JP4084792B2 - リムレス眼鏡のレンズ連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、リムレス眼鏡におけるレンズ連結構造に関する。
詳しくは、レンズとブラケットとを常に一定の締付け力で確実に連結できるリムレス眼鏡のレンズ連結構造に関するものである。
従来、安定してレンズをブラケット(いわゆるヨロイ)等に取り付けることができるようにするために、レンズに溝を形成してこの溝にブラケット等を嵌合させる種々の連結方法が採用されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
このようにすると回止めやガタツキ防止が抑えられるのである。
特開平11−326838号公報 特開2004−12732号公報 登録実用新案第3043006号公報 登録実用新案第3053252号公報
しかしながら、視力矯正用のレンズの場合は、一枚のレンズでもレンズ表面と裏面との間の間隔、いわゆるレンズ厚が一定となっていない。
そのため例え特許文献1〜4に記載のようにレンズにブラケットを嵌合させる溝を形成しても、溝が形成された側と反対側に備えられるナットの水平面と、該ブラケットが嵌合する溝の底面とが平行にならず、安定したレンズとブラケットとの締付けを行うことができなかった。
すなわち、ナットを締め付けたときにレンズ表面にナットの水平な面がフィットせずに一部のみ接触して局所的な力が加わるのである。
その結果、レンズに傷が付いたりネジが曲がったり、極端には折れるような欠点があった。
このように適正な締付け力を確実に得るということが困難となる。
更にまた、締付け状態が安定しないため、眼鏡フレーム側からの応力によりネジが経時的に緩んできてフレームがガタ付いてしまうことも欠点である。
したがって、特許文献1〜4に開示されたような回止めやガタツキの防止用の溝を形成しただけでは、実際の使用条件を考慮すると品質的に十分なものではなかった。
ちなみに、ダミーレンズの場合は、度数がないためレンズ表面と裏面との間隔、いわゆるレンズ厚が一定にされ、レンズの断面形状は2本の平行な曲線を有する。
そのため、ナットの水平面とレンズと当接するブラケットの接触面とが平行になり、安定してレンズとブラケットとの締付けを行うことができる。
本発明は、かかる背景技術をもとになされたもので、上記の背景技術の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明は、眼鏡部品やレンズを損傷することなく確実にしかも安定して眼鏡部品とレンズを連結することができ、且つ経時的にフレームがガタ付いてしまうことのないリムレス眼鏡のレンズ連結構造を提供することを目的とする。
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、ナットが取り付けられる側のレンズ表面にナット挿入用の座繰り穴を形成し、この座繰り穴の底面とブラケット嵌合用の溝の底面とを平行にすることによりフィット性が極めてよくなり、上記の問題点を解決することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
すなわち、(1)、本発明は、レンズと、該レンズと連結する眼鏡部品と、を有するリムレス眼鏡のレンズ連結構造であって、前記レンズには、該レンズの表面又は裏面にレン ズ外周面から形成され前記眼鏡部品を嵌合させるための溝部と、該溝部に垂直に開口され且つ前記眼鏡部品と一体又は別体とされる取付け軸を挿入するための挿入穴と、該挿入穴と同心を有するように該挿入穴に連通し且つ前記溝部と反対側に形成される座繰り穴と、が形成され、前記溝部の底面と前記座繰り穴の底面とを、レンズの光軸に対して特定の角 度で平行に形成し、前記挿入穴に挿入された前記取付け軸に締め付け部材を取り付けることで、前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させるリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、()、前記眼鏡部品はブラケット又はブリッジである上記(1)記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、(3)、前記締付け部材はナットであり、前記取付け軸であるネジと該ナットとを螺合させることで、前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させる上記(1)記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、(4)、前記締付け部材はテーパナットであり、前記挿入穴は該テーパナットを嵌合するためにテーパ状に形成され、前記取付け軸であるネジと該テーパナットとを螺合させることで、前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させる上記(1)記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。


そしてまた、()、前記締付け部材は、抜止め用突起が形成されたピンを挿入するためのピン穴が形成された弾性を有する圧入スリーブであり、前記ピンに該圧入スリーブを圧入することで、前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させる上記()記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、()、前記ピンは接着剤を用いて前記圧入スリーブに固定される上記()記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、()、前記溝部と、該溝部と嵌合する前記眼鏡部品と、の間にレンズ割れを防止するための緩衝材が設けられる上記(1)記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、()、前記緩衝材の代わりに、前記溝部又は前記眼鏡部品に弾性を有する塗料が塗布される上記()記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
そしてまた、()、前記緩衝材の材質は弾性を有するプラスチックとされる上記()記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造に存する。
なお、本発明の目的に沿ったものであれば、上記(1)から()を適宜組み合わせた構成も採用可能である。

本発明によれば、レンズの表面又は裏面に形成され前記眼鏡部品を嵌合させるための溝部と、該溝部に垂直に開口され且つ前記眼鏡部品と一体又は別体とされる取付け軸を挿入するための挿入穴と、該挿入穴と同心を有するように該挿入穴に連通し且つ前記溝部と反対側に形成される座繰り穴と、がレンズに形成され、前記挿入穴に挿入された前記取付け軸に締付け部材を取り付けることでレンズと眼鏡部品とを連結させるので、締付け部材の水平面と眼鏡部品のレンズと当接する面とが必ず平行になり、眼鏡部品やレンズを損傷することなく確実に眼鏡部品とレンズを連結することができ、且つ経時的にフレームがガタ付いてしまうのを防ぐことができる。
レンズの表裏に溝部と座繰り穴が形成されるので、レンズ以外の部材のはみ出し部分が極力少なくなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第1実施形態を用いた眼鏡を示している。
眼鏡1は、一対のレンズ(例えばポリカーボネート樹脂製)2と、この一対のレンズ2に跨って固定されるブリッジ3と、レンズ2のブリッジ側と反対側に固定されるブラケット4と、該ブラケット4に回動自在に取り付けたテンプル5とを備えている。
図2は、リムレス眼鏡のレンズ連結構造の第1の例を示している。
図2(a)に示すように、レンズ2には、該レンズ2の表面2aに形成され眼鏡部品であるブラケット4を嵌合させるための溝部2bが形成されている。
またレンズ2には、溝部2bに対して、詳しくは溝部2bの底面に対して垂直に開口される挿入穴2cが形成されている。
この挿入穴2cはブラケット4と一体となった取付け軸(ここではネジ6)を挿入するための穴である。
更にレンズ2には、上記挿入穴2cと同心を有するように連通し且つ溝部2bと反対側に形成される座繰り穴2dが、形成されている。
そして、溝部2bの底面と座繰り穴2dの底面とは平行に形成されている。
ブラケット4は弓形にされ、溝部2bと嵌合する先端部分、すなわちネジ6が固定された部分は平らな面4aとなっている。
ネジ6はこの平らな面4aと垂直方向に立設されており、このネジ6を挿入穴2cに沿って挿入すると、平らな面4aは溝部2bの底面と正確に面接触する。
そして、レンズ2とブラケット4とを連結する場合の例を説明すると、先ず、ブラケット4を例えば右手摘みながら左手で把持したレンズ2に近づけ、レンズ2の表面2a側からネジ6の先を挿入穴2cに挿入する。
そしてブラケット4の平らな面4aと溝部2bの底面とを面接触させる。
次いで、ブラケット4をレンズ2に押し当てた状態でブラケット4とレンズ2を一体的に左手で持ち替える。
次いで、締付け部材であるナット7を右手で取って、ネジ6に適宜の力で螺合させ、仮止めをする。
そして、最後に工具を用いてナット7をレンズ2に対して強く締め付ける。
その結果、図2(b)に示すように、レンズ2とブラケット4とは連結される。
この場合、ナット7の水平面が座繰り穴2dの底面と面接触して圧接状態となり、ガタ付き等は全くない。
図3は、リムレス眼鏡のレンズ連結構造の第2の例を示している。
なお、第1の例と共通する点については説明を省略又は簡略化する。
図3(a)に示すように、この第2の例では第1の例で用いた締付け部材、すなわちナット7、の代わりにテーパナット8が用いられている。
そのため、挿入穴2cは該テーパナット8を嵌合するためにテーパ状に形成されている。
また、テーパナット8にはフランジ部8bが形成されており、輪環状のフランジ部8bには、専用ドライバーを係合させるための切込み8cが設けられている。
ネジ6にテーパナット8を螺合する場合は、ネジ6が挿入穴2cに挿通された状態でその先にテーパナット8をネジ込んで回転させる。
ネジ6はテーパナット8のネジ穴8aに螺合して行くことで、レンズ2は徐々に締め付けられ、やがてフランジ部8bの水平面が座繰り穴2dの底面に圧接される。
これでレンズ2とブラケット4とは強固に連結された状態となる(図3(b)参照)。
テーパナット8の水平面、すなわちフランジ部8bの水平面は座繰り穴2dの底面に面接触して圧接状態となっている。
なお、テーパ状の挿入穴2cとテーパナット8との寸法関係は、丁度、締め付けが完了した段階で、テーパナット8の水平面、すなわちフランジ部8bの水平面が、座繰り穴2dの底面に面接触して圧接されるように設定する。
図4は、リムレス眼鏡のレンズ連結構造の概略の第3の例を示している。
なお、第1の例と共通する点については説明を省略又は簡略化する。
図4(a)に示すように、この第3の例では第1の例で用いた締付け部材、すなわちナット7の代わりに、弾性を有する材料、例えばプラスチックで形成された圧入スリーブ9が用いられる。
そして、ブラケット4の平らな面4aには、取付け軸としてネジ6の代わりにピン10が垂直方向に立設されている。
一方、圧入スリーブ9には、ピン10を挿入するためのピン穴9aが形成されている。
このピン穴9aはピン10の径より僅かに小さくなっており、そのためピン10を圧入スリーブ9のピン穴9aに圧入するには、圧入スリーブ9をピン10に対して捻じりながら強く押し込むと入り易い。
このような構成であると、ピン10の固定強度は、ピン10の径、ピン穴9aの径、及び圧入スリーブ9の材質等により一義的に決まる。
そのため圧入スリーブ9のピン穴9aの径の大きさを選択するだけでピン10の固定強度を正確に変更でき、固定強度の微調整を行うことができるメリットがある。
また、圧入スリーブ9にはフランジ部9bが形成されており、このフランジ部9bの径は、ブラケット4をレンズ2に連結したときに座繰り穴2dに嵌入できる大きさとする。
図4(b)に示すように、レンズ2とブラケット4とを連結した場合には、弾性を有する圧入スリーブ9の本体部9cは挿入穴2cに圧入されて縮径方向に働くために、ピン10は更に強固に圧入スリーブ9に固定される。
この時、圧入スリーブ9の水平面、詳しくはフランジ部9bの水平面は座繰り穴2dの底面に面接触して圧接状態となる。
ところでこの例では、接着剤を用いて、更に強固にピン10を圧入スリーブ9に固定することも、当然可能である。
この例では、ネジ6をナット7と螺合させるのでなく、ピン10を圧入スリーブ9に圧入するので、工具を用いることなく容易且つ簡単にレンズ2とブラケット4とを連結することができる。
さて図5は、先述した第1の実施の形態(第1の例)において、図1のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の詳細を示している。
図5(a)はレンズ連結構造の斜視図であり、図5(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。
レンズの表面に形成されている溝部2bはレンズ外周面2eから刃先が平坦なエンドミルを使ってレンズ基準面S(ここでレンズ基準面Sとは、レンズ取付けのための眼鏡レンズの内側に仮想した1つの仮想取付基準面であって、通常は、2枚のレンズのそれぞれの光軸Lと直交関係にある)に沿って切削されている。
ここで、溝部2b、挿通穴2c、及び座繰り穴2dをレンズ2に形成する手順について、図6を用いて説明する。
先ず、図6(a)に示すようにレンズ2をレンズ保持軸11で保持する。
このレンズ保持軸11は光軸L(レンズ基準面Sに垂直な方向)に沿って配置されている。
次いで、この状態から回転中のドリル12をレンズ保持軸方向に沿って接近させ、図6(b)に示すようにレンズ2の表面2a側から裏面2f側へドリル12が貫通するまで移動する。
次いで、ドリル12をレンズ2から抜き出すと、図6(c)に示すようにレンズ2に挿入穴2cが形成される。
なお、ドリル12が貫通する側の挿入穴2cの開口部には、レンズ2がポリカーボネート等のプラスチックである場合に、いわゆるバリ13が発生するが、これは後述するように自動的に取り除かれる。
次いで、図7(a)〜図7(c)に示すように、今度は、レンズ2の裏面2f側からレンズ保持軸方向 に沿ってエンドミル14を用いて座繰り穴2dを形成する。
この座繰り穴2dの形成に際しては、レンズ2の位置情報とエンドミル14の位置情報とによるコンピュータ制御を行って形成するために、マイクロメータオーダの精度が確保される。
上述したように挿入穴2cを形成した後、このようにエンドミル14を使って座繰り穴2dを形成すると、ドリル12がレンズ2を貫通した際にレンズ2の裏面2f側に発生したバリ13が除去される。
次に、図8(a)〜図8(c)に示すように、レンズ2の外周面2e側からレンズ基準面Sに沿ってエンドミル14を移動させ(すなわち座繰り穴2dの底面に平行に移動させ)、底面が平らな溝部2bを形成する。
このような加工により、この溝部2bの底面と座繰り穴2dの底面とは平行なものに形成されるのである。
以上のようにして挿入穴2c、座繰り穴2d、及び溝部2bがレンズ2に形成される。
そして、レンズ2とブラケット4とを連結するには、上述した第1の例で示したと同様に、ブラケット4を右手で摘みながら左手で挟持したレンズ2に対し表面2a側からネジ6を挿入穴2cに挿入し、ブラケット4の平らな面4aと溝部2bの底面とを接触させる。
次いで、ブラケット4をレンズ2に押し当てた状態でブラケット4とレンズ2とを一体的に左手で摘み替える。
次いで、締付け部材であるナット7を右手で取ってネジ6に螺合させ仮止めをする。
そして、最後に工具を用いてナット7をレンズ2に対して強く締め付ける。
すると、ブラケット4の一部は溝部2bに嵌り込むことになる(図5(b)参照)。
なお、ここではナット7を用いた例について説明したが、挿入穴2cをテーパ状に形成し、テーパナット8を用いるようにしても良い。
上述した第1実施形態のリムレス眼鏡のレンズ連結構造では、レンズ2の表面2aに形成されブラケット4を嵌合させるための溝部2bと、該溝部2bに垂直に開口され且つブラケット4と一体とされるネジ6を挿入するための挿入穴2cと、該挿入穴2cと同心を有するように該挿入穴2cに連通し且つ溝部2bと反対側に形成される座繰り穴2dと、がレンズ2に形成され、挿入穴2cに挿入されたネジ6にナット7(又はテーパーナット8)を取り付けることでレンズ2とブラケット4とを連結させるので、ナット7(又はテーパーナット8)の水平面とブラケット4のレンズ2と当接する面とが平行になり、ブラケット4やレンズ2を損傷することなく確実にブラケット4とレンズ2を連結し、且つ経時的にフレームがガタ付いてしまうのを防ぐことができる。
またピン10に圧入スリーブ9を圧入することによりレンズ2とブラケット4とを連結させるので、圧入スリーブ9の水平面とブラケット4のレンズ2と当接する面とが平行になり、同様な効果を得られるのである。
〔第2実施形態〕
図9は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第2実施形態を示している。
なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する(以下他の実施の形態においても同じ)。
レンズ2の表面2aにはブラケット4を嵌合するための溝部2bが形成されている。
そして、設けられた溝部2b、挿入穴2c、及び座繰り穴2dについては、第1実施形態の場合と同様に形成する。
上述した第1実施形態の場合はネジ6がブラケット4の平らな面4aに立設されていたが、この第2実施形態の場合は、ブラケット4の先端側に貫通穴4bが形成されており、ブラケット4と別体とされる取付け軸、すなわちネジとしての六角ボルト15が貫通穴4bに挿通される。
この第2実施形態ではブラケット4の先端側の面は、六角ボルト15を光軸L方向に沿わせるため、ブラケット4の先端側の裏面を平らな面4aとする。
もっとも、ブラケット4の先端側の表面も六角ボルト15の水平面を支持することから平らな面とすることが好ましい。
そして、この六角ボルト15にはナット7が螺合され、レンズ2とブラケット4とが的確に連結される。
レンズ2とブラケット4とを連結するには、ブラケット4を右手で摘みながら左手で把持したレンズ2の溝部2bに嵌合し、右手でブラケット4をレンズ2に押し当てた状態とする。
次いで、左手で六角ボルト15を摘み込んで、レンズ2の表面2a側から貫通穴4bと挿入穴2cとに順次挿入し、六角ボルト15をブラケット4の表面に押し当てる。
そして、これら全体を右手で摘みながら六角ボルト15に左手でナット7を螺合していき、レンズ2とブラケット4とを一体的に適宜仮止めする。
そして、最後に工具を用いてナット7をレンズ2に対して強く締め付ける。
なお、ここではナット7を用いた例について説明したが、挿入穴2cをテーパ状に形成し、テーパナット8を用いるようにしても良い。
この第2実施形態では、ネジ6をブラケット4に固定しないで、六角ボルト15をブラケット4に挿通するようにしたので、ろう付け等の工程が不要となり、ブラケット4の平らな面4aに対するネジ6の垂直出しにおいても熟練作業が不要となる。
〔第3実施形態〕
図10は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第3実施形態を示している。
上述した第1実施形態の場合(図4)はピン10が円柱であったが、この実施の形態のピン10には、圧入スリーブ9からの抜止め防止用のための突起10aが形成されている。
そのため、ピン10と圧入スリーブ9との連結を更に強固にすることができる。
ここで使用される圧入スリーブ9は図4で示したものと同じである。
〔第4実施形態〕
図11は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第4実施形態を示している。
上述した第3実施形態の場合は、ピン10がブラケットに固定されていたが、この実施の形態のピン10は、ブラケットとは別体となっている。
〔第5実施形態〕
図12は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第5実施形態を示している。
図12(a)はレンズ連結構造の斜視図であり、図12(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。
上述した第1実施形態の場合(図2)におけるブラケット4と異なって、そのブラケット4に長円状の凸部4cが形成されているものである。
ブラケット4の一部である凸部4cと溝部2bとで嵌合力が生じさせているために、ブラケット自体を大きくすることができる。
ブラケット4の裏面の平らな面と凸部4cの平らな面とを、それぞれレンズ2の表面や溝部2bの底面にフィットするように設定されることが好ましい。
〔第6実施形態〕
図13は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第6実施形態を示している。
図13(a)はレンズ連結構造の斜視図であり、図13(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。
レンズ2には、円棒状のブラケット4Aを嵌合するための断面半円状の溝部2gが形成されている。
円棒状のブラケット4Aが溝部2gの面にフィットすることとなる。
ブラケット4Aの強度を厚みで保証できるために、ブラケットを細くでき視野を極力広くすることが可能である。
〔第7実施形態〕
図14は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第7実施形態を示している。
図14(a)はレンズ連結構造の斜視図であり、図14(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。
この第7実施形態のリムレス眼鏡のレンズ連結構造は、第1実施形態と比べて、更に緩衝材17が設けられる点で相違する。
緩衝材17は、溝部2bと、該溝部2bと嵌合するブラケット4との間に介在させる。
緩衝材17には、緩衝材17が溝部2bに嵌め込まれたときに挿入穴2cと同心上にネジ6を挿通するための貫通穴17aが形成されている。
緩衝材17の材質は、例えば、ゴム材やプラスチックが使用され、特にレンズ割れを防止する役割を果たすものである。
なお、レンズ割れ防止の観点からは、緩衝材17を用いる代わりに、溝部2b又はブラケット4に弾性を有する塗料を塗布するようにしても良い。
そして、レンズ2とブラケット4とを連結するには、先ず、緩衝材17を溝部2bに嵌合してから、上述した第1実施形態と同様の作業を行えばよい。
又は、緩衝材17の貫通穴17aにネジ6に挿通してから組み付けるようにしても良い。
なお、ここでは図に示すようにナット7を用いることができるが、挿入穴2cをテーパ状に形成し、先述したようなテーパナット8を用いるようにしても良い。
また、緩衝材17とブラケット4の一部とが溝部2bに嵌り込む前後の状態を図14(b)に示しておく。
〔第8実施形態〕
図15は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第8実施形態を使った眼鏡を示す。
この眼鏡1Aは、第1実施形態の眼鏡1(図5)と比べてブラケット4Aとブリッジ3Aとがレンズ2の裏面2f側に嵌合されている点で異なる。
図16は、レンズ2とブラケット4Aとの連結構造(展開状態)を示している。
〔第9実施形態〕
図17は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第9実施形態を示している。
この実施の形態は、第2の実施の形態(図9)におけるブラケット4Aの位置がレンズの裏側2fに嵌合される場合である。
〔10実施形態〕
図18は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第10実施形態を示している。
この実施の形態も、第3の実施の形態(図10)におけるブラケット4Aの位置がレンズの裏側2fに嵌合させる場合である。
〔第11実施形態〕
図19は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第11実施形態を示している。
この実施の形態も、第4の実施の形態(図11)におけるブラケット4Aの位置がレンズの裏側2fに嵌合される場合である。
以上、本発明についてその詳細を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で他の変形、組合わせが可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、主に本発明をレンズ2とブラケット4,4Aとの連結に適用した例について説明したが、レンズ2とブリッジ3,3Aとの連結に適用しても良い。
また、上述した実施形態では、取付け軸として、ネジ6、六角ボルト15、ピン10,16を用いた例について説明したが、ネジやピンの種類は問わない。
更に、締付け部材としてナット7、テーパナット8、及び圧入スリーブ9を用いた例について説明したが他の種類のものでもよい。
本発明は、リムレス眼鏡におけるレンズ連結構造に関するものであるところ、眼鏡部品やレンズを損傷することなく確実にしかも安定して眼鏡部品とレンズを連結することができる利点があり、その原理を使用する限り、眼鏡以外の他の取り付け部分にも適用可能である。
図1は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第1実施形態を用いた眼鏡を示す説明図である。 図2は、図1のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の概略の第1の例を示す説明図であり、(a)は組付け前の状態を示し、(b)は組付け後の状態を示している。 図3は、図1のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の概略の第2の例を示す説明図であり、(a)は組付け前の状態を示し、(b)は組付け後の状態を示している。 図4は、図1のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の概略の第3の例を示す説明図であり、(a)は組付け前の状態を示し、(b)は組付け後の状態を示している。 図5は、図1のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の詳細を示す説明図であり、(a)はレンズ連結構造の斜視図、また(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。 図6は、ドリルを用いて挿入穴を形成する工程を示す説明図であり、(a)は穴開け前の状態、(b)はドリルをレンズに貫通させた状態、(c)はドリルをレンズから抜き出した状態、を示している。 図7は、エンドミルを用いて座繰り穴を形成する工程を示す説明図であり、(a)は穴開け前の状態、(b)はエンドミルで所定位置までレンズを加工した状態、(c)はエンドミルをレンズから抜き出した状態、を示している。 図8は、エンドミルを用いて溝部を形成する工程を示す説明図であり、(a)は溝部形成前の状態、(b)はエンドミルで所定位置まで溝部を形成した状態、(c)はエンドミルをレンズから離隔させた状態、を示している。 図9は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第2実施形態を示す説明図である。 図10は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第3実施形態を示す説明図である。 図11は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第4実施形態を示す説明図である。 図12は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第5実施形態を示す説明図であり、(a)はレンズ連結構造の斜視図、(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。 図13は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第6実施形態を示す説明図であり、(a)はレンズ連結構造の斜視図、(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。 図14は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第7実施形態を示す説明図であり、(a)はレンズ連結構造の斜視図、(b)はブラケットをレンズに嵌合させる部分の拡大図である。 図15は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第8実施形態を用いた眼鏡を示す説明図である。 図16は、図15のリムレス眼鏡のレンズ連結構造を示す説明図である。 図17は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第9実施形態を示す説明図である。 図18は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第10実施形態を示す説明図である。 図19は、本発明のリムレス眼鏡のレンズ連結構造の第11実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1,1A 眼鏡
2 レンズ
2a 表面
2b 溝部
2c 挿入穴
2d 座繰り穴
2e レンズ外周面
2f 裏面
2g 溝部
3,3A ブリッジ
4,4A ブラケット
4a 平らな面
4b 貫通穴
4c 凸部
5 テンプル
6 ネジ
7 ナット
8 テーパナット
8a ネジ穴
8b フランジ部
8c 切込み
9 圧入スリーブ
9a ピン穴
9b フランジ部
9c 本体部
10 ピン
10a 突起
11 レンズ保持軸
12 ドリル
13 バリ
14 エンドミル
15 六角ボルト
16 ピン
16a 突起
17 緩衝材
17a 貫通穴
L 光軸
S レンズ基準面

Claims (9)

  1. レンズと、該レンズと連結する眼鏡部品と、を有するリムレス眼鏡のレンズ連結構造であって、
    前記レンズには、
    該レンズの表面又は裏面にレンズ外周面から形成され前記眼鏡部品を嵌合させるための溝部と、
    該溝部に垂直に開口され且つ前記眼鏡部品と一体又は別体とされる取付け軸を挿入するための挿入穴と、
    該挿入穴と同心を有するように該挿入穴に連通し且つ前記溝部と反対側に形成される座繰り穴と、
    が形成され、
    前記溝部の底面と前記座繰り穴の底面とを、レンズの光軸に対して特定の角度で平行に形成し、
    前記挿入穴に挿入された前記取付け軸に締め付け部材を取り付けることで、前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させることを特徴とするリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  2. 前記眼鏡部品はブラケット又はブリッジであることを特徴とする、請求項1記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  3. 前記締付け部材はナットであり、
    前記取付け軸であるネジと該ナットとを螺合させることで、
    前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させることを特徴とする、請求項1記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  4. 前記締付け部材はテーパナットであり、
    前記挿入穴は該テーパナットを嵌合するためにテーパ状に形成され、
    前記取付け軸であるネジと該テーパナットとを螺合させることで、
    前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させることを特徴とする、請求項1記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  5. 前記締付け部材は、抜止め用突起が形成されたピンを挿入するためのピン穴が形成された弾性を有する圧入スリーブであり、
    前記ピンに該圧入スリーブを圧入することで、
    前記レンズと前記眼鏡部品とを連結させることを特徴とする、請求項1記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  6. 前記ピンは接着剤を用いて前記圧入スリーブに固定されることを特徴とする、請求項5記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  7. 前記溝部と、該溝部と嵌合する前記眼鏡部品と、の間にレンズ割れを防止するための緩衝材が設けられることを特徴とする、請求項1記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  8. 前記緩衝材の代わりに、前記溝部又は前記眼鏡部品に弾性を有する塗料が塗布されることを特徴とする、請求項7記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
  9. 前記緩衝材の材質は弾性を有するプラスチックとされることを特徴とする、請求項7記載のリムレス眼鏡のレンズ連結構造。
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