンアセンブリ1500は、その中心線CLを中心にして円対称である。図10Bに示すように、ダクト1510の内面1512とスピナ1520の内面1522との間に形成される空気流入領域の断面積は、吸気口1502からブレード1530に近づくにしたがって減少し、ブレード1530から排気口1504に近づくにしたがって増加する。この結果、ダクテッドファンアセンブリ1500を通って流れる空気は、ダクテッドファンアセンブリ1500のこの特定の設計に起因して加速される。したがって、この設計が、ダクテッドファンが垂直推力を提供するときに高効率を有することが証明された。この設計は、パラメータスイープスダディ方式を用いて計算された。
回動変位可能なDFは、HCAVの安定性の制御及び維持にも貢献する。上述したように、後端DFは、2つの飛行制御フィン(ラダーフィン及びエレベータフィン)を備えており、これらのフィンにより、航空機のピッチ及びヨーの制御が行われる。ラダーフィン及びエレベータフィンの制御は、制御コンピュータを組み込んだ制御システムによって行われる。制御システムは、後端DFを回動変位させるとともに、ラダーフィン及びエレベータフィンを回動変位させて、ピッチ及びヨーを制御する。全ての飛行モードで機動できるようにするためには、ラダーフィン及びエレベータフィンは、互いに独立して回動変位させることができるように構成される。ラダー及びエレベータシステムには、作動、配線、及び取付け、並びに、後端DFの回動変位時にラダーフィン及びエレベータフィンの回動変位を制御する制御システムが含まれる。ラダーフィン及びエレベータフィンの互いに独立した回動変位を確実にするために、例えば図4に示すように、ラダーフィンとエレベータフィンとの両方に切り欠きが形成されている。
安定化の考察:安定化に必要な労力を最小限に抑えるために、本発明の実施形態によるHCAVは、部分的に前進した翼を備えるように設計されている。HCAVのボディデザインは、スペースの制約上、重心(CG)を前方に持ってきている。これは、所与のスペースにおいて、システム及びペイロード/乗客が車両の前部に位置することを意味する。安定性への労力を最小限に抑えるために、重心を前方に持ってくることでモーメントレバーを短くすることができ、これにより、安定化モーメントが減少する。この設計により、最適化された胴体形状を利用することが可能になる。また、胴体に対する翼の位置を最適化することにより、飛行モード時に強固な構造を提供するとともに、走行モード時に最適な折り畳み形状にすることが可能になる。
サイズ及び寸法に関する考察:上述のHCAVの設計は、4個のダクテッドファン(DF)で動作するが、別の数のDFを有するHCAVを考慮する場合にも、同一のまたは非常に類似した設計事項を適用することができる。DFの数は、HCAVに必要とされる他の絶対的及び最終的な寸法及び重量に応じて、3~16個であり得る。HCAVの寸法とDFの数は、交通規定及び乗客数によって決定される。なお、本明細書で説明した設計はスケーラブルであり、そのため、一種の大量輸送システムとして、最大20人の乗客または最大1600kgのペイロードのバージョンも実現可能である。その場合、DFは特定の直径までしか拡張できないので、より多くのDFを胴体の内外に設置する必要がある。
本開示のHCAVは、(貨物ではなく)人を輸送するように設計されているので、HCAVの胴体の長さは乗客のためのスペースによって決定される。エコノミークラスの客席の平均サイズ(幅)は、0.71~0.79mである。交通規定に起因して、HCAVの幅は所与の上限を超えることができないため、乗客数を増やすための唯一の方法は、HCAVの客室の長さを長くすることである。例えば、8人以上の乗客を乗せるためには、客室の長さを6.3m以上にする必要がある。全体的な空力とシステム設計は変わらないが、DFのサイズと数は、乗客数を増やした場合の離陸滑走、着陸に十分なものにする必要がある。
サイドプロテクタ/ショックアブソーバ;走行モード:本発明の実施形態によるHCAVは、地上走行及び空中飛行を目的として設計されている。つまり、走行モードでは交通規定が適用され、空中飛行中は飛行規定(例えば、FAA規則)が適用される。耐空性は常に確保する必要があるので、走行モード中の小さな事故も考慮しなければならない。走行モードでは、走行中に小さなバンプや傷が生じることはほぼ避けられないため、限定的な交通事故後の耐空性を確保するためには、物理的な衝撃を適切に吸収する必要がある。限定的な交通事故に巻き込まれた後に飛行することができるように、そのような事故に巻き込まれることが最も予想される車両の関連領域は、衝撃吸収システムによって保護されている。本発明の実施形態による、交換可能な衝撃吸収システム12000の概略図である図11を参照する。衝撃吸収システム12000は、ノンクリティカル上に設置されたパネル12010を含み、例えば、発泡パネルなどの吸収性材料から作製することができる。パネル12010は、HCAVの胴体の外皮に予め形成されたキャビティ12030に取り付けられ、ねじ12040によってねじ止めされる。キャビティ12030は、特定の領域、例えばドアの周囲に形成される。より重要な領域を保護するためには、2つの追加的なステップが実施される。第1のステップは、衝撃吸収材料とキャビティとの間にばねを配置することである。これにより、ばね剛性によって、衝撃吸収性を向上させることができる。第2のステップは、例えば後端ダクテッドファンなどの高リスク領域を、小型の空気圧または油圧の衝撃吸収シリンダで保護することである。これらのシリンダは、スクリューアタッチメントの代わりに配置することができる。剛性と可動域は、シリンダ内に配置された流体によって調節することができる。
推進オプション:本発明の実施形態によるHCAVは、主に電力によって飛行及び走行するように設計されている。全てのダクテッドファン(DF)、システム、及びホイールは、電力のみで動作可能である。最近のバッテリの進歩及びアベイラビリティを考慮して、いくつかの推進オプションを検討した。電力源は互換性があり、様々なシステムから供給することができる。1つのアプローチによれば、信頼できるバッテリバージョンは、市場で容易に達成可能な利用可能なバッテリ設計である。必要な航続距離及び/または飛行時間を提供するために、有望な電池設計について検討した。必要な仕様は、そのバッテリの製造メーカから提供される。いくつかの実施形態では、KOKAM社(Kokam Ultra High Power Ltd.)製の790kwの容量を有するバッテリが使用される。1166kWのバッテリ(Licension High Power社製)などの、より強力なバッテリが使用可能になった場合は、それを現在のバッテリと置き換えてもよい。この設計は、最大200km(124マイル)の航続距離と320kg(705ポンド)の積載量(4人乗りに相当)を提供する。航続距離及び飛行時間は、車両の大きさ、環境条件、積載量(乗客を含む)に依存する。現在使用可能なバッテリと、将来期待されるバッテリとの詳細を下記の表に示す。
2020年のKOKAM社製のバッテリ構成。
Figure 2022532546000003
Licension High Power社製の将来のバッテリを使用した場合の期待される性能とそれに関連する計算を下記の表に示す。
Figure 2022532546000004
航続距離の計算は、各飛行フェーズの要求エネルギーによって決定される。航続距離を算出するために、まず、避けられない飛行フェーズを計算した。つまり、垂直離陸、上昇への移行、着陸への移行、及び垂直着陸に必要なエネルギーを計算し、計算されたエネルギーを推進システムの総エネルギーから差し引かいた。次に、上昇フェーズ及び下降フェーズについて計算し、最後に、残りのエネルギーを使用して距離を計算した。各飛行フェーズの要求エネルギーを図12に示す。図12のグラフは、航続距離と高度との関係(一点鎖線、右軸)、及び、航続距離と要求エネルギーとの関係(実線、左軸)を示す。
別の設計アプローチでは、HCAVは、1以上のエンジン、1以上のバッテリ、発電機、及び電力分配システムを含むハイブリッド型の推進システムを備える。エンジンは、動力シャフト、航空機用及び/または従来のガソリン/ディーゼルエンジン、及び/または水素燃料電池を含むリストのうちの1以上を含み得る。エンジンの動力は、外部の供給業者から提供された発電機によって電気エネルギーに変換される。この発電機は、離陸時には高出力を提供し、水平飛行時には長時間持続する出力を供給するように設計されている。この発電機を最新のバッテリと組み合わせることにより、HCAVの効率を最適化することができる。配電システムは、フライトシステム、ドライブシステム、ダクテッドファン、飛行操縦翼面、ライト、及び他の電源に電力を分配するように設計されている。配電システムは、バッテリとエンジンの電力を優先的に再配分する機能を有している。また、配電システムは、乗客及び/またはペイロードのための最も安全な飛行を確保するように設計されている。また、配電システムは、設計によって、二重冗長性を持たせてもよい。万が一、両方の推進システムの動力を損失した場合でも、HCAVは次の着陸地点(最大半径12km)まで滑空し、安全に着陸することができる。ハイブリッド型の推進システムは、搭載するエンジンに応じて、320kgのペイロードで最大500km(310マイル)距離を飛行することができる。ハイブリッド型の推進システムに関連する計算のより詳細な説明を下記の表に示す。
Figure 2022532546000005
本発明のいくつかの実施形態では、バッテリを充電するために、ガソリン/ディーゼル内燃機関の代わりにターボシャフトエンジンを使用してもよい。
電力回復:本発明の実施形態によれば、HCAVは、翼端DFを使用して、飛行中に電力を生成することができる。翼端DFは、前進推力に使用されていないときに、例えば降下フェーズ中に、風力タービンとして使用することができる。飛行の降下フェーズ中には、HCAVの滑空比により、移行高度まで安全に降下するのに十分な揚力が得られる。降下フェーズ中、翼端DFは推力を発生するために使用されない。降下フェーズ中には、空気流は、翼端DFのファンが自由に回転させる。翼端DFのファンによって電力を生成するために、翼端DFのモータへの電力の流れは逆になる。生成されたエネルギーは、一般的に知られている、下記の風力タービンの式を使用して計算される。
電力=k*Cp*0.5*ρ*v*A
電力は、タービンの円盤面積Aを通過する、空気の流速vによって決定される。Cp値は、ダクテッドファンの出力係数である。空気密度ρと降伏力定数を用いて理論出力をkWで計算した。一般的な風力タービンでは、ダクテッドファンに接続された低速回転動力軸のギア比を100倍にしてエネルギーを生成する。HCAVではダクテッドファンが非常に速く回転するので、トランスミッションは不要である。したがって、エネルギー方程式を所定の係数で除算する必要がある。さらに、モータの効率も考慮する必要がある。HCAVの翼端DFに電力を供給するモータは、モータとして動作する場合と、交流発電機として動作する場合とにおいて、実質的に同一の効率係数を有する。
図13は、本発明の実施形態による、5分間に得られるエネルギー量を、翼端DFを通過する空気の流速の関数として示したグラフである。例えば、飛行の通常の降下フェーズ中、翼端DFを通過する空気の流速は約60m/sである。このことにより、1つのダクテッドファンあたり18kWの電力が得られ、これにより、約1.4kWhのエネルギーが生成される。両方の翼端DFを使用すると、得られるエネルギーは2倍になる。これは、飛行中に、バッテリ容量の最大7%を回復できることを意味する。なお、このような風力タービン発電によって導入された追加の抗力は、降下中の沈下率を増加させるであろう。混雑した場所での騒音を減らすために、HCAVはバッテリだけで離陸することができ、これにより、騒音を大幅に減らすことが期待される。
車両寸法:最も小型のHCAV設計は、少なくとも1人の乗客が身の回りの物を持って乗ることができる客室と、飛行及び走行システムと、ダクテッドファンとを備える。本明細書で詳細に説明する設計は、走行中及び飛行中に4人の成人を乗せることができる。車両の寸法は、ペイロードと、そのペイロードを快適かつ安全に輸送するために必要なシステムとによって決定される。全体寸法は、車両の各モードにおいて異なる。固定翼航空機の空力効果を利用し、かつ、交通規定に適合するために、HCAVは折り畳み可能な翼を備えている。このことは、翼は、走行モードでは胴体の上側に固定して格納され、離陸前に展開できることを意味する。上述の翼の折り畳み機構は、車両の各モード間の移行の一環として翼を自動的に折り畳んだり展開したりするように構成されている。翼のサイズは、車両の重量及び寸法によって決定される。設計要件に適合するためには、翼は、少なくとも2か所で折り畳む必要がある。本明細書に記載した設計では、左右の各翼は、翼の中間部及び翼の付根で折り畳まれる。翼中間部折畳み機構は、翼の外側部分を(ロール軸と平行な回動軸を中心として)上方向に180度回動変位させて折り畳んで、翼の内側部分の上に重ねることを目的としている。この翼中間部折畳み機構は、回動ヒンジ、アクチュエータシステム、走行モードまたは飛行モードにロックするための固定機構、並びに、翼とHCAV電源及び制御システムとのアクティブ通信システムを含む。翼付根折り畳み機構は、ヨー軸と平行な回動軸を中心として90度回動変位させて折り畳むことができるように設計されている。翼付根折り畳み機構は、電気アクチュエータ、固定機構、並びに、翼とHCAV電源及び制御システムとのアクティブ通信システムを含む。また、翼付根折り畳み機構は、例えばダクテッドファンや操縦翼面などの翼内のシステムへの電力供給を確実にするように構成されている。翼を完全に回動変位させて胴体の上側に格納するために、HCAVの中央部は、図6A~図6Fのフェアリング空力面6050などのフェアリング空力面を含む。この機構は、胴体の中央部を作動させる。この機構は、胴体の屋根の一部を自動的に回動変位させて開き、翼を折り畳むためのスペースを作ることを目的としている。また、この機構は、飛行中に胴体を確実に閉じるためのラッチを備えている。
HCAVの寸法は、交通規定に適合しなければならない。すなわち、走行モードでの寸法は、交通規定に適合するように制限される。交通規定の範囲内で、HCAVは様々な寸法を有する。走行モードでの全体寸法を下記の表2に示す。
Figure 2022532546000006
可変翼の設計に起因して、離陸時、飛行時、着陸時に、HCAVの寸法は変化する。この場合、車両の全体サイズは、下記の表3に示すように、翼の幅によって決定される。
Figure 2022532546000007
システムアビオニクスアーキテクチャ:HCAVのアビオニクスの目的は、飛行モードでの車両の完全な自動化及び自律化を可能にすることである。HCAVの自律制御機能は、外部環境とのインターフェイスを有する。これは主に、走行モードのHCAVの乗客が、車両に目的地や経路などを指示することや、車両が「空の道」に安全に入り、空の道を特定の割り当てで効率的に使用することを可能にする仮想航空交通管制に関するものである。中央コンピュータは、様々なセンサからの入力を受け取り、制御手段(プロペラモータ、空力面、駆動モータ、ステアリングホイール、ブレーキ)に対するコマンドを生成する。
次に、図14を参照する。図14は、本発明の実施形態による、HCAVの自律制御または手動制御に関連する物理的な飛行パラメータ(推力の大きさ及び方向、方向舵角及び昇降舵角、車輪駆動動力)を計算及び制御するためのプロセスを示す概略フロー図14000である。ステップ14002では、入力データを受信すると計算が開始される。入力情報は、推進システムの全体仕様、例えば、バッテリのエネルギーや、バッテリが扱える最大トルクなどを含み得る。DFの仕様は、ダクテッドファンのイナーシャ(inertia)、最大RPM、推力などで与えられる。インホイールモータも同様である。これらのパラメータは、その部品のメーカから提供される。HCAV仕様は、本明細書に説明及び図示した設計について上述した。HCAV仕様には、設計パラメータ(MToM(最大離陸重量)、寸法など)、及び、空力パラメータ(揚力係数、抗力係数など)が含まれる。HCAV仕様に加えて、境界条件を設定する必要がある(ステップ14004)。これは、エンジンが提供できる最大トルクなどの、前述のHCAV仕様によって部分的に行われる。最大加速度や高度などの他の境界条件を、ユーザが設定してもよい。この場合、高度は0~20mの範囲で、終了条件として設定される。方程式を解くプロセスは時間ステップ毎に行われるため、適切な時間枠を選択する必要がある。その後、プログラムは、エンジンの暖機中のトルクの分析を開始する。これは、ダクテッドファン及びインホイールモータが所定のRPMまで上昇/下降する必要があることを意味する(ステップ14006)。この間にトルクを計算し、必要ならば、時定数(プログラムの時間ステップではなく、推進システムのパラメータ)を、推進システムの最大トルクを超えないように調節する。これは、RPMが変更されるたびに行う必要がある。もし、全てのパラメータがそれぞれの制限内にある場合、その特定の時間枠でのRPMを使用して推力を計算する(ステップ14006)。推力、空気力学的力、及び、車輪と地面との間の摩擦を考慮して、必要な力ベクトルを計算する(ステップ14008)。この段階では、重量は一定であり、重量は最大離陸重量(MToM)に設定される。この情報を用いて、加速度ベクトル、速度ベクトル、水平方向及び垂直方向の移動距離を計算することができる(ステップ14010)。加速度が許容最大値を超える場合、この基準が満たされるまでRPMを調節する(ステップ14010)。その後、要求エネルギーを計算し、この時間枠の距離を滑走路の長さに加えて、次の時間ステップを計算する(ステップ14012)。HCAVが高度20メートルに達すると、プログラムは終了し、さらなる分析に有用な特定の変数を提供する(ステップ14014)。上述のプロセスは、3つのフィードバックループを利用する。第1のフィードバックループは、ステップ14006のトルク条件の結果をそのステップに戻して、フェイルセーフ条件を提供することである。例えば、生成されたトルクが大きすぎると、ランプアップ速度が低くなる。1つの目的は、動力制御の時定数を可能な限り小さく設定することであり、これにより、制御ループでの急激な変化に起因して生じるエネルギー損失を最小限に抑えることである。第2のフィードバックループは、HCAV最大加速度を予め定められた閾値未満に制御するために、ステップ14010で得られた出力加速度条件をステップ14006に戻すことである。例えば、乗客を乗せたHCAVの加速度の閾値は、乗客が許容できると考えられる3m/sに設定することができる。第3のフィードバックループは、時間ステップ及び終了条件の出力結果をステップ14012からステップ14004に戻すことであり、これにより、ミッション固有のパラメータが制御システムにミッションエンベロープを提供し、ミッション終了条件及びパラメータを有効にすることが可能となる。
状況認識及び衝突回避システム:安全性は、車両にとって最も重要なキー要素である。安全管理の一環として、車両には、潜在的な衝突リスクを検出し、能動的な回避操作によってそのリスクを排除する役割を担う安全装置が搭載されている。安全装置には、車両に搭載されたセンサ、及び、他のスカイユーザーや航空管制との通信装置との両方が含まれる。
本発明の特定の特徴を図示し、本明細書に記載したが、様々な改変、置換、変更、及び均等物は、当業者であれば想到し得るであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の要旨の範囲内に含まれるそのような修正及び変更をすべて包含することを意図していることを理解されたい。

Claims (16)

  1. 道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両であって、
    前記車両の仮想基準座標系のX軸と一致する長手方向軸を有する胴体と、
    折り畳み可能かつ展開可能な左右の翼であって、展開時に、前記仮想基準座標系のY軸に対して実質的に平行に延びるように構成された、該左右の翼と、
    少なくとも4つのダクテッドファンと、
    前記車両の道路上の走行を可能にするように構成された少なくとも3つの車輪と、を備え、
    前記左右の翼の各々は、翼付根折り畳み機構と、翼中間部折り畳み機構とを含み、
    前記少なくとも4つのダクテッドファンのうちの2つは、前記各翼の翼端にそれぞれ配置された翼端ダクテッドファンであり、
    前記少なくとも4つのダクテッドファンのうちの1つは、前記胴体に配置された胴体ダクテッドファンであり、
    前記少なくとも4つのダクテッドファンのうちの1つは、前記車両の後端に配置された後端ダクテッドファンであり、後端ダクテッドファンアセンブリに含まれる、車両。
  2. 請求項1に記載の車両であって、
    前記翼端ダクテッドファンの各々は、前記翼端ダクテッドファンによって生成された推力が前記車両の前記仮想基準座標系のZ軸に対して実質的に平行に向けられる第1の位置と、前記翼端ダクテッドファンによって生成された推力が前記車両の前記仮想基準座標系の前記X軸に対して実質的に平行に向けられる第2の位置との間で、前記車両の前記仮想基準座標系の前記Y軸に対して平行な回動軸線を中心として制御可能に回動変位させることができるように構成されている、車両。
  3. 請求項1に記載の車両であって、
    前記後端ダクテッドファンアセンブリは、前記後端ダクテッドファンによって生成された推力が前記仮想基準座標系のZ軸に対して実質的に平行に向けられる第1の位置と、前記後端ダクテッドファンによって生成された推力が前記仮想基準座標系の前記X軸に対して実質的に平行に向けられる第2の位置との間で、前記仮想基準座標系の前記Y軸に対して平行な回動軸線を中心として制御可能に回動変位させることができるように構成されている、車両。
  4. 請求項3に記載の車両であって、
    前記後端ダクテッドファンアセンブリは、少なくとも1つのラダーフィンと、少なくとも1つのエレベータフィンと、をさらに含み、
    前記ラダーフィンは、前記後端ダクテッドファンの後方において、前記Z軸に対して平行な第1の回動軸に取り付けられ、かつ、前記第1の回動軸を中心として前記X軸に対する角度を制御可能に変更させることができるように構成されており、
    前記エレベータフィンは、前記後端ダクテッドファンの後方において、前記Y軸に対して平行な第2の回動軸に取り付けられ、かつ、前記第2の回動軸を中心として前記X軸に対する角度を制御可能に変更させることができるように構成されている、車両。
  5. 請求項1に記載の車両であって、
    前記少なくとも3つの車輪のうちの少なくとも1つの車輪は、モータ駆動されるように構成されている、車両。
  6. 請求項1に記載の車両であって、
    前記翼付根折り畳み機構は、前記仮想基準座標系のX-Y平面に対して実質的に平行な平面内で、前記翼を前記仮想基準座標系のZ軸に対して平行な回動軸線を中心として回動変位させ、それにより、前記翼を展開姿勢と格納姿勢との間で変化させるように構成されている、車両。
  7. 請求項6に記載の車両であって、
    前記翼付根折り畳み機構は、
    前記翼を回動変位させるように構成されたアクチュエータと、
    前記翼を、前記格納姿勢または前記展開姿勢に確実に固定するように構成された固定手段と、を含む、車両。
  8. 請求項1に記載の車両であって、
    前記翼中間部折り畳み機構は、前記仮想基準座標系のY-Z平面に対して実質的に平行な平面内で、前記X軸に対して平行な回動軸線を中心として、前記翼の外側部分を前記翼の内側部分に向けて回動変位させ、それにより、前記翼を展開姿勢と格納姿勢との間で変位させるように構成されている、車両。
  9. 請求項8に記載の車両であって、
    前記翼中間部折り畳み機構は、
    前記翼の前記外側部分を前記翼の前記内側部分に向けて回動変位させるように構成されたアクチュエータと、
    前記外側部分を、前記格納姿勢及び前記展開姿勢に確実に固定するように構成された固定手段と、を含む、車両。
  10. 請求項7に記載の車両であって、
    前記翼付根折り畳み機構は、平歯車と回転アクチュエータとを含む、車両。
  11. 請求項9に記載の車両であって、
    前記アクチュエータは、リニアアクチュエータである、車両。
  12. 請求項1に記載の車両であって、
    前記胴体ダクテッドファンは、該ファンのダクトの上側開口部を開閉可能に覆うように構成された制御可能な一連のベーンを含む、車両。
  13. 請求項4に記載の車両であって、
    前記後端ダクテッドファンは、該ファンのダクトを通る空気の流れ方向に対して垂直な断面の面積が、前記ダクトの前側開口部及び後側開口部に近づくにしたがって、前記ダクトの中央部分よりも大きくなるように構成されている、車両。
  14. 請求項13に記載の車両であって、
    前記後端ダクテッドファンの前記ダクトの内面は、前記ダクトの前記長手方向軸に沿った平面を含む断面が空気力学的形状になるように構成されている、車両。
  15. 道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両の形態を、飛行形態から走行形態へ変更する方法であって、
    全ての回動変位可能なダクテッドファンを垂直姿勢に回動変位させるステップと、
    全てのダクテッドファンをオフにするステップと、
    翼端ダクテッドファンを格納姿勢の角度に回動変位させるステップと、
    後端ダクテッドファンを水平姿勢に回動変位させるステップと、
    翼中間部折り畳み機構の固定手段を解除するステップと、
    翼の外側部分を垂直姿勢に回動変位させるステップと、
    翼付根折り畳み機構の固定手段を解除するステップと、
    前記翼を後方に回動変位させて格納姿勢に変化させるステップと、
    前記翼の前記外側部分を前記翼の内側部分の上側に折り畳むステップと、
    前記翼中間部折り畳み機構及び前記翼付根折り畳み機構の固定手段を格納姿勢に固定するステップと、
    を含む方法。
  16. 道路上を走行し、かつ空中を飛行するように構成された車両の離陸に必要な飛行制御パラメータを計算するプロセスを制御する方法であって、
    (a)推進システムの全体仕様、推進バッテリの利用可能なエネルギー、推進バッテリが提供可能な最大トルク、複数のダクテッドファンのそれぞれのイナーシャ、複数のダクテッドファンのそれぞれの最大RPM、複数のダクテッドファンのそれぞれから得ることができる最大推力及び回転モーメント、前記車両の少なくとも1つの電動車輪のそれぞれが提供可能な速度、及び前記車両の空力係数を含むリストから選択される少なくとも1つの項目の入力データを受け取るステップと、
    (b)飛行制御に加えられる変更の範囲を制限するために境界条件を設定するステップと、
    (c)ファンモータ及びホイールモータの各々を予め定められたRPMまで上昇/下降させることによって、前記ファンモータ及び前記ホイールモータの各々の暖機中に必要とされるトルクを分析するステップと、
    (d)必要とされるトルクを継続的に計算し、前記推進システムを制御するための制御時定数を、前記推進システムの最大トルクを超えないように調節するステップと、
    (e)前記ダクテッドファンの各々について、上記のステップでの計算に使用したRPM値及び実際の離陸重量に基づいて、これから行う飛行運動に必要な推力を計算するステップと、
    (f)上記のステップでの計算結果に基づいて、離陸時に必要な加速度ベクトル、速度ベクトル、及び水平方向/垂直方向の移動距離を計算するステップと、

    (g)計算された離陸時に必要な加速度を比較し、それが提供可能な最大加速度よりも大きい場合には、計算された離陸時に必要な加速度が、前記提供可能な最大加速度よりも低くなるように、RPMを繰り返し調節するステップと、
    (h)離陸に必要なエネルギーと離陸滑走距離を計算するステップと、
    (i)前記車両が予め定められた高度に達したときに離陸プロセスを終了するステップと、
    を含む方法。
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