JP4083690B2 - 多流路形ロータリジョイント - Google Patents

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本発明は、CMP装置(CMP(Chemical MechanicalPolishing)法による半導体ウエハの表面研摩処理装置)等における相対回転部材間で複数の異種流体又は同種流体を混在させることなく各別のルートで流動させるための多流路形ロータリジョイントに関するものである。
例えば、CMP装置による半導体ウエハの表面研摩処理にあっては、ターンテーブルとトップリングとを、その間に半導体ウエハを挟圧させた状態で、別個独立して回転させるが、かかる場合に、回転側部材(トップリング又はターンテーブル)とこれを支持する固定側部材(CMP装置本体)との間で、ウエハ研磨液,ウエハ加圧用空気,ウエハ洗浄水(純水),エアーブロ−用空気等の供給や半導体ウエハ,定盤等の真空吸着又は研磨残渣液の吸引排出等を行うことがある。そこで、CMP装置にあっては、一般に、かかる回転側部材と固定側部材との間に複数の流路を有するロータリジョイントを設けて、相対回転する両部材間において上記した複数の異種流体又は同種流体を各別のルート(流路)で流動させるようにしているのが普通である。
而して、このような相対回転部材間に設けられる多流路形ロータリジョイントとしては、従来から、固定側部材に取り付けられる第1ジョイント構成部材と回転側部材に取り付けられる第2ジョイント構成部材とを相対回転自在に連結し、両ジョイント構成部材の対向周面部間に、相対回転軸線方向に並列する複数のメカニカルシールを設けると共に、両ジョイント構成部材に、隣接するメカニカルシール間に形成されるシール領域を貫通する複数の流路を設けたもの(以下「従来ジョイント」という)が、知られている(例えば、特許文献1参照)。
特願平11−328369号(特開2001−141150)
ところで、メカニカルシールは、両ジョイント構成部材の一方に固定された固定密封環と他方に軸線方向移動自在に保持された可動密封環とがコイルスプリングにより押圧接触された状態で相対回転するように構成されたものであるから、両密封環の設置スペースに加えて可動密封環の移動スペース及びコイルスプリングの設置スペースが必要となり、軸線方向(両ジョイント構成部材の相対回転軸線方向)において大きな設置スペースを必要とするものである。
したがって、複数のメカニカルシールを軸線方向に並列させる構成をなす従来ジョイントでは軸線方向寸法が長大となり、この軸線方向寸法は流路数が多くなるに従い増大することになる。
また、メカニカルシールによるシール機能が良好に発揮されるためには、固定密封環と可動密封環とが適正に接触する必要があり、両ジョイント構成部材間における振動や軸触れの発生を確実に防止しておく必要がある。したがって、両ジョイント構成部材を相対回転自在に連結するベアリングを、少なくとも、メカニカルシール群の両側に設けておくことが必要となり、ベアリング設置スペースを確保するためにロータリジョイントの軸線方向寸法は更に長大化する。勿論、メカニカルシール数が多くなれば、ベアリングをメカニカルシール群の両側に配置しておくだけでは軸触れ等を確実に防止することができず、メカニカルシール群の中間部分にもベアリングを配置する必要が生じることになる。
一方、CMP装置等にあっては、ロータリジョイントが配置される相対回転部材間のスペースは、相対回転部材の一方(トップリング等の回転側部材)を他方(CMP装置本体等の固定側部材)に回転自在に支持させておく構造上、両部材の相対回転軸線方向に直交する方向(径方向)に大きくすることはできても、相対回転軸線方向には一定以上に大きくすることができないことが多い。
したがって、従来ジョイントでは、このような相対回転軸線方向のスペースに制限がある機器であって多くの流体ルートを必要とするCMP装置等には使用することができない。また、かかるスペースに制限がない機器においても、多くの流体ルートを必要とする場合には、機器全体が必要以上に大型化する。
また、従来ジョイントでは、1つのメカニカルシールを2つの流路間をシールする手段として兼用させることにより、軸線方向寸法の短尺化を図ることができるが、このようにすると、流路内の圧力変動等により一方の流路から他方の流路へと流体が漏れることがある。かかる場合、漏れが僅かであっても、他方の流路を流れる流体がウエハ処理用の純水等であるときは、一方の流路を流れる流体の混入により、ウエハに悪影響を及ぼす虞れがある。したがって、従来ジョイントでは、このような他流路からの流体混入を避ける必要がある流体を扱う場合には、軸線方向寸法の短尺化を有効に図る術はないし、仮にメカニカルシールを上記した如く兼用したとしても、短尺化できる範囲は僅かである。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、1つの流路を設ける場合と同等の軸線方向寸法で流路数に可及的に多く設けることができ、狭いスペースにも良好に設置することができ、他の流体の混在を避ける必要のある流体をも良好に流動させ得る実用的な多流路形ロータリジョイントを提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成すべく、第1ジョイント構成部材と第2ジョイント構成材とを相対回転自在に連結し、両ジョイント構成部材の相対回転軸線方向における対向端面部間に、両ジョイント構成部材の相対回転軸線を中心として同心状に並列する複数のメカニカルシールにより区画形成される複数のシール領域を設けると共に、両ジョイント構成部材に各シール領域を各別に通過する流路を設けたことを特徴とする多流路形ロータリジョイントを提案する。
かかる多流路形ロータリジョイントにあっては、各メカニカルシールが、第1ジョイント構成部材に前記相対回転軸線方向に移動可能に保持された可動密封環と、前記相対回転軸線方向において可動密封環に対向して第2ジョンイト構成部材に固定された固定密封環と、可動密封環と第1ジョイント構成部材との間に介装されて可動密封環を固定密封環へと押圧附勢するスプリングと、を具備するものであって、特に、バランス比κが0≦κ≦0.5(より好ましくはκ=0又はκ≒0)となるバランスシールに構成されていることが好ましく、両密封環の対向端面である密封端面の一方を微小幅の円環状をなすナイフエッジ形状とした端面接触形のものに構成されていることが好ましい。当該ロータリジョイントを相対回転部材間で電気的な接続を必要とする機器に使用する場合には、両ジョイント構成部材に、最小径のメカニカルシールの内周側領域を通過する電線挿通路を設けておくことが好ましい。当該内周側領域は、電線挿通路の一部として使用しない場合においては、流路の一部を構成するシール領域として使用することができる。
本発明の多流路形ロータリジョイントは、軸線方向寸法を長大化させることなく、複数の異種流体又は同種流体を混在させることなく各別の流路により相対回転部材間において良好に流動させることができるものである。したがって、本発明によれば、相対回転部材間の回転軸線方向におけるロータリジョイント設置スペースが小さく且つ多数の流体ルートを必要とするCMP装置等においても好適に使用することができ、極めて機能性,実用性に富むロータリジョイントを提供することができる。
図1及び図2は本発明の多流路形ロータリジョイントの一例を示す断面図であり、図1及び図2に示す多流路形ロータリジョイントは、CMP装置の相対回転部材間、つまりターンテーブル等の回転側部材Aとこれを回転自在に支持するCMP装置本体等の固定側部材Bとの間に配置されるものであり、固定側部材Bに取り付けられる第1ジョイント構成部材1と、回転側部材Aに取り付けられる第2ジョイント構成部材2と、両ジョイント構成部材1,2に設けられた複数の流路3…と、各流路3の相対回転部分をシールする複数のメカニカルシール4…と、第1ジョイント構成部材1に設けられたドレン路51,52と、を具備する。
第1ジョイント構成部材1は、図1に示す如く、円筒状の周壁6と厚肉円板状の底壁7と薄肉円板状の取付板8とからなり、底壁7及びその下位の取付板8の外周側部分に挿通させた適当数のボルト9…(1つのみ図示)を周壁6の下端部に螺着させることにより有底円筒構造体に組み立てられている。
第2ジョイント構成部材2は、図2に示す如く、円柱状のシャフト10と円筒状のスリーブ11とからなり、シャフト10にスリーブ11を嵌合させると共に適当数のボルト12a…(1つのみ図示)により取付けることにより、シャフト10の下端部をスリーブ11から下方に若干突出させた状態で一体構造物に組み立てられている。なお、スリーブ11の上端部には、回転側部材Aに取り付けるための環状フランジ11aが一体形成されている。
両ジョイント構成部材1,2は、図1及び図2に示す如く、第1ジョイント構成部材1の底壁7の上端面部7aと第2ジョイント構成部材2のシャフト10の下端面部10aとを近接対向させた状態で、第1ジョイント構成部材1の周壁6と第2ジョイント構成部材2のスリーブ11との対向周面部間に介装した1つのベアリング12により相対回転自在に連結されている。さらに、周壁6とスリーブ11との対向周面部間には、ベアリング12の近傍下位に配して、オイルシール13が介装されている。このオイルシール13は、周壁6内周部に嵌合保持されてスリーブ11の外周部に押圧接触されたゴム等の弾性材製のシールリング13aと、シールリング13aに埋設された補強金属材13bと、シールリング内周部のスリーブ11への接触力を確保するためのガータスプリング13cとからなる。
各ジョイント構成部材1,2の中心部には貫通孔53,54が形成されている。両貫通孔53,54は、両ジョイント構成部材1,2の軸線(相対回転軸線)上を貫通する電線挿通孔55として機能する。すなわち、この電線挿通孔55は、回転側部材Aと固定側部材Bとの間での送電や各種の電気的制御を行うための電線(図示せず)を挿通させるためのものであり、必要に応じて、両貫通孔53,54間にはロータリコネクタが配設される。
メカニカルシール4…は、図1及び図2に示す如く、ジョイント構成部材1,2の軸線(ジョイント構成部材1,2の相対回転軸線)を中心とする同心状をなして、両ジョイント構成部材1,2の軸線方向における対向端面部間つまり底壁7の上端面部7aとシャフト10の下端面部10aとの間に並列配置されていて、両ジョイント構成部材1,2の対向端面部7a,10a間を同心状をなす複数のシール領域5…に区画している。この例では、両ジョイント構成部材1,2の対向端面部7a,10a間に、図1及び図2に示す如く、径の異なる5つのメカニカルシール4…を同心状に配置して、最小径のメカニカルシール4の内周側領域及び径方向に隣接するメカニカルシール4,4間の環状領域で形成される5つのシール領域5…及び最大径のメカニカルシール4とオイルシール13との間の環状領域で形成されるドレン領域5fが設けられている。なお、以下の説明において、各メカニカルシール4を他のメカニカルシール4…と区別する必要があるときは、最小径のものから順に「第1メカニカルシール4a」「第2メカニカルシール4b」「第3メカニカルシール4c」「第4メカニカルシール4d」及び「第5メカニカルシール4e」ということとする。また、各シール領域5を他のシール領域5と区別する必要があるときは、第1メカニカルシール4aの内周側領域で形成されるものから順に「第1シール領域5a」「第2シール領域5b」「第3シール領域5c」「第4シール領域5d」及び「第5シール領域5e」ということとする。
而して、両ジョイント構成部材1,2には、図1及び図2に示す如く、第1及び第3シール領域5a,5cを除くシール領域5…を各別に通過する3つの流路3…(以下、「第1流路3a」「第2流路3b」及び「第3流路3c」という)が形成されている。すなわち、第1流路3aは、第1及び第2メカニカルシール4a,4b間の第2シール領域5bと第1ジョイント構成部材1の底壁7及び第2ジョイント構成部材2のシャフト10に形成されて第2シール領域5bに開口する貫通孔31a,32aとで一連に構成されたものであり、第2流路3bは、第3及び第4メカニカルシール4c,4d間の第4シール領域5dと底壁7及びシャフト10に形成されて第4シール領域5dに開口する貫通孔31b,32bとで一連に構成されたものであり、また第3流路3cは、第4及び第5メカニカルシール4d,4e間の第5シール領域5eと底壁7及びシャフト10に形成されて第5シール領域5eに開口する貫通孔31c,32cとで一連に構成されたものである。この例では、第1流路3aが、他の流体との混合や金属汚染を回避すべき流体、例えば半導体ウエハの処理(表面研磨等)に使用される純水,研磨液等の処理流体を流動させる通路として使用されている。また、第2及び第3流路3b,3cは、このような条件(金属汚染等の回避)が格別要求されない加圧空気,上水等の非処理流体(又は相互混入による影響のない同種流体)を流動させる通路として使用されている。なお、貫通孔31a,31b,31cは、後述するスプリング嵌挿用の凹部25…に連通しないように配置されている。
最小径の第1メカニカルシール4aの内周領域で形成される第1シール領域5aは、電線挿通孔55が貫通しており、貫通孔53,54と共に電線挿通孔55を構成する。
第2及び第3メカニカルシール4b,4c間の環状領域で形成される第3シール領域5cはドレン領域として使用され、第1ジョイント構成部材1の底壁7には、図2に示す如く、ドレン領域5cに開口するドレン路51が形成されている。また、底壁7には、図2に示す如く、オイルシール13下のドレン領域5fに開口するドレン路52が形成されている。
各メカニカルシール4は、第1ジョイント構成部材1に回転軸線方向(両ジョイント本体1,2の相対回転軸線方向)に移動可能に保持された可動密封環14と、当該回転軸線方向において可動密封環14に対向して第2ジョンイト構成部材2に固定保持された固定密封環15と、可動密封環14と第1ジョイント構成部材1との間に介装されて可動密封環14を固定密封環15へと押圧附勢するスプリング16とを具備する。すなわち、メカニカルシール4は、図1〜図4に示す如く、第1ジョイント構成部材1の底壁7の上端面部7aに軸線方向(上下方向)に移動可能に保持された可動密封環14と、これに直対向して第2ジョイント構成部材2のシャフト10の下端面部10aに固定された固定密封環15と、可動密封環14を固定密封環15へと押圧接触されるべく附勢する複数のコイルスプリング16…(1つのみ図示)と、を具備するものであり、両密封環14,15の対向端面たる密封端面14a,15aの相対回転摺接作用によりシール機能を発揮する端面接触形のものに構成されている。
各可動密封環14は、図1〜図4に示す如く、第1メカニカルシール4aにおいては底壁7の上端面部7aの中心部に形成した円形凹部17に嵌合保持されており、これを除く各メカニカルシール4においては底壁7の上端面部7aに形成した環状溝18に嵌合保持されている。なお、第2及び第3メカニカルシール4b,4cの可動密封環14,14は共通の環状溝18に近接状態で嵌合保持されており、第2メカニカルシール4bの可動密封環14は当該共通の環状溝18の内径側壁面に外嵌保持されると共に第3メカニカルシール4cの可動密封環14は当該共通の環状溝18の外径側壁面に内嵌保持されている。
各メカニカルシール4の可動密封環14は、その上下方向移動を許容する状態で、Oリング19により底壁7との間を二次されると共にドライブピン20により底壁7との間の相対回転を阻止されている。すなわち、Oリング19は、図1〜図4に示す如く、第2メカニカルシール4bにおいては可動密封環14の内周面と環状溝18の内径側壁面との間を二次シールしており、これ以外の各メカニカルシール4においては可動密封環14の外周面と円形凹部17の側壁面又は環状溝18の外径側壁面との間を二次シールしている。また、ドライブピン20は、図1〜図4に示す如く、円形凹部17又は環状溝18の底壁面に突設されていて、第2メカニカルシール4bにおいては可動密封環14の外周部に形成した凹溝14bに係合されており、これ以外の各メカニカルシール4においては可動密封環14の内周部に形成した凹溝14cに係合されている。
各固定密封環15は、図1〜図4に示す如く、第1メカニカルシール4aにおいてはシャフト10の下端面部10aの中心に形成した円形凹部21に嵌合固定されており、第5メカニカルシール4eにおいてはシャフト10の下端面部10aの外周面に嵌合固定されており、またこれらを除く各メカニカルシール4においてはシャフト10の下端面部10aに形成した環状溝22に嵌合固定されている。各固定密封環15とシャフト10との嵌合部分には、両者10,15間を二次シールするOリング23が介装されている。すなわち、Oリング23は、第1メカニカルシール4aにおいては固定密封環15の外周面と前記円形凹部21の内周面との間に介装されており、第5メカニカルシール4eにおいては固定密封環15の内周面とシャフト10の外周面との間に介装されており、これら以外のメカニカルシール4においては固定密封環15の内周面又は外周面とこれに対向する環状溝22の内周面との間に介装されている。また、各固定密封環15は、その上端部に形成した凹部にスリーブ11の下端面又は円形凹部21若しくは環状溝22の底壁面に突設したドライブピン24を係合させることにより、シャフト10に対する相対回転を阻止されている。なお、両密封環14,15の背面にはシール領域5を流動する流体の圧力が背圧として作用することになるが、かかる背圧が作用する面積(密封環14,15の背面の面積)は、図4に示す如く、固定密封環15より可動密封環14の方が大きくなっている。
各メカニカルシール4におけるコイルスプリング16…は、円形凹部17又は環状溝18の底壁面に周方向に所定ピッチで穿設された複数の凹部25…(1つのみ図示)に嵌挿されていて、可動密封環14を上方へと押圧附勢して固定密封環15に圧接させる。
また、この例では、各固定密封環15の下端面たる密封端面15aは、ジョイント構成部材1,2の軸線(相対回転軸線)に直交する平滑な円環状面に構成されており、各可動密封環14の上端面たる密封端面14aは微小幅Wの円環状をなすナイフエッジ形状とされていて、対向する固定密封環15の密封端面15aにほぼ線接触しうるようになっている(図4参照)。
ところで、流路3…、例えば第1流路3aを通過する処理液が固形成分や凝固成分を含有する研磨液等のスラリ流体である場合、密封端面14a,15a間にスラリ流体が侵入して、これに含まれている固形成分や凝固成分が付着,堆積し、密封端面14a,15aの適正な接触状態が損なわれる虞れがあるが、上述した如く、一方の密封端面14aを微小幅Wのナイフエッジ形状としておくことによって、このような固形成分等の付着,堆積を効果的に防止することができる。すなわち、密封端面14a,15a間に侵入,付着した固形成分等をナイフエッジ状の密封端面14aによって削り取る如くして排除する(この機能を、以下「付着物排除機能」という)のである。また、密封端面幅Wを微小として、密封端面14a,15aの接触面積を小さくしておくことにより、ドライ条件下(例えば、研磨処理後に第1流路3aに残存する処理液を真空吸引により排出させるような場合や第2又は第3流路3b,3cに加圧空気等の気体を流動させる場合)においても密封端面14a,15aの接触による摩耗や発熱を効果的に抑制する(この機能を、以下「摩耗抑制機能」という)ことができる。このような付着物排除機能及び摩耗抑制機能を効果的に発揮させるためには、密封端面幅Wを1〜5mmに設定しておくことが好ましい。W>5mmであると、密封端面14aによる固形分排除機能が充分に発揮されないし、密封端面14a,15aの接触による摩耗を効果的に防止できない。また、W<1mmであると、密封端面14aの強度上の問題の他、密封端面14aによる削り取り力が過大となって、密封端面14a,15a間に形成される潤滑膜までも破壊され、密封端面14a,15aが焼き付く虞れがあると共に、密封端面14a,15aの接触圧が必要以上に高くなるため密封端面14a,15aの接触による摩耗が効果的に抑制されず、摩耗粉の発生が多くなる。したがって、密封端面幅Wは、シール条件(密封すべき流体の性状,圧力等)に応じて、上記した範囲(1mm≦W≦5mm)で適当に設定しておくことが好ましい。
また、各メカニカルシール4を、密封端面14a,15aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の内周側領域と外周側領域とをシールする端面接触形のものに構成してあるが、この例では、更に図4に例示する如く、バランス比κが0≦κ≦0.5となるバランスシールに構成して、正圧,負圧の切り換えや上記内外周領域間の圧力バランスの逆転(両領域の圧力が高低逆転する場合)等にも十分に対応できるように工夫してある。
図4に示す第1メカニカルシール4aを例として説明すると、各メカニカルシール4におけるバランス比κは、設計上、密封端面14a,15aの相対回転摺接部分の内外径D1,D2(密封端面14aの内外径であり、(D2−D1)/2=Wである)と可動密封環14の二次シール部分の径(Oリング19に接触する可動密封環部分の外径であり、以下「バランス径」という)D0とで決定され、κ=((D1 2 −(D0 2 )/((D2 2 −(D1 2 )とされる。すなわち、図4に示す如く、密封端面14a,15aの相対回転摺接部分の内周側領域(第1シール領域)5a及び外周側領域(第2シール領域)5bにおける圧力をPa,Pb(Pa<Pb)とし、コイルスプリング16…による附勢力(スプリング圧)をFとすると、当該相対回転摺接部分に作用する見掛け上の面圧(推力)Pは、P=(π/4)((D1 2 −(D0 2 )(Pb−Pa)/(π/4)((D2 2 −(D1 2 )+(π/4)((D2 2 −(D1 2 )F/(π/4)((D2 2 −(D1 2 )=(((D1 2 −(D0 2 )/((D2 2 −(D1 2 ))(Pb−Pa)+Fで与えられることになり、この式における第1項の係数((D1 2 −(D0 2 )/((D2 2 −(D1 2 )がバランス比κである。このように、バランス比κは、密封端面14aの内外径D1 ,D2 及びバランス径D0 によって必然的に決定されるものであり、バランス比κを0≦κ≦0.5に設定しておくことにより、当該メカニカルシール4aによって区画される両領域5a,5b間の差圧(Pb−Pa)が大小変動,正負変動した場合(例えば、圧力Paが大気圧力で一定となる第1シール領域5aとの関係において、第2シール領域5bが正圧モード(処理液の流動時)と負圧モード(処理液の真空吸引排出時)とに切り換えられた場合)にも上記推力Pが大きく変化せず、密封端面14a,15aの接触圧を適正に維持することができ、両領域5a,5b間のシールを良好に行うことができる。この例では、ナイフエッジ形状をなす密封端面14aの内径D1若しくは外径D2又は平均径((D1+D2)/2)とバランス径D0とを一致又は略一致させることによりκ=0又はκ≒0に設定してある。
ところで、当該ロータリジョイントの各部材の構成材は、当該部材に要求される機能,機械的強度に応じて選択される他、各流路3を流動する流体の性状,使用目的に応じて選択しておくことが必要であり、一般に、当該流体に対して不活性なものを選択しておくことが好ましい。流体に対して不活性な構成材は、当該流体の性状や使用条件(金属汚染の回避等)との関係において決定されるものであり、例えば、当該流体が半導体ウエハの処理に使用する研磨液,洗浄液等のように金属汚染を回避すべきものである場合には、流体との接触により金属成分を溶出したり金属粉を発生したりすることがないセラミックスやプラスチックが該当する。また、当該流体が砥粒等の固形成分を含有するスラリ流体である場合には、含有固形成分との接触により発塵しないセラミックス,プラスチックであり、高温流体である場合には耐熱性を有するセラミックス,プラスチックであり、腐食性流体である場合には、耐食性ないし耐薬品性を有するセラミックス,プラスチックが該当する。
したがって、各メカニカルシール4における密封環14,15については、一般に、密封環14,15の摺動接触による摩耗粉等を発生し難い炭化珪素,酸化アルミニウム等のセラミックスで構成しておくことが好ましい。勿論、使用条件によっては、後述のエンジニアリングプラスチックで構成しておくことも可能である。この例では、各メカニカルシール4の密封環14,15は、すべて炭化珪素で構成されている。
また、密封環14,15以外の流体接触部分(当該流体侵入して接触する虞れのある部分を含む)については、当該流体の性状,使用目的に応じて、砥粒等の固形成分との接触によりパーティクルを発生させることがなく且つ加工による寸法安定性,耐熱性等に優れたPEEK,PES,PC等のエンジニアリングプラスチックや耐食性,耐薬品性に優れたPTFE,PFA,FEP,PVDF等の弗素樹脂で構成しておくことが好ましい。そして、流路3における流体接触部分を、選定された材料(以下「選定材料」という)で構成しておく態様としては、流路3が形成される部材全体又は部分を選定材料で構成しておく場合と、流体接触部分のみ(例えば、流路3の内壁面等)をコーティング,パイプ圧入等の手段による選定材料層で構成しておく場合とに大別される。この例では、流路3…が形成される底壁7及びシャフト10を、金属汚染等を生じないPP(ポリプロピレン樹脂)等の合成樹脂で構成してある。そして、底壁7及びシャフト10がかかる合成樹脂で構成されることによるジョイント構成部材1,2の機械的強度不足を、周壁6,取付板8及びスリーブ11を金属製のものとすることによって防止している。この例では、特に、ジョイント全体の軽量化を図るために周壁6及び取付板8をアルミニウム合金製とし、回転体であるシャフト10の強度維持及び回転側部材Aへの取付強度等を図るためにスリーブ11は鋼製(SUS316等)としてある。
以上のように構成された多流路形ロータリジョイントにあっては、複数の流体を独立した流路3…により良好に流動させることができる。特に、第1流路3aにあっては、他の流路3b,3cからの流体侵入が確実に防止されることから、純水等の処理液を他流体の混入による汚染を生じることなく良好に流動させることができ、当該処理液によるウエハ処理を良好に行うことができる。すなわち、第1流路3aのシール領域5bとこれに隣合う第2流路3bのシール領域5dとの間にはドレン領域(第3シール領域)5cが介在しているから、シール領域5dからシール領域5b側への流体漏れが生じた場合にも、その漏洩流体はドレン領域5cに開口するドレン路51から排出されて、第2シール領域5bに侵入することがない。また、第1流路3aのシール領域5bには、ドレン領域5cの他、第1シール領域5aが隣接するが、この第1シール領域5aは電線挿通路55の一部を構成する大気領域であるから、第1メカニカルシール4aが上記したバランスシールに構成されていることとも相俟って、第1流路3aを流動する処理液が第1シール領域5a側から汚染されるようなことはない。
また、第2及び第3流路3b,3cにあっては、相互に混入することがあっても影響のない非処理流体(又は同種流体)を流動させることから、隣接するシール領域5d,5e間において流体漏れが生じたとしても問題はない。また、オイルシール13下のドレン領域5fにベアリング12の潤滑オイルが漏洩した場合、これがドレン領域5fに隣接する第3流路3cのシール領域5eに侵入する虞れがあるが、かかる漏洩オイルはドレン領域5fに開口するドレン路52から排出されて、シール領域5eに侵入することがない。このようなシール領域5eとこれに隣接する領域5d,5fとの間における流体漏れは、これらの領域間をシールするメカニカルシール4d,4eをバランスシールとしておくことにより、より確実に防止される。
このように、多流路形ロータリジョイントにあっては、ジョイント構成部材1,2間に流路3…を構成するためのシール領域5b,5d,5e及び流路3…への流体混入を避けるためのドレン領域5c,5f並びに電線挿通路55を構成するための領域5aを設け、これらの領域5a,5b,5c,5d,5e,5f間をシールするために多数のメカニカルシール4…を設けたものであるが、メカニカルシール4…をジョイントの径方向に同心状に配置したことから、軸線方向寸法を極めて小さくすることができる。すなわち、軸線方向寸法を、従来ジョイントにおいて1つのメカニカルシールを設けた場合と同等に設定することができ、これはメカニカルシールの設置数に拘わらず一定である。したがって、多くの流体ルートを必要とするCMP装置等であって、相対回転部材(回転側部材A及び固定側部材B)間の回転軸線方向におけるロータリジョイント設置スペースが小さな機器にも、好適に使用することができる。しかも、軸線方向寸法が小さいために、上記した如く、両ジョイント構成部材1,2を1つのベアリング12により軸触れ等を生じない適正状態に確実に連結することができるから、ベアリング12による軸線方向寸法の増大を招くことがなく、ベアリング12を含めたジョイント全体のメンテナンスを容易に行うことができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。例えば、流路を構成するためのシール領域(及びシール領域間の流体侵入を防止するためのドレン領域)の数,配置は、流動させようとする流体の性状,使用目的等に応じて任意に設定することができる。
本発明に係る多流路形ロータリジョイントを示す断面図である。 図1と異なる位置で切断した断面図である。 図1の要部の拡大図である。 図2の要部の拡大詳細図である。
符号の説明
1…第1ジョイント構成部材、2…第2ジョイント構成部材、3…流路、3a…第1流路、3b…第2流路、3c…第3流路、4…メカニカルシール、4a…第1メカニカルシール、4b…第2メカニカルシール、4c…第3メカニカルシール、4d…第4メカニカルシール、4e…第5メカニカルシール、5…シール領域、5a…第1シール領域(電線挿通路)、5b…第2シール領域、5c…第3シール領域(ドレン領域)、5d…第4シール領域、5e…第5シール領域、5f…ドレン領域、7a…底壁の上端面部(両ジョイント構成部材の対向端面部)、10a…シャフトの下端面部(両ジョイント構成部材の対向端面部)。

Claims (1)

  1. 第1ジョイント構成部材と第2ジョイント構成材とを相対回転自在に連結し、両ジョイント構成部材の相対回転軸線方向における対向端面部間に、両ジョイント構成部材の相対回転軸線を中心として同心状に並列する複数のメカニカルシールにより区画形成される複数のシール領域を設けると共に、両ジョイント構成部材に各シール領域を各別に通過する流路を設けたことを特徴とする多流路形ロータリジョイント。
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