JP2004328590A - 平面アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】テレビジョン放送のような比較的低い周波数帯域の電波を受信する受信端末装置に好適な平面アンテナを提供すること。
【解決手段】給電導体31の片側に無給電導体41を配置すると共に、給電導体31と無給電導体41との間に誘電体34を設けることで、給電導体31の共振周波数を低くするようにした。さらに、給電導体31の共振周波数を可変するために、給電導体31に対する無給電導体41の配置領域を可変するようにした。これにより、小型で、低い周波数帯域において使用することができ、しかも広い周波数帯域において使用可能な平面アンテナを実現することができる。
【選択図】 図10
【解決手段】給電導体31の片側に無給電導体41を配置すると共に、給電導体31と無給電導体41との間に誘電体34を設けることで、給電導体31の共振周波数を低くするようにした。さらに、給電導体31の共振周波数を可変するために、給電導体31に対する無給電導体41の配置領域を可変するようにした。これにより、小型で、低い周波数帯域において使用することができ、しかも広い周波数帯域において使用可能な平面アンテナを実現することができる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテレビジョン放送を受信するのに好適な平面アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯可能な大きさでテレビジョン放送波を受信することができるTV放送受信装置としては、図14に示すようなものが知られている。
この図14に示す従来のTV放送受信端末装置100においては、テレビジョン放送の受信用アンテナとして棒状アンテナ101が取り付けられている。
【0003】
ところで、地上波などのテレビジョン放送は、VHF(Ultra High Frequency)帯、及びUHF(Ultra High Freqency)帯の電波を利用している。例えばUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送であれば、UHF帯の周波数帯域(300MHz〜3000MHz)のうち、470MHz〜770MHzの周波数範囲の電波を利用して行うようにしている。
このため、UHF帯のテレビジョン放送波を受信するTV放送受信端末装置100では、棒状アンテナ101の形状が長大になり、携帯性を損なうという欠点があった。また美観的にも好ましいものではなかった。
また、棒状アンテナは、その長さによって共振するため、特定の周波数で用いる場合は、長さを調整する必要があった。
【0004】
そこで、移動体向けのTV放送受信装置のアンテナとしては、例えばセラミックなどの高誘電体材料に三次元金属パターンを形成して小型化した平面アンテナなどが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−252516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている平面アンテナは、例えば高誘電体材料からなる基板を利用して複雑な三次元の金属パターンを形成する必要があるため、例えば回路部品を搭載したプリント配線基板に対して直接形成することができない。このため、製造コストが高い。
さらに別途作製した平面アンテナをプリント配線基板に実装する実装コストなども発生する。
従って、上記特許文献1に記載されている平面アンテナをTV放送受信装置に適用した場合には、非常にコストがかかるという欠点があった。
【0007】
また、例えばプリント配線基板に金属パターンを形成して、いわゆるパッチアンテナのようにして平面アンテナを形成することも考えられるが、この場合は利用する周波数帯域が低くなるにしたがって、アンテナサイズが大きくなるという欠点があった。
【0008】
特に、VHF帯やUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送波を、平面アンテナで受信しようとするとアンテナサイズが非常に大きくなる。このため、上記した平面アンテナは、例えば携帯サイズでテレビジョン放送を受信可能な放送受信装置には不向きであった。
【0009】
また、平面アンテナは、所望のアンテナ特性が得られる周波数範囲が狭く、またアンテナ特性が得られる周波数範囲も固定であるため、この点からも周波数範囲が広いテレビジョン放送には不向きであった。
【0010】
このように、従来の平面アンテナは、コスト面や、サイズ面、特性面から、比較的低い周波数帯域の電波を利用しているテレビジョン放送波の受信アンテナとして使用することは困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、本発明の平面アンテナは、給電導体と、給電導体の片側又は両側に配置される無給電導体と、給電導体と無給電導体との間に設けられる誘電体と、給電導体の共振周波数を可変するために、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変する領域可変手段とを備えるようにした。
【0012】
本発明によれば、給電導体の片側または両側に無給電導体を配置すると共に、これら給電導体と無給電導体との間に誘電体を設けることで、給電導体の共振周波数を低くすることが可能になる。さらに、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変できるようにしたことで給電導体の共振周波数を可変することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態の平面アンテナを用いて構成される携帯端末装置の外観構造を示した図である。
この図1に示す携帯端末装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して表示画面1aにテレビジョン画像が表示される。また、その選局操作は、操作部1bによって行うことができる。
【0014】
また、このような携帯端末装置1では、例えば、その上端部にアンテナユニット2が取り付けられており、上記図14に示したような、従来の棒状アンテナを備えた放送受信装置に比べて、アンテナ部分が小さく、携帯性に優れたものとなっている。
【0015】
なお、アンテナユニット2は、携帯端末装置1から着脱可能なように、携帯端末装置1の上部からアンテナユニット2の一部が露出したような構造になっているが、アンテナユニット2は、携帯端末装置1の内部に配置することも可能である。その場合は、アンテナユニット2が外観から見えないので、アンテナユニット2によって携帯端末装置1の外観が損なわれることがないという利点がある。
【0016】
また、携帯端末装置1にアンテナユニット2を取り付ける場合、例えば、携帯端末装置1にカード型メモリを着脱する着脱部が設けられているときは、アンテナユニット2をカード型メモリと同一の形状サイズにすれば、メモリ着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。もちろん、カード型メモリ以外でも、携帯端末装置1に着脱部が設けられていれば、PCカードなどの着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。なお、この場合は、アンテナユニット2が着脱部を介して携帯端末装置1の所要の回路ブロックに対して電気的に接続されることは言うまでもない。
【0017】
上記したようなアンテナユニット2は、図2のように示されることになる。
この図2に示すアンテナユニット2は、プリント配線基板3上に、給電導体31と無給電導体33からなる平面アンテナ11、及びコンデンサや抵抗、コイル、IC(Integrated Circuit)などの各種電子部品4が設けられている。
【0018】
また、上記した平面アンテナの基本的な構造は、図3のように示される。
この図3に示す平面アンテナ11は、例えばプリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31が形成されている。
給電導体31の一端側には、給電部32が設けられており、この給電部32により給電電流を励振させることで、電波を放射又は受信するためのアンテナ素子を形成するようにしている。
【0019】
この場合の給電導体31は、所定長の金属パターンを曲折させた、いわゆるミアンダ形状に形成されている。これにより、より小さい平面サイズで、しかもより低い共振周波数が得られるようにしている。
なお、給電導体31の形状は、必ずしもミアンダ形状である必要はなく、より小さい平面サイズで、より低い共振周波数が得られれば他の形状、例えば螺旋状などであっても良い。
【0020】
また、プリント配線基板3の表面両側には、プリント基板の表面両側に設けられる金属パターンを利用して、それぞれ無給電導体33,33を形成するようにしている。この場合の無給電導体33,33は平板状とされ、給電導体31の両側を覆うように配置される。
なお、このような無給電導体33は、プリント配線基板3の上面又は下面の何れか一方だけに形成するようにしても良い。
また、無給電導体33,33はプリント配線基板3の両側表面に設けられている金属パターンを利用して形成する必要はなく、例えばプリント配線基板3の両側に金属板を配置するようにして形成することも可能である。
【0021】
また、給電導体31と無給電導体33,33との間には、プリント配線基板3の基板材料が誘電体34,34として設けられることになる。
この場合、例えばプリント配線基板3の基板材料がガラスエポキシ樹脂であれば、その誘電率は4.7とされる。
【0022】
このように平面アンテナ11を形成した場合には、無給電導体33,33が給電導体31と電磁的に結合して電波の放射を促進させることができるようになる。
【0023】
また、このような平面アンテナ11では、給電導体31と無給電導体33,33との間に設けた誘電体34,34の内部において電波の伝搬速度が遅くなる。
従って、図3に示すように、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置すると共に、その間に誘電体34,34を設けるようにして平面アンテナ11を形成すれば、誘電体34,34によって給電導体31の電気長を、実際の物理長より長くすることができる。これにより、平面アンテナ11の共振周波数を低くすることができる。
この結果、平面アンテナ11においては、単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合に比べて、より小さい平面サイズで、より共振周波数の低いアンテナを形成することができるようになる。なお、給電導体31と誘電体34だけでは、上記したような効果は殆ど得られないものとされる。
【0024】
また、このように平面アンテナ11を構成した場合は、給電導体31を無給電導体33,33により囲まれた構造となるので、例えば給電導体31が露出するような構造の二次元平面アンテナより外的要因の影響を受けにくいという利点もある。
【0025】
なお、図3に示した平面アンテナ11においては、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置するようにしているが、給電導体31の何れか一方の面との間で、誘電体34を挟んで無給電導体33を配置するだけでも、給電導体31と無給電導体33との電磁結合によってアンテナからの電波の放射を促進することができる。
【0026】
また、その場合も給電導体31と無給電導体33との間に設けられている誘電体34によって単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合より、小さい平面サイズで共振周波数の低い平面アンテナを形成することができる。
【0027】
以下、上記図3に示した平面アンテナの特性図を図4〜図9に示す。
図4は、給電導体の長さによる共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
【0028】
図4(a)に示されている給電導体31の長さ(Length)は、同図(b)に示されているように、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さをa、長辺の長さをbとしたときに、a×(ミアンダライン繰り返し回数)+bにより求められるものとされる。
なお、このときのプリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図4(a)から平面アンテナ11においては、給電導体31の長さ(Length)を長くすれば、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。なお、このときの給電導体31の長さ(Length)は利用周波数のほぼ半波長になっている。
【0029】
図5は、給電導体の導体幅による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
図5(a)に示されている給電導体31の導体幅(Width)は、同図(b)に示されているように、ミアンダラインのライン幅とされる。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図5(a)から、平面アンテナ11は、給電導体31のミアンダラインのライン幅(Width)を広くすると、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。
【0030】
図6は、無給電導体のオフセット幅による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
図6(a)に示されている無給電導体33のオフセット幅(Edge)は、同図(b)に示されているように、給電導体31の上端部と、無給電導体33の上端部との間の距離とされる。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図6(a)から、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)が大きくなるように、給電導体31より無給電導体33を大きく形成すれば、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。
【0031】
図7は、無給電導体による共振周波数特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さを8.51mm、長辺の長さを11mmとする。また、このときの無給電導体33の形状は15.1mm×12.5mmとする。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
【0032】
この図7(a)に示すように、「無給電導体無し」、「片面無給電導体あり」、「両面無給電導体あり」の場合における平面アンテナの共振周波数は、「無給電導体なし」と「片面無給電導体あり」の場合を比較すると、片面に無給電導体33を配置した場合のほうが、無給電導体33を配置しない場合より、共振周波数を約40%低くすることができる。
また、「無給電導体なし」と「両面無給電導体あり」の場合を比較すると、給電導体31の両面に無給電導体33,33を配置したほうが、無給電導体を配置しない場合より、共振周波数を約50%低くすることができる。
このことから、給電導体31に対して無給電導体33を配置することで共振周波数を低くできることがわかる。
【0033】
図8は、誘電体厚による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さを8.51mm、長辺の長さを11mmとする。また、このときの無給電導体33の形状は15.1mm×12.5mmとする。また、このときの給電導体31であるミアンダラインの導体幅を0.2mm、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)を2mm、誘電率を4.7とする。
この図8(a)から、誘電体34を厚くすることによっても、共振周波数を低くできることがわかる。
【0034】
また図9は、指向特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)にはその測定条件が示されている。
この図9(a)には、プリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7、給電導体31の全長を355.6mm、その導体幅を0.2mm、オフセット幅を1mm、「両面無給電導体あり」という条件のもとで形成した平面アンテナを用いて測定した指向特性が示されている。
この図9(a)に示すように、平面アンテナ11は、給電部32の反対方向に電波を放射するような指向特性となっている。
【0035】
このように、図3に示した平面アンテナ11においては、ミアンダ状に形成した給電導体31の片側又は両側に無給電導体33を配置すると共に、給電導体31と無給電導体33との間に誘電体34を設けたことで、小さい平面サイズで、より共振周波数の低い平面アンテナを形成するようにしている。また、このとき、給電導体31をミアンダ状に形成することで、平面アンテナ11のさらなる小型化を図るようにしている。
【0036】
したがって、このような平面アンテナ11を用いて、テレビジョン放送に利用可能な平面アンテナを形成する場合には、受信したいテレビジョン放送波の受信帯域に応じて、給電導体31のミアンダラインのライン長や、ライン幅、或いは無給電導体41のオフセット幅を決定することで、テレビジョン放送に利用可能な小型サイズの平面アンテナを実現することができる。
【0037】
また、この場合は、プリント配線基板3に対して直接、平面アンテナ11を形成することができるのでテレビジョン放送波を受信可能な小型サイズの平面アンテナ11を安価に製造することが可能になる。また、平面アンテナ11をプリント配線基板に実装する実装コストも不要になるという利点もある。
【0038】
ところで、上記したような平面アンテナ11は、所望のアンテナ特性を満足する周波数範囲が狭く、またそのアンテナ特性を満足する周波数も固定とされる。
このため、上記したような平面アンテナ11を用いてテレビジョン放送用の受信アンテナを構成した場合には、例えばVHF帯からUHF帯にかけての広い周波数範囲のテレビジョン放送波を受信することはできないとされる。
そこで、本実施の形態では、上記のような平面アンテナ11に、さらに広い周波数範囲の電波を受信することができるアンテナ特性を設けるようにしている。
【0039】
図10は、そのような平面アンテナの一例を示した図である。
なお、上記図3に示した平面アンテナ11と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
この図10に示す平面アンテナ40は、上記図3に示した平面アンテナ11と同様、プリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31を形成していると共に、この給電導体31の片側に無給電導体41を配置するようにしているが、この場合は、無給電導体41を例えば極めて薄い金属により形成し、その両端部をプリント配線基板3の両側に設けた巻取部42a,42bに巻き付けるようにしている。
【0041】
また、このときの無給電導体41は、巻取部42a側の無給電導体41の導体幅w1が、ミアンダ状に形成されている給電導体31の短辺方向の長さaより十分細い幅に形成されている。そして、この場合の無給電導体41は、巻取部42bに向かっていくにしたがって、無給電導体41の導体幅が徐々に広くなっており、最終的に巻取部42bに巻き付けられている金属の導体幅w2が、給電導体31の短辺方向の長さaより広く、給電導体31を覆うことができる導体幅になっている。
そして、図10に示す状態から巻取部42aを矢示A方向に回転させて、無給電導体41を巻取部42aで巻き取っていくことで、給電導体31の片側全体を無給電導体41により覆うことができるように構成されている。
【0042】
つまり、図10に示す平面アンテナ40においては、巻取部42a,42bを回転させることで、給電導体31上に配置される無給電導体41の配置領域を、給電導体31のほぼ半分程度の配置領域から、給電導体31の全領域まで可変できるようにしている。
【0043】
これにより、例えば図10に示したような状態から、巻取部42aを矢示A方向に回転させて無給電導体41を巻き取って、給電導体31上に無給電導体41が配置される領域を拡大していけば、平面アンテナ40の共振周波数を高い周波数から低い周波数へ可変することができるようになる。
【0044】
また、逆に給電導体31の片側全体に無給電導体41が配置されている状態のもとで、巻取部42bにより無給電導体41を巻き取って、給電導体31上に配置されている無給電導体41の配置領域を縮小すれば、平面アンテナ40の共振周波数を低い周波数から高い周波数へ可変することができるようになる。
【0045】
図11は、上記図10に示した平面アンテナの無給電導体を可変したときの共振周波数の変化を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、図11(a)に示されている各波形は、無給電導体41の形状が、同図(b)に示すような台形形状としたときの短辺(上底)部分の長さaを可変したときのものとされる。また、このときのプリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
【0046】
図11(a)から、平面アンテナ40においては、台形形状の無給電導体41の短辺部分の長さaが長くなるにしたがって、アンテナの共振周波数を低くなっていることがわかる。つまり、給電導体31上に配置される無給電導体41の配置面積が大きくするにしたがって共振周波数が低くなっていることがわかる。
【0047】
したがって、このような本実施の形態の平面アンテナ40は、VHF帯からUHF帯の受信帯域に合わせて無給電導体41の面積を可変することで、例えばVHF帯からUHF帯にかけての広い周波数範囲のテレビジョン放送波を受信することができる小型サイズの平面アンテナを安価に実現することができるようになる。
【0048】
図12及び図13は、本実施の形態の平面アンテナの他の構成例を示した図である。
この図12(a)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に平板状の無給電導体53,54が設けられている。そして、これら無給電導体53,54のうち、一方の無給電導体53だけを水平方向に所定距離だけ移動させるような駆動機構(図示しない)を設けることで、給電導体51に対する無給電導体53の配置領域を可変するように構成したものである。
また図12(b)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に設けられている無給電導体53,54を水平方向に所定距離だけ移動させことで、給電導体51に対する無給電導体53,54の配置領域を可変するように構成したものである。
【0049】
このように平面アンテナ50を構成した場合は、受信したいテレビジョン放送波の受信帯域に応じて、給電導体31のミアンダラインのライン長や、ライン幅、或いは無給電導体53(54)のオフセット幅と共に、無給電導体53(54)の移動距離を設定することで、例えばVHF帯とUHF帯との間で切替可能な小型サイズの平面アンテナを形成することができるようになる。
なお、駆動機構としては、無給電導体53を所定距離だけ移動させることができればどのような構造でも良い。
また、地上波テレビジョン放送の場合は、地域によって受信周波数チャンネルが固まっている場合が多く、駆動機構によっては周波数範囲を頻繁に切り替える必要はない。
【0050】
この図13(a)に示す平面アンテナ50も、基板上に形成されている給電導体51の両側に平板状の無給電導体53,54が設けられている。そして、この場合は無給電導体53,54のうち、一方の無給電導体53だけを上下方向に可動できるように構成したものである。
また図13(b)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に設けた平板状の無給電導体53,54を上下方向に可動可能に構成したものである。このように構成した場合も、上記図12に示した場合と同様、例えばVHF帯とUHF帯との間で切替可能な小型サイズの平面アンテナを形成することができるようになる。
【0051】
なお、本実施の形態において説明した平面アンテナの構造は、あくまでも一例であり、本発明の平面アンテナとしては、給電導体の片側又は両側に配置される前記無給電導体の配置範囲を可変して給電導体の共振周波数を所望の共振周波数に可変することができればどのような構造でも良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の平面アンテナは、給電導体の片側または両側に無給電導体を配置すると共に、これら給電導体と無給電導体との間に誘電体を設けることで給電導体の共振周波数を低くするようにした。さらに、給電導体の共振周波数を可変するために、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変するようにした。
これにより、小型で、低い周波数帯域において使用することができ、しかも広い周波数帯域において使用可能な平面アンテナを実現することができるようになる。
したがって、本発明の平面アンテナを用いて、例えばテレビジョン放送用の携帯端末装置を構成すれば、携帯性にも美観的に優れた装置を提供することができるようになる。
【0053】
また、本発明のようにして平面アンテナを構成すれば、従来の平面アンテナに比べて、アンテナの製造コストを大幅に低減することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態されるテレビジョン放送を受信可能な携帯端末装置の外観構造を示した図である。
【図2】図1に示した携帯端末装置に適用されるアンテナユニットの外観構造を示した図である。
【図3】本実施の形態としての平面アンテナの基本的な構造を示した図である。
【図4】図3に示した平面アンテナの給電導体の長さによる共振周波数の変化特性を示した図である。
【図5】図3に示した平面アンテナの給電導体の導体幅による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図6】図3に示した平面アンテナの無給電導体のオフセット幅による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図7】図3に示した平面アンテナの無給電導体による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図8】図3に示した平面アンテナの誘電体厚による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図9】図3に示した平面アンテナの指向特性を示した図である。
【図10】本実施の形態としての平面アンテナの無給電導体の構造を示した図である。
【図11】本実施の形態の平面アンテナの給電導体を可変したときの共振周波数の変化特性を示した図である。
【図12】本実施の形態としての平面アンテナの他の無給電導体の構成を示した図である。
【図13】本実施の形態としての平面アンテナの他の無給電導体の構成を示した図である。
【図14】従来の放送受信装置の外観図である。
【符号の説明】
1 携帯端末装置、1a 表示画面、1b 操作部、2 アンテナユニット、3 プリント配線基板、4 電子部品、11 40 50 平面アンテナ、3152 給電導体、32 給電部、33 41 53 54 無給電導体、34誘電体、42a 42b 巻取部、51 基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテレビジョン放送を受信するのに好適な平面アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯可能な大きさでテレビジョン放送波を受信することができるTV放送受信装置としては、図14に示すようなものが知られている。
この図14に示す従来のTV放送受信端末装置100においては、テレビジョン放送の受信用アンテナとして棒状アンテナ101が取り付けられている。
【0003】
ところで、地上波などのテレビジョン放送は、VHF(Ultra High Frequency)帯、及びUHF(Ultra High Freqency)帯の電波を利用している。例えばUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送であれば、UHF帯の周波数帯域(300MHz〜3000MHz)のうち、470MHz〜770MHzの周波数範囲の電波を利用して行うようにしている。
このため、UHF帯のテレビジョン放送波を受信するTV放送受信端末装置100では、棒状アンテナ101の形状が長大になり、携帯性を損なうという欠点があった。また美観的にも好ましいものではなかった。
また、棒状アンテナは、その長さによって共振するため、特定の周波数で用いる場合は、長さを調整する必要があった。
【0004】
そこで、移動体向けのTV放送受信装置のアンテナとしては、例えばセラミックなどの高誘電体材料に三次元金属パターンを形成して小型化した平面アンテナなどが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−252516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている平面アンテナは、例えば高誘電体材料からなる基板を利用して複雑な三次元の金属パターンを形成する必要があるため、例えば回路部品を搭載したプリント配線基板に対して直接形成することができない。このため、製造コストが高い。
さらに別途作製した平面アンテナをプリント配線基板に実装する実装コストなども発生する。
従って、上記特許文献1に記載されている平面アンテナをTV放送受信装置に適用した場合には、非常にコストがかかるという欠点があった。
【0007】
また、例えばプリント配線基板に金属パターンを形成して、いわゆるパッチアンテナのようにして平面アンテナを形成することも考えられるが、この場合は利用する周波数帯域が低くなるにしたがって、アンテナサイズが大きくなるという欠点があった。
【0008】
特に、VHF帯やUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送波を、平面アンテナで受信しようとするとアンテナサイズが非常に大きくなる。このため、上記した平面アンテナは、例えば携帯サイズでテレビジョン放送を受信可能な放送受信装置には不向きであった。
【0009】
また、平面アンテナは、所望のアンテナ特性が得られる周波数範囲が狭く、またアンテナ特性が得られる周波数範囲も固定であるため、この点からも周波数範囲が広いテレビジョン放送には不向きであった。
【0010】
このように、従来の平面アンテナは、コスト面や、サイズ面、特性面から、比較的低い周波数帯域の電波を利用しているテレビジョン放送波の受信アンテナとして使用することは困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、本発明の平面アンテナは、給電導体と、給電導体の片側又は両側に配置される無給電導体と、給電導体と無給電導体との間に設けられる誘電体と、給電導体の共振周波数を可変するために、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変する領域可変手段とを備えるようにした。
【0012】
本発明によれば、給電導体の片側または両側に無給電導体を配置すると共に、これら給電導体と無給電導体との間に誘電体を設けることで、給電導体の共振周波数を低くすることが可能になる。さらに、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変できるようにしたことで給電導体の共振周波数を可変することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態の平面アンテナを用いて構成される携帯端末装置の外観構造を示した図である。
この図1に示す携帯端末装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して表示画面1aにテレビジョン画像が表示される。また、その選局操作は、操作部1bによって行うことができる。
【0014】
また、このような携帯端末装置1では、例えば、その上端部にアンテナユニット2が取り付けられており、上記図14に示したような、従来の棒状アンテナを備えた放送受信装置に比べて、アンテナ部分が小さく、携帯性に優れたものとなっている。
【0015】
なお、アンテナユニット2は、携帯端末装置1から着脱可能なように、携帯端末装置1の上部からアンテナユニット2の一部が露出したような構造になっているが、アンテナユニット2は、携帯端末装置1の内部に配置することも可能である。その場合は、アンテナユニット2が外観から見えないので、アンテナユニット2によって携帯端末装置1の外観が損なわれることがないという利点がある。
【0016】
また、携帯端末装置1にアンテナユニット2を取り付ける場合、例えば、携帯端末装置1にカード型メモリを着脱する着脱部が設けられているときは、アンテナユニット2をカード型メモリと同一の形状サイズにすれば、メモリ着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。もちろん、カード型メモリ以外でも、携帯端末装置1に着脱部が設けられていれば、PCカードなどの着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。なお、この場合は、アンテナユニット2が着脱部を介して携帯端末装置1の所要の回路ブロックに対して電気的に接続されることは言うまでもない。
【0017】
上記したようなアンテナユニット2は、図2のように示されることになる。
この図2に示すアンテナユニット2は、プリント配線基板3上に、給電導体31と無給電導体33からなる平面アンテナ11、及びコンデンサや抵抗、コイル、IC(Integrated Circuit)などの各種電子部品4が設けられている。
【0018】
また、上記した平面アンテナの基本的な構造は、図3のように示される。
この図3に示す平面アンテナ11は、例えばプリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31が形成されている。
給電導体31の一端側には、給電部32が設けられており、この給電部32により給電電流を励振させることで、電波を放射又は受信するためのアンテナ素子を形成するようにしている。
【0019】
この場合の給電導体31は、所定長の金属パターンを曲折させた、いわゆるミアンダ形状に形成されている。これにより、より小さい平面サイズで、しかもより低い共振周波数が得られるようにしている。
なお、給電導体31の形状は、必ずしもミアンダ形状である必要はなく、より小さい平面サイズで、より低い共振周波数が得られれば他の形状、例えば螺旋状などであっても良い。
【0020】
また、プリント配線基板3の表面両側には、プリント基板の表面両側に設けられる金属パターンを利用して、それぞれ無給電導体33,33を形成するようにしている。この場合の無給電導体33,33は平板状とされ、給電導体31の両側を覆うように配置される。
なお、このような無給電導体33は、プリント配線基板3の上面又は下面の何れか一方だけに形成するようにしても良い。
また、無給電導体33,33はプリント配線基板3の両側表面に設けられている金属パターンを利用して形成する必要はなく、例えばプリント配線基板3の両側に金属板を配置するようにして形成することも可能である。
【0021】
また、給電導体31と無給電導体33,33との間には、プリント配線基板3の基板材料が誘電体34,34として設けられることになる。
この場合、例えばプリント配線基板3の基板材料がガラスエポキシ樹脂であれば、その誘電率は4.7とされる。
【0022】
このように平面アンテナ11を形成した場合には、無給電導体33,33が給電導体31と電磁的に結合して電波の放射を促進させることができるようになる。
【0023】
また、このような平面アンテナ11では、給電導体31と無給電導体33,33との間に設けた誘電体34,34の内部において電波の伝搬速度が遅くなる。
従って、図3に示すように、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置すると共に、その間に誘電体34,34を設けるようにして平面アンテナ11を形成すれば、誘電体34,34によって給電導体31の電気長を、実際の物理長より長くすることができる。これにより、平面アンテナ11の共振周波数を低くすることができる。
この結果、平面アンテナ11においては、単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合に比べて、より小さい平面サイズで、より共振周波数の低いアンテナを形成することができるようになる。なお、給電導体31と誘電体34だけでは、上記したような効果は殆ど得られないものとされる。
【0024】
また、このように平面アンテナ11を構成した場合は、給電導体31を無給電導体33,33により囲まれた構造となるので、例えば給電導体31が露出するような構造の二次元平面アンテナより外的要因の影響を受けにくいという利点もある。
【0025】
なお、図3に示した平面アンテナ11においては、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置するようにしているが、給電導体31の何れか一方の面との間で、誘電体34を挟んで無給電導体33を配置するだけでも、給電導体31と無給電導体33との電磁結合によってアンテナからの電波の放射を促進することができる。
【0026】
また、その場合も給電導体31と無給電導体33との間に設けられている誘電体34によって単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合より、小さい平面サイズで共振周波数の低い平面アンテナを形成することができる。
【0027】
以下、上記図3に示した平面アンテナの特性図を図4〜図9に示す。
図4は、給電導体の長さによる共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
【0028】
図4(a)に示されている給電導体31の長さ(Length)は、同図(b)に示されているように、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さをa、長辺の長さをbとしたときに、a×(ミアンダライン繰り返し回数)+bにより求められるものとされる。
なお、このときのプリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図4(a)から平面アンテナ11においては、給電導体31の長さ(Length)を長くすれば、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。なお、このときの給電導体31の長さ(Length)は利用周波数のほぼ半波長になっている。
【0029】
図5は、給電導体の導体幅による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
図5(a)に示されている給電導体31の導体幅(Width)は、同図(b)に示されているように、ミアンダラインのライン幅とされる。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図5(a)から、平面アンテナ11は、給電導体31のミアンダラインのライン幅(Width)を広くすると、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。
【0030】
図6は、無給電導体のオフセット幅による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
図6(a)に示されている無給電導体33のオフセット幅(Edge)は、同図(b)に示されているように、給電導体31の上端部と、無給電導体33の上端部との間の距離とされる。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
この図6(a)から、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)が大きくなるように、給電導体31より無給電導体33を大きく形成すれば、それだけ共振周波数を低くできることがわかる。
【0031】
図7は、無給電導体による共振周波数特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さを8.51mm、長辺の長さを11mmとする。また、このときの無給電導体33の形状は15.1mm×12.5mmとする。なお、このときのプリント配線基板3も、その基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
【0032】
この図7(a)に示すように、「無給電導体無し」、「片面無給電導体あり」、「両面無給電導体あり」の場合における平面アンテナの共振周波数は、「無給電導体なし」と「片面無給電導体あり」の場合を比較すると、片面に無給電導体33を配置した場合のほうが、無給電導体33を配置しない場合より、共振周波数を約40%低くすることができる。
また、「無給電導体なし」と「両面無給電導体あり」の場合を比較すると、給電導体31の両面に無給電導体33,33を配置したほうが、無給電導体を配置しない場合より、共振周波数を約50%低くすることができる。
このことから、給電導体31に対して無給電導体33を配置することで共振周波数を低くできることがわかる。
【0033】
図8は、誘電体厚による共振周波数の変化特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、ミアンダ状に形成した給電導体31の短辺の長さを8.51mm、長辺の長さを11mmとする。また、このときの無給電導体33の形状は15.1mm×12.5mmとする。また、このときの給電導体31であるミアンダラインの導体幅を0.2mm、給電導体31と無給電導体33との間のオフセット幅(Edge)を2mm、誘電率を4.7とする。
この図8(a)から、誘電体34を厚くすることによっても、共振周波数を低くできることがわかる。
【0034】
また図9は、指向特性を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)にはその測定条件が示されている。
この図9(a)には、プリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7、給電導体31の全長を355.6mm、その導体幅を0.2mm、オフセット幅を1mm、「両面無給電導体あり」という条件のもとで形成した平面アンテナを用いて測定した指向特性が示されている。
この図9(a)に示すように、平面アンテナ11は、給電部32の反対方向に電波を放射するような指向特性となっている。
【0035】
このように、図3に示した平面アンテナ11においては、ミアンダ状に形成した給電導体31の片側又は両側に無給電導体33を配置すると共に、給電導体31と無給電導体33との間に誘電体34を設けたことで、小さい平面サイズで、より共振周波数の低い平面アンテナを形成するようにしている。また、このとき、給電導体31をミアンダ状に形成することで、平面アンテナ11のさらなる小型化を図るようにしている。
【0036】
したがって、このような平面アンテナ11を用いて、テレビジョン放送に利用可能な平面アンテナを形成する場合には、受信したいテレビジョン放送波の受信帯域に応じて、給電導体31のミアンダラインのライン長や、ライン幅、或いは無給電導体41のオフセット幅を決定することで、テレビジョン放送に利用可能な小型サイズの平面アンテナを実現することができる。
【0037】
また、この場合は、プリント配線基板3に対して直接、平面アンテナ11を形成することができるのでテレビジョン放送波を受信可能な小型サイズの平面アンテナ11を安価に製造することが可能になる。また、平面アンテナ11をプリント配線基板に実装する実装コストも不要になるという利点もある。
【0038】
ところで、上記したような平面アンテナ11は、所望のアンテナ特性を満足する周波数範囲が狭く、またそのアンテナ特性を満足する周波数も固定とされる。
このため、上記したような平面アンテナ11を用いてテレビジョン放送用の受信アンテナを構成した場合には、例えばVHF帯からUHF帯にかけての広い周波数範囲のテレビジョン放送波を受信することはできないとされる。
そこで、本実施の形態では、上記のような平面アンテナ11に、さらに広い周波数範囲の電波を受信することができるアンテナ特性を設けるようにしている。
【0039】
図10は、そのような平面アンテナの一例を示した図である。
なお、上記図3に示した平面アンテナ11と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
この図10に示す平面アンテナ40は、上記図3に示した平面アンテナ11と同様、プリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31を形成していると共に、この給電導体31の片側に無給電導体41を配置するようにしているが、この場合は、無給電導体41を例えば極めて薄い金属により形成し、その両端部をプリント配線基板3の両側に設けた巻取部42a,42bに巻き付けるようにしている。
【0041】
また、このときの無給電導体41は、巻取部42a側の無給電導体41の導体幅w1が、ミアンダ状に形成されている給電導体31の短辺方向の長さaより十分細い幅に形成されている。そして、この場合の無給電導体41は、巻取部42bに向かっていくにしたがって、無給電導体41の導体幅が徐々に広くなっており、最終的に巻取部42bに巻き付けられている金属の導体幅w2が、給電導体31の短辺方向の長さaより広く、給電導体31を覆うことができる導体幅になっている。
そして、図10に示す状態から巻取部42aを矢示A方向に回転させて、無給電導体41を巻取部42aで巻き取っていくことで、給電導体31の片側全体を無給電導体41により覆うことができるように構成されている。
【0042】
つまり、図10に示す平面アンテナ40においては、巻取部42a,42bを回転させることで、給電導体31上に配置される無給電導体41の配置領域を、給電導体31のほぼ半分程度の配置領域から、給電導体31の全領域まで可変できるようにしている。
【0043】
これにより、例えば図10に示したような状態から、巻取部42aを矢示A方向に回転させて無給電導体41を巻き取って、給電導体31上に無給電導体41が配置される領域を拡大していけば、平面アンテナ40の共振周波数を高い周波数から低い周波数へ可変することができるようになる。
【0044】
また、逆に給電導体31の片側全体に無給電導体41が配置されている状態のもとで、巻取部42bにより無給電導体41を巻き取って、給電導体31上に配置されている無給電導体41の配置領域を縮小すれば、平面アンテナ40の共振周波数を低い周波数から高い周波数へ可変することができるようになる。
【0045】
図11は、上記図10に示した平面アンテナの無給電導体を可変したときの共振周波数の変化を示した図であり、同図(a)には特性図、同図(b)には、その測定条件が示されている。
この場合、図11(a)に示されている各波形は、無給電導体41の形状が、同図(b)に示すような台形形状としたときの短辺(上底)部分の長さaを可変したときのものとされる。また、このときのプリント配線基板3の基板厚を0.8mm、誘電率を4.7とする。
【0046】
図11(a)から、平面アンテナ40においては、台形形状の無給電導体41の短辺部分の長さaが長くなるにしたがって、アンテナの共振周波数を低くなっていることがわかる。つまり、給電導体31上に配置される無給電導体41の配置面積が大きくするにしたがって共振周波数が低くなっていることがわかる。
【0047】
したがって、このような本実施の形態の平面アンテナ40は、VHF帯からUHF帯の受信帯域に合わせて無給電導体41の面積を可変することで、例えばVHF帯からUHF帯にかけての広い周波数範囲のテレビジョン放送波を受信することができる小型サイズの平面アンテナを安価に実現することができるようになる。
【0048】
図12及び図13は、本実施の形態の平面アンテナの他の構成例を示した図である。
この図12(a)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に平板状の無給電導体53,54が設けられている。そして、これら無給電導体53,54のうち、一方の無給電導体53だけを水平方向に所定距離だけ移動させるような駆動機構(図示しない)を設けることで、給電導体51に対する無給電導体53の配置領域を可変するように構成したものである。
また図12(b)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に設けられている無給電導体53,54を水平方向に所定距離だけ移動させことで、給電導体51に対する無給電導体53,54の配置領域を可変するように構成したものである。
【0049】
このように平面アンテナ50を構成した場合は、受信したいテレビジョン放送波の受信帯域に応じて、給電導体31のミアンダラインのライン長や、ライン幅、或いは無給電導体53(54)のオフセット幅と共に、無給電導体53(54)の移動距離を設定することで、例えばVHF帯とUHF帯との間で切替可能な小型サイズの平面アンテナを形成することができるようになる。
なお、駆動機構としては、無給電導体53を所定距離だけ移動させることができればどのような構造でも良い。
また、地上波テレビジョン放送の場合は、地域によって受信周波数チャンネルが固まっている場合が多く、駆動機構によっては周波数範囲を頻繁に切り替える必要はない。
【0050】
この図13(a)に示す平面アンテナ50も、基板上に形成されている給電導体51の両側に平板状の無給電導体53,54が設けられている。そして、この場合は無給電導体53,54のうち、一方の無給電導体53だけを上下方向に可動できるように構成したものである。
また図13(b)に示す平面アンテナ50は、基板上に形成されている給電導体51の両側に設けた平板状の無給電導体53,54を上下方向に可動可能に構成したものである。このように構成した場合も、上記図12に示した場合と同様、例えばVHF帯とUHF帯との間で切替可能な小型サイズの平面アンテナを形成することができるようになる。
【0051】
なお、本実施の形態において説明した平面アンテナの構造は、あくまでも一例であり、本発明の平面アンテナとしては、給電導体の片側又は両側に配置される前記無給電導体の配置範囲を可変して給電導体の共振周波数を所望の共振周波数に可変することができればどのような構造でも良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の平面アンテナは、給電導体の片側または両側に無給電導体を配置すると共に、これら給電導体と無給電導体との間に誘電体を設けることで給電導体の共振周波数を低くするようにした。さらに、給電導体の共振周波数を可変するために、給電導体に対する無給電導体の配置領域を可変するようにした。
これにより、小型で、低い周波数帯域において使用することができ、しかも広い周波数帯域において使用可能な平面アンテナを実現することができるようになる。
したがって、本発明の平面アンテナを用いて、例えばテレビジョン放送用の携帯端末装置を構成すれば、携帯性にも美観的に優れた装置を提供することができるようになる。
【0053】
また、本発明のようにして平面アンテナを構成すれば、従来の平面アンテナに比べて、アンテナの製造コストを大幅に低減することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態されるテレビジョン放送を受信可能な携帯端末装置の外観構造を示した図である。
【図2】図1に示した携帯端末装置に適用されるアンテナユニットの外観構造を示した図である。
【図3】本実施の形態としての平面アンテナの基本的な構造を示した図である。
【図4】図3に示した平面アンテナの給電導体の長さによる共振周波数の変化特性を示した図である。
【図5】図3に示した平面アンテナの給電導体の導体幅による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図6】図3に示した平面アンテナの無給電導体のオフセット幅による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図7】図3に示した平面アンテナの無給電導体による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図8】図3に示した平面アンテナの誘電体厚による共振周波数の変化特性を示した図である。
【図9】図3に示した平面アンテナの指向特性を示した図である。
【図10】本実施の形態としての平面アンテナの無給電導体の構造を示した図である。
【図11】本実施の形態の平面アンテナの給電導体を可変したときの共振周波数の変化特性を示した図である。
【図12】本実施の形態としての平面アンテナの他の無給電導体の構成を示した図である。
【図13】本実施の形態としての平面アンテナの他の無給電導体の構成を示した図である。
【図14】従来の放送受信装置の外観図である。
【符号の説明】
1 携帯端末装置、1a 表示画面、1b 操作部、2 アンテナユニット、3 プリント配線基板、4 電子部品、11 40 50 平面アンテナ、3152 給電導体、32 給電部、33 41 53 54 無給電導体、34誘電体、42a 42b 巻取部、51 基板
Claims (5)
- 給電導体と、
前記給電導体の片側又は両側に配置される無給電導体と、
前記給電導体と前記無給電導体との間に設けられる誘電体と、
前記給電導体の共振周波数を可変するために、前記給電導体に対する前記無給電導体の配置領域を可変する領域可変手段と、
を備えていることを特徴とする平面アンテナ。 - 前記給電導体は、
必要とされる受信帯域に応じた全長を有するミアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。 - 前記ミアンダ状に形成されている給電導体は、必要とされる受信帯域に応じた幅に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の平面アンテナ。
- 前記無給電導体は、必要とされる受信帯域に応じたオフセット幅が得られるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
- 前記誘電体の厚さは、必要とされる受信帯域に応じた厚さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面アンテナ。
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- 2003-04-28 JP JP2003123553A patent/JP2004328590A/ja active Pending
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