JP7351470B1 - 半溶融金属の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して得られる製品の品質を向上させることができる半溶融金属の成形方法を提供する。【解決手段】粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットBを成形した後、ビレット再加熱用容器7に半溶融成形用のビレットBを収容し、外側に加熱装置Hを配置して再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型に投入する半溶融金属の成形方法であって、ビレット成形用ステンレス容器1は、径が大きい端面B1と径が小さい端面B2を有した円錐台状のビレットBを成形するとともに、ビレット再加熱用容器7は、上方が開口しつつ底部7aを有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面B1が開口7b側及び径が小さい端面B2が底部7a側となる状態でビレットBを収容して再加熱されるものである。【選択図】図10

Description

本発明は、アルミニウム合金溶湯を充填させるだけで、粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットを成形した後、再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型に投入する半溶融金属の成形方法に関するものである。
半溶融成形法は、固相と液相とが共存状態となった半溶融素材(例えばアルミニウム合金鋳造素材)を金型内に充填した後、冷却固化して製品を得る方法であり、固液共存域より成形し得ることから、冷却速度を速め、製品の機械的性質を向上させ得るという効果があり、近年注目されるに至っている。しかるに、冷却速度が速くなれば、成形時の凝固も速くなることから、素材を短時間で金型内に充填する必要がある。
したがって、素材を短時間で金型内に充填するためには、金型への流動性(即ち、充填性)が良好であり、短時間で金型内に充填され得る半溶融素材が半溶融成形に適しており、そのような特性を得るには、粒状化した固相(初晶)を持つ半溶融素材とすることが必要とされる。このような半溶融素材を得るため、従来、結晶核が凝固に伴って成長する際、所定の条件のとき、アルミニウム合金溶湯を充填させるだけで、粒状化した初晶を得ることができる技術が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
また、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して所望の製品を成形する場合、上記の如く得られた粒状化した初晶を有する半溶融金属を冷却固化してビレット(半溶融成形用のビレット)を成形した後、そのビレットを再加熱して半溶融金属を生成し、成形金型に投入する必要がある。
特開2010-155262号公報 特開2007-181874号公報
しかしながら、上記特許文献1、2においては、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して所望の製品を成形するため、ビレットを再加熱する技術について開示がなく、例えばビレット再加熱用容器にビレットを収容して加熱する際、ビレットから液だれ部分が生じることがあり、その液だれ部分を含む半溶融金属を成形金型に投入すると、液だれ部分が製品に混入して品質を悪化させてしまう虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して得られる製品の品質を向上させることができる半溶融金属の成形方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、アルミニウム合金溶湯を注湯してビレットを成形可能とされたステンレス製の円筒状容器から成り、内径が5インチ以下及び注湯前の温度が300℃以下に設定されたビレット成形用ステンレス容器を用い、前記アルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下の条件とし、アルミニウム合金溶湯を充填させるだけで、粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットを成形した後、ビレット再加熱用容器に前記半溶融成形用のビレットを収容し、外側に加熱装置を配置して再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型に投入する半溶融金属の成形方法であって、前記ビレット成形用ステンレス容器は、両端が開口し、内周面が一方の開口端部から他方の開口端部に向かって拡径するように勾配して構成され、径が大きい端面と径が小さい端面を有した円錐台状の半溶融成形用のビレットを成形するとともに、前記ビレット再加熱用容器は、上方が開口しつつ底部を有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面が前記開口側及び径が小さい端面が前記底部側となる状態で前記半溶融成形用のビレットを収容して再加熱されるものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半溶融金属の成形方法において、前記ビレット再加熱用容器の前記開口から半溶融金属を成形金型に投入する際、前記ビレット再加熱用容器の開口側の半溶融金属が前記成形金型のプロフィル部に投入され、続いて前記底部に溜まった液だれ部分が投入されて成形品のビスケット部に含有されるものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の半溶融金属の成形方法において、板状のパレットの上面に前記ビレット成形用ステンレス容器の前記他方の開口端部を密着させ、その内部空間に対して前記一方の開口端部からアルミニウム合金溶湯を注湯した後、冷却固化させることにより径が大きい端面が前記パレットに密着した状態の前記半溶融成形用のビレットを形成することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の半溶融金属の成形方法において、前記ビレット成形用ステンレス容器は、外周面において、少なくとも前記一方の開口端部と、前記他方の開口端部と、前記一方の開口端部及び前記他方の開口端部の間に位置する中間部とに肉厚寸法が他の部位より大きいリング部がそれぞれ形成されたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の半溶融金属の成形方法において、前記ビレット再加熱用容器の加熱は、高周波コイルによる加熱とされることを特徴とする。
本発明によれば、ビレット成形用ステンレス容器は、両端が開口し、内周面が一方の開口端部から他方の開口端部に向かって拡径するように勾配して構成され、径が大きい端面と径が小さい端面を有した円錐台状の半溶融成形用のビレットを成形するとともに、ビレット再加熱用容器は、上方が開口しつつ底部を有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面が開口側及び径が小さい端面が底部側となる状態で半溶融成形用のビレットを収容して再加熱されるので、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して得られる製品の品質を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る半溶融金属の成形方法に適用されるビレット成形用ステンレス容器を示す正面図、平面図及び底面図 図1におけるII-II線断面図 同ビレット成形用ステンレス容器をパレット上に載置した状態を示す斜視図 同ビレット成形用ステンレス容器内にアルミニウム合金溶湯を充填させた状態を示す断面図 同ビレット成形用ステンレス容器から取り出されたビレットを示す断面図 同ビレット成形用ステンレス容器から取り出されたビレットを示す斜視図 同ビレット成形用ステンレス容器のリング部に工具を係止した状態を示す斜視図 同ビレット成形用ステンレス容器の複数のリング部にそれぞれ工具を係止した状態を示す斜視図 本発明の実施形態に係る半溶融金属の成形方法に適用されるビレット再加熱用容器を示す斜視図 同ビレット再加熱用容器を示す縦断面図 同ビレット再加熱用容器で得られた半溶融金属を成形金型に投入する状態を示す模式図 本発明の他の実施形態に係るビレット成形用ステンレス容器を示す斜視図 本発明のさらに他の実施形態に係るビレット成形用ステンレス容器を示す斜視図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る半溶融金属の成形方法は、所定条件下にてアルミニウム合金溶湯を充填させるだけで粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットBを成形した後、ビレットBを再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型に投入する方法であり、ビレット成形用ステンレス容器1と、ビレット再加熱用容器7とを用いて行われる。
本実施形態で使用されるビレット成形用ステンレス容器1は、上方に向かって開口した一方の開口端部1a及び下方に向かって開口した他方の開口端部1bを有するとともに、内周面1d及び外周面1eを有したステンレス製の円筒状容器から成り、図1、2に示すように、内周面1dが一方の開口端部1aから他方の開口端部1bに向かって拡径するように勾配するとともに、外周面1eにおいて、少なくとも一方の開口端部1aと、他方の開口端部1bと、一方の開口端部1a及び他方の開口端部1bの間に位置する中間部1cとに肉厚寸法tが他の部位より大きいリング部(2~4)がそれぞれ形成されている。
しかるに、ビレット成形用ステンレス容器1は、その内周面1dが一方の開口端部1aから他方の開口端部1bに向かって連続的に拡径するように勾配して構成されており、一方の開口端部1aの内径がD1及び他方の開口端部1bの内径がD2となっている。すなわち、ビレット成形用ステンレス容器1は、一方の開口端部1aの内径D1の方が他方の開口端部1bの内径D2より小さく設計されている。そして、図3、4に示すように、板状のパレット5の上面に他方の開口端部1bを密着させることにより、アルミニウム合金溶湯を注湯可能な内部空間が形成され、その内部空間で円錐台状のビレットBを成形可能とされている。
また、リング部(2~4)は、ビレット成形用ステンレス容器1の外周面1eにおいて側方に向かって一体的に突出した凸形状から成り、例えば外周面1eを切削加工することにより形成される。具体的には、リング部2は、一方の開口端部1aの近傍に形成されるとともに、リング部3は、他方の開口端部1bの近傍に形成されており、リング部2、3の間の領域である中間部1cにリング部4が形成されている。
また、リング部(2~4)の肉厚寸法tは、他の部位(リング部が形成されない部位)の肉厚寸法wより大きく設定されており、耐変形性が向上されている。したがって、内部空間にアルミニウム合金溶湯が注湯されてビレット成形用ステンレス容器1が繰り返し加熱された場合であっても、リング部(2~4)にて耐変形性が向上されており、長期の使用に亘っても変形を抑制し得るようになっている。
ここで、本実施形態に適用されるアルミニウム合金鋳造素材の製造過程における所定条件は、ビレット成形用ステンレス容器1の内径(一方の開口端部1aの内径D1及び他方の開口端部1bの内径D2)が5インチ以下、当該ビレット成形用ステンレス容器1へのアルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下とされるとともに、ビレット成形用ステンレス容器1の注湯前の温度が300℃以下である。
すなわち、注湯するアルミニウム合金溶湯の温度と、ビレット成形用ステンレス容器1の温度及びその内径とを上記条件とすれば、単にアルミニウム合金溶湯をビレット成形用ステンレス容器1に充填させるだけで、等軸晶で粒状化した初晶を有した半溶融金属を形成することができ、その半溶融金属を所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットBを得ることができるのである。
上記の如き所定条件下の製造によれば、単にビレット成形用ステンレス容器1に注湯するアルミニウム合金溶湯の温度、当該ビレット成形用ステンレス容器1の大きさ(内径D1、D2)及びその温度を所定条件に設定し、ビレット成形用ステンレス容器1に注湯するだけで、等軸晶で粒状化した初晶を有した半溶融金属を得ることができるので、大がかりな製造装置を用いることなく、簡易に且つ低コストで粒状化した半溶融成形用のビレットBを得ることができる。
このように、上記所定条件を前提として、図4に示すように、ビレット成形用ステンレス容器1の他方の開口端部1bをパレット5に密着させ、その内部空間に一方の開口端部1aからアルミニウム合金溶湯を注湯して粒状化した初晶を有した半溶融金属を得た後、所定時間放置して冷却固化させることにより、ビレット成形用ステンレス容器1の内周面1dに倣った円錐台形状の半溶融成形用のビレットBが成形されることとなる。
その後、図7に示すように、リング部2に工具6を係止させ、その工具6を上方に移動させてビレット成形用ステンレス容器1を持ち上げることにより、図5に示すように、ビレット成形用ステンレス容器1からビレットBを取り出してパレット5の上面にビレットBが載置されることとなる。パレット5上に載置された半溶融成形用のビレットBは、図6に示すように、径が大きい端面B1と径が小さい端面B2を有した円錐台形状の金属塊から成り、径が大きい端面B1がパレット5に密着した状態で載置されている。
工具6は、ビレット成形用ステンレス容器1の外径に合致した2本の係止アーム6aを具備しており、一方の開口端部1aに形成されたリング部2の下部に係止アーム6aを挿通させることによりリング部2に係止して持ち上げ可能とされている。なお、本実施形態においては、専ら一方の開口端部1aに形成されたリング部2に係止する係止アーム6aが形成されているが、リング部2に加え(或いはリング部2に代え)、図8に示すように、中間部1cに形成されたリング部4に係止する係止アーム6bを具備するものとしてもよい。
このようにビレット成形用ステンレス容器1を持ち上げてビレットBを取り出す際、内周面1dが一方の開口端部1aから他方の開口端部1bに向かって拡径するように勾配しているため、ビレットBを円滑に取り出すことができる。特に、本実施形態に係るビレット成形用ステンレス容器1は、リング部(2~4)によって長手方向に亘って変形が抑制されているので、勾配を長期に亘って維持することができ、ビレットBの取り出しを確実に行わせることができる。なお、ビレット成形用ステンレス容器1の内周面1dには、予め離型剤が塗布されるのが好ましい。
上記のように得られたビレットBは、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して所望の製品を成形するため、成形工程前に再加熱されて再び半溶融金属(半溶融素材)とされる。かかる再加熱時においては、図9、10に示すように、上方が開口しつつビレットBの外径に合わせた底部7aを有するビレット再加熱用容器7を使用する。かかるビレット再加熱用容器7は、セラミック製容器から成り、内部にビレットBを収容しつつ例えば高周波コイルによる加熱が可能とされている。
すなわち、本実施形態に係る半溶融金属の成形方法は、ビレット成形用ステンレス容器1の内径(D1、D2)が5インチ以下及び注湯前の温度が300℃以下に設定され、アルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下の条件のとき、ビレット成形用ステンレス容器1にアルミニウム合金溶湯を充填させるだけで粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットBを成形した後、ビレット再加熱用容器7に半溶融成形用のビレットBを収容し、外側に加熱装置Hを配置して再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型Kに投入するものとされている。
かかるビレット再加熱用容器7は、図9、10に示すように、上方が開口しつつ底部7aを有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面B1が開口7b側及び径が小さい端面B2が底部7a側となる状態で半溶融成形用のビレットBを収容する。そして、かかるビレット再加熱用容器7を使用してビレットBを再加熱するためには、図10に示すように、ビレット再加熱用容器7内にビレットBを収容した状態で外側に加熱装置H(高周波コイル等)を配設し、加熱装置Hで発生する熱により加熱して溶融させる。
このように再加熱することにより、ビレットBが溶融して半溶融金属Yを得ることができるとともに、最初に液だれした部分が底部7aに溜まるので、図11に示すように、ビレット再加熱用容器7を傾斜させて開口7bから半溶融金属Yを成形金型Kに投入する際、ビレット再加熱用容器7の上部側の半溶融金属Yが先に投入され、続いて底部7aに溜まった液だれ部分が投入されることとなる。
しかるに、例えば、図11(a)~11(c)に示すように、プロフィル部Ka(製品形状部)が形成された成形金型K(可動型及び固定型)を使用する場合について説明する。まず、図11(a)に示すように、ビレット再加熱用容器7を傾斜させて開口7bから半溶融金属Yを成形機NのスリーブMに投入する。そして、図11(b)に示すように、プランジャPを作動させ、半溶融金属Yを成形金型Kのプロフィル部Kaに充填させるとともに冷却固化することにより、成形品Jを得ることができる。その後、図11(c)に示すように、金型Kを離間させることにより、成形品Jを取り出すことができる。かかる成形品Jは、プロフィル部Kaで成形された製品部Jaとビスケット部Jbとが連なって形成されているため、ビスケット部Jbを切除することにより、製品となる製品部Jaを得ることができる。
このように、成形金型Kのプロフィル部Ka(製品形状部)には、底部7aの液だれ部分が投入されないので、成形品Jにおける製品部Jaには含有されずビスケット部Jbに含有することとなり、製品部Ja(製品)に液だれ部分が混入することを回避することができるとともに、液だれ部分の廃棄を防止して有効活用することができる。すなわち、ビレット再加熱用容器7内においては、図10に示すように、ビレットBが底部7aに向かって縮径する状態となるため、再加熱によって液だれした部分が底部7aに滴下して溜まりやすくなっているのである。また、本実施形態に係るビレット再加熱用容器7は、底部7aを有したセラミック製容器から成るので、高い耐熱性を有するとともに、再加熱後における成形金型Kまでの搬送を容易に行わせることができる。
さらに、径が大きい端面B1が開口7b側となる状態で半溶融成形用のビレットBを収容して加熱するので、半溶融成形用のビレットBの径が小さい端面B2に生じたひけ巣によって形成されたくぼみによる空気の巻き込みを抑制することができる。すなわち、ビレット成形用ステンレス容器1内で半溶融金属を冷却固化してビレットBを生成する際、図4に示すように、径が小さい端面B2が外気に晒された状態となるため、ひけ巣が生じやすくなっている。
よって、径が小さい端面B2が開口7b側となる状態でビレットBを収容して加熱して成形金型Kに投入すると、ひけ巣により形成されたくぼみにより空気がプロフィル部Kaに巻き込まれてしまう虞がある。これに対し、本実施形態によれば、ビレットBの径が小さい端面B2を底部7a側に位置させるので、径が小さい端面B2にひけ巣が生じていても、そのひけ巣に起因する空気の巻き込みを抑制することができるのである。
本実施形態によれば、ビレット成形用ステンレス容器1は、両端が開口し、内周面が一方の開口端部から他方の開口端部に向かって拡径するように勾配して構成され、径が大きい端面と径が小さい端面を有した円錐台状の半溶融成形用のビレットBを成形するとともに、ビレット再加熱用容器7は、上方が開口しつつ底部7aを有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面B1が開口7b側及び径が小さい端面B2が底部7a側となる状態で半溶融成形用のビレットBを収容して再加熱されるので、製品に液だれ部が混入するのを抑制することができ、半溶融成形法(チクソキャスティング法)を適用して得られる製品の品質を向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、ビレット再加熱用容器7の開口7bから半溶融金属を成形金型Kに投入する際、ビレット再加熱用容器7の開口7b(上部)側の半溶融金属Yが成形金型Kのプロフィル部Kaに投入され、続いて底部7aに溜まった液だれ部分が投入されて成形品のビスケット部に含有されるので、製品に液だれ部が混入するのを確実に抑制することができるとともに、液だれ部を有効活用することができる。
また、板状のパレット5の上面にビレット成形用ステンレス容器1の他方の開口端部1bを密着させ、その内部空間に対して一方の開口端部1aからアルミニウム合金溶湯を注湯した後、冷却固化させることにより径が大きい端面B1がパレット5に密着した状態の半溶融成形用のビレットBを形成するので、再加熱時、ビレットBを容易にビレット再加熱用容器7に収容させることができる。
さらに、ビレット成形用ステンレス容器1は、外周面において、少なくとも一方の開口端部1aと、他方の開口端部1bと、一方の開口端部1a及び他方の開口端部1bの間に位置する中間部1cとに肉厚寸法が他の部位より大きいリング部(2~4)がそれぞれ形成されたので、アルミニウム合金溶湯を充填させるだけで粒状化した初晶を得ることができる条件を満たしつつ、繰り返し使用した場合であっても熱による変形を抑制してビレットBの取り出し作業を良好に行わせることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、上記実施形態の如く中間部1cに1本のリング部4が形成されたものの他、中間部1cに複数のリング部4が形成されたものであってもよく、例えば図12に示すように、2本のリング部4a、4bが形成されたものとすることができる。このように、リング部4を中間部1cに複数形成すれば、中間部1cの耐熱特性を向上させることができ、熱による中間部1cの変形を確実に抑制してビレットBの取り出し作業を確実に行わせることができる。
また、図13に示すように、長手方向に分割して構成され、組み合わせた状態で円筒形状となってアルミニウム合金溶湯を充填可能とされるとともに、ビレットBの取り出し時に分解可能とされたものであってもよい。このように、長手方向に分割構成され、ビレットBの取り出し時に分解可能とすれば、ビレットBの取り出しを円滑かつ確実に行わせることができる。
さらに、ビレット再加熱用容器7は、径が大きい端面B1が開口7b側及び径が小さい端面B2が底部7a側となる状態でビレットBを収容するとともに、加熱装置にて再加熱し得る容器であれば、他の材質から成るものであってもよい。またさらに、再加熱時に使用する加熱装置は、高周波コイルを用いることにより効率的に加熱することができる、他の形態の加熱装置を用いてもよい。
本発明と同様の趣旨であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
1 ビレット成形用ステンレス容器
1a 一方の開口端部
1b 他方の開口端部
1c 中間部
1d 内周面
1e 外周面
2~4 リング部
5 パレット
6 工具
7 ビレット再加熱用容器
7a 底部
7b 開口
B 半溶融成形用のビレット
B1 径が大きい端面
B2 径が小さい端面
K 成形金型
Ka プロフィル部
J 成形品
Ja 製品部
Jb ビスケット部
H 加熱装置

Claims (5)

  1. アルミニウム合金溶湯を注湯してビレットを成形可能とされたステンレス製の円筒状容器から成り、内径が5インチ以下及び注湯前の温度が300℃以下に設定されたビレット成形用ステンレス容器を用い、前記アルミニウム合金溶湯の注湯温度がそのアルミニウム合金溶湯における凝固開始温度以上640℃以下の条件とし、アルミニウム合金溶湯を充填させるだけで、粒状化した初晶を有した半溶融金属を得るとともに所定時間経て冷却固化することにより半溶融成形用のビレットを成形した後、
    ビレット再加熱用容器に前記半溶融成形用のビレットを収容し、外側に加熱装置を配置して再加熱することにより得られた半溶融金属を成形金型に投入する半溶融金属の成形方法であって、
    前記ビレット成形用ステンレス容器は、両端が開口し、内周面が一方の開口端部から他方の開口端部に向かって拡径するように勾配して構成され、径が大きい端面と径が小さい端面を有した円錐台状の半溶融成形用のビレットを成形するとともに、前記ビレット再加熱用容器は、上方が開口しつつ底部を有したセラミック製容器から成り、径が大きい端面が前記開口側及び径が小さい端面が前記底部側となる状態で前記半溶融成形用のビレットを収容して再加熱される、半溶融金属の成形方法。
  2. 前記ビレット再加熱用容器の前記開口から半溶融金属を成形金型に投入する際、前記ビレット再加熱用容器の開口側の半溶融金属が前記成形金型のプロフィル部に投入され、続いて前記底部に溜まった液だれ部分が投入されて成形品のビスケット部に含有される、請求項1記載の半溶融金属の成形方法。
  3. 板状のパレットの上面に前記ビレット成形用ステンレス容器の前記他方の開口端部を密着させ、その内部空間に対して前記一方の開口端部からアルミニウム合金溶湯を注湯した後、冷却固化させることにより径が大きい端面が前記パレットに密着した状態の前記半溶融成形用のビレットを形成することを特徴とする請求項2記載の半溶融金属の成形方法。
  4. 前記ビレット成形用ステンレス容器は、外周面において、少なくとも前記一方の開口端部と、前記他方の開口端部と、前記一方の開口端部及び前記他方の開口端部の間に位置する中間部とに肉厚寸法が他の部位より大きいリング部がそれぞれ形成されたことを特徴とする、請求項1記載の半溶融金属の成形方法。
  5. 前記ビレット再加熱用容器の加熱は、高周波コイルによる加熱とされることを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の半溶融金属の成形方法。
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