JPWO2014203967A1 - アンテナ装置及びそれを備える無線装置 - Google Patents

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Abstract

給電点を備えた基板と、前記給電点に接続される給電素子と、前記給電素子によって非接触で給電される放射素子と、前記給電素子に接する媒質とを備え、前記媒質の比誘電率と前記媒質の比透磁率との積は、前記基板の比誘電率と前記基板の比透磁率との積よりも大きい、アンテナ装置。例えば、前記給電素子と前記媒質とを含んで構成されたチップ部品が、前記基板に実装され、前記給電素子は、前記チップ部品の内部に配置される。

Description

本発明は、アンテナ装置及びそれを備える無線装置(例えば、携帯電話などの携帯無線機)に関する。
携帯無線機等に搭載されるアンテナは、近年、その個数が増加しており、また回路基板の集積密度が高まっているため、筺体表面、あるいは筺体内部など、回路基板から離れた部位に実装されている。
例えば、特許文献1に開示されたアンテナ導体(放射導体)は、筐体外装面に形成されていて、基板に設けられた給電ピンに物理的に接触している(特許文献1の図2参照)。このような給電ピンを用いる場合には、外部からの衝撃が加わった際の信頼性を向上するために、スプリングピンコネクタなどの衝撃を緩和する機構を有する特殊な接続端子が利用される。また、このような特殊な機構を使用しない例として、特許文献2に開示された給電方式がある。
特許文献2のアンテナ装置は、筐体に放射導体が形成され、また、回路基板上に垂直に立てられた給電線の先端に容量板が配置されている(特許文献2の図1参照)。容量板と放射導体が容量結合することにより、非接触で放射導体に給電されるため、非接触給電方式は、衝撃に強い構造といえる。特に、筐体にガラスやセラミックスなどの脆性材料を利用し、筐体にアンテナを形成する場合において、給電ピンなどで給電を行うと、外部から強い衝撃が加わった際に筐体の1点に応力が集中することで、筐体が破損し、アンテナも動作しなくなる可能性がある。このような問題を回避する手段として、非接触給電は非常に有効といえる。
特開2009−060268号公報 特開2001−244715号公報
しかしながら、放射導体と容量板とを容量結合させる給電方式では、製造上の誤差などで、放射導体と容量板との相対的な位置関係、特に間隔が設計値からずれることによって容量値が大きく変化する。その結果、インピーダンスマッチングがとれなくなるおそれがある。また、使用による振動などによって放射導体と容量板との相対的な位置関係が変化しても同様のことが発生するおそれがある。
そこで本発明は、放射導体との位置関係について高い位置ロバスト性を有する非接触給電を実現できる、アンテナ装置及びそれを備える無線装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、
給電点を備えた基板と、
前記給電点に接続される給電素子と、
前記給電素子によって非接触で給電される放射素子と、
前記給電素子に接する媒質とを備え、
前記媒質の比誘電率と前記媒質の比透磁率との積は、前記基板の比誘電率と前記基板の比透磁率との積よりも大きい、アンテナ装置及びそれを備える無線装置が提供される。
本発明によれば、放射導体との位置関係について高い位置ロバスト性を有する非接触給電を実現できる。
アンテナ装置の解析モデルの一例を示す平面図 図1のアンテナ装置の各構成の位置関係の一例を模式的に示す図 アンテナ装置の解析モデルの一例を示す斜視図 アンテナ装置の解析モデルの一例を示す斜視図 図1のアンテナ装置の解析モデルを示す斜視図 図5のアンテナ装置のS11特性図 図3のアンテナ装置の解析モデルの平面図 図7の一部拡大図 図3のアンテナ装置の各構成の位置関係の一例を模式的に示す図 図3のアンテナ装置のS11、S21特性図 図3のアンテナ装置の相関係数の一例を示す図 図4のアンテナ装置の解析モデルの平面図 図12の一部拡大図 図4のアンテナ装置の各構成の位置関係の一例を模式的に示す図 図4のアンテナ装置(放射素子がチップ部品内に無い場合)のS11特性図 図4のアンテナ装置(放射素子がチップ部品内にある場合)のS11特性図
図1は、本発明の一実施形態であるアンテナ装置1の動作を解析するためのコンピュータ上のシミュレーションモデルを示した平面図である。電磁界シミュレータとして、Microwave Studio(登録商標)(CST社)を使用した。
アンテナ装置1は、給電点38と、グランドプレーン70と、放射素子31と、放射素子31に給電する給電部36と、放射素子31からZ軸方向に所定距離離れて配置された導体である給電素子37と、給電素子37を備えた媒質41とを備えている。給電部36は、放射素子31単体に対する給電部位であり、アンテナ装置1としての給電部位ではない。アンテナ装置1としての給電部位は、給電点38である。
給電点38は、グランドプレーン70を利用した所定の伝送線路や給電線等に接続される給電部位である。所定の伝送線路の具体例として、マイクロストリップライン、ストリップライン、グランドプレーン付きコプレーナウェーブガイド(導体面とは反対側の表面にグランドプレーンが配置されたコプレーナウェーブガイド)などが挙げられる。給電線としては、フィーダー線や同軸ケーブルが挙げられる。給電素子37は、給電点38を介して、例えば、基板80に実装される給電回路(例えば、不図示のICチップ等の集積回路)に接続される。給電素子37と給電回路は、上記の異なる複数の種類の伝送線路や給電線を介して接続されてもよい。
基板80は、誘電体、磁性体、又は誘電体と磁性体との混合物を基材とする基板である。誘電体の具体例として、樹脂、ガラス、ガラスセラミックス、LTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramics)、アルミナなどが挙げられる。誘電体と磁性体との混合物の具体例として、FeやNi、Coなどの遷移元素、SmやNdなどの希土類元素を含む金属あるいは酸化物のいずれかを有していればよく、例えば、六方晶系フェライト、スピネル系フェライト(Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライトなど)、ガーネット系フェライト、パーマロイ、センダスト(登録商標)などが挙げられる。基板80は、グランドプレーン70と、グランドプレーン70をグランド基準とする給電点38とを備えている。
グランドプレーン70は、基板80の表層又は内層に形成された部位である。グランドプレーン70は、例えば、少なくとも一つの角部73を有するグランド部位であり、角部73からY軸方向に直線的に延伸する外縁部71と、角部73からX軸方向に直線的に延伸する外縁部72とを有している。外縁部71は外縁部72の延伸方向に直交するように延伸することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、互いの延伸方向の交わる角度は、70°以上110°以下であることが好ましく、80°以上100°以下であることがより好ましい。給電点38は、例えば、グランドプレーン70の角部73の近傍に配置されている。
放射素子31は、外縁部71に沿うように配置された線状のアンテナ導体部分であり、例えばX軸方向に所定の最短距離D1離れた状態で外縁部71に平行にY軸方向に延在している導体部分32を有している。図1には、直線状の放射素子31が例示されているが、放射素子31は、L字状やループ状などの他の形状であってよい。放射素子31が、外縁部71に沿った導体部分32を有することによって、例えばアンテナ装置1の指向性を容易に制御することが可能となる。
給電素子37は、媒質41に設けられ、マイクロストリップライン等の伝送線路に接続される給電点38に接続される素子であり、給電部36を介して、放射素子31に対して非接触で給電可能な線状導体である。図1には、グランドプレーン70の外縁部71に対して直角且つX軸に平行な方向に延在する直線状導体と、Y軸に平行な外縁部71に並走して延在する直線状導体とによって、L字状に形成された給電素子37が例示されている。図1の場合、給電素子37は、給電点38を起点にX軸方向に延伸してからY軸方向に折り曲げられ、Y軸方向への延伸の端部39まで延伸している。
なお、図1の場合、放射素子31と給電素子37は、Z軸方向での平面視において重複しているが、給電素子37が放射素子31に非接触で給電可能な距離離れていれば、必ずしもZ軸方向での平面視において重複していなくてもよい。例えば、X軸又はY軸方向などの任意の方向での平面視において重複していてもよい。
図2は、アンテナ装置1の各構成のZ軸方向の位置関係を模式的に示した図である。給電素子37は、基板80の外部に配置された媒質41に接して設けられている。媒質41の詳細については後述する。放射素子31は、給電素子37から離れて配置され、例えば図2に示されるように、基板80から距離H2離れて基板80に対向する基板110に設けられている。基板110は、誘電体、磁性体、又は誘電体と磁性体との混合物を基材とする基板である。基板110の基材の具体例は、上述の基板80の場合と同様である。放射素子31は、図2では基板110の給電素子37に対向する側の表面に配置されているが、基板110の給電素子37に対向する側とは反対側の表面に配置されてもよいし、基板110の側面に配置されてもよい。
給電素子37と放射素子31は、例えば、互いに電磁界結合可能な距離で離れて配置されている。放射素子31は、給電部36で給電素子37を介して電磁界結合によって非接触で給電される。このように給電されることによって、放射素子31は、アンテナの放射導体として機能する。図1に示すように、放射素子31が2点間を結ぶ線状導体である場合、半波長ダイポールアンテナと同様の共振電流(定在波状に分布する電流)が放射素子31上に形成される。すなわち、放射素子31は、所定の周波数の半波長で共振するダイポールアンテナとして機能(以下、ダイポールモードという)する。また、放射素子がループ状導体であってもよい。放射素子がループ状導体である場合、ループアンテナと同様の共振電流(定在波状に分布する電流)が放射素子上に形成される。すなわち、放射素子は、所定の周波数の1波長で共振するループアンテナとして機能(以下、ループモードという)する。
電磁界結合とは、電磁界の共鳴現象を利用した結合であり、例えば非特許文献(A.Kurs, et al,“Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances,”Science Express, Vol.317, No.5834, pp.83−86, Jul. 2007)に開示されている。電磁界結合は、電磁界共振結合又は電磁界共鳴結合とも称され、同じ周波数で共振する共振器同士を近接させ、一方の共振器を共振させると、共振器間に作られるニアフィールド(非放射界領域)での結合を介して、他方の共振器にエネルギーを伝送する技術である。また、電磁界結合とは、静電容量結合や電磁誘導による結合を除いた高周波における電界及び磁界による結合を意味する。なお、ここでの静電容量結合や電磁誘導による結合を除いたとは、これらの結合が全くなくなることを意味するのではなく、影響を及ぼさない程度に小さいことを意味する。給電素子37と放射素子31との間の媒体は、空気でもよいし、ガラスや樹脂材等の誘電体でもよい。なお、給電素子37と放射素子31との間には、グランドプレーンやディスプレイ等の導電性材料を配置しないことが好ましい。
給電素子37と放射素子31を電磁界結合させることによって、衝撃に対して強い構造が得られる。すなわち、電磁界結合の利用によって、給電素子37と放射素子31を物理的に接触させることなく、給電素子37を用いて放射素子31に給電できるため、物理的な接触が必要な接触給電方式に比べて、衝撃に対して強い構造が得られる。
また、電磁界結合で給電する場合の方が、静電容量結合で給電する場合に比べて、給電素子37と放射素子31の離間距離(結合距離)の変化に対して、動作周波数における放射素子31の動作利得(アンテナ利得)は低下しにくい。ここで、動作利得とは、アンテナの放射効率とリターンロスとの積で算出される量であり、入力電力に対するアンテナの効率として定義される量である。したがって、給電素子37と放射素子31を電磁界結合させることで、給電素子37と放射素子31の配置位置を決める自由度を高めることができ、位置ロバスト性も高めることができる。なお、位置ロバスト性が高いとは、給電素子37及び放射素子31の配置位置等がずれても、放射素子31の動作利得に与える影響が低いことを意味する。また、給電素子37と放射素子31の配置位置を決める自由度が高いため、アンテナ装置1の設置に必要なスペースを容易に縮小できる点で有利である。また、電磁界結合の利用によって、容量板などの余計な部品を構成してなくても、給電素子37を用いて放射素子31に給電できるため、静電容量結合で給電する場合に比べて、簡易な構成での給電が可能である。
また、給電素子37が放射素子31に給電する部位である給電部36は、図1の場合、放射素子31の一方の端部34と他方の端部35との間の中央部90以外の部位(中央部90と端部34又は端部35との間の部位)に位置している。このように、給電部36を放射素子31の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分(この場合、中央部90)以外の放射素子31の部位に位置させることによって、アンテナ装置1のインピーダンスマッチングを容易に取ることができる。給電部36は、放射素子31と給電素子37とが最近接する放射素子31の導体部分のうち給電点38に最も近い部分で定義される部位である。
放射素子31のインピーダンスは、ダイポールモードの場合、放射素子31の中央部90から端部34又は端部35の方に離れるにつれて高くなる。電磁界結合における高インピーダンスでの結合の場合、給電素子37と放射素子31間のインピーダンスが多少変化しても一定以上の高インピーダンスで結合していればインピーダンスマッチングに対する影響は小さい。よって、マッチングを容易に取るために、放射素子31の給電部36は、放射素子31の高インピーダンスの部分に位置させることが好ましい。
例えば、アンテナ装置1のインピーダンスマッチングを容易に取るために、給電部36は、放射素子31の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分(この場合、中央部90)から放射素子31の全長の1/8以上(好ましくは、1/6以上、さらに好ましくは、1/4以上)の距離を離した部位に位置するとよい。図1の場合、放射素子31の全長は、L32に相当し、給電部36は、中央部90に対して端部34側に位置している。
一方、特許文献2のような静電容量結合のような低インピーダンスでの結合でインピーダンスマッチングがとれていると、例えば、容量板と放射導体との距離がわずかでも遠くなった場合、容量が小さくなって容量板と放射導体間のインピーダンスが高くなってしまいインピーダンスマッチングがとれなくなる。
また、給電素子37の共振の基本モードを与える電気長をLe37、放射素子31の共振の基本モードを与える電気長をLe31、放射素子31の基本モードの共振周波数fにおける給電素子37または放射素子31上での波長をλとして、Le37が、(3/8)・λ以下であり、かつ、Le31が、放射素子31の共振の基本モードがダイポールモードである場合、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下であり、放射素子31の共振の基本モードがループモードである場合、(7/8)・λ以上(9/8)・λ以下であることが好ましい。
前記Le37は、(3/8)・λ以下が好ましい。また、グランドプレーン70の有無を含めその形状に自由度を与えたい場合には、(1/8)・λ以上(3/8)・λ以下がより好ましく、(3/16)・λ以上(5/16)・λ以下が特に好ましい。Le37がこの範囲内であれば、給電素子37が放射素子31の設計周波数(共振周波数f)にて良好に共振するため、アンテナ装置1のグランドプレーン70に依存せずに給電素子37と放射素子31とが共鳴して良好な電磁界結合が得られ好ましい。
また、外縁部71が放射素子31に沿うようにグランドプレーン70が形成された場合、給電素子37は外縁部71との相互作用により、給電素子37とグランドプレーン上に、共振電流(定在波状に分布する電流)を形成することができ、放射素子31と共鳴して電磁界結合する。そのため、給電素子37の電気長Le21の下限値は特になく、給電素子37が放射素子31と物理的に電磁界結合できる程度の長さであればよい。また、電磁界結合が実現しているとは整合が取れているということを意味している。また、この場合、給電素子37が放射素子31の共振周波数に合わせて電気長を設計する必要がなく、給電素子37を放射導体として自由に設計することが可能になるため、アンテナ装置1の多周波化を容易に実現できる。なお、放射素子31に沿うグランドプレーン70の外縁部71は、給電素子37の電気長と合計して設計周波数(共振周波数f11)の(1/4)・λ以上の長さであることがよい。
なお給電素子37の物理的な長さL37(図1の場合、D1+L34に相当)は、整合回路などを含んでいない場合、放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の電波の波長をλとして、実装される環境による短縮効果の短縮率をkとしたとき、λg1=λ・kによって決定される。ここでkは、給電素子37の環境の実効比誘電率(ε)および実効比透磁率(μ)などの給電素子が設けられた誘電体基材等の媒質(環境)の比誘電率、比透磁率、および厚み、共振周波数などから算出される値である。すなわち、L37は、(3/8)・λg1以下である。なお、短縮率は上記の物性から算出してもよいし、実測により求めても良い。例えば、短縮率を測定したい環境に設置された対象となる素子の共振周波数を測定し、任意の周波数ごとの短縮率が既知である環境において同じ素子の共振周波数を測定し、これらの共振周波数の差から短縮率を算出してもよい。
給電素子37の物理的な長さL37はLe37を与える物理的な長さであり、その他の要素を含まない理想的な場合、Le37と等しい。給電素子37が、整合回路などを含む場合、L37は、ゼロを超え、Le37以下が好ましい。L37はインダクタ等の整合回路を利用することにより短く(サイズを小さく)することが可能である。
また、前記Le31は、放射素子の共振の基本モードがダイポールモード(放射素子の両端が開放端であるような線状の導体)である場合、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下が好ましく、(7/16)・λ以上(9/16)・λ以下がより好ましく、(15/32)・λ以上(17/32)・λ以下が特に好ましい。また、高次モードを考慮すると、前記Le31は、(3/8)・λ・m以上(5/8)・λ・m以下が好ましく、(7/16)・λ・m以上(9/16)・λ・m以下がより好ましく、(15/32)・λ・m以上(17/32)・λ・m以下が特に好ましい。ただし、mは高次モードのモード数であり、自然数である。mは1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。m=1の場合は基本モードである。Le31がこの範囲内であれば、放射素子31が充分に放射導体として機能し、アンテナ装置1の効率が良く好ましい。
また同様に、放射素子の共振の基本モードがループモード(放射素子がループ状の導体)である場合、前記Le31は、(7/8)・λ以上(9/8)・λ以下が好ましく、(15/16)・λ以上(17/16)・λ以下がより好ましく、(31/32)・λ以上(33/32)・λ以下が特に好ましい。また、高次モードについてはダイポールモードと同様に、前記Le31は、(7/8)・λ・m以上(9/8)・λ・m以下が好ましく、(15/16)・λ・m以上(17/16)・λ・m以下がより好ましく、(31/32)・λ・m以上(33/32)・λ・m以下が特に好ましい。
なお放射素子31の物理的な長さL31(図1の場合、L32に相当)は、放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の電波の波長をλとして、実装される環境による波長短縮効果の短縮率をkとしたとき、λg2=λ・kによって決定される。ここでkは、放射素子31の環境の実効比誘電率(εr2)および実効比透磁率(μr2)などの放射素子が設けられた誘電体基材等の媒質(環境)の比誘電率、比透磁率、および厚み、共振周波数などから算出される値である。すなわち、L31は、放射素子の共振の基本モードがダイポールモードである場合、(3/8)・λg2以上(5/8)・λg2以下、放射素子の共振の基本モードがループモードである場合、(7/8)・λg2以上(9/8)・λg2以下である。放射素子31の物理的な長さL31は、Le31を与える物理的な長さであり、その他の要素を含まない理想的な場合、Le31と等しい。L31は、インダクタ等の整合回路を利用することにより短くしたとしても、ゼロを超え、Le31以下が好ましく、Le31の0.4倍以上1倍以下が特に好ましい。
例えば、媒質41が、比誘電率=3.4、tanδ=0.003、Z軸方向の厚さ=0.8mmの特性を有する場合のL37の長さは、給電素子37を放射導体として利用する場合の給電素子37の設計周波数を3.5GHzとしたときに、20mmである。また、例えば、基板110が、比誘電率=3.4、tanδ=0.003、Z軸方向の厚さ=0.8mmの特性を有する場合のL31の長さは、放射素子31の設計周波数を2.2GHzとしたときに、34mmである。
また、図1に示すように給電素子37とグランドプレーン70の外縁部71との相互作用を利用できる場合おいて、給電素子37を前述のように放射素子として機能させてもよい。放射素子31は、給電素子37によって給電部36で非接触に電磁界結合で給電されることにより、例えば、λ/2ダイポールアンテナとして機能する放射導体である。一方、給電素子37は、放射素子31に対して給電可能な線状の給電導体であるが、給電点38で給電されることにより、モノポールアンテナ(例えば、λ/4モノポールアンテナ)として機能することも可能な放射導体である。放射素子31の共振周波数をf、給電素子37の共振周波数をfと設定し、給電素子37の長さを周波数fで共振するモノポールアンテナとして調整すれば、給電素子の放射機能を利用することができ、アンテナ装置1の多周波化を容易に実現できる。
給電素子37の放射機能を利用したときの物理的な長さL37は、整合回路などを含んでいない場合、給電素子37の共振周波数fにおける真空中の電波の波長をλとして、実装される環境による波長短縮効果の短縮率をkとしたとき、λg3=λ・kによって決定される。ここでkは、給電素子37の環境の実効比誘電率(εr1)および実効比透磁率(μr1)などの給電素子が設けられた誘電体基材等の媒質(環境)の比誘電率、比透磁率、および厚み、共振周波数などから算出される値である。すなわち、L37は、(1/8)・λg3以下(3/8)・λg3以下であり、好ましくは、(3/16)・λg3以上(5/16)・λg3以下である。給電素子37の物理的な長さL37はLe37を与える物理的な長さであり、その他の要素を含まない理想的な場合、Le37と等しい。給電素子37が、整合回路などを含む場合、L37は、ゼロを超え、Le37以下が好ましい。L37はインダクタ等の整合回路を利用することにより短く(サイズを小さく)することが可能である。
また、放射素子31の基本モードの共振周波数における真空中の電波波長をλとする場合、給電素子37と放射素子31との最短距離H4は、0.2×λ以下(より好ましくは、0.1×λ以下、更に好ましくは、0.05×λ以下)であると好適である。給電素子37と放射素子31をこのような最短距離H4だけ離して配置することによって、放射素子31の動作利得を向上させる点で有利である。
なお、最短距離H4とは、給電素子37と放射素子31において、最も近接している部位間の直線距離である。また、給電素子37と放射素子31は、両者が電磁界結合していれば、任意の方向から見たときに、交差しても交差しなくてもよいし、その交差角度も任意の角度でよい。
また、給電素子37と放射素子31とが最短距離H4で並走する距離は、放射素子31の物理的な長さの3/8以下であることが好ましい。より好ましくは、1/4以下、更に好ましくは、1/8以下である。最短距離H4となる位置は給電素子37と放射素子31との結合が強い部位であり、最短距離H4で並走する距離が長いと、放射素子31のインピーダンスが高い部分と低い部分の両方と強く結合することになるため、インピーダンスマッチングが取れない場合がある。よって、放射素子31のインピーダンスの変化が少ない部位のみと強く結合するために最短距離H4で並走する距離は短い方がインピーダンスマッチングの点で有利である。
<給電素子37に接する媒質41について>
給電素子37の物理的な長さL37は、kに比例する。そのため、媒質41の比誘電率εr1と媒質41の比透磁率μr1との積P1を、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2よりも大きくすることにより、積P1が積P2と等しい場合に比べて、長さL37を短くできる。これにより、給電素子37を小型化できるため、アンテナ装置1の設置スペースを削減し、非接触給電を簡易な構成で実現できる。
媒質41は、誘電体、磁性体、又は誘電体と磁性体との混合物を基材とする基体である。媒質41の基材として誘電体が用いられる場合、波長短縮効果によって、給電素子37の小型化ができる。誘電体の具体例として、樹脂、ガラス、ガラスセラミックス、LTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramics)、アルミナなどが挙げられる。媒質41の基材として磁性体が用いられる場合、給電素子37のQ値の低下によって、アンテナ装置1の広帯域化ができる。媒質41の基材として誘電体と磁性体との混合物が用いられる場合、給電素子37の小型化とアンテナ装置1の広帯域化が可能である。誘電体と磁性体との混合物の具体例として、FeやNi、Coなどの遷移元素、SmやNdなどの希土類元素を含む金属あるいは酸化物のいずれかを有していればよく、例えば、六方晶系フェライト、スピネル系フェライト(Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライトなど)、ガーネット系フェライト、パーマロイ、センダスト(登録商標)などが挙げられる。
基板80の基材が誘電体である場合、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2は、例えば、2以上5以下である。給電素子37を小型化するには、媒質41の比誘電率εr1と媒質41の比透磁率μr1との積P1は、6以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。また、積P1は、製造上又はアンテナとして機能させる上で、1000以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましい。
例えば図2に示されるように、給電素子37と媒質41とを含んで構成されたチップ部品40が基板80に実装される。これにより、媒質41に接した給電素子37を基板80に容易に実装できる。
基板80は、給電点38に接続されるストリップ導体82を備えた伝送線路を有している。ストリップ導体82は、例えば、グランドプレーン70との間に基板80を挟むように基板80の表面に形成された信号線である。
また、基板80は、給電点38に接続されるランド81を有している。ランド81は、給電素子37と給電点38とを電気的に接続するための導体部位であり、基板80の表面に形成されている。チップ部品40は、給電素子37がビア等の配線43を介して接続される電極44を有する。電極44がはんだ等でランド81に接合されることによって、チップ部品40は基板80の表面に実装され、給電素子37は給電点38に電気的に接続される。
給電素子37は、媒質41に囲まれるようにチップ部品40の内部に配置されることが、給電素子37の小型化の点で有利である。しかしながら、給電素子37が、媒質41に接した状態で、チップ部品40の表面42に露出してもよい。
また、チップ部品40は、放射素子31又は給電素子37のマッチングを行うマッチング回路45を有してよい。マッチング回路は、リアクタンス素子を有する回路であり、整合回路とも呼ばれる。マッチング回路45は、例えば、給電点38に接続される伝送線路を介して接続される給電回路(例えば、基板80に実装されるICチップ等の集積回路)と、放射素子31又は給電素子37とのマッチングを行う回路である。マッチング回路45は、チップ部品40の内部に設けられてもよいし、チップ部品40の表面に設けられてもよい。マッチング回路45をチップ部品40に設けることによって、マッチング回路45が基板80の表面に直接実装される場合に比べて、基板80の小型化又は基板80の実装可能面積の拡大化が可能である。また、チップ部品40は、マッチング回路以外にも、高調波を減衰するフィルタや、給電点に接続される給電素子を複数の給電素子の中から選択的に切り替えるスイッチなどの機能をチップ部品40の内部又は表面に有していてもよい。
マッチング回路45又はフィルタは、放射素子31又は給電素子37のインピーダンスと給電点38に接続される伝送線路又は給電線のインピーダンスとのマッチングをチューニングする機能を有してもよい。また、マッチング回路45は、MIMOアンテナにおいて、アンテナ素子間の結合を低減するための減結合回路を含んでもよい。
<アンテナ装置の搭載装置>
本発明の実施形態に係るアンテナ装置は、無線装置(例えば、人が携帯可能な通信端末)に搭載される。無線装置の具体例として、情報端末機、携帯電話、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、テレビ、音楽や映像のプレーヤーなどの電子機器が挙げられる。
例えば図2において、ディスプレイを有する無線通信装置100(無線装置の一例)にアンテナ装置1が搭載される場合、基板110は、例えば、ディスプレイの画像表示面を全面的に覆うカバーガラスであってもよいし、基板80が固定される筐体(特には、表蓋、裏蓋、側壁など)であってもよい。カバーガラスは、ディスプレイに表示される画像を透明又はユーザが視認可能な程度に半透明な誘電体基板であって、ディスプレイの上に積層配置された平板状の部材である。
放射素子31がカバーガラスの表面に設けられる場合、放射素子31は、銅や銀などの導体ペーストをカバーガラスの表面に塗って焼成して形成されるとよい。このときの導体ペーストとして、カバーガラスに利用される化学強化ガラスの強化が鈍らない程度の温度で焼成できる低温焼成可能な導体ペーストを利用するとよい。また、酸化による導体の劣化を防ぐために、メッキなどを施してもよい。また、カバーガラスには加飾印刷が施されていてもよく、加飾印刷された部分に導体が形成されていてもよい。また、配線などを隠す目的でカバーガラスの周縁に黒色隠蔽膜が形成されている場合、放射素子31が黒色隠蔽膜上に形成されてもよい。
また、給電素子37及び放射素子31、並びにグランドプレーン70のZ軸に平行な高さ方向における各位置は、互いに異なっていてもよいし、全て又は一部のみが同じでもよい。
また、一つの給電素子37で複数の放射素子に給電してもよい。複数の放射素子を利用することにより、マルチバンド化、ワイドバンド化、指向性制御等の実施が容易となる。また、複数のアンテナ装置が一つの無線通信装置に搭載されてもよい。
複数の給電素子がチップ部品の内部又は表面に設けられてもよい。図3は、2つの給電素子37A,37Bが設けられたチップ部品46を備えるアンテナ装置2の一例を部分的に示す斜視図である。給電素子37A,37Bは、媒質41に接する。アンテナ装置2は、基板80と、チップ部品46と、2つの放射素子31A,31Bとを備える。基板80は、所定の間隔を空けて互いに近接する2つの給電点38A,38Bを備える。給電素子37Aは、給電点38Aにチップ部品46の電極44A及び配線43Aを介して接続され、放射素子31Aに非接触で給電する線状導体である。給電素子37Bは、給電点38Bにチップ部品46の電極44B及び配線43Bを介して接続され、放射素子31Bに非接触で給電する線状導体である。配線43A及び配線43Bは、例えば、ビアである。
アンテナ装置2は、給電素子37Aと放射素子31Aとを有する第1のダイポールアンテナ素子10と、給電素子37Bと放射素子31Bとを有する第2のダイポールアンテナ素子20とを備える。
第1のダイポールアンテナ素子10と第2のダイポールアンテナ素子20との間の相関係数が低いので、アンテナ装置2を、MIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナとして機能させることが可能である。MIMOアンテナは、複数のアンテナ素子を用いて所定の周波数において多重の入出力が可能なマルチアンテナである。
また、単数又は複数の放射素子がチップ部品の内部又は表面に設けられてもよい。図4は、1つの給電素子37と1つの放射素子31Cとが設けられたチップ部品47を備えるアンテナ装置3の一例を部分的に示す斜視図である。給電素子37も放射素子31Cも、媒質41に接する。アンテナ装置3は、基板80と、チップ部品47と、放射素子31Cから離れて配置される放射素子31Dとを備える。チップ部品47から離れて配置される放射素子31Dは、媒質41に非接触の線状導体である。給電素子37は、給電点38にチップ部品47の電極44及び配線43を介して接続される。給電素子37は、チップ部品47に設けられた放射素子31Cに非接触で給電し、且つ、チップ部品47から離れて配置される放射素子31Dに非接触で給電する線状導体である。
アンテナ装置3は、放射素子31Cが共振する周波数と放射素子31Dが共振する周波数とを合わせた複数の周波数で励振するマルチバンドアンテナである。
図1,2で示した形態のアンテナ装置1をシミュレーション解析したときのS11特性について説明する。S11特性とは、高周波電子部品等の特性の一種であり、本明細書においては周波数に対する反射損失(リターンロス)で表す。電磁界シミュレータとして、Microwave Studio(登録商標)(CST社)を使用した。
S11特性の測定時の図1で示した各寸法は、単位をmmとすると、
D1:3.75
L32:45
W31:1.9
W32:1.9
W33:1
とした。
また、グランドプレーン70、給電素子37及び放射素子31において、Z軸方向の厚さ(高さ)は0.018mmとした。また、基板80は、比誘電率ε=3.3、tanδ=0.003に設定し、基板110は、比誘電率ε=1、に設定した。また、グランドプレーン70の形状は、X軸方向が30mmでY軸方向が50mmの長方形とし、基板80の形状は、X軸方向が30mmでY軸方向が60mmの長方形とした。また、図2において、H1を0.8mm、H2を1.5mm、H3を1mmに設定した。また、給電素子37と放射素子31との最短距離H4を0.5mmに設定し、給電素子37と放射素子31とを電磁界結合させた。
図5は、図1,2で示した形態のアンテナ装置1をシミュレーション解析したときの解析モデルの一部を拡大した斜視図である。L41,L42,L43は、それぞれ、チップ部品40の媒質41における、横長、縦長、高さを想定していて、給電素子37の一部の導体部分(放射素子31の導体部分32に並走する部分)の長さL34(図1参照)は、横長L41と同じ長さに設定した。
図6は、図1,2で示した形態のアンテナ装置1において、媒質41の比誘電率εr1と媒質41の比透磁率μr1との積P1を、「10」に設定した場合(本発明の実施例)と「1」に設定した場合(本発明の比較例)のS11特性図である。積P1が「10」の場合とは、積P1が、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2よりも大きい場合を示し、積P1が「1」の場合とは、積P1が、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2よりも小さい場合を示す。
積P1が「1」の場合、図6に示されるように、放射素子31の基本モードの共振周波数を2.6GHz付近に設定し、且つ、給電素子37の基本モードの共振周波数を4.7GHz付近に設定するには、図5で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L41:14
L42:5
L43:1
にする必要があった。
これに対し、積P1が「10」の場合、図6に示されるように、放射素子31の基本モードの共振周波数を2.6GHz付近に設定し、且つ、給電素子37の基本モードの共振周波数を4.7GHz付近に設定するには、図5で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L41:7
L42:5
L43:1
にする必要があった。
すなわち、積P1を「10」にすることによって、L41の長さを半分にできるため、給電素子37の小型化が可能である。
図3で示した形態のアンテナ装置2をシミュレーション解析したときにおいて、S11特性及び相関係数特性について説明する。図7は、左右対称に形成されたアンテナ装置2の解析モデルの平面図であり、図8は、図7の一部拡大図であり、図9は、アンテナ装置3の各構成の位置関係の一例を模式的に示す図である。
特性測定時の図7,8,9で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L51:60
L52:50
L53:10
L54:5
L55:24
L56:45
L57:2.5
L58:8.5
L59:5
L60:2.5
L61:2
W34:0.5
W35:1
H11:1
H12:1
H13:0.5
H14:0.5
とした。
また、グランドプレーン70、給電素子37A,37B及び放射素子31A,31Bにおいて、Z軸方向の厚さ(高さ)は0.018mmとした。また、基板80は、比誘電率ε=3.3、tanδ=0.003に設定した。また、給電素子37Aと放射素子31Aとの最短距離を1mmに設定し、給電素子37Aと放射素子31Aとを電磁界結合させた。給電素子37Bと放射素子31Bとの関係も同じである。また、媒質41の比誘電率εr1と媒質41の比透磁率μr1との積P1は、10であり、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2よりも大きな値である。
図10は、アンテナ装置2のS11,S21特性である。図11は、アンテナ装置2の相関係数の特性図である。図10、図11に示されるように、相関係数は、共振周波数2.5GHz付近で0付近まで低下している。したがって、複数の給電素子がチップ部品内にあっても、アンテナ装置2はMIMOアンテナとして機能する。
図4で示した形態のアンテナ装置3をシミュレーション解析したときにおいて、S11特性について説明する。図12は、アンテナ装置3の解析モデルの平面図であり、図13は、図12の一部拡大図であり、図14は、アンテナ装置3の各構成の位置関係の一例を模式的に示す図である。
特性測定時の図12,13,14で示した各寸法は、単位をmmとすると、
L71:30(グランドプレーン70及び基板80の幅)
L72:50
L73:10
L74:5
L75:16
L76:30(放射素子31Dの長さ)
L77:2.5
L78:5.5
L80:2.5
L81:2
L82:1
W36:0.5
W37:1
H21:1
H22:1
H23:0.5
H24:0.5
とした。
また、グランドプレーン70、給電素子37及び放射素子31C,31Dにおいて、Z軸方向の厚さ(高さ)は0.018mmとした。また、基板80は、比誘電率ε=3.3、tanδ=0.003に設定した。また、給電素子37と放射素子31Cとの最短距離を0.5mmに設定し、給電素子37と放射素子31Cとを電磁界結合させた。給電素子37と放射素子31Dとの最短距離を1.0mmに設定し、給電素子37と放射素子31Dとを電磁界結合させた。また、媒質41の比誘電率εr1と媒質41の比透磁率μr1との積P1は、10であり、基板80の比誘電率εと基板80の比透磁率μとの積P2よりも大きな値である。
図15は、放射素子31Cが無い場合のアンテナ装置2のS11特性を示し、給電素子37が放射素子31Dのみに給電する場合を示す。図15に示されるように、アンテナ装置3は、放射素子31Dの基本モードの共振周波数と2次モードの共振周波数で励振し、マルチバンドアンテナとして機能する。このように、チップ部品内の給電素子37は、チップ部品から離れた放射素子31Dに給電できる。
図16は、放射素子31Cがある場合のアンテナ装置2のS11特性を示し、給電素子37が放射素子31Cと放射素子31Dの両方に給電する場合を示す。
図16に示されるように、アンテナ装置3は、放射素子31Dの基本モードの共振周波数と2次モードの共振周波数だけでなく、放射素子31Cの基本モードの共振周波数でも励振するので、マルチバンドアンテナとして機能する。このように、チップ部品内には、給電素子だけでなく、放射素子があってもよい。
以上、アンテナ装置及びそれを備える無線装置を実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、放射素子は、図示の形態に限られない。例えば、図1の放射素子31は、直接又は接続導体を介して間接的に接続された導体部分を有するものでもよいし、放射素子31に高周波的(例えば、容量的)に結合された導体部分を有するものでもよい。
また、放射素子は、直線的に延びる線状の導体部分を含むものに限らず、曲がった導体部分を含むものでもよい。例えば、L字状の導体部分を含むものでもよいし、メアンダ形状の導体部分を含むものでもよいし、途中で分岐した導体部分を含むものでもよい。
本国際出願は、2013年6月21日に出願した日本国特許出願第2013−131157号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2013−131157号の全内容を本国際出願に援用する。
1,2、3 アンテナ装置
10 第1のダイポールアンテナ素子
20 第2のダイポールアンテナ素子
31,31A,31B,31C,31D 放射素子
32 導体部分
36 給電部
37 給電素子
38,38A,38B 給電点
40,46,47 チップ部品
41 媒質
42 表面
43,43A,43B 配線
44,44A,44B 電極
45 マッチング回路
70 グランドプレーン
71,72 外縁部
73 角部
80,110 基板
81 ランド
82 ストリップ導体
90 中央部
100 無線通信装置

Claims (14)

  1. 給電点を備えた基板と、
    前記給電点に接続される給電素子と、
    前記給電素子によって非接触で給電される放射素子と、
    前記給電素子に接する媒質とを備え、
    前記媒質の比誘電率と前記媒質の比透磁率との積は、前記基板の比誘電率と前記基板の比透磁率との積よりも大きい、アンテナ装置。
  2. 前記給電素子と前記放射素子が電磁界結合する、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記給電素子と前記媒質とを含んで構成されたチップ部品が、前記基板に実装された、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記給電素子は、前記チップ部品の内部に配置された、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記チップ部品は、前記放射素子又は前記給電素子のマッチングを行うマッチング回路を有する、請求項3又は4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記媒質の比誘電率と前記媒質の比透磁率との積は、6以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記給電素子の共振の基本モードを与える電気長をLe37、前記放射素子の共振の基本モードを与える電気長をLe31、前記放射素子の基本モードの共振周波数における前記給電素子または前記放射素子上での波長をλとして、Le37が、(3/8)・λ以下であり、かつ、Le31が、前記放射素子の共振の基本モードがダイポールモードである場合、(3/8)・λ以上(5/8)・λ以下であり、前記放射素子の共振の基本モードがループモードである場合、(7/8)・λ以上(9/8)・λ以下である請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記放射素子の基本モードの共振周波数における真空中の電波の波長をλとする場合、
    前記給電素子と前記放射素子との最短距離が、0.2×λ以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記給電素子が前記放射素子に給電する給電部は、前記放射素子の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分以外に位置させる、請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10. 前記給電素子が前記放射素子に給電する給電部は、前記放射素子の基本モードの共振周波数における最も低いインピーダンスになる部分から前記放射素子の全長の1/8以上の距離を離した部位に位置する、請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記給電素子と前記放射素子とが最短距離で並走する距離は、前記放射素子の長さの3/8以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  12. グランドプレーンを備え、
    前記放射素子は、前記グランドプレーンの外縁部に沿った導体部分を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  13. 前記基板は、前記給電点に接続される伝送線路を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載のアンテナ装置を備える無線装置。
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