JP4082302B2 - 平面アンテナ - Google Patents
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Description
この図16に示す従来のTV放送受信端末装置100においては、テレビジョン放送の受信用アンテナとして棒状アンテナ101が取り付けられている。
このため、UHF帯のテレビジョン放送波を受信するTV放送受信端末装置100では、棒状アンテナ101の形状が長大になり、携帯性を損なうという欠点があった。また美観的にも好ましいものではなかった。
また、棒状アンテナ101は、その長さによって共振するため、特定の周波数において使用する場合は長さ調整などを行う必要もあった。
また、別途作製した平面アンテナをプリント配線基板に実装する実装コストなども発生する。
このため、上記特許文献1に記載されているような平面アンテナをTV放送受信装置に適用する場合は、非常にコストがかかるという欠点があった。
また、前記無給電導体は、必要とされる受信帯域に応じたオフセット幅が得られるように形成されている。
また、前記給電導体と前記無給電導体との間には、誘電体が設けられているようにした。
従って、このような平面アンテナの給電導体の電気的特性を切替手段により切り替えて、給電導体の共振周波数を可変すれば、受信帯域を拡大することが可能になる。これにより、小型で広い周波数帯域において使用可能な平面アンテナを実現することができるようになる。
また、本発明のようにして平面アンテナを構成すれば、従来の平面アンテナに比べて、その製造コストを大幅に削減することができるという利点もある。
図1は、本実施の形態の平面アンテナを用いて構成される携帯端末装置の外観構造を示した図である。
この図1に示す携帯端末装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して表示画面1aにテレビジョン画像が表示される。また、その選局操作は操作部1bによって行うことができる。
その場合、アンテナユニット2はユーザから見えないので、アンテナユニット2により携帯端末装置1の外観が損なわれることがないという利点がある。
なお、この場合は、アンテナユニット2が着脱部を介して携帯端末装置1の所要の回路ブロックに対して電気的に接続されることは言うまでもない。
この図2に示すアンテナユニット2は、プリント配線基板3上に、給電導体31と無給電導体33からなる平面アンテナ11、及びコンデンサや抵抗、コイル、IC(Integrated Circuit)などの各種電子部品4が設けられている。
この図3に示す平面アンテナ11は、例えばプリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31が形成されている。
給電導体31の一端側には、給電部32が設けられており、この給電部32により給電電流を励振させることで、電波を放射または受信するためのアンテナ素子を形成するようにしている。
なお、給電導体31の形状は、必ずしもミアンダ形状である必要はなく、より小さい平面サイズで、より低い共振周波数が得られれば他の形状、例えば螺旋状などであっても良い。
なお、このような無給電導体33は、プリント配線基板3の上面または下面の何れか一方だけに形成するようにしても良い。
また、無給電導体33,33はプリント配線基板3の両側表面に設けられている金属パターンを利用して形成する必要はなく、例えばプリント配線基板3の両側に金属板を配置するようにして形成することも可能である。
この場合、例えばプリント配線基板3の基板材料がガラスエポキシ樹脂であれば、その誘電率は4.7とされる。
このため、図3に示す平面アンテナ11においては、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置すると共に、その間に誘電体34,34を設け、これら誘電体34,34により給電導体31の電気長を、実際の物理長より長くして平面アンテナ11の共振周波数を低くすることができる。
図4は、平面アンテナ11の給電導体の長さによる共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には測定条件が示されている。
この図4(a)から平面アンテナ11においては、給電導体31の長さ(Length)を長くすれば、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。なお、このときの給電導体31の長さ(Length)は利用周波数のほぼ半波長になっている。
なお、図4(a)に示す平面アンテナの給電導体31の長さ(Length)は、同図(b)に示すように、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さをa、長辺の長さをbとしたときに、a×(ミアンダライン繰り返し回数)+bにより求められるものとされる。なお、平面アンテナを形成するプリント基板の基板厚を0.8mm、その誘電率を4.7とする。
この図5(a)から平面アンテナ11においては、給電導体31のミアンダラインの導体幅(Width)を広くすると、それだけ平面アンテナの共振周波数を低くできることがわかる。
なお、図5(a)に示す平面アンテナの給電導体31の導体幅(Width)は、同図(b)に示すようにミアンダラインのライン幅とされる。なお、この場合も平面アンテナを形成するプリント基板の基板厚を0.8mm、その誘電率を4.7とする。
この図6(a)から平面アンテナ11においては、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)である給電導体31と無給電導体33との間の幅を、給電導体31より無給電導体33のほうが大きくなるように形成すれば、それだけ平面アンテナの共振周波数を低くできることがわかる。
なお、図6(a)に示す無給電導体33のオフセット幅(Edge)とは、同図(b)に示されているように、給電導体31の上端部と、無給電導体33の上端部との間の距離とされる。なお、この場合も平面アンテナを形成するプリント基板の基板厚を0.8mm、その誘電率を4.7とする。
この図7(a)に示すように、「無給電導体無し」、「片面無給電導体あり」、「両面無給電導体あり」の場合における平面アンテナの共振周波数は、「無給電導体なし」と「片面無給電導体あり」の場合を比較すると、片面に無給電導体33を配置した場合のほうが、無給電導体33を配置しない場合より、共振周波数を約40%低くすることができる。
また、「無給電導体なし」と「両面無給電導体あり」の場合を比較すると、給電導体31の両面に無給電導体33,33を配置したほうが、無給電導体を配置しない場合より、共振周波数を約50%低くすることができる。
このことから、給電導体31に対して無給電導体33を配置することで、共振周波数を低くすることができる。
この図8(a)から、平面アンテナ11は、誘電体34を厚くすることによっても、共振周波数を低くできることがわかる。
なお、図8(a)に示す平面アンテナの形状も、上記図7と同様、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さが8.51mm、長辺の長さが11.0mmとされ、無給電導体33の形状が15.1mm×12.5mmとされる。また、給電導体31であるミアンダラインの導体幅が0.2mm、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)が2.0mm、誘電率が4.7とされる。
この図9(a)に示すように、平面アンテナ11は、給電部32の反対方向に電波を放射するような指向特性となっている。
なお、図9(a)に示す平面アンテナ11の指向特性は、図9(b)にも示されているように、プリント基板の基板厚が0.8mm、誘電率が4.7、給電導体31の全長が355.6mm、給電導体31の導体幅が0.2mm、オフセット幅が1.0mm、「両面無給電導体あり」という条件のもとで形成した平面アンテナを用いて測定したものとされる。
また、このときは給電導体31をミアンダ状に形成することで、平面アンテナのさらなる小型化を図ることができる。
このため、上記したような平面アンテナ11を用いてテレビジョン放送用の受信アンテナを構成した場合には、例えばVHF帯のテレビジョン放送波とUHF帯のテレビジョン放送波を受信することはできないとされる。
なお、上記図3に示した平面アンテナ11と同一部位には同一番号を付す。
この図10に示す平面アンテナ40は、例えばプリント基板の片方の金属パターンを利用して給電導体31が形成されていると共に、他方の金属パターンを利用して給電導体31を覆うように無給電導体33を形成するようにしている。
なお、無給電導体33と同一面上には、地板(グランド)41が形成されている。
この場合も、給電導体31の一端側には給電部32が設けられており、この給電部32から給電電流を励振させることで、アンテナ素子を形成するようにしている。
このように構成した場合、スイッチ42が閉状態のときは、給電導体31の導体パターン全体によりアンテナ素子が形成されることになる。
これに対して、スイッチ42が開状態のときは、給電導体31の導体パターンのうち、給電部32からスイッチ42までの導体パターンによりアンテナ素子が形成され、スイッチ42から先の導体パターンは無給電素子となるようにしている。
なお、スイッチ42を設ける位置は、当該平面アンテナ40の受信帯域や、給電導体31の形状などに基づいて任意に設定すれば良いことは言うまでもない。
この図11に示すように、スイッチ42は、例えば給電導体31が形成されるプリント基板3に凹部3aを形成し、この凹部3aを利用して設けるようにすることが考えられる。この場合、スイッチ42は外部から開閉制御が可能とされる。なお、このようなスイッチ42には、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチを用いることが考えられる。
なお、図12(a)の特性図は、同図(b)に示すように、平面アンテナ40の給電導体31のミアンダライン部の短辺の長さを8.4mm、その長辺の長さを11.0mmとしている。また、プリント基板の基板厚は0.8mm、誘電率を4.7、給電導体31の導体幅は0.2mm、無給電導体33の給電導体31に対するはみ出し幅であるオフセット幅(Edge)は2.0mmとする。そして、この場合はスイッチ42を給電導体31の端部から長辺方向に1.8mmだけ給電部32側の位置に設けるようにしたものである。
したがって、例えば所望の共振周波数が得られるように、導体長や導体幅を設定するようにして給電導体31を形成したうえで、上記共振周波数とは異なる所望の共振周波数が得られるように、給電導体31の所要位置にスイッチ42を設けるようにすれば、スイッチ42を開閉することにより、平面アンテナ40において、共振周波数の異なる2つのアンテナ素子を形成することができるようになる。
なお、上記図3に示した平面アンテナ11と同一部位には同一番号を付す。
この図13に示す平面アンテナ50は、上記図3に示した平面アンテナ11と同様、プリント基板に内層される金属パターンを利用して給電導体31を形成していると共に、この給電導体31の両側に無給電導体33a,33bが配置されている。また無給電導体33aと同一面上には地板(グランド)41が形成されている。
即ち、これまで説明した平面アンテナ11(40)では、給電導体31の他端が開放端であったのに対して、この図13に示す平面アンテナ50は、給電導体31の他端を地板41に接地するようにした点が異なるものとされる。
なお、図14(a)の特性図は、同図(b)に示すように給電導体31のミアンダライン部の短辺の長さを8.4mm、長辺の長さを11.0mmとしている。また、プリント基板の基板厚は0.8mm、誘電率を4.7、給電導体31の導体幅は0.2mm、無給電導体33の給電導体31に対するはみ出し幅であるオフセット幅(Edge)は2.0mmとする。
図14(a)から、平面アンテナ50は、給電導体31の一端を開放端とした場合より給電導体31の一端を接地したほうが共振周波数が低くすることができることがわかる。
この図15に示す平面アンテナ60においては、ミアンダ状に形成した給電導体31の所要位置に給電導体31の他端側をViaホール43を介して地板41に接続する2つのスイッチ42a,42bを設けるようにしている。これにより、例えばスイッチ42a又はスイッチ42bを閉状態にしたときは給電導体31の他端側がそれぞれ異なる位置で地板41に接続することができる。
またスイッチ42a,42bを共に開状態にすれば、給電導体31の他端側を開放端とすることができる。
従って、この図15に示すような平面アンテナ60を構成すれば、スイッチ42a,42bの開閉制御を行い、給電導体31の電気的特性を切り替える、即ち給電導体の他端側を接地端又は開放端とすると共に、給電導体31の電気導体長を可変することで、受信帯域を可変することができるようになる。
これにより、受信帯域の広い平面アンテナを形成することができるようになる。つまり、小型でしかもVHF帯からUHF帯のテレビジョン放送波を受信する ことができるようになる。
そのような場合には、例えばコイルやコンデンサなどのリアクタンス素子を用いて、給電導体31の電気長に応じてアンテナ素子のインピーダンスを後段回路と一致させるためのマッチング回路を構成する。そして、マッチング回路をアンテナ素子と一体化して平面アンテナを形成することが考えられる。
Claims (4)
- 受信に必要とされる全長を有する導体パターンにより形成されていると共に、その一端側が給電部に接続され、他端側が接地されている給電導体と、
前記給電導体の片側または両側に配置される無給電導体と、
前記給電導体の導体パターンの所要位置に設けられ、前記導体パターン長を変えることで該給電導体の共振周波数を可変とする切替手段と
からなることを特徴とする平面アンテナ。 - 前記給電導体の導体パターンは、ミアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電導体は、必要とされる受信帯域に応じたオフセット幅が得られるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
- 前記給電導体と前記無給電導体との間には、誘電体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
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