JP6560543B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30には、無段変速機16が設けられている。無段変速機16は、プライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ14と、セカンダリ軸32に設けられるセカンダリプーリ15と、を有している。プライマリプーリ14およびセカンダリプーリ15には、プーリ14,15間で動力を伝達する駆動チェーン33が巻き掛けられている。プライマリプーリ14には、プーリ溝幅を調整するプライマリ室34が設けられており、セカンダリプーリ15には、プーリ溝幅を調整するセカンダリ室35が設けられている。セカンダリ室35に供給される油圧を制御することにより、セカンダリプーリ15による駆動チェーン33のクランプ力を調整することができ、無段変速機16のトルク容量を制御することができる。また、プライマリ室34およびセカンダリ室35に供給される油圧を制御することにより、プーリ溝幅を変化させて駆動チェーン33の巻き付け径を変化させることができ、無段変速機16の変速比を制御することができる。なお、エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30は、トルクコンバータ18、タービン軸36、プライマリ軸31、セカンダリ軸32、駆動輪出力軸21、およびディファレンシャル機構22等によって構成される。
トルクコンバータ18とプライマリプーリ14との間には、締結状態と解放状態とに切り替えられる入力クラッチ17が設けられている。入力クラッチ17は、タービン軸36に接続される摩擦プレート40と、プライマリ軸31に接続される摩擦プレート41と、を有している。また、入力クラッチ17は、作動油が供給される油圧アクチュエータ42を有している。油圧アクチュエータ42内の油圧を上昇させることにより、摩擦プレート40,41は互いに係合され、入力クラッチ17は締結状態に切り替えられる。一方、油圧アクチュエータ42内の油圧を低下させることにより、摩擦プレート40,41の係合状態は解除され、入力クラッチ17は解放状態に切り替えられる。
無段変速機16と駆動輪23との間には、締結力つまりトルク容量を調整可能な出力クラッチ20が設けられている。つまり、エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30には、摩擦クラッチである出力クラッチ20が設けられている。出力クラッチ20は、セカンダリ軸32に接続される摩擦プレート50と、駆動輪出力軸21に接続される摩擦プレート51と、を有している。また、出力クラッチ20は、作動油が供給される油圧アクチュエータ52を有している。油圧アクチュエータ52内の油圧を上昇させることにより、摩擦プレート50,51は互いに係合され、出力クラッチ20は接続状態に切り替えられる。一方、油圧アクチュエータ52内の油圧を低下させることにより、摩擦プレート50,51の係合状態は解除され、出力クラッチ20は解放状態に切り替えられる。また、出力クラッチ20のトルク容量は、無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御される。これにより、無段変速機16に大きなトルクが入力される場合であっても、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができ、無段変速機16を保護することができる。
トルクコンバータ18、無段変速機16、入力クラッチ17、および出力クラッチ20等に作動油を供給するため、パワーユニット13には、エンジン11やプライマリ軸31に駆動される機械式オイルポンプ(油圧供給源)60が設けられている。機械式オイルポンプ60(以下、機械ポンプと記載する)は、一方向クラッチ61を備えたチェーン機構62を介して、トルクコンバータ18のポンプシェル63に連結されている。また、機械ポンプ60は、一方向クラッチ64を備えたチェーン機構65を介して、プライマリ軸31に連結されている。
車両用制御装置10は、パワーユニット13の作動状態を制御するため、複数のコントローラ80〜82を有している。コントローラとして、エンジン11を制御するエンジンコントローラ80が設けられており、モータジェネレータ12を制御するハイブリッドコントローラ81が設けられている。エンジンコントローラ80は、スロットルバルブやインジェクタ等に制御信号を出力し、エンジン11の作動状態を制御する。ハイブリッドコントローラ81は、インバータ83やコンバータ84等に制御信号を出力し、モータジェネレータ12の作動状態を制御する。なお、ハイブリッドコントローラ81には、バッテリ85の充電状態SOC等が入力される。
図3(a)および(b)は、車両用制御装置10が備える走行モードの例を示す概略図である。なお、図3(a)および(b)には、各走行モードにおける動力伝達状況の一例が白抜きの矢印によって示されている。図3(a)および(b)に示すように、車両用制御装置10は、走行モードとして、モータ走行モードおよびパラレル走行モードを有している。モータ走行モードとは、モータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動するモータ走行を実行する走行モードであり、パラレル走行モードとは、エンジン11およびモータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動するパラレル走行を実行する走行モードである。
前述したように、ミッションコントローラ82のクラッチ制御部87は、出力クラッチ20のトルク容量を、無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御する。これにより、急ブレーキ等によって無段変速機16に過度なトルクが入力される場合であっても、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができ、無段変速機16を保護することができる。なお、クラッチ制御部87は、無段変速機16の入力トルクや目標変速比に基づいて、駆動チェーン33を滑らせないように、無段変速機16のトルク容量を制御している。また、オイル消費量を削減して車両のエネルギー効率を向上させるため、無段変速機16のトルク容量や出力クラッチ20のトルク容量は、無段変速機16や出力クラッチ20を滑らせない範囲で低く制御することが望ましい。
続いて、通常制御モードと保護制御モードとの切替判定について説明する。図5は切替判定の実行手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS10では、現在の走行モードがモータ走行モードであるか否かが判定される。ステップS10において、エンジン11が停止するモータ走行モードであると判定された場合、つまり機械ポンプ60が車速に連動する状況であると判定された場合には、ステップS11に進み、電動ポンプ66が停止状態であり、かつ機械ポンプ60が所定の低回転状態であるか否かが判定される。なお、ステップS11では、油圧供給源(機械ポンプ60および電動ポンプ66)からの吐出圧が所定の圧力閾値を下回る場合であるか否かが判定される。ステップS11において、電動ポンプ66が停止状態であり、かつ機械ポンプ60が所定の低回転状態であると判定された場合、つまり油圧制御系の油圧が低下している場合には、ステップS12に進み、無段変速機16のトルク容量が低トルク領域であるか否かが判定される。なお、ステップS12では、例えば、無段変速機16のトルク容量が「Ta2」や「Ta3」を下回る場合に、無段変速機16のトルク容量が低トルク領域であると判定される。
11 エンジン(動力源)
16 無段変速機
20 出力クラッチ(摩擦クラッチ)
23 駆動輪
30 動力伝達経路
60 機械式オイルポンプ(油圧供給源)
66 電動オイルポンプ(油圧供給源)
86 変速機制御部
87 クラッチ制御部
Ta3 第1閾値
Ta4 第2閾値
Claims (5)
- 動力源と駆動輪とを接続する動力伝達経路に設けられる無段変速機と、
前記動力伝達経路に設けられる摩擦クラッチと、
前記無段変速機のトルク容量を制御する変速機制御部と、
前記摩擦クラッチのトルク容量を制御するクラッチ制御部と、
を有し、
前記クラッチ制御部は、
前記無段変速機のトルク容量が第1閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第1制御モードと、
前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値よりも小さな第2閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第2制御モードと、を備え、
前記クラッチ制御部は、前記第1制御モードが実行された状態のもとで、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値を下回る場合に、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を大きく制御する、
車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記無段変速機のトルク容量と前記摩擦クラッチのトルク容量とは、油圧供給源から吐出される作動油を用いて制御される、
車両用制御装置。 - 請求項2に記載の車両用制御装置において、
前記クラッチ制御部は、前記油圧供給源の吐出圧が圧力閾値を下回り、かつ車両が制動された状態である場合に、前記第2制御モードを実行する、
車両用制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
前記クラッチ制御部は、前記第1制御モードが実行された状態のもとで、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値を下回る場合に、前記摩擦クラッチのトルク容量の目標値を固定する、
車両用制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
前記摩擦クラッチは、前記無段変速機と前記駆動輪との間に設けられる、
車両用制御装置。
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JP2015120025A JP6560543B2 (ja) | 2015-06-15 | 2015-06-15 | 車両用制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015120025A JP6560543B2 (ja) | 2015-06-15 | 2015-06-15 | 車両用制御装置 |
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JP2017003072A JP2017003072A (ja) | 2017-01-05 |
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JP2015120025A Active JP6560543B2 (ja) | 2015-06-15 | 2015-06-15 | 車両用制御装置 |
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