JP2004226928A - 立体画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多人数で多視点の立体的な画像を、自然に近い状態で観察することができる簡便な構成の立体画像表示装置を提供する。
【解決手段】立体画像表示装置100は、複数の映像表示部1〜11と、映像表示部からの映像を結像する夫々レンズ12〜22と、レンズにより結像された映像を回折し、観察位置24〜34に集光するスクリーン23とから構成される。その際、スクリーン23を透過する光線方向が変化しない光の到達位置と観察位置とが一致しないように各映像表示部1〜11を配置する。各映像表示部では、各観察位置用の観察者の片側の眼に対応する視点となるような視差映像が表示され、各観察位置ではそのような映像が観察され、例えば観察者の右眼が観察位置24に位置し、左眼が観察位置25に位置する場合、観察者は観察位置24−25を視点とする3次元の立体的な映像を観察する。
【選択図】 図1
【解決手段】立体画像表示装置100は、複数の映像表示部1〜11と、映像表示部からの映像を結像する夫々レンズ12〜22と、レンズにより結像された映像を回折し、観察位置24〜34に集光するスクリーン23とから構成される。その際、スクリーン23を透過する光線方向が変化しない光の到達位置と観察位置とが一致しないように各映像表示部1〜11を配置する。各映像表示部では、各観察位置用の観察者の片側の眼に対応する視点となるような視差映像が表示され、各観察位置ではそのような映像が観察され、例えば観察者の右眼が観察位置24に位置し、左眼が観察位置25に位置する場合、観察者は観察位置24−25を視点とする3次元の立体的な映像を観察する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視差を利用して画像を立体的に表示する立体画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、三次元的な立体画像を表示する表示装置(以下、3D表示装置という。)では、表示画面が細かい領域に分割され、各領域が一定の規則で右眼用と左眼用とに設定される。スリット状の遮光板、又はレンチキュラーレンズ等を用いて、右眼用の領域には右眼用の視差画像のみを提示し、左眼用の領域には左眼用の視差画像のみを提示することで、左右両眼で同時に画像を見た場合、3D表示を可能としている。
【0003】
しかし、このような方式では、格子状のフィルタをかけた粗い画像となってしまうと共に、ちらつきが生じてしまう。また、この方式ではLCDパネルやPDPパネルの前にスリット状の遮光板又はレンチキュラーレンズ等を設置するため、200型(200インチ)を超えるような大きさの画面を実現することが困難である。
【0004】
また、偏光フィルタ、又は色フィルタ等を利用した眼鏡を用いて、左右両眼に異なる画像を提示する3D表示装置や、左右両眼に各々異なる表示手段を提示するヘッドマウントディスプレイ(head mount display:HMD)がある。
【0005】
しかし、このような表示装置においては、眼鏡、又はHMDという特別な装置を必要するため、気軽に使用するのに難点があるほか、眼とスクリーンとの間の実際の距離と、眼と物体像との間の距離とが同じではないため、長時間使用した場合、観察者にとって疲労感が大きいという問題点がある。
【0006】
また、ホログラムを用いた3D表示装置が下記特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の技術においては、観察者は、ホログラムスクリーン上の同じ位置に右眼用と左眼用との異なる映像を、左右両眼にて同時に見ることができる。そのため、ちらつきもなく、自然に近い状態での3D映像をみることができる。
【0007】
また、多視点の映像を観察することが可能な多視点画像表示装置が下記特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載の技術においては、1つの視点からの画像を表示する特定視点画像表示装置を複数備えたものであり、同時刻の視差が異なる動画像を空間の異なる位置で見えるようにし、それらの視差画像のうちから選択的に左右の眼に適切な視差動画像を提供して多視点で立体視を可能にするものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−355747号公報
【特許文献2】
特開平11−190969号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、回折光が集光する位置が1点しかないため、観察者が顔を移動させると画像が見えなくなり、観察者の位置が1点に限定されてしまう。更に、観察位置が1点しかないため、1人でしか観察できず、同時に複数の観察者が映像を楽しむことはできない。更にまた、視点が異なる複数の画像を同時にひとつの表示装置に表示することもできない。また、上記特許文献2に記載の技術は、ホログラムを利用して多視点の画像を観察することができるものの、装置が大型且つ複雑であると共に、回折されずに直進する0次光が観察者の目に入射してしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、多人数で多視点の立体的な画像を、自然に近い状態で観察することができる簡便な構成の立体画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、上記集光手段は、上記結像手段により結像された画像を回折して上記N個の観察位置に集光する機能を備えた透過型又は反射型ホログラムスクリーンであり、上記集光手段により光線方向が変化しない光の到達位置と、上記観察位置とが一致しないことを特徴とする。
【0012】
本発明においては、異なるN個の位置から撮像された画像を、そのN個の視点と対応するN個の異なる観察位置に集光する集光手段を備えるため、多人数で異なる視点の画像を観察することができると共に、0次光を観察位置からそらすことができ、観察者は高画質な映像を観察することができる。
【0013】
また、上記集光手段は、上記映像を所定の観察面上の所定の観察位置に集光することができ、観察面は、例えば上記集光手段と略平行であって、上記集光手段との間の距離が異なる複数の平行面とすると、奥行き方向にも立体映像を観察することができる。
【0014】
更に、上記N個の観察位置のうち、同一観察面上の同一水平ライン上に集光される2つの観察位置の間隔を人間の両眼の間隔とすることができ、例えば日本人の両眼の間隔の平均は約62.5mmであるため、そのような間隔とすることで、観察者が移動しても高画質な立体映像を観察することができる。
【0015】
本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、上記結像手段は、上記N個の視点の画像をN個の異なる位置から上記集光手段に結像し、上記集光手段は、上記結像手段により結像された各画像を再帰反射する再帰反射型スクリーンと、上記結像手段と該再帰反射型スクリーンとの間に配置され該再帰反射された画像を上記N個の観察位置に集光するハーフミラーとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、多人数で多視点の観察を可能とすると共に、再起反射を利用することにより、装置を小型化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、複数の観察者が同時に立体画像(映像)を見ることができると共に、観察者が移動しても立体映像を見ることができる立体画像表示装置に本発明を適用したものである。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態における立体表示装置を上方から模式的に示す平面図である。本実施の形態の立体表示装置100は、複数(N個)の視点の視差映像(視差画像)を表示する映像表示部1〜11と、映像表示部1〜11からの各映像を結像する結像手段である夫々レンズ12〜22と、レンズ12〜22により結像された映像(光)を回折し、複数の視点に対応した複数の観察位置に集光する集光手段であって、集光作用と偏向作用とを有するホログラムスクリーン23とから構成される。観察位置は、映像表示部1〜11とは、スクリーン23を挟んだ反対側であって、スクリーン23に略並行な面(以下、観察面ともいう。)上に位置している。
【0019】
映像表示部1〜11は、例えば透過型液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)等であり、ここでは、11個の映像表示部を示しているが、必要に応じた個数を配置することができる。例えば透過型LCDの場合、各映像表示部1〜11には、光源(バックライト)(図示せず)が設けられ、各映像表示部1〜11の液晶パネルに表示された映像により、各光源からの光を変調し、結像手段であるレンズ12〜22によってスクリーン23上の同一の位置に結像される。各映像表示部1〜11において表示される映像は、同一の物体等の被写体又は風景等を夫々異なるカメラ位置又は角度(視点)から撮影した映像である。
【0020】
また、映像表示部1〜11が例えばCRT(cathode−ray tube)である場合は、図2に示すように、その後段にカメラ等の撮像手段1a〜11a(図2においては、撮像手段1a〜4aのみ図示)を設け、この撮像手段1a〜11aにより異なる角度又は位置から撮像された1つの被写体70又は風景等の映像をCRT1b〜11b(図2においては、CRT1b〜4bのみ図示)により表示し、その表示光がレンズ12〜22(図2においては、レンズ12〜15のみ図示)によって同一の結像位置であるスクリーン23上に結像される。
【0021】
スクリーン23は、例えば透過型ホログラムスクリーンであり、レンズ12〜22により結像された視点が異なる各映像を回折し、スクリーン23と並行な、図1において、Aで示す観察面上の夫々上記各映像に対応する観察位置24〜34に集光する。
【0022】
即ち、図1において、映像表示部1からの映像は、映像表示部1の結像手段であるレンズ12により、スクリーン23上に結像され、スクリーン23にて回折され、観察位置24に集光される。具体的には映像表示部1からの光線41aは、スクリーン23にて回折されて光線41bとなり、光線42aはスクリーン23にて回折され光線42bとなり、観察位置24に集光される。同様に、映像表示部2の像は、スクリーン23により回折し、観察位置25に集光され、映像表示部3〜11の像は、夫々観察位置26〜34に集光される。
【0023】
観察位置24〜34では、観察者の片側の眼に対応する視点となるような視差映像が観察される。つまり、映像表示部1では、観察位置24用の視差映像、即ち、観察位置24に対応する仮想的なカメラ位置における映像が生成又は撮像され、表示されており、映像表示部2では観察位置25用の視差映像が生成又は撮像され、表示される。同様に映像表示部3〜11では、夫々観察位置26〜34用の視差映像が生成又は撮像され、表示される。その結果、観察位置24〜34においては、観察者の右眼が観察位置24に位置し、左眼が観察位置25に位置する場合、観察者は視点となる観察位置24−25における3次元の立体的な映像(3D映像)を見ることができる。即ち、各映像の視点と観察位置とは相対的な位置関係を有する。なお、各表示部1〜11にて表示する視差映像を生成する映像生成部等を設け、生成した視差映像を各表示部に供給するようにしてもよい。
【0024】
ここで、隣接する例えば観察位置24と25との観察位置の間隔は、人間の両眼の間隔以下であることが必要である。隣接する観察位置を人間の両眼の間隔より狭くする場合は、例えば人間の両眼の間隔の半分の間隔とする等、人間の両眼の間隔となる観察位置を設けるようにすればよい。このような間隔にすることにより、観察者が頭を移動させて、右眼が左眼の位置であった観察位置25に移動し、左眼が観察位置25に隣接する観察位置26に移動した場合、観察者は視点となる観察位置25−26における3D映像を見ることができる。観察位置25−26で見ることのできる映像は、観察位置24−25と比較し、被写体をすこし左に位置する視点から見た映像となるよう、映像表示部1〜11にて表示する映像を制御する。即ち、映像表示部1〜11にて表示される各映像は、同一の被写体又は風景を異なるカメラ位置で撮像するか、異なるカメラ位置で撮像されたような映像として生成されており、スクリーン23により、これらのカメラ位置と相対的に同一の位置関係となるよう各観察位置24〜34に集光される。こうして、例えば図1に示すように、11個の観察位置を設けることにより、観察者は、観察位置24〜34の連続した観察位置において、10視点の3D映像を見ることができる。
【0025】
ここで、スクリーン23の回折角度を最適化設計することにより、各視点位置への集光具合を最適化することができる。その結果、眼の位置が視点位置24〜34の間に位置していれば、どこでいても3D映像をみることができる。
【0026】
スクリーン23が例えば透過型のホログラムスクリーンである場合、例えばガラス、又はプラスチック等の基板にゼラチン系銀塩、又は重クロム酸ゼラチン等を塗布した乾板に複数回露光することにより作成された1枚のホログラムとすることができる。又は、各観察位置用に回折角が異なる複数のホログラムを重ねて形成したものとしてもよい。
【0027】
図3(a)乃至図3(c)は、ホログラムスクリーンにおける回折原理を説明する図である。一般的に、ホログラムを作る場合には、参照光と物体光の2つの波面を記録材料に照射して干渉縞として作製する。参照光と物体光の組み合わせとしては、単純には、球面波と球面波の組み合わせ、平面波と球面波の組み合わせ、及び平面波と平面波の組み合わせ等があり、夫々球面波から球面波を、平面波から球面波を、及び平面波から平面波を再生することになる。例えば、図3(a)に示すように、ホログラムスクリーンHを透過した光が焦点F2に収束するような球面波(発散光)を発生させ、ホログラムスクリーンHに照射する。一方、得ようとする作用焦点位置F2に、例えば顕微鏡対物レンズとスペーシャルフィルタ等によって点光源をつくり、この点光源より球面波を発生させ、ホログラムスクリーンHを照射する。ホログラムスクリーンHには、F1に集光する球面波とF2からの球面波とによってホログラムが記録される。ここで、図3(b)に示すように、記録されたホログラムに、F1から球面波を照射すると、ホログラムスクリーンHによりその球面波が回折されF2に集光する。また、図3(c)に示すように、記録されたホログラムにF2から球面波を照射すると焦点F1に集光する。本実施の形態におけるホログラムスクリーンは、複数の映像表示部からの映像(光)を複数の集光点である異なる観察位置に集光するよう複数の干渉縞を作製するか、又は干渉縞を有する複数のスクリーンを張り合わせたものとすることができる。
【0028】
また、観察者にコントラストが高い鮮明な画像を提供するためには、LCDを透過した光源の0次光が観察者の眼に直接入らないようにする必要がある。図4は、0次光の問題を解決するための構成の一例を説明する図であって、図1に示す本実施の形態における立体画像表示装置の側面図である。
【0029】
全ての映像表示部1〜11の映像は、ホログラムスクリーン23を透過回折し、観察面A上の垂直方向においては、足元床面50から同一の高さ位置、例えば観察者51の視点となる視点高さhの観察位置24〜34に集光される。また、上述したように、観察位置24〜34の水平方向における隣接する観察位置の間隔Lは、図1に示すように、人間の両眼の間隔以下、例えば62.5mm以下の間隔で、同一水平ライン上に集光される。
【0030】
ここで、図4に示すように、例えば表示部1,3,5,7,9,11は、スクリーン23に対して視点高さhより高い位置h1に設け、この位置h1からの像をスクリーン23により回折して観察面A上の所定の観察位置に集光させるものとし、表示部2,4,6,8,10は、スクリーン23に対して視点高さhより低い位置h2からの像をスクリーン23により回折して集光させるものとする。即ち、観察者51の視点から外れた位置、例えば、観察者の頭頂部より高い例えば天井(図示せず)付近C及び足元床面付近Dに0次光が到達するように、光源(映像表示部)の高さ位置h1、h2を調整する。
【0031】
これにより、表示部1〜11及びスクリーン23を透過する光のうち、スクリーン23にて回折されずに直進する0次光61、62は、観察者51の夫々足元床面付近D及び天井付近Cに到達するため、観察者51の眼に直接入ることない。そのため観察者は、高画質な多視点3D映像を観察することができる。
【0032】
このように構成された本実施の形態においては、観察者の両眼の間隔以下の観察位置を複数設けることにより、同時に多人数にて観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者の視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる3D映像を提供することができる。これにより、観察者は建物に設置された窓のひとつを見るように、左に移動すれば左から見た映像を、右に移動すれば右から見た映像を、立体的に観察することができ、従来のレンチキュラーやパララックスバリアを用いた方式のように、映像がちらつくことがなく、自然な感覚で映像を楽しむことができる。また、眼鏡型ディスプレイのように装置を装着する必要もないため、リラックスして映像を楽しむことができる。また、映像表示部1〜11の後段にスクリーン23を配置すればよく、また、映像表示部にて表示する映像数により視点(観察位置)を容易に増やすことができ、極めて簡便な構成とすることができ、装置の設置、移動等が容易である。
【0033】
また、スクリーン23により光線方向が変化しない0光の到達位置と、観察位置24〜34とが一致しないため、観察者は高画質な映像を観察することができる。更に、本実施の形態においては、観察面A上の同一高さ(同一水平ライン上)に複数の観察位置を設けるものとしたが、観察面A上で、異なる高さの複数の観察位置を設ければ、観察者は、立ったり座ったりしても視差画像を観察することができる。更に、映像表示部では、動画像だけでなく、静止画像を表示してもよい。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態は、観察者がスクリーンに近づいたり、スクリーンから遠ざかったりした場合においても立体映像を見ることができる立体画像表示装置である。図5は、本実施の形態における立体画像表示装置を上方から模式的に示す平面図である。
【0035】
図5に示すように、本実施の形態の立体画像表示装置200は、複数の映像表示部101〜111と、映像表示部101〜111からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ112〜122と、レンズ112〜122により結像された映像(光)を回折して所定の観察位置に集光する、集光作用と偏向作用とを有するホログラムスクリーン123とから構成される。
【0036】
レンズ112〜122は、第1の実施の形態と同様に、スクリーン123上の同一の位置に映像表示部101〜111からの映像を結像する。また、スクリーン123は、例えば第1の実施の形態と同様に、多重又は多層型のホログラムからなる透過型ホログラムスクリーンであり、レンズ112〜122により結像された各映像を回折し、所定の観察面上の所定の観察位置に集光する。ここで、第1の実施の形態と異なり、本実施の形態においては、スクリーン123に並行な面である観察面として、スクリーン123との間の距離が異なる観察面E1,E2を設け、この2つの観察面E1,E2上の所定の位置に映像を集光する。
【0037】
即ち、図5において、映像表示部101からの映像は、レンズ112により、スクリーン123上に結像され、スクリーン123にて回折され、観察面E1上の観察位置124に集光される。同様に、映像表示部102〜106からの映像は、夫々レンズ112〜117によりスクリーン123上に結像され、観察面E1上の観察位置125〜129に集光される。ここで、同一の観察面E1上に集光される観察位置124〜129は、観察者の片側の眼に対応する視点となる観察位置であり、夫々異なる視点における視差映像が集光される。その結果、観察者の右眼が観察位置124に位置し、左眼が観察位置125位置する場合、観察者は視点位置124−125における3D(立体)映像を見ることができる。
【0038】
一方、映像表示部107の像は、スクリーン123により回折し、観察面E1よりもスクリーン123に近い観察面E2の観察位置130に集光される。同様に、映像表示部108〜111からの映像は、夫々レンズ119〜122によりスクリーン123上に結像され、観察面E2上の観察位置131〜134に集光される。このように、本実施の形態においては、スクリーン123により回折され集光される光のスクリーンからの距離を異ならせ、観察面を複数設けるものとする。
【0039】
ここで、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、同一観察面上の隣接する観察位置の間隔、例えば、観察面E1上の観察位置124と125との間隔、観察面E2上の観察位置130と131との間隔等は人間の眼の間隔以下であることが必要である。
【0040】
例えば、同一観察面上の観察位置を人間の両眼の間隔とすれば、観察者が、観察面E1上の例えば観察位置124−125における3D映像を見ていた位置から頭を移動し、右眼が位置125に位置し、左眼が位置126に位置した場合、観察者は視点位置130−131における3D映像を見ることができる。観察位置130−131で見ることのできる映像は、観察位置124−125と比較し、被写体に少し近づき且つ左に位置する視点から見た映像となる。
【0041】
このように観察面を2つ設けることにより、観察位置124〜134までの観察位置において、前後移動を含む9視点の3D映像を見ることができる。また、スクリーン123からの距離が異なる3つ以上の観察面を設けることもでき、また、各観察面は、互いに平行でなくてもよく、複数の観察者により、複数位置から立体映像を観察することができる。また、その際、第1の実施の形態と同様、スクリーン123により光線方向が変化しない0光が観察位置124〜134とならないよう、レンズ112〜122により映像表示部101〜111からの映像を結像する。
【0042】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、スクリーンから異なる距離の複数の観察面を設けることにより、観察者が前後に移動しても立体的な映像を観察することができ、例えば、前に移動すれば、被写体に近づいた3D映像を見ることができる。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。本実施の形態は、透過型のスクリーンではなく、反射型のスクリーンを使用して映像を集光する点が上述の第1及び第2の実施の形態とは異なる。
【0044】
図6に示すように、本実施の形態の立体画像表示装置300は、複数の映像表示部201〜211と、映像表示部201〜211からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ212〜222と、レンズ212〜222により結像された映像(光)を反射するスクリーン223と、スクリーン223からの光線を反射し曲げて映像を所定の位置に集光するハーフミラー250とから構成される。
【0045】
映像表示部201〜211は、第1の実施の形態と同様に、例えば透過型LCD又はCRT等からなり、透過型LCDの場合、各映像表示部201〜211上に2次元の映像を表示して、表示した映像により各バックライトからの光を変調して出射する。こうして出射された光は、結像手段であるレンズ212〜222により、再帰性スクリーン223上に結像される。また、映像表示部201〜211がCRTである場合は、その後段に設けた撮像手段により撮像された映像をCRTにより表示し、その表示光がレンズ212〜222により、再帰性スクリーン223上に結像される。
【0046】
スクリーン223は、再帰反射、即ち入射光の光路にほぼ沿う方向に選択的に反射光が戻る再帰反射型スクリーンである。再帰反射型スクリーンとしては、例えば例えば図7に示すミラータイプ、又は、スクリーン223に反射層を設け、その反射層上にガラスビーズ層をスクリーン印刷する等して形成されたビーズタイプ等があり、レンズ212〜222により結像された各映像を指向性反射する。
【0047】
図7に示すミラータイプの再帰反射スクリーンにおいては、スクリーンの反射面に並行な方向(矢印Gの方向)には、90°の角度を有する対称形状の断面三角波状のミラーが複数配置されて、紙面と垂直方向には光を拡散する機能を備えた構造になっている。このため、矢印Gの方向には光源の方向に光が帰っていく再帰性を有する。紙面と垂直方向には光を拡散するため、一般的なスクリーンのように、色々な方向に光を反射する、即ち、正面からでも、斜めからでも、あまり明るさが変わらず光を観察することができ、観察位置に映像が表示される。このミラーとしては、例えば、直交する3面を有する四面体のプリズムであって、入射光に対してプリズムの位置が変動しても、反射光は正しく入射光の方向に戻るコーナーキューブ等の原理を応用して構成することができる。
【0048】
ハーフミラー250は、スクリーン223にて再帰反射した映像を、観察面上の所定の観察位置に集光する。本実施の形態においては、映像表示部201〜211が配列された面と並行になるようにスクリーン223が配置され、映像表示部201〜211とスクリーン223との間に配置されたハーフミラー250により、スクリーン223とは直交する観察面F上の所定の観察位置に集光する。
【0049】
即ち、図6において、映像表示部201からの映像は、映像表示部201の結像手段であるレンズ212により、スクリーン223上に結像され、スクリーン223にて再帰反射され、ハーフミラー250により観察位置224に集光される。具体的には映像表示部201からの光線241aは、再帰反射スクリーン223にて再帰反射されて光線241bとなり、ハーフミラー250により光線241cとなって観察位置224に集光される。また、映像表示部201からの光線242aはスクリーン223にて再帰反射され光線242bとなり、ハーフミラー250により光線242cとなり、観察位置224に集光される。
【0050】
ここで、本実施の形態においても、観察位置224〜234は、観察面F上で略等間隔となっており、その間隔は観察者の両眼の間隔となるよう調整されている。上述したように、映像表示部201とは左側の隣接する映像表示部202にて表示される映像は、映像表示部201にて表示される映像に対して両眼間隔分ずれた視差映像を表示する。このようにして、各映像表示部201〜211にて表示される映像には適切な視差を持たせるようにする。
【0051】
即ち、映像表示部201〜211には、夫々観察位置224〜234用の視差映像が表示されており、その結果、観察者の右眼が例えば観察位置224に位置し、左眼が観察位置225に位置する場合、観察者は視点位置224−225における3D(立体)映像を見ることができる。そして、観察者が頭を移動させて、右眼が観察位置225に位置し、左眼が観察位置225の1つ左側の観察位置226に位置した場合、観察者は視点位置225−226における3D映像、即ち、観察位置225−226と比較して被写体を両眼間隔1つ分左にずれた位置の視点から見た映像を見ることができる。このように観察位置224〜234までの11個の観察位置を設けることにより、10視点の3D映像を見ることができる。
【0052】
このように構成された本実施の形態においては、再帰反射スクリーン及びハーフミラーにより、異なる視点の映像を視点と対応する異なる観察位置に集光するようにしたので、上述の第1及び第2の実施の形態と比較して、立体画像表示装置の大きさをコンパクトにできる利点がある。
【0053】
また、上述の第1及び第2の実施の形態と同様に、同時に多人数にて観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者の視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる3D映像を提供することができる。これにより、観察者は建物に設置された窓のひとつを見るように、左に移動すれば左から見た映像を、右に移動すれば右から見た映像を、立体的に観察することができ、自然な感覚で映像をリラックスして映像を楽しむことができる。
【0054】
次に、本発明の第4の実施の形態において説明する。本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に再帰性反射スクリーンを利用したものであるが、その配置位置を変更して映像における輝度むらの改善を図ったものである。
【0055】
図8は、本実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。図8に示すように、本実施の形態を本実施の形態における立体画像表示装置400においても、複数の映像表示部301〜311と、映像表示部301〜311からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ312〜322と、レンズ312〜322により結像された映像(光)を反射するスクリーン323と、スクリーン323からの光線を反射し曲げて映像を所定の位置に集光するハーフミラー350とから構成されるが、レンズ312〜322により結像される映像(光)の再帰性反射スクリーン323に対する入射角Φ(スクリーン323の法線と光線とのなす角)を大きく、好ましくは45°<Φ<90°となるように配置する。これにより、観察される映像の輝度むらを大幅に軽減することができる。
【0056】
その理由について説明する。図9は、再帰性反射スクリーンに対する入射光の入射角Φとその反射率との関係を示すグラフ図である。図9に示すように、再帰性スクリーンの性能は、スクリーンとスクリーンに入射する光の光線とがなす角度(90°−入射角Φ)と、スクリーンから反射される光の光反射率との関係を示す曲線Lで示されるように、入射角Φ=0°付近で光反射率が大きく、一方、スクリーンに対してななめに入射するようにして入射角Φを大きくすると光反射率が小さくなり、入射角の変化に対する反射率変化(反射率勾配)もなだらかになる。即ち、θ=90°−入射角Φ=αより小さい領域Aでは、曲線Lの反射勾配が大きいため輝度むらが生じやすいのに対し、αよりが大きい領域Bでは、曲線Lの勾配が小さいため輝度むらが生じにくい。
【0057】
上述したように、複数の映像表示部301〜311が映像出射面I上に配置される場合、再帰性反射スクリーンは、光線を入射方向に沿った方向に反射する性質を有するため、本実施の形態のように、映像出射面Iに対して斜めに配置しても、第3の実施の形態のように、映像出射面Iに対向して平行する位置に配置しても、観察位置324〜334に映像を再現することができる。
【0058】
このような再帰性を有するスクリーンにおいて、図9に示す反射特性を利用し、映像出射面Iに平行な面から傾けてスクリーン323に対する光の入射角を大きくする(スクリーン323に入射する光線とスクリーン323とのなす角を小さくする)ことで、反射勾配がなだらかで角度依存性が少ない領域Bの反射光を使用することができるので、その結果、観察位置324〜334における映像の輝度むらを改善することができる。このような反射勾配が小さい領域Aの反射光を使用して、輝度むらが軽減される効果を得るためには、45°<入射角Φ<90°、即ち、α=45°未満であることが好ましい。
【0059】
ここで、映像出射面Iに対してスクリーン323を平行ではなく、傾斜して配置する際、図8に示すスクリーン323のように紙面に対して垂直に配置されなくてもよく、映像出射面Iに対してスクリーン323がねじれた3次元的な傾斜としてもよい。
【0060】
本実施の形態においては、第3の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、再帰性反射スクリーン323は、結像手段であるレンズ312〜322からの入射角が大きくなる方向に、映像出射面Iに対してスクリーン323への入射角が大きくなるように傾斜して配置し、再帰性反射スクリーンに対して映像(光)が入射する角度をできるだけ小さくすることで、入射角度依存性少ない領域の反射光を得ることができ、輝度むらを極めて小さくすることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有するので、複数設けられた観察位置により多視点の3次元立体映像を表示することができ、簡便な構成で、同時に多人数にて映像を観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者が前後左右に移動して視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置の映像表示部の一例を示す模式図である。
【図3】(a)乃至(c)は、ホログラムスクリーンにおける回折原理を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図7】再帰反射型スクリーンのミラータイプを示す模式図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図9】再帰性反射スクリーンに対する入射光の入射角Φとその反射率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
100,200,300 立体画像表示装置、1〜11,101〜111,201〜211 映像表示部、12〜22,112〜122,212〜222 レンズ、23,123,223 スクリーン、50 足元床面、51 観察者、61、62 0次光、250 ハーフミラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、視差を利用して画像を立体的に表示する立体画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、三次元的な立体画像を表示する表示装置(以下、3D表示装置という。)では、表示画面が細かい領域に分割され、各領域が一定の規則で右眼用と左眼用とに設定される。スリット状の遮光板、又はレンチキュラーレンズ等を用いて、右眼用の領域には右眼用の視差画像のみを提示し、左眼用の領域には左眼用の視差画像のみを提示することで、左右両眼で同時に画像を見た場合、3D表示を可能としている。
【0003】
しかし、このような方式では、格子状のフィルタをかけた粗い画像となってしまうと共に、ちらつきが生じてしまう。また、この方式ではLCDパネルやPDPパネルの前にスリット状の遮光板又はレンチキュラーレンズ等を設置するため、200型(200インチ)を超えるような大きさの画面を実現することが困難である。
【0004】
また、偏光フィルタ、又は色フィルタ等を利用した眼鏡を用いて、左右両眼に異なる画像を提示する3D表示装置や、左右両眼に各々異なる表示手段を提示するヘッドマウントディスプレイ(head mount display:HMD)がある。
【0005】
しかし、このような表示装置においては、眼鏡、又はHMDという特別な装置を必要するため、気軽に使用するのに難点があるほか、眼とスクリーンとの間の実際の距離と、眼と物体像との間の距離とが同じではないため、長時間使用した場合、観察者にとって疲労感が大きいという問題点がある。
【0006】
また、ホログラムを用いた3D表示装置が下記特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の技術においては、観察者は、ホログラムスクリーン上の同じ位置に右眼用と左眼用との異なる映像を、左右両眼にて同時に見ることができる。そのため、ちらつきもなく、自然に近い状態での3D映像をみることができる。
【0007】
また、多視点の映像を観察することが可能な多視点画像表示装置が下記特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載の技術においては、1つの視点からの画像を表示する特定視点画像表示装置を複数備えたものであり、同時刻の視差が異なる動画像を空間の異なる位置で見えるようにし、それらの視差画像のうちから選択的に左右の眼に適切な視差動画像を提供して多視点で立体視を可能にするものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−355747号公報
【特許文献2】
特開平11−190969号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、回折光が集光する位置が1点しかないため、観察者が顔を移動させると画像が見えなくなり、観察者の位置が1点に限定されてしまう。更に、観察位置が1点しかないため、1人でしか観察できず、同時に複数の観察者が映像を楽しむことはできない。更にまた、視点が異なる複数の画像を同時にひとつの表示装置に表示することもできない。また、上記特許文献2に記載の技術は、ホログラムを利用して多視点の画像を観察することができるものの、装置が大型且つ複雑であると共に、回折されずに直進する0次光が観察者の目に入射してしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、多人数で多視点の立体的な画像を、自然に近い状態で観察することができる簡便な構成の立体画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、上記集光手段は、上記結像手段により結像された画像を回折して上記N個の観察位置に集光する機能を備えた透過型又は反射型ホログラムスクリーンであり、上記集光手段により光線方向が変化しない光の到達位置と、上記観察位置とが一致しないことを特徴とする。
【0012】
本発明においては、異なるN個の位置から撮像された画像を、そのN個の視点と対応するN個の異なる観察位置に集光する集光手段を備えるため、多人数で異なる視点の画像を観察することができると共に、0次光を観察位置からそらすことができ、観察者は高画質な映像を観察することができる。
【0013】
また、上記集光手段は、上記映像を所定の観察面上の所定の観察位置に集光することができ、観察面は、例えば上記集光手段と略平行であって、上記集光手段との間の距離が異なる複数の平行面とすると、奥行き方向にも立体映像を観察することができる。
【0014】
更に、上記N個の観察位置のうち、同一観察面上の同一水平ライン上に集光される2つの観察位置の間隔を人間の両眼の間隔とすることができ、例えば日本人の両眼の間隔の平均は約62.5mmであるため、そのような間隔とすることで、観察者が移動しても高画質な立体映像を観察することができる。
【0015】
本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、上記結像手段は、上記N個の視点の画像をN個の異なる位置から上記集光手段に結像し、上記集光手段は、上記結像手段により結像された各画像を再帰反射する再帰反射型スクリーンと、上記結像手段と該再帰反射型スクリーンとの間に配置され該再帰反射された画像を上記N個の観察位置に集光するハーフミラーとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、多人数で多視点の観察を可能とすると共に、再起反射を利用することにより、装置を小型化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、複数の観察者が同時に立体画像(映像)を見ることができると共に、観察者が移動しても立体映像を見ることができる立体画像表示装置に本発明を適用したものである。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態における立体表示装置を上方から模式的に示す平面図である。本実施の形態の立体表示装置100は、複数(N個)の視点の視差映像(視差画像)を表示する映像表示部1〜11と、映像表示部1〜11からの各映像を結像する結像手段である夫々レンズ12〜22と、レンズ12〜22により結像された映像(光)を回折し、複数の視点に対応した複数の観察位置に集光する集光手段であって、集光作用と偏向作用とを有するホログラムスクリーン23とから構成される。観察位置は、映像表示部1〜11とは、スクリーン23を挟んだ反対側であって、スクリーン23に略並行な面(以下、観察面ともいう。)上に位置している。
【0019】
映像表示部1〜11は、例えば透過型液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)等であり、ここでは、11個の映像表示部を示しているが、必要に応じた個数を配置することができる。例えば透過型LCDの場合、各映像表示部1〜11には、光源(バックライト)(図示せず)が設けられ、各映像表示部1〜11の液晶パネルに表示された映像により、各光源からの光を変調し、結像手段であるレンズ12〜22によってスクリーン23上の同一の位置に結像される。各映像表示部1〜11において表示される映像は、同一の物体等の被写体又は風景等を夫々異なるカメラ位置又は角度(視点)から撮影した映像である。
【0020】
また、映像表示部1〜11が例えばCRT(cathode−ray tube)である場合は、図2に示すように、その後段にカメラ等の撮像手段1a〜11a(図2においては、撮像手段1a〜4aのみ図示)を設け、この撮像手段1a〜11aにより異なる角度又は位置から撮像された1つの被写体70又は風景等の映像をCRT1b〜11b(図2においては、CRT1b〜4bのみ図示)により表示し、その表示光がレンズ12〜22(図2においては、レンズ12〜15のみ図示)によって同一の結像位置であるスクリーン23上に結像される。
【0021】
スクリーン23は、例えば透過型ホログラムスクリーンであり、レンズ12〜22により結像された視点が異なる各映像を回折し、スクリーン23と並行な、図1において、Aで示す観察面上の夫々上記各映像に対応する観察位置24〜34に集光する。
【0022】
即ち、図1において、映像表示部1からの映像は、映像表示部1の結像手段であるレンズ12により、スクリーン23上に結像され、スクリーン23にて回折され、観察位置24に集光される。具体的には映像表示部1からの光線41aは、スクリーン23にて回折されて光線41bとなり、光線42aはスクリーン23にて回折され光線42bとなり、観察位置24に集光される。同様に、映像表示部2の像は、スクリーン23により回折し、観察位置25に集光され、映像表示部3〜11の像は、夫々観察位置26〜34に集光される。
【0023】
観察位置24〜34では、観察者の片側の眼に対応する視点となるような視差映像が観察される。つまり、映像表示部1では、観察位置24用の視差映像、即ち、観察位置24に対応する仮想的なカメラ位置における映像が生成又は撮像され、表示されており、映像表示部2では観察位置25用の視差映像が生成又は撮像され、表示される。同様に映像表示部3〜11では、夫々観察位置26〜34用の視差映像が生成又は撮像され、表示される。その結果、観察位置24〜34においては、観察者の右眼が観察位置24に位置し、左眼が観察位置25に位置する場合、観察者は視点となる観察位置24−25における3次元の立体的な映像(3D映像)を見ることができる。即ち、各映像の視点と観察位置とは相対的な位置関係を有する。なお、各表示部1〜11にて表示する視差映像を生成する映像生成部等を設け、生成した視差映像を各表示部に供給するようにしてもよい。
【0024】
ここで、隣接する例えば観察位置24と25との観察位置の間隔は、人間の両眼の間隔以下であることが必要である。隣接する観察位置を人間の両眼の間隔より狭くする場合は、例えば人間の両眼の間隔の半分の間隔とする等、人間の両眼の間隔となる観察位置を設けるようにすればよい。このような間隔にすることにより、観察者が頭を移動させて、右眼が左眼の位置であった観察位置25に移動し、左眼が観察位置25に隣接する観察位置26に移動した場合、観察者は視点となる観察位置25−26における3D映像を見ることができる。観察位置25−26で見ることのできる映像は、観察位置24−25と比較し、被写体をすこし左に位置する視点から見た映像となるよう、映像表示部1〜11にて表示する映像を制御する。即ち、映像表示部1〜11にて表示される各映像は、同一の被写体又は風景を異なるカメラ位置で撮像するか、異なるカメラ位置で撮像されたような映像として生成されており、スクリーン23により、これらのカメラ位置と相対的に同一の位置関係となるよう各観察位置24〜34に集光される。こうして、例えば図1に示すように、11個の観察位置を設けることにより、観察者は、観察位置24〜34の連続した観察位置において、10視点の3D映像を見ることができる。
【0025】
ここで、スクリーン23の回折角度を最適化設計することにより、各視点位置への集光具合を最適化することができる。その結果、眼の位置が視点位置24〜34の間に位置していれば、どこでいても3D映像をみることができる。
【0026】
スクリーン23が例えば透過型のホログラムスクリーンである場合、例えばガラス、又はプラスチック等の基板にゼラチン系銀塩、又は重クロム酸ゼラチン等を塗布した乾板に複数回露光することにより作成された1枚のホログラムとすることができる。又は、各観察位置用に回折角が異なる複数のホログラムを重ねて形成したものとしてもよい。
【0027】
図3(a)乃至図3(c)は、ホログラムスクリーンにおける回折原理を説明する図である。一般的に、ホログラムを作る場合には、参照光と物体光の2つの波面を記録材料に照射して干渉縞として作製する。参照光と物体光の組み合わせとしては、単純には、球面波と球面波の組み合わせ、平面波と球面波の組み合わせ、及び平面波と平面波の組み合わせ等があり、夫々球面波から球面波を、平面波から球面波を、及び平面波から平面波を再生することになる。例えば、図3(a)に示すように、ホログラムスクリーンHを透過した光が焦点F2に収束するような球面波(発散光)を発生させ、ホログラムスクリーンHに照射する。一方、得ようとする作用焦点位置F2に、例えば顕微鏡対物レンズとスペーシャルフィルタ等によって点光源をつくり、この点光源より球面波を発生させ、ホログラムスクリーンHを照射する。ホログラムスクリーンHには、F1に集光する球面波とF2からの球面波とによってホログラムが記録される。ここで、図3(b)に示すように、記録されたホログラムに、F1から球面波を照射すると、ホログラムスクリーンHによりその球面波が回折されF2に集光する。また、図3(c)に示すように、記録されたホログラムにF2から球面波を照射すると焦点F1に集光する。本実施の形態におけるホログラムスクリーンは、複数の映像表示部からの映像(光)を複数の集光点である異なる観察位置に集光するよう複数の干渉縞を作製するか、又は干渉縞を有する複数のスクリーンを張り合わせたものとすることができる。
【0028】
また、観察者にコントラストが高い鮮明な画像を提供するためには、LCDを透過した光源の0次光が観察者の眼に直接入らないようにする必要がある。図4は、0次光の問題を解決するための構成の一例を説明する図であって、図1に示す本実施の形態における立体画像表示装置の側面図である。
【0029】
全ての映像表示部1〜11の映像は、ホログラムスクリーン23を透過回折し、観察面A上の垂直方向においては、足元床面50から同一の高さ位置、例えば観察者51の視点となる視点高さhの観察位置24〜34に集光される。また、上述したように、観察位置24〜34の水平方向における隣接する観察位置の間隔Lは、図1に示すように、人間の両眼の間隔以下、例えば62.5mm以下の間隔で、同一水平ライン上に集光される。
【0030】
ここで、図4に示すように、例えば表示部1,3,5,7,9,11は、スクリーン23に対して視点高さhより高い位置h1に設け、この位置h1からの像をスクリーン23により回折して観察面A上の所定の観察位置に集光させるものとし、表示部2,4,6,8,10は、スクリーン23に対して視点高さhより低い位置h2からの像をスクリーン23により回折して集光させるものとする。即ち、観察者51の視点から外れた位置、例えば、観察者の頭頂部より高い例えば天井(図示せず)付近C及び足元床面付近Dに0次光が到達するように、光源(映像表示部)の高さ位置h1、h2を調整する。
【0031】
これにより、表示部1〜11及びスクリーン23を透過する光のうち、スクリーン23にて回折されずに直進する0次光61、62は、観察者51の夫々足元床面付近D及び天井付近Cに到達するため、観察者51の眼に直接入ることない。そのため観察者は、高画質な多視点3D映像を観察することができる。
【0032】
このように構成された本実施の形態においては、観察者の両眼の間隔以下の観察位置を複数設けることにより、同時に多人数にて観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者の視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる3D映像を提供することができる。これにより、観察者は建物に設置された窓のひとつを見るように、左に移動すれば左から見た映像を、右に移動すれば右から見た映像を、立体的に観察することができ、従来のレンチキュラーやパララックスバリアを用いた方式のように、映像がちらつくことがなく、自然な感覚で映像を楽しむことができる。また、眼鏡型ディスプレイのように装置を装着する必要もないため、リラックスして映像を楽しむことができる。また、映像表示部1〜11の後段にスクリーン23を配置すればよく、また、映像表示部にて表示する映像数により視点(観察位置)を容易に増やすことができ、極めて簡便な構成とすることができ、装置の設置、移動等が容易である。
【0033】
また、スクリーン23により光線方向が変化しない0光の到達位置と、観察位置24〜34とが一致しないため、観察者は高画質な映像を観察することができる。更に、本実施の形態においては、観察面A上の同一高さ(同一水平ライン上)に複数の観察位置を設けるものとしたが、観察面A上で、異なる高さの複数の観察位置を設ければ、観察者は、立ったり座ったりしても視差画像を観察することができる。更に、映像表示部では、動画像だけでなく、静止画像を表示してもよい。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本第2の実施の形態は、観察者がスクリーンに近づいたり、スクリーンから遠ざかったりした場合においても立体映像を見ることができる立体画像表示装置である。図5は、本実施の形態における立体画像表示装置を上方から模式的に示す平面図である。
【0035】
図5に示すように、本実施の形態の立体画像表示装置200は、複数の映像表示部101〜111と、映像表示部101〜111からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ112〜122と、レンズ112〜122により結像された映像(光)を回折して所定の観察位置に集光する、集光作用と偏向作用とを有するホログラムスクリーン123とから構成される。
【0036】
レンズ112〜122は、第1の実施の形態と同様に、スクリーン123上の同一の位置に映像表示部101〜111からの映像を結像する。また、スクリーン123は、例えば第1の実施の形態と同様に、多重又は多層型のホログラムからなる透過型ホログラムスクリーンであり、レンズ112〜122により結像された各映像を回折し、所定の観察面上の所定の観察位置に集光する。ここで、第1の実施の形態と異なり、本実施の形態においては、スクリーン123に並行な面である観察面として、スクリーン123との間の距離が異なる観察面E1,E2を設け、この2つの観察面E1,E2上の所定の位置に映像を集光する。
【0037】
即ち、図5において、映像表示部101からの映像は、レンズ112により、スクリーン123上に結像され、スクリーン123にて回折され、観察面E1上の観察位置124に集光される。同様に、映像表示部102〜106からの映像は、夫々レンズ112〜117によりスクリーン123上に結像され、観察面E1上の観察位置125〜129に集光される。ここで、同一の観察面E1上に集光される観察位置124〜129は、観察者の片側の眼に対応する視点となる観察位置であり、夫々異なる視点における視差映像が集光される。その結果、観察者の右眼が観察位置124に位置し、左眼が観察位置125位置する場合、観察者は視点位置124−125における3D(立体)映像を見ることができる。
【0038】
一方、映像表示部107の像は、スクリーン123により回折し、観察面E1よりもスクリーン123に近い観察面E2の観察位置130に集光される。同様に、映像表示部108〜111からの映像は、夫々レンズ119〜122によりスクリーン123上に結像され、観察面E2上の観察位置131〜134に集光される。このように、本実施の形態においては、スクリーン123により回折され集光される光のスクリーンからの距離を異ならせ、観察面を複数設けるものとする。
【0039】
ここで、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、同一観察面上の隣接する観察位置の間隔、例えば、観察面E1上の観察位置124と125との間隔、観察面E2上の観察位置130と131との間隔等は人間の眼の間隔以下であることが必要である。
【0040】
例えば、同一観察面上の観察位置を人間の両眼の間隔とすれば、観察者が、観察面E1上の例えば観察位置124−125における3D映像を見ていた位置から頭を移動し、右眼が位置125に位置し、左眼が位置126に位置した場合、観察者は視点位置130−131における3D映像を見ることができる。観察位置130−131で見ることのできる映像は、観察位置124−125と比較し、被写体に少し近づき且つ左に位置する視点から見た映像となる。
【0041】
このように観察面を2つ設けることにより、観察位置124〜134までの観察位置において、前後移動を含む9視点の3D映像を見ることができる。また、スクリーン123からの距離が異なる3つ以上の観察面を設けることもでき、また、各観察面は、互いに平行でなくてもよく、複数の観察者により、複数位置から立体映像を観察することができる。また、その際、第1の実施の形態と同様、スクリーン123により光線方向が変化しない0光が観察位置124〜134とならないよう、レンズ112〜122により映像表示部101〜111からの映像を結像する。
【0042】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、スクリーンから異なる距離の複数の観察面を設けることにより、観察者が前後に移動しても立体的な映像を観察することができ、例えば、前に移動すれば、被写体に近づいた3D映像を見ることができる。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。本実施の形態は、透過型のスクリーンではなく、反射型のスクリーンを使用して映像を集光する点が上述の第1及び第2の実施の形態とは異なる。
【0044】
図6に示すように、本実施の形態の立体画像表示装置300は、複数の映像表示部201〜211と、映像表示部201〜211からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ212〜222と、レンズ212〜222により結像された映像(光)を反射するスクリーン223と、スクリーン223からの光線を反射し曲げて映像を所定の位置に集光するハーフミラー250とから構成される。
【0045】
映像表示部201〜211は、第1の実施の形態と同様に、例えば透過型LCD又はCRT等からなり、透過型LCDの場合、各映像表示部201〜211上に2次元の映像を表示して、表示した映像により各バックライトからの光を変調して出射する。こうして出射された光は、結像手段であるレンズ212〜222により、再帰性スクリーン223上に結像される。また、映像表示部201〜211がCRTである場合は、その後段に設けた撮像手段により撮像された映像をCRTにより表示し、その表示光がレンズ212〜222により、再帰性スクリーン223上に結像される。
【0046】
スクリーン223は、再帰反射、即ち入射光の光路にほぼ沿う方向に選択的に反射光が戻る再帰反射型スクリーンである。再帰反射型スクリーンとしては、例えば例えば図7に示すミラータイプ、又は、スクリーン223に反射層を設け、その反射層上にガラスビーズ層をスクリーン印刷する等して形成されたビーズタイプ等があり、レンズ212〜222により結像された各映像を指向性反射する。
【0047】
図7に示すミラータイプの再帰反射スクリーンにおいては、スクリーンの反射面に並行な方向(矢印Gの方向)には、90°の角度を有する対称形状の断面三角波状のミラーが複数配置されて、紙面と垂直方向には光を拡散する機能を備えた構造になっている。このため、矢印Gの方向には光源の方向に光が帰っていく再帰性を有する。紙面と垂直方向には光を拡散するため、一般的なスクリーンのように、色々な方向に光を反射する、即ち、正面からでも、斜めからでも、あまり明るさが変わらず光を観察することができ、観察位置に映像が表示される。このミラーとしては、例えば、直交する3面を有する四面体のプリズムであって、入射光に対してプリズムの位置が変動しても、反射光は正しく入射光の方向に戻るコーナーキューブ等の原理を応用して構成することができる。
【0048】
ハーフミラー250は、スクリーン223にて再帰反射した映像を、観察面上の所定の観察位置に集光する。本実施の形態においては、映像表示部201〜211が配列された面と並行になるようにスクリーン223が配置され、映像表示部201〜211とスクリーン223との間に配置されたハーフミラー250により、スクリーン223とは直交する観察面F上の所定の観察位置に集光する。
【0049】
即ち、図6において、映像表示部201からの映像は、映像表示部201の結像手段であるレンズ212により、スクリーン223上に結像され、スクリーン223にて再帰反射され、ハーフミラー250により観察位置224に集光される。具体的には映像表示部201からの光線241aは、再帰反射スクリーン223にて再帰反射されて光線241bとなり、ハーフミラー250により光線241cとなって観察位置224に集光される。また、映像表示部201からの光線242aはスクリーン223にて再帰反射され光線242bとなり、ハーフミラー250により光線242cとなり、観察位置224に集光される。
【0050】
ここで、本実施の形態においても、観察位置224〜234は、観察面F上で略等間隔となっており、その間隔は観察者の両眼の間隔となるよう調整されている。上述したように、映像表示部201とは左側の隣接する映像表示部202にて表示される映像は、映像表示部201にて表示される映像に対して両眼間隔分ずれた視差映像を表示する。このようにして、各映像表示部201〜211にて表示される映像には適切な視差を持たせるようにする。
【0051】
即ち、映像表示部201〜211には、夫々観察位置224〜234用の視差映像が表示されており、その結果、観察者の右眼が例えば観察位置224に位置し、左眼が観察位置225に位置する場合、観察者は視点位置224−225における3D(立体)映像を見ることができる。そして、観察者が頭を移動させて、右眼が観察位置225に位置し、左眼が観察位置225の1つ左側の観察位置226に位置した場合、観察者は視点位置225−226における3D映像、即ち、観察位置225−226と比較して被写体を両眼間隔1つ分左にずれた位置の視点から見た映像を見ることができる。このように観察位置224〜234までの11個の観察位置を設けることにより、10視点の3D映像を見ることができる。
【0052】
このように構成された本実施の形態においては、再帰反射スクリーン及びハーフミラーにより、異なる視点の映像を視点と対応する異なる観察位置に集光するようにしたので、上述の第1及び第2の実施の形態と比較して、立体画像表示装置の大きさをコンパクトにできる利点がある。
【0053】
また、上述の第1及び第2の実施の形態と同様に、同時に多人数にて観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者の視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる3D映像を提供することができる。これにより、観察者は建物に設置された窓のひとつを見るように、左に移動すれば左から見た映像を、右に移動すれば右から見た映像を、立体的に観察することができ、自然な感覚で映像をリラックスして映像を楽しむことができる。
【0054】
次に、本発明の第4の実施の形態において説明する。本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に再帰性反射スクリーンを利用したものであるが、その配置位置を変更して映像における輝度むらの改善を図ったものである。
【0055】
図8は、本実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。図8に示すように、本実施の形態を本実施の形態における立体画像表示装置400においても、複数の映像表示部301〜311と、映像表示部301〜311からの映像を結像する結像手段である夫々レンズ312〜322と、レンズ312〜322により結像された映像(光)を反射するスクリーン323と、スクリーン323からの光線を反射し曲げて映像を所定の位置に集光するハーフミラー350とから構成されるが、レンズ312〜322により結像される映像(光)の再帰性反射スクリーン323に対する入射角Φ(スクリーン323の法線と光線とのなす角)を大きく、好ましくは45°<Φ<90°となるように配置する。これにより、観察される映像の輝度むらを大幅に軽減することができる。
【0056】
その理由について説明する。図9は、再帰性反射スクリーンに対する入射光の入射角Φとその反射率との関係を示すグラフ図である。図9に示すように、再帰性スクリーンの性能は、スクリーンとスクリーンに入射する光の光線とがなす角度(90°−入射角Φ)と、スクリーンから反射される光の光反射率との関係を示す曲線Lで示されるように、入射角Φ=0°付近で光反射率が大きく、一方、スクリーンに対してななめに入射するようにして入射角Φを大きくすると光反射率が小さくなり、入射角の変化に対する反射率変化(反射率勾配)もなだらかになる。即ち、θ=90°−入射角Φ=αより小さい領域Aでは、曲線Lの反射勾配が大きいため輝度むらが生じやすいのに対し、αよりが大きい領域Bでは、曲線Lの勾配が小さいため輝度むらが生じにくい。
【0057】
上述したように、複数の映像表示部301〜311が映像出射面I上に配置される場合、再帰性反射スクリーンは、光線を入射方向に沿った方向に反射する性質を有するため、本実施の形態のように、映像出射面Iに対して斜めに配置しても、第3の実施の形態のように、映像出射面Iに対向して平行する位置に配置しても、観察位置324〜334に映像を再現することができる。
【0058】
このような再帰性を有するスクリーンにおいて、図9に示す反射特性を利用し、映像出射面Iに平行な面から傾けてスクリーン323に対する光の入射角を大きくする(スクリーン323に入射する光線とスクリーン323とのなす角を小さくする)ことで、反射勾配がなだらかで角度依存性が少ない領域Bの反射光を使用することができるので、その結果、観察位置324〜334における映像の輝度むらを改善することができる。このような反射勾配が小さい領域Aの反射光を使用して、輝度むらが軽減される効果を得るためには、45°<入射角Φ<90°、即ち、α=45°未満であることが好ましい。
【0059】
ここで、映像出射面Iに対してスクリーン323を平行ではなく、傾斜して配置する際、図8に示すスクリーン323のように紙面に対して垂直に配置されなくてもよく、映像出射面Iに対してスクリーン323がねじれた3次元的な傾斜としてもよい。
【0060】
本実施の形態においては、第3の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、再帰性反射スクリーン323は、結像手段であるレンズ312〜322からの入射角が大きくなる方向に、映像出射面Iに対してスクリーン323への入射角が大きくなるように傾斜して配置し、再帰性反射スクリーンに対して映像(光)が入射する角度をできるだけ小さくすることで、入射角度依存性少ない領域の反射光を得ることができ、輝度むらを極めて小さくすることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る立体画像表示装置は、異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有するので、複数設けられた観察位置により多視点の3次元立体映像を表示することができ、簡便な構成で、同時に多人数にて映像を観察することが可能であると共に、観察者が移動して観察者が前後左右に移動して視点が移動するに伴い、視点に応じた異なる映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置の映像表示部の一例を示す模式図である。
【図3】(a)乃至(c)は、ホログラムスクリーンにおける回折原理を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図7】再帰反射型スクリーンのミラータイプを示す模式図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における立体画像表示装置を模式的に示す平面図である。
【図9】再帰性反射スクリーンに対する入射光の入射角Φとその反射率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
100,200,300 立体画像表示装置、1〜11,101〜111,201〜211 映像表示部、12〜22,112〜122,212〜222 レンズ、23,123,223 スクリーン、50 足元床面、51 観察者、61、62 0次光、250 ハーフミラー
Claims (12)
- 異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、
上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、
上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、
上記集光手段は、上記結像手段により結像された画像を回折して上記N個の観察位置に集光する機能を備えた透過型又は反射型ホログラムスクリーンであり、上記集光手段により光線方向が変化しない光の到達位置と、上記観察位置とが一致しないことを特徴とする立体画像表示装置。 - 上記Nは3以上であることを特徴とする請求項1記載の立体画像表示装置。
- 上記N個の視点の画像は、同一の被写体を異なるN個の視点から撮像したものであることを特徴とする請求項1記載の立体画像表示装置。
- 上記集光手段は、多重ホログラム又は多層ホログラムにより構成されたホログラムスクリーンからなることを特徴とする請求項1記載の立体画像表示装置。
- 上記集光手段は、上記画像を所定の観察面上の所定の観察位置に集光することを特徴とする請求項1記載の立体画像表示装置。
- 上記所定の観察面は、上記集光手段と略平行な平行面であることを特徴とする請求項5記載の立体画像表示装置。
- 上記所定の観察面は、上記集光手段と略平行であって、上記集光手段との間の距離が異なる複数の平行面であることを特徴とする請求項5記載の立体画像表示装置。
- 上記N個の観察位置のうち、同一観察面上の同一水平ライン上に集光される2以上の観察位置の間隔は、人間の両眼の間隔であることを特徴とする請求項5記載の立体画像表示装置。
- 異なるN個の視点の画像を表示する表示手段と、
上記表示手段により表示された上記N個の画像を所定の結像位置に結像する結像手段と、
上記N個の画像が結像される上記結像位置に配置され該画像を上記N個の視点に対応するN個の観察位置に個別に集光する機能を備えた集光手段とを有し、
上記結像手段は、上記N個の視点の画像をN個の異なる位置から上記集光手段に結像し、
上記集光手段は、上記結像手段により結像された各画像を再帰反射する再帰反射型スクリーンと、上記結像手段と該再帰反射型スクリーンとの間に配置され該再帰反射された画像を上記N個の観察位置に集光するハーフミラーとを有することを特徴とする立体画像表示装置。 - 上記Nは3以上であることを特徴とする請求項9記載の立体画像表示装置。
- 上記N個の視点の画像は、同一の被写体を異なるN個の視点から撮像したものであることを特徴とする請求項9記載の立体画像表示装置。
- 上記再帰反射型スクリーンは、上記結像手段からの入射角が大きくなる方向に、上記結像手段が配置される面に対して傾斜して配置されることを特徴とする請求項9記載の立体画像表示装置。
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