JP4082638B2 - グラウトの充填性検査装置及び充填性検査方法 - Google Patents

グラウトの充填性検査装置及び充填性検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポストテンショニング方式のプレストレストコンクリート部材において、PC鋼材が配置されるシース内のグラウトの充填状態を検査するグラウトの充填性検査装置及び充填性検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレストレストコンクリ−ト(PC)部材を製作する方法として従来から一般に用いられているものの一つにポストテンショニング方式がある。この方式は、PC鋼材を筒状のシ−ス(鞘)で被覆し、型枠内の所定の位置に配設してコンクリ−トを打設する。そして、コンクリートの硬化後にPC鋼材をジャッキで緊張する。このとき、PC鋼材はシースによって被覆されているのでコンクリートに拘束されることがなく、全長にわたって引張力が導入される。引張力が導入されたPC鋼材は、端部がアンカープレートを介してコンクリートに定着され、コンクリートに圧縮力(プレストレス)が導入される。
【0003】
このようにしてプレストレスが与えられた後は、シ−ス内にセメントを主材とするグラウトを圧入し、その硬化によってコンクリ−トとPC鋼材とを一体化するとともに、シース内に侵入した水分などに起因する錆などからPC鋼材を保護する。上記グラウトにはセメントの他、アルミニウム粉末等を混合して硬化時にグラウトを適当量膨張させ、付着強度の向上を図るとともに、グラウトの収縮による間隙の発生を防止して、凍結融解に対する耐久性の向上等が図られている。
【0004】
しかし、上記シ−ス内に注入するグラウトは完全に充填されずに、図9(a)、(b)に示すように、PC鋼材とシースとの間に空隙が残ることがある。一般にシース101とPC鋼材102との間に存在する空隙はわずかであり、未硬化のグラウト材の流動性が低下した場合等には、グラウト103がシース101内の全域に行き渡らず、シ−ス101内でグラウト103の未充填部分が局部的に発生してしまう。
【0005】
このような未充填部分がシ−ス内に存在すると、高張力を受けるPC鋼棒やPC鋼より線などのPC鋼材の耐久性を著しく低下させる。このため、グラウト充填工事を施工した後に、PC鋼材周囲のグラウトの充填状況を検査して、グラウトの未充填部分の有無や大きさなどの確認、補修をすることが望まれる。
【0006】
このような要請から、PC鋼材周囲のグラウトの充填状況を非破壊的に検査する方法がいくつか提案されており、従来から知られているものに、(1)ファイバ−スコ−プを用いて目視する方法、(2)X線を利用する方法、(3)土木学会論文集第402号(1989.2)に開示されるようにPC鋼材を伝播するAEエネルギーの減少量から評価する方法、(4)特開平4−182568号や特開平3−255953号に開示されているようにPC鋼材中を伝播する弾性波の減衰特性を利用する方法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来から知られている評価方法には、次のような問題点がある。
上記のファイバ−スコ−プを用いて目視する方法やX線を利用する方法は、グラウトの充填状況を直接的に観察できることから最も確実ではあるが、これらの方法は比較的に大規模で高価な装置が必要とされること、調査できる箇所が限定されること、また調査にかかる費用が高額となることなどのため、広範囲な調査を行う場合には実用的でない。またAEエネルギーの計測によって検査する方法やPC鋼材中を伝播する弾性波の減衰特性を利用する方法は、比較的簡便な検査方法であり、単にグラウトの充填状態の大まかな推定をするには有効であるが、グラウトの充填されていない部分の位置や大きさ(長さ)を的確に特定できないという欠点がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、プレストレストコンクリ−ト構造物におけるシース内のグラウトの充填状態を、比較的簡便にまた精度良く非破壊的に検査する装置及び方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、 一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、 前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースには、周面から外側に突出し、先端が開口する分岐管が設けられ、 該分岐管の先端に外側から嵌合され、該分岐管の先端の開口を塞ぐように電極支持体が固定され、 前記電極は、前記電極支持体の前記分岐管の内側に面する位置であって、前記シースの内周面より外側となる位置に支持されているグラウトの充填性検査装置を提供するものである。
【0010】
このようなグラウトの充填性検査装置では、上記シース内にグラウトが充填され、上記二つの電極と接触すると未硬化のグラウト内にわずかながら電流が流れる状態となる。したがって、上記二つの電極に接続され、コンクリート部材外まで引き出された2本の導電線から二つの電極間に電圧を印加し、これらの電極間の電気抵抗値を抵抗測定器によって測定すると、グラウトが充填する前、つまり二つの電極がシース内側の空間に露出している場合よりも電極間の電気抵抗値が低下することになる。この抵抗値の変化により、電極が設けられた位置にグラウトが充填されたか否かを認識することができる。
なお、上記抵抗測定器は、電極間に電圧を印加して電気抵抗値を測定することができるものであればよく、印加電圧は直流でも交流でもよい。
【0011】
さらに、電極支持体が、シースから突出するように設けられた分岐管の先端に嵌合されるものでは、シースを所定の位置に配置した後に電極を容易に取り付けることができる。シースは一般にコンクリート部材内に複数本が配置されるが、これらのシースを配置した後、電極を取り付ける作業をまとめて行うことができ、作業効率が向上する。
また、電極が分岐管の先端に設けられることにより、シースの内側空間に電極又は電極支持体が突出することがなく、電極を取り付けた後のシース内にPC鋼材を挿通する場合にも円滑に挿通することができる。また、グラウトの流れを阻害することもない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、 一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、 一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、 前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースには、周面から外側に突出し、先端が開口する分岐管が設けられ、 該分岐管の先端に外側から嵌合され、該分岐管の先端の開口を塞ぐように電極支持体が固定され、 前記電極は、前記電極支持体の前記分岐管の内側に面する位置であって、前記シースの内周面より外側となる位置に支持されているグラウトの充填性検査装置を提供するものである。
【0013】
このようなグラウトの充填性検査装置では、グラウトが充填されてシース内に露出した電極と接触すると、この電極と導電性のシースとの間の電気抵抗値が変化し、これを検知することができる。つまり、電極とシースとの間に電圧を印加すると、未硬化のグラウトを介してわずかの電流が生じ、電気抵抗値の変化検出される。これにより、電極が設けられた位置にグラウトが充填されているか否かを判断することができる。
また、この装置では、電極が一つでよく、シースに取り付ける構造を簡略化し、小型化するとともに製作費を低減することができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明と同様に、シースを所定の位置に配置した後に電極を容易に取り付けることができ、作業効率が向上する。また、電極を取り付けた後のシース内にPC鋼材を挿通する場合にも円滑に挿通することができるとともに、グラウトの流れを阻害することもない。
【0015】
請求項3に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、 一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、 前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられ、 前記電極が該電極支持体に支持され又は該電極支持体の一部が電極となっており、 前記電極支持体は、 前記シースの開口に内側から貫入される突出部と、 この突出部の後端付近から張り出し、前記シースの内面に当接されるフランジ部と、 前記突出部の外周部に形成されたねじ山と螺合され、前記フランジ部との間に前記シースの開口周辺部を挟み込むナットとを有し、 前記電極と接続される導電線の一端にプラグが取り付けられ、 前記突出部は、前記プラグと嵌合されるコネクタとなっているグラウトの充填検査装置を提供するものである。
【0016】
このようなグラウトの充填性検査装置では、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様に、電極が設けられた位置にグラウトが充填されたか否かを検知することができるとともに、電極支持体がシースの周面に設けられた開口部に取り付けられるので、シースの加工は開口を設けるだけでよく、シースの任意の位置に容易に電極を取り付けることが可能となる。また、電極支持体が開口をふさぐように取り付けられるので、シースの周囲にコンクリートを打設したときに、コンクリートがシース内に流れ込むこともない。
【0017】
また、電極支持体の突出部をシースの内側から開口に貫入し、シースの外側から上記突出部のねじ山にナットを螺合してシースを挟み込むように締め付けることができる。これにより電極支持体はシースに強固に固定される。
また、シースを配置するときには、上記電極支持体だけを取り付けておき、シース及びシース周辺に鉄筋等を配置した後に、導電線が接続されたプラグをコネクタとなった上記電極支持体の突出部に容易に嵌合することができる。これにより、シースの周囲に鉄筋等を配置する際に導電線が邪魔になるようなこともなく、作業性が向上する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、 一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、 一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、 前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられ、 前記電極が該電極支持体に支持され又は該電極支持体の一部が電極となっており、 前記電極支持体は、 前記シースの開口に内側から貫入される突出部と、 この突出部の後端付近から張り出し、前記シースの内面に当接されるフランジ部と、 前記突出部の外周部に形成されたねじ山と螺合され、前記フランジ部との間に前記シースの開口周辺部を挟み込むナットとを有し、 前記電極と接続される導電線の一端にプラグが取り付けられ、 前記突出部は、前記プラグと嵌合されるコネクタとなっているグラウトの充填検査装置を提供するものである。
【0019】
このようなグラウトの充填性検査装置では、グラウトの充填状態を容易に検知することができるとともに、シースの任意の位置に電極を容易に取り付けることができる。また、電極支持体をシースに強固に固定することができるとともに、作業性が向上する。
【0020】
請求項5に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、 一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、 前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられており、 該電極支持体は、柔軟に変形する材料からなり、前記シースの開口の周辺部に外側から貼着されるシート状部材又は板状部材であり、 前記電極は、該電極支持体のシース内に面する位置に取り付けられ、又は電極支持体の一部が電極となっているグラウトの充填性検査装置を提供するものである。
【0021】
請求項6に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、 一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、 一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、 前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、 前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられており、 該電極支持体は、柔軟に変形する材料からなり、前記シースの開口の周辺部に外側から貼着されるシート状部材又は板状部材であり、 前記電極は、該電極支持体のシース内に面する位置に取り付けられ、又は電極支持体の一部が電極となっているグラウトの充填性検査装置を提供するものである。
【0022】
請求項5又は請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様に、電極が設けられた位置にグラウトが充填されたか否かを検知することができるとともに、電極支持体をシースの外側から貼着するだけで、シースの開口を塞ぐとともに、電極をシースの内側の空間に露出させることができる。このため、作業性が良好となるとともに、電極及び電極支持体の構造が簡略化され、製作費用を低減することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のグラウトの充填性検査装置において、 前記電極支持体は、前記シースの開口部から該シース内に面する位置に凹部を有し、 前記電極は、該凹部内のシース内面より外側となる位置に設けられているものとする。
【0024】
このようなグラウトの充填性検査装置では、電極が電極支持体の凹部内に設けられ、シースの内面より外側となる位置にあるので、電極を取り付けた後に、シース内にPC鋼材を挿通する場合にも、電極を損傷することがない。また、グラウト充填時にグラウトの流動を阻害することもない。
【0025】
請求項8に記載の発明は、 コンクリート部材内に埋込まれる筒状のシースに開口又は先端が開放された分岐管を設け、互いに離隔して電気的に絶縁された二つの電極を、前記開口又は分岐管を通してシース内又はシース内と連通してグラウトが注入される空間に露出して配置するとともに、前記開口又は分岐間の先端を閉塞し、 該シースを埋込むコンクリートの打設、該シース内へのPC鋼材の挿通、緊張、定着を行い、 前記シース内にグラウトを充填する前に、 前記二つの電極からコンクリート部材外に引き出された導電線を介して、該電極間に電圧を印加し、前記電極間の電気抵抗値を測定する工程と、 該シース内に水を注入し、前記電極間の電気抵抗値を測定する工程とを行い、 前記シース内へのグラウトの充填を行った後に、前記二つの電極からコンクリート部材外に引き出された導電線を介して、該電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定して、この測定結果に基づいてグラウトの充填性を判断するグラウトの充填性検査方法を提供するものである。
【0026】
このようなグラウトの充填性検査方法では、シース内に二つの電極が配置されるとともに、これらの電極をシース内に取り付けるための開口又は分岐管の先端が閉塞されるので、このシースの周囲にコンクリートを打設したときにも、シース内にはコンクリートが流入することがなく、シース内にPC鋼材を挿通して緊張力を導入することができる。そして、上記二つの電極からコンクリート部材外に引き出された導電線に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定すると、二つの電極間にグラウトが充填されていない場合には、これらの電極間の電気抵抗値がほぼ無限大となるが、この部分にグラウトが充填されているとわずかの電流が流れ、電気抵抗値が測定可能な値を示す。したがって、PC鋼材の緊張、定着が終了し、シース内へグラウトを充填している時に、または充填が完了した後に二つの電極間の電気抵抗値を測定することによって、電極がある位置のグラウトの充填性を判別することができる。
【0027】
また、このようなグラウトの充填性検査方法では、グラウト充填前に電極間の電気抵抗値を測定するので、導電線等に短絡があった場合にこれを発見することができる。そして、シース内に水を注入すると、水はグラウトに比べてはるかに流動性がよく、シース内の隅々まで確実に流入する。これにより、シース内の電極間に水が充填され、電気抵抗値が変化する。つまり、何も充填されていない状態より電気抵抗値が低下する。したがって、水を注入した後に測定した電気抵抗値と、注入前の測定値とを対比することにより、電極が正常に設置されていることが確認される。
【0028】
上記測定後、シース内の水を排出し、グラウトを充填して再び電極間の電気抵抗値を測定する。このようなグラウト注入後における電極間の電気抵抗値を測定することによりグラウトが充填されたか否かを判別することができる。また、グラウトは一般に充填直後は水より電気抵抗値が小さく、硬化が進むにつれ電気抵抗値が増大する。このようなグラウト充填の電気抵抗値の変動と水の電気抵抗値との関係をあらかじめ実験等により把握しておくことにより、グラウトの硬化が正常に進んでいるか否かについても判断することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は請求項1に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置を示す概略構成図である。
この装置は、コンクリート部材1内に埋め込まれた筒状のシース2の内側にグラウトが完全に充填されているか否かを検査するものである。上記シース2内にはPC鋼材3が挿通され、このPC鋼材3の緊張力によってコンクリート部材1にプレストレスが導入されている。グラウトは、上記PC鋼材3を緊張し、コンクリート部材1に定着した後、所定の位置に設けたグラウトホース(図示しない)を介して注入される。
【0030】
上記グラウトはセメントと水とを混合したものにアルミニウム粉等の添加剤を適宜加えたものであり、注入後固化してシース2内のPC鋼材3、シース2及びコンクリート部材1を一体化するものである。
【0031】
上記グラウトの充填性検査装置は、シースの側面に取り付けられた分岐管4に嵌合される電極支持体5と、この電極支持体に取り付けられた二つの電極6a,6bと、これらの電極にそれぞれ接続され、コンクリート部材外まで引き出された2本の導電線7a,7bと、上記導電線を介して二つの電極間に電圧を印加するとともに、二つの電極間の抵抗値を測定する抵抗測定器8とを備えている。
【0032】
上記電極6は、二つの電極6a,6bが一体の棒状となっているが、絶縁部材9によって互いに電気的絶縁状態となっている。
上記電極支持体5は、弾性を有する合成樹脂からなるものであり、分岐管4の先端部内側に押し込むことにより嵌め合わせ、分岐管4の先端を塞ぐとともにこの電極支持体5を固定することができるようになっている。
上記導電線7a,7bは、一体となった二つの電極6a,6bのそれぞれに接続され、他端はコンクリート部材外まで引き出されて抵抗測定器8に接続されている。
抵抗測定器8は、二つの電極間に電圧を印加し、例えばブリッジ回路等を用いて抵抗値を検出するものであり、市販のテスターを用いることもできる。
【0033】
次に、上記の装置を用いてグラウトの充填性を検査する方法について説明する。この方法は、請求項8に記載の発明の一実施形態である。
コンクリート部材1は、所定の形状に組み立てられた型枠内にコンクリートを打設することによって形成されるものであり、型枠を組み立てると同時に、所定位置にPC鋼材を挿通するためのシース2を配置する。そして、このシース2の適切な位置に分岐管4を設け、この分岐管の先端に電極6が取り付けられた電極支持体5を栓をするように嵌め合わせる。
この電極6に接続された導電線7は、シース2の周囲に配置された鉄筋(図示しない)等によって支持し、コンクリート部材外まで引き出しておく。
その後、コンクリートを打設し、硬化した後PC鋼材3をシース2内に挿入する。なお、PC鋼材3はコンクリート打設前に挿入してもよい。
【0034】
PC鋼材3は、端部にジャッキを装着して緊張力を導入する。そして、PC鋼材を把持することができる定着具を用いて、コンクリート部材に定着する。上記PC鋼材3の緊張力によりコンクリート部材1にプレストレスが導入される。このようにして、プレストレスの導入が終了すると、コンクリート部材外に引き出された上記導電線7を通じて二つの電極6a,6b間の抵抗を測定する。二つの電極6a,6bが正常に設置されていれば、電極間の抵抗値はほとんど無限大に近い値を示す。この時、抵抗値が極めて小さい値であれば、導電線又は電極が短絡していると考えられる。また、比較的大きな抵抗値であるが測定可能な程度の値を示すときには、コンクリート打設時にセメントペーストが二つの導電線間又は電極間に流れ込んでいることが疑われる。
【0035】
上記のような測定の後、シース2に取り付けられたグラウトホース(図示しない)から水を注入し、シース内に充たす。このとき、水はグラウトとは異なり、極めて流動性が良いので、封入された気泡を排除さえすればシース2内の隅々まで注入される。そして、この状態で上記抵抗測定器8で電極間の抵抗値を測定する。このとき、水は空気より抵抗値が小さいので電極間の抵抗が低下する。したがって、電気抵抗値の低下が認められれば、二つの電極6a,6bが正常に作動することが確認できる。また、電気抵抗値が低下しない場合には、導電線7の断線等により、正常に作動しないことが分かる。上記のような、水を注入した状態での測定が終了した後、水を排出し、グラウトホースからグラウトを注入する。二つの電極間の電気抵抗値の測定は、上記グラウトの注入作業と同時に行ってもよいし、グラウトの注入作業が完了した後に行ってもよい。一般にコンクリート部材には多数のシースが埋め込まれれるので、すべてのシースにグラウトの注入が完了した後に行うことによって作業効率が良くなる。また、上記電極間の電気抵抗値の測定は、グラウト注入の後ある程度の時間が経過した後に行ってもよい。
【0036】
図2は、グラウトの注入直後からの経過時間とグラウトの比抵抗値との関係を測定値に基づいて示す図である。
この図に示すように、グラウトは注入後硬化の開始とともに比抵抗値が徐々に少なくなり、30時間程度経過した後に増大し始める。そして、その後徐々に比抵抗値が増大し続けるが、約6日経過するまでは水よりも小さな値となる。したがって、この程度の間に測定すれば、水を注入したときの測定値との対比により、グラウトの注入が完全にされているか否かの判別は充分に行うことができる。
また、あらかじめグラウトの比抵抗値の変化の状態を把握しておけば、シース内で正常にグラウトが硬化しているか否かをある程度判断することができる。
【0037】
図3は、請求項1に記載の発明の他の実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体をシースの分岐管に取り付けた状態を示す概略断面図である。
この装置では、電極支持体15が弾性変形が可能な合成樹脂からなり、分岐管14の先端部にかぶせるように嵌合されるキャップ状となっている。このキャップ状部分15aの内側には凹凸が設けられており、分岐管の先端の外側部分にわずかに膨らんだ部分を設けておくことによって、上記凹凸と噛み合って、容易に抜け落ちないようにしっかりと嵌合される。
二つの電極6a,6bは、電極支持体15の分岐管14内に面する位置に設けられた金属の凸状片であり、それぞれは互いに電気的に絶縁され、導電線17に接続されている。
このような装置でも、図1に示す装置と同様に機能し、電極の取り付けが容易となり、かつ分岐管14の先端にしっかりと固定することができる。
【0038】
図4は、請求項2に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図である。
この装置では、図1に示す装置と同様に、電極支持体25は弾性材料からなり分岐管24の先端に栓をするように押し込まれるものであるが、電極支持体25のシース内に面する位置には一つの電極26が設けられ、一本の導電線27aがこの電極26に接触されている。もう一本の導電線27bはシースの外面に、電気的に導通状態となるように接着されている。このときシース22は導電性のものでなければならないが、一般にシースは帯状の鋼薄板をらせん状に接合して筒状にしたものが用いられるので、上記のように電極及び導電線が配置されたものも広く用いることができる。
このような装置では、導電線27a,27bを介して電圧を印加し抵抗値を測定すると、シース22又は分岐管24と分岐管の内側に露出した電極26との間の抵抗値を測定することになり、分岐管24内にグラウトが完全に充填されていれば、測定値は、高抵抗ながら導電性を有する未硬化のグラウトの抵抗値を示す。また、この部分にグラウトが充填されていなければ抵抗値はほぼ無限大となる。
【0039】
図5は、請求項3に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び構成部品の概略斜視図である。
この装置では、電極支持体が、一端に円環状のフランジ部35aを有する金属の筒状の外殻部材35とこの内側に嵌め込まれた絶縁性材料からなる筒体36とを有するものであり、上記外殻部材35のフランジ部35aが一方の電極となっている。
また、上記筒体36の上記フランジ部がある側の端部には、金属のキャップ状部材37が内挿されており、この部材がもう一方の電極となる。
【0040】
上記外殻部材35の筒状の部分35bは、シース32に設けられた開口の内側から貫入される突出部を形成しており、外側にはねじ山が形成され、シース32の外側からナット38を嵌め合わせることができるようになっている。そして、座金39を介してナット38と上記フランジ部35aとの間にシース32の開口周辺部を挟み込むように締め付けて固定される。
【0041】
一方、導電線40の先端にはプラグ41が取り付けられており、上記電極支持体はこのプラグと嵌合されるコネクタとなっている。つまり、上記プラグ41は、図5(a)に示すように、外側に円筒状の端子41aと内側中心部に棒状の端子41bとを有し、絶縁性の合成樹脂41cで一体に支持されており、円筒状の端子41aは外殻部材35の筒状部分35b先端の外側に嵌め合わされる。また棒状の端子41bは絶縁性の筒体36の内側に挿入され、先端がキャップ状部材37の内側に挿入され、接合されるようになっている。
【0042】
このような装置では、外殻部材35と絶縁性の筒体36とキャップ状部材37とを一体とし、シース32の内側から開口部に装着して外側からナット38を締め付けることにより、簡単にかつ強固に電極をシース内に取り付けることができる。
また、導電線40はプラグ41を嵌め合わせることによって容易に接続することができ、シース32の周辺に鉄筋等を配置する作業が完了した後に、容易に接続することができる。したがって配筋作業等を行うときに導電線がじゃまになったり、導電線を切断してしまうこともない。
【0043】
図6は、請求項5又は請求項7に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び概略斜視図である。
この装置では、電極支持体54は柔軟な合成樹脂からなる円形の板状部材であり、図6(b)に示すように、一方の面の中央部に凹部が形成され、この凹部内に二つの電極55が取り付けられている。この電極支持体54をシース52の開口が設けられた部分に外側から接着剤で貼着することにより、開口が閉塞されるとともに電極55がシース52の内側に固定される。このとき、電極55は、電極支持体54に設けられた凹部内にあるのでシース52の内周面より内側に突出することはなく、電極55を取り付けた後に、PC鋼材53をシース52内に挿通した場合にも、電極55を損傷することがない。
一方、二本の導電線56は二つの電極にそれぞれ接続されるとともに電極支持体54の反対面に引き出され、コンクリート部材51外まで導かれている。この導電線は電極支持体54との接合部分からコンクリート部材外まで絶縁性の被覆が施されており、シースの外側にコンクリートを打設しても、直接には接触せず、導電線間の抵抗値が変動することがないようにされている。
【0044】
図7は、請求項5又は請求項7に記載の発明の他の実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び概略斜視図である。
この装置では、電極支持体64は、柔軟に変形可能な合成樹脂の円形板64aと、外径が同じで中央部に開口を有する円環状の板材であって、上記円形板よりさらに柔らかい材料からなる部材64bを貼り合わせて形成されている。
上記円環状の部材64bは、例えば合成樹脂の発泡体等を用いることができる。このような電極支持体64は、シース62の開口部に外側から接着剤等を用いて容易に貼りつけることができ、柔軟な円環状の部材64bがシース62の開口の周辺部に当接されることによって隙間を生じることなく開口を密閉することができる。
【0045】
電極は、上記円環状の部材64bの中心部に形成された凹部内で内側に露出するものであり、2本のつば付きのピン65を上記円形板64aの中央部外側から突き刺し、貫通した先端部を折り曲げることによって形成されている。
一方、導電線67の先端には、上記ピン65の外側へ突き出した部分が差し入れられるコネクタ66が取り付けられており、電極支持体64及び電極すなわち2本のピン65をシース62に固定した後にも容易に接続することができるようになっている。
【0046】
このような装置では、電極及び電極支持体の構造が簡単であり、安価で製作することができるとともに取り付け及び導電線の接続も容易に行うことができる。
【0047】
図8は、本願発明と同様の目的で用いられるグラウトの充填性検査装置を参考に示す概略断面図であり、ケーブルの先端がシースの開口部に取り付けられた部分のみを示すものである。
この装置では、絶縁被覆を有するケーブル74の先端部がシース72に設けられた開口から内側に挿入され、この状態で上記シース72の開口は、遮蔽シート76の貼着及びその外側に粘着テープ(図示しない)を巻きつけることによって密閉されている。
上記ケーブル74は、図8(b)に示すように、二本の導電線を間隙をおいて保持するように樹脂被覆が施されており、先端部は導電線74aが露出するように樹脂被覆が除去されている。また、露出した2本の導電線の双方が、導電性のシース72に接触して短絡するのを防止するために、先端部のシース内周面側に絶縁性シート75が貼着されている。
【0048】
このような装置では、導電線74aの先端部分にグラウトが充填されると、これらの導電線間の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検知することによってグラウトの充填性を判断することができる。
なお、上記ケーブル74の先端部は、シース72内へPC鋼材73を挿入する方向と合わせて挿入されるものであり、ケーブル74の先端がPC鋼材73の挿入方向(図8(a)中に示す矢印Aの方向)の下流側となるように挿入される。これにより、PC鋼材73の挿入時にケーブルの先端部に突き当たって絶縁性を損うようなことも避けることができる。
【0049】
上記ケーブルは、図8(c)に示すように先端部に加工を施したものでもよい。このケーブル84は2本の導電線の先端を露出させた後、一方に絶縁性の筒状部材85を取り付けたものである。このような加工により、グラウトは導電線の先端部に充填されるが、この導電線の先端が他方の導電線又はシースの内周面に接触して短絡するのが防止される。
【0050】
以上に説明した、図3〜図7に示す装置は、本願に係る発明のそれぞれ異なる実施形態であるが、電極、電極支持体及びシースに取り付けられる構造が異なるだけで、その他の構成は図1に示す装置と同じである。したがって、コンクリート部材外で導電線に接続される抵抗測定器は同じものを用いることができ、図示及び説明を省略している。また、上記図3〜図7に示す装置を用いたグラウトの充填性検査も、図1に示す装置と全く同様に行うことができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係るグラウトの充填性検査装置では、シース内に設けられた二つの電極間又は2本の導電線の先端間の電気抵抗値を測定することによって簡易にグラウトの充填性を判別することができる。また、必要な電極等も簡単なものでよく、シースの加工も少ない。したがって費用もわずかですむ。さらにグラウトの充填中からグラウト完了後数日程度経過した後でも検査を行うことができ、他の作業の工程との調整も容易であり、効率のよい作業が可能となる。
また、本願発明に係るグラウトの充填性検査方法では、簡単な装置を用いて簡易にグラウトの充填性を判別することができる。さらに、グラウト前における電極管の抵抗値の測定、及び水をシース内に注入したときの測定を行うことにより、電極管の短絡や導電線の断線等も的確に検知し、正確な検査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置を示す概略構成図である。
【図2】 グラウト注入からの経過時間とグラウトの比抵抗値との関係を示す図である。
【図3】 請求項1に記載の発明の他の実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体をシースの分岐管に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【図4】 請求項2に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図である。
【図5】 請求項3に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び構成部品の概略斜視図である。
【図6】 請求項5又は請求項7に記載の発明の一実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び概略斜視図である。
【図7】 請求項5又は請求項7に記載の発明の他の実施形態であるグラウトの充填性検査装置の電極及び電極支持体を示す概略断面図及び概略斜視図である。
【図8】 本願発明と同様の目的で用いられるグラウトの充填性検査装置を参考に示す概略断面図及び概略斜視図であって、ケーブルの先端がシースの開口部に取り付けられた部分を示す図である。
【図9】 プレストレストコンクリート部材のシース内に発生したグラウトの充填されていない部分を例示する概略断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,51,61,71 コンクリート部材
2,12,22,32,52,62,72 シース
3,13,23,33,53,63,73 PC鋼材
4,14,24 分岐管
5,15,25,54,64 電極支持体
6,16,26,55 電極
7,17,27,56,67 74 導電線
8 抵抗測定器
9 絶縁部材
35 外殻部材
36 筒状部材
37 キャップ状部材
38 ナット
39 座金
40 導電線
41 プラグ
41a 筒状の端子
41b 棒状の端子
65 ピン
66 コネクタ
74,84 ケーブル
75 絶縁性シート
76 遮蔽シート
85 筒状部材

Claims (8)

  1. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、
    一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、
    前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースには、周面から外側に突出し、先端が開口する分岐管が設けられ、
    該分岐管の先端に外側から嵌合され、該分岐管の先端の開口を塞ぐように電極支持体が固定され、
    前記電極は、前記電極支持体の前記分岐管の内側に面する位置であって、前記シースの内周面より外側となる位置に支持されていることを特徴とするグラウトの充填性検査装置。
  2. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、
    一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、
    一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、
    前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースには、周面から外側に突出し、先端が開口する分岐管が設けられ、
    該分岐管の先端に外側から嵌合され、該分岐管の先端の開口を塞ぐように電極支持体が固定され、
    前記電極は、前記電極支持体の前記分岐管の内側に面する位置であって、前記シースの内周面より外側となる位置に支持されていることを特徴とするグラウトの充填性検査装置。
  3. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、
    一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、
    前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられ、
    前記電極が該電極支持体に支持され又は該電極支持体の一部が電極となっており、
    前記電極支持体は、 前記シースの開口に内側から貫入される突出部と、 この突出部の後端付近から張り出し、前記シースの内面に当接されるフランジ部と、 前記突出部の外周部に形成されたねじ山と螺合され、前記フランジ部との間に前記シースの開口周辺部を挟み込むナットとを有し、
    前記電極と接続される導電線の一端にプラグが取り付けられ、
    前記突出部は、前記プラグと嵌合されるコネクタとなっていることを特徴とするグラウトの充填検査装置。
  4. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、
    一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、
    一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、
    前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられ、
    前記電極が該電極支持体に支持され又は該電極支持体の一部が電極となっており、
    前記電極支持体は、 前記シースの開口に内側から貫入される突出部と、 この突出部の後端付近から張り出し、前記シースの内面に当接されるフランジ部と、 前記突出部の外周部に形成されたねじ山と螺合され、前記フランジ部との間に前記シースの開口周辺部を挟み込むナットとを有し、
    前記電極と接続される導電線の一端にプラグが取り付けられ、
    前記突出部は、前記プラグと嵌合されるコネクタとなっていることを特徴とするグラウトの充填検査装置。
  5. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出し、互いに離隔して電気的絶縁状態で配置された二つの電極と、
    一端が前記二つの電極にそれぞれ接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された2本の導電線と、
    前記導電線を介して前記二つの電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられており、
    該電極支持体は、柔軟に変形する材料からなり、前記シースの開口の周辺部に外側から貼着されるシート状部材又は板状部材であり、
    前記電極は、該電極支持体のシース内に面する位置に取り付けられ、又は電極支持体の一部が電極となっていることを特徴とするグラウトの充填性検査装置。
  6. コンクリート部材内に埋込まれてグラウトが内部に注入される導電性材料からなる筒状のシースに支持され、該シース内又はシース内に連通してグラウトが注入される空間に露出して、該シースと電気的に絶縁された状態で配置された電極と、
    一端が前記電極と接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第1の導電線と、
    一端が前記シースに接続され、他端がコンクリート部材外まで引き出された第2の導電線と、
    前記第1の導電線と第2の導電線とを介して前記電極と前記シースとの間に電圧を印加し、これらの間の電気抵抗値を測定する抵抗測定器とを有し、
    前記シースの周面に開口部が設けられ、この開口を塞ぐように電極支持体が取り付けられており、
    該電極支持体は、柔軟に変形する材料からなり、前記シースの開口の周辺部に外側から貼着されるシート状部材又は板状部材であり、
    前記電極は、該電極支持体のシース内に面する位置に取り付けられ、又は電極支持体の一部が電極となっていることを特徴とするグラウトの充填性検査装置。
  7. 前記電極支持体は、前記シースの開口部から該シース内に面する位置に凹部を有し、
    前記電極は、該凹部内のシース内面より外側となる位置に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のグラウトの充填性検査装置。
  8. コンクリート部材内に埋込まれる筒状のシースに開口又は先端が開放された分岐管を設け、互いに離隔して電気的に絶縁された二つの電極を、前記開口又は分岐管を通してシース内又はシース内と連通してグラウトが注入される空間に露出して配置するとともに、前記開口又は分岐管の先端を閉塞し、
    該シースを埋込むコンクリートの打設、該シース内へのPC鋼材の挿通、緊張、定着を行い、
    前記シース内にグラウトを充填する前に、 前記二つの電極からコンクリート部材外に引き出された導電線を介して、該電極間に電圧を印加し、前記電極間の電気抵抗値を測定する工程と、 該シース内に水を注入し、前記電極間の電気抵抗値を測定する工程とを行い、
    前記シース内へのグラウトの充填を行った後に、前記二つの電極からコンクリート部材外に引き出された導電線を介して、該電極間に電圧を印加し、該電極間の電気抵抗値を測定して、この測定結果に基づいてグラウトの充填性を判断することを特徴とするグラウトの充填性検査方法。
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