JP4084821B2 - アルミニウム合金鋳造素材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、アルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯することにより、半溶融成形に適した素材を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法に関するものである。
半溶融成形法は、固相と液相とが共存状態となった半溶融素材(例えばアルミニウム合金鋳造素材)を金型内に充填した後、冷却固化して製品を得る方法であり、一般に、液状のものから冷却固化して半溶融素材を得るレオキャスティング法と、凝固したものを再加熱して半溶融素材を得るチクソキャスティング法とに大別される。かかる半溶融成形法は、固液共存域より成形し得ることから、冷却速度を速め、製品の機械的性質を向上させ得るという効果があり、近年注目されるに至っている。
然るに、冷却速度が速くなれば、当然、成形時の凝固も速くなることから、素材を短時間で金型内に充填しないと、成形が困難となる虞がある。従って、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得る半溶融素材が半溶融成形に適しており、そのような特性を得るには、粒状化した固相(初晶)を持つ半溶融素材とする必要である。
かかる半溶融素材を得るべく、従来は溶湯を機械的や電磁的に撹拌して、発生する樹枝状晶(デンドライト)を剪断することにより等軸晶で粒状化した初晶を得る方法や粒状化迄はいかないが、樹枝状晶を分断させながら凝固させることによって内部歪を発生させるか、材料に塑性加工を加えることにより内部歪を発生させ、それらの材料を再加熱して半溶融状態にするとき、歪による再結晶現象を利用して固相を粒状化させる方法が提案されている。具体的には、溶湯を内在したステンレス容器の外側から電磁撹拌させながら半溶融状態にしたり、連続鋳造装置のジャケット部の外側から電磁力を加えて溶湯を強制撹拌しながらビレットを製造し、再加熱によって半溶融状態にする方法で半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材(半溶融素材)を得ていたのである。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
しかしながら、上記従来のアルミニウム合金鋳造素材の製造方法においては、撹拌にて樹枝状の固相を剪断する必要があったため、撹拌のための装置(電磁撹拌装置など)が必要となり、製造装置が大がかりなものとなって製造コストが嵩んでしまうという問題があった。しかして、本出願人は、結晶核が凝固に伴って成長する際、所定の条件下で冷却をコントロールすることにより固相が粒状化することを見出し、半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材をより簡易に且つ低コストで製造すべく鋭意検討するに至った。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、大がかりな製造装置を用いることなく、簡易に且つ低コストで半溶融成形法に適した素材を得ることができるアルミニウム合金鋳造素材の製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、アルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯することにより、半溶融成形に適した素材を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法において、円筒状の前記ステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が300℃以下及びその内径が5インチ以下の条件に設定し、単に前記アルミニウム合金溶湯を前記ステンレス容器に充填させるだけで、粒状化した初晶を得ることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、アルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯することにより、半溶融成形に適した素材を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法において、円筒状の前記ステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が400℃以下及びその内径が6インチ、且つ、その肉厚が7mm以上の条件に設定し、単に前記アルミニウム合金溶湯を前記ステンレス容器に充填させるだけで、粒状化した初晶を得ることを特徴とする。
請求項1及び請求項2の発明によれば、単にステンレス容器に注湯するアルミニウム合金溶湯の温度、当該ステンレス容器の大きさ(内径)及びその温度を所定条件に設定するだけで、等軸晶で粒状化した初晶を得ることができるので、大がかりな製造装置を用いることなく、簡易に且つ低コストで半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法は、所定条件下にてアルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯するものであり、図1に示すように、加熱により得られた保持炉2内のアルミニウム合金溶湯を、内径D及び肉厚Lとされた円筒状のステンレス容器1内に導入して半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材を得ようとするものである。
製造過程における所定条件は、内径Dが5インチ以下のステンレス容器1を用いる場合、当該ステンレス容器1に注湯されるアルミニウム合金溶湯の温度が640℃以下とされるとともに、ステンレス容器1の温度が300℃以下である。即ち、注湯するアルミニウム合金溶湯の温度と、ステンレス容器の温度及び内径とを上記条件とすれば、単に保持炉2内のアルミニウム合金溶湯をステンレス容器1に充填させるだけで、等軸晶で粒状化した初晶を持った素材が得られるのである。
また、内径Dが6インチのステンレス容器1を用いる場合は、当該ステンレス容器1に注湯されるアルミニウム合金溶湯の温度が640℃以下、当該ステンレス容器1の温度が400℃以下、且つ、ステンレス容器1の肉厚Lが7mm以上である。即ち、この場合も、注湯するアルミニウム合金溶湯の温度と、ステンレス容器の温度、内径及び肉厚を上記条件とすれば、単に保持炉2内のアルミニウム合金溶湯をステンレス容器1に充填させだけで、等軸晶で粒状化した初晶を持った素材が得られるのである。然るに、上記製法にて得られたアルミニウム合金鋳造材(半溶融素材)を一旦自然凝固させて保存するとともに、再加熱して半溶融状態とした後、金型のキャビティ内に押圧しつつ充填させ、製品を得るものとしている。
以下に、本実施形態の技術的優位性を立証し得る実験について説明する。かかる実験結果においては、実施例及び比較例に係るアルミニウム合金鋳造素材をそれぞれ所定条件下にて製造し、自然冷却させた後、半溶融温度領域まで再加熱したときの組織を顕微鏡写真にて比較したものである。
まず、内径Dが3インチのステンレス容器を用いた場合における当該ステンレス容器の温度の影響について実験した。勿論、他の条件については略同一(特に、注湯温度は635℃以下)としてある。
(実施例1)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが10mm
(実施例2)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが6mm
(実施例3)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが4mm
(実施例4)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが0.5mm
(比較例1)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが4mm
(比較例2)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが2mm
(比較例3)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが0.5mm
(比較例4)ステンレス容器の温度が500℃、その肉厚Lが10mm
(比較例5)ステンレス容器の温度が500℃、その肉厚Lが6mm
上記実施例1〜実施例4、及び比較例1〜比較例5における顕微鏡写真を図2及び図3に示す。尚、実施例1が図2(a)、実施例2が同図(b)、実施例3が同図(c)及び実施例4が同図(d)でそれぞれ示されており、比較例1が図3(a)、比較例2が同図(b)、比較例3が同図(c)、比較例4が同図(d)及び比較例5が同図(e)でそれぞれ示されている。
これら顕微鏡写真によれば、固相(図中相対的に白い箇所)の形状を比較することができ、実施例1〜実施例4のものは、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたことが分かる一方、比較例1〜比較例5のものは、アメーバー(いびつな形)状の固相であることが分かる。従って、実施例1〜実施例4のものは、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材であると認められる。
同様に、ステンレス容器の温度及び肉厚Lを他の条件下にて行った同様の実験結果を以下の表1に示す。尚、表中の丸印は、図1の如く等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたものであり、バツ印は、図2の如くアメーバー(いびつな形)状の固相となったものである。
上記表からも分かるように、内径Dが3インチのステンレス容器を用いた場合、ステンレス容器の温度を300℃以下としてアルミニウム合金溶湯を注湯すれば、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が形成され、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
次に、内径Dが4インチのステンレス容器を用いた場合における当該ステンレス容器の温度の影響について実験した。勿論、他の条件については略同一(特に、注湯温度は635℃以下)としてある。
(実施例5)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが10mm
(実施例6)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが7mm
(実施例7)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが5mm
(実施例8)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが0.5mm
(比較例6)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが10mm
(比較例7)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが0.5mm
(比較例8)ステンレス容器の温度が500℃、その肉厚Lが5mm
上記実施例5〜実施例8、及び比較例6〜比較例8における顕微鏡写真を図4及び図5に示す。尚、実施例5が図4(a)、実施例6が同図(b)、実施例7が同図(c)及び実施例8が同図(d)でそれぞれ示されており、比較例6が図5(a)、比較例7が同図(b)及び比較例8が同図(c)でそれぞれ示されている。
これら顕微鏡写真によれば、固相(図中相対的に白い箇所)の形状を比較することができ、実施例5〜実施例8のものは、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたことが分かる一方、比較例6〜比較例8のものは、アメーバー(いびつな形)状の固相であることが分かる。従って、実施例5〜実施例8のものは、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材であると認められる。
同様に、ステンレス容器の温度及び肉厚Lを他の条件下にて行った実験結果を以下の表2に示す。尚、表中の丸印は、図4の如く等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたものであり、バツ印は、図5の如くアメーバー(いびつな形)状の固相となったものである。
上記表からも分かるように、内径Dが4インチのステンレス容器を用いた場合、ステンレス容器の温度を300℃以下としてアルミニウム合金溶湯を注湯すれば、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が形成され、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
次に、内径Dが5インチのステンレス容器を用いた場合における当該ステンレス容器の温度の影響について実験した。勿論、他の条件については略同一(特に、注湯温度は635℃以下)としてある。
(実施例9)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが10mm
(実施例10)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが5mm
(実施例11)ステンレス容器の温度が300℃、その肉厚Lが0.5mm
(比較例9)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが10mm
(比較例10)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが5mm
(比較例11)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが0.5mm
上記実施例9〜実施例11、及び比較例9〜比較例11における顕微鏡写真を図6及び図7に示す。尚、実施例9が図6(a)、実施例10が同図(b)及び実施例11が同図(c)でそれぞれ示されており、比較例9が図7(a)、比較例10が同図(b)及び比較例11が同図(c)でそれぞれ示されている。
これら顕微鏡写真によれば、固相(図中相対的に白い箇所)の形状を比較することができ、実施例9〜実施例11のものは、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたことが分かる一方、比較例9〜比較例11のものは、アメーバー(いびつな形)状の固相であることが分かる。従って、実施例9〜実施例11のものは、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材であると認められる。
同様に、ステンレス容器の温度及び肉厚Lを他の条件下にて行った実験結果を以下の表3に示す。尚、表中の丸印は、図6の如く等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたものであり、バツ印は、図7の如くアメーバー(いびつな形)状の固相となったものである。
上記表からも分かるように、内径Dが5インチのステンレス容器を用いた場合、ステンレス容器の温度を300℃以下としてアルミニウム合金溶湯を注湯すれば、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が形成され、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
次に、内径Dが6インチのステンレス容器を用いた場合における当該ステンレス容器の温度の影響について実験した。勿論、他の条件については略同一(特に、注湯温度は635℃以下)としてある。
(実施例12)ステンレス容器の温度が常温、その肉厚Lが7mm
(実施例13)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが10mm
(実施例14)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが7mm
(比較例12)ステンレス容器の温度が常温、その肉厚Lが5mm
(比較例13)ステンレス容器の温度が400℃、その肉厚Lが5mm
(比較例14)ステンレス容器の温度が500℃、その肉厚Lが10mm
上記実施例12〜実施例14、及び比較例12〜比較例14における顕微鏡写真を図8及び図9に示す。尚、実施例12が図8(a)、実施例13が同図(b)及び実施例14が同図(c)でそれぞれ示されており、比較例12が図9(a)、比較例13が同図(b)及び比較例14が同図(c)でそれぞれ示されている。
これら顕微鏡写真によれば、固相(図中相対的に白い箇所)の形状を比較することができ、実施例12〜実施例14のものは、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたことが分かる一方、比較例12〜比較例14のものは、アメーバー(いびつな形)状の固相であることが分かる。従って、実施例12〜実施例14のものは、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材であると認められる。
同様に、ステンレス容器の温度及び肉厚Lを他の条件下にて行った実験結果を以下の表4に示す。尚、表中の丸印は、図8の如く等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたものであり、バツ印は、図9の如くアメーバー(いびつな形)状の固相となったものである。
上記表からも分かるように、内径Dが6インチのステンレス容器を用いた場合、ステンレス容器の温度を400℃以下とし、且つ、当該ステンレス容器の肉厚を7mm以上のものを用いてアルミニウム合金溶湯を注湯すれば、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が形成され、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
次に、内径Dが3インチのステンレス容器を用いた場合における注湯温度(注湯するアルミニウム合金溶湯の温度)の影響について実験した。勿論、他の条件については略同一としてある。
(実施例15)ステンレス容器の温度が100℃、注湯温度が635℃
(比較例15)ステンレス容器の温度が100℃、注湯温度が680℃
(比較例16)ステンレス容器の温度が100℃、注湯温度が665℃
(比較例17)ステンレス容器の温度が100℃、注湯温度が645℃
上記実施例15、及び比較例15〜比較例17における顕微鏡写真を図10に示す。尚、実施例15が同図(a)で示されており、比較例15が同図(b)、比較例16が同図(c)及び比較例17が同図(d)でそれぞれ示されている。
これら顕微鏡写真によれば、固相(図中相対的に白い箇所)の形状を比較することができ、実施例15のものは、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたことが分かる一方、比較例15〜比較例17のものは、樹枝状の固相であることが分かる。従って、実施例15のものは、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材であると認められる。
同様に、ステンレス容器の温度及び肉厚Lを他の条件下にて行った実験結果を以下の表5に示す。尚、表中の丸印は、図10(a)の如く等軸晶で粒状化した固相(初晶)が得られたものであり、バツ印は、同図(b)〜(d)の如く樹枝状の固相となったものである。
上記表からも分かるように、ステンレス容器の温度を300℃以下とし、且つ、注湯温度を640℃以下としてアルミニウム合金溶湯を注湯すれば、等軸晶で粒状化した固相(初晶)が形成され、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得るアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
上記実験における実施例1〜実施例15から明らかなように、ステンレス容器に注湯されるアルミニウム合金溶湯の温度が640℃以下、当該ステンレス容器の温度が300℃以下及びその内径が5インチ以下の条件、或いは、ステンレス容器に注湯されるアルミニウム合金溶湯の温度が640℃以下、当該ステンレス容器の温度が400℃以下及びその内径が6インチ、且つ、その肉厚が7mm以上の条件に設定した後、単に保持炉2内のアルミニウム合金溶湯をステンレス容器1に充填させるだけで、等軸晶で粒状化した初晶を得ることができるので、大がかりな製造装置を用いることなく、簡易に且つ低コストで半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材を得ることができる。
ここで、本発明においては、上記の如く本製法にて得られたアルミニウム合金鋳造材(半溶融素材)を一旦自然凝固させて保存するとともに、再加熱して半溶融状態とした後、金型のキャビティ内に押圧しつつ充填させ、製品を得るもの(チクソキャスティング)の他、当該本製法にて得られたアルミニウム合金鋳造材(半溶融素材)を金型のキャビティ内に押圧しつつ充填させ、製品を得る(レオキャスティング)ものの両者に適用することができる。即ち、当該条件において容器に注湯されたアルミニウム合金溶湯を半溶融温度領域まで冷却し、そのまま保持した場合においても、自然冷却および固化した後、再加熱した場合と同様に結果が得られることから、チクソキャスティング及びレオキャスティングに拘わらず、上記製造条件とすれば、半溶融成形法に適したアルミニウム合金鋳造素材を得ることができるのである。
円筒状のステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が300℃以下及びその内径が5インチ以下の条件、或いは円筒状のステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が400℃以下及びその内径が6インチ、且つ、その肉厚が7mm以上の条件に設定し、単に前記アルミニウム合金溶湯を前記ステンレス容器に充填させるだけで、粒状化した初晶を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法であれば、他の製造工程等を付加したもの等にも適用することができる。
本発明の実施形態に係るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法を説明するための模式図 本発明の実施例1〜実施例4の顕微鏡写真 本発明の比較例1〜比較例5の顕微鏡写真 本発明の実施例5〜実施例8の顕微鏡写真 本発明の比較例6〜比較例8の顕微鏡写真 本発明の実施例9〜実施例11の顕微鏡写真 本発明の比較例9〜比較例11の顕微鏡写真 本発明の実施例12〜実施例14の顕微鏡写真 本発明の比較例12〜比較例14の顕微鏡写真 本発明の実施例15及び比較例15〜比較例17の顕微鏡写真
符号の説明
1 ステンレス容器
2 保持炉
D 内径
L 肉厚

Claims (2)

  1. アルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯することにより、半溶融成形に適した素材を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法において、
    円筒状の前記ステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が300℃以下及びその内径が5インチ以下の条件に設定し、単に前記アルミニウム合金溶湯を前記ステンレス容器に充填させるだけで、粒状化した初晶を得ることを特徴とするアルミニウム合金鋳造素材の製造方法。
  2. アルミニウム合金溶湯をステンレス容器内に注湯することにより、半溶融成形に適した素材を得るアルミニウム合金鋳造素材の製造方法において、
    円筒状の前記ステンレス容器へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下、当該ステンレス容器の温度が400℃以下及びその内径が6インチ、且つ、その肉厚が7mm以上の条件に設定し、単に前記アルミニウム合金溶湯を前記ステンレス容器に充填させるだけで、粒状化した初晶を得ることを特徴とするアルミニウム合金鋳造素材の製造方法。
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