JP4081838B2 - 特定視点画像表示装置及び多視点画像表示装置 - Google Patents

特定視点画像表示装置及び多視点画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体視を可能にする画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の3次元画像表示装置では、表示画面を細かい区画に分割して、各区画を一定の規則で右目用、左目用に設定し、右目用の区画には右目用の視差画像を表示してスリット状の遮光板あるいはレンティキュラーレンズなどを使って右目方向にだけ映像が到達するようにし、左目用の区画には左目用の視差画像を表示して右目と同じように左目方向にだけ映像が到達するようにする。それらの映像を左右両眼で同時に見て、立体視を可能にしていた。
この方式では、それぞれの目に提供される映像は格子状のフィルターをかけた粗い映像となり、見た目にちらつきを生じやすい。また、表示画面の区画ごとに同時に右目用と左目用の視差画像を表示するために、両方の画像を一つの画像に混合する処理が不可欠であった。また、一定の時間右目用の視差画像を表示して、その後、同じ一定の時間左目用の視差画像を表示し、再び、右目用に戻すという操作を行う。したがって、画像の切り替え操作を短時間に繰り返して、右目用画像と左目用画像を断続的に表示するので、目に提供される映像が断続的になり、見た目のちらつきが増大した。
【0003】
その他、眼鏡方式により、偏向フィルターや色フィルター、明暗フィルターを利用して一つのスクリーンを見て左右両眼に異なる視差画像を提供したり、ヘッドマウントディスプレイ方式により、左右両眼に別々のスクリーンを見せる方法が存在する。しかし、これらは目に特別な道具を装着するので、長時間の使用では疲労感など身体的な影響が大きい。また、眼鏡方式では、左右の視差画像を同時に一つのスクリーンに投影するために、スクリーン表示の前に両方の画像を一つに混合する処理が不可欠である。また、ヘッドマウントディスプレイ方式では、左右両側に共通に見える物体像の視差画像が別々のスクリーンから提供されるので融像のために目の負担が大きく、目とスクリーン間の距離と物体像の距離の差が大きいので焦点調節のための目の負担も大きい。
【0004】
また、ホログラムを用いた立体視装置も提案されている。特開平6−342128号公報に提案されている立体画像表示装置では、2個の画像表示器に表示された画像を1個のホログラムレンズによって観察者に虚像として表示する。ホログラムレンズが観察者の左右両眼に対応する2つの光学的パワーを有し、ホログラムレンズ上で右目用と左目用の有効光線束が重なり合う部分に複数個の干渉縞が重ねて形成されている。同公報の第5図の例では、画像表示器が右目用画像及び左目用画像を表示する少なくとも2つの画像表示素子を備えている。この方式によれば、ホログラムレンズ上の有効光線束が重なり合う部分では、ホログラムレンズ上の同じ位置から左右両眼にそれぞれ左目用、右目用の視差画像が提供されるので、現実の立体視に近い状態で3次元画像を見ることができる。また、画像表示器として右目用と左目用に別々の画像表示素子を備えているので、画像表示の前に両方の画像を1つに混合する処理が必要でない。
【0005】
また、特開平4−355747号公報に提案されている立体表示装置では、同公報の図1のように、一対のカメラが同一の物体の映像を受光し、一対の陰極線管表示器がカメラが受光した映像をそれぞれ投影し、一対のレンズが投影された映像を所定の位置に結像する。透過型あるいは反射型のホログラムスクリーンが結像位置に配置され、一対の映像を所定方向に回折して両眼の位置に集光させる。ホログラムスクリーンは、回折格子としての機能のみ利用されている。
この方式によれば、左右両眼はホログラムスクリーン上の同じ所定位置に、右目用と左目用の視差の異なる映像を同時に独立して見ることが出来て、自然の立体視に近い状態で物体の3次元立体像を見ることができる。右目用と左目用に別々の表示装置を備えているので、画像表示の前に両方の画像を一つに混合する処理が必要でないのは、特開平6−342128号公報に提案されている画像表示器として右目用と左目用に別々の画像表示素子を備える方法と同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のホログラムを用いた立体視装置には以下のような問題点がある。特開平4−355747号公報に記載された立体表示装置では、ホログラムスクリーン上にレンズにより表示装置の投影像を拡大して結像させている。したがって、結像された映像の周辺部が、正しい視差画像に比べて歪んだ状態になる。
また、特開平4−355747号公報の立体表示装置では、回折光が集光するので、目の位置を集光点からずらすことができない。また、観察者ごとの左右両眼の間の距離の違いに対応できない。特開平6−342128号公報の画像表示装置も、回折光が特定の位置に集光するので、同じ問題点がある。
また、特開平4−355747号公報の立体表示装置でも特開平6−342128号公報の画像表示装置でも、回折光が集光するホログラムでは、ホログラムスクリーンまたはホログラムレンズの面に関して集光点と対称の位置に集光点の虚像が再生されて、そこだけがまぶしくて映像が見にくい。
また、特開平6−342128号公報の画像表示装置では、左右の目に別々に画像を提供する画像表示素子の映像をホログラムレンズによって虚像として拡大表示して、ホログラムレンズの至近距離の観察者の目に提供される。このため、大型の立体画像表示装置の場合では、ホログラムレンズから離れた距離にいる観察者の目にも立体像の全体が見えるようにすることができない。
また、特開平4−355747号公報の立体表示装置も特開平6−342128号公報の画像表示装置も、同時に複数の観察者が同じ立体映像を見ることができない。また、広視野の3次元映像を見ることができない。また、カラー表示の3次元映像を見ることができない。また、上下方向に視差のある3次元映像を見ることができない。また、観察者が両眼の位置を奥行き方向に前後に移動した場合に、正しい視差のある3次元映像を見ることができない。
【0007】
本発明の第1の目的は、映像の周辺部も含めて広範囲に正しい特定視点画像を表示できる画像表示装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、画面全体に明るさが均質な特定視点画像を表示できる画像表示装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、映像の周辺部も含めて広範囲に正しい多視点画像を表示できる画像表示装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、観察者が目をずらせることが可能で、観察者が異なって左右両眼の距離が変わっても両眼の距離の差を吸収できて、楽な姿勢で視差画像を見ることのできる画像表示装置を提供することである。
【0008】
本発明の第5の目的は、大型の画像表示装置でも小型の画像表示装置でも、広視野の自然の立体視に近い多視点画像を表示できる画像表示装置を提供することである。
本発明の第6の目的は、同時に複数の観察者が同じ立体映像を見ることができる画像表示装置を提供することである。
本発明の第7の目的は、カラーの3次元立体映像を見ることができる画像表示装置を提供することである。
本発明の第8の目的は、観察者が左右両眼を上下方向や奥行き方向に移動したときにも、3次元映像を見ることができる画像表示装置を提供することである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
本発明に係る特定視点画像表示装置は、指向性を持つ照明用光線束を発生する照明用光線束発生装置と、照明用光線束発生装置から発生された前記の照明用光線束を回折して指向性を持つ回折光線束を発生する透過型または反射型のホログラム板であり、前記の照明用光線束の照射により当該ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンをホログラム像として再生し、当該ホログラム板から出る回折光線束が、当該ホログラム板を2段階撮影法で作成するときに使用したマスタホログラム板の像の位置に、当該ホログラム板の焦点を面状に形成して、前記の面状焦点の範囲内に目をおいたときに限り当該ホログラム板を見ると前記のスクリーンのホログラム像を観察できるホログラム板と、照明用光線束発生装置から発生した前記の照明用光線束の光路を横切る位置に設けられて、照明用光線束をマスクする2次元のマスク映像パターンを表示するマスク映像表示装置であり、当該マスク映像表示装置を透過した照明用光線束をマスク映像パターンを反映したマスク後光線束に変換して、照明用光線束の代わりにマスク後光線束を前記のホログラム板に照射して、再生される前記のスクリーンのホログラム像にマスク映像パターンを反映して、前記のマスタホログラム板の像の位置に形成される面状焦点の範囲内においた目からマスク映像パターンを反映したスクリーンのホログラム像を観察できるようにしたマスク映像表示装置と、マスク映像情報をマスク映像表示装置に伝達してマスク映像表示装置の表示面上に前記のマスク映像パターンを表示させるマスク映像情報発生装置とからなる。前記のホログラム板は、マスタホログラム用乾板の前方にスクリーンを置き、可干渉性を有する光源からの光線束を2分し、一方の光線束をスクリーンに照射して生じるスクリーンからの反射光を物体光としてマスタホログラム用乾板に当て、他方の光線束は平行光線束にして、参照光として直接マスタホログラム用乾板に当て、物体光と参照光の干渉縞をマスタホログラム用乾板に記録してマスタホログラム板を作成し、次に、作成されたマスタホログラム板に対して、参照光と逆の方向から、参照光と同質の可干渉性を有する照明光を照射して、回折光線束を発生させてスクリーンの実像であるスクリーンホログラム像を空間に再生し、スクリーンホログラム像の位置に透過型または反射型のホログラム用乾板を置き、照明光と同じ光源から分離した光線束を平行、収束または拡散のいずれかの光線束にして、参照光とし、透過型の場合は回折光線束と同じ側からホログラム用乾板に当てて、または、反射型の場合は回折光線束と逆の側からホログラム用乾板に当てて、回折光線束と参照光との干渉縞を透過型または反射型のホログラム用乾板に記録して作成されたホログラム板であり、前記の照明用光線束は、前記のホログラム板に対して参照光と逆方向から当てられる。
【0010】
照明用光線束発生装置から出る照明用光線束がホログラム板に当たって回折することにより、ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンホログラム像が再生される。マスク映像情報発生装置がマスク映像表示装置に映像情報(たとえばモノクロの濃淡マスク映像情報)を送ると、マスク映像情報発生装置はマスク映像としてマスク映像表示装置の面上に映像情報を表示して、照明用光線束をマスクしてマスク後光線束に変換する。こうして、マスク後光線束のマスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像がホログラム板の面上または面近傍に形成される。ホログラム板から出る回折光線束がマスタホログラム板像の位置に焦点を面状に形成し、当該面状焦点の面上に置いた目からのみ再生されたスクリーンホログラム像(スクリーン上の映像)が鮮明に見える。
【0011】
この特定視点画像表示装置において、前記ホログラム板と、マスク映像表示装置で表示されるマスク映像パターンとはいずれも長方形であり、前記のマスク映像情報発生装置は、マスク映像パターンの長方形の少なくとも1つの辺の長さを、ホログラム板の対応する辺の長さに一致させて、他方の辺の長さをマスク映像表示装置とホログラム板の対応する辺の長さの比率で拡大または縮小させする。これにより、マスク映像情報発生装置で作成するマスク映像の縦方向、横方向の歪み補正を容易にし、スクリーンホログラム像の全面に周辺部も含めて広範囲に正確で歪みの無い視差画像を投影できる。
【0012】
前記の特定視点画像表示装置によれば、ホログラム板から出る回折光線束がマスタホログラム板像の位置に焦点を面状に形成しているので、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が届く。したがって、観察者は、前記面状焦点の面上に置いた目を面上でずらせることが可能である。
【0013】
また、前記の特定視点画像表示装置によれば、ホログラム板から出る回折光線束がマスタホログラム板像の位置に焦点を面状に形成しているので、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が広がって届くようにしている。このため、マスタホログラム板像の不要な虚像を弱くして見えなくする。
【0014】
さらに、前記の特定視点画像表示装置によれば、ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンホログラム像を再生して、スクリーンホログラム像の虚像が実像に重なって判別し難くなるようにしているので、画面全体に明るさが均質な視差画像を表示できる。
【0015】
好ましくは、前記の特定視点画像表示装置において、照明光線束発生装置が発生する照明用光線束は、平行光線束である。平行光線束を用いることにより、マスク映像表示装置に表示されるマスク映像パターンとホログラム板に再生されるスクリーンのホログラム像との対応付けが容易になる。
【0016】
好ましくは、前記の特定視点画像表示装置において、照明光線束発生装置が発生する照明光線束は拡散光線束である。拡散光線束を用いることにより、マスク映像表示装置に表示されるマスク映像パターンを、ホログラム板に再生されるスクリーンのホログラム像に拡大して表示できる。
【0017】
好ましくは、前記の特定視点画像表示装置において、照明光線束発生装置が発生する照明光線束は収束光線束である。収束光線束を用いることにより、マスク映像表示装置に表示されるマスク映像パターンを、ホログラム板に再生されるスクリーンのホログラム像に縮小して表示できる。
【0018】
好ましくは、前記の各特定視点画像表示装置のホログラム板は、その前方の外部視野の光も透過する。
好ましくは、前記の各特定画像表示装置のホログラム板が反射型ホログラム板であり、ホログラム板とその前方の外部視野の間に遮光板を設ける。
【0019】
本発明に係る多視点画像表示装置は、複数の前記の特定視点画像表示装置を備える。複数の特定視点画像表示装置は、それぞれの面状焦点を、少なくとも2以上の空間内の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点の範囲内に置くことができて、それぞれの目を置いた面状焦点に対応する前記のスクリーンのホログラム像を互いに左右独立して観察できるように配置される。
【0020】
各特定視点画像表示装置の面状焦点を空間内の異なる位置に配置するので、観察者が、同時に選択したうちの少なくとも1つの面状焦点に片方の目を、選択した内の残りの少なくとも1つの面状焦点に他方の目を置くと、左右の目に異なるパターンが反映された別のスクリーンホログラム像が見える。時々刻々変化する異なる視点に対応したマスク映像パターンを反映した各特定視点画像表示装置のスクリーンホログラム像に現れるそれぞれの動画像のうち、左右の目の位置に対応した同時刻の視差の異なる動画像を左右の目に別々に提供できる。ホログラム像が面状であるので、観察者が異なって左右両眼の距離が変わっても、両眼の距離の差を吸収して、左右両眼に対応するそれぞれ異なるマスタホログラム板像の面上に左右別々の目を置いて、楽な姿勢で視差画像を見ることができる。
【0021】
また、観察者がホログラム板の面上あるいは面の近傍にマスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像を見るので、観察者の両眼の位置がホログラム像板から離れていても近接していても、右目からも左目からもスクリーンホログラム像の全体が見える。こうして、大型の画像表示装置でも小型の画像表示装置でも、広視野の自然の立体視に近い視差画像を表示できる。
【0022】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点のうち、少なくとも2つの面状焦点が空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされた各面状焦点に対応するすべてのスクリーンのホログラム像が、重ね合わされた当該面状焦点(以下、面状焦点群という)の範囲内に目を置いた場合に、空間内に連続して観察できるように複数の特定視点画像表示装置が組み合わされ、前記の複数の特定視点画像表示装置の組み合わせを、少なくとも2組以上備える。そして、前記各組のそれぞれの面状焦点群を、少なくとも2以上の空間内の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内に置くことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記のスクリーンのホログラム像の群を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群を構成する。これにより、観察者が広視野で立体視できる。
【0023】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、複数の特定視点画像表示装置のそれぞれのスクリーンのホログラム像の全部または一部が、空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされた各スクリーンのホログラム像に対応するすべての面状焦点が、空間内の異なる位置に配置されるようにして、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点の範囲内に置くことができ、それぞれの目をおいた面状焦点に対応する前記のスクリーンのホログラム像を、互いに影響することなく左右独立して観察できるように、前記の複数の特定視点画像表示装置を配置する。これにより、同時に左右の目に視差の異なる動画像を別々に提供でき、観察者は精度の良い距離感で立体視できる。
【0024】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群のそれぞれの少なくとも1つのスクリーンのホログラム像の全部または一部が、空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされたスクリーンのホログラム像に対応するすべての組の面状焦点群が、空間内の異なる位置に配置され、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内におくことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記のスクリーンのホログラム像の群を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群を構成する。これにより、観察者が精度のよい距離感で広視野で立体視できる。
【0025】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、複数の特定視点画像表示装置のうち、少なくとも2つ以上がスクリーンのホログラム像どうしと面状焦点どうしがそれぞれ空間内の同一位置に重なり、それぞれ照明用光線束発生装置から発生する照明用光線束の色が異なり、それぞれのホログラム板は、対応する異なる色を用いた撮影により作成されており、それぞれのマスク映像情報発生装置は、同時刻に同じ方向から見たマスク映像情報からそれぞれ対応する色成分のみを抽出したマスク映像パターンの情報をそれぞれのマスク映像表示装置に伝達するようにして、重ね合わされた当該面状焦点(以下、面状焦点群という)の範囲内に目を置いた場合に、それぞれの色を混合して一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像として観察できるように、複数の特定視点画像表示装置が組み合わされる。前記の複数の特定視点画像表示装置の組み合わせを、少なくとも2組以上備え、前記各組の重ね合せた面状焦点群を少なくとも2以上の空間内の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置にある各組の重ね合せた面状焦点群の範囲内に置くことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記の各組の一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群が構成される。これにより、観察者がカラー画像の立体視ができる。
【0026】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせ群のそれぞれ1つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像の全部または一部が空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされたスクリーンのホログラム像に対応するすべての組の面状焦点群が空間内の異なる位置に配置されるようにし、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内に置くことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記の一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像を、互いに影響することなく左右独立して観察できるように、複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせ群が構成される。これにより、観察者は精度の良い距離感でカラー画像の立体視ができる。
【0027】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、前記の異なる色が赤、緑及び青である。これにより、簡便にスクリーン上でカラー画像の立体視ができる。
【0028】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、特定視点画像表示装置の照明用光線束発生装置が多色光または白色光の照明用光線束を発生し、それぞれのホログラム板が、異なる色での撮影により作成されていて、それぞれのホログラム板が対応する色の回折光線束を発生する。これにより、重ね合わせの効果によりカラーのスクリーンのホログラム像を観察できる。
【0029】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、特定視点画像表示装置の照明用光線束発生装置が多色光または白色光の照明用光線束を発生し、それぞれのホログラム板がレインボー型ホログラム板として作成されていて、それぞれのホログラム板により再生されて虹色に分光された回折光線束が形成する虹色の面状焦点を、異なる色の部分が空間内の同一位置で重なるように空間内で平行にずらせて配置する。重なったマスタホログラム板像の面に目を置いたとき、重なったマスタホログラム板像に対応するすべてのスクリーンホログラム像が同時に見える。それぞれ色の異なるスクリーンホログラム像の動画像を重ね合わせて、同時に左右の目にカラーのスクリーンのホログラム像を観察できる。
【0030】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、2以上の視点をもつ多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置される。前記のマスク映像情報発生装置は、各組の右端から左端までの面状焦点の順序に従って、同じ順序の面状焦点に対応する各組のそれぞれのマスク映像表示装置に、同じ形のマスク映像パターンを表示させる。これにより、複数の観察者が同時に同じ多視点画像を観察できる。
【0031】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、1つの組の前記の特定視点画像表示装置のうちで左端に配置された面状焦点の隣に次の組の前記の特定視点画像表示装置のうちで右端に配置された面状焦点がくるように構成される。これにより、横に並んだ複数の観察者が同時に同じ多視点映像を観察できる。
【0032】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、2以上の視点をもつ前記の多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置され、各組の面状焦点の列が観察者に対する奥行き方向に前後に異なる位置に配置される。前記のマスク映像情報発生装置は、発生するマスク映像情報のマスク映像パターンについて奥行き方向の距離に対応して視野角と拡大縮小率を変える。各組の左右の面状焦点が、各組単位に奥行方向にホログラム板から異なる距離に配置されるので、観察者に対する奥行距離に合致して、左右の視点の異なる動画像を提供でき、観察者の目の位置が前後に移動しても矛盾のない立体視ができる。
【0033】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、2以上の視点をもつ前記の多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置され、各組の面状焦点の列が観察者に対して上下方向に隣り合う位置に配置される。前記のマスク映像情報発生装置は、発生するマスク映像情報のマスク映像パターンについて上下方向に視角の差に対応して変化させる。これにより、観察者の目の位置が上下に移動に合致して、上下左右に視点の異なる動画像を矛盾なく立体視ができる。
【0034】
好ましくは、前記の特定視点画像表示装置や多視点画像表示装置において、特定視点画像表示装置の前記のマスク映像情報発生装置から伝達されるマスク映像情報がモノクロの濃淡マスク映像パターンの情報である。濃淡マスク映像パターンを用いて、簡便に特定方向から映像を観察できる。
【0035】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置は、さらに、各特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置に接続され、マスク映像パターン発生の同期信号を供給する映像同期装置を備える。この同期信号により、同時刻の異なる方向からのマスク映像パターンを自動的にタイミングを一致させて表示できる。
【0036】
好ましくは、前記の多視点画像表示装置において、特定視点画像表示装置の中の少なくとも2つの特定視点画像表示装置のホログラム板が共通の1枚のホログラム板であり、該ホログラム板は、その面上あるいは近傍に、前記の少なくとも2つの特定視点画像表示装置のスクリーンのホログラム像を重ねて記録されている。これにより、装置全体のホログラム板の厚さを減少させる。
【0037】
好ましくは、前記の特定視点画像表示装置や多視点画像表示装置において、前記の特定視点画像表示装置の中の少なくとも1枚のホログラム板は、複数の面状焦点を空間の異なる位置に生じるように作成される。これにより、観察者は、異なる位置で同じスクリーンのホログラム像を別々に観察できる。
【0038】
本発明に係るホログラム板製造法は、上述の特定視点画像表示装置のホログラム板を製造する。この製造法において、(1)マスタホログラム用乾板の前方にスクリーンを置き、可干渉性を有する光源からの光線束をビームスプリッタなどにより2分し、一方の光線束をスクリーンに照射して生じるスクリーンからの反射光を物体光としてマスタホログラム用乾板に当て、他方の光線束はレンズ、ミラーなどにより平行光線束にして、参照光として直接マスタホログラム用乾板に当て、物体光と参照光の干渉縞をマスタホログラム用乾板に記録してマスタホログラム板を作成する。次に、(2)作成されたマスタホログラム板に対して、参照光と逆の方向から、参照光と同質の可干渉性を有する照明光を照射して、回折光線束を発生させてスクリーンの実像であるスクリーンホログラム像を空間に再生し、スクリーンホログラム像の位置に透過型または反射型のホログラム用乾板を置き、照明光と同じ光源から分離した光線束をレンズ、ミラーなどを用いて平行、収束または拡散のいずれかの光線束にして、参照光とし、透過型の場合は回折光線束と同じ側からホログラム用乾板に当てて、または、反射型の場合は回折光線束と逆の側からホログラム用乾板に当てて、回折光線束と参照光との干渉縞を透過型または反射型のホログラム用乾板に記録する。こうして、2段階の撮影により、ホログラム板が製造される。このホログラム板に対して参照光と逆方向から指向性をもつ照明用光線束を当てると、上述の特定視点画像表示装置のホログラム板として使用できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下,添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、1つの(特定の)視点からの画像を表示する特定視点画像表示装置について説明する。後で説明する種々の実施の形態の多視点画像表示装置では、複数の特定視点画像表示装置を使用して、同時刻の視差の異なる動画像を空間の異なる位置で見えるようにしてそれらの視差画像のうちから選択的に左右の目に適切な視差動画像を提供して多視点での立体視を可能にする。多視点画像表示装置は、光学的に再生された複数の平面のスクリーンのホログラム像の上に映像を表示し立体視するという多視点表示の新しい着想から生まれたものである。
【0040】
特定視点画像表示装置は、1つの(特定の)視点からの画像を表示するものであり、ホログラム板の面上または面の近傍に再生されたスクリーンのホログラム像にマスク映像によるマスクを施し、マスタホログラム板像の位置に置いた目からのみ、マスクされたスクリーンのホログラム像が観察できるものである。これにより、マスタホログラム板像の面上に置いた目において、マスク映像がスクリーンホログラム像の上にうかびあがる。ホログラム板については後で説明する。
【0041】
図1は、透過型ホログラム板を用いた特定視点画像表示装置を示す。照明用光線束発生装置11は、指向性を有する照明用光線束2を出射し、透過型ホログラム板7に入射する。ホログラム板7は、照明用光線束が透過型ホログラム板7に当たって回折することにより、ホログラム板7の面上または面の近傍に面状のスクリーンのホログラム像8を再生する。また、ホログラム板7から出る回折光線束9がマスタホログラム板像10として焦点を面状に形成する。面状のマスタホログラム像10を形成するので、像10の面上に置いた目(特定視点)12からのみ、再生されたスクリーンホログラム像8が鮮明に見える。
【0042】
さらに、動画映像を表示するために、照明用光線束2の光路を横切る位置にマスク映像表示装置5を置き、マスク映像情報発生装置4と接続する。マスク映像表示装置5は、たとえば、液晶シャッターであり、マスク映像情報発生装置4は、たとえば、液晶シャッターを駆動する画像信号を発生する画像信号発生回路である。マスク映像情報発生装置4からマスク映像情報(たとえばモノクロの濃淡マスク映像動画情報)に基づく映像信号を受け取ると、マスク映像表示装置は、映像信号に基づきマスク映像(マスク映像パターン)6をマスク映像表示装置5の面上に表示する。照明用光線束2はマスク映像パターン6によりマスクされ、照明用光線束2がマスク後光線束3に変換される(図において、楕円は光線束の広がりを示すために使用されている)。図において斜線部は、マスク映像パターン6によりマスクされた部分を図式的に示す。これにより、マスク後光線束3のマスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像8をマスタホログラム板像10上の目12から観察でき、目12からホログラム板7の方を見ると、ビデオ映像がスクリーン上にうかびあがる。(なお、図では、目12をマスタホログラム板像10の面からずらして表示している。)
【0043】
上述のように、ホログラム板7から出る回折光線束9がマスタホログラム板像10として焦点を面状に形成する。このため、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が届く。したがって、マスタホログラム板像10の面上に置いた目12をマスタホログラム板像10の面上でずらせることが可能である。また、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が広がって届く。したがって、マスタホログラム板像10の不要な虚像を弱くして見えなくすることができ、虚像がまぶしく見えることがない。また、ホログラム板7の面上または面の近傍にスクリーンホログラム像8を再生して、スクリーンホログラム像8の虚像が実像に重なって判別し難くなるようにしているので、画面全体に明るさが均質な特定視点の画像を表示できる。
【0044】
マスク映像表示装置5は、照明用光線束2の光路を斜めに横断する位置に置く。ここで、照明用光線束発生装置11から発する照明用光線束2を平行光線束にして、かつ照明用光線束2がホログラム板7の一方の辺に平行になる方向に照射しておいて、マスク映像表示装置5を照明用光線束2に直交して置く、またはマスク映像表示装置5をホログラム板7に平行に置く、またはマスク映像表示装置5の一方の辺も照明用光線束2が平行に照射しているホログラム板7の一方の辺に平行になるようにする。そして、マスク映像情報発生装置4で作成されるマスク映像6の少なくとも1方の辺の長さを、ホログラム板7の対応する辺の長さに一致させて、他方の辺の長さをマスク映像表示装置5とホログラム板7の対応する辺の長さの比率で拡大あるいは縮小させる。これにより、マスク映像情報発生装置4で作成するマスク映像6の縦方向、横方向の歪み補正が容易であり、スクリーンホログラム像8の全面に、周辺部も含めて広範囲に正確で歪みの無い画像を投影できる。
なお、このホログラム板7は、その前方の外部視野の光も透過するようにしてもよい。これにより、外部視野の背景の中に動画像を表示できる。例えば、図1において、背景170の上に、マスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像8を見ることができる。
【0045】
図2〜図4は、図1の装置で用いた透過型ホログラム板7の2段階撮影法による作成方法の概略を示している。このような撮影法を用いることにより、面状のスクリーンのホログラム板が形成でき、実像と虚像との重複がなくなり、不要な虚像のまぶしさを除くことができる。
【0046】
2段階撮影法において、1段階目の撮影では、図2に示すように、マスタホログラム用乾板10aの前方に白色の長方形のスクリーン8aを置く。そして、レーザー光のようなコヒーレント性(可干渉性)を有する光源からの光線束をハーフミラー等によって2分し、一方の光線束をスクリーン8aに照射して生じるスクリーン8aからの反射光を物体光9aとしてマスタホログラム用乾板10aに当てる。他方の光線束は参照光14aとして直接ホログラム用乾板10aに当てる。その結果、物体光9aと参照光14aの干渉縞がマスタホログラム用乾板10aに記録される。
【0047】
次に、2段階目の撮影では、図3に示すように、1段階目で前記マスタホログラム用乾板10a上に形成された干渉縞を固定したマスタホログラム板l0bに対して、参照光14aと逆の方向から、参照光14aと同質のコヒーレント性を有する照明光14bを照射して、回折光線束9bを発生させてスクリーン8aの実像であるスクリーンホログラム像8bを再生する。スクリーンホログラム像8bの位置に透過型ホログラム用乾板7aを置き、照明光14bと同じ光源から分離した参照光2aを、回折光線束9bと同じ側から透過型ホログラム用乾板7aに当てる。このようにして回折光線束9bと参照光2aとの干渉縞を透過型ホログラム用乾板7aに記録する。
【0048】
図4に示すように、透過型ホログラム用乾板7a上に形成された干渉縞を固定した透過型ホログラム板7を用いて、スクリーンホログラム像が観察される。透過型ホログラム板7に対して、参照光2aと逆の方向から参照光2aと同質の指向性を有する照明光2を照射して、回折光線束9を発生させてスクリーンホログラム像8bの実像であるスクリーンホログラム像8と、マスタホログラム板10bの実像であるマスタホログラム板像10を再生する。この場合、目12を面状のマスタホログラム板像10の位置に置いたときのみ、スクリーンホログラム像8を明瞭に見ることができる。
【0049】
図5は、反射型ホログラム板7'を用いた特定視点画像表示装置を示す。図1に示した特定視点画像表示装置との違いは、透過型ホログラム板の代わりに、反射型ホログラム板7'を用い、これに対応して、照明用光線束発生装置11などの配置が異なることである。光線束が反射型ホログラム板7'により反射されるので、回折光線束9の方向が、ホログラム板7'に関して、図1ではマスク後光線束3の入射面と反対の面から出ているのに対し、図5ではマスク後光線束3の入射面と同一の面から出ている。また、マスク映像情報発生装置4で作成されるマスク映像6の向きが、図1と図5では左右反転している。ただし、マスク後光線束3の入射方向がホログラム板7'の下方あるいは上方からとなる場合は、マスク映像6の向きが、図1と図5では上下反転になるのは当然である。なお、この反射型ホログラム板7'は、さらに、前方の外部視野の背景170との間に遮光板172を設けることもできる。これにより、観察者は、マスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像8のみを見ることができる。
【0050】
図6〜図8は、図5の反射型ホログラム板7'の2段階撮影法による作成方法の概略を示している。1段階目の撮影では、図6に示すように、マスタホログラム用乾板10aの前方に白色のスクリーン8aを置く。レーザー光のようなコヒーレント性を有する光源からの光線束をハーフミラー等によって2分し、一方の光線束をスクリーン8aに照射して生じるスクリーン8aからの反射光を物体光9aとしてマスタホログラム用乾板10aに当てる。他方の光線束は参照光14aとして直接ホログラム用乾板10aに当てる。その結果、物体光9aと参照光14aの干渉縞がマスタホログラム用乾板10aに記録される。
【0051】
次に、2段階目の撮影では、図7に示すように、1段階目でマスタホログラム用乾板10a上に形成された干渉縞を固定したマスタホログラム板10bに対して、参照光14aと逆の方向から、参照光14aと同質のコヒーレント性を有する照明光14bを照射して、回折光線束9bを発生させてスクリーン8aの実像であるスクリーンホログラム像8bを再生する。スクリーンホログラム像8bの位置に反射型ホログラム用乾板7aを置き、照明光14bと同じ光源から分離した参照光2aを、回折光線束9bと反対の側から反射型ホログラム用乾板7aに当てる。このようにして回折光線束9bと参照光2aとの干渉縞を反射型ホログラム用乾板7aに記録する。
【0052】
図8に示すように、反射型ホログラム用乾板7a上に形成された干渉縞を固定した反射型ホログラム板7'を用いたスクリーンホログラム像の観察において、反射型ホログラム板7'に対して、参照光2aと逆の方向から参照光2aと同質の指向性を有する照明光2を照射して回折光線束9を発生させて、スクリーンホログラム像8bの実像であるスクリーンホログラム像8と、マスタホログラム板l0bの実像であるマスタホログラム板像10を再生する。この場合、目12は、マスタホログラム板像10の位置に置いたときのみ、スクリーンホログラム像8を明瞭に見ることができる。
【0053】
以上に説明した特定視点画像表示装置は次のような特徴を備える。ホログラム板7、7'から出る回折光線束9がマスタホログラム板像10として焦点を面状に形成しているので、マスタホログラム板像10は空間に一定の面積を有していて、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が届く。このため、観察者は、マスタホログラム板像10の面上に置いた目12をマスタホログラム板像10の範囲で自由にずらせることが可能であり、楽な姿勢で動画像をみることができる。
【0054】
また、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が届くので、不要な虚像が弱く見えなくなり、観察者は、スクリーンホログラム像の虚像が実像に重なって判別しにくくなる。スクリーンホログラム像が、一枚の明るさが均質な映像になり、画面全体がおだやかで明るいので、観察者は、まぶしさを感じないでホログラム板の面上または近傍にマスク映像が反映されたスクリーンホログラム像8を見ることができる。
【0055】
図9から図13は、図1または図5の特定視点画像表示装置で用いた照明用光線束発生装置11の4つの構成例を示す。図9は照明用光線束発生装置の第1の例である。点光源15を拡大レンズ16の片方の面の中心に、中心軸に沿って照射する。拡大レンズ16の他方の面から出て行く光は、拡散光線束17になる。拡散光線束17を凸レンズ18の片面に当てる。この時、凸レンズ18の中心軸は拡大レンズ16の中心軸に一致させ、凸レンズ18の一つの焦点の位置に、拡大レンズ16の中心がくるように置いておくと、凸レンズ18の他方の面から出て行く光は、平行光線束になって、照明用光線束2として、2つのレンズの中心軸を結ぶ直線に平行に進んでいく。
【0056】
図10は、照明用光線束発生装置の第2の例である。この例は、図9の発生装置で用いた点光源2と2つのレンズ16、18の組み合わせを複数平行に並べたものである。これにより、より大きな断面積の照明用光線束2を発生させることが出来る。
【0057】
図11は、照明用光線束発生装置の第3の例である。図9の装置で用いた凸レンズ18の代わりに、凹面鏡や放物面鏡などの曲面鏡19を用い曲面鏡の焦点の位置に拡大レンズ16を置く。これにより、曲面鏡19から出て行く光を照明用光線束2にする。
【0058】
図12と図13は、照明用光線束発生装置の第4の例である。図13に見られるように、図9の凸レンズの代わりに、回折格子ホログラム板20を使って、照明用光線束2を発生させる。図12に示すように、回折格子ホログラム板用乾板20aの片方の面に、上記の例1〜3の方法などで発生させた照明用光線束2aと、照明用光線束2aと同じ光源から分離した収束光線束17aを照射して、両光線束の干渉縞を回折格子ホログラム板用乾板20a上に記録して、回折格子ホログラム板20を作成する。図13において、上記回折格子ホログラム板用乾板20a上に形成された干渉縞を固定した回折格子ホログラム板20に対して、収束光線束17aと逆の方向から収束光線束17aと同質のコヒーレント性を有する拡散光線束17を照射して、回折光線束を発生させて照明用光線束2とする。
【0059】
なお、本実施の形態の多視点画像表示装置では、平行光線束を用いるが、照明用光線束発生装置11が発生する照明用光線束2は、指向性のある照明用光線束であれば使用でき、平行光線束には限られない。拡散光線束や、1点に収束する収束光線束も用いることができる。拡散光線束や収束光線束も、上述の照明用光線束発生装置において、光源などの位置を変化させることにより発生できる。
【0060】
図14は、本発明の多視点画像表示装置の第1の実施の形態を示す。図1に示した透過型ホログラムを用いた特定視点画像表示装置を4つ使用する。4つの特定視点画像表示装置の透過型ホログラム板71〜74の面どうしを、全体または一部を重ね合わせて置き、特定視点画像表示装置のマスタホログラム板像101〜104の面を空間内の異なる位置に配置する。図14に示されるように、4つのマスタホログラム板像101〜104は、左右に一列に並べられる。そして、特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置41〜44を映像同期装置13に接続し、映像同期装置13の同期信号に基づいて、特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置41〜44に同時刻の視点の異なるモノクロの濃淡マスク映像情報を連続的に発生させる。このように、マスタホログラム板像のうち少なくとも2つのマスタホログラム板像102と103の面を同時に選択できて、選択した内の少なくとも1つのマスタホログラム板像102の面に片方の目122を、選択した内の残りの少なくとも1つのマスタホログラム板像103の面に他方の目123を置いて、左右の目122と123に異なるマスク映像パターンが反映された別のスクリーンホログラム像82と83が見えるように、複数の特定視点画像表示装置を配置する。マスク映像情報発生装置41〜44が連動してマスク映像情報を連続的に発生すると、特定視点画像表示装置のスクリーンホログラム像81〜84に、時々刻々変化する異なる視点に対応するマスク映像パターンを反映した動画像が現れる。それぞれの画像のうち、左右の目122と123の位置に対応した同時刻の視差の異なる動画像を、左右の目122と123に別々に提供できる。また、左右の目の組み合わせとして、右目121と左目122、右目122と左目123、右目123と左目124の3つの組み合わせが可能である。
【0061】
図15は、本発明の多視点画像表示装置の第2の実施の形態を示す。この多視点画像表示装置は、図5に示した反射型ホログラムを用いた特定視点画像表示装置を4つ使用する。第2の実施の形態の多視点画像表示装置の作用は、ホログラム板71'〜74'が反射型ホログラム板である点を除いて、第1の実施の形態と同様である。
【0062】
特定視点画像表示装置を複数使用して、複数の特定視点画像表示装置のホログラム板71'〜74'の面同士を、全体または一部を重ね合わせて置き、特定視点画像表示装置のマスタホログラム板像101〜104の面を空間内の異なる位置に配置する。少なくとも2つのマスタホログラム板像101〜104の面を同時に選択できて、選択した内の少なくとも1つのマスタホログラム板像101〜104の面に片方の目121〜124を、選択した内の残りの少なくとも1つのマスタホログラム板像101〜104の面に他方の目121〜124を置いて、左右の目121〜124に異なるマスク映像パターンが反映された別のスクリーンホログラム像81〜84が見えるように、複数の特定視点画像表示装置を配置する。特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置41〜44を映像同期装置13に接続し、映像同期装置13の同期信号に基づいて、特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置41〜44に同時刻の視差の異なるモノクロの濃淡マスク映像情報を連続的に発生させて連動する。特定視点画像表示装置のスクリーンホログラム像81〜84に、時々刻々変化する異なる視点に対応するマスク映像パターンを反映した動画像が現れ、それぞれの動画像のうち、左右の目121〜124の位置に対応した同時刻の視差の異なる動画像を、左右の目121〜124に別々に提供する。
【0063】
第1と第2の実施形態の多視点画像表示装置において、複数の特定視点画像表示装置において、ホログラム板71〜74、71'〜74'から出る回折光線束91〜94がマスタホログラム板像101〜104として焦点を面状に形成しているので、マスタホログラム板像101〜104の面上に置いた目121〜124をマスタホログラム板像101〜104の範囲で自由にずらせることが可能である。したがって、観察者が異なって左右両眼の距離が変わっても、両眼の距離の差を吸収して、左右両眼に対応するそれぞれ異なるマスタホログラム板像101〜104の面上に左右別々の目121〜124を置いて、楽な姿勢で多視点の画像を見ることができる。
【0064】
また、観察者は、マスク映像パターンが反映されたスクリーンホログラム像81〜84をホログラム板71〜74の面上あるいは面の近傍に見るので、観察者の両眼の位置がホログラム板71〜74から離れていても近接していても、右目121〜123からも左目122〜124からもスクリーンホログラム像81〜84全体が見える。大型の画像表示装置でも小型の画像表示装置でも、広視野の自然の立体視に近い多視点の画像を表示できる。
【0065】
また、変形した実施の形態では、マスク映像情報発生装置41と43が、目121と目123に同じ視差の右目用スクリーンホログラム像81と83を提供し、マスク映像情報発生装置42と44が、目122と目124に同じ視差の左目用スクリーンホログラム像82と84を提供する。これにより、それぞれ左の目どうし、右の目どうしには左右の目の位置に対応した同時刻の同じ視差の動画像を提供し、同時に2人以上の人が同じように左右の目にそれぞれの視差の異なる動画像を見ることができる。たとえば、第1の人が、目121と目122で映像を見、第2の人が、目123と目124で映像を見ることができる。
【0066】
図16は、本発明の多視点画像表示装置の第3の実施の形態を示す。この多視点画像表示装置は、図1に示した透過型ホログラムによる特定視点画像表示装置を4つ使用して、広視野の多視点画像表示装置を実現したものである。ここでは、本実施の形態の第1の実施の形態と異なる部分のみ説明する。本実施の形態では、ホログラム板71と74は重なって置かれ、ホログラム板72と73は、その両側に置かれる。4つの特定視点画像表示装置は、2つのホログラム板71と73によるマスタホログラム板像101と103が同一位置に重なるように、ホログラム板72と74によるマスタホログラム板像102と104も同様に重なるように配置される。この配置により、目121と目123は右目に重なり、目122と目124は左目に重なる。そのため、右目は右側に連続したスクリーンホログラム像81と83を見ることができ、左目は左側に連続したスクリーンホログラム像82と84を同時に見ることができる。結果として中央付近で回折光線束が重なるので、観察者は、左右の目にそれぞれ複数のスクリーンホログラム像にまたがる広視野の視差の異なる動画像を別々に観察できる。これにより、全体の視野角が180度に近い広視野の3次元映像を見ることができる。
【0067】
図17は、本発明の多視点画像表示装置の第4の実施の形態を示す。この多視点画像表示装置は、図1に示した透過型ホログラムによる特定視点画像表示装置を6つ使用して、カラーの多視点画像表示装置を実現する。なお、図17は、上下方向の配置を示した断面図である。この多視点画像表示装置は、特定視点画像表示装置の数以外に、次の点で多視点画像表示装置の第1の実施の形態と異なっている。各マスク後光線束31〜36のホログラム板71〜76への入射方向が、縦方向で上から下まで分布される。回折光線束91〜93は同じ位置に重なるマスタホログラム板像101〜103に向かい、右目121〜123から同じ右目用の視差映像を表示しているスクリーンホログラム像81〜83を見ることが出来る。照明用光線束発生装置111〜113の発生する照明用光線束21〜23の色が、それぞれ赤、緑、青と異なっており、右目121〜123からはスクリーンホログラム像81〜83の赤、緑、青の3色が混合して一つのカラーの右目用映像として見ることができる。左目用についても同様で、回折光線束94〜96は同じ位置に重なるマスタホログラム板像104〜106に向かい、左目124〜126から同じ左目用の視差映像を表示しているスクリーンホログラム像84〜86を見ることが出来る。照明用光線束発生装置114〜116の発生する照明用光線束24〜26の色が、それぞれ赤、緑、青と異なっており、左目124〜126からはスクリーンホログラム像84〜86の赤、緑、青の3色が混合して1つのカラーの左目用映像として見ることができる。(なお、図17は上下方向の位置を示すので、マスタホログラム板像101〜106と目121〜126は重なって表示されているが、実際は、図18に示すように、左右方向には、重なるマスタホログラム像101〜103と104〜106が隣あう位置にある。)その結果、観察者は、全体として、左右両眼121〜123、124〜126でカラーの3次元映像が見ることができる。
【0068】
このように、照明用光線束発生装置111〜116から発する照明用光線束21〜26の色を異なる色にし、異なる色の映像を重ね合わせるための少なくとも2つのマスタホログラム板像101〜103、104〜106を空間内の同一位置に重ねて配置し、重なったマスタホログラム板像の面に目121〜123、124〜126を置いたとき、重なったマスタホログラム板像に対応するすべてのスクリーンホログラム像81〜83、84〜86を同時に見えるようにする。重なったホログラム板像に対応するホログラム板71〜73、74〜76も重なるように配置する。こうして、重なったスクリーンホログラム像81〜83、84〜86には同時にそれぞれ同じ視点のカラー動画像を表示する。このような構成を2組以上備えることにより、同時に左右の目にカラーの視差の異なる動画像を別々に提供でき、観察者は、左右の目で視差の異なるカラーの動画像を観察できる。
【0069】
次に、本発明の第5の実施の形態の多視点画像表示装置を説明する。この多視点画像表示装置の構成は、図17と図18に示した多視点画像表示装置と同様であるので、説明の簡略化のために図示を省略する。この構成は、次の点が図17と図18に示した多視点画像表示装置と異なる。ホログラム板71〜76をレインボー型ホログラムとし、照明用光線束発生装置111〜116から発生する照明用光線束21〜26を白色光とする。なお、第3の実施の形態の場合と同様に、少なくとも2つのマスタホログラム板像10を空間内の同一位置に重ねて配置して、重なったマスタホログラム板像10の面に目12を置いたとき、重なったマスタホログラム板像10に対応するすべてのスクリーンホログラム像8を同時に見えるようにして、重なったホログラム板像10に対応するホログラム板7も重なるようにし、重なったスクリーンホログラム像8には同時に同じ視点の動画像を表示する。
【0070】
ここで、左右両眼でカラーの3次元映像を見るため、レインボー型ホログラムのホログラム板71〜76から発する回折光線束91〜96を虹色に分光させて、左右両眼121〜126が置かれている方向のマスタホログラム板像101〜106の色を、それぞれ101を赤、102を緑、103を青、104を青、105を緑、106を赤にする。そして、マスク映像情報発生装置41〜46により、それぞれ色の異なるスクリーンホログラム像81〜83、84〜86の動画像を右目用と左目用に重ねて、全体としてカラーの左右の視差映像として見えるようにする。こうして、同時に左右の目にカラーの視差の異なる動画像を別々に提供できる。
【0071】
次に、多視点画像表示装置の変形の第6の実施の形態を説明する。この多視点画像表示装置の構成は、図17と図18に示した多視点画像表示装置と同様であるので、説明の簡略化のために図示を省略する。この構成は、次の点が図17と図18に示した多視点画像表示装置と異なる。各特定視点画像表示装置のホログラム板71〜76は、撮影にそれぞれスクリーンホログラム像81〜86の色に対応した赤、緑、青の3色のレーザー光を別々に使用して露光を行って作成したものである。そして、照明用光線束発生装置111〜116から発する照明用光線束21〜26を、多色光あるいは白色光にする。これにより、ホログラム板71〜76を記録したそれぞれの色に対応した色の回折光線束91〜96が選択的に発生して、それぞれ色の異なるスクリーンホログラム像81〜86が異なって、全体としてカラーの視差動画像をうかびあがらせる。
【0072】
図19は、本発明の多視点画像表示装置の第7の実施の形態を示す。この多視点画像表示装置は、図1に示した透過型ホログラムによる特定視点画像表示装置を4つ使用して、上下方向に視点を移動できる多視点画像表示装置を実現する。なお、図19は、上下方向の配置を示したものである。この多視点画像表示装置は、図14に示した構成を少なくとも2組備える。各組の左右のマスタホログラム板像101〜102、103〜104が、図20に示すように、各組単位に上下方向に隣り合う様に配置して、各特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置41〜44で作成するマスク映像61〜64を、上下方向の移動に対応して視角を変えて表示する。観察者は、少なくとも2つのマスタホログラム板像101〜102または103〜104の面を同時に選択できて、選択した内の少なくとも1つのマスタホログラム板像101または103の面に片方の目121、123を、選択した内の残りの少なくとも1つのマスタホログラム板像102または104の面に他方の目122、124を置くと、左右の目121〜124に、異なるマスク映像パターンが反映された別のスクリーンホログラム像81〜82、83〜84が見える。観察者の上下方向の左右の目の移動に合致して、上下左右に視点の異なる動画像を提供できる。
【0073】
右目124と左目123を上方に置き、右目122と左目121を下方に置いて、マスク映像情報発生装置41〜44が、それぞれスクリーンホログラム像81〜84の映像をホログラム板71〜74に対する視角に対応して変えて表示する。これにより、観察者の左右の目のホログラム板71〜74に対する視角に合致して、左右両眼124と123には上方位置で左右の視差の異なる動画像を、左右両眼122と121には下方位置で左右の視差の異なる動画像を提供できる。
【0074】
図21は、本発明の多視点画像表示装置の第8の実施の形態を示す。この多視点画像表示装置は、図1に示した透過型ホログラムによる特定視点画像表示装置を4つ使用して、スクリーンホログラム像に対して奥行き方向に視点を移動できる多視点画像表示装置を実現する。この多視点画像表示装置は、図14に示した構成を少なくとも2組備える。この多視点画像表示装置は、少なくとも2つのマスタホログラム板像10の面を同時に選択できて、選択した内の少なくとも1つのマスタホログラム板像10の面に片方の目12を、選択した内の残りの少なくとも1つのマスタホログラム板像10の面に他方の目12を置いて、左右の目12に異なるマスク映像パターンが反映された別のスクリーンホログラム像8が見える構成を、少なくとも2組以上持つ。各組の左右のマスタホログラム板像10が、各組単位に奥行方向にホログラム板7から異なる距離に配置して、各特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置4で作成するマスク映像6を、奥行に対応して視野角と拡大縮小率を変えて表示し、観察者の左右の目のホログラム板7からの奥行距離に合致して、左右の視差の異なる動画像を提供できる。
【0075】
上述の多視点画像表示装置において、右目124と左目123を前方に置き、右目122と左目121を後方に置いて、それぞれスクリーンホログラム像81〜84の視野角と拡大縮小率をホログラム板71〜74からの奥行距離に対応して変えて表示することにより、観察者の左右の目のホログラム板71〜74からの奥行距離に合致して、左右両眼124と123には前方位置で左右の視差の異なる動画像を、左右両眼122と121には後方位置で左右の視差の異なる動画像を提供できる。
【0076】
【発明の効果】
本発明の特定視点画像表示装置と多視点画像表示装置によれば、ホログラム板から出る回折光線束がマスタホログラム板像として焦点を面状に形成している。このため、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が届く。このため、マスタホログラム板像の面上に置いた目をマスタホログラム板像の面上でずらせることが可能である。
【0077】
また、本発明の特定視点画像表示装置と多視点画像表示装置によれば、ホログラム板から出る回折光線束が焦点を面状に形成しているので、回折光が特定の位置に集光せず、空間内の一定の許容度のある面内に回折光が広がって届く。したがって、不要な虚像を弱くして見えなくすることができる。
【0078】
また、本発明の特定視点画像表示装置と多視点画像表示装置によれば、ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンホログラム像を再生して、スクリーンホログラム像の虚像が実像に重なって判別し難くなるようにしているので、画面全体に明るさが均質な視差画像を表示できる。
【0079】
また、本発明の特定視点画像表示装置と多視点画像表示装置によれば、マスク映像情報発生装置で作成するマスク映像パターンの縦方向、横方向の歪み補正を容易にし、スクリーンホログラム像の全面に周辺部も含めて広範囲に正確で歪みの無い画像を投影できる。
【0080】
また本発明によれば、複数の特定視点画像表示装置を使用して、左右の目の位置に対応した同時刻の視点の異なる動画像をスクリーン上に、左右の目に別々に提供できる。
【0081】
また本発明によれば、観察者が異なって左右両眼の距離が変わっても、両眼の距離の差を吸収して、左右両眼に対応するそれぞれ異なるマスタホログラム板像の面上に左右別々の目を置いて、楽な姿勢で多視点画像を見ることができる。
【0082】
また本発明によれば、観察者の両眼の位置がホログラム板から離れていても近接していても、右目からも左目からもスクリーンホログラム像全体が見えるようにして、大型の画像表示装置でも小型の画像表示装置でも、広視野の自然の立体視に近い多視点画像を表示できる。
【0083】
また本発明によれば、左右の目に異なるマスク映像パターンが反映された別のスクリーンホログラム像が見える構成を少なくとも2組以上備えるので、それぞれ左の目どうし、右の目どうしには同じ視点の動画像を提供すると、同時に2人以上の人が同じように左右の目に視差の異なる動画像を見ることができる。
【0084】
また本発明によれば、少なくとも2つのマスタホログラム板像を空間内の同一位置に重ねて配置して、重なったマスタホログラム板像の面に目を置いたとき、重なったマスタホログラム板像に対応するすべてのスクリーンホログラム像を同時に見えるようにするので、重なったホログラム板像に対応するスクリーンホログラム像のすべての面が重ならずに広視野に広がる。こうして、同時に左右の目に広視野の視差の異なる動画像を別々に提供できる。
【0085】
また本発明によれば、照明用光線束の色を異なる色にして重なったスクリーンホログラム像の動画像をカラーで表示でき、同時に左右の目にカラーの視差の異なる動画像を別々に提供できる。
【0086】
また本発明によれば、ホログラム板をレインボー型ホログラムにしてホログラム板から発する回折光線束を虹色に分光させて、それぞれ色の異なるスクリーンホログラム像の動画像を重ねて全体としてカラーで表示でき、同時に左右の目にカラーの視差の異なる動画像を別々に提供できる。
【0087】
また本発明によれば、ホログラム板の撮影に少なくとも赤、緑、青の3色のレーザーを使用してスクリーンホログラム像の色にそれぞれ対応させて露光を行い、照明用光線束を多色光あるいは白色光にして、スクリーンホログラム像の視差動画像をカラーで表示できる。
【0088】
また本発明によれば、各組の左右のマスタホログラム板像が、各組単位に上下方向に隣り合う様に配置して、マスク映像情報発生装置で作成するマスク映像を、上下方向の移動に対応して視角を変えて表示するので、観察者の上下方向の左右の目の移動に合致して、上下左右に視差の異なる動画像を提供できる。
【0089】
また本発明によれば、各組の左右のマスタホログラム板像が、各組単位に奥行方向にホログラム板から異なる距離に配置して、各特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置で作成するマスク映像を、奥行に対応して視野角と拡大縮小率を変えて表示し、観察者の左右の目のホログラム板からの奥行距離に合致して、左右の視差の異なる動画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 透過型ホログラム像による特定視点画像表示装置の図式的断面図
【図2】 2段階撮影法による透過型ホログラム板の作成方法の1段階目の撮影を示す図
【図3】 2段階撮影法による透過型ホログラム板の作成方法の2段階目の撮影を示す図
【図4】 透過型ホログラムによるスクリーンホログラム像の観察を図式的示す図
【図5】 反射型ホログラム像による特定視点画像表示装置の図式的断面図
【図6】 2段階撮影法による反射型ホログラム板の作成方法の1段階目の撮影を示す図
【図7】 2段階撮影法による反射型ホログラム板の作成方法の2段階目の撮影を示す図
【図8】 反射型ホログラムによるスクリーンホログラム像の観察を図式的に示す図
【図9】 照明用光線束発生装置の第1例の図式的な図
【図10】 照明用光線束発生装置の第2例の図式的な図
【図11】 照明用光線束発生装置の第3例の図式的な図
【図12】 照明用光線束発生装置の第4例の回折格子ホログラム板の作成を示す図
【図13】 照明用光線束発生装置の第4例の回折格子ホログラム板の使用を示す図
【図14】 透過型ホログラム像による多視点画像表示装置の第1実施形態の図式的な図
【図15】 反射型ホログラム像による多視点画像表示装置の第2実施形態の図式的な図
【図16】 透過型ホログラム像による多視点画像表示装置の第3実施形態の図式的な図
【図17】 透過型ホログラム像による多視点画像表示装置の第4実施形態の図式的な図
【図18】 マスタホログラム像の左右方向での位置を示す図
【図19】 透過型ホログラム像による多視点画像表示装置の第7実施形態の図式的な図
【図20】 マスタホログラム像の正面方向での位置を示す図
【図21】 透過型ホログラム像による多視点画像表示装置の第8実施形態の図式的な図
【符号の説明】
11、111〜116 照明用光線束発生装置、
2、21〜26 照明用光線束、
2a 参照光あるいは照明用光線束、
3、31〜36 マスク後光線束、
4、41〜46 マスク映像情報発生装置、
5、51〜56 マスク映像表示装置、
6、61〜66 マスク映像、
7、71〜76 ホログラムあるいは透過型(反射型)ホログラム板、
7a 透過型(反射型)ホログラム用乾板、
8、81〜86 スクリーンホログラム像、
8a スクリーン、
8b スクリーンホログラム像(実像)、
9、91〜96 回折光線束、
9a 物体光、
9b 回折光線束、
10、101〜106 マスタホログラム板像、
10a マスタホログラム用乾板、
l0b マスタホログラム板
12、121〜126 目、
14a 参照光、
14b 照明光。
170 背景、
172 遮光板。

Claims (27)

  1. 指向性を持つ照明用光線束を発生する照明用光線束発生装置と、
    照明用光線束発生装置から発生された前記の照明用光線束を回折して指向性を持つ回折光線束を発生する透過型または反射型のホログラム板であり、前記の照明用光線束の照射により当該ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンをホログラム像として再生し、当該ホログラム板から出る回折光線束が、当該ホログラム板を2段階撮影法で作成するときに使用したマスタホログラム板の像の位置に、当該ホログラム板の焦点を面状に形成して、前記の面状焦点の範囲内に目をおいたときに限り当該ホログラム板を見ると前記のスクリーンのホログラム像を観察できるホログラム板と、
    照明用光線束発生装置から発生した前記の照明用光線束の光路を横切る位置に設けられて、照明用光線束をマスクする2次元のマスク映像パターンを表示するマスク映像表示装置であり、当該マスク映像表示装置を透過した照明用光線束をマスク映像パターンを反映したマスク後光線束に変換して、照明用光線束の代わりにマスク後光線束を前記のホログラム板に照射して、再生される前記のスクリーンのホログラム像にマスク映像パターンを反映して、前記のマスタホログラム板の像の位置に形成される面状焦点の範囲内においた目からマスク映像パターンを反映したスクリーンのホログラム像を観察できるようにしたマスク映像表示装置と、
    マスク映像情報をマスク映像表示装置に伝達してマスク映像表示装置の表示面上に前記のマスク映像パターンを表示させるマスク映像情報発生装置と
    からなり、
    前記のホログラム板は、マスタホログラム用乾板の前方にスクリーンを置き、可干渉性を有する光源からの光線束を2分し、一方の光線束をスクリーンに照射して生じるスクリーンからの反射光を物体光としてマスタホログラム用乾板に当て、他方の光線束は平行光線束にして、参照光として直接マスタホログラム用乾板に当て、物体光と参照光の干渉縞をマスタホログラム用乾板に記録してマスタホログラム板を作成し、次に、作成されたマスタホログラム板に対して、参照光と逆の方向から、参照光と同質の可干渉性を有する照明光を照射して、回折光線束を発生させてスクリーンの実像であるスクリーンホログラム像を空間に再生し、スクリーンホログラム像の位置に透過型または反射型のホログラム用乾板を置き、照明光と同じ光源から分離した光線束を平行、収束または拡散のいずれかの光線束にして、参照光とし、透過型の場合は回折光線束と同じ側からホログラム用乾板に当てて、または、反射型の場合は回折光線束と逆の側からホログラム用乾板に当てて、回折光線束と参照光との干渉縞を透過型または反射型のホログラム用乾板に記録して作成されたホログラム板であり、前記の照明用光線束は、前記のホログラム板に対して参照光と逆方向から当てられる、
    特定視点画像表示装置。
  2. 請求項1に記載された特定視点画像表示装置において、前記ホログラム板と、マスク映像表示装置で表示されるマスク映像パターンとはいずれも長方形であり、前記のマスク映像情報発生装置は、マスク映像パターンの長方形の少なくとも1つの辺の長さを、ホログラム板の対応する辺の長さに一致させて、他方の辺の長さをマスク映像表示装置とホログラム板の対応する辺の長さの比率で拡大または縮小させて画像の歪みを補正することを特徴とする特定視点画像表示装置。
  3. 請求項1と2のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、前記の照明用光線束発生装置が発生する照明用光線束が平行光線束であることを特徴とする特定視点画像表示装置。
  4. 請求項1と2のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、前記の照明用光線束発生装置が発生する照明用光線束が拡散光線束であることを特徴とする特定視点画像表示装置。
  5. 請求項1と2のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、前記の照明用光線束発生装置が発生する照明用光線束が収束光線束であることを特徴とする特定視点画像表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、ホログラム板は、その前方の外部視野の光も透過することを特徴とする特定視点画像表示装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、ホログラム板が反射型ホログラム板であり、ホログラム板とその前方の外部視野の間に遮光板を設けたことを特徴とする特定視点画像表示装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、前記のマスク映像情報発生装置から伝達されるマスク映像情報がモノクロの濃淡マスク映像パターンの情報であることを特徴とする特定視点画像表示装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載された特定視点画像表示装置において、
    前記の特定視点画像表示装置の中の少なくとも1枚のホログラム板は、複数の面状焦点を空間の異なる位置に生じるように作成されていて、
    異なる位置で同じスクリーンのホログラム像を別々に観察できることを特徴とする特定視点画像表示装置。
  10. 複数の特定視点画像表示装置を備え、各特定視点画像表示装置は、
    指向性を持つ照明用光線束を発生する照明用光線束発生装置と、
    照明用光線束発生装置から発生された前記の照明用光線束を回折して指向性を持つ回折光線束を発生する透過型または反射型のホログラム板であり、前記の照明用光線束の照射により当該ホログラム板の面上または面の近傍にスクリーンをホログラム像として再生し、当該ホログラム板から出る回折光線束が、当該ホログラム板を2段階撮影法で作成するときに使用したマスタホログラム板の像の位置に、当該ホログラム板の焦点を面状に形成して、前記の面状焦点の範囲内に目をおいたときに限り当該ホログラム板を見ると前記のスクリーンのホログラム像を観察できるホログラム板と、
    照明用光線束発生装置から発生した前記の照明用光線束の光路を横切る位置に設けられて、照明用光線束をマスクする2次元のマスク映像パターンを表示するマスク映像表示装置であり、当該マスク映像表示装置を透過した照明用光線束をマスク映像パターンを反映したマスク後光線束に変換して、照明用光線束の代わりにマスク後光線束を前記のホログラム板に照射して、再生される前記のスクリーンのホログラム像にマスク映像パターンを反映して、前記のマスタホログラム板の像の位置に形成される面状焦点の範囲内においた目からマスク映像パターンを反映したスクリーンのホログラム像を観察できるようにしたマスク映像表示装置と、
    マスク映像情報をマスク映像表示装置に伝達してマスク映像表示装置の表示面上に前記のマスク映像パターンを表示させるマスク映像情報発生装置とからなり、
    前記のホログラム板は、マスタホログラム用乾板の前方にスクリーンを置き、可干渉性を有する光源からの光線束を2分し、一方の光線束をスクリーンに照射して生じるスクリーンからの反射光を物体光としてマスタホログラム用乾板に当て、他方の光線束は平行光線束にして、参照光として直接マスタホログラム用乾板に当て、物体光と参照光の干渉縞をマスタホログラム用乾板に記録してマスタホログラム板を作成し、次に、作成されたマスタホログラム板に対して、参照光と逆の方向から、参照光と同質の可干渉性を有する照明光を照射して、回折光線束を発生させてスクリーンの実像であるスクリーンホログラム像を空間に再生し、スクリーンホログラム像の位置に透過型または反射型のホログラム用乾板を置き、照明光と同じ光源から分離した光線束を平行、収束または拡散のいずれかの光線束にして、参照光とし、透過型の場合は回折光線束と同じ側からホログラム用乾板に当てて、または、反射型の場合は回折光線束と逆の側からホログラム用乾板に当てて、回折光線束と参照光との干渉縞を透過型または反射型のホログラム用乾板に記録して作成されたホログラム板であり、前記の照明用光線束は、前記のホログラム板に対して参照光と逆方向から当てられ、
    前記の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点を、空間内の少なくとも2以上の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点の範囲内に置くことができて、それぞれの目を置いた面状焦点に対応する前記のスクリーンのホログラム像を互いに左右独立して観察できるように、前記の複数の特定視点画像表示装置を配置する多視点画像表示装置。
  11. 請求項10に記載された多視点画像表示装置において、
    複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点のうち、少なくとも2つの面状焦点が空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされた各面状焦点に対応するすべてのスクリーンのホログラム像が、重ね合わされた当該面状焦点(以下、面状焦点群という)の範囲内に目を置いた場合に、空間内に連続して観察できるように複数の特定視点画像表示装置が組み合わされ、
    前記の複数の特定視点画像表示装置の組み合わせを、少なくとも2組以上備え、
    前記各組のそれぞれの面状焦点群を、少なくとも2以上の空間内の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内におくことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記の各組の空間内に連続したスクリーンのホログラム像の群を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群を構成する多視点画像表示装置。
  12. 請求項10に記載された多視点画像表示装置において、
    複数の特定視点画像表示装置のそれぞれのスクリーンのホログラム像の全部または一部が、空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされた各スクリーンのホログラム像に対応するすべての面状焦点が、空間内の異なる位置に配置されるようにして、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点の範囲内に置くことができ、それぞれの目をおいた面状焦点に対応する前記のスクリーンのホログラム像を、互いに影響することなく左右独立して観察できるように、前記の複数の特定視点画像表示装置を配置する多視点画像表示装置。
  13. 請求項11に記載された多視点画像表示装置において、
    複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群のそれぞれの少なくとも1つのスクリーンのホログラム像の全部または一部が、空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされたスクリーンのホログラム像に対応するすべての組の面状焦点群が、空間内の異なる位置に配置され、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内におくことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記のスクリーンのホログラム像の群を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群を構成する多視点画像表示装置。
  14. 請求項10に記載された多視点画像表示装置において、
    複数の特定視点画像表示装置のうち、少なくとも2つ以上がスクリーンのホログラム像どうしと面状焦点どうしがそれぞれ空間内の同一位置に重なり、それぞれ照明用光線束発生装置から発生する照明用光線束の色が異なり、それぞれのホログラム板は、対応する異なる色を用いた撮影により作成されており、それぞれのマスク映像情報発生装置は、同時刻に同じ方向から見たマスク映像情報からそれぞれ対応する色成分のみを抽出したマスク映像パターンの情報をそれぞれのマスク映像表示装置に伝達するようにして、
    重ね合わされた当該面状焦点(以下、面状焦点群という)の範囲内に目を置いた場合に、それぞれの色を混合して一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像として観察できるように、複数の特定視点画像表示装置が組み合わされ、
    前記の複数の特定視点画像表示装置の組み合わせを、少なくとも2組以上備え、
    前記各組の重ね合せた面状焦点群を、少なくとも2以上の空間内の異なる位置に配置して、観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置にある各組の重ね合せた面状焦点群の範囲内に置くことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記の各組の一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像を互いに左右独立して観察できるように、複数の組の特定視点画像表示装置の組み合わせの群を構成することを特徴とする多視点画像表示装置。
  15. 請求項14に記載された多視点画像表示装置において、
    複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせ群のそれぞれ1つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像の全部または一部が空間内の同一位置に重なり、かつ、重ね合わされたスクリーンのホログラム像に対応するすべての組の面状焦点群が空間内の異なる位置に配置されるようにして、
    観察者の左右の目を同時にそれぞれ異なる位置の面状焦点群の範囲内に置くことができ、それぞれの目を置いた面状焦点群に対応する前記の一つに見えるカラーのスクリーンのホログラム像を、互いに影響する事なく左右独立して観察できるように、複数組の特定視点画像表示装置の組み合わせ群が構成されることを特徴とする多視点画像表示装置。
  16. 請求項14と15のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、前記の異なる色が赤、緑及び青であることを特徴とする多視点画像表示装置。
  17. 請求項14〜16のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    特定視点画像表示装置の照明用光線束発生装置が多色光または白色光の照明用光線束を発生し、それぞれのホログラム板が、異なる色での撮影により作成されていて、それぞれのホログラム板が対応する色の回折光線束を発生して、重ね合わされたカラーのスクリーンのホログラム像を観察できることを特徴とする多視点画像表示装置。
  18. 請求項14〜16のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    特定視点画像表示装置の照明用光線束発生装置が多色光または白色光の照明用光線束を発生し、それぞれのホログラム板がレインボー型ホログラム板として作成されていて、それぞれのホログラム板により再生されて虹色に分光された回折光線束が形成する虹色の面状焦点を、異なる色の部分が空間内の同一位置で重なるように空間内で平行にずらせて配置されることを特徴とする多視点画像表示装置。
  19. 請求項10と12のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    2以上の視点をもつ多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置され、
    前記のマスク映像情報発生装置は、各組の右端から左端までの面状焦点の順序に従って、同じ順序の面状焦点に対応する各組のそれぞれのマスク映像表示装置に、同じ形のマスク映像パターンを表示させて、
    複数の観察者が同時に同じ多視点画像を観察できる多視点画像表示装置。
  20. 請求項19に記載された多視点画像表示装置において、
    1つの組の前記の特定視点画像表示装置のうちで左端に配置された面状焦点の隣に次の組の前記の特定視点画像表示装置のうちで右端に配置された面状焦点がくるように構成され、横に並んだ複数の観察者が同時に同じ多視点映像を観察できることを特徴とする多視点画像表示装置。
  21. 請求項10と12のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    2以上の視点をもつ前記の多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置され、
    各組の面状焦点の列が観察者に対する奥行き方向に前後に異なる位置に配置され、
    前記のマスク映像情報発生装置は、発生するマスク映像情報のマスク映像パターンについて奥行き方向の距離に対応して視野角と拡大縮小率を変えて、
    観察者の目の位置が前後に移動しても矛盾のない立体視ができることを特徴とする多視点画像表示装置。
  22. 請求項10と12のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    2以上の視点をもつ前記の多視点画像表示装置を1組として、少なくとも2組以上を備え、各組の複数の特定視点画像表示装置のそれぞれの面状焦点が隣り合う位置に配置され、
    各組の面状焦点の列が観察者に対して上下方向に隣り合う位置に配置され、
    前記のマスク映像情報発生装置は、発生するマスク映像情報のマスク映像パターンを上下方向に視角の差に対応して変化させて、
    観察者の目の位置が上下に移動しても矛盾のない立体視ができることを特徴とする多視点画像表示装置。
  23. 請求項10〜13と19〜22のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、前記の特定視点画像表示装置の前記のマスク映像情報発生装置から伝達されるマスク映像情報がモノクロの濃淡マスク映像パターンの情報であることを特徴とする多視点画像表示装置。
  24. 請求項10〜22のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    さらに、各特定視点画像表示装置のマスク映像情報発生装置に接続され、マスク映像パターン発生の同期信号を供給する映像同期装置を備え、
    同時刻の異なる方向からのマスク映像パターンを自動的にタイミングを一致させて表示できることを特徴とする多視点画像表示装置。
  25. 請求項10〜22と24のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    前記の特定視点画像表示装置の中の少なくとも2つの特定視点画像表示装置のホログラム板が共通の1枚のホログラム板であり、該ホログラム板は、その面上または近傍に、前記の少なくとも2つの特定視点画像表示装置のスクリーンのホログラム像を重ねて記録されていて、
    装置全体のホログラム板の厚さを減少されることを特徴とする多視点画像表示装置。
  26. 請求項10〜25のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、
    前記の特定視点画像表示装置の中の少なくと1枚のホログラム板は、複数の面状焦点を空間の異なる位置に生じるように作成されていて、
    異なる位置で同じスクリーンのホログラム像を別々に観察できることを特徴とする多視点画像表示装置。
  27. 請求項10〜26のいずれかに記載された多視点画像表示装置において、前記ホログラム板と、マスク映像表示装置で表示されるマスク映像パターンとはいずれも長方形であり、前記のマスク映像情報発生装置は、マスク映像パターンの長方形の少なくとも1つの辺の長さを、ホログラム板の対応する辺の長さに一致させて、他方の辺の長さをマスク映像表示装置とホログラム板の対応する辺の長さの比率で拡大または縮小させて画像の歪みを補正することを特徴とする多視点画像表示装置。
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