JP4081533B2 - ガラス基板分割方法 - Google Patents

Description

この発明は、液晶ディスプレイなどに用いられるガラス基板の大型の原板を分割するガラス基板分割方法に関する。

液晶ディスプレイに用いられるガラス基板は、一枚の大型のガラス基板から個々のディスプレイ用に複数のガラス基板に分割して用いられている。このガラス基板の原板は、近年の液晶テレビなどの大型化と製造工程の効率化に伴い、しだいに大型化している。この大型化したガラス基板に不良等が発見された場合、そのガラス基板全体を廃棄しなければならないが、特に２ｍ角以上の大型のガラス基板の場合その処理に際して、小さく分割して廃棄している。

ガラス基板分割方法には、特許文献１，２に開示されているように、予め分割するためのスクライブ線が描かれ、その線に沿って振動又は圧力を加えながら分割するものであった。
特開平５−２９７３３４号公報 特開２０００−２４７６７０号公報

しかしながら、上記従来の技術の場合、液晶等の製品に組み込むためのガラス基板の分割であるため、正確に分割することを前提としているものであり、コスト及び時間がかかるものである。また、液晶パネル用大型ガラス基板は極めて丈夫であり、単に分割しようとしても、むやみに力を加えただけでは容易には割れず、割れたとしても不確定な形状に割れ、後の処理がかえって面倒なものとなる。

この発明は、上記従来技術の問題に鑑みて成されたもので、大型のガラス基板を、容易にコストを掛けずに所望の方向に分割することができるガラス基板分割方法を提供することを目的とする。

この発明は、ディスプレイを形成する原板となるような大型のガラス基板を湾曲させ、湾曲した部分の一端縁部に衝撃を加えて、前記ガラス基板を分割するガラス基板分割方法である。さらに、前記湾曲させたガラス基板に衝撃を加える端縁部は、湾曲による曲率の最大値の位置であり、前記ガラス基板の面に沿った方向に衝撃を加えるものである。

前記ガラス基板は、両側縁部近傍を支持し、自重で撓んだ状態で衝撃を加えるものである。また、前記ガラス基板は、両側縁部近傍と中央部近傍をローラの列により支持して搬送し、分割に際してその分割位置またはその手前で、中央部の支持を解除して前記ガラス基板を撓ませ、衝撃を加えるものである。

この発明のガラス基板分割方法によれば、ガラス基板に衝撃を加えるだけで、簡単且つ正確に湾曲面に沿って直線的にきれいに分割することができ、廃棄等の後処理を安価に容易に行うことができる。

以下、この発明のガラス基板分割方法の第一実施形態について、図１、図２を基にして説明する。この実施形態のガラス基板分割方法は、例えば液晶ディスプレイに使用されるガラス基板の原板である大型のガラス基板１０について、製品化できない不良があり廃棄する際に、小さくするために分割するものである。

この実施形態のガラス基板分割方法は、まず、不良が発見されたガラス基板１０は、図示しない分割処理用ローラコンベア１２に移載されて、搬送される。分割処理用コンベア１２は、図１（ａ）に示すように、二対のローラ１６，１８の列によりガラス基板１０を支持して搬送する。分割処理部に運ばれた不良ガラス基板１０は、図１（ｂ）に示すように、円弧状に一方向に湾曲される。このとき、図２に示すように、分割処理用コンベア１２の二対のローラ１６，１８の各列のうち、内側の一対のローラ１８の列が、分割位置で側方下方に退避する。これにより分割処理用ローラコンベア１２は、両側縁部近傍の一対のローラ１６の列によりガラス基板１０を支持することになる。

そして、分割処理用ローラコンベア１２により所定の湾曲状態になったところで、図１（ｃ）に示すように、円弧状に湾曲したガラス基板１０の曲率の最大値の箇所、即ち湾曲の頂点の側縁部に、先端が尖った分割ヘッド１４を衝突させ、衝撃を与える。

このとき、Ｕ字状に湾曲したガラス基板１０は、一方向にＵ字状に湾曲されているので、湾曲の頂点ａの端縁部に衝撃が加えられると、Ｕ字状に湾曲している場合、Ｕ字状の頂点ａに沿った直線で割れる。これは、Ｕ字状の頂点ａに沿った直線上は、ガラス基板１０内の応力が最大となっている部分であるので、ガラス基板１０は、湾曲の頂点に沿った直線で、自身の応力によりきれいに分割される。

この実施形態のガラス基板分割方法によれば、ガラス基板１０を湾曲させるだけで、分割が可能となり、衝撃を加えることにより、きれいに一直線に分割される。しかも、湾曲及び衝撃を与える装置は簡単な装置で良く、コストもかからない分割方法である。

なお、この発明のガラス基板分割方法は上記実施形態に限定されるものではなく、湾曲方法は、自重により撓ませるもの以外に、何らかの外力を加えて撓ませるものでも良く、例えばガラス基板中央部を押圧した状態で湾曲させ、端縁に衝撃を加えるものでも良い。

この発明の一実施形態のガラス基板分割方法を示す工程図である。 この発明の一実施形態の分割処理用ローラコンベアのローラを示す正面図である。

符号の説明

１０ ガラス基板
１２ 分割処理用ローラコンベア
１４ 分割ヘッド
１６，１８ ローラ

Claims (4)

1. ディスプレイを形成する原板のガラス基板を湾曲させ、湾曲した前記ガラス基板の曲率の最大値の部分の一端縁部に衝撃を加えて、前記ガラス基板を分割することを特徴とするガラス基板分割方法。
2. 前記湾曲させたガラス基板に衝撃を加える端縁部は、前記ガラス基板の面に沿った方向に衝撃を加えることを特徴とする請求項１記載のガラス基板分割方法。
3. 前記ガラス基板は、両側縁部近傍を支持し、自重で撓んだ状態で衝撃を加えることを特徴とする請求項２記載のガラス基板分割方法。
4. 前記ガラス基板は、両側縁部近傍と中央部近傍をローラの列により支持して搬送し、分割に際して中央部の支持を解除して前記ガラス基板を撓ませ、衝撃を加えることを特徴とする請求項３記載のガラス基板分割方法。

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