JP3810624B2 - 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム - Google Patents

光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム Download PDF

Info

Publication number
JP3810624B2
JP3810624B2 JP2000261222A JP2000261222A JP3810624B2 JP 3810624 B2 JP3810624 B2 JP 3810624B2 JP 2000261222 A JP2000261222 A JP 2000261222A JP 2000261222 A JP2000261222 A JP 2000261222A JP 3810624 B2 JP3810624 B2 JP 3810624B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reproduction
light source
color filter
parallax
shadow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000261222A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002072135A (ja
Inventor
哲郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2000261222A priority Critical patent/JP3810624B2/ja
Priority to EP01961156A priority patent/EP1329759A4/en
Priority to US10/362,362 priority patent/US6999110B2/en
Priority to PCT/JP2001/007409 priority patent/WO2002019012A1/ja
Publication of JP2002072135A publication Critical patent/JP2002072135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3810624B2 publication Critical patent/JP3810624B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の立体像記録再生技術としては、光のコヒーレンスを用いたホログラフィとコヒーレンスを用いず複数の画像を用いる方法がある。後者は、右眼用、左眼用の平面像を記録し、再生時に右眼用は右目で、左眼用は左目で見えるように工夫した2眼式のステレオスコープタイプと、多視点からの画像を用いた多眼式のタイプに大別できる。
【0003】
2眼式のステレオスコープタイプの代表例には偏光眼鏡を用いる立体映画やレンチギュラーを用いた立体テレビなどがあるが、これらは立体的に見えるものの立体像を完全に再現してはいないので、見る位置を変えても映像は変わらず、裏側が見えてくると言うわけにはいかないので擬似的立体像再生と言える。
【0004】
理想的とも言える3次元立体像記録再生法(以下、3次元立体像を3D像と略す)であるホログラフィでは、立体画像情報を記録するために物体から光の波面情報を用いている。波面情報は、別においた参照光と物体からの散乱光とを干渉させその干渉縞を記録するようにしている。このため、光学系および記録媒体には光波長に近いピッチの空間分解能が必要とされる他、少なくともレーザのようなコヒーレント光源が記録には必要である。また、干渉縞は波長に依存するので、そのままではカラーの画像は取り扱えず、カラー記録のためには3原色の3つのレーザが必要なだけでなく、複雑な工夫が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、フルカラーの大画面ホログラフィは非常に高価となり、現在では規模が小さくてよいクレジットカードや装飾品用の他は、デジタル情報の記録媒体には利用されているが、実時間3D像表示や立体映画などに利用されるには至っていない。
【0006】
多眼式のものは、ステレオスコープを単に多眼化した多眼パララックス方式と多視点から撮影した多眼像を撮影の逆過程で再投影して見るインテグラルホトグラフィに分けられる。ステレオスコープが2つの視角からの像を両眼で観測し、両眼視差から立体感を得るのに対し、これらは見る位置によって見え方の違う多数の画像を多重再生しているので、眼を動かせば見え方が変わり、眼鏡は不要であるなどの長所をもつ。さらに、通常光で記録再生が可能で、しかも無限遠の風景の再生もできるなどホログラフィにない多くの長所をもつ。しかしながら、多眼パララックス方式もインテグラルホトグラフィも、一定の面内に全視角の像が描かれているか多重結像しており(もちろん特定の方向からは一つしか見えないが)、ここに目をフォーカスすると、視差により異なった位置にあるように見るので、フォーカス位置と見える位置が一致せず、不自然さは免れ得ない(例えば、像が目の前に見えても、目のピントは遠くに合わせている)。また、インテグラルホトグラフィでは多視点からの像記録はマイクロレンズアレイで簡単に行えるが、これを逆過程で再生すると、前方からの眺めを裏面から見る(顔面を再生すれば顔が見えるが鼻がへこんで見える)ようになり、このため面倒な裏返し操作が必要になるなど手間も多い等の欠点をもつ。
【0007】
いずれにしても、現状ではまだ十分に実用となる3D像記録再生装置(システム)は存在せず、その出現が待望されている。3D画像の記録再生、特に動画は、画像情報メディアとして最も重要なもので、情報、放送、映画、エンターテインメントと多方面の分野で有用であり、将来大きな産業となる可能性を持つので、今まで国内外を問わず、多くの企業、大学あるいは民間、公共研究機関で試みられているが、まだこれと言ったものが得られていないのが現状である。
【0008】
そこで、本願発明者は、カラーフィルタ上の多視点像群を白色点光源アレイで投影することにより、物体からの散乱光に相当する光線群を人為的に生成し、3D像を創生する「光線再生法」を既に提案している(特開平10−239785号公報)。これは、多視点像群を用いる点でインテグラルホトグラフィに類似するが、奥行きのある3D像そのものを再生し、視差を用いない点で異なり、むしろホログラフィに近い(カメラ撮影すれば合焦部以外はぼける)。既に簡単な物体ではほぼ満足できる3D像生成に成功している。この装置の最大の問題点は、点光源アレイやカラーフィルタ部(表示部と称することにする)の近傍に像を再現できないことである。この問題を解決するものとして、本願発明者は、以前にこの表示部近傍の画像情報に対しては3次元像の再生をあきらめ、さらに視差もなくして、すべて白色点光源アレイの面に集めて背景(あるいは前景)として再生する「背景付き立体像再生装置」を提案している(特願2000−43742号)。しかし、見る角度を変えても変化しない背景は、飛び出し看板などには向くものの、やはりその用途は限られる。何らかの工夫で表示部の後方より表示分近傍も含めさらに手前まで深い奥行きをもった立体像が得られる表示システムの開発が待たれていた。
【0009】
以下、従来の技術を立体視できる原理図を用いて説明する。
【0010】
図10では方位、距離の異なる2点P、Qを観測物体としている。観測者101へ向かってくる光線の方向で物体の方位がわかり、点物体を見通す両眼の視差角で距離が察知される。ここでは光線を有限の線で表しているが、実際は光線は無数にある。このような光線が生成できれば、実際の2点P、Qがなくても、観測者には2点がこのように立体的に見えるはずである。このような光線を人為的に生成し、立体像を観測できるようにしたのが、光線再生法である。
【0011】
図11に光線再生法の基本構成を示す。ここでは、無数の光線を再現することは不可能であるので、面状に分布した白色点光源アレイ102を通る光線だけを再現する方法をとっている。白色点光源アレイ102とこれに対向して置かれた像フィルタ上で点光源一つ一つに対応して空間の1点のみ透過可能な点型カラーフィルタ103(液晶パネルでもよい)を配置すれば、この2点(点光源と透過点)を結ぶ直線方向に進むカラーのついた光線が再生できる。これらの光線が、1点P′にレンズで集光されるなら、あたかもP′からの光線が来ているように観測者104には観測されP′が3次元的に見えるのである。図11に示したように観測像は表示部(白色点光源アレイ102とカラーフィルタ103)の前部(観測者104側、図では例えばP′)にも後部(観測者104と反対側、図ではQ′)にも形成できる。
【0012】
3次元物体は点の集合であり、カラーフィルタ103に点ではなく、多視点の透過像が記録されていれば、この構成で3次元物体が再現される。
【0013】
この方式の最大の問題点は白色点光源アレイ102やカラーフィルタ部の周辺に像を再現できないことである。しかし、光線再生用カラーフィルタや白色点光源(表示部と言うことにする)から離れた領域にある点、すなわち図11のP′、Q′や図12(後述)のP点には各点光源から光線は多数通過するために観測者はそこに実際、物体(今の場合は点物体)があるかのように認識するし、カメラによる撮影でもこれらの点にピントを合わす必要が生じる。
【0014】
図12は光線再生方式の問題点を示した図であり、110は表示部、111は白色点光源アレイ、112は各点光源、113はカラーフィルタ、114は前記各点光源112にそれぞれ対応したカラーフィルタの各セクション、115は観測者である。
【0015】
この図が示すように、表示部110近傍では、R点やS点を再生するための点光源112からの光線は合計で1本あるいは2本しかなく、よほどのことがないと観測者115には届かず、光線再生法では表示部110近傍に3次元像を再生することはできない。
【0016】
本発明は、上記問題点を解決するために、表示部から離れた領域では従来の光線再生型3次元画像表示を行い、再生光線の少ない表示部近傍では3次元像再生は行わないものの、この近傍での画像情報を多眼パララックスを用いた立体画像として表現できるようにカラーフィルタを作成することにより、表示部の後方、前方では自然な3次元画像再現が実現し、また、表示部近傍では上下左右多視点の視差による立体視が実現し、その中間域では両者が混在して、結果として全域、つまり表示部の奥から手前まで連続的に3次元立体画像が観測できる光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システムにおいて、白色点光源アレイの観測者側にカラーフィルタを配置し、前記カラーフィルタや白色点光源から離れた領域では前記観測者にはあたかもそこに物体が存在するかのごとく見えるように物体の各点からの散乱光に相当する多数の光線群を生成するように、前記白色点光源からの光線を前記カラーフィルタにより選択、色づけし、一方、十分な光線数が再生できない前記白色点光源、カラーフィルタ近傍に対しては前記白色点光源からカラーフィルタ経由で眼に到達する画像情報が、左右のみならず上下にも視角に依存するパララックス型立体表示動作を行うよう前記カラーフィルタにより光線を選択、色づけし、さらに両者の中間域ではこの2動作が混在して連続的に繋がるようにすることを特徴とする。
【0018】
〔2〕上記〔1〕記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記カラーフィルタから前記観測者までの間に一枚から複数枚のレンズを配置することにより、見え方やフィルタ設計に自由度を持たせることを特徴とする。
【0019】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、白色点光源アレイと前記カラーフィルタ間にレンズを挿入し、見え方やフィルタ設計に自由度を持たせることを特徴とする。
【0020】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記白色点光源アレイとして白色光源と散乱板、およびピンホールアレイを組み合わせて代用することを特徴とする。
【0021】
〔5〕上記〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記カラーフィルタを動的制御が可能な空間変調パネルとして、再生3次元画像を動画化することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
以下、本発明の理解に必要である、メガネを用いずにバリアを用いたパララックス方式について説明する。
【0024】
図1はパララックスを利用する方式では最も簡単な2眼式パララックスステレオグラムの基本原理を示す図である。
【0025】
この図において、1は画像が描かれているスクリーンあるいはパネル、2はスリット2aの開いたバリア、3は観測者(3aは右眼、3bは左眼)、4は右眼用の画像、5は左眼用の画像である。
【0026】
スクリーンあるいはパネル1には左眼用、右眼用の視差をもった画像の縦にスライスしたものが交互に描かれており、右眼3aには右眼用の画像4しか見えず左眼用の画像5がカットされるように、左に対しても右左を交換して同様になるように、その手前にスリット2aの開いたバリア2が配置されている。見る位置が限られ、上下の立体感もないが、簡便であることやメガネ無しであることなど長所も多い。バリア2の変わりにプリズムや特殊なスクリーンを用いる方式など変形も多い。顔を動かすと見え方まで変わるように拡張したものを、図2に示す。これが多眼パララックス方式である。
【0027】
図2において、11は画像が描かれているパネルやスクリーン、12はスリットアレイ又は2次元ピンホールアレイ、13は観測者である。
【0028】
パネル又はスクリーン11に描かれているのは右眼用、左眼用ではなく、様々な視角からみた画像で、スリットアレイ12を用いたものでは左右の視角からみたスライス画が描かれ、上下の立体感は得られない。これは図1に示したパララックスステレオグラムの水平多視角版である。一方、スリットアレイの代わりに2次元ピンホールアレイを用いたものは上下左右の立体感をもつ。この場合、ピンホールアレイから覗いて見える点画の集まりで一つの画像が構成され、右眼と左眼に入る画像は勿論、見る位置によってもその画像が変化する立体画像観測ができる。だが、視差によって奥行き情報を得ているので、眼の合焦位置に不自然さは残る。
【0029】
スリット(水平のみのパララックス方式)、あるいはピンホール(水平および上下のパララックス方式)の向こうの絵がよく見えることと等価であるが、スリット、あるいはピンホールを通る方向の異なる多数の光線が分離できるためには、スリット、ピンホールをあまり狭く、あるいは小さくできない。
【0030】
また、図示しないが、ピンホールアレイの代わりにマイクロレンズアレイを配置したのがインテグラルホトグラフィに他ならず、また、その簡易版はマイクロレンズアレイの代わりにピンホールアレイを用いているので、まさにピンホール型の多眼パララックス方式と同一である。
【0031】
また、描かれている画像の位置関係は、手前に再生される像については、左右上下とも逆さまになっているのも従来の多眼パララックス方式あるいはインテグラルホトグラフィの特徴である(後述する本発明に係るパララックス方式では上下左右とも逆転しない)。
【0032】
図3は本発明の実施例を示す光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムの基本構成を示す図である。
【0033】
この図において、21は白色点光源アレイ、22は遠方には光線生成用像フィルタの機能を持ち近景には多眼パララックス方式画像再生機能を持つカラーフィルタ、23は観測者である。
【0034】
白色点光源アレイ21より出た光線はカラーフィルタ22により適当な強度と色づけをされ、表示部より離れた部分に光線再生型の3D像を造る光線に変換される。一方、多数の点光源からの光線を通過させることができない表示部(白色点光源アレイ21とカラーフィルタ22をまとめてこう呼ぶことにする)近傍の像再生に対しては、そこに物体があるとして各白色点光源からの光線群のうちその仮想物体を通過する光線群に対してはその出口(観測者側)での仮想物体の色を色づけするようにカラーフィルタ22を構成したものである。表示部近傍では、点光源の1ピッチ以上に広がった物体については各点光源が画像のサンプル点となってアレイの1ピッチ程度の解像度で多眼パララックス的画像として立体視されることになる。
【0035】
図3では、点像P、及びQの再生には光線再生法が用いられ、表示部近傍の小物体R′の再生には多眼パララックス方式が行われている。図3から分かるように仮想物体R′を通過し観測者23の両眼に入る光線(太線)に視差(パララックス)が生じている。この表示部遠方と近傍に対する2つのカラーフィルタ22の色づけ法は全く別のものではなく、再現物体と表示部との距離により連続的に推移していくものである。
【0036】
図4は白色点光源アレイを白色光源と散乱板およびピンホールアレイを用いて代用した本発明の構成例である。
【0037】
この図において、31は板状白色光源、32は散乱板、33はピンホールアレイ、34は白色点光源アレイ、35は遠方には光線生成用像フィルタの機能を持ち近景には多眼パララックス方式画像再生機能を持つカラーフィルタ、36は観測者、37は多眼パララックスで再生された像、38は光線再生で再生された立体像、39は再生された光線である。
【0038】
図4の構成は一見図2で示したピンホール型の多眼パララックス方式、あるいはピンホールアレイを用いたインテグラルホトグラフィの簡易版に似ている。そこで、その違いを明確にしておく。まず、図4の構成では多視点の画像が描かれているパネルがピンホールアレイより観測者側にあり、図2の構成とは逆になっている。従って、図2の構成では、多視点の画像情報が情報を失うことなくピンホールを通過する必要があり、ピンホールの大きさは前記したように余り小さくはできない。一方、図4の構成ではピンホールはバックライトの白色光が通りさえすればその大きさは小さくてもよい。このように、両者は、構成も機能もまったく異なっている。
【0039】
また、図5はレンズをカラーフィルタと観測者の間に挿入した構成例であり、この図において、41は白色点光源アレイ、42はカラーフィルタや液晶パネル、43はレンズ、44は観測者、45はレンズを用いた場合の再生像、46はレンズを用いない場合の再生像である。
【0040】
これにより、立体像の拡大や縮小、観測像の奥行き位置や観測できる視角の変更など立体像の生成に多様性を与えることができる。
【0041】
表示部より離れた領域での画像生成については、従来技術のところで述べた光線再生型3次元画像表示装置と、原理、効果、作用は同じであり、また、先行した提案である「背景付き立体像再生装置」とも同じであるので説明を省略する。
【0042】
近傍での物体再生について述べる。
【0043】
図6は本発明の実施例を示す表示部近傍での動作原理図である。
【0044】
この図において、50は表示部、51は白色点光源アレイ、52は各白色点光源、53はカラーフィルタ、54はフィルタの各セクション、55は観測者、56,57は再生したい物体であり、つまり、斜線のハッチングをかけた物体56とドットで塗りつぶした物体57の再生を考えている。ハッチングをかけた物体56上の任意の1点Rを通る光線はわずか3本しか再生できず、しかも多くは両眼に入らないため3次元像再生ができないばかりか見ることもできないことが多い。一方、少数個の白色点光源52からではあるが、これらから出てこの2個の物体56,57を通過する光線を無数生成し、そのうちのいくつかを両眼に到達させることは可能である(通常白色点光源アレイ、カラーフィルタセクションの間隔は数ミリ程度であるので、数ミリ程度の大きさをもつ物体を仮定している)。そして、このようにして到達した光線には物体の光源間隔程度の空間分解能ではあるが、物体の画像情報に加えて視差(パララックス)情報も含まれているので、光線再生法ほどの立体感は得られられないものの後述する多眼パララックス方式と同等の立体感を得て物体を認識できることになる。
【0045】
図6では右眼55aでは2つの物体56,57が離れているが左眼55bでは重なっており、またそれぞれの物体56,57からの光線の方向も異なっているので、パララックスが存在していることが理解できよう。
【0046】
図7は本発明における表示部近傍でのパララックス立体像再生の様子を示す図である。
【0047】
この図において、60は表示部、61は白色点光源アレイ、62は白色点光源、63はカラーフィルタ、64は観測者、65は光線群であり、この方向の光線群65がカラーフィルタ63と交わる点にはこの視覚から見た画像情報が書き込まれている。多くの方向も同様である。
【0048】
ここでの多眼パララックス方式は、図2で述べたものと構成が大きく違っている。つまり、各視角に対応する絵が描かれているカラーフィルタ63は最も観測者64側にあり、その後ろから白色点光源62で照らし、いわば影絵を見ている点で異なっているといえる。
【0049】
一方、図2の構成ではスリットやピンホールを通して覗き込んでその奥にある絵を見ている。あるいは、インテグラルホトグラフィではレンズを介して幻灯器の像あるいはピンホールを通しての針穴写真の像を空中で反対側から見ているのである。この違いは、図7では手前に見える像については描かれている像の位置関係と同じであるが、図2の構成では上下左右とも反転していることからも分かる。
【0050】
図8に本発明で再生した3次元画像を様々な角度からカメラで撮影した写真例を示す。建物の手前の方、及び奥の方は光線再生画像であり、建物の奥行きの真ん中が光源アレイ位置でその近傍はパララックス的再生になっている。光線再生型3次元像になっているところでは、曇りガラス板などを置けばその画像の断面部にピントが合って確かめられた。像が見える位置にレンズで結像したごとく結像しているのである。
【0051】
図9は本発明の実施例を示すカラーフィルタを示す図である。
【0052】
まず、再現する3次元物体として、図13(a)のように3個の模様のついた立方体(2×2×2)A,B,Cを配置し、それぞれはその上面が点光源よりそれぞれ1,2,5だけ離しておかれている。
【0053】
これを再現するためのカラーフィルタには、図13(b)を用いるとよい。なお、カラーフィルタの1セクションの大きさは0.25×0.25としている。もっとも表示部に近い立方体Aに対してはカラーフィルタ上に数セクションにまたがる大きなパターンで立方体Aの形が残されている。色の変わり目については見る位置によって変化するようにフィルタが色つけされていることがわかる。少し離れた立方体Bに対しては立方体Aのように大きいパターンも残っているが、カラーセクション毎にも物体Bの模様が現れている。十分に離れた立方体Cについてはセクション毎に異なる視覚からの立方体C全体が描かれているが、数セクションにわたる大きなパターンは見えない。
【0054】
これより、立方体Aについては多眼パララックスに、立方体Cについては光線再生方式にカラーフィルタが色づけされていることがわかる。また、立方体Bについてはこれらの中間となっている。
【0055】
本発明は、映像技術、放送技術、芸術産業、マルチメディア産業、広告、写真など広い分野に適用できる。
【0056】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0057】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、表示部の後方、前方では自然な3次元画像再現が実現し、また、表示部近傍では上下左右多視点の視差による立体視が実現し、その中間域では両者が混在して、結果として全域、つまり表示部の奥から手前まで連続的に3次元立体画像を観測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2眼式パララックスステレオグラムの基本原理を示す図である。
【図2】多眼式パララックスの構成図である。
【図3】本発明の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムの基本構成図である。
【図4】本発明の他の構成図である。
【図5】本発明の他の構成(レンズ使用型)である。
【図6】本発明での近傍の像再生の概念図である。
【図7】本発明における表示部近傍でのパララックス立体像再生を示す図である。
【図8】本発明で再生した3次元画像の例を示す図である。
【図9】本発明の実施例を示すカラーフィルタを示す図である。
【図10】立体視の原理図である。
【図11】光線再生法の基本構成を示す図である。
【図12】光線再生方式の問題点を示した図である。
【符号の説明】
1,11 スクリーンあるいはパネル
2 スリットの開いたバリア
2a スリット
3,13,23,36,44,55,64 観測者
3a,55a 右眼
3b,55b 左眼
4 右眼用の画像
5 左眼用の画像
12 スリットアレイ又は2次元ピンホールアレイ
21 白色点光源アレイ
22,35,42,53,63 カラーフィルタ
31 板状白色光源
32 散乱板
33 ピンホールアレイ
34,41,51,61 白色点光源アレイ
37 多眼パララックスで再生された像
38 光線再生で再生された立体像
39 再生された光線
43 レンズ
45 レンズを用いた場合の再生像
46 レンズを用いない場合の再生像
50,60 表示部
52,62 白色点光源
54 フィルタの各セクション
56,57 再生したい物体

Claims (5)

  1. 白色点光源アレイの観測者側にカラーフィルタを配置し、前記カラーフィルタや白色点光源から離れた領域では前記観測者にはあたかもそこに物体が存在するかのごとく見えるように物体の各点からの散乱光に相当する多数の光線群を生成するように、前記白色点光源からの光線を前記カラーフィルタにより選択、色づけし、一方、十分な光線数が再生できない前記白色点光源、カラーフィルタ近傍に対しては前記白色点光源から前記カラーフィルタ経由で眼に到達する画像情報が、左右のみならず上下にも視角に依存するパララックス型立体表示動作を行うよう前記カラーフィルタにより光線の選択、色づけし、さらに両者の中間域ではこの2動作が混在して連続的に繋がるようにすることを特徴とする光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システム。
  2. 請求項1記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記カラーフィルタから前記観測者までの間に一枚から複数枚のレンズを配置することにより、見え方やフィルタ設計に自由度を持たせることを特徴とする光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システム。
  3. 請求項1又は2記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、白色点光源アレイと前記カラーフィルタ間にレンズを挿入し、見え方やフィルタ設計に自由度を持たせることを特徴とする光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システム。
  4. 請求項1、2又は3記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記白色点光源アレイとして白色光源と散乱板、およびピンホールアレイを組み合わせて代用することを特徴とする光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システム。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システムにおいて、前記カラーフィルタを動的制御が可能な空間変調パネルとして、再生3次元画像を動画化することを特徴とする光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像再生システム。
JP2000261222A 2000-08-30 2000-08-30 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム Expired - Fee Related JP3810624B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000261222A JP3810624B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム
EP01961156A EP1329759A4 (en) 2000-08-30 2001-08-29 SYSTEM FOR PRESENTING 3D IMAGES
US10/362,362 US6999110B2 (en) 2000-08-30 2001-08-29 Three-dimensional image display system
PCT/JP2001/007409 WO2002019012A1 (fr) 2000-08-30 2001-08-29 Systeme de presentation d'images en 3d

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000261222A JP3810624B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002072135A JP2002072135A (ja) 2002-03-12
JP3810624B2 true JP3810624B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=18749102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000261222A Expired - Fee Related JP3810624B2 (ja) 2000-08-30 2000-08-30 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3810624B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7046271B2 (en) 2000-01-25 2006-05-16 X3D Technologies Gmbh Method and system for the three-dimensional representation
JP3713446B2 (ja) * 2001-03-30 2005-11-09 株式会社東芝 立体像表示装置
JP3892808B2 (ja) * 2002-12-27 2007-03-14 株式会社東芝 3次元画像表示装置、この表示装置に視差画像を配分する方法及びこの表示装置に3次元画像を表示する方法
JP3966830B2 (ja) * 2003-03-28 2007-08-29 株式会社東芝 立体表示装置
DE10325146A1 (de) 2003-05-30 2004-12-16 X3D Technologies Gmbh Verfahren und Anordnung zur räumlichen Darstellung
US8154686B2 (en) 2004-01-20 2012-04-10 Sharp Kabushiki Kaisha Directional backlight, a multiple view display and a multi-direction display
JP4567422B2 (ja) * 2004-11-19 2010-10-20 有限会社ディー・エッチ・エス 三次元画像の作成方法
JP5140825B2 (ja) * 2006-06-28 2013-02-13 国立大学法人大阪大学 三次元画像再生装置
JP2008216575A (ja) 2007-03-02 2008-09-18 Sony Corp 画像表示方法
JP2009294509A (ja) 2008-06-06 2009-12-17 Sony Corp 3次元像表示装置
BR102013013559A2 (pt) * 2013-05-31 2015-07-14 Roberto Massaru Amemiya Filmadora com captação tridimensional de raios e televisão produtora de imagem real formada à frente e atrás da superfície da televisão; dispositivos de filtro de raios paralelos; cristais líquidos emparelhados ou movimento de células ópticas ou filtro de raios paralelos com conjunto de lentes móveis incluindo lentes flexíveis multifocais; processos para obtenção desses dispositivos
CN108551577A (zh) * 2018-06-09 2018-09-18 成都工业学院 一种无串扰集成成像3d显示装置
CN108761813A (zh) * 2018-06-09 2018-11-06 成都工业学院 基于点光源和偏振阵列的宽视角集成成像3d显示装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3394149B2 (ja) * 1997-02-27 2003-04-07 科学技術振興事業団 立体像再生装置
JP2000047138A (ja) * 1998-07-27 2000-02-18 Mr System Kenkyusho:Kk 画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002072135A (ja) 2002-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3942789B2 (ja) 背景付き立体像再生装置
US6999110B2 (en) Three-dimensional image display system
JP4607208B2 (ja) 立体映像ディスプレイ方法
KR100947366B1 (ko) 입체영상 디스플레이 방법 및 시스템
US6595644B2 (en) Dynamic time multiplexed holographic screen with 3-D projection
US5004335A (en) System for reproducing three-dimensional, that is four-dimensional, images and, particularly moving images by projection, without the use of coherent light
JPH08501397A (ja) 三次元光学観察装置
CN103108207B (zh) 双全息三维显示装置
JP3810624B2 (ja) 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム
US20030137730A1 (en) Autostereoscopic display
JPH10239785A (ja) 立体像記録再生装置
JPH01107247A (ja) 3次元映像表示装置
JP2001056450A (ja) 光フィルターを用いた立体像再生装置
JP3462796B2 (ja) 三次元表示方法及び装置
JP3949361B2 (ja) 偽像を抑制した広視角3次元画像表示システム
JP2004226928A (ja) 立体画像表示装置
JP3629534B2 (ja) 簡易動画型3次元画像表示システム
JP4026242B2 (ja) 光学式3次元動画表示装置
Surman Stereoscopic and autostereoscopic displays
KR100662813B1 (ko) 입체영상 표시장치
KR20020072428A (ko) 합체 사진 방식의 입체 화상 표시 장치
KR20120123221A (ko) 홀로그래픽 재생 장치 및 방법
JPH0954282A (ja) 立体表示装置
BG66655B1 (bg) Устройства и метод за получаване на стереоизобрежения
Hisatake et al. Improvement of the voxels density of three-dimensional image display by spatially multiplexing fluxes in light-ray-flux reproduction method

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110602

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120602

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140602

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees