JP4084870B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デッキボードのデッキ面に種々の荷物を載置して運搬或いは保管するための合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製パレット(以下、単に、「パレット」ともいう。)のデッキボードのデッキ面に載置された荷物が、横方向にずれ落ちないように、デッキボードの外周縁に上方に延びる突起を形成するとともに、パレット同士の段積みが可能なように、デッキ面の面積を拡大した合成樹脂製パレットが知られている(例えば、特公昭52−39532号公報、実公平5−44281号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口に沿った垂直断面図である図7を用いて、本発明が解決しようとする課題について説明する。
【0004】
1は、パレットPのデッキボードであり、デッキボード1には、荷物Aが載置されるデッキ面1aが形成されている。また、デッキボード1の外周縁には、上方に延びる突起1bが形成されており、デッキ面1aに載置された荷物Aが横方向にずれた際には、荷物Aが突起1bに当接し、デッキボード1から滑り落ちないように構成されている。更に、パレット同士が段積みできるように、デッキボード1は、フォーク差し込み口2が形成されている側面3より水平方向に拡がって形成されている。4は、フォーク差し込み口2を構成する底部であり、5は、デッキボード1の裏面から垂下されたリブであり、また、6は、底部4の裏面から垂下されたリブである。
【0005】
ところで、パレットPのデッキ面1aに荷物Aを載置した際に、フォーク差し込み口2にバンドBを挿入して、荷物AとパレットPをバンドBにより緊締し、より確実に、しっかりと、パレットPに荷物Aを固定することが行われているが、従来のパレットPにおいては、フォーク差し込み口2の上方にも突起1bが形成されているために、突起1bにもバンドBが掛けられ締めつけられるので、突起1bが変形したり、損傷する等の問題があった。
【0006】
また、フォーク差し込み口2の上方にも突起1bが形成されているために、フォークの差し込み作業の際に、不注意により、フォークが突起1bに衝突し、突起1bが損傷することがあり、従って、フォークのフォーク差し込み口2への差し込み作業を慎重に行わなければならず、作業効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、デッキボードの外周縁に、上方に延びる突起が形成されているとともに、パレット同士が段積みできるように、デッキボードが、フォーク差し込み口が形成されている側面より水平方向に拡がって形成されている合成樹脂製パレットにおいて、第1には、フォーク差し込み口に挿入され、荷物と合成樹脂製パレットを緊締するバンドの少なくとも幅分だけ、フォーク差し込み口の上方には、前記突起が形成されておらず、また、前記突起が形成されていないデッキボードには、前記フォーク差し込み口に挿入さ、荷物と合成樹脂製パレットを緊締するバンドの少なくとも幅分に亘たって、且つ、フォーク差し込み口が形成されている側面まで達する、前記バンドが挿着可能な切欠部を形成したものであり、第には、突起に沿って、デッキボードのデッキ面に、デッキボードの全周に亘たって、凹溝を形成するとともに、該凹溝に、デッキ面より、若干突出するように緩衝部材を挿着したものである。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。なお、上述した従来の合成樹脂製パレットの構成部材と同じ部材には、同一の符号が使用されている。
【0010】
パレットPのデッキボード1には、荷物Aが載置されるデッキ面1aが形成されており、また、デッキボード1の外周縁には、上方に延びる突起1bが形成されており、デッキ面1aに載置された荷物Aが横方向にずれた際には、荷物Aが突起1bに当接し、デッキボード1から滑り落ちないように構成されている。また、パレット同士が段積みできるように、デッキボード1は、フォーク差し込み口2が形成されている側面3より水平方向に拡がって形成されている。上述した従来の合成樹脂製パレットと同様に、フォーク差し込み口2には、フォーク差し込み口2を構成する底部4が形成されている。
【0011】
本発明においては、フォーク差し込み口2に挿入され、荷物AとパレットPとを緊締するバンドBの幅分だけ、少なくとも、フォーク差し込み口2の上方には突起1bを形成しないように構成したものである。換言すれば、フォーク差し込み口2の上方に位置する突起1bに、少なくとも、バンドBの幅分で、且つ、デッキボード1のデッキ面1aまで達する切欠部7を形成したものである。このように、フォーク差し込み口2の上方に位置する突起1bに切欠部7を形成し、フォーク差し込み口2にバンドBを挿入して、荷物AとパレットPをバンドBにより緊締する際に、バンドBを切欠部7に挿着するようにしたので、上述した従来の合成樹脂製パレットのように、バンドBによる荷物AとパレットPの緊締により、突起1bが変形したり、損傷するようなことがない。
【0012】
上述した切欠部7は、フォーク差し込み口2の横方向の幅d1全域に亘って形成することもできる。このように、切欠部7をフォーク差し込み口2の横方向の幅d1全域に亘って形成することにより、フォークの差し込み作業の際に、フォークが突起1bに衝突するかどうかを懸念することなく、フォークのフォーク差し込み口2への差し込み作業を行うことができるので、フォークのフォーク差し込み口2への差し込み作業の作業効率が向上する。
【0013】
切欠部7を形成する突起1bの相対する端部1b’を、デッキ面1aに向かって、互いに接近する方向に傾斜させて、切欠部7の正面形状を、逆台形状に形成することにより、切欠部7に挿入されるバンドBを、デッキ面1aまで確実に案内することができるとともに、切欠部7を形成したための突起1bの強度低下を、最小限に抑えることができる。更に、切欠部7付近の突起1bの肉厚を、他の部分より厚くすることにより、切欠部7を形成したための突起1bの強度低下を、より抑えることができる。
【0014】
また、少なくとも、切欠部7の下方に位置するデッキボード1の裏面に、リブ1cを垂下することにより、切欠部7を形成したためのデッキボード1の強度低下を抑制することができる。
【0015】
図5及び図6に示された別の実施例は、突起1bに沿って、デッキボード1のデッキ面1aに凹溝8を形成するとともに、該凹溝8に、デッキ面1aより、若干突出するように、ゴムや軟質合成樹脂製の弾性のある柔らかい緩衝部材9を挿着したものである。このように、デッキボード1のデッキ面1aに形成された凹溝8を、デッキボード1の全周に亘って形成し、凹溝8の全体に緩衝部材9を挿着することも、また、デッキボード1のデッキ面1aの一部に凹溝8を形成し、該凹溝8に、デッキ面1aより、若干突出するように、緩衝部材9を挿着することもできる。このような緩衝部材9を配設することにより、デッキ面1aに載置された荷物Aが摺動した際に、荷物Aが、緩衝部材9に当接するので、荷物Aが損傷するようなことが防止できるとともに、荷物Aが、直に、突起1bに当接して、荷物Aや突起1bが損傷を受けるようなことが防止できる。
【0016】
上述した実施例には、パレットPの各側面3に2つのフォーク差し込み口2か形成された、所謂、4方差しのパレットPが示されているが、パレットPの相対する側面3に2つのフォーク差し込み口2か形成された、所謂、2方差しのパレットPに、本発明を適用することもできる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0018】
フォーク差し込み口の上方に位置する突起に、フォーク差し込み口に挿入されて、荷物と合成樹脂製パレットを緊締するバンドの少なくとも幅分で、且つ、デッキボードのデッキ面まで達する切欠部を形成したので、バンドによる荷物とパレットの緊締により、突起が変形したり、損傷するようなことがない。
【0019】
切欠部の正面形状を逆台形状に形成したので、切欠部に挿入されるバンドを、デッキ面まで確実に案内することができるとともに、切欠部を形成したための突起の強度低下を、最小限に抑えることができる。
【0020】
切欠部付近の突起の肉厚を厚くしたので、切欠部を形成したための突起の強度低下を、より抑えることができる。
【0021】
切欠部の下方に位置するデッキボードの裏面に、リブを垂下したので、切欠部を形成したためのデッキボードの強度低下を抑制することができる。
【0022】
突起に沿って、デッキボードのデッキ面に凹溝を形成するとともに、該凹溝に、デッキ面より、若干突出するように緩衝部材を挿着したので、デッキ面に載置された荷物が摺動した際に、荷物が、緩衝部材に当接するので、荷物が損傷するようなことが防止できるとともに、荷物が、直に、突起に当接して、荷物や突起が損傷を受けるようなことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの平面図である。
【図2】図2は本発明の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図3】図3は荷物が載置されるとともにバンドが掛けられた状態の本発明の合成樹脂製パレットの正面図である。
【図4】図4は本発明の合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口に沿った部分垂直断面図である。
【図5】図5は本発明の別の実施例の合成樹脂製パレットの平面図である。
【図6】図6は図5に示されている合成樹脂製パレットの部分垂直断面図である。
【図7】図7は従来の合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口に沿った部分垂直断面図である。
【符号の説明】
A・・・・・・・・荷物
B・・・・・・・・バンド
P・・・・・・・・合成樹脂製パレット
1・・・・・・・・デッキボード
1a・・・・・・・デッキ面
1b・・・・・・・突起
7・・・・・・・・切欠部
8・・・・・・・・凹溝
9・・・・・・・・緩衝部材

Claims (2)

  1. デッキボードの外周縁に、上方に延びる突起が形成されているとともに、パレット同士が段積みできるように、デッキボードが、フォーク差し込み口が形成されている側面より水平方向に拡がって形成されている合成樹脂製パレットにおいて、フォーク差し込み口に挿入され、荷物と合成樹脂製パレットを緊締するバンドの少なくとも幅分だけ、フォーク差し込み口の上方には、前記突起が形成されておらず、また、前記突起が形成されていないデッキボードには、前記フォーク差し込み口に挿入さ、荷物と合成樹脂製パレットを緊締するバンドの少なくとも幅分に亘たって、且つ、フォーク差し込み口が形成されている側面まで達する、前記バンドが挿着可能な切欠部が形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
  2. 突起に沿って、デッキボードのデッキ面に、デッキボードの全周に亘たって、凹溝を形成するとともに、該凹溝に、デッキ面より、若干突出するように緩衝部材を挿着したことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
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