JP6560543B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

車両用制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6560543B2
JP6560543B2 JP2015120025A JP2015120025A JP6560543B2 JP 6560543 B2 JP6560543 B2 JP 6560543B2 JP 2015120025 A JP2015120025 A JP 2015120025A JP 2015120025 A JP2015120025 A JP 2015120025A JP 6560543 B2 JP6560543 B2 JP 6560543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque capacity
continuously variable
variable transmission
clutch
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015120025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017003072A (ja
Inventor
翔平 廣田
翔平 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2015120025A priority Critical patent/JP6560543B2/ja
Publication of JP2017003072A publication Critical patent/JP2017003072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6560543B2 publication Critical patent/JP6560543B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、無段変速機を備える車両用制御装置に関する。
車両の動力伝達系に設けられる変速機として、変速比を無段階に変化させる無段変速機がある。無段変速機はプライマリプーリとセカンダリプーリとを備えており、これらのプーリには駆動チェーンや駆動ベルトが巻き掛けられている。ところで、無段変速機に対して過度なトルクが入力された場合には、駆動チェーン等を滑らせてしまう虞がある。そこで、動力伝達系に組み込まれたクラッチのトルク容量を、無段変速機のトルク容量よりも小さく制御することが提案されている(特許文献1参照)。これにより、無段変速機に過度なトルクが入力される状況であっても、先にクラッチを滑らせることができ、無段変速機を保護することができる。
特開2007−205529号公報
ところで、クラッチのトルク容量が低下する領域においては、トルク容量の制御精度が低下してジャダー等が発生し易いことから、一般的にクラッチのトルク容量には制御上の下限値が設定される。したがって、定常走行等のように無段変速機のトルク容量が低く制御される走行時には、無段変速機のトルク容量がクラッチのトルク容量を下回ることも想定される。このように、無段変速機のトルク容量がクラッチのトルク容量を下回る際に、急ブレーキ等によって無段変速機に大きなトルクが入力された場合には、クラッチよりも先に無段変速機の駆動チェーン等に滑りが生じてしまう虞がある。このため、無段変速機のトルク容量が低く制御される場合であっても、駆動チェーン等の滑りを防いで無段変速機を保護することが求められている。
本発明の目的は、無段変速機を保護することにある。
本発明の車両用制御装置は、動力源と駆動輪とを接続する動力伝達経路に設けられる無段変速機と、前記動力伝達経路に設けられる摩擦クラッチと、前記無段変速機のトルク容量を制御する変速機制御部と、前記摩擦クラッチのトルク容量を制御するクラッチ制御部と、を有し、前記クラッチ制御部は、前記無段変速機のトルク容量が第1閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第1制御モードと、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値よりも小さな第2閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第2制御モードと、を備え、前記クラッチ制御部は、前記第1制御モードが実行された状態のもとで、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値を下回る場合に、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を大きく制御する。
本発明によれば、無段変速機のトルク容量が第1閾値を上回る制御領域において、無段変速機のトルク容量よりも摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第1制御モードと、無段変速機のトルク容量が第1閾値よりも小さな第2閾値を上回る制御領域において、無段変速機のトルク容量よりも摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第2制御モードと、を備える。第2制御モードを用いることにより、無段変速機を保護することができる。
本発明の一実施の形態である車両用制御装置を示す概略図である。 バルブボディ構造の一例を示す概略図である。 (a)および(b)は、車両用制御装置が備える走行モードの例を示す概略図である。 (a)および(b)は、出力クラッチにおけるトルク容量の制御マップを示す説明図である。 切替判定の実行手順の一例を示すフローチャートである。 通常制御モードから保護制御モードへの切り替え状況を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用制御装置10を示す概略図である。図1に示すように、車両用制御装置10は、エンジン(動力源)11およびモータジェネレータ12を備えたパワーユニット13を有している。パワーユニット13は、プライマリプーリ14およびセカンダリプーリ15からなる無段変速機16を有している。プライマリプーリ14の一方側には、入力クラッチ17およびトルクコンバータ18を介してエンジン11が連結されている。プライマリプーリ14の他方側には、モータジェネレータ12のロータ19が連結されている。また、セカンダリプーリ15には、出力クラッチ20、駆動輪出力軸21およびディファレンシャル機構22を介して駆動輪23が連結されている。
[無段変速機]
エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30には、無段変速機16が設けられている。無段変速機16は、プライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ14と、セカンダリ軸32に設けられるセカンダリプーリ15と、を有している。プライマリプーリ14およびセカンダリプーリ15には、プーリ14,15間で動力を伝達する駆動チェーン33が巻き掛けられている。プライマリプーリ14には、プーリ溝幅を調整するプライマリ室34が設けられており、セカンダリプーリ15には、プーリ溝幅を調整するセカンダリ室35が設けられている。セカンダリ室35に供給される油圧を制御することにより、セカンダリプーリ15による駆動チェーン33のクランプ力を調整することができ、無段変速機16のトルク容量を制御することができる。また、プライマリ室34およびセカンダリ室35に供給される油圧を制御することにより、プーリ溝幅を変化させて駆動チェーン33の巻き付け径を変化させることができ、無段変速機16の変速比を制御することができる。なお、エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30は、トルクコンバータ18、タービン軸36、プライマリ軸31、セカンダリ軸32、駆動輪出力軸21、およびディファレンシャル機構22等によって構成される。
[入力クラッチ]
トルクコンバータ18とプライマリプーリ14との間には、締結状態と解放状態とに切り替えられる入力クラッチ17が設けられている。入力クラッチ17は、タービン軸36に接続される摩擦プレート40と、プライマリ軸31に接続される摩擦プレート41と、を有している。また、入力クラッチ17は、作動油が供給される油圧アクチュエータ42を有している。油圧アクチュエータ42内の油圧を上昇させることにより、摩擦プレート40,41は互いに係合され、入力クラッチ17は締結状態に切り替えられる。一方、油圧アクチュエータ42内の油圧を低下させることにより、摩擦プレート40,41の係合状態は解除され、入力クラッチ17は解放状態に切り替えられる。
[出力クラッチ]
無段変速機16と駆動輪23との間には、締結力つまりトルク容量を調整可能な出力クラッチ20が設けられている。つまり、エンジン11と駆動輪23とを接続する動力伝達経路30には、摩擦クラッチである出力クラッチ20が設けられている。出力クラッチ20は、セカンダリ軸32に接続される摩擦プレート50と、駆動輪出力軸21に接続される摩擦プレート51と、を有している。また、出力クラッチ20は、作動油が供給される油圧アクチュエータ52を有している。油圧アクチュエータ52内の油圧を上昇させることにより、摩擦プレート50,51は互いに係合され、出力クラッチ20は接続状態に切り替えられる。一方、油圧アクチュエータ52内の油圧を低下させることにより、摩擦プレート50,51の係合状態は解除され、出力クラッチ20は解放状態に切り替えられる。また、出力クラッチ20のトルク容量は、無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御される。これにより、無段変速機16に大きなトルクが入力される場合であっても、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができ、無段変速機16を保護することができる。
[油圧制御系]
トルクコンバータ18、無段変速機16、入力クラッチ17、および出力クラッチ20等に作動油を供給するため、パワーユニット13には、エンジン11やプライマリ軸31に駆動される機械式オイルポンプ(油圧供給源)60が設けられている。機械式オイルポンプ60(以下、機械ポンプと記載する)は、一方向クラッチ61を備えたチェーン機構62を介して、トルクコンバータ18のポンプシェル63に連結されている。また、機械ポンプ60は、一方向クラッチ64を備えたチェーン機構65を介して、プライマリ軸31に連結されている。
ポンプシェル63がプライマリ軸31よりも速く回転する場合には、ポンプシェル63からチェーン機構62を経て機械ポンプ60に駆動力が伝達される。すなわち、エンジン11が駆動される場合には、エンジン動力によって機械ポンプ60が駆動される。一方、ポンプシェル63がプライマリ軸31よりも遅く回転する場合には、プライマリ軸31からチェーン機構65を経て機械ポンプ60に駆動力が伝達される。すなわち、後述するモータ走行のように、エンジン11が停止する場合であっても、前進走行時にはプライマリ軸31によって機械ポンプ60が駆動される。
また、パワーユニット13には、機械ポンプ60の他に、電動モータによって駆動される電動オイルポンプ(油圧供給源)66が設けられている。この電動オイルポンプ66(以下、電動ポンプと記載する)は、後述するモータ走行モードにおける低速走行時や後退走行時、つまりエンジン停止を伴う低速走行時や後退走行時に駆動される。これにより、機械ポンプ60が停止する状況や、機械ポンプ60の吐出圧が低下する状況において、制御油圧を確保することができるため、無段変速機16等を適切に制御することができる。また、パワーユニット13には、機械ポンプ60および電動ポンプ66から吐出される作動油を制御するため、複数のソレノイドバルブや油路によって構成されるバルブボディ67が設けられている。機械ポンプ60や電動ポンプ66から吐出される作動油は、バルブボディ67を経て、トルクコンバータ18、無段変速機16、入力クラッチ17、および出力クラッチ20等に供給される。
続いて、作動油を制御するバルブボディ67の構造について説明する。図2はバルブボディ構造の一例を示す概略図である。図2に示すように、機械ポンプ60および電動ポンプ66の吐出ポート60a,66aには、ライン圧路として機能するセカンダリ圧路70が接続されている。このセカンダリ圧路70には、セカンダリプーリ15のセカンダリ室35が接続されるとともに、セカンダリ圧制御弁71の調圧ポート71aが接続されている。セカンダリ圧制御弁71によって調圧されるライン圧つまりセカンダリ圧は、無段変速機16の入力トルクや目標変速比等に基づいて調圧される。このようにセカンダリ圧を制御することにより、無段変速機16のトルク容量を適切に制御することができ、駆動チェーン33の滑りを防止することができる。また、セカンダリ圧路70はプライマリ圧制御弁72の入力ポート72aに接続されており、プライマリ圧制御弁72の出力ポート72bから延びるプライマリ圧路73はプライマリプーリ14のプライマリ室34に接続されている。このプライマリ圧制御弁72によって調圧されるプライマリ圧は、目標変速比に向けてプライマリプーリ14の溝幅を制御するように、目標変速比やセカンダリ圧等に基づいて調圧される。
また、セカンダリ圧路70から分岐する分岐油路74には、油圧制御弁や油路切替弁等によって構成されるクラッチ油圧回路部75が接続されている。クラッチ油圧回路部75には、クラッチ圧路76を介して入力クラッチ17の油圧アクチュエータ42が接続されている。そして、クラッチ油圧回路部75によって調圧されたクラッチ圧は、クラッチ圧路76を介して油圧アクチュエータ42に供給される。これにより、入力クラッチ17の締結や解放が制御され、入力クラッチ17のトルク容量が制御される。また、クラッチ油圧回路部75には、クラッチ圧路77を介して出力クラッチ20の油圧アクチュエータ52が接続されている。そして、クラッチ油圧回路部75によって調圧されたクラッチ圧は、クラッチ圧路77を介して油圧アクチュエータ52に供給される。これにより、出力クラッチ20の締結や解放が制御され、出力クラッチ20のトルク容量が制御される。
[電子制御系]
車両用制御装置10は、パワーユニット13の作動状態を制御するため、複数のコントローラ80〜82を有している。コントローラとして、エンジン11を制御するエンジンコントローラ80が設けられており、モータジェネレータ12を制御するハイブリッドコントローラ81が設けられている。エンジンコントローラ80は、スロットルバルブやインジェクタ等に制御信号を出力し、エンジン11の作動状態を制御する。ハイブリッドコントローラ81は、インバータ83やコンバータ84等に制御信号を出力し、モータジェネレータ12の作動状態を制御する。なお、ハイブリッドコントローラ81には、バッテリ85の充電状態SOC等が入力される。
また、車両用制御装置10は、コントローラとして、無段変速機16、入力クラッチ17、出力クラッチ20および電動ポンプ66等を制御するミッションコントローラ82を有している。ミッションコントローラ82は、バルブボディ67等に制御信号を出力し、無段変速機16、入力クラッチ17および出力クラッチ20等の作動状態を制御する。ここで、図2に示すように、ミッションコントローラ82は、変速機制御部86とクラッチ制御部87とを備えている。変速機制御部86は、セカンダリ圧制御弁71およびプライマリ圧制御弁72に制御信号を出力し、無段変速機16の変速比およびトルク容量を制御している。また、クラッチ制御部87は、クラッチ油圧回路部75に制御信号を出力し、入力クラッチ17や出力クラッチ20のトルク容量を制御している。
前述した各コントローラ80〜82は、CPU、ROM、RAM等によって構成されるマイクロコンピュータや、各種アクチュエータの制御電流を生成する駆動回路部等を有している。また、各コントローラ80〜82は、CAN等の車載ネットワーク88を介して互いに接続されている。この車載ネットワーク88には、アクセルペダルの操作状況を検出するアクセルセンサ90、ブレーキペダルの操作状況を検出するブレーキセンサ91、車速を検出する車速センサ92等が接続されている。また、車載ネットワーク88には、モータジェネレータ12の回転速度を検出するモータ回転センサ93、出力クラッチ20の入力回転速度つまりセカンダリ軸32の回転速度を検出する入力回転センサ94、出力クラッチ20の出力回転速度つまり駆動輪出力軸21の回転速度を検出する出力回転センサ95等が接続されている。このように、車載ネットワーク88上には、運転手の操作状況やパワーユニット13の作動状況等を示す各種信号が送信されている。
[走行モード]
図3(a)および(b)は、車両用制御装置10が備える走行モードの例を示す概略図である。なお、図3(a)および(b)には、各走行モードにおける動力伝達状況の一例が白抜きの矢印によって示されている。図3(a)および(b)に示すように、車両用制御装置10は、走行モードとして、モータ走行モードおよびパラレル走行モードを有している。モータ走行モードとは、モータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動するモータ走行を実行する走行モードであり、パラレル走行モードとは、エンジン11およびモータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動するパラレル走行を実行する走行モードである。
図3(a)に示すように、モータ走行モードを実行する際には、入力クラッチ17が解放状態に制御され、駆動輪23からエンジン11が切り離される。これにより、エンジン11を停止させた状態のもとで、モータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動することができる。また、図3(b)に示すように、パラレル走行モードを実行する際には、入力クラッチ17が締結状態に制御され、駆動輪23にエンジン11が接続される。これにより、モータジェネレータ12によって駆動輪23を駆動するだけでなく、エンジン11によって駆動輪23を駆動することができる。
[出力クラッチのトルク容量制御]
前述したように、ミッションコントローラ82のクラッチ制御部87は、出力クラッチ20のトルク容量を、無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御する。これにより、急ブレーキ等によって無段変速機16に過度なトルクが入力される場合であっても、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができ、無段変速機16を保護することができる。なお、クラッチ制御部87は、無段変速機16の入力トルクや目標変速比に基づいて、駆動チェーン33を滑らせないように、無段変速機16のトルク容量を制御している。また、オイル消費量を削減して車両のエネルギー効率を向上させるため、無段変速機16のトルク容量や出力クラッチ20のトルク容量は、無段変速機16や出力クラッチ20を滑らせない範囲で低く制御することが望ましい。
以下、クラッチ制御部87による出力クラッチ20のトルク容量制御について説明する。図4(a)および(b)は、出力クラッチ20におけるトルク容量の制御マップを示す説明図である。図4(a)には通常制御モードにおけるトルク容量の制御マップの一例が示されており、図4(b)には保護制御モードにおけるトルク容量の制御マップの一例が示されている。図4に示すように、制御マップの縦軸には出力クラッチ20のトルク容量が示されており、制御マップの横軸には無段変速機16のトルク容量が示されている。また、制御マップに示される破線Xは、無段変速機16のトルク容量と出力クラッチ20のトルク容量とが互いに等しいことを示す線である。すなわち、破線Xよりも矢印Xa側の領域は、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも大きい領域であり、破線Xよりも矢印Xb側の領域は、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも小さい領域である。
クラッチ制御部87は、出力クラッチ20の制御モードとして、第1制御モードである通常制御モードと、第2制御モードである保護制御モードと、を有している。図4(a)に示すように、通常制御モードが設定された場合には、特性線Z1に従って、出力クラッチ20のトルク容量が制御される。つまり、無段変速機16のトルク容量が「Ta1」である場合には、出力クラッチ20のトルク容量が「Ta1」よりも小さい「Tb1」に制御される。ところで、出力クラッチ20のトルク容量が低下する領域においては、トルク容量の制御精度が低下することから、出力クラッチ20にジャダー等を発生させてしまう虞がある。このため、図4(a)に示すように、出力クラッチ20のトルク容量には制御上の下限値αが設定されている。すなわち、無段変速機16のトルク容量が「Ta2」を下回る場合には、出力クラッチ20におけるジャダー等の発生を防止する観点から、出力クラッチ20のトルク容量は「Tb2」に維持される。このため、無段変速機16のトルク容量が「Ta3」を下回る制御領域では、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも大きく制御されることになる。
このような通常制御モードを実行することにより、無段変速機16のトルク容量が第1閾値である「Ta3」を上回る制御領域では、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御される。一方、無段変速機16のトルク容量が第1閾値である「Ta3」を下回る制御領域では、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも大きく制御される。また、通常制御モードが実行された状態のもとで、無段変速機16のトルク容量が第1閾値である「Ta3」を下回る場合には、クラッチ制御部87によって出力クラッチ20のトルク容量の目標値は「Tb2」に固定される。
これに対し、図4(b)に示すように、保護制御モードが設定された場合には、特性線Z2に従って、出力クラッチ20のトルク容量が制御される。ここで、図4(a)に示すように、保護制御モードにおける制御上のトルク容量の下限値βは、保護制御モードにおける制御上のトルク容量の下限値αよりも低く設定されている。すなわち、無段変速機16のトルク容量が「Ta3」を下回る制御領域であっても、無段変速機16のトルク容量が「Ta4」に低下するまで、出力クラッチ20のトルク容量は無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御されることになる。このような保護制御モードを実行することにより、無段変速機16のトルク容量が第1閾値Ta3よりも小さな第2閾値である「Ta4」を上回る制御領域では、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも小さく制御される。一方、無段変速機16のトルク容量が第2閾値である「Ta4」を下回る制御領域では、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量よりも大きく制御される。すなわち、保護制御モードを選択することにより、通常制御モードよりも広い範囲で、出力クラッチ20のトルク容量を無段変速機16のトルク容量よりも下げることができる。
[制御モード判定]
続いて、通常制御モードと保護制御モードとの切替判定について説明する。図5は切替判定の実行手順の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS10では、現在の走行モードがモータ走行モードであるか否かが判定される。ステップS10において、エンジン11が停止するモータ走行モードであると判定された場合、つまり機械ポンプ60が車速に連動する状況であると判定された場合には、ステップS11に進み、電動ポンプ66が停止状態であり、かつ機械ポンプ60が所定の低回転状態であるか否かが判定される。なお、ステップS11では、油圧供給源(機械ポンプ60および電動ポンプ66)からの吐出圧が所定の圧力閾値を下回る場合であるか否かが判定される。ステップS11において、電動ポンプ66が停止状態であり、かつ機械ポンプ60が所定の低回転状態であると判定された場合、つまり油圧制御系の油圧が低下している場合には、ステップS12に進み、無段変速機16のトルク容量が低トルク領域であるか否かが判定される。なお、ステップS12では、例えば、無段変速機16のトルク容量が「Ta2」や「Ta3」を下回る場合に、無段変速機16のトルク容量が低トルク領域であると判定される。
ステップS12において、無段変速機16のトルク容量が低トルク領域であると判定された場合には、ステップS13に進み、所定のブレーキ操作が為されているか否かが判定される。ステップS13において、所定のブレーキ操作が為されていると判定された場合、つまり制動トルクが無段変速機16に伝達される状況であると判定された場合には、ステップS14に進み、機械ポンプ60の回転速度が所定の急減速状態であるか否かが判定される。ステップS14において、機械ポンプ60の回転速度が所定の急減速状態であると判定された場合、つまり滑り易い路面等によって駆動輪23のロック傾向が認められた場合には、ステップS15に進み、出力クラッチ20の制御モードとして保護制御モードが設定される。一方、ステップS10〜14の条件のうち、何れかの条件を満たさなかった場合には、ステップS16に進み、出力クラッチ20の制御モードとして通常制御モードが設定される。
このように、油圧制御系に供給される制御油圧が低下した状態であり、かつ駆動輪23をロックさせるような制動状態であると判定された場合には、ステップS15に進み、出力クラッチ20の制御モードとして保護制御モードが設定される。換言すれば、油圧供給源の吐出圧が所定の圧力閾値を下回る状態であると判定され、かつ車両が制動された状態であると判定された場合には、無段変速機16にスリップを生じさせる虞があることから、出力クラッチ20の制御モードとして保護制御モードが設定される。一方、機械ポンプ60の吐出圧が十分であると判定された場合や、車両が制動されていない状態であると判定された場合には、無段変速機16にスリップを生じさせる虞が無いことから、出力クラッチ20の制御モードとして通常制御モードが設定される。
ここで、図6は通常制御モードから保護制御モードへの切り替え状況を示す説明図である。なお、図6には図4の制御マップの一部が拡大されて示されている。図6に符号P1で示す走行状況においては、通常制御モードが実行されることから、無段変速機16のトルク容量が「Ta5」に制御され、出力クラッチ20のトルク容量が「Tb2」に制御される。すなわち、符号P1で示す場合には、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量を上回る状態となっている(Tb2>Ta5)。このような走行状況のもとで、駆動輪23をロックさせるような車両制動が行われた場合には、出力クラッチ20よりも先に無段変速機16を滑らせてしまう虞がある。
そこで、クラッチ制御部87は、制動トルクによって無段変速機16を滑らせてしまう虞がある状況、つまり機械ポンプ60の吐出圧が所定の圧力閾値を下回る状況であり、かつ車両が制動された状況である場合に、制御モードを通常制御モードから保護制御モードに切り替える。このように、出力クラッチ20の制御モードを切り替えることにより、図6に符号P2で示すように、無段変速機16のトルク容量が「Ta5」に制御され、出力クラッチ20のトルク容量が「Tb3」に制御される。すなわち、符号P2で示す場合には、出力クラッチ20のトルク容量が無段変速機16のトルク容量を下回る状態となっている(Tb3<Ta5)。これにより、駆動輪23をロックさせるような車両制動が行われた場合であっても、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができ、駆動チェーン33の滑りを防止して無段変速機16を保護することができる。
このように、通常制御モードから保護制御モードに切り替えられ、出力クラッチ20のトルク容量が引き下げられると、無段変速機16よりも先に出力クラッチ20を滑らせることができるが、引き続き無段変速機16についても滑り易い状況であることから、必要に応じて素早く機械ポンプ60の吐出圧を立ち上げることが望ましい。そこで、図5のフローチャートに示すように、ステップS15において保護制御モードが設定されると、ステップS17に進み、出力クラッチ20がスリップ状態であるか否かが判定される。なお、ステップS17では、出力クラッチ20の入力回転速度と出力回転速度との回転速度差に基づいて、出力クラッチ20がスリップ状態であるか否かを判定している。ステップS17において、出力クラッチ20がスリップ状態であると判定された場合には、制動トルクによって出力クラッチ20が滑り始めた状況であることから、無段変速機16の滑りを未然に防止するため、ステップS18に進み、モータジェネレータの出力トルクが引き上げられ、機械ポンプ60の回転速度が引き上げられる。これにより、機械ポンプ60の吐出圧を増大させることができるため、無段変速機16のトルク容量を高めることができ、駆動チェーン33の滑りを防止して無段変速機16を保護することができる。
なお、前述したように、制動トルクによって無段変速機16を滑らせてしまう虞がない場合、つまり機械ポンプ60の吐出圧が所定の圧力閾値を上回る場合や、車両が制動されていない場合には、制御モードとして通常制御モードに設定される。これにより、出力クラッチ20のトルク容量を適切に引き上げることができ、出力クラッチ20の制御精度を高めてジャダー等の発生を防止することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、エンジン11およびモータジェネレータを備えた車両に対して本発明を適用しているが、これに限られることはない。例えば、動力源としてエンジン11のみを備えた車両に対して本発明を適用しても良く、動力源としてモータジェネレータのみを備えた車両に対して本発明を適用しても良い。また、前述の説明では、油圧供給源として機械式オイルポンプ60および電動オイルポンプ66を用いているが、これに限られることはなく、油圧供給源として機械式オイルポンプ60のみを用いても良く、油圧供給源として電動オイルポンプ66のみを用いても良い。また、前述の説明では、機械式オイルポンプ60をエンジン11およびプライマリ軸31によって駆動しているが、これに限られることはない。例えば、エンジン11のみに駆動されるオイルポンプであっても良く、プライマリ軸31等の車速に連動する回転軸のみに駆動されるオイルポンプであっても良い。
前述の説明では、ミッションコントローラ82に変速機制御部86およびクラッチ制御部87を設けているが、これに限られることはなく、他のコントローラに変速機制御部86を設けても良く、他のコントローラにクラッチ制御部87を設けても良い。前述の説明では、出力クラッチ20として、油圧制御される出力クラッチ20を用いているが、これに限られることはない。例えば、出力クラッチ20として、電磁力によって締結状態と解放状態とに切り替えられる電磁クラッチを用いても良い。また、前述の説明では、無段変速機16と駆動輪23との間に出力クラッチ20を設けているが、これに限られることなく、エンジン11と無段変速機16との間に出力クラッチ20を設けても良い。
10 車両用制御装置
11 エンジン(動力源)
16 無段変速機
20 出力クラッチ(摩擦クラッチ)
23 駆動輪
30 動力伝達経路
60 機械式オイルポンプ(油圧供給源)
66 電動オイルポンプ(油圧供給源)
86 変速機制御部
87 クラッチ制御部
Ta3 第1閾値
Ta4 第2閾値

Claims (5)

  1. 動力源と駆動輪とを接続する動力伝達経路に設けられる無段変速機と、
    前記動力伝達経路に設けられる摩擦クラッチと、
    前記無段変速機のトルク容量を制御する変速機制御部と、
    前記摩擦クラッチのトルク容量を制御するクラッチ制御部と、
    を有し、
    前記クラッチ制御部は、
    前記無段変速機のトルク容量が第1閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第1制御モードと、
    前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値よりも小さな第2閾値を上回る制御領域において、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を小さく制御する第2制御モードと、を備え、
    前記クラッチ制御部は、前記第1制御モードが実行された状態のもとで、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値を下回る場合に、前記無段変速機のトルク容量よりも前記摩擦クラッチのトルク容量を大きく制御する、
    車両用制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用制御装置において、
    前記無段変速機のトルク容量と前記摩擦クラッチのトルク容量とは、油圧供給源から吐出される作動油を用いて制御される、
    車両用制御装置。
  3. 請求項2記載の車両用制御装置において、
    前記クラッチ制御部は、前記油圧供給源の吐出圧が圧力閾値を下回り、かつ車両が制動された状態である場合に、前記第2制御モードを実行する、
    車両用制御装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記クラッチ制御部は、前記第1制御モードが実行された状態のもとで、前記無段変速機のトルク容量が前記第1閾値を下回る場合に、前記摩擦クラッチのトルク容量の目標値を固定する、
    車両用制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用制御装置において、
    前記摩擦クラッチは、前記無段変速機と前記駆動輪との間に設けられる、
    車両用制御装置。
JP2015120025A 2015-06-15 2015-06-15 車両用制御装置 Active JP6560543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015120025A JP6560543B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 車両用制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015120025A JP6560543B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 車両用制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017003072A JP2017003072A (ja) 2017-01-05
JP6560543B2 true JP6560543B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=57753839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015120025A Active JP6560543B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 車両用制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6560543B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000193081A (ja) * 1998-12-28 2000-07-14 Toyota Motor Corp 無段変速装置
JP4085656B2 (ja) * 2002-03-06 2008-05-14 トヨタ自動車株式会社 無段変速機を含む駆動機構の制御装置
JP5048952B2 (ja) * 2006-02-06 2012-10-17 富士重工業株式会社 車両用制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017003072A (ja) 2017-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6280583B2 (ja) 車両用制御装置
JP3956700B2 (ja) 車両の駆動系の制御装置
JP5867440B2 (ja) 車両の制御装置
JP6106215B2 (ja) 車両用制御装置
JP2014134275A (ja) 車両の制御装置
JP6158915B2 (ja) ハイブリッド車両の異常検知装置及び異常検知方法
JP2010190266A (ja) 車両の変速制御装置および変速制御方法
EP3916269B1 (en) Vehicle driving device and hybrid vehicle
JP5772921B2 (ja) 車両の変速制御装置および変速制御方法
JP6291170B2 (ja) 車両用制御装置
US8419591B2 (en) Vehicle drive system
JP6386701B2 (ja) 車両用制御装置
JP6741151B2 (ja) ハイブリッド車両の制御方法及び制御装置
JP6560543B2 (ja) 車両用制御装置
JP6082318B2 (ja) 車両用制御装置
JP2006220114A (ja) エンジン制御装置、車両の制御装置及びその制御方法
JP7319893B2 (ja) 車両用制御装置
JP6235793B2 (ja) 車両用制御装置
JP6329341B2 (ja) 車両用制御装置
JP6291171B2 (ja) 車両用制御装置
JP6389717B2 (ja) Awd制御装置
JP6207269B2 (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
WO2020158869A1 (ja) 車両用駆動装置
JP3791525B2 (ja) 四輪駆動車両
JP6181980B2 (ja) 車両用駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6560543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250