JP4085656B2 - 無段変速機を含む駆動機構の制御装置 - Google Patents

無段変速機を含む駆動機構の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、互い直列に連結されたクラッチと無段変速機とを含む駆動機構の制御装置に関し、特にこれらのクラッチや無段変速機を滑りが生じないように制御するための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来知られている無段変速機は、ベルトとプーリとの間の摩擦力や、パワーローラと入出力側の各ディスクとの間に介在させたトラクションオイルのせん断力などを利用してトルクを伝達するように構成されている。そして、その伝達可能なトルク容量は、ベルトとプーリとの接触圧力(すなわちプーリによるベルトの挟圧力)や各ディスクがパワーローラを挟み付ける挟圧力に応じた容量に設定される。
【0003】
したがってベルトやパワーローラなどのトルクの伝達を媒介する伝動部材を挟み付ける挟圧力を高くすれば、入力されるトルクに対してトルク容量が大きくなるので、ベルトなどの過剰な滑り(スリップ)を生じさせることなくトルクを伝達し、所定の変速比を設定することができる。しかしながら、挟圧力が高くなると、動力の伝達効率が低下し、燃費の悪化要因となる。したがって、無段変速機における挟圧力は、過剰な滑りが生じない範囲で可及的に低圧であることが好ましい。
【0004】
そこで従来、無段変速機で滑りを生じさせる替わりに、無段変速機に対して直列に配列された他のクラッチで滑りを生じさせるように構成した装置が特開平10−2390号公報に記載されている。
【0005】
すなわち、この公報に記載された装置は、ベルト式無段変速機に対して直列に配列されたクラッチの締結力の余裕が、無段変速機でのベルト押圧力の余裕より小さくなるようにクラッチ締結力とベルト押圧力とを関連させて設定しておき、無段変速機に掛かるトルクが増大した場合には、無段変速機でのベルトの滑りが生じるのに先行してクラッチに滑りを生じさせ、その結果、ベルトの滑りやそれに起因する無段変速機の損傷を防止するように構成されている。また、上記の公報に記載された装置では、クラッチの滑りが検出された場合には、クラッチ締結力とベルト押圧力とを、それぞれの余裕の関係を維持したまま、増大させ、また反対に滑りが検出されない場合には、それぞれの余裕の関係を維持したまま、クラッチ締結力とベルト押圧力とを低下させるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された発明は、クラッチをいわゆるトルクヒューズとして機能させ、無段変速機に作用するトルクを、クラッチに滑りが生じることにより、その滑りの生じるトルク以下に制限するように構成した発明である。したがってそのクラッチのトルク容量は、エンジン側から入力されるトルクを確実に伝達することのできるトルク容量以上で、かつ無段変速機で滑りが生じる以前に滑りが生じるトルク容量以下である必要がある。そのため、クラッチのトルク容量が増大すれば、それに併せて無段変速機のトルク容量を増大させて、両者のトルク容量の関係を、クラッチがトルクヒューズとして機能する容量に維持することになる。言い換えれば、無段変速機のトルク容量はクラッチのトルク容量にその下限値を制限される。したがって、無段変速機でのトルク容量すなわち挟圧力を低下させるためには、クラッチのトルク容量を可及的に低下させることが望まれる。
【0007】
しかしながら、上記の公報に記載されているように、クラッチのスリップが検出されることにより、クラッチの係合圧および無段変速機の挟圧力を増大させるとすれば、クラッチのトルク容量が相対的に大きくなり、それに伴って無段変速機の挟圧力も高くする必要がある。その結果、無段変速機での動力の伝達効率が低下し、燃費が低下する可能性がある。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、無段変速機に対して直列に連結したクラッチによる無段変速機のトルク容量の制約を可及的に低減できる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、クラッチの滑りの状況について評価し、その評価の結果によってはクラッチの滑りを許容することとして、そのトルク容量の増大を抑制するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、動力源と駆動輪との間にクラッチと無段変速機とが互いに直列に連結されて配置され、そのクラッチが無段変速機よりも先に滑りを生じるようにクラッチと無段変速機とのトルク容量が制御され、さらにこれらクラッチおよび無段変速機の少なくとも一方の滑りに関連する状況に基づいてクラッチおよび無段変速機の少なくとも一方のトルク容量を変更する無段変速機を含む駆動機構の制御装置において、前記クラッチの滑りが前記駆動輪から入力されるトルクによる滑り以外の滑りである場合に、その滑りを評価する滑り評価手段と、その滑り評価手段の評価結果に応じて前記クラッチのトルク容量を選択的に変更するクラッチトルク変更手段とを備え、前記滑り評価手段は、ジャダ現象とクラッチに対する熱影響と前記駆動機構を搭載した車両の燃費との少なくともいずれか一つに関連する事項に基づいて、前記クラッチの滑りの評価をおこなうように構成されるとともに、前記クラッチトルク変更手段は、前記クラッチの滑りに伴うジャダ現象があることを前記滑り評価手段が判断した場合のクラッチのトルク容量の増大速度を、前記ジャダ現象がないことを前記滑り評価手段が判断した場合のクラッチのトルク容量の増大速度より速くするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0010】
したがって請求項1の発明では、上記の駆動機構を搭載した車両が走行している際に動力源側あるいは駆動輪側から駆動機構に動力が入力される。その動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更される。その結果、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御が可能になる。また、動力源の出力トルクの変化や無段変速機の挙動の変化などに起因するクラッチの滑り、すなわち駆動輪側から入力されるトルクによる滑り以外のクラッチの滑りが生じた場合、その滑りについての評価がおこなわれる。そして、その評価の結果に応じてクラッチのトルク容量が変更され、あるいは変更されない。すなわち、トルク容量が変更されない場合には、クラッチの滑りが許容される。そのため、クラッチのトルク容量に応じて制御される無段変速機のトルク容量を相対的に小さく設定できる機会が増える。
また、クラッチにジャダが生じて乗り心地が悪化したり、クラッチの滑り速度が大きくなって熱影響によって耐久性が低下する可能性が生じたり、クラッチの滑りにより動力の伝達効率が低下して燃費が悪化したりするなどの状況が滑り評価手段によって評価され、そのような状況が生じた場合には、クラッチのトルク容量が増大させられ、これとは反対にそのような状況が生じていない場合には、クラッチのトルク容量が従前のままに維持されてその滑りが許容される。後者の場合には、無段変速機のトルク容量も増大させられないので、無段変速機での動力の伝達効率が低下することはない。
さらに、ジャダ現象が生じると、クラッチのトルク容量が急速に増大させられる。そのため、クラッチが迅速に係合してジャダ現象が解消される。そのため、乗り心地の悪化が早期に解消されるとともに、クラッチの耐久性の低下が防止もしくは抑制される。
【0015】
またさらに、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記クラッチトルク変更手段により前記クラッチのトルク容量が変更されることに基づいて、そのトルク容量の変更の直前に前記無段変速機のトルク容量を増大させる無段変速機トルク変更手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0016】
したがって請求項2の発明では、クラッチの滑りに関連してクラッチのトルク容量を変更する場合、それに先だって無段変速機のトルク容量が増大させられる。すなわち、無段変速機に先行してクラッチに滑りを生じさせる相互のトルク容量の関係は、クラッチのトルク容量を変更する場合にも維持される。その結果、無段変速機がクラッチよりも先に滑る事態が回避される。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記駆動輪から入力されるトルクによって前記無段変速機で滑りが発生したことを判断する無段変速機滑り判断手段と、前記駆動輪から入力されるトルクによる前記無段変速機の滑りが判断された場合に、前記クラッチのトルク容量を再調整するクラッチトルク調整手段と、その再調整されたクラッチのトルク容量に応じて無段変速機のトルク容量を設定する無段変速機トルク調整手段とを更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0018】
したがって請求項3の発明では、上記の駆動機構を搭載した車両が走行している際に動力源側あるいは駆動輪側から駆動機構に動力が入力される。その動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更される。その結果、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御が可能になる。また、駆動輪から入力されるトルクによって無段変速機に滑りが生じたことが検出された場合、クラッチのトルク容量が再調整される。これは、例えばそのトルク容量を増大させた後に入力トルクに合わせたトルク容量に低下させることにより実行でき、そして再調整後のクラッチのトルク容量に応じて無段変速機のトルク容量が設定される。その結果、直列に連結されているクラッチのトルク容量が確定した状態で無段変速機のトルク容量の調整をおこなうことになり、無段変速機のトルク容量の調整の際の不安定状態が回避もしくは抑制される。
【0019】
そして、請求項4の発明は、請求項3における前記無段変速機トルク調整手段が、前記無段変速機のトルク容量を増大させた後に低下させるとともに、その低下量を、直前に無段変速機の滑りが判断されている場合と判断されていない場合とで異ならせるように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0020】
したがって請求項4の発明では、無段変速機のトルク容量の調整が、そのトルク容量を一旦増大させた後、低下させることにより実行され、その場合の低下量が、直前に滑りがあった場合となかった場合とで異ならされる。そのため、滑りが直前にあった場合には、調整時の低下量を小さくして、トルク容量を従前より大きくし、無段変速機に再度滑りが生じることが確実に回避される。
【0021】
さらにまた、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記無段変速機の変速比の低下時に前記クラッチのトルク容量を、前記変速比の低下の際の推定される慣性トルクに応じて変更するクラッチトルク制御手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0022】
したがって、請求項5の発明では、上記の駆動機構を搭載した車両が走行している際に動力源側あるいは駆動輪側から駆動機構に動力が入力される。その動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更される。その結果、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御が可能になる。また、無段変速機でのアップシフトが生じる場合には、その変速に伴う慣性トルクが推定され、その推定された慣性トルクに基づいてクラッチのトルク容量が変更される。その結果、クラッチに作用するトルクが、慣性トルク分、増大するとしても、クラッチに滑りが生じることが回避される。
【0023】
なおまた、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記動力源に対する出力要求量の低下に伴って前記クラッチおよび無段変速機の少なくともいずれかのトルク容量を低下させる場合に、そのトルク容量の低下の遅延制御を実行する遅延手段を更に備えていることを特徴とする制御装置である。
【0024】
したがって、請求項6の発明では、上記の駆動機構を搭載した車両が走行している際に動力源側あるいは駆動輪側から駆動機構に動力が入力される。その動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更される。その結果、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御が可能になる。また、動力源に対する出力要求量が低下すると、それに伴って動力源の出力トルクが低下するから、クラッチや無段変速機のトルク容量を低下させることになるが、これらクラッチや無段変速機のトルク容量の低下が、動力源の出力の低下に対して遅延させられる。その結果、動力源の出力の低下に先行してクラッチや無段変速機のトルク容量が低下することが回避され、クラッチや無段変速機の不要な滑りが未然に防止もしくは抑制される。
【0025】
そして、請求項7の発明は、請求項6における前記遅延手段が、クラッチのトルク容量と無段変速機のトルク容量との両方を低下させるとともに、クラッチのトルク容量の低下の遅延量に対して無段変速機のトルク容量の低下の遅延量を大きくするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0026】
したがって請求項7の発明では、動力源に対する出力要求量の低下に伴ってクラッチおよび無段変速機のトルク容量を低下させる場合、そのトルク容量の低下が動力源の出力の低下制御に対して遅延させられ、かつ無段変速機のトルク容量の低下についての遅延量がクラッチのトルク容量についてよりも大きくなる。すなわち、無段変速機のトルク容量の低下がクラッチのトルク容量の低下に先行することがない。そのため、クラッチのいわゆるトルクヒューズとしての機能が確保される。
【0027】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする車両の駆動機構およびその制御系統について説明すると、図3は、ベルト式無段変速機1を変速機として含む駆動機構を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2およびロックアップクラッチ3付きの流体伝動機構4を介して動力源5に連結されている。
【0028】
その動力源5は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。なお、以下の説明では、動力源5をエンジン5と記す。また、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータと同様の構成であって、エンジン5によって回転させられるポンプインペラとこれに対向させて配置したタービンランナーと、これらの間に配置したステータとを有し、ポンプインペラで発生させたフルードの螺旋流をタービンランナーに供給することよりタービンランナーを回転させ、トルクを伝達するように構成されている。
【0029】
このような流体を介したトルクの伝達では、ポンプインペラとタービンランナーとの間に不可避的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となるので、ポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナーなどの出力側の部材とを直接連結するロックアップクラッチ3が設けられている。なお、このロックアップクラッチ3は、油圧によって制御するように構成され、完全係合状態および完全解放状態、ならびにこれらの中間の状態であるスリップ状態に制御され、さらにそのスリップ回転数を適宜に制御できるようになっている。
【0030】
前後進切換機構2は、エンジン5の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図3に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ6と同心円上にリングギヤ7が配置され、これらのサンギヤ6とリングギヤ7との間に、サンギヤ6に噛合したピニオンギヤ8とそのピニオンギヤ8およびリングギヤ7に噛合した他のピニオンギヤ9とが配置され、これらのピニオンギヤ8,9がキャリヤ10によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ6とキャリヤ10と)を一体的に連結する前進用クラッチ11が設けられ、またリングギヤ7を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ12が設けられている。
【0031】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ13と従動プーリ14とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ15,16によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ13,14の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ13,14に巻掛けたベルト17の巻掛け半径(プーリ13,14の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ13が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ10に連結されている。
【0032】
なお、従動プーリ14における油圧アクチュエータ16には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ14における各シーブがベルト17を挟み付けることにより、ベルト17に張力が付与され、各プーリ13,14とベルト17との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ13における油圧アクチュエータ15には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径)に設定するようになっている。
【0033】
上記の従動プーリ14が、ギヤ対18を介してディファレンシャル19に連結され、このディファレンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するようになっている。したがって上記の駆動機構では、エンジン5と駆動輪20との間に、この発明におけるクラッチに相当するロックアップクラッチ3と無段変速機1とが直列に配列されている。
【0034】
上記の無段変速機1およびエンジン5を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、無段変速機1に対する入力回転数(前記タービンランナーの回転数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー21、駆動プーリ13の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー22、従動プーリ14の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー23、駆動輪20の回転数を検出して信号を出力する車輪速センサー24が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0035】
上記の前進用クラッチ11および後進用ブレーキ12の係合・解放の制御、および前記ベルト17の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御、さらにはロックアップクラッチ3の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)25が設けられている。この電子制御装置25は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定、ロックアップクラッチ3の係合・解放ならびにスリップ回転数などの制御を実行するように構成されている。
【0036】
ここで、変速機用電子制御装置25に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数Ninの信号、無段変速機1の出力回転数No の信号が、それぞれに対応するセンサ(図示せず)から入力されている。また、エンジン5を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。さらに、上記の無段変速機1は、パーキングやリバース、ニュートラル、ドライブなどの走行ポジションをシフト装置27によって選択するように構成されており、そのシフト装置27によって選択されたポジションの信号が、変速機用電子制御装置25に入力されている。
【0037】
無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に(言い換えれば、連続的に)制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0038】
そのような燃費向上の利点を損なわないために、無段変速機1における動力の伝達効率が良好な状態に制御される。具体的には、無段変速機1のトルク容量すなわちベルト挟圧力が、エンジントルクに基づいて決まる目標トルクを伝達でき、かつベルト17の滑りが生じない範囲で可及的に低いベルト挟圧力に制御される。これは、定常状態もしくは準定常状態での制御である。
【0039】
これに対して、急制動や急加速、あるいは落下物や段差などに乗り上げた場合など、無段変速機1を含む駆動機構に掛かるトルクが急変する場合には、無段変速機1のトルク容量が相対的に不足してベルト17の滑りが生じる可能性が高くなる。前述したように無段変速機1に滑りが生じて部分的な摩耗などが生じると、これが無段変速機1の損傷になる場合があり、そこで、この発明の制御装置は、無段変速機1と直列に配列されているロックアップクラッチ3で滑りを生じさせて無段変速機1に作用するトルクを抑制し、ベルト滑りを防止するように制御する。その制御例を、以下に説明する。
【0040】
図1はその一例を説明するためのフローチャートであって、先ず、フラグFについて判断される(ステップS1)。このフラグFは、後述するように、駆動輪20から入力されるトルクによって無段変速機1に滑り(すなわちベルト滑り)が生じた場合に“1”にセットされるフラグである。したがって当初は“0”であるから、通常のロックアップクラッチ(L/C)3のトルク容量の更新時期か否かが判断される(ステップS2)。
【0041】
上記の駆動機構を対象としたこの発明の制御装置は、ロックアップクラッチ3を無段変速機1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能させるようにロックアップクラッチ3のトルク容量を制御する。その制御は、ロックアップクラッチ3に滑りが生じない最小のトルク容量、言い換えれば滑りが生じる直前のトルク容量を所定量超過するいわゆる滑りに対して所定の余裕のあるトルク容量を設定する制御である。
【0042】
その滑りが生じる直前のトルク容量は、ロックアップクラッチ3の摩擦係数やトルク容量を決定する油圧の制御機器の特性あるいはこれらの経時変化などが影響する。そこで、所定の時期にロックアップクラッチ3のトルク容量を調整し、更新することとしてある。したがってその通常の更新時期とは、車両を最初に駆動した時点やその車両が予め定めた回数もしくは距離を走行するなどの所定トリップを経過した時点、あるいはエンジン5を始動する毎などの時期である。
【0043】
このステップS2で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の係合指令が出力されているか否かが判断される(ステップS3)。この係合指令は、上記の駆動機構を搭載した車両の通常の走行時にその走行状態に基づいてロックアップクラッチ3を係合させる係合指令や、トルク容量の再点検のために係合させる係合指令などを含む。
【0044】
このステップS3で否定的に判断された場合には、無段変速機1でのトルク容量を決定するベルト挟圧力の復帰制御(ステップS4)とロックアップクラッチ3のトルク容量を決定する係合圧の復帰制御(ステップS5)とが実行される。ここで、復帰制御とは、車両の走行状態がいわゆる非定常状態にある場合であっても、無段変速機1やロックアップクラッチ3に滑りが生じないように、予め高めに設定した挟圧力および係合圧に戻す制御である。その後、リターンする。
【0045】
これに対してステップS3で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の係合圧を所定の勾配で次第に昇圧させるスイープアップ制御が実行される(ステップS6)。この制御は、ロックアップクラッチ3が係合するまで継続される。すなわち、ロックアップクラッチ3の係合の完了が判断され(ステップS7)、そのステップS7で否定的に判断された場合には、ステップS6に戻る。そして、係合が完了してステップS7で肯定的に判断された場合には、車両の走行状態が定常状態か否かが判断される(ステップS8)。
【0046】
定常走行状態ではないことによりステップS8で否定的に判断された場合には、上記のステップS4に進んで挟圧力の復帰制御が実行され、それに続いてロックアップクラッチ3の係合圧の復帰制御が実行される。これとは反対に定常走行状態であることによりステップS8で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3のトルク容量が設定される(ステップS9)。この制御の一例を説明すると、定常状態でロックアップクラッチ3を係合させつつある場合、その入力回転数の変化量などに基づいてトルク容量を決定することができるので、ステップS9では、エンジン5の出力トルクを若干上回る程度のトルク容量を決定する。
【0047】
前述したようにロックアップクラッチ3の係合圧は、ロックアップクラッチ3を無段変速機1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能させる制御を実行していない場合には、相対的に高い油圧に設定されている。そこで、ステップS9で設定されたトルク容量は、実際にロックアップクラッチ3が係合して設定されているトルク容量に対して小さい値になる。したがってステップS10では、設定されたトルク容量となるようにロックアップクラッチ3のトルク容量を低下させる。この場合、ロックアップクラッチ3のトルク容量を決定するための油圧マップを用意してある場合には、その油圧マップのデータを変更してその油圧マップを更新する。すなわち、ロックアップクラッチ3のトルク容量(係合圧)は、一旦増大させた後に低下させることにより再調整される。
【0048】
以上の過程を経てロックアップクラッチ3のトルク容量(すなわち係合圧)を設定した後、前記フラグFについて判断される(ステップS11)。すなわちフラグFが“1”にセットされているか、あるいは“0”にセットされているかが判断される。フラグFが“0”にセットされていた場合には、直前に無段変速機1でのベルト滑りが生じていないことになるので、挟圧力低下指示I が実行される(ステップS12)。これとは反対に“1”にセットされていた場合には、挟圧力低下指示IIが実行される(ステップS13)。
【0049】
この挟圧力の低下指示は、例えば上記のステップS4で復帰制御されて高めに設定されている挟圧力を、ベルト17の滑りが生じない範囲で低い圧力に低下させるための制御であり、その結果、設定される無段変速機1のトルク容量が、無段変速機1に滑りが生じる直前程度の小さいトルク容量に対して所定の余裕の生じるトルク容量であり、その余裕の幅は、ロックアップクラッチ3におけるトルク容量の余裕の幅より大きく設定される。すなわち、トルクの変動が生じた場合には、ロックアップクラッチ3に先に滑りが生じるトルク容量に設定される。また、ステップS12とステップS13との制御の相違は、そのトルク容量の余裕幅の相違であり、ステップS13における挟圧力低下指示IIでは、無段変速機1のトルク容量の余裕幅が相対的に大きくなるように、挟圧力の低下量が、ステップS12での低下量より小さく設定される。
【0050】
これらステップS12もしくはステップS13の制御が実行された後、フラグFが“0”にセットされ(ステップS14)、その後にリターンする。
【0051】
なお、ステップS1でフラグFが“1”にセットされていることが判断された場合には、ステップS2を飛ばしてステップS3に進む。すなわち、駆動輪20から入力されるトルクによって無段変速機1の滑りが直前に生じていた場合には、ステップS3ないしステップS14によるロックアップクラッチ3のトルク容量の再調整および無段変速機1のトルク容量(挟圧力)の再調整が実行される。
【0052】
ところで、ロックアップクラッチ3のトルク容量を更新する通常の時期に到らない間では、ロックアップクラッチ3および無段変速機1の滑りの検出およびそれに基づく係合圧や挟圧力の制御が以下のように実行される。すなわち、上記のステップS2で否定的に判断された場合に、図2に示すステップS15に進んで車両の走行状態が定常状態か否かが判断される。これは、上記のステップS8と同様に判断ステップである。
【0053】
このステップS15で否定的に判断された場合には、逆入力があるか否かが判断される(ステップS16)。逆入力とは、駆動輪20から負のトルクが入力されている状態であり、これは、無段変速機1の出力回転数の時間変化率が負の所定値以下か否かによって判断することができる。
【0054】
逆入力があることによりステップS16で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3に滑りが生じているか否かが判断される(ステップS17)。これは、エンジン回転数とタービン回転数とを比較することにより判断することができる。
【0055】
ロックアップクラッチ3に滑りが生じていることによりステップS17で肯定的に判断された場合には、無段変速機1でのベルト17の滑りが生じているか否かが判断される(ステップS18)。これは、無段変速機1の入力回転数と出力回転数ないしは変速比の推定値などに基づいて判断することができる。
【0056】
このステップS18で否定的に判断された場合には、出力トルクの変動が大きいなどの非定常走行状態で、駆動輪20から入力される負トルクによってロックアップクラッチ3に滑りが生じ、その結果、無段変速機1に作用するトルクが制限されて無段変速機1の滑りが生じていない状態になっている。これは、ロックアップクラッチ3が無段変速機1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能している状態であり、ロックアップクラッチ3のトルク容量に設定が想定したトルク容量になっていることになる。言い換えれば、所期の目的が達成されたことになる。したがってこの場合は、ロックアップクラッチ3の滑りを許容することとし、特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0057】
一方、定常走行状態であることによりステップS15で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3に滑りが生じているか否かが判断される(ステップS19)。無段変速機1に滑りがないことによりステップS19で否定的に判断された場合には、特に異常はないので、リターンする。これに対してロックアップクラッチ3に滑りが生じていることによりステップS19で肯定的に判断された場合には、ジャダ現象の有無が判断される(ステップS20)。
【0058】
ジャダ現象は、クラッチの係合と解放とが繰り返し生じてその出力側のトルクが急激かつ頻繁に増減するような現象であり、車両の乗り心地の悪化要因になり、またクラッチの耐久性を損なう要因ともなる。したがってステップS20は、ロックアップクラッチ3の滑りを評価するこの発明の滑り評価手段に相当する。
【0059】
このステップS20で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の滑り量が予め定めた判断の基準となる所定量を超えているか否かが判断される(ステップS21)。ここで、滑り量とは一例として滑り速度であり、滑り量が大きいほど、滑り摩擦が増大する。したがってその判断の基準となる所定値は、摩擦熱によるロックアップクラッチ3の耐久性に対する影響や滑りによって動力の伝達効率が低下することによる燃費への影響などを考慮して設定することがでができる。
【0060】
すなわち、このステップS21では、ロックアップクラッチ3の滑りがロックアップクラッチ3自体の機能や駆動機構の機能に影響を及ぼしているか否かを判断しており、この発明の滑り評価手段に相当している。したがってこのステップS21で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の滑りの評価の結果として問題がないことになるので、特に制御をおこなうことなくリターンする。すなわち、ロックアップクラッチ3の滑りが許容されるものとして、ロックアップクラッチ3のトルク容量もしくは係合圧や無段変速機1のトルク容量もしくは挟圧力が従前のままに維持される。
【0061】
これとは反対にロックアップクラッチ3の滑り量が所定量を超えていることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の滑りが、その耐久性や駆動機構の機能などの点で許容できないことになる。そこで、この場合には、ロックアップクラッチ3の係合圧を昇圧する。
【0062】
この昇圧制御は、ロックアップクラッチ3の滑りを止めて係合状態とする制御であるから、その昇圧制御によってロックアップクラッチ3の出力回転数(すなわち無段変速機1の入力回転数)やエンジン回転数などに変化が生じる。この回転数の変化によって無段変速機1に慣性トルクが作用するので、先ず、挟圧力が若干昇圧するアップ制御I が実行される(ステップS22)。その後、ロックアップクラッチ3の係合圧を所定の勾配で徐々に高くするスイープアップ制御I が実行される(ステップS23)。なお、これらの挟圧力の昇圧量や係合圧の昇圧量あるいは昇圧の勾配は、予め定めておくことができる。
【0063】
上記の昇圧制御の結果、ロックアップクラッチ3が係合したか否かが判断される(ステップS24)。未だ滑りが継続していることによりこのステップS24で否定的に判断された場合には、昇圧制御を継続するためにリターンする。これとは反対にロックアップクラッチ3が係合したことによりステップS24で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3のトルク容量(すなわち係合圧)が所期のトルク容量(係合圧)になっていることを再度チェックされる(ステップS25)。無段変速機1のトルク容量を低下させるためのいわゆる事前確認である。
【0064】
その後、無段変速機1のトルク容量(挟圧力)が、低下させられる(ステップS26)。上述したように、無段変速機1の挟圧力は、ロックアップクラッチ3の係合圧を変更する過程で相対的に高く設定されているので、ロックアップクラッチ3の係合圧が所期の圧力に設定されたことに伴って、それに合わせて無段変速機1の挟圧力を所期の圧力に低下させる。こうして設定される無段変速機1のトルク容量の余裕幅すなわちその時点に作用しているトルクで滑りが生じる直前のトルク容量に対する超過幅は、ロックアップクラッチ3のトルク容量の余裕幅より僅か大きくなっている。言い換えれば、無段変速機1に先行してロックアップクラッチ3が滑るように、各トルク容量が設定されている。
【0065】
上述したロックアップクラッチ3を係合させる制御、その後にそのトルク容量を再チェックして無段変速機1の挟圧力を低下させる制御は、要は、定常走行状態でのロックアップクラッチ3の滑りが許容できないものである場合に実行される制御である。したがって、ジャダ現象の発生に伴って上記のステップS20で肯定的に判断された場合にも同様に実行される。
【0066】
すなわち、ステップS20で肯定的に判断された場合には、先ず、無段変速機1の挟圧力を昇圧するアップ制御IIが実行される(ステップS27)。前述したようにジャダ現象が発生すると車体が振動して乗り心地が悪化するので、直ちにジャダ現象を止める必要があり、そのためにはロックアップクラッチ3を急速に係合させることになる。ロックアップクラッチ3を急速に係合させることによって生じる慣性トルクが相対的に大きくなるから、その慣性トルクに対応するように挟圧力が昇圧させれる。したがって上記ステップS22のアップ制御I での挟圧力の昇圧量よりも、ステップS27のアップ制御IIでの挟圧力の昇圧量が大きく設定されている。
【0067】
ついで、ロックアップクラッチ3の係合圧が所定の勾配でスイープアップされる(ステップS28)。この制御はジャダ現象を解消するためのものであるから、ロックアップクラッチ3を急速もしくは迅速に係合させる必要がある。したがってその昇圧勾配は、上記のステップS23のアップ制御I での勾配より急な勾配として設定されている。
【0068】
その後、上記のステップS24ないしステップS26に進んで、ロックアップクラッチ3の滑り量が所定値を超えている場合と同様に制御され、ロックアップクラッチ3が無段変速機1に対していわゆるトルクヒューズとして機能するように、各々のトルク容量が設定される。
【0069】
したがって、定常走行状態では、ロックアップクラッチ3の滑りが評価されて許容されるものと許容できないものとに分けられる。そして、許容できないものと評価された場合に限って、ロックアップクラッチ3の係合圧あるいはトルク容量が増大させられ、それに伴って無段変速機1の挟圧力あるいはトルク容量が増大させられる。
【0070】
言い換えれば、ロックアップクラッチ3の滑りが生じた場合に、無条件でロックアップクラッチ3や無段変速機1のトルク容量を増大させることはないので、無段変速機1の挟圧力を滑りの生じない範囲で可及的に低圧に維持する機会あるいは期間が長くなる。そのため、無段変速機1での動力の伝達効率を良好な状態に維持して燃費の向上を図ることができる。
【0071】
ところで、定常走行状態でないことにより上記のステップS15で否定的に判断され、しかもいわゆる逆入力状態でないことによりステップS16で否定的に判断された場合には、アップシフト中か否かが判断される(ステップS29)。すなわち定常走行状態でもなく、かつ駆動輪20からの入力でもないのであるから、この状態は、エンジン5に対する出力要求量が大きいことによりエンジン5から大きいトルクが入力されている状態、あるいはエンジン5の出力トルクが大きく低下することに伴って、あるいは無段変速機1での変速に伴ってロックアップクラッチ3に無段変速機1からトルクが入力されている状態である。したがってこれらのトルクの作用状態を判断するために、先ず、アップシフト中か否かが判断される。
【0072】
無段変速機1での変速比を低下させるアップシフトが実行されると、それに伴ってその入力回転数すなわちエンジン回転数が低下するので、イナーシャトルク(慣性トルク)が発生する。その慣性トルクは、回転数や変速速度および駆動機構の各部分の慣性質量などに基づいて推定される。したがってステップS29で肯定的に判断された場合には、その慣性トルクに対応するために、ロックアップクラッチ3のトルク容量(係合圧)および無段変速機1のトルク容量(挟圧力)が、その慣性トルク分、増大させられる(ステップS30)。
【0073】
その後、無段変速機1におけるライン圧などの各圧力が低下中か否かが判断される(ステップS31)。なお、アップシフト中ではないことにより、ステップS29で否定的に判断された場合には、ステップS30を飛ばして直ちにステップS31に進む。
【0074】
エンジン5に対する出力要求量(例えばアクセル開度)が低下すると、それに合わせて無段変速機1でのライン圧やそのライン圧を元圧とした各種の油圧が低下させられる。ステップS31ではこのような低下制御が実行されているか否かを判断する。
【0075】
このステップS31で肯定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3の係合圧および無段変速機1の挟圧力の低下を、エンジン出力の低下に対して遅延させる遅延制御が実行される(ステップS32)。すなわち、エンジン出力の低下に伴ってロックアップクラッチ3の係合圧や無段変速機1の挟圧力を低下させることになるが、出力要求量の低下に伴うエンジン5の出力の低下制御の応答性が、無段変速機1での油圧の低下制御の応答性より遅い。したがってエンジントルクの低下に先行してロックアップクラッチ3の係合圧や無段変速機1の挟圧力が低下することを回避するために、これら係合圧や挟圧力の低下を遅らせる遅延制御が実行される。なお、その遅延の程度は、エンジン出力の低下制御の遅れに基づいて設定すればよい。
【0076】
なお、前述したように、ロックアップクラッチ3を無段変速機1に対するいわゆるトルクヒューズとして機能させる状態、すなわちロックアップクラッチ3のトルク容量の余裕幅を無段変速機1のトルク容量の余裕幅より小さい状態を維持するために、挟圧力の低下制御の遅延量を、ロックアップクラッチ3の係合圧の低下制御の遅延量より大きくする。
【0077】
上記のようにしてロックアップクラッチ3の係合圧および無段変速機1の挟圧力を設定した後、あるいは無段変速機1での各圧力を低下させる制御が実行されていないことによりステップS31で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3に滑りが生じているか否かが判断される(ステップS33)。このステップS33で否定的に判断されれば、トルク容量あるいは係合圧を低下させても滑りが生じていないことになる。これは所期の正常な状態であるから、それ以上に特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0078】
これとは反対にロックアップクラッチ3に滑りが生じていてステップS33で肯定的に判断された場合には、その滑りについて評価される。すなわちジャダ現象が生じているか否かが判断される(ステップS34)。ジャダ現象が生じていることによりステップS34で肯定的に判断された場合には、そのジャダ現象を直ちに解消することが望まれるので、前述したステップS27に進んで挟圧力を昇圧し、かつロックアップクラッチ3の係合圧を高くするアップ制御IIが実行される(ステップS28)。
【0079】
また、ジャダ現象が生じていないことにより、ステップS34で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくリターンする。すなわちこの場合のロックアップクラッチ3の滑りは、非定常状態での一時的な滑りであるうえに、ロックアップクラッチ3の耐久性や駆動機構の機能などに特に不都合をもたらすものではないと考えられるので、その滑りを許容することとしたのである。
【0080】
こうすることにより、ロックアップクラッチ3のトルク容量あるいは係合圧が増大されずに従前のままに維持されるので、無段変速機1の挟圧力も増大されずに従前のままに維持される。その結果、無段変速機1の挟圧力の増大を抑制して動力伝達効率を良好にし、燃費を向上させ、あるいは燃費の悪化を防止することができる。
【0081】
なお、ロックアップクラッチ3の滑りの評価は、ジャダ現象の有無に限らず、滑り速度などの他のパラメータに基づいて評価してもよい。したがって上記のステップS33で肯定的に判断された場合には、前述したステップS20に進むように構成してもよい。
【0082】
また一方、駆動輪20からトルクが入力される逆入力状態であり、しかもロックアップクラッチ3の滑りが生じていない場合、すなわち前記ステップS16で肯定的に判断され、かつステップS17で否定的に判断された場合には、無段変速機1のベルト17に滑りが生じているか否かが判断される(ステップS35)。このステップS35で否定的に判断された場合には、ロックアップクラッチ3および無段変速機1のいずれでも滑りが生じていない正常な状態であるから、特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0083】
これに対してベルト滑りが生じていてステップS35で肯定的に判断された場合には、その滑りを直ちに解消する必要があるので、その滑りに対応した制御が実行される(ステップS36)。この対応制御は、例えば無段変速機1の挟圧力を昇圧する制御やエンジントルクを低下させる制御などのいずれか、あるいはそれらの制御を複合した制御である。したがってその場合に設定する挟圧力は、例えば前述したステップS4での復帰制御で設定される挟圧力であってよい。
【0084】
したがってこのステップS36に続いてロックアップクラッチ3のトルク容量の復帰制御が実行される(ステップS37)。これは、前述したステップS5と同様の制御である。そして、無段変速機1のベルト17の滑りが生じたことを示すためにフラグFが“1”にセットされ(ステップS38)、その後にリターンする。なお、ロックアップクラッチ3に滑りが生じ、しかもベルト滑りが生じたことにより前述したステップS18で肯定的に判断された場合にも、上記のステップS36ないしステップS38の制御が実行される。
【0085】
このように、この発明に係る制御装置では、駆動輪20から動力が入力されている状態で無段変速機1のベルト17に滑りが生じると、無段変速機1の挟圧力およびロックアップクラッチ3の係合圧が共に昇圧された後、図1に示すステップS3以降の制御が実行される。すなわちロックアップクラッチ3のトルク容量(係合圧)が再度調整され、その再調整されたロックアップクラッチ3のトルク容量に応じて無段変速機1の挟圧力が設定される。その結果、ロックアップクラッチ3および無段変速機1のトルク容量が、滑りを生じない範囲で、しかもロックアップクラッチ3が無段変速機1に先行して滑るように、適正な値に設定される。また、挟圧力および係合圧を一旦、高めの圧力に復帰させた後に無段変速機1の挟圧力の設定をおこなうので、不安定状態を回避もしくは抑制することができる。
【0086】
なおここで、図2に破線で示してある制御ステップS341,S342について説明する。これらのステップS341,S342は、ジャダ現象が生じたことにより上記のステップS34で肯定的に判断された場合に、ステップS27に進む替わりに実行される制御ステップである。
【0087】
すなわち、ジャダ現象は、例えば入力トルクが増大する過程の短い時間の間で生じる場合が多い。そのため、リアルタイムで対応することが難しい場合がある。そこで、再度ジャダ現象が生じることを未然に回避するために、ロックアップクラッチ3のトルク容量を決定するために用意してある油圧マップ(L/Cマップ)を、油圧が高くなる方向に変更する。これがステップS341での制御である。
【0088】
また、ロックアップクラッチ3のトルク容量と無段変速機1のトルク容量とは、ロックアップクラッチ3が無段変速機1に対していわゆるトルクヒューズとして機能するように設定する必要があるので、ロックアップクラッチ3の油圧マップを変更することに応じて、無段変速機1の挟圧力を決定するために用意してある油圧マップ(挟圧力マップ)を増加変更する。これがステップS342での制御である。その後、リターンする。
【0089】
このように各マップを修正することにより、その後の時点では、ロックアップクラッチ3の係合圧が相対的に高く設定されるので、従前と同様な状況でのジャダ現象を回避することができる。
【0090】
ここで上記の具体例とこの発明の関係を簡単に説明すると、前述したステップS20およびステップS21の機能的手段が、この発明の滑り評価手段に相当し、またステップS23およびステップS28の機能的手段が、この発明のクラッチトルク変更手段に相当する。また、ステップS22およびステップS27の機能的手段が、この発明の無段変速機トルク変更手段に相当する。さらに、ステップS18およびステップS35の機能的手段が、この発明の無段変速機滑り判断手段に相当し、ステップS38およびそれに伴うステップS3ないしステップS10の機能的手段が、この発明のクラッチトルク調整手段に相当し、ステップS12およびステップS13の機能的手段が、この発明の無段変速機トルク調整手段に相当する。そして、ステップS30の機能的手段が、この発明のクラッチトルク制御手段に相当し、ステップS32の機能的手段が、この発明の遅延手段に相当する。
【0091】
なお、この発明は、上述した具体例に限定されないのであって、無段変速機はベルト式に限らず、トラクション式の無段変速機であってもよい。また、この発明のクラッチは、要は、前述したように無段変速機に対するトルクヒューズとして機能させ得るものであればよいのであり、上記ロックアップクラッチ以外に、無段変速機の入力側もしくは出力側に直列に連結された摩擦クラッチであってもよい。さらに、この発明では、無段変速機やクラッチの滑りが生じた場合に限らず、滑りが生じる直前の状態もしくは滑りが予測あるいは推定される状態で、クラッチや無段変速機のトルク容量の調整あるいは昇圧などの制御を実行するように構成することができ、したがって図1および図2に示す滑りの判断ステップでは、このような滑りに到る状態を判断することとしてもよい。
【0092】
さらにまた、この発明における滑りの評価は、ジャダ現象と滑り回転数(滑り量)とによる評価に限られないのであり、これに係合圧を加味するなど、他のパラメータに基づいて評価することとしてもよい。そして、図1および図2はこの発明の制御装置による制御の一例を示しているのであって、この発明はこれに限られず、機能として同じであれば他のフローチャートに基づく制御をおこなってもよく、あるいは図1および図2に示すフローチャートの一部を変更したフローチャートに基づく制御をおこなうように構成されていてもよい。例えば図2に示すステップS20とステップS21との判断順序を入れ替え、あるいはステップS17とステップS18およびステップS35との判断順序を入れ替えてもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更されるため、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御をおこなうことができる。また、動力源の出力トルクの変化や無段変速機の挙動の変化などに起因するクラッチの滑り、すなわち駆動輪側から入力されるトルクによる滑り以外のクラッチの滑りが生じた場合、その滑りについての評価がおこなわれ、その評価の結果に応じてクラッチの滑りが許容されるため、クラッチのトルク容量に応じて制御される無段変速機のトルク容量を相対的に小さく設定できる機会が増え、その結果、無段変速機での動力の伝達効率を良好に維持して燃費の向上を図り、あるいは燃費の悪化を防止もしくは抑制することができる。
【0094】
また、請求項1の発明によれば、クラッチの滑りについて評価され、その評価の結果に応じてクラッチのトルク容量が従前のままに維持されてその滑りが許容されるので、無段変速機のトルク容量を相対的に低くしてその動力の伝達効率を良好な状態に維持することができ、ひいては、燃費の改善を図ることができる。
【0095】
さらに、請求項1の発明によれば、請求項2の発明による効果と同様の効果に加えて、ジャダ現象が生じると、クラッチのトルク容量を急速に増大ささせてクラッチを迅速に係合させ、ジャダ現象を解消するため、乗り心地の悪化を早期に解消できるとともに、クラッチの耐久性の低下を防止もしくは抑制することができる。
【0096】
またさらに、請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、クラッチの滑りに関連してクラッチのトルク容量を変更する場合、それに先だって無段変速機のトルク容量が増大させられるため、無段変速機がクラッチよりも先に滑るなど、不要な滑りを未然に回避することができる。
【0097】
また、請求項4の発明によれば、動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更されるため、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御が可能になる。また、駆動輪から入力されるトルクによって無段変速機に滑りが生じたことが検出された場合、クラッチのトルク容量を再調整し、その再調整後のクラッチのトルク容量に応じて無段変速機のトルク容量を設定するので、直列に連結されているクラッチのトルク容量が確定した状態で無段変速機のトルク容量の調整をおこなうことになり、無段変速機のトルク容量の調整の際の不安定状態を回避もしくは抑制することができる。
【0098】
そして、請求項4の発明によれば、請求項3の発明による効果と同様の効果に加えて、無段変速機のトルク容量の調整が、そのトルク容量を一旦増大させた後、低下させることにより実行され、その場合の低下量が、直前に滑りがあった場合となかった場合とで異なるため、滑りが直前にあった場合には、調整時の低下量を小さくして、トルク容量を従前より大きくし、無段変速機に再度滑りが生じることを確実に回避することができる。
【0099】
さらにまた、請求項5の発明によれば、動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更されるため、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御をおこなうことができる。また、無段変速機でのアップシフトが生じる場合には、その変速に伴う慣性トルクが推定され、その推定された慣性トルクに基づいてクラッチのトルク容量が変更されるから、クラッチに作用するトルクが、慣性トルク分、増大するとしても、クラッチに滑りが生じることを回避することができる。
【0100】
なおまた、請求項6の発明によれば、動力の入力に起因してクラッチあるいは無段変速機に滑りが発生し、もしくは滑りの発生が予測される状況が生じるなど滑りに関連する状況に基づいて、クラッチあるいは無段変速機のトルク容量が変更されるため、クラッチや無段変速機の滑りあるいはそれに到る状況に適合したトルク容量の制御をおこなうことができる。また、動力源に対する出力要求量の低下に伴ってクラッチや無段変速機のトルク容量を低下させる場合、これらクラッチや無段変速機のトルク容量の低下を、動力源の出力の低下に対して遅延させるので、動力源の出力の低下に先行してクラッチや無段変速機のトルク容量が低下することを回避でき、その結果、クラッチや無段変速機の不要な滑りを未然に防止もしくは抑制することができる。
【0101】
そして、請求項7の発明によれば、請求項6の発明による効果と同様の効果に加えて、無段変速機のトルク容量の低下についての遅延量がクラッチのトルク容量についての遅延量よりも大きくなって、無段変速機のトルク容量の低下がクラッチのトルク容量の低下に先行することがないため、クラッチのいわゆるトルクヒューズとしての機能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図2】 そのフローチャートの他の部分を示す図である。
【図3】 この発明に係る無段変速機を搭載した車両の駆動機構および制御系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…ロックアップクラッチ、 5…エンジン(動力源)、13…駆動プーリ、 14…従動プーリ、 15,16…アクチュエータ、 17…ベルト、 20…駆動輪、 25…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)。

Claims (7)

  1. 動力源と駆動輪との間にクラッチと無段変速機とが互いに直列に連結されて配置され、そのクラッチが無段変速機よりも先に滑りを生じるようにクラッチと無段変速機とのトルク容量が制御され、さらにこれらクラッチおよび無段変速機の少なくとも一方の滑りに関連する状況に基づいてクラッチおよび無段変速機の少なくとも一方のトルク容量を変更する無段変速機を含む駆動機構の制御装置において、
    前記クラッチの滑りが前記駆動輪から入力されるトルクによる滑り以外の滑りである場合に、その滑りを評価する滑り評価手段と、
    その滑り評価手段の評価結果に応じて前記クラッチのトルク容量を選択的に変更するクラッチトルク変更手段と
    を備え、
    前記滑り評価手段は、ジャダ現象とクラッチに対する熱影響と前記駆動機構を搭載した車両の燃費との少なくともいずれか一つに関連する事項に基づいて、前記クラッチの滑りの評価をおこなうように構成されるとともに、
    前記クラッチトルク変更手段は、前記クラッチの滑りに伴うジャダ現象があることを前記滑り評価手段が判断した場合のクラッチのトルク容量の増大速度を、前記ジャダ現象がないことを前記滑り評価手段が判断した場合のクラッチのトルク容量の増大速度より速くするように構成されていることを特徴とする無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  2. 記クラッチトルク変更手段により前記クラッチのトルク容量が変更されることに基づいて、そのトルク容量の変更の直前に前記無段変速機のトルク容量を増大させる無段変速機トルク変更手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  3. 記駆動輪から入力されるトルクによって前記無段変速機で滑りが発生したことを判断する無段変速機滑り判断手段と、
    前記駆動輪から入力されるトルクによる前記無段変速機の滑りが判断された場合に、前記クラッチのトルク容量を再調整するクラッチトルク調整手段と、
    その再調整されたクラッチのトルク容量に応じて無段変速機のトルク容量を設定する無段変速機トルク調整手段と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  4. 記無段変速機トルク調整手段は、前記無段変速機のトルク容量を増大させた後に低下させるとともに、その低下量を、直前に無段変速機の滑りが判断されている場合と判断されていない場合とで異ならせるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  5. 前記無段変速機の変速比の低下時に前記クラッチのトルク容量を、前記変速比の低下の際の推定される慣性トルクに応じて変更するクラッチトルク制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  6. 記動力源に対する出力要求量の低下に伴って前記クラッチおよび無段変速機の少なくともいずれかのトルク容量を低下させる場合に、そのトルク容量の低下の遅延制御を実行する遅延手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
  7. 前記遅延手段は、クラッチのトルク容量と無段変速機のトルク容量との両方を低下させるとともに、クラッチのトルク容量の低下の遅延量に対して無段変速機のトルク容量の低下の遅延量を大きくするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の無段変速機を含む駆動機構の制御装置。
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