JP4083806B2 - ジヒドロキシエステル製造用可溶性マグネシウム触媒 - Google Patents

ジヒドロキシエステル製造用可溶性マグネシウム触媒 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、一般的にはヒドロキシアルデヒドのジヒドロキシエステルへの転化に関し、更に詳しくはマグネシウム含有触媒剤の存在下におけるヒドロキシアルデヒドのヒドロキシエステルへの転化に関する。
発明の背景
いわゆるティチェンコ反応(Tischenko reaction)によってヒドロキシアルデヒドのジヒドロキシエステルへの転化を触媒するのにマグネシウム又はマグネシウム含有化合物を使用することは知られている。即ち、沃化エチルマグネシウムが、Franke及びKohnのMonatsheft Fur Chemie 25巻、865頁(1904年)に記載のように、この反応を触媒するのに使用されている。
更に近くでは、米国特許第3,852,335号(Merger et al)は、無水媒体中又は水を添加して、種々の金属、例えばマグネシウム、のヒドロキシド、オキシド及び水和オキシドを用いてヒドロキシピバアルデヒドを転化させることを開示している。米国特許第3,862,215号(Merger et al)はヒドロキシアルデヒドのジヒドロキシエステルへの転化用に、固形水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムを使用することと開示している。この触媒は、「微粉末形状で有利に」使用することができる。更に最近では、米国特許第5,041,621号(Morris及びLuce)は、マグネシウム、亜鉛、マンガン、アルミニウム、チタン又はカルシウムから選ばれた触媒活性金属元素を用いて、特定のヒドロキシアルデヒドからジヒドロキシエステルを製造することを開示している。この最後にあげた米国特許によれば、僅か少量の金属(好ましくはマグネシウム)が必要であり、そしてこの金属は反応ゾーンに粉末として導入されている。
ヒドロキシアルデヒド反応液に金属又は金属酸化物粉末のような固形触媒物質を添加すること及び使用することには多くの欠点を伴なう。例えば、粉末の存在は取り扱いを困難にし、反応ゾーンへの計量が容易でなく、そしてしばしば反応生成物は、困難を伴なうことなく、取り出せない。更に、粉末は反応ゾーンの静止部分に滞積し、最終的には、反応液に部分的又は完全に溶解しない限り、液体中に粉末を適当に分布させるようにする努力が必要である。簡単に言えば、固形触媒に伴なう困難を回避又は最小にするジヒドロキシエステルの製造用触媒及び手法は非常な経済的価値を有する。本発明はそのような触媒及び手法である。
発明の要約
従って、一つの態様において、本発明は、可溶化マグネシウム成分と一又は複数のアルカン酸とを特定の比率で含むヒドロキシアルデヒドの転化用の新規な液状触媒に関する。
更に詳しくは本発明は、炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩(1種又はそれ以上)10〜60重量%並びに炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸40〜90重量%を含んで成り、一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩に対するモル比が、1.5〜20.3、好ましくは2.5〜10である液状触媒に関する。本明細書において、マグネシウムの「塩」は複数、即ち1個より多い組成を含むものとし、そして広義に使用するものとする。即ち、これに限定するものではないが、マグネシウム元素及び/又はマグネシウムの化合物からのマグネシウムイオンと反応による一つ又は複数の酸の酸水素の置換による一つ又は複数の化合物、前述の一又は複数のアルカン酸のアニオン残基と考えられる一つ又は複数のアニオンを与える一つ又は複数の化合物とマグネシウムイオン又はマグネシウムイオンを含む一つ又は複数の化合物との反応による一つ又は複数の化合物、又は適当なマグネシウム化合物の酸化によるような他の適当な反応による一つ又は複数の化合物を含む。
好ましい態様において、本発明はイソ酪酸マグネシウム10〜60重量%及びイソ酪酸40〜90重量%から成り、又はを含んでなり、イソ酪酸のイソ酪酸マグネシウムに対するモル比が1.5〜20.3、好ましくは2.5〜10である液状触媒に関する。本発明の液状触媒は固形マグネシウム又は酸化マグネシウムのような固形触媒物質の不存在下にヒドロキシアルデヒドの転化に有効である。特にことわらない限り、又は文脈に反しない限り、本明細書に記載されるすべての%又は部は、含まれる組成物の全量に基づく重量基準である。
更なる態様において、本発明は、対応するヒドロキシアルデヒドを、液体溶液中において、固形マグネシウムの不存在下に、適当な反応条件下に、触媒量の、前記した一又は複数の酸のマグネシウム塩として供給されるマグネシウムと接触させることによってヒドロキシエステルを製造する方法に関する。生成したジ−ヒドロキシエステルは溶解したマグネシウム化合物触媒及び任意の未転化ヒドロキシアルデヒドから回収又は分離される。触媒溶液は、好ましくは、前記一又は複数の酸のマグネシウム塩、最も好ましくはイソ酪酸マグネシウム、10〜60%並びに前記一又は複数のアルカン酸、最も好ましくはイソ酪酸40〜90%から成り、又はを含んでなり、一又は複数の酸のマグネシウム塩に対するモル比は1.5〜20.3、好ましくは2.5〜10である。
また別の態様において、本発明は、それぞれの前記比率で前述のマグネシウム塩及び一又は複数のアルカン酸、好ましくはイソ酪酸マグネシウム及びイソ酪酸から成り、又はを含んでなる液状触媒を提供することからなる特定のジヒドロキシエステルをヒドロキシアルデヒドから製造する方法に関する。触媒量の可溶化されたマグネシウムを供するのに十分な量のマグネシウム塩−アルカン酸含有液は、次に、所望のジヒドロキシエステルを形成する反応条件下に対応するヒドロキシアルデヒドと接触するか又は接触させる。更に別の態様において、特定したジヒドロキシエステルは、先ずマグネシウム又は酸化マグネシウムのような反応性マグネシウム化合物を、限定した過剰量で供給される特定した一又は複数のアルカン酸と反応させることによって、マグネシウム塩−アルカン酸又は塩−複数のアルカン酸含有液を形成せしめることによって、ヒドロキシアルデヒドから誘導される。このようにして製造されたマグネシウム塩−酸又は塩−複数の酸含有溶液又は液は、次に、所望のジヒドロキシエステルを生成する適当な反応条件下に、対応するヒドロキシアルデヒドに転化せしめる触媒溶液又は液として使用される。前述のいずれの態様も、ヒドロキシピバアルデヒドの転化に特に適しており、生成するジヒドロキシエステルはヒドロキピバリルヒドロキシピバレートであり、いずれの場合にも好ましいアルカン酸はイソ酪酸である。このように、本発明は、取扱いが容易で、反応溶液への計量が容易で、かつ反応溶液中に可溶で容易に分布する液状触媒を提供する。
発明の詳細な説明
本発明において使用するヒドロキシアルデヒドは式:
Figure 0004083806
(式中、R及びR′は独立にC1〜C4アルキルから選ばれる)を有する化合物から選ばれる。従って、反応は以下の通り示される。
Figure 0004083806
(式中、R及びR′は前述の通りである。)
前記ヒドロキシアルデヒドは、転化反応又は触媒に相当の妨害を与える成分のない限り、ヒドロキシアルデヒドは純粋である必要はない。以下において例示するように、粗ヒドロキシアルデヒド流を使用することができ、また一種より多いヒドロキシアルデヒドを含む、もしくはいくらかの生成物を既に含むプロセス流も本発明の範囲内である。
前述の如く、R及びR′は好ましくはメチルであり、従って好ましい転化用ヒドロキシアルデヒドはヒドロキシピバアルデヒドであり、生成するエステルはヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートである。
出発物質として使用されるヒドロキシピバアルデヒドは、公知の反応条件下に、トリアルキルアミン、NaOH又はNa2CO3のような適当な触媒の存在下にイソブチルアルデヒド及び水性ホルムアルデヒドから製造でき、この反応からの粗生成物及び精製ヒドロキシピバアルデヒドの両者が出発物質として適当である。好ましい態様においては、本発明の新規な触媒液は乾燥ゾーンに、例えば乾燥カラムの基部に供給することができ、水を含む粗ヒドロキシピバアルデヒドは、例えば乾燥カラムの中間部に供給される。粗ヒドロキシピバアルデヒドは、例えば50〜150℃に加熱して水を除去し、本発明の触媒液はカラムの下部において転化反応を促進する。この直ちの触媒作用は任意的な自発転化を増進させ、そして一般には適当な滞留時間のために、一つより多い転化反応器又はゾーンを必要とするヒドロキシアルデヒドの転化用の反応器又は反応ゾーンの削除を可能にする。
前述の如く、特定のアルカン酸のマグネシウム塩及び或る種の一又は複数のアルカン酸を含む液状触媒が触媒量の可溶化マグネシウムを提供する量でヒドロキシアルデヒド中へ又は中に供給される。本発明のマグネシウム塩含有液は最小量でも或る程度の効果は有するが、触媒液は触媒量、即ち通常ヒドロキシアルデヒドを相当量転化させるのに十分な量でヒドロキシアルデヒドに供給するか、又はヒドロキシアルデヒドと接触させる。一般的には、液状触媒はヒドロキシアルデヒド中のマグネシウムイオン濃度が少なくとも10ppmとなるのに十分な量で供給される。好ましくは、これより実質的に多い量のマグネシウムも所望であれば使用できるが、マグネシウムイオン濃度20〜1000ppm、最も好ましくは40〜100ppmが使用される。マグネシウム塩の一又は複数のアルカン酸に対する比率は特定の範囲で変動でき、他の非妨害成分、例えば溶媒も、一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩の一又は複数のアルカン酸の比率が維持されかつ液体化が損なわれない限り、相当な量でも、存在することができる。例えば、メタノール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートのような非妨害性溶媒は、50%までの量で、0.001〜20%の量が相当であるが、存在することができる。しかしながら、前述の割合及び比率の、特定の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩及び前述の一又は複数のアルカン酸から実質的になる組成物が本発明において好ましい。
前述の如く、特定の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩と一緒に使用される酸成分は炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸から選ばれる。適当なアルカン酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸及びオクタン酸を含む。イソ酪酸が好ましい。
大抵の場合に、特定のアルカン酸又はその混合物中のアルカン酸又はその混合物のマグネシウム塩の液状触媒溶液を準備するために、通常は固形状の前記塩を単純に特定した一又は複数の酸中に溶解することができる。例えば、イソ酪酸と一緒の、又はその中の、イソ酪酸マグネシウムの液状触媒溶液を準備するために、固形状のイソ酪酸マグネシウムを、必要なら加熱することによって、イソ酪酸中に、前記比率で溶解することができる。本発明で特定した範囲内のある種の塩−酸又は複数の酸の組み合せは室温で固形状であるが、穏当な加熱、好ましくはヒドロキシアルデヒド転化ゾーンにおいて使用する温度への加熱が前記組み合せ物質を液化するのに通常十分である。或いは、前記マグネシウム塩−アルカン酸又は複数の酸含有液は、マグネシウム又は反応性マグネシウム化合物を化学量論過剰量の一又は複数のアルカンと適当な条件下に反応させることによって製造することができる。マグネシウム元素の場合には、マグネシウム金属、好ましくは削り屑として、をマグネシウムと一又は複数の酸とを反応させる条件下で一又は複数の酸と混合する。一般には、塩生成反応はほとんど自発的に進行するので組合せ体を得るには、室温及び大気圧で十分である。例えばマグネシウムとイソ酪酸との場合にはイソ酪酸はマグネシウム金属に対して化学量論量より過剰の量で供給されるので、マグネシウムは完全に消費され、そして残存マグネシウムの分離は必要ではない。好ましくは、イソ酪酸は、イソ酪酸マグネシウムを含む反応混合物が液状を保つのに十分過剰に供給される。一般には、使用される一又は複数のアルカン酸はマグネシウムとの反応に対しモル基準で3.5〜24.6、好ましくは4.7〜7.3の過剰量で、供給される。この溶解マグネシウム塩を含む液体溶液は、次に直接ヒドロキシアルデヒドの転化に使用することができる。
前記マグネシウム塩は、前述の一又は複数のアルカン酸と一又はそれ以上の反応性マグネシウム化合物との反応によっても製造することができる。本明細書において使用する「反応性マグネシウム化合物」なる用語は、特定の一又は複数のアルカン酸とかなりの反応性を有する任意のマグネシウム化合物をいう。但し、この化合物のアニオン残基がある場合には、それがヒドロキシアルデヒドの転化反応を実質的に妨害しないか、または妨害する場合には簡単に除去できるかまたは非妨害性にすることができることを条件とする。複数個のこのような化合物を使用して塩を生成せしめることもできる。即ち、「複数の反応性マグネシウム化合物」の混合物も使用できる。前述の考察のうちで、当業者は広範囲のマグネシウム化合物を選ぶことができるであろう。これらに限定するものではないが、例えば酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム及びマグネシウムアセトアセトネートなどを例示できる。酸化マグネシウム又はその前駆体が好ましい。マグネシウム塩−一又は複数のアルカン酸溶液は一又は複数の反応性マグネシウム化合物を化学量論過剰量の一又は複数のアルカン酸と加熱することによって容易に製造される。例えば、酸化マグネシウム−イソ酪酸の場合には、イソ酪酸は、通常酸化マグネシウムに対し、モル基準で、3.5〜24.6、好ましくは4.7〜7.3の比率の過剰量で供給される。当業者であれば適当な条件に変更することができるが、60〜200℃の範囲の加熱が通常反応の完結に十分であり、そして得られた触媒はヒドロキシアルデヒド中に使用することができる。任意の適当な供給源からの反応性マグネシウム化合物を使用することができる。一又は複数の反応性マグネシウム化合物は「純粋」である必要はないが、C.P.グレードMgOのような良好なグレードの物質が好ましい。同様に、一又は複数のアルカン酸の供給源も臨界的ではない。すべての場合に、大きな粒子または大過剰のマグネシウム又は一もしくは複数のマグネシウム化合物を使用する場合には、粗マグネシウム塩−一又は複数の酸溶液は使用前に濾過するのが好ましい。
選定したアルカン酸のマグネシウム塩は、一又は複数のマグネシウム含有化合物を適当な一又は複数のアルカン酸の残基である一又は複数のアニオンを含む一又は複数の化合物と反応させることによっても製造することができる。前記アニオンは適当な一又は複数のアルカン酸の残基であり、対応のカチオンはマグネシウムによって置換することができる。そのような化合物の例はイソ酪酸アンモニウムである。分離後、マグネシウム塩は、次に、前述の通り、特定の一又は複数のアルカン酸と組み合せることができる。
ヒドロキシアルデヒドとマグネシウム塩−一又は複数のアルカン酸液との組み合せ又は接触は、ジヒドロキシエステルを生成する反応条件下、即ち反応を進行させてジヒドロキシエステルを生成する反応を可能にする又は進行させる、温度、圧力、接触時間の長さなどの条件下に、実施する。そのような条件下に含まれるのは、ヒドロキシアルデヒドを液体相で供給又は液体相に維持してマグネシウム塩−一又は複数の酸との緊密な接触を実現するために必要な条件、即ち温度及び圧力である。適当な温度は、例えば50〜150℃、好ましくは80〜120℃である。圧力はかなり変化させることができ、例えば0.1〜4気圧、好ましくは1〜2気圧の範囲とすることができる。バッチ反応に対しては、全反応時間、即ち転化の完結時間又は転化の所望の完結速度は相当変化するが、一般には0.5〜15時間又はこの程度であり、好ましくは2〜8時間である。ここで接触時間は液の容積流速で除した反応器の液容積をいうものとする。反応温度は好ましくは50〜150℃、最も好ましくは80〜120℃である。圧力は0.1〜4気圧であり、好ましくは1〜2気圧である。イソ酪酸存在下の反応条件は一般には穏当な温度及び圧力で、前述の範囲内で十分である。
転化はバッチ又は連続ベースのいずれでも実施できるが、本発明は連続反応プロセスに特に適している。この好ましい後者の場合には、ヒドロキシアルデヒド及び溶解マグネシウムは、連続ベースで、適当な反応条件下に維持された反応ゾーン中に導入され、ヒドロキシアルデヒド−マグネシウム塩−一又は複数の酸混合物は生成した反応生成物と共に反応ゾーンを通過し、最終的には反応ゾーンから除かれる。反応完結度は前述の条件に依存し、得られる反応生成物の混合物は反応ゾーンの出口から除かれる。一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩及び未転化のヒドロキシアルデヒドは、公知の方法、例えば米国特許第5,209,827号に記載の薄膜エバポレータによる蒸留によって、回収又は分離することができる。
以下の実験を行なった。

マグネシウム金属削り屑10g(0.41モル)をソックスレー抽出器の液レベルの上のガラスフリット上に配し、イソ酪酸200gを抽出器において2時間加熱還流した。マグネシウム削り屑は凝縮した還流蒸気と完全に反応し、生成イソ酪酸マグネシウムは還流液に溶解した。液の冷却によってガラス状物質が得られ、これは水蒸気浴上で加熱することによって再度液化することができた。この溶液約10ml(分析によればイソ酪酸マグネシウム約39.0%)をアセトン200mlに添加し、白色粉末が沈澱した。この粉末を追加のアセトン100mlで洗浄し、次に乾燥して白色粉末状イソ酪酸マグネシウム1.9gが残存した。
更に、酸化マグネシウム10g(0.25モル)をイソ酪酸88g(1.0モル)と120℃で4時間加熱した。得られた溶液を濾過して粒状物を除去し、希HClで滴定してイソ酪酸マグネシウム分析を行なった。得られた物質を次に以下の方法で評価した。各評価実験において、バッチ反応器に十分な物質を以下に示すようにして、既に成る量のヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートを含む乾燥した粗ヒドロキシピバアルデヒドの試料150gと一緒にしてマグネシウム120ppmの触媒濃度を得た。加熱し、それぞれの場合に、最初の発熱の後、実験の間、反応温度を115℃に保持した。試料と定期的に採取し、カズクロマトグラフでヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート濃度を分析した。比較のために、この手順を触媒なしでも実施し、そして別にイソ酪酸マグネシウム粉末でも実施した。結果を表Iに示す。
Figure 0004083806
当業者が理解されるように、本発明の液状触媒は、2時間後に60〜70%ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートを製造するのに良好な活性を示した。転化率の変動は、触媒が触媒添加によって大きな発熱を示す傾向にあるので、温度変動に帰因するものである。酸化マグネシウムから製造されたイソ酪酸マグネシウムの活性はマグネシウム削り屑から得られたものに匹敵する。
II
温度、触媒濃度及び過剰イソ酪酸量の影響を評価するために、これらのパラメータを変化させて追加のバッチ実験を行った。最初の組の実験では、触媒をプリル化(prilled)酸化マグネシウムから製造してイソ酪酸中に51.6%のイソ酪酸マグネシウムを含む液を得た。結果を表IIに示す。表IIに「初期値」として示した欄の結果は所望の温度に到達する前に観察したものである。
Figure 0004083806
酸化マグネシウム(Strem)から得たイソ酪酸中に40.1%イソ酪酸マグネシウムを含む液状触媒を用いて更に実験した。結果を表IIAに示す。表IIAに「初期値」として示した欄の結果は所望の温度に到達した後に得られたものである。
Figure 0004083806
III
ヒドロキシアルデヒド転化に対する酸及び水の添加の影響を評価するために、これらのパラメータを変化させて追加のバッチ実験を行なった。この組の実験では、液状触媒は表IIの実験のもの(イソ酪酸中に51.6%のイソ酪酸マグネシウム)に相当し、温度は105℃であった。結果を表IIIに示す。表IIIに「初期値」として示した結果は所望の温度に到達する前の結果である。
Figure 0004083806
以上、本発明を特定の組成物及び装置を用いて例示したが、同等又は類似の組成物及び装置が使用できることは当業者の理解されるところである。本明細書及び請求の範囲で使用した「ゾーン」なる用語は、適当であれば、直列的に運転する区分した装置の使用又は、サイズ制限などのために、単一のユニットを多数のユニットに分割したものの使用を含むものである。

Claims (10)

  1. 炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩10〜60%並びに炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸40〜90%を含んで成り、そのような一又は複数の酸のマグネシウム塩に対するモル比が1.5〜20.3であるヒドロキシアルデヒドからジヒドロキシエステルを製造するための液状触媒。
  2. 塩がイソ酪酸マグネシウムであり、酸がイソ酪酸である請求の範囲第1項に記載の液状触媒。
  3. 式:
    Figure 0004083806
    のジヒドロキシエステルを製造するに当り、
    式:
    Figure 0004083806
    (式中、R及びR′はC1〜C4アルキルから独立に選ばれる基である)のヒドロキシアルデヒドを、液体溶液中において、固形マグネシウム又は酸化マグネシウムの不存在下に、前記ジヒドロキシエステルの生成する反応条件下に、触媒量の、炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩として供給されるマグネシウムと接触させることを含んでなるヒドロキシエステルの製造方法。
  4. 液体溶液がマグネシウム塩10〜60%及び炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸90〜40%からなり、一又は複数の酸のマグネシウム塩に対するモル比が1.5〜20.3であり、そしてジヒドロキシエステルを回収する請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 塩がイソ酪酸マグネシウムであり、そしてアルカン酸がイソ酪酸である請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. ヒドロキシアルデヒドを、炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸のマグネシウム塩10〜60%及び炭素数2〜8の一又は複数のアルカン酸40〜90%を含む触媒量の液体触媒と接触させてなり、そのような一又は複数の酸又はその混合物のマグネシウム塩に対するモル比が1.5〜20.3である請求の範囲第3項に記載の方法。
  7. 塩がイソ酪酸マグネシウムであり、酸がイソ酪酸である請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. ジヒドロキシエステルがヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートであり、ヒドロキシアルデヒドがヒドロキシピバアルデヒドであり、前記方法が水を含む粗ヒドロキシピバアルデヒドを乾燥ゾーンにおいて50〜150℃の温度で加熱すると同時に触媒量の可溶化マグネシウムを含む液体溶液を乾燥ゾーンへ添加し、
    乾燥ゾーンから水を分離し、そして
    水分含量が減少し、可溶化されたマグネシウム及びヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートを含むヒドロキシピバアルデヒド混合物を乾燥ゾーンから除去する請求の範囲第3項に記載の方法。
  9. 可溶化マグネシウムがイソ酪酸マグネシウムとして供給され、乾燥ゾーンから除去されたヒドロキシピバアルデヒド混合物を反応ゾーンに通し、そして反応ゾーンにおいてヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートを生成する反応条件下に転化を継続させる請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 乾燥ゾーンにおいて水を含む粗ヒドロキシピバアルデヒドを50〜150℃の温度に加熱し、そして同時に触媒量の可溶化マグネシウムを含む液体溶液を乾燥ゾーンへ添加し、
    乾燥ゾーンから水を分離し、そして
    水分含量が減少し、可溶化されたマグネシウム及びヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートを含むヒドロキシピバアルデヒド混合物を含む第一の反応液を生成せしめ、
    第一の反応液を乾燥ゾーンから除去し、かつ除去した第一の反応液を追加の可溶化されたマグネシウムを含む触媒液とヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートが生成する反応条件下に、反応ゾーンにおいて接触せしめ、そして第一の反応液より高いヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート含量を有する第二の反応液を生成せしめることを含んでなる請求の範囲第8項に記載の方法。
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