JP4083066B2 - 船舶推進機のギアケースのエア補償室構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関が船外にある船外機および船内にある船内外機等の船舶推進機に関し、船舶推進機のギアケースのエア補償室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライブ軸からプロペラ軸に動力を伝達するベベルギア機構が収容されるギア室を備える船舶推進機の下部のギアケースは、軸受部も潤滑するためギア室に十分に潤滑油が貯留されている。
【0003】
この貯留潤滑油が漏れ出さないように、また外部から水が浸入しないようにギア室は液密にシールされている。
このギア室の容積は、船舶推進機の軽量化および流動抵抗を小さくするために必要最小限に小さく設計されている。
【0004】
そのためギアの噛み合いにより熱が発生して潤滑油が膨張すると、ギア室の潤滑油以外の上方空間の空気が圧縮され体積変化を吸収する。
【0005】
そこでギア室の上部にゴム等のベローズ状の膨張室を設け、小穴によりギア室内と連通させて、各部にかかる内圧の上昇を許容範囲内に抑えた例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
実開昭53−24098号公報
【0007】
同特許文献1では、ギア室の容積が制限された状態で船外機が運転されギア類が高速で噛み合いながら回転し潤滑油を攪拌し発熱し空気が膨張すると、膨張室が伸びることにより体積変化を吸収し、許容範囲内に内圧の上昇を抑えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特殊なベローズ状をした専用の膨張室を狭いギアケースの上面に新たに設けなければならずスペースの確保が容易ではない。
また専用の膨張室のため部品点数および取付工数も増し、さらにギア室と膨張室とを連通する小穴を形成しなければ加工工数もかかり、コスト高となる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ギア室の閉塞部材を利用して部品点数・作業工数を削減して低コストの船舶推進機のギアケースのエア補償室構造を供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、ドライブ軸からプロペラ軸に動力を伝達するベベルギア機構が収容されるギア室をドライブ軸挿入穴の下部に備える船舶推進機の下部のギアケースに上方を開口して前記ドライブ軸挿入穴に平行にシフトロッド挿入穴が穿設され、前記ドライブ軸挿入穴と前記シフトロッド挿入穴とが上部の連通路により連通され、前記シフトロッド挿入穴の開口が閉塞部材により閉塞され、シフトロッドが前記閉塞部材を貫通して前記シフトロッド挿入穴に挿入され、前記閉塞部材にエア補償室が上方に膨出して形成される船舶推進機のギアケースのエア補償室構造とした。
【0011】
ギア室の容積が制限された状態で熱膨張による体積変化を吸収するに十分なだけの空気室容量を、閉塞部材の上方に膨出したエア補償室により確保することで、ギア室の内圧の上昇を許容範囲内に抑えることができる。
【0012】
シフトロッド挿入穴の開口を閉塞する閉塞部材にスペースの有効活用してエア補償室を形成してエア補償機能を兼ねさせることで、部品点数・作業工数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造において、前記シフトロッドは、回動により前後進を切り換える機能を有するものであることを特徴とする。
【0014】
シフトロッドは、軸中心に回動するので、閉塞部材から出没することがなく、シールを完全に行うことが容易にできる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造において、前記シフトロッド挿入穴に挿入されるシフトロッドが上下分割されるシフトロッドの下側シフトロッドであり、下側シフトロッドの上端の接続端部が前記閉塞部材から上方へ突出していることを特徴とする。
【0016】
シフトロッドが上下に分割され、下側シフトロッドが閉塞部材を貫通して上端の接続端部を上方へ突出させる構造であるので、ギアケースをユニット化して組立てを容易にすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造において、前記閉塞部材は、前記ギアケースの上端合わせ面より下方に前記シフトロッドの保持部を有し、前記合わせ面より上方にエア補償室を有することを特徴とする。
【0018】
閉塞部材をコンパクトに構成でき、合わせ面より下方の保持部でシフトロッドが確実に保持される。
なお閉塞部材は、貫通するシフトロッドを保持する機能も備えるので、ギア室の閉塞機能、エア補償機能に合わせて1部材で3機能を有する。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造において、前記閉塞部材の膨出部以外の上面が、前記シフトロッドの保持部に設けられたシール部材の上端面と連続した同一面をなして外周縁まで延びていることを特徴とする。
【0020】
シフトロッドを上方から伝わる水は、シール部材で遮断されるとともに、シール部材の上端面と連続した同一面をなす閉塞部材の上面により外周縁に排出されて溜まることがない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図18に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係る船外機10の全体側面図である。
【0022】
船外機10は、取付装置2を介して船尾1に取り付けられている。
取付装置2は、船尾1にボルトを介して固定された掛止ブラケット3と、該掛止ブラケット3の前端に横架されたチルト軸4を介して上下に揺動可能に枢着されたスイベルケース5とを備え、スイベルケース5にスイベル軸6が略上下方向に指向して回動自在に枢支されている。
【0023】
船外機10は、このスイベル軸6に上下の連結部材7,8を介して連結される船外機本体10aを備えている。
したがって船外機10は、チルト軸4を中心に上下に揺動できるとともに、スイベル軸6の軸線を中心に左右に揺動することができる。
【0024】
船外機本体10aは、連結部材7,8の少なくとも一方と連結するエクステンションケース14と、連結部材7,8の他方と連結するマウントケース12を有している。
【0025】
マウントケース12は、エクステンションケース14に直接または間接的に一体的に組立てられる。
このマウントケース12の上に内燃機関11が固定される。
マウントケース12とエクステンションケース14とは、一体となって内燃機関11および駆動部を支持するもので、間に他のオイルケース等があってもよい。
【0026】
内燃機関11は、少なくとも上半部を機関カバー13aによって覆われる。
船外機本体10aは、またアンダカバー13bを有して内燃機関11の下半部を覆うとともに、船外機全体の外観を構成している。
さらに船外機本体10aは、エクステンションケース14の下部にギアケース15を連結している。
【0027】
通常、停船または低速航行状態では、下側連結部材8の近辺から下位部が水中に浸かった没水部に相当し、高速航行状態では後述のアンチキャビテーションプレート17bより下位部が没水部に相当する。
【0028】
内燃機関11のクランク軸20は、略上下方向に指向し、該クランク軸20に連結されたドライブ軸21がエクステンションケース14内を下方に延びてギアケース15内に達している。
【0029】
ギアケース15内には、ベベルギア機構22および前後進切換クラッチ機構23が内蔵され、略上下方向に指向したドライブ軸21の回転をベベルギア機構22により略水平方向に指向したプロペラ軸24に伝達し、プロペラ軸24に設けられたプロペラ25を回転する。
【0030】
また前後進切換クラッチ機構23を操作する上側シフトロッド26が、ドライブ軸21の前方を平行にマウントケース12からギアケース15にかけて前記スイベル軸6内を回転自在に貫通しており、同上側シフトロッド26に同軸に連結される下側シフトロッド27がギアケース15内に挿入されている。
【0031】
船外機10の最下部のギアケース15は、アルミ合金の鋳造品であり、後述のギア室15a周りの円筒部18が砲弾型をして、その上下部分の平断面形状が流線形状をしている。
またギアケース15は、側面視で後下部がプロペラ25のために切り欠かれ、下端部が三角形状のスケグ16を形成している。
ギアケース15の上部両側面には上下にスプラッシュガード17a,アンチキャビテーションプレート17bが側方に突出形成されている。
【0032】
スケグ16の上部において前後水平方向に指向した弾丸状の円筒部18が左右に膨出して形成されており、同円筒部18の前端は縮径されて閉塞され、後端は開口している。
【0033】
この円筒部18の内部空間の前部にギア室15aが形成され、ギア室15aから上方へドライブ軸挿入穴15bが穿設され、円筒部18のギア室15aから後方開口までの内部空間をプロペラ軸挿入穴15cとしている。
【0034】
したがってギアケース15は、略上下鉛直方向に指向したドライブ軸挿入穴15bの下端のギア室15aで後方へ屈曲して略前後方向に指向したプロペラ軸挿入穴15cが形成されていて側面視でL字形状に穿設されている。
【0035】
また、ドライブ軸挿入穴15bの若干前方位置においてドライブ軸挿入穴15bと平行にシフトロッド挿入穴15dが穿設され、同シフトロッド挿入穴15dはギア室15aのさらに前方の小径凹部15eにまで達している。
【0036】
シフトロッド挿入穴15dのさらに前方には速度検出用の小孔15fがシフトロッド挿入穴15dと平行に穿設され,同小孔15fは下端が前方に屈曲してギアケース15の外部に開口している。
【0037】
他方、ドライブ軸挿入穴15bに沿って後方には水汲み上げのための吸入通路15gが形成されており、吸入通路15gの下部は側方に吸入口15g1(図3参照)が形成され、その吸入口15g1にフィルタ30が設けられる(図2参照)。
そして吸入通路15gの後方には、前後に長尺偏平の上端開口を有する排気通路15hが下端を前記円筒部18の上壁を貫通して形成されている。
【0038】
ギアケース15の上端面であるエクステンションケース14との合わせ面19(図4において点模様で示す部分)には、図4に示すようにドライブ軸挿入穴15bの開口とその前方にシフトロッド挿入穴15d,小孔15fの開口、ドライブ軸挿入穴15bの後方に吸入通路15gと排気通路15hの開口がそれぞれ形成されている。
ドライブ軸挿入穴15bの開口端面は若干合わせ面19より低い位置にある。
そしてギアケース15の円筒部18が後方に開口している。
【0039】
図3を参照して、ドライブ軸21が挿入されるドライブ軸挿入穴15bは、その最上部に最大内径部15b1が形成され、その下に谷の径が最大内径部15b1と略同径の雌ねじ部15b2が形成され、さらにその下に雌ねじ部15b2の内径に略等しい内径の軸受部15b3が形成されている。
【0040】
軸受部15b3の下には縮径段部15b4が形成され、その下の中径部15b5を経てさらに縮径した油汲上げ部15b6が形成され、その下の縮径部15b7を経た最下部は若干拡径した軸受部15b8が形成されてギア室15aに開口している。
【0041】
最上部に形成された最大内径部15b1の内周面の前方下部から斜め下方に穿設された連通孔15iがシフトロッド挿入穴15dに貫通してドライブ軸挿入穴15bとシフトロッド挿入穴15dとを上方で連通している。
【0042】
また中間部に形成された油汲上げ部15b5の内周面の前方下部から斜め下方に穿設された吸油路15jがギア室15aに貫通してドライブ軸挿入穴15bとギア室15aとを下方で連通している。
【0043】
このドライブ軸挿入穴15bに上方からドライブ軸21が挿入されるが、その前にギア室15aの前部の縮径部にテーパローラベアリング31を介してベベルギアである前進側被動ギア32を嵌挿しておく。
【0044】
ドライブ軸挿入穴15bにドライブ軸21が上方から挿入される際には、予め最下部の軸受部15b8にニードルベアリング33を下方から嵌着しておく。
ドライブ軸挿入穴15bに上方から挿入されたドライブ軸21は、ニードルベアリング33を貫通してギア室15aに下端部を突出し、その突出した下端部にベベルギアであるドライブギア34を前進側被動ギア32に噛み合わせながら嵌合し、ナット35の螺着によりドライブギア34を締結する。
【0045】
ドライブ軸21の中間部には外周面に雄ねじが形成された油汲上げ円筒部材36が嵌着されていて、ドライブ軸挿入穴15bの油汲上げ部15b6に挿入される。
図11を参照して、軸受部15b3にはドライブ軸21との間に2連のテーパローラベアリング37が嵌挿され、その上の雌ねじ部15b2にリング状の雄ねじ固定部材38が螺合されて、テーパローラベアリング37が固定される。
【0046】
雄ねじ固定部材38は、図6および図7に示すように外周面に雄ねじ38aが形成され内周面38bが工具により螺合し易いように星形多角形状をし、外周部が若干下方へ延出した延出部38cを形成している。
【0047】
ドライブ軸挿入穴15bの雌ねじ部15b2に雄ねじ固定部材38を螺合すると、外周延出部38cが軸受部15b3に嵌挿されたテーパローラベアリング37のアウタレースに当接し、同アウタレースを縮径段部15b4との間で挟みつけてテーパローラベアリング37をドライブ軸挿入穴15bの内周に確固として固定する。
【0048】
したがってドライブ軸挿入穴15bに挿入されたドライブ軸21は、前記ニードルベアリング33とテーパローラベアリング37によりギアケース15に回転自在に軸支され、固定されたテーパローラベアリング37により上下動も規制される。
【0049】
そしてドライブ軸挿入穴15bの最上部の最大内径部15b1に蓋部材40が嵌合されて、ドライブ軸挿入穴15bの上端開口が閉塞される。
蓋部材40は、図8ないし図10に示すように中央に円孔を有する円板部40aの下方に同軸の内円筒部40bと外円筒部40cが2重に延出しており、円板部40aの内周縁が上方へ延出して上側円筒部40dが形成されている。
【0050】
円板部40aは、外径が外円筒部40cの外径より若干大きくフランジ部40a1が張り出している。
下側の内円筒部40bは、上側円筒部40dより径が大きい。
円板部40aの外周縁の対称な部分が外側に突出して取付ボス部40e,40eが形成されており、取付ボス部40e,40eにはボルト挿入孔40e1,40e1が穿設されている。
【0051】
外円筒部40cの外周面には周方向に亘って溝条40c1が形成され、外円筒部40cの下端縁の一部に油通し溝40c2が所定位置に形成されている。
また上側円筒部40dの下端の一部で船外機の前側となる部分に水抜き孔40d1が穿孔されている。
【0052】
このような蓋部材40の内円筒部40bの内側にシール部材41を嵌合し、外円筒部40cの外周面の溝条40c1にOリング42を嵌合しておいて、同蓋部材40をドライブ軸挿入穴15bの最大内径部15b1に嵌入してドライブ軸挿入穴15bの上端開口を閉塞する(図11参照)。
【0053】
その際、蓋部材40の外円筒部40cが最大内径部15b1に沿って嵌入しOリング42によりドライブ軸挿入穴15bの内周面との間がシールされ、蓋部材40の中央をドライブ軸21が貫通しシール部材41によりドライブ軸21との間がシールされる(図11参照)。
なおドライブ軸21を伝わって上側円筒部40d内に浸入した水は、シール部材41により遮断され前方に穿孔された水抜き孔40d1から前方へ排出される。
【0054】
蓋部材40のフランジ部40a1がドライブ軸挿入穴15bの開口端面に合わされ、取付ボス部40e,40eがドライブ軸挿入穴15bの開口端面の膨出したねじ穴ボス部15k,15k(図4参照)に合わされてボルト挿入孔40e1,40e1に挿入されねじ穴に螺合された2本のボルト43,43により蓋部材40はドライブ軸挿入穴15bの開口部に固定される。
【0055】
図11に示すようにドライブ軸挿入穴15bの開口部に取り付けられた蓋部材40とその下の雄ねじ固定部材38との間には間隔があり、その両者間の空隙部に前記連通孔15iが開口し、エクステンションケース14の下部の前方へ突出した上壁14aであってスイベル軸6より下方の上壁14aを下げることを可能にするため蓋部材40の位置を極力下げても、連通孔15iの開口を一部でも塞がないように前記油通し溝40c2が位置している。
【0056】
以上のようにドライブ軸挿入穴15bは、その上端開口を蓋部材40で閉塞し、ドライブ軸21を回転自在に軸支するテーパローラベアリング37は蓋部材40とは別体の雄ねじ固定部材38により固定される。
【0057】
したがって蓋部材40は、テーパローラベアリング37を固定する必要はないので、強度上2本のボルト43,43で固定する程度で十分であり、ドライブ軸挿入穴15b周りのねじ穴ボス部15k,15kの膨出容積を極力小さくしてギアケース15の大型化を避けることができる。
【0058】
特にギアケース15の幅方向の大型化は走行抵抗となるので、可及的に小さくすることが求められている。
同時に雄ねじ固定部材38によりテーパローラベアリング37が確固として固定されるので、ドライブ軸21の上下両方向の変動を確実に防止することができる。
【0059】
このドライブ軸挿入穴15bと吸入通路15gの周囲の閉じた合わせ面19に、アンダパネル46がドライブ軸21に貫通されて被せられ、その上に水ポンプ45が設けられる。
【0060】
水ポンプ45は、図11に示すようにドライブ軸21を駆動軸とする容積型水ポンプであり、ポンプケース47がノックピン48により位置決めされギアケース15の合わせ面19との間に略矩形のアンダパネル46を挟んで固定され、ポンプ室45aの中心から偏心したドライブ軸21から放射方向に複数のインペラ45bが延設されている。
【0061】
ポンプケース47は、ポンプ室45aを形成する円筒部47aに隣接して上方に突出して吐出管47bが形成されており、図12に示すように円筒部47aおよび吐出管47bの周囲にアンダパネル46に対応した矩形のフランジ部47cが張り出しており、同フランジ部47cの4隅がギアケース15の合わせ面19にボルト49によって大径ワッシャ49aを介して固着される。
【0062】
図示されない水通路がギアケース15側の吸入通路15gとポンプ室45aとを連通しており、ポンプ室45aに隣接して吐出管47bとポンプ室45aを仕切る壁の下端に穿設された吐出口45cがポンプ室45aと吐出管47b内とを連通している。
【0063】
したがってドライブ軸21の回転で水ポンプ45が駆動されると、ギアケース15の側面にフィルタ30が嵌められて開口する吸入通路15gに水を吸い込み、水通路を介してポンプ室45aに吸入する。
【0064】
ポンプ室45aの吐出口45cから吐出管47bに吐出した水は、吐出管47bに連結される水チューブにより上方の内燃機関11に送られて内燃機関11の冷却に供せられる。
【0065】
次にプロペラ軸24がプロペラ軸挿入穴15cに挿入されるが、プロペラ軸24は同プロペラ軸24を回転自在に軸支するプロペラ軸ホルダ50に支持され、かつベベルギア機構22の一部および前後進切換クラッチ機構23を組み込んだ状態でプロペラ軸挿入穴15cに挿入される。
【0066】
プロペラ軸24は、中央より幾らか前寄りに推進力伝達用フランジ24aが形成されており、プロペラ軸24の前端面から円孔が後方へフランジ24aの近くまで穿設された円筒部24bが形成されるとともに、同円筒部24bの中央部において軸と直交する方向に貫通する軸方向に長尺の長孔24cが穿孔されている。
【0067】
このプロペラ軸24の中央部分を回転自在に支持するプロペラ軸ホルダ50は、図2,図13および図14に図示するように、前側大径部と後側大径部との間がテーパ部を介してくびれた小径円筒部を形成している。
【0068】
図14を参照して後側大径部54は、内円筒54aと外円筒54bが同軸に構成され、両者間を4本の連結枝54cが上下左右において放射状に延びて連結している。
4本の連結枝54cの互いの間の空間が排気口54dを構成している。
【0069】
外円筒54bの外周に後端フランジ55が張り出しており、この後端フランジ55の対称な部分が外側に膨出して取付ボス部56,56が形成されている。
取付ボス部56にはボルト挿入孔56aが穿孔されているが、ボルト挿入孔56aの後側開口部が拡径した円穴56bを形成している。
【0070】
円穴56bの深さは、締結ボルト71の頭部の厚さより僅かに深い。
したがって取付ボス部56のボルト挿入孔56aに締結ボルト71を後方より挿入したとき、締結ボルト71の頭部は円穴56bに没してボルト頭部の全周を囲む円穴56bで覆われることになる。
【0071】
以上のような構造のプロペラ軸ホルダ50にプロペラ軸24を前方から貫通し、図2に示すようにスラストベアリング60をプロペラ軸24のフランジ24aが挟み、ニードルベアリング61およびシール部材62が介装される。
【0072】
そしてプロペラ軸ホルダ50の前側大径部にはボールベアリング63が介装され、そのインナレースにベベルギアである後退側被動ギア64の基端円筒部が嵌入される。
【0073】
後退側被動ギア64とプロペラ軸24との間には空隙を有し、したがってプロペラ軸24と後退側被動ギア64とはプロペラ軸ホルダ50に支持されながら互いに独立に回転する。
【0074】
さらにプロペラ軸24の前部円筒部24bには、同軸に連結され一体に摺動する前側シフトスライダ65と後側シフトスライダ66とからなるシフトスライダの後側シフトスライダ66が円筒内に摺動自在に挿入され、円筒外周には円筒状のドグクラッチ67が摺動自在に嵌合される。
【0075】
前側シフトスライダ65には中央より後寄りに前後一対のフランジ65a,65bが一体に形成されており、後側シフトスライダ66は、前端面から後端部近傍まで円穴が穿孔されて円管状をなし、その前端開口に前側シフトスライダ65の後端小径部が嵌入し、嵌合部を直角にピンが貫通して両者を連結し抜け止めを施して一体化することにより、少ない部品でスライダを構成しコストを低減することができる。
【0076】
なお後側シフトスライダ66の前方を開口した円管状部により内部に圧縮スプリングを利用したディテント機構を組付けるのを容易にしている。
そして後側シフトスライダ66の後端部に直交するように貫通支持されたクラッチシフタピン68がプロペラ軸24の円筒部24bの長孔24cを貫通してドグクラッチ67の円孔に嵌入している。
【0077】
したがって前側シフトスライダ65が後側シフトスライダ66とともに軸方向に摺動されると、クラッチシフタピン68を介してドグクラッチ67が長孔24cの前後幅の範囲で前後に移動する。
【0078】
以上のようにプロペラ軸24は、プロペラ軸ホルダ50に回転自在に軸支され、かつベベルギア機構22の一部後退側被動ギア64および前後進切換クラッチ機構23を組み込んだ状態でプロペラ軸挿入穴15cに挿入される。
【0079】
プロペラ軸ホルダ50の前側大径部51および後側大径部54の外径は、プロペラ軸挿入穴15cの内径に略等しく、前側大径部51の外周面にOリング69が嵌められてプロペラ軸ホルダ50がプロペラ軸挿入穴15cに嵌入される。
【0080】
プロペラ軸24の円筒部24bの前部は、既にギア室15aの奥に嵌挿されている前進側被動ギア32の基端円筒部内側に予め嵌挿されたニードルベアリング70内に嵌入され、円筒部24aから前方へ突出した前側シフトスライダ65は、小径凹部15eの前面に形成された円筒部15e1に前端を前後に摺動自在に挿入して回転自在に支持される。
【0081】
したがって前側シフトスライダ65と後側シフトスライダ66とからなるシフトスライダは、前後を摺動かつ回転自在に支持されることによってシフト作動を確実に行っている。
【0082】
そしてギア室15a内において後退側被動ギア64がドライブ軸21の下端に嵌着されたドライブギア34に噛み合いベベルギア機構22が構成される。
ドライブ軸21の回転は、ドライブ軸21と一体に回転するドライブギア34と前側で噛み合う前進側被動ギア32を正回転し、ドライブギア34と後側で噛み合う後退側被動ギア64を逆回転する。
【0083】
また前後の前進側被動ギア32と後退側被動ギア64との間にドグクラッチ67が前後に移動自在に介在して前後進切換クラッチ機構23が構成される。
ドグクラッチ67は、円筒の前後両端面にクラッチ歯が形成されていて、それぞれ対向する前進側被動ギア32と後退側被動ギア64にも係脱可能に対応するクラッチ歯が形成されている。
【0084】
ドグクラッチ67が前進側被動ギア32と後退側被動ギア64の中間位置にあっていずれにも係合していないときは、ニュートラル状態にある。
ドグクラッチ67が前方に移動すると前進側被動ギア32と係合し、前進側被動ギア32の正回転がドグクラッチ67,クラッチシフタピン68を介してプロペラ軸24に正回転として伝達し前進走行することができる。
【0085】
逆に、ドグクラッチ67が後方に移動すると後退側被動ギア64と係合し、後退側被動ギア64の逆回転がドグクラッチ67,クラッチシフタピン68を介してプロペラ軸24に逆回転として伝達し後退走行する。
【0086】
このようにしてプロペラ軸24を支持したプロペラ軸ホルダ50がプロペラ軸挿入穴15cに嵌挿されると、プロペラ軸ホルダ50の後側大径部54の後端フランジ55がギアケース15のプロペラ軸挿入穴15cの開口端面18a(図5における点模様部分)に当接する。
【0087】
このとき後端フランジ55から膨出した取付ボス部56,56がプロペラ軸挿入穴15cの開口端面18aの上下に膨出したボルト穴18cを有するボス部の取付面18b(図3,図5参照)に当接し、プロペラ軸ホルダ50の取付ボス部56,56のボルト挿入孔56a,56aに締付ボルト71,71を挿入してギアケース15側のボルト穴18c,18cに螺着し緊締される。
【0088】
プロペラ軸ホルダ50がプロペラ軸挿入穴15cに嵌挿され固着されると、ギアケース15の排気通路15hがプロペラ軸ホルダ50の中央のくびれた小径円筒部53の外周空間と連通し、外周空間は後側大径部54の排気口54dと連通しているので、排気通路15hは排気口54dに連通する。
【0089】
プロペラ軸24のプロペラ軸ホルダ50より後方へ突出した部分にはプロペラ25が取り付けられる。
図2示すようにプロペラ25は、円筒基端部25aからプロペラブレード25bが突出しており、円筒基端部25aが内部のゴムブッシュ25cを介してプロペラ軸24の後部に取り付けられる。
【0090】
プロペラ軸ホルダ50をギアケース15に固着する締結ボルト71は、前記したように締結ボルト71の頭部が取付ボス部56の円穴56bに没してボルト頭部の全周囲を周壁で覆われることになる。
したがって別途締結ボルト71の頭部を隠す部材を必要とせず少ない部品点数で締結ボルトの頭部を効果的に隠して外観商品性を良好に保持することができる。
【0091】
また締結ボルト71により締結される部分は後端フランジ55が部分的に径方向に膨出した取付ボス部56であって、その円穴56bに埋没して締結ボルト71の頭部が隠されているので、プロペラ軸24の後部に設けられるプロペラ25の円筒基端部25aの径を取付ボス部56まで径方向に延出して大きくし締結ボルト71の頭部を隠す必要がなく、図2に示すようにプロペラ25の円筒基端部25aを小径として走行抵抗を小さくすることができる。
【0092】
次にドライブ軸挿入穴15bの前側で平行(略上下方向)に穿設されたシフトロッド挿入穴15dに下側シフトロッド27が挿入される。
シフトロッド挿入穴15dは、図3に示すように合わせ面19に開口した最上部に最大径部15d1が形成され、最下部に小径凹部15eに貫通する小径部15d2が形成されている。
【0093】
一方下側シフトロッド27は、下部近傍に軸受ホルダ29が下側シフトロッド27を回動自在に支持可能に設けられており、その軸受ホルダ29から下方へ突出した下側シフトロッド27の下端に軸中心より偏心して下方へ突出したシフトフォーク28が設けられている。
【0094】
この下側シフトロッド27がシフトロッド挿入穴15dに上方より挿入されると、軸受ホルダ29がシフトロッド挿入穴15dの最下部の小径部15d2の上側開口端面に当接し、小径部15d2を下側シフトロッド27の下部が貫通して偏心したシフトフォーク28が前側シフトスライダ65の一対のフランジ65a,65b間に係合される。
【0095】
下側シフトロッド27の上部は、シフトロッド挿入穴15dを閉塞する閉塞部材80を貫通して閉塞部材80により回動自在に支持される。
閉塞部材80は、図16ないし図18に図示するように内円筒部80aと偏平な外円筒部80bを放射状に延びるリブ80cが連結するとともに、内円筒部80aと外円筒部80bの間の環状空間の上方を上壁80dで閉塞している。
【0096】
この上壁80dの左右部分がそれぞれ上方へ膨出して左右膨出壁81L,81Rを形成し、左右膨出部81L,81Rの内部にそれぞれエア補償室82L,82Rが形成されている。
【0097】
左右膨出壁81L,81Rの間に前後に亘って溝通路83が形成され、溝通路83の中央に内円筒部80aの内孔が下方へ貫通している。
左右膨出壁81L,81Rの外周面は同一円周面をなし、溝通路83により左右に切断した形状となっている。
【0098】
内円筒部80aの内側の円孔は上部に拡径部80a1が形成され、拡径部80a1にシール部材85が嵌挿され(図11参照)、外円筒部80bは左右膨出壁81L,81Rの外周面より外側にはみ出した位置にあり、その外周には溝条80b1が形成されOリング86が嵌合される。
【0099】
以上のような閉塞部材80がシフトロッド挿入穴15dの上端開口に嵌合して閉塞する。
その際、図11に示すように閉塞部材80の外円筒部80bがシフトロッド挿入穴15dの最上部の最大径部15d1に嵌挿されてOリング86によりシールされ、閉塞部材80の内円筒部80aを貫通した下側シフトロッド27との間はシール部材85によりシールされる。
【0100】
なお下側シフトロッド27の途中に嵌着された止め輪87と閉塞部材80の内円筒部80aの下端との間にスプリング88が介装され、スプリング88により下側シフトロッド27を下方へ付勢してガタつきを防止している。
【0101】
この閉塞部材80の左右膨出壁81L,81Rの外周面より外側にはみ出した位置にある外円筒部80bはシフトロッド挿入穴15dの最大径部15d1に完全に収まり外円筒部80bの上端面の後部が前記水ポンプ45のアンダパネル46とポンプケース47の端部により上から押えられ、浮き上がり防止構造となっている(図11,図12参照)。
【0102】
また閉塞部材80の外円筒部80bの上端面の前部は、図12に示すようにギアケース15の合わせ面19に穿設されたボルト穴15p(図4参照)に大径ワッシャ89を介装して螺合されるボルト90の締付けにより大径ワッシャ89が閉塞部材80の外円筒部80bの上端面の前部を上から押え付ける。
【0103】
このように閉塞部材80は、シフトロッド挿入穴15dの最大径部15d1に嵌挿される外円筒部80bの上端面の前後をポンプケース47と大径ワッシャ89により押えられる構造であり、シフトロッド挿入穴15dの内圧の上昇にも十分耐えることができ、かつ閉塞部材80を直接固着するボルトおよびボルト取付部を必要としないので、部品点数が少なくかつ閉塞部材80周りをコンパクトに設計でき、ギアケース15の大型化を避けることができる。
【0104】
下側シフトロッド27の上端の上側シフトロッド26との接続端部27aが、閉塞部材80の内円筒部80aより上方へ左右の左右膨出壁81L,81R間の溝通路83に突出している。
【0105】
閉塞部材80の内円筒部80aより上方へ突出する接続端部27aの付け根部分は、シール部材85によりシールされ、シール部材85の露出した上端面は閉塞部材80の溝通路83の底面となる上壁80dの上面と連続した同一面をなしているので、上側シフトロッド26から伝わる水はシール部材85により遮断されるとともに、前後に形成された溝通路83により容易に排出され溜まることがない。
【0106】
上側シフトロッド26と一体に連結されて下側シフトロッド27が回動すると、下端のシフトフォーク28が旋回して係合する前側シフトスライダ65を後側シフトスライダ66とともに前後に摺動し、前後進切換クラッチ機構23を駆動して前進,後退,ニュートラルの3状態を切り換えることができる。
【0107】
連通孔15iにより連通するドライブ軸挿入穴15bとシフトロッド挿入穴15dはギア室15aとともに共通の空間を構成している。
ギア室15aには規定量の潤滑油が注入されるようシフトロッド挿入穴15dにおいて連通孔15iの開口高さ位置にねじ孔15d2(図11参照)があり、テーパローラベアリング37の高さまで潤滑油が満たされている。
【0108】
ドライブ軸挿入穴15bとシフトロッド挿入穴15dとは上方で連通孔15iによって連通されており、内燃機関11が駆動され、ドライブ軸21が回転すると、ともに回転する油汲上げ円筒部材36により潤滑油が上方へ汲み上げられる。
【0109】
このときドライブ軸挿入穴15bとギア室15aとを連通する吸油路15jにより下方のギア室15a内の潤滑油が汲み上げられる。
汲み上げられた潤滑油は、テーパローラベアリング37を潤滑し、雄ねじ固定部材38の中央空洞を通り蓋部材40との間の空間に達し、前方の連通孔15iからシフトロッド挿入穴15dに供給され、下側シフトロッド27を潤滑する。
【0110】
この貯留潤滑油が漏れ出さないように、また外部から水が浸入しないように、ドライブ軸挿入穴15bの上端開口は蓋部材40により塞がれ、シフトロッド挿入穴15dの上端開口は閉塞部材80により閉塞され、ギア室15等の共通空間は液密にシールされている。
【0111】
このギア室15等の共通空間の容積は、船舶推進機の軽量化および走行抵抗を小さくするために必要最小限に小さく設計され、連通孔15iにより連通したドライブ軸挿入穴15bとシフトロッド挿入穴15dの上部空気室の容積も制限される。
【0112】
そのためベベルギア機構22のギアの噛み合いにより熱が発生して潤滑油が膨張すると、ギア室15等の共通空間の潤滑油以外の上方空間の空気が圧縮され体積変化を吸収するが、容積が制限された状態で熱膨張による体積変化を吸収するに十分なだけの空気室容量を、閉塞部材80の上方に膨出したエア補償室82L,82Rにより確保することができ、各部にかかる内圧の上昇を許容範囲内に抑えることができる。
【0113】
下側シフトロッド27が挿入されるシフトロッド挿入穴15dの上端開口を閉塞し下側シフトロッド27が貫通する閉塞部材80にその上方のスペースを利用してエア補償室82L,82Rを形成することで、閉塞部材80にエア補償機能を兼ねさせることで、部品点数・作業工数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0114】
またギア室15aと連通する専用の孔等を形成する必要もなく、更なる低コスト化を図ることができる。
なお閉塞部材80は、貫通する下側シフトロッド27を軸支する機能も備えるので、ギア室の閉塞機能、エア補償機能に合わせて1部材で3機能を有する。
【0115】
また閉塞部材80は、ギアケース15の合わせ面19より下方に下側シフトロッド27の保持部である内円筒部80aが延出し、合わせ面19より上方にエア補償室82L,82Rを有するコンパクトな構造をしている。
下側シフトロッド27は、下方に延びる内円筒部80aにより確実に保持される。
【0116】
ところで閉塞部材80の上方の空間は、エクステンションケース14の下部の前方へ突出した上壁14aによって高さが規制されている(図11参照)。
下側の連結部材8の中央部8aとエクステンションケース14の上壁14aとの間に所定の間隔を設け、上側シフトロッド26と下側シフトロッド27の接続作業を容易にしている。
【0117】
エクステンションケース14の上壁14aの高さを低く抑えることで、船外機の防振支持構造の一部をなす下側の連結部材8を低い位置に設定し、所期の防振機能を得ることが可能である。
【0118】
このように制限された高さ位置にあるエクステンションケース14の上壁14aの下方空間において、エア補償室82L,82Rが最大の容積を確保するために、膨出壁81L,81Rはエクステンションケース14の上壁14aの形状に沿って側面視で上辺が前方下向きに傾斜した形状を有している。
【0119】
シフトロッドが上下に分割され、下側シフトロッド27が閉塞部材80を貫通して上端の接続端部27aを上方へ突出させる構造であるので、ギアケース15をユニット化して組立てを容易にすることができる。
本実施の形態の場合、下側シフトロッド27は、軸中心に回動するので、閉塞部材80から出没することがなく、シールを完全に行うことが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る船外機の全体側面図である。
【図2】ギアケース内部の構造を示す断面図である。
【図3】ギアケースの断面図である。
【図4】同上面図である。
【図5】同後面図である。
【図6】雄ねじ固定部材の上面図である。
【図7】図6におけるVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【図8】蓋部材の上面図である。
【図9】同下面図である。
【図10】図9におけるX−X線に沿って切断した断面図である。
【図11】ギアケースの上側要部の構造を示す断面図である。
【図12】同上面図である。
【図13】プロペラ軸ホルダの後面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV線に沿って切断した断面図である。
【図15】ギアケースにプロペラ軸ホルダを取り付けた状態の後面図である。
【図16】閉塞部材の上面図である。
【図17】同下面図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
1…船尾、2…取付装置、3…掛止ブラケット、4…チルト軸、5…スイベルケース、6…スイベル軸、7,8…連結部材、
10…船外機、11…内燃機関、12…マウントケース、13a…機関カバー、13b…アンダカバー、14…エクステンションケース、15…ギアケース、15a…ギア室、15b…ドライブ軸挿入穴、15c…プロペラ軸挿入穴、15d…シフトロッド挿入穴、15e…小径凹部、15f…小孔、15g…吸入通路、15h…排気通路、15i…連通孔、15j…吸油路、15k…ねじ穴ボス部、16…スケグ、17a…スプラッシュガード,17b…アンチキャビテーションプレート、18…円筒部、19…合わせ面、
20…クランク軸、21…ドライブ軸、22…ベベルギア機構、23…前後進切換クラッチ機構、24…プロペラ軸、25…プロペラ、26…上側シフトロッド、27…下側シフトロッド、28…シフトフォーク、29…軸受ホルダ、
30…フィルタ、31…テーパローラベアリング、32…前進側被動ギア、33…ニードルベアリング、34…ドライブギア、35…ナット、36…油汲上げ円筒部材、37…テーパローラベアリング、38…雄ねじ固定部材、40…蓋部材、41…シール部材、42…Oリング、43…ボルト、45…水ポンプ、46…アンダパネル、47…ポンプケース、48…ノックピン、49…ボルト、
50…プロペラ軸ホルダ、54…後側大径部、55…後端フランジ、56…取付ボス部、
60…スラストベアリング、61…ニードルベアリング、62…シール部材、63…ボールベアリング、64…後退側被動ギア、65…前側シフトスライダ、66…後側シフトスライダ、67…ドグクラッチ、68…クラッチシフタピン、69…Oリング、70…ニードルベアリング、71…締付ボルト、
80…閉塞部材、81L,81R…膨出壁、82L,82R…エア補償室、83…溝通路、85…シール部材、86…Oリング、87…止め輪、88…スプリング、89…大径ワッシャ、90…ボルト。
Claims (5)
- ドライブ軸からプロペラ軸に動力を伝達するベベルギア機構が収容されるギア室をドライブ軸挿入穴の下部に備える船舶推進機の下部のギアケースに上方を開口して前記ドライブ軸挿入穴に平行にシフトロッド挿入穴が穿設され、
前記ドライブ軸挿入穴と前記シフトロッド挿入穴とが上部の連通路により連通され、
前記シフトロッド挿入穴の開口が閉塞部材により閉塞され、
シフトロッドが前記閉塞部材を貫通して前記シフトロッド挿入穴に挿入され、前記閉塞部材にエア補償室が上方に膨出して形成されることを特徴とする船舶推進機のギアケースのエア補償室構造。 - 前記シフトロッドは、回動により前後進を切り換える機能を有するものであることを特徴とする請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造。
- 前記シフトロッド挿入穴に挿入されるシフトロッドが上下分割されるシフトロッドの下側シフトロッドであり、
下側シフトロッドの上端の接続端部が前記閉塞部材から上方へ突出していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造。 - 前記閉塞部材は、前記ギアケースの上端合わせ面より下方に前記シフトロッドの保持部を有し、前記合わせ面より上方にエア補償室を有することを特徴とする請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造。
- 前記閉塞部材の膨出部以外の上面が、前記シフトロッドの保持部に設けられたシール部材の上端面と連続した同一面をなして外周縁まで延びていることを特徴とする請求項1記載の船舶推進機のギアケースのエア補償室構造。
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