JP4081206B2 - 磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッドが複数配列された被研磨物を研磨するための磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電算機のディスクドライブ装置に用いる薄膜磁気ヘッドのバッチ式製造過程において、セラミックバー(個々に切り離されてスライダとなる)に多数個の磁性薄膜を含む変換部を1列に配置した被研磨物を研磨することで、変換部のギャップのスロートハイトをデータ信号の読み書きに最適な値に設定することが行われている。
薄膜磁気ヘッドのスロートハイトを研磨工程で適切な値とする場合に、被研磨物であるセラミックバーが歪んでいたり、セラミックバーに望ましくない湾曲が存在することが問題となっている。つまり、セラミックバーに歪や湾曲があると、研磨装置の研磨用定盤でセラミックバーが均一に研磨されないため、例えばセラミックバー中央部の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトは適性値であっても、両端部の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトは過大又は過小となって不良となる可能性がある。
【0003】
このため、米国特許第5620356号に示された磁気ヘッド研磨装置では、セラミックバーに多数配列された薄膜磁気ヘッドのスロートハイトにより変化する抵抗値を測定しながら、セラミックバーの曲がりを修正して研磨することで、セラミックバー上に形成された各々の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトを適性値に設定することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この米国特許に開示された従来の研磨装置では、セラミックバーに多数の磁性薄膜を含む変換部を1列に配置した被研磨物を、板状の横長治具の底面に貼り付け、さらにこの横長治具を装置側のバックプレートに装着する構造を採用している。しかしながら、この従来の研磨装置では、横長治具を装着するバックプレートの姿勢が、研磨用定盤の研磨面を基準とした姿勢とはなっていないという問題がある。例えば、研磨用定盤の研磨面が水平面であると仮定してバックプレートの初期姿勢を鉛直に設定した場合、前記研磨面が万一水平面から外れていると、それが被研磨物の研磨精度に悪影響(研磨面の平面度の低下、スロートハイトのばらつき増大等)を及ぼす。
さらに、この従来の研磨装置では、セラミックバーの曲りを修正するために、3つ電磁式アクチュエータを使用し、このアクチュエータによりアームを回動させて被研磨物に操作力を作用させるようにしているため、アームを回動させるアクチュエータの推力特性が低下し好ましいものではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、研磨用定盤の研磨面を基準として被研磨物の姿勢を制御可能として、被研磨物の平面度の向上、ひいては被研磨物に形成されている多数の磁気ヘッドのスロートハイトのばらつきの低減を図った磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、被研磨物の曲りを修正するアクチュエータの推力特性を向上させるようにした磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、被研磨物の歪み及び湾曲をより精度良く修正することができる磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、治具により保持され磁気ヘッドが複数配列された被研磨物を研磨する磁気ヘッドの研磨装置において、回転駆動される研磨面を有する研磨用定盤と、この研磨用常盤の研磨面に対して移動可能に配置された研磨ヘッド取付手段と、研磨面に接触するようにこの研磨ヘッド取付手段に弾性支持されたアジャストリングと、このアジャストリングに固定され研磨面に対する姿勢がアジャストリングにより制御される研磨ヘッドと、この研磨ヘッドに研磨面に平行な傾動軸を中心として傾動可能に取り付けられた傾動部と、この傾動部を研磨面に対して傾斜させる傾動部駆動手段と、傾動部に対して昇降自在に設けられた昇降部と、この昇降部の下部に枢着されると共に治具が取り付けられるバックプレートと、このバックプレートの枢着点の両側にそれぞれ押圧力を作用させるバランス用アクチュエータ手段と、この治具の所定の複数の作用点に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段であって、この修正用アクチュエータ手段の可動部の移動方向と操作力の作用方向が平行である修正用アクチュエータ手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、バランス用アクチュエータ手段は、その可動部の移動方向と上記押圧力の作用方向が平行であるように配置されることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、修正用アクチュエータ手段は、修正用電磁式アクチュエータであることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置においては、修正用アクチュエータ手段は、修正用低摩擦シリンダ装置であることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、バランス用アクチュエータ手段は、バランス用電磁式アクチュエータであることが好ましい。
【0008】
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、バランス用アクチュエータ手段は、バランス用低摩擦シリンダ装置であることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、研磨ヘッド及びアジャストリングは、研磨ヘッド取付手段に対して回転可能に支持されていることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、研磨ヘッド取付手段は、研磨ヘッド及びアジャストリングに所定角度範囲の往復回転運動をさせる揺動手段を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、治具は、その中央部の1点でバックプレートに取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置は、さらに、治具の左端部及び右端部の位置を検出するセンサを有することが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、修正用電磁式アクチュエータは、可動部及び固定部がコイル及び磁石又は磁石及びコイルにより構成されていることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、バランス用電磁式アクチュエータは、可動部及び固定部がコイル及び磁石又は磁石及びコイルより構成されていることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨装置において、治具の複数の作用点は、治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられていることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、磁気ヘッドが複数配列された被研磨物を研磨する磁気ヘッドの研磨方法において、被研磨物を保持した治具と、回転駆動される研磨面を有する研磨用定盤と、この研磨面に接触するように設けられたアジャストリングと、このアジャストリングに固定された研磨ヘッドと、この研磨ヘッドに取り付けられた傾動部と、この傾動部に対して昇降自在に設けられた昇降部と、この昇降部の下部に枢着されるバックプレートと、このバックプレートに押圧力を作用させるバランス用アクチュエータ手段と、上記治具にその可動部の移動方向と平行な方向に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段と、を準備する工程と、治具をバックプレートに取り付ける工程と、アジャストリングにより研磨ヘッドの姿勢を制御する工程と、治具を昇降部で支持しながらバックプレートの枢着点の両側にそれぞれバランス用アクチュエータ手段で押圧力を作用させると共に治具の所定の複数の作用点に修正用アクチュエータ手段で操作力を作用させて、被研磨物の複数の磁気ヘッドを均等に研磨する第1研磨工程と、磁気ヘッドに対して傾動部を傾斜させることにより治具を研磨面に対する垂直面から傾斜させ、この状態で被研磨物の底面をテーパ加工する第2研磨工程と、を有することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、バランス用アクチュエータ手段は、バックプレートにその可動部の移動方向と平行な方向に押圧力を作用させることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、研磨ヘッドを連続回転又は所定角度範囲で往復回転させることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、アジャストリングを回転させることが好ましい。
【0012】
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、研磨ヘッド及びアジャストリングを直線往復運動させることが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、治具の左端部及び右端部の位置をセンサで検出して第2研磨工程による被研磨物の底面の研磨量を検出することが好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドの研磨方法において、治具の複数の作用点は、治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられており、これらの作用点に修正用アクチュエータ手段で操作力を作用させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドの研磨装置及び研磨方法を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1乃至図17により本発明の第1実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態の磁気ヘッドの研磨装置を示す全体正面図であり、図2は図1の平面図である。
まず、図1及び図2により、第1実施形態に係る実施磁気ヘッドの研磨装置の全体構成を説明する。磁気ヘッドの研磨装置は、基台1を備え、この基台1には、研磨用定盤2が水平面内で回転可能に支持され、さらに、この研磨用定盤2は基台1内に設けられた回転駆動源である定盤駆動用モータ4でベルト6を介して回転駆動される。
また、上下方向に離間した1対のガイドレール8が水平方向に延びるように基台1の上方で支持され、さらに、1対のガイドレール8により水平方向に摺動自在に案内される横移動スライダ10が設けられている。この横移動スライダ10には研磨ヘッド取付用フレーム12が昇降自在に取り付けられている(高さ調整自在に昇降駆動されるようになっている)。横移動スライダ10の駆動は、例えばガイドレール8に平行なボール螺子軸にスライダ10側のボール螺子ナットを螺合し、ボール螺子軸をモータで回転駆動することで実行することができ、さらに、スライダ10及び研磨ヘッド取付用フレーム12は往復直線運動を行うことができる。
【0014】
図3に示すように、研磨ヘッド取付用フレーム12の内側には円環状軸受部14を介して回転支持部16が回転自在に支持され、この回転支持部16には、板ばね、ゴム等の弾性部材18を介在させて研磨ヘッド20が取り付けられている。研磨ヘッド20は、底板22とこの上に平行に立設固定された垂直支持板24とを有し、さらに、研磨ヘッド20の底板22の底面にはアジャストリング(ウエアーパッド)26が固着されている。アジャストリング26は研磨用定盤2の上面である研磨面2aに接触するようになっている。
図2及び図3に示すように、回転支持部16にはベルト車(プーリー)28が固着され、研磨ヘッド取付用フレーム12の外側には、ベルト車(プーリー)30を回転駆動する研磨ヘッド揺動用モータ32が取り付けられている。ベルト車28,30 間にはベルト34が巻掛けられている。モータ32、ベルト車28,30 及びベルト34は、研磨ヘッド20及びアジャストリング26に所定角度範囲の往復回転運動(揺動運動)を行わせる揺動手段として機能する。
【0015】
図10はアジャストリングの底面図である。図10に示すように、アジャストリング26は、例えばアルミニウム製リング本体36に多数の耐磨耗性セラミックの円柱状ダミー38を埋設したもので、円柱状ダミー38の下端面がリング本体36から僅かに突出している。ここで、アジャストリング26上に載置される研磨ヘッド20の重量バランスに合わせて円柱状ダミー38の個数を設定している。図10に示すアジャストリング26の場合、研磨用定盤2に対接するアジャストリング26の円弧状部分40,42 のうち、円弧状部分40の方が研磨ヘッド20の荷重を多く受けるため、円柱状ダミー38の個数が多くなっている。
【0016】
図3乃至図6に示すように、研磨ヘッド20の垂直支持板24の間には、アジャストリング26の下面(つまり研磨用定盤2の研磨面2a)に平行な傾動軸44が設けられており、この傾動軸44にこの傾動軸44を中心として研磨ヘッド20に対して傾動可能に傾動部46が枢着されている。図5及び図6に示すように、研磨ヘッド20の垂直支持板24には、モータ取付用台座部48の下部が支点軸50で回転自在に取り付けられており、さらに、モータ取付台座部48の上部に傾動用モータ52が固定されている。モータ52の回転駆動軸にはボール螺子軸54が連結され、このボール螺子軸54にボール螺子ナット56が螺合している。ボール螺子ナット56には、支点軸60で、傾動部46にその一端が固定されたのアーム58の他端が連結されている。これらの支点軸50乃至支点軸60までの機構は、傾動部46をそれが研磨用定盤2の研磨面2aに対し垂直面となった状態から所定角度だけ傾斜させる傾斜駆動手段を構成している。
【0017】
傾動部46には、スライド軸受(クロスローラガイド)62を介して昇降部64が傾動部46に対して昇降可能に取り付けられている。ここで、昇降部64の傾斜方向の動きは傾動部46と一体的に行われるため、傾動部46と昇降部64とは常に平行状態が保たれている。この昇降部64の下端部には、研磨用定盤2の研磨面2aに平行で傾動軸44に直交する支点軸66でバックプレート68が枢着されている。
図3及び図5に示すように、傾動部46の上部には、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B が、ブラケット72を介して取り付けられている。これらのバランス用電磁式アクチュエータ70A,70B は、バックプレート68の支点軸66の左側及び右側をそれぞれ下方に押圧(加圧)すると共にバックプレート68に作用する荷重を制御するためのものである。バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B は、フレーム74と、このフレーム74の内側に取り付けられ固定部を形成するコイル76と、中心部分に設けられ可動部を形成する磁石78と、この磁石78の中心に一体的に取り付けられたロッド80と構成されている。なお、磁式アクチュエータについては図12及び図13により後でさらに詳細に説明する。
【0018】
バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B のロッド80の下端には、断面L字形の昇降部材82が、アクチュエータ70A,70B のフレーム74に取り付けられたスライド軸受84に沿って昇降可能に接続されている。ここで、フレーム74の上部側と断面L字形の昇降部材82とは、バネ部材86により接続され、このバネ部材86の付勢力により、可動部である磁石78の自重分をキャンセルするようになっている。これらのL字形の昇降部材82の下端側とバックプレート68の左側及び右側との間は、連結用リンク88によりそれぞれ連結されている。左、右の連結用リンク88のバックプレート68への枢着点はL、Rである。このように、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B の可動部である磁石78の移動方向とバックプレート68に作用する押圧力の作用方向は、互いに平行な方向となっている。なお、昇降部64やバックプレート68等からなる昇降可能な部分の自重が十分大きい場合には、バランス用アクチュエータ70A,70B による押圧力をマイナス(引き上げ方向の力)とすることもある。
【0019】
図7は横長治具の右端部側の修正ピンの位置での要部拡大側面断面図であり、図8は横長治具の中央部側の修正ピンの位置での要部拡大側断面図であり、さらに、図9は横長治具の右端部側の位置決めピンの位置での要部拡大側断面図でらる。図3及びこれらの図7乃至図9に示すように、バックプレート68の下部を構成する長方形板状部90の前面に、被研磨物92をその底面に貼り付けた長方形板状の横長治具94を取り付けるために、長方形板状部90の中央部には固定ピン96(図8参照)が左右端部にはストッパーピン97A,97B (図7参照)がそれぞれ一体的に設けられている。さらに、長方形板状部90の両端部には、位置決めピン98A,98B (図9参照)が一体的に設けられている。中央部の固定ピン96の先端面には図8に示すように取付用ビス102 が螺着され、長方形板状の横長治具94が脱落しないようにその1点でバックプレート68に保持されている。左右端部のストッパーピン97A,97B は、後述する修正用昇降部材122A,122B,122Cを長方形板状部90に取り付ける際に取付け位置の基準となるものである。さらに、これらのストッパーピン97A,97B 及び固定ピン96の径は、修正用昇降部材122A,122B,122Cに設けられた透孔100A,100B,100Cより所定の長さだけ小さくなっている。このため、ストッパーピン97A,97B 及び固定ピン96は、必要以上に、修正用昇降部材122A,122B,122Cが昇降移動した場合にその動きを規制する機能も有する。さらに、位置決めピン98A,98B は、図3に示すように、横長治具94の曲げ修正に影響を与えないような長方形板状部90の両端部に設けられており、横長治具94を修正用昇降部材122A,122B,122Cを介して長方形板状部90に取り付ける際の位置決めを行なうためのものである。
【0020】
次に、横長治具94を説明する。図11は、本実施形態に使用される横長治具を示す拡大正面図である。図11に示すように、横長治具94は、本体部250と、被研磨物92を保持するための保持部252と、この保持部252と本体部250とを接続するための4つの連結部254A,254B,254C,254Dと、保持部252に連結されるように設けられている修正ピン126A,126B,126Cが挿入される修正用穴124A,124B,124Cと、これらの修正用穴124A,124B,124Cと保持部252とを連結する腕部256A,256B,256Cとを備えている。これらの修正用穴124A,124B,124Cは、修正用穴124Bが横長治具94の長手方向の中央部に形成され、残りの2個の修正用穴124A,124Cは、修正用穴124Bに対して左右対称となるように設けられている。
横長治具94は、さらに、長手方向の中央部で且つ上下方向の上部側の位置に、本体部250を固定ピン96に対して固定するための取付用ビス102が挿入される固定用穴258が形成されている。また、本体部250には、位置決めピン98A,98Bが係合して横長治具94の位置決めを行うための係合部260A,260Bが形成されている。
横長治具94の保持部252は、修正用昇降部材122A,122B,122Cにより操作力が作用することによってたわむ細長い梁構造になっている。この保持部252の下端部には、被研磨物92が接着剤により接着される被研磨物固定部262が設けられている。
【0021】
この被研磨物92は、細長い角棒状セラミックバー104 (個々に切り離されて薄膜磁気ヘッドのスライダとなる)に磁性薄膜パターンからなる多数の磁気ヘッドの変換部を1列に配置したものであり、これらの変換部の磁性薄膜パターンはセラミックバー104 の一方の長手側面104aに配列されている。従って、セラミックバー104 の底面側を研磨して行くことで、その長手方向側面104aに位置する変換部のスロートハイトを変化させる即ち減じることができる。
図3及び図5に示すように、横長治具94の底面に装着された被研磨物92の歪み及び湾曲を修正するために、バックプレート68側には修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cが取り付けられている。
【0022】
図5に示すように、修正用電磁式アクチュエータ106Cは、横長治具94の右端部に操作力を加えるものである。バックプレート68にはその上部に上部延長部108 が一体的に設けられ、この上部延長部108 の上端部にはロッドホルダ110Cの一端が固定され、上部延長部108 の正面側(図5において左側)にはスライド軸受112Cが固定されている。ロッドホルダ110Cの他端には、修正用電磁式アクチュエータ106Cのロッド114Cが取り付けられている。ここで、修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cの基本構造は、上述したバランス用アクチュエータ70A,70B と同様である。しかしながら、修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cでは、ロッド114Cがロッドホルダ110C及び上部延長部108 を介してバックプレート68に取り付けられているため、ロッド114C及びロッド114Cに取り付けられた磁石が固定部となり、磁石の外周側に配置されたコイルが上下方向に移動する可動部となっている。即ち、修正用電磁式アクチュエータ106Cは、コイルが取り付けられたフレーム116Cを有し、このフレーム116Cに、修正用昇降部材118C,120C,122Cが一体的に取り付けられ、修正用昇降部材118Cがスライド軸受112C上を摺動しガイドされるようになっている。また、ロッドホルダ110Cと修正用昇降部材118Cとは、バネ部材123 により接続され、このバネ部材123 の付勢力により、可動部であるコイル及びフレーム116Cの自重分をキャンセルするようになっている。
【0023】
図7に示すように、修正用昇降部材122Cは、バックプレート68の長方形板状部90と、これに取り付けられた横長治具94との隙間を上下方向に摺動自在であり、修正用昇降部材112Cには横長治具94の右端部に位置する修正用穴124Cにぴったり嵌合する修正ピン126Cが固着されている。従って、修正用電磁式アクチュエータ106Cの可動部であるコイル及びフレーム116Cを昇降させることにより、修正用昇降部材118C,120C,122Cを介して修正ピン126Cに操作力が作用し、それにより修正ピン126Cが微細に昇降駆動して横長治具94の保持部252がたわみ、これにより、治具94の右端部の高さひいては横長治具94に固定された被研磨物92を右端部の高さを微細に変化させることができる。このように、修正用電磁式アクチュエータ106Cの可動部であるコイルとフレーム116Cの移動方向と、被研磨物92に作用する操作力の作用方向とは、互いに平行な方向となっている。
【0024】
修正用電磁式アクチュエータ106Aは横長治具94の左端部に操作力を加えるもので、そのための機構は修正用電磁式アクチュエータ106Cの場合と同様であり、修正用電磁式アクチュエータ106Aの可動部であるコイル及びフレーム116Aを昇降させることにより、修正用昇降部材118A,120A,122Aを介して修正ピン126Aに操作力が作用し、それにより修正ピン126Aが微細に昇降駆動して横長治具94の保持部252がたわみ、これにより、治具94の左端部の高さひいては横長治具94に固定された被研磨物92を左端部の高さを微細に変化させることができる。
修正用電磁式アクチュエータ106Bは横長治具94の中央部に操作力を加えるもので、そのための機構は修正用電磁式アクチュエータ106A,106Bの場合と同様であり、修正用電磁式アクチュエータ106Bの可動部であるコイル及びフレーム116Bを昇降させることにより、修正用昇降部材118B,120B,122Bを介して修正ピン126Bに操作力が作用し、それにより修正ピン126Bが微細に昇降駆動して横長治具94の保持部252がたわみ、これにより、治具94の中央部の高さひいては横長治具94に固定された被研磨物92を中央部の高さを微細に変化させることができる。
【0025】
このような修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cの操作力を横長治具94の左右端部及び中央部に加えることで、図7乃至図9に示すように横長治具94の底面に装着された被研磨物92の歪み及び湾曲を修正することができる。
なお、被研磨物92である角棒状セラミックバー104 の一方の長手方向側面104a に配列された磁性薄膜からなる磁気ヘッドの各変換部のスロートハイトをそれぞれ適正値に設定するために、例えばセラミックバー104 の左右端部に位置する変換部及び中央部に位置する変換部のスロートハイトに対応した電気抵抗値を所定周期で測定しながら研磨加工を実行する。このために、横長治具94のバックプレート側の長方形板状部90への対向面に変換部に電気接続された電極が形成してあり、この電極が長方形板状部90に植設された測定用ピン128 (図3参照)に接続するようになっている。測定用ピン128 は図示しない電気抵抗測定手段に接続されている。
【0026】
図3及び図6に示すように、バックプレート68の長方形板状部90に取り付けられた横長治具94の左右端部の位置を検出するために接触型センサ130 がバックプレート68に一体の上部延長部108 の左側縁部及び右側縁部に取付具を介し固定されている。ここで、上部延長部108 の左側縁部及び右側縁部の高さ位置は、横長治具94の左右端部の位置に実質的に対応している。この接触型センサ130 の接触子132 の先端は、研磨ヘッド20の垂直支持板24に形成された凸部上面に当接している。接触型センサ130 は接触子132 の突出量に比例した静電容量変化を生じるものであるが、他の検出原理のセンサも使用可能である。なお、2個の接触型センサ130 で上部延長部108 の左側縁部及び右側縁部の高さ位置をそれぞれ検出する即ち横長治具94の左右端部位置を間接的にそれぞれ検出するようにしたのは、研磨量及び左右のバランスを検出するためである。
【0027】
上述したように、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B は、コイル76が固定部を形成し磁石78が可動部を形成する構造となっている。一方、修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cは、磁石が固定部を形成しコイルが可動部を形成する構造となっている。本実施形態においては、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B を、磁石が固定部を形成しコイルが可動部を形成する構造とすると共に、修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cを、コイルが固定部を形成し磁石が可動部を形成する構造としてもよい。
【0028】
次に、図13により、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B 及び修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cに用いられる電磁式アクチュエータの基本構造を説明する。図13に示すように、電磁式アクチュエータは、軟磁性体の円筒状ヨーク(フレームに相当する)134 を有し、この円筒状ヨーク134 の内側には、3連のコイル136A,136B,138Cが配置されると共に、磁石138 を摺動可能に案内するためのガイド筒体140 が配置されている。このガイド筒体140 は、絶縁樹脂等の絶縁部材であり、円筒状ヨーク134 の内側に固着されている。磁石138 は、同極対向配置の2個の円柱状希土類永久磁石138A,138B と、これらの永久磁石138A,138B の間に固着される円柱状軟磁性体142 とから構成され、これらの永久磁石138A,138B 及び円柱状軟磁性体142 は、接着剤等で相互に一体化されている。3連のコイル136A,136B,138Cは、永久磁石138A,138B の磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れるように結線されている。即ち、中央のコイル136Bは軟磁性体142 及び永久磁石138A,138B のN極を含む端部を囲み、両側のコイル136A,138C は、永久磁石138A,138B のS極を含む端部をそれぞれ囲むことができるようになっており、且つ、中央のコイル136Bに流れる電流の向きと、両側のコイル136A,136C の電流の向きとは逆向きである(図13の各コイルに付したN,Sを参照)。さらに、永久磁石138A,138B の何れか一方の側には、ロッド144 が取り付けられ、推力を外部に伝達できるようになっている。
【0029】
ここで、円筒状ヨーク134 が固定されている場合には、図13に示すように、磁石138 が矢印の方向に移動可能であり、円筒状ヨーク(フレームに相当する)134 、コイル136A,136B,136C及びガイド筒体140 が固定部となり、ロッド144 及び磁石138 が可動部となる。反対に、ロッド144 及び磁石138 が固定されている場合には、円筒状ヨーク134 、コイル136A,136B,136C及びガイド筒体140 が移動可能であり、ロッド144 及び磁石138 が固定部となり、円筒状ヨーク134 、コイル136A,136B,136C及びガイド筒体140 が可動部となる。
このように構成された電磁式アクチュエータにおいては、各コイル136A,136B,136Cの外周側に軟磁性体の円筒状ヨーク134 が設けられているため、磁石138 の表面磁束密度の垂直成分が更に増大する。このため、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる磁石138 の長手方向の垂直な磁束を大きくでき、磁石138 の周囲を環状に巻回する3連のコイル136A,136B,138Cに交互に逆磁性の磁界を発生する向きに電流を通電することにより、いっそう大きな推力を発生することができる。
【0030】
バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B 及び修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cに用いられる電磁式アクチュエータとして、図14に示す別のタイプのものも適用可能である。この図14に示す電磁式アクチュエータは、基本構造は、図13に示すものと同一であり、以下の部分のみ異なっている。即ち、この電磁式アクチュエータにおいては、円筒状ヨーク134 及び非磁性のガイド筒体140 の両端部に、非磁性の側板146A,146B が嵌合して固着され、これらの側板146A,146B の中央部に燃結金属、高摺動性樹脂等の円筒状軸受部材148 がそれぞれ固定支持されている。そして、各円筒状軸受部材148 の内周面にて、磁石138 及び軟磁性体142 に貫通、一体化された貫通軸体(ロッドに相当する)150 が摺動自在に支持されている。なお、側板146A,146B は、ガイド筒体140 の内周面に嵌合する凸部152 をそれぞれ有しており、この凸部152 の先端面が磁石138 の移動時にクッション板154A,154B4に当接して磁石138 の移動範囲を規定するようになっている。軸受部材148 は、非磁性でも磁性体であってもよい。
【0031】
このように構成された電磁式アクチュエータにおいては、磁石138 に一体の貫通軸体150 を軸受部材148 で摺動自在に支持するようにしているため、磁石138 のがたつきを無くして常時ガイド筒体140 の内周中心と同心状態に規制でき、しかも永久磁石138A,138B や軟磁性体142 を一体化するためのホルダ等を永久磁石外周側に被せる必要がなく、永久磁石138A,138B の外周面とコイル136A,136B,136Cとの間隙を必要最小限に設定でき、推力の向上に有効である。また、磁石138 がガイド筒体140 の内周面に接触しなくなるため、磁石138 を軸方向に円滑に移動させることが可能であり、磁石138 やガイド筒体140 の摩耗等の問題も解決できる。
なお、図14に示された電磁式アクチュエータにおいては、磁石の貫通軸体を両側の軸受で支持するようにしているが、貫通軸体の片側のみを軸受で支持するような構造を採用してもよい。この場合、軸受部材も一方のみとなる。
【0032】
次に、修正用電磁式アクチュエータ106 は、電磁式アクチュエータ106 の可動部であるコイルとフレームの移動方向と、被研磨物92に作用する操作力の作用方向とが、互いに平行な方向となるように、配置されているが、以下、このように修正用電磁式アクチュエータ106 を配置した本実施形態の利点を、従来技術と比較して説明する。
図15は、上述した米国特許に示された磁気ヘッド研磨装置の要部を示す正面図である。この図15に示された従来の装置においては、バックプレート500側には、修正用アクチュエータ502A,502B,502Cが取り付けられている。修正用アクチュエータ502A,502B,502Cは、それぞれ治具504 の左端部、右端部及び中央部に必要な大きさの操作力を加え、治具504 に装着された非研磨物の曲げ及び湾曲を修正するようにしている。修正用アクチュエータ502A,502B,502Cの構成は、基本的には同様であるため、修正用アクチュエータ502Aを例に取り説明する。修正用アクチュエータ502Aは、バックプレート500 と一体の上部延長部506 上部にて、回転可能に支持された回転軸508 に固着されたアーム510 を回転させるようにその推力を作用させる。回転軸508 には、従動アーム512 が固着されており、この従動アーム512 に昇降ロッド514 の上端部が枢着点Pで連結されている。昇降ロッド514 の下端には、修正用昇降部材516 を介して治具304 が接続されている。
【0033】
このような構造の従来の研磨装置においては、図16Aに示すように、アーム510が回転軸508 を中心にして回転するため、アクチュエータ502 の磁石518 が可動部の場合には、磁石518 が円弧状に移動する。この結果、磁石518 とコイル520とが接触しないように、磁石518 とコイル520 の間の隙間Gの大きさをその分大きく設定しなければならない。
一方、本実施形態の磁気ヘッド研磨装置においては、電磁式アクチュエータ106 の可動部であるコイル76とフレーム116 の移動方向と、被研磨物92に作用する操作力の作用方向とが、互いに平行な方向となるように配置されているため、可動部であるコイル76とフレーム116 は固定部である磁石78に沿って直線状に移動する。この結果、本実施形態においては、図16Bに示すように、磁石78とコイル76の間の隙間Gの大きさを相当小さく設定することが可能である。同一容量の磁石であれば、隙間Gの小さい方がより大きな推力を発生することができるため、本実施形態では電磁式アクチュエータの小型化が達成できる。
【0034】
さらに、図15に示す従来の研磨装置においては、例えば磁石518 が円弧状に移動する際、そのときのロッド522 のストロークに応じて、磁石518 とコイル520 の隙間Gが変化する。この結果、図17に示すように、ストロークの量に応じた推力の値が、本実施形態(本発明)においては比較的フラットな特性となるが、従来装置では、弓なり形状のよりフラットではない特性となる。従って、本実施形態では、従来の研磨装置に比較して、より優れた電磁アクチュエータの推力特性を得ることができる。
なお、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B においても、同様に、装置の小型化及び優れた推力特性を得ることができる。
【0035】
以下、以上説明した第1実施形態の動作及び研磨方法を説明する。
先ず、図1及び図2に示す研磨ヘッド20が研磨用定盤2から外れた位置にて、図7乃至図9に示す薄膜磁気ヘッドが複数配列されてなる被研磨物92を保持した横長治具94をバックプレート68の長方形板状部90に取り付け、研磨ヘッド20に対するバックプレート68の傾斜角度を当初は零度(アジャストリング26の底面に垂直、つまり研磨用定盤の研磨面に垂直な姿勢)に設定する。
このバックプレート68の傾斜設定及び横長治具94の取付け終了後、研磨ヘッド20を取り付けた研磨ヘッド取付用フレーム12をガイドレール8に沿って直線移動して、回転駆動されている研磨用定盤2の上方に位置させ、さらにアジャストリング26が研磨用定盤2上面の研磨面2aに対接し適切な押圧力で接触するように研磨ヘッド取付用フレーム12を下降させる。アジャストリング26が研磨用定盤2の研磨面に適切な押圧力で対接することで、アジャストリング26上の研磨ヘッド20の姿勢はその研磨面を基準とした姿勢に制御される。この結果、アジャストリング26の底面に垂直に設定された傾動部46、バックプレート68の長方形板状部90、及びこれに取り付けられた横長治具94は、研磨面に対して垂直面を形成することになる。
【0036】
この状態で、バックプレート側長方形板状部90の枢着点となる支点軸66の両側に、それぞれバランス用電磁式アクチュエータ70A,70B で、これらのアクチュエータ70A,70B の可動部の移動方向と押圧力の作用方向が平行となるように押圧力を加えるとともに、横長治具94の両端部及び中央部に修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cで、これらのアクチュエータ106A,106B,106Cの可動部の移動方向と操作力の作用方向が平行となるように上下方向の操作力を加えて、被研磨物92における各薄膜磁気ヘッドの変換部(セラミックバー104 の長手側面104aに形成されている)のスロートハイトが最適値になるように第1研磨工程を実行する。
このとき、修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cは、例えば被研磨物92が下方に凸面をなすように湾曲している場合、左右端部操作用の修正用電磁式アクチュエータ106A,106B で横長治具94の左右端部を下方へ押圧する操作を行うとともに、中央部操作用の修正用電磁式アクチュエータ106Cの下方への押圧操作を停止又は少なくして、被研磨物92の下面が平坦となるように修正する等の動作を実行する。また、バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B は被研磨物92の左右の押圧力を調整して被研磨物92の左右の研磨量を均一化するとともに被研磨物92を研磨面2a方向に送り出す働きをする。
【0037】
この第1研磨工程中、アジャストリング26の同じ所が研磨用定盤2に接触していると偏磨耗を引き起こすため、研磨ヘッド20及びアジャストリング26が取り付けられた回転支持部16を研磨ヘッド揺動用モータ32により所定角度範囲で往復回転させるとともに、研磨ヘッド取付用フレーム12を所定範囲で往復直線運動させている。従って、第1研磨工程中、研磨ヘッド20及びアジャストリング26は往復回転運動と往復直線運動が重畳した運動を行うことになる。
図7乃至図9に示すように、被研磨物92である角棒状セラミックバー104 の一方の長手方向側面104aに、磁性薄膜からなる磁気ヘッドの各変換部が配列されているが、各変換部のスロートハイトは、各変換部の電気抵抗を測定することで検出することができ、各変換部の電気抵抗を周期的に監視しながら第1研磨工程を実施することで、各々の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトを均一化しかつ最適値に設定することができる。
【0038】
各々の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトを均一化しかつ最適値に設定するための第1研磨工程が終了したら、図12に示すように、被研磨物92の角棒状セラミックバー104 の底面104bを水平面に対して最大3度程度の傾斜面とするための第2研磨工程(斜線部Qを研磨除去するテーパー加工工程)を実行する。すなわち、傾動用モータ52を作動させて、傾動部46及びバックプレート68を研磨用定盤2の研磨面2aに対して垂直面を成した状態から最大3度程度の所定角度を成すように傾斜させ、これに伴い、バックプレート68の長方形板状部90、及びこれに取り付けられた横長治具94を研磨面に対する垂直面から所定角度傾斜させ、この状態にて回転している研磨用定盤2にてセラミックバー104 のスライダとなる底面部分を研磨する。そして、バックプレート68に一体の上部延長部108 左右縁部の位置検出(横長治具94の左右端部の間接的な位置検出)を行っている左右の接触型センサ130 による研磨量の検出結果がそれぞれ所要値となったときに研磨を終了する。なお、第2研磨工程においても第1研磨工程と同様に研磨ヘッド20及びアジャストリング26は往復回転運動と往復直線運動が重畳した運動を行うようにすればよい。
【0039】
本実施形態によれば、以下の優れた効果を得ることができる。
(1) 薄膜磁気ヘッドが複数配列されてなる被研磨物92を保持した横長治具94を研磨ヘッド20に取り付け、回転駆動される研磨用定盤2の研磨面2aに、研磨ヘッド20を動かしながら被研磨物92を接触させて研磨する場合、研磨用定盤2の研磨面2aに対接するアジャストリング26により研磨ヘッド20の姿勢を制御している。つまり、常に研磨用定盤2の研磨面2aを基準として研磨ヘッド20及びこれに取り付けられた傾動部46、バックプレート68の姿勢を制御でき、被研磨物92に自重以外の押圧力を加えて研磨が可能である。また、被研磨物92の姿勢制御を正確に実行することで、被研磨物92の研磨される底面の平面度の向上、被研磨物92の長手側面104aに形成された各薄膜磁気ヘッドの変換部のスロートハイトのばらつき低減を図ることができる。
【0040】
(2) アジャストリング26の円柱状ダミー38の個数を研磨ヘッド20の荷重分布に合わせて選択することでアジャストリング26の偏磨耗を防止することができ、この点でも被研磨物92の研磨される底面の平面度の向上が得られる。
(3) 研磨ヘッド20及びアジャストリング26は研磨用定盤2の研磨面2aに平行な面内において、往復回転運動と往復直線運動とが重畳した運動を行うことができ、この点でもアジャストリング26の偏磨耗の防止、被研磨物92底面の平面度の向上を図ることができる。
(4) バックプレート68の長方形板状部90に被研磨物92である角棒状セラミックバー104 を中央部の1点で取り付けており、角棒状セラミックバー104 に回転方向の捻れがある場合でも、その捻れを矯正しない状態で保持して研磨加工を実施でき、捻れに起因する不良の発生が無い。仮に角棒状セラミックバー104 が左右両端の2点止めである場合、角棒状セラミックバー104 の捻れを無理に矯正した状態でバックプレート68に取り付けてしまうことになり、研磨加工後にバックプレート68から外すと角棒状セラミックバー104 が捻れた状態に戻り、不良となる可能性がある。
【0041】
(5) 傾動部46に対して昇降自在な昇降部64に対するバックプレート68の取り付けは、支点軸66によりバックプレート68の下部寄り位置で行われており、バックプレート68の下部の長方形板状部90及びこれに取り付けられる横長治具94の位置の安定化を図ることができる。
(6) 2個の接触型センサ130 でバックプレート68に取り付けられた横長治具94の左右両端部の位置を間接的に検出することで、第2研磨工程(スライダのテーパー加工工程)での研磨量及び左右バランスを検出することができる。また、その検出結果を利用して研磨動作の自動停止制御等を行うようにしてもよい。
(7) バランス用電磁式アクチュエータ70A,70B 及び修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106Cを、それらの可動部の移動方向と押圧力又は操作力の作用する方向とが平行となるように配置したため、電磁式アクチュエータの可動部と固定部の隙間の大きさを従来の研磨装置に比較して小さく設定することができ、その結果、電磁式アクチュエータを小型化できると共に推力特性を向上させることができる。
【0042】
次に、図18及び図19により、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態においては、研磨ヘッド20に対してアジャストリング180 を回転自在に支持し、このアジャストリング180 を偏磨耗防止のために回転させるようにしたものである。図示するように、研磨ヘッド取付用フレーム12の内側には円環状軸受部14を介して回転支持部16が回転自在に支持され、回転支持部16に板ばね、ゴム等の弾性部材18を介在させて研磨ヘッド20が取り付けられている。研磨ヘッド20の下部外周には円環状軸受部182 を介して大径の平歯車184 が回転自在に取り付けられており、この平歯車184 にアジャストリング180 が固定されている。一方、研磨ヘッド取付用フレーム12の外側には、アジャストリング回転用モータ186 が取り付けられ、このモータ186 の回転軸に固着された平歯車188 がアジャストリング側平歯車184 に噛み合っている。
【0043】
図19は、アジャストリング180 の底面図であり、例えばアルミニウム製リング本体190 に多数の耐磨耗性セラミックのダミー192 を埋設したもので、ダミー192 の下端面がリング本体190 から僅かに突出している。ここでは、アジャストリング180 は研磨時回転するため、ダミー192 は均等に配置されている。
なお、平歯車184,188 同士の噛み合いは多少の隙間が許容されるため、アジャストリング180 が研磨用定盤2の研磨面2aに対接(面接触)することを妨げることはない。また、研磨ヘッド20は回転支持部16に板ばね、ゴム等の弾性部材181を介在させて取り付けてあるから、研磨ヘッド20の底板22はアジャストリング180 上に密着して載置状態となる。従って、研磨ヘッド20はアジャストリング180 を基準とした姿勢、ひいては研磨面2aを基準とした姿勢となる。
なお、その他の構成は上述の第1実施形態と同様である。
【0044】
図18及び図19に示す第2実施形態では、研磨ヘッド20に往復回転運動を行わせるとともに、アジャストリング180 をアジャストリング回転用モータ186 で歯車機構を介して回転駆動でき、アジャストリング180 の偏磨耗を防止して、いっそうばらつきの無い、平面度の良好な研磨加工が可能となる。
また、研磨用定盤の速度と回転方向は自在に変更可能であり、また、定盤の温度を温度制御により安定化することもできる。
さらに、研磨ヘッドは所定角度範囲で往復回転させる旨説明したが、研磨ヘッドに設けられたモータへの通電の便宜上(配線が捻れて切断されることを防止するため)、往復回転(揺動)としているのであり、スリップリング等の通電手段を設けてモータへの通電を工夫すれば、研磨ヘッドを連続回転することも可能である。
【0045】
次に、図20及び図21により、本発明の第3実施形態を説明する。この第3実施形態では、バランス用電磁式アクチュエータの配置が上述の第1実施形態と異なっており、他の構成は同様である。異なる部分のみ以下説明する。
図20及び図21に示すように、傾動部46の上部には、バランス用電磁式アクチュエータ200A,200B が、ブラケット202 を介して取り付けられている。これらのバランス用電磁式アクチュエータ200A,200B のロッド204 の下端には、それぞれのブラケット206 を介して左、右の上部延長部208 がそれぞれ直接的に結合されている。左、右の上部延長部208 は、バックプレート68に一体的に取り付けられている。また、ブラケット202 と昇降部64との間には、バネ部材210 が取り付けられており、その付勢力により、バランス用電磁式アクチュエータ200A,200B の可動部の重量をキャンセルするように作用する。
【0046】
この第3実施形態においても、バランス用電磁式アクチュエータ200A,200B の可動部の移動方向とバックプレート68に作用する押圧力の作用方向は、互いに平行な方向となっている。さらに、バランス用電磁式アクチュエータ200A,200B のロッド204 の下端に、ブラケット206 を介して左、右の上部延長部208 が直接的に結合されるような構造であるため、上述した第1実施形態よりも、部品点数を少なくすることが出来る。他の作用効果は、上述した第1実施形態と同様である。
【0047】
次に、図22及び図23により、本発明の第4実施形態を説明する。この実施形態では、バランス用電磁式アクチュエータを、荷重制御用アクチュエータとバランス用アクチュエータに分離するようにした点が、上述した第1実施形態と異なっており、他の構成は、同様である。
図22及び図23に示すように、バランス用電磁式アクチュエータが、荷重制御用アクチュエータ220 とバランス用アクチュエータ222 とに分離されて設けられている。荷重制御用アクチュエータ220 は、傾動部46にその固定部(フレーム及びコイル)224 が固着されており、可動部226 にはロッド228 及び水平方向に延びるブラケット230 が取り付けられている。このブラケット230 の他端は、昇降部64に取り付けられている。この昇降部64は、バックプレート68に接続されているため、荷重制御用アクチュエータ220 により、バックプレート68に作用する荷重の値を制御することができる。
【0048】
また、傾動部46の下方部分には、軸受ハウジング232 が取り付けられ、この軸受ハウジング232 には、軸受234 を介して回転可能に回転軸236 が設けられている。なお、この回転軸263 の先端側(図21において左端側)はバックプレート68に固定され、バックプレート68と一体的に回転できるようになっている。軸受ハウジング232 の上側には、ブラケット238 が取り付けらえており、このブラケット238 にバランス用アクチュエータ222 が取り付けられている。バランス用アクチュエータ222 は、ブラケット238 に固定されて固定部となる磁石240 と、回転軸263 の後端側(図21において右端側)に固定されたレバー244 に取り付けられ水平方向に移動可能なコイル242 とから構成されている。このバランス用アクチュエータ222 においては、コイル242 が右側方向又は左側方向に移動することにより、レバー244が必要な角度だけ回転し、これにより、回転軸263 の回転を介してバックスプレート68が支点軸66を中心として回転し、左右のバランスが調整される。本実施形態においては、バランス用電磁式アクチュエータを、荷重制御用アクチュエータ220 とバランス用アクチュエータ222 とに分離したため、荷重の制御及びバランス量の調整をより精度良く行なうことができる。他の作用効果は、上述した第1実施形態と同様である。
【0049】
次に、図24乃至図30により、本発明の第5実施形態を説明する。この第5実施形態は、被研磨物を保持する横長治具に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段として、上述した実施形態における電磁式アクチュエータを用いる代わりに、修正用低摩擦シリンダを用いると共に、上述した実施形態では修正用アクチュエータ手段の操作力が作用する横長治具の作用点が3個所であったが、この第5実施形態では、この作用点を5個所としたものである。第5実施形態の他の構成は、上述の第1乃至第4実施形態と同様である。
【0050】
先ず、図24により、本実施形態に使用される横長治具を説明する。図24に示すように、横長治具300は、本体部302と、被研磨物92を保持するための保持部304と、この保持部304と本体部302とを接続するための4つの連結部306A〜306Dと、保持部304に連結されるように設けられている5つの修正ピン308A〜308Eが挿入される5つの修正用穴310A〜310Eと、これらの修正用穴310A〜310Eと保持部304とを連結する腕部312A〜312Eとを備えている。これらの修正用穴310A〜310Eは、修正用穴310Cが横長治具300の長手方向の中央部に形成され、残りの4個の修正用穴310A,310B,310D,310Eは、修正用穴310Cに対して左右対称となるように設けられている。
【0051】
横長治具300は、さらに、長手方向の中央部で且つ上下方向の上部側の位置に、本体部302を固定ピン314に対して固定するための取付用ビス316が挿入される固定用穴318が形成されている。また、本体部302には、位置決めピン320A,320Bが係合して横長治具300の位置決めを行うための係合部322A,322Bが形成されている。
横長治具300の保持部304は、後述する5つの修正用昇降部材326A〜326Eにより操作力が作用することによってたわむ細長い梁構造になっている。この保持部304の下端部には、被研磨物92が固定される被研磨物固定部324が設けられている。
本実施形態では、横長治具300に、5つの修正用昇降部材326A〜326Eからの操作力が修正ピン310A〜310Eを介して横長治具300の保持部304即ち被研磨物92に作用するため、作用点が5個所となり、所謂5点曲げが可能となる。
【0052】
次に、図25乃至図29により第5実施形態に係る磁気ヘッドの研磨装置の構造を説明する。図25は第5実施形態を示す要部正面図、図26は第5実施形態の中央部(修正ピン308Cの位置)での側面断面図、図27は第5実施形態を示す要部平面図、図28は第5実施形態の修正ピン308A,308Eの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図、図29は第5実施形態の修正ピン308B,308Dの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図である。
【0053】
先ず、本実施形態の磁気ヘッドの研磨装置の修正用アクチュエータ手段に対応する部分の構造を説明する。図25及び図27乃至図29に示すように、本実施形態に係る磁気ヘッド研磨装置には、修正用昇降部材326A〜326Eを介して修正ピン308A〜308Eに操作力を作用させるため修正用アクチュエータ手段である5つの修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eが並列的に設けられている。これらの修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eは、それぞれチューブ332、ピストン(図示せず)及びロッド334から構成され、エアにより、ピストンとロッド334がチューブ332内を軸方向に直線的に移動可能となっている。また、これらの修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eは、ピストンの摺動抵抗を小さくすると共に摺動部にメタルシール構造を採用すること等により、低摩擦としている。
【0054】
図25及び図28に示すように、図25において左側から1番目及び5番目に位置する修正用低摩擦シリンダ330A,330Eは、横長治具300の修正ピン308A,308Eに操作力を加えるものである。バックプレート336にはその上部に上部延長部338が一体的に設けられ、この上部延長部338の前面側(図28において左側面)に修正用低摩擦シリンダ330A,330Eのチューブ332が固定されている。また、バックプレート336の前面側にはスライド軸受340が固定されている。修正用低摩擦シリンダ330A,330Eのチューブ332内には、直線的に移動可能即ち上下方向に昇降可能なロッド334が設けられ、このロッド334の下端には、修正用昇降部材326A,326Eが一体的に取り付けられ、この修正用昇降部材326A,326Eがスライド軸受340上を摺動しガイドされるようになっている。修正用昇降部材326A,326Eには、スライド軸受340の下方及びバックプレート336の段差部分336aとの間にその一部が突出するようにストッパピン344が取り付けられ、このストッパピン344により修正用昇降部材326A,326Eの上下方向への必要以上の移動を規制するようにしている。なお、図25は、見易くするために、横長治具300の記載を省略している。更に、図28に示すように、修正用昇降部材326A,326Eは、バックプレート336と、これに取り付けられた横長治具300との隙間を上下方向に摺動自在であり、修正用昇降部材326A,326Eの下端側には横長治具300の修正用穴310A、310Eにぴったり嵌合する修正ピン308A,308Eが固着されている。従って、修正用低摩擦シリンダ330A,330Eのロッド334を昇降させることにより、修正用昇降部材342を介して修正ピン308A,308Eに操作力が作用し、それにより横長治具300の保持部304がたわみ、これにより、横長治具300に固定された被研磨物92の修正ピン308A,308Eに対応する部分の高さを微細に変化させることができる。このように、本実施形態でも、修正用アクチュエータ手段である修正用低摩擦シリンダ330の可動部であるロッド334の移動方向と、被研磨物92に作用する操作力の作用方向とは、互いに平行な方向となっている。
【0055】
図25及び図29に示すように、図25において左側から2番目及び4番目に位置する修正用低摩擦シリンダ330B,330Dは、横長治具300の修正ピン308B,308Dに操作力を加えるものであり、上述の1番目及び5番目の修正用低摩擦シリンダ330A、330Eと基本構成は、同じである。これらの修正用低摩擦シリンダ330B,330Dのロッド334の下端には、修正用昇降部材326B,326Dが一体的に取り付けられ、この修正用昇降部材326B,326Dを介して修正ピン308B,308Dに操作力が作用し、それにより横長治具300の保持部304がたわみ、これにより、横長治具300に固定された被研磨物92の修正ピン308B,308Dに対応する部分の高さを微細に変化させることができる。ただし、修正ピン308B,308Dの大きさと位置が、横長治具300の修正用穴310B,310Dの大きさと位置との関係で図28のものと多少異なっている。
【0056】
図25及び図26に示すように、図25において左側から3番目即ち中央部に位置する修正用低摩擦シリンダ330Cは、横長治具300の中央部に位置する修正ピン308Cに操作力を加えるものであり、上述の他の修正用低摩擦シリンダ330A,330B,330D,330Eと基本構成は、同じである。この中央部の修正用低摩擦シリンダ330Cのロッド334の下端に取り付けられた修正用昇降部材326Cの下端部には、バックプレート336に固定された固定ピン314を挿通させるための透孔346が形成され、この固定ピン314の先端が横長治具300に形成された固定用穴318に挿入される。横長治具300は、取付用ビス316を固定ピン314に取付けることにより、バックプレート336に取付けられる。ここで、修正用昇降部材326Cに形成された透孔346の径は固定ピン314より所定の長さだけ大きく設定されているので、修正用昇降部材326Cが必要以上に上下移動した場合にその動きを規制するストッパとして機能する。このため、中央部の修正用低摩擦シリンダ330Cの修正用昇降部材326Cには、ストッパピン344は設けられていない。この修正用低摩擦シリンダ330Cにより、修正用昇降部材326Cを介して修正ピン308Cに操作力が作用し、それにより横長治具300の保持部304がたわみ、これにより、横長治具300に固定された被研磨物92の修正ピン308Cに対応する部分の高さを微細に変化させることができる。
【0057】
次に、本実施形態の磁気ヘッドの研磨装置のバランス用アクチュエータ手段に対応する部分の構造を説明する。図25乃至図27に示すように、本実施形態に係る磁気ヘッド研磨装置には、バランス用アクチュエータ手段である電磁アクチュエータ350A,350Bが設けられている。基本構成は、図3及び図5に示された第1実施形態と同様である。即ち、傾動部46の上部には、バランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bが、ブラケット72を介して取り付けられている。これらのバランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bは、バックプレート336の支点軸66の左側及び右側をそれぞれ下方に押圧(加圧)すると共にバックプレート336に作用する荷重を制御するためのものである。バランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bは、フレーム352と、このフレーム352の内側に取り付けられ固定部を形成するコイル354と、中心部分に設けられ可動部を形成する磁石356と、この磁石356の中心に一体的に取り付けられたロッド358と構成されている。
【0058】
バランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bのロッド358の上端及び下端には、昇降部材360,362が、アクチュエータ350A,350Bのフレーム352に取り付けられたスライド軸受364に沿って昇降可能に接続されている。昇降部材360の下端側とバックプレート336の左側及び右側との間は、連結用リンク366によりそれぞれ連結されている。左、右の連結用リンク366のバックプレート68への枢着点はL、R(図示せず)である。バランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bの可動部である磁石356の移動方向とバックプレート336に作用する押圧力の作用方向は、互いに平行な方向となっている。
【0059】
次に第5実施形態の動作を説明する。基本動作は、上述した第1実施形態と同様であるが、さらに、以下のように動作する。第1実施形態では、被研磨物である磁気ヘッドの全長に渡ってスロートハイトを許容範囲内に収めることが出来ない場合がある。この理由は、第1実施形態のものでは、横長治具94の保持部252に対して修正用電磁式アクチュエータ106A,106B,106C(修正用アクチュエータ手段)による操作力が3つの作用点に対して垂直方向に作用しているため、横長治具94の保持部304のたわみが近似的な4次曲線形状となり、その結果、修正可能なスロートハイトの分布パターンも同様に4次以下の次数の曲線に限られていたからである。しかしながら、実際は、被研磨物92であるセラミックバー104はより複雑な修正パターン(6次以上の高次曲線近似など)を必要とするものがあるからである。
【0060】
そのため、第5実施形態では、5つの修正用低摩擦シリンダ330A〜330E(修正用アクチュエター手段)を設け、これらの修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eにより横長治具300の保持部304を5つの修正ピン308A〜308Eにより操作力を作用させるようにしたため、横長治具300の保持部304即ち被研磨物92であるセラミックバー104のたわみを近似的な6次曲線形状とすることができ、より複雑な修正を行うことができる。
また、修正用アクチュエータ手段として、電磁式アクチュエータの代わりに修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eを使用したので、コンパクな機構により大きな操作力を発生させることが可能であり、その分、装置を小さくすることができる。
さらに、従来、治具には、保持部の曲げ修正をする際、一つの保持部(梁構造)に対して一つの作用点に操作力を作用させて行うものがあったが、この場合には、保持部の両端部と曲げの作用点との間において、研磨面から受ける反力によりたわみが生じており、このたわみを修正することができないという問題があった。しかしながら、本実施形態では、上述したような複雑な曲げ修正を行うことができるので、かかる場合の問題を解決することができる。
【0061】
図30は、第5実施形態の他の例を示す側面断面図である。この図30から明らかなように、この例では、バランス用アクチュエータ手段として、バランス用電磁式アクチュエータ350A,350Bを用いる代わりに、バランス用低摩擦シリンダ370A,370Bを設けている。これらのバランス用低摩擦シリンダ370A,370Bは、チューブ372、ピストン(図示せず)とロッド374を有し、上述した修正用低摩擦シリンダ330A〜330Eと同様な構成を有する。さらに、この例の他の構成は、図26に示す第5実施形態と同様である。この例においては、バランス用アクチュエータ手段としてバランス用低摩擦シリンダ330A,330Bを用いているため、コンパクな機構により大きな操作力を発生させることが可能であり、その分、装置を小さくすることができる。
【0062】
次に、図31乃至図34により、本発明の第6実施形態を説明する。この第5実施形態は、被研磨物を保持する横長治具に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段として、上述した実施形態における電磁式アクチュエータを用いる代わりに、修正用低摩擦シリンダを用いると共に、上述した実施形態では修正用アクチュエータ手段の操作力が作用する横長治具の作用点が3個所又は5個所であったが、この第6実施形態では、この作用点を7個所としたものである。第5実施形態の他の構成は、上述の第5実施形態と同様である。
【0063】
先ず、図31により、本実施形態に使用される横長治具を説明する。図31に示すように、横長治具380は、本体部382と、被研磨物92を保持するための保持部384と、この保持部384と本体部382とを接続するための4つの連結部386A〜386Dと、保持部384に連結されるように設けられている7つの修正ピン388A〜388Gが挿入される7つの修正用穴390A〜390Gと、これらの修正用穴390A〜390Gと保持部384とを連結する腕部392A〜392Gとを備えている。これらの修正用穴390A〜390Gは、修正用穴390Dが横長治具380の長手方向の中央部に形成され、残りの6個の修正用穴390A,390B,390C,390E,390F,390Gは、修正用穴390Dに対して左右対称となるように設けられている。
【0064】
横長治具380は、さらに、長手方向の中央部で且つ上下方向の上部側の位置に、本体部382を固定ピン394に対して固定するための取付用ビス396が挿入される固定用穴398が形成されている。また、本体部382には、位置決めピン400A,400Bが係合して横長治具380の位置決めを行うための係合部402A,402Bが形成されている。
横長治具380の保持部384は、後述する7つの修正用昇降部材404A〜404Gにより操作力が作用することによってたわむ細長い梁構造になっている。この保持部384の下端部には、被研磨物92が固定される被研磨物固定部406が設けられている。
本実施形態では、横長治具380に、7つの修正用昇降部材404A〜404Gからの操作力が横長治具380の保持部384即ち被研磨物92に作用するため、作用点が7個所となり、所謂7点曲げが可能となる。
【0065】
次に、図32乃至図34により第6実施形態に係る磁気ヘッドの研磨装置の構造を説明する。図32は第6実施形態を示す要部正面図、図33は第6実施形態の中央部の修正ピン388Dの位置での側面断面図、図34は第6実施形態の修正ピン388Gの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図である。
第6実施形態において、バランス用アクチュエータ手段に相当する構成は、第5実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
以下、研磨装置の修正用アクチュエータ手段に対応する部分の構造を説明する。本実施形態に係る磁気ヘッド研磨装置には、修正用昇降部材404A〜404Gを介して修正ピン388A〜388Gに操作力を作用させるため修正用アクチュエータ手段である7つの修正用低摩擦シリンダ408A〜408Gが上下2列に設けられている。具体的には、修正用低摩擦シリンダ408B,408D,408Fは、上側列に設けられ、修正用低摩擦シリンダ408A,408C,408E,408Gは、下側列に設けられている。これらの修正用低摩擦シリンダ408A〜408Gは、第5実施形態のものと同様である。
【0067】
図33に示すように、図33において左側から4番目即ち中央部に位置する修正用低摩擦シリンダ408Dは、横長治具380の中央部に位置する修正ピン388Dに操作力を加えるものである。この修正用低摩擦シリンダ408Dは、バックプレート418の上部延長部420の上端側に取付けられている。この中央部の修正用低摩擦シリンダ408Dのロッド410の下端には修正用昇降部材404Dが取り付けられ、この修正用昇降部材404Dは、ロット410の下端に連結された上側スライド部材412、下側スライド部材416、これらを連結する連結ロッド414から構成されている。上側スライド部材412は、バックプレート418の上部延長部420の前面側に設けられた上側スライド軸受422に沿って昇降可能であり、下側スライド部材416は、バックプレート418の前面側に設けられた下側スライド軸受424に沿って昇降可能となっている。修正用昇降部材404Dの下部には、バックプレート418に固定された固定ピン394を挿通させるための透孔426が形成され、この固定ピン394の先端が横長治具380に形成された固定用穴398に挿入される。横長治具380は、取付用ビス396を固定ピン394に取付けることにより、バックプレート418に取り付けられる。
【0068】
この修正用低摩擦シリンダ408Dにより、修正用昇降部材404Dを介して修正ピン388Dに操作力が作用し、それにより横長治具380の保持部384がたわみ、これにより、横長治具380に固定された被研磨物92の修正ピン388Dに対応する部分の高さを微細に変化させることができる。
なお、図32において左側から2番目及び6番目に位置する修正用低摩擦シリンダ408B,408F及びこれらの修正用昇降部材404B,404Fの構成は、下側スライド部材424に透孔426及び固定ピン394が設けられていない点以外は、図33に示すものと同様である。
【0069】
次に、図34に示すように、図33において左側から7番目に位置する修正用低摩擦シリンダ408Gは、横長治具380の修正ピン388Gに操作力を加えるものである。この修正用低摩擦シリンダ408Gのロッド410の下端には、修正用昇降部材404Gが一体的に取り付けられ、この修正用昇降部材404Gを介して修正ピン388Gに操作力が作用し、それにより横長治具380の保持部384がたわみ、これにより、横長治具380に固定された被研磨物92の修正ピン388Gに対応する部分の高さを微細に変化させることができる。
なお、図32において左側から1番目に位置する修正用低摩擦シリンダ408A及びこの修正用昇降部材404Aの構成は、図34に示すものと同じであり、左から3番目及び5番目に位置する修正用低摩擦シリンダ408C,408E及びこれらの修正用昇降部材404C,404Eの構成は、図34に示すものと基本構成は同じであるが、横長治具380の修正用穴390C,390Eの大きさと位置が多少異なっている。
【0070】
次に第6実施形態の動作を説明する。この第6実施形態では、7つの修正用低摩擦シリンダ408A〜408G(修正用アクチュエター手段)を設け、これらの修正用低摩擦シリンダ408A〜408Gにより横長治具380の保持部384を7つの修正ピン388A〜388Gにより操作力を作用させるようにしたため、横長治具380の保持部384即ち被研磨物92であるセラミックバー104のたわみを近似的な8次曲線形状とすることができ、さらに複雑な修正を行うことができる。
また、第5実施形態と同様であるが、修正用アクチュエータ手段として、電磁式アクチュエータの代わりに修正用低摩擦シリンダ408A〜408Gを使用したので、コンパクな機構により大きな操作力を発生させることが可能であり、その分、装置を小さくすることができる。
【0071】
図35は、第6実施形態の他の例を示す要部正面図である。この図35は、図32に相当するものであり、図35から明らかなように、この例では、修正用低摩擦シリンダ430A〜430Gを並列的に設けるようにしたものである。これらの修正用低摩擦シリンダ430A〜430Gの各ロッド432の下端には、修正用昇降部材434A〜434Gが一体的に取り付けられている。他の構成は、図32乃至図34に示されたものと同様である。この例では、修正用低摩擦シリンダ430A〜430Gを並列的に設けるようにしたので、よりコンパクトな構造となる。
【0072】
上述した本発明の実施形態においては、横長治具における作用点が3個、5個、7個の例が示されている。本発明においては、これらに限定されるものではなく、横長治具における作用点が治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられていればよい。
さらに、本発明においては、横長治具の作用点が治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられることは必ずしも必要なく、横長治具の所定の複数の個所に作用点を設けるようにしても良い。
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気ヘッド研磨装置及び研磨方法によれば、研磨用定盤の研磨面を基準として被研磨物の姿勢を制御可能として、被研磨物の平面度の向上、ひいては被研磨物に形成されている多数の磁気ヘッドのスロートハイトのばらつきの低減を図ることができる。
また、本発明によれば、被研磨物の曲りを修正する電磁式アクチュエータの推力特性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、被研磨物の歪み及び湾曲をより精度良く修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の磁気ヘッド研磨装置を示す全体正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の磁気ヘッド研磨装置を示す全体平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の磁気ヘッド研磨装置の研磨ヘッド等を示す正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の側面断面図である。
【図6】図3の側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態における横長治具の右端部側の修正ピンの位置での要部拡大側面断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態における横長治具の中央部の修正ピンの位置での要部拡大側断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態における横長治具の右端部側の位置決めピンの位置での要部拡大側面断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態におけるアジャストリングを示す底面図である。
【図11】本発明の第1実施形態に使用される横長治具を示す拡大正面図である。
【図12】本発明の第1実施形態における被研磨物のテーパー加工を説明するための被研磨物の側面断面図である。
【図13】本発明の第1実施形態に使用される電磁式アクチュエータの基本構造を示す断面図である。
【図14】本発明の第1実施形態に使用可能な別のタイプの電磁式アクチュエータの基本構造を示す断面図である。
【図15】従来の磁気ヘッド研磨装置の要部を示す正面図である。
【図16A】従来の装置のアクチュエータの推力特性を説明するための図である。
【図16B】本発明の第1実施形態に使用されるアクチュエータの推力特性を説明するための図である。
【図17】アクチュエータの推力とストロークとの関係を示すアクチュエータの推力特性図である。
【図18】本発明の第2実施形態の要部構成を示す正面断面図である。
【図19】本発明の第2の実施形態で使用されるアジャストリングを示す底面図である。
【図20】本発明の第3実施形態の要部構成を示す正面図である。
【図21】図20の側面図である。
【図22】本発明の第4実施形態の要部構成を示す側面断面図である。
【図23】図22に示された本発明の第4実施形態のバランス用アクチュエータを示す背面図である。
【図24】本発明の第5実施形態に使用される横長治具を示す正面図である。
【図25】本発明の第5実施形態を示す要部正面図である。
【図26】本発明の第5実施形態の中央部(修正ピン308Cの位置)での側面断面図である。
【図27】本発明の第5実施形態を示す要部平面図である。
【図28】本発明の第5実施形態の修正ピン308A,308Eの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図である。
【図29】本発明の第5実施形態の修正ピン308B,308Dの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図である。
【図30】本発明の第5実施形態の他の例を示す側面断面図である。
【図31】本発明の第6実施形態に使用される横長治具を示す正面図である。
【図32】本発明の第6実施形態を示す要部正面図である。
【図33】本発明の第6実施形態の中央部の修正ピン388Dの位置での側面断面図である。
【図34】本発明の第6実施形態の修正ピン388Gの位置での修正用アクチュエータ手段に相当する部分を示す側面断面図である。
【図35】本発明の第6実施形態の他の例を示す要部正面図である。
【符号の説明】
1 基台
2 研磨用定盤
4 定盤駆動用モータ
8 ガイドレール
10 横移動スライダ
12 研磨ヘッド取付用フレーム
16 回転支持部
18 弾性部材
20 研磨ヘッド
22 底板
24 垂直支持板
26,180 アジャストリング
44 傾動軸
46 傾動部
52 傾動用モータ
64 昇降部
66 支点軸
68 バックプレート
70A,70B、200A,200B バランス用電磁式アクチュエータ
76 コイル
78 磁石
80 ロッド
90 長方形板状部
92 被研磨物
94 横長治具
96 固定ピン
97A,97B ストッパーピン
98A,98B 位置きめピン
104 セラミックバー
106A,106B,106C 修正用電磁式アクチュエータ
108 上部延長部
126A,126B,126C 修正ピン
130 接触型センサ
132 接触子
220 荷重制御用アクチュエータ
222 バランス用アクチュエータ
300 横長治具
308A〜308E 修正ピン
326A〜326E 修正用昇降部材
330A〜330E 修正用低摩擦シリンダ
350A,350B バランス用電磁式アクチュエータ
370 バランス用低摩擦シリンダ
380 横長治具
388A〜388G 修正ピン
404A〜404G 修正用昇降部材
408A〜408G 修正用低摩擦シリンダ
430A〜430G 修正用低摩擦シリンダ
434A〜434G 修正用昇降部材

Claims (20)

  1. 治具により保持され磁気ヘッドが複数配列された被研磨物を研磨する磁気ヘッドの研磨装置において、
    回転駆動される研磨面を有する研磨用定盤と、
    この研磨用常盤の研磨面に対して移動可能に配置された研磨ヘッド取付手段と、
    上記研磨面に接触するようにこの研磨ヘッド取付手段に弾性支持されたアジャストリングと、
    このアジャストリングに固定され上記研磨面に対する姿勢がアジャストリングにより制御される研磨ヘッドと、
    この研磨ヘッドに上記研磨面に平行な傾動軸を中心として傾動可能に取り付けられた傾動部と、
    この傾動部を上記研磨面に対して傾斜させる傾動部駆動手段と、
    上記傾動部に対して昇降自在に設けられた昇降部と、
    この昇降部の下部に枢着されると共に上記治具が取り付けられるバックプレートと、
    このバックプレートの枢着点の両側にそれぞれ押圧力を作用させるバランス用アクチュエータ手段と、
    この治具の所定の複数の作用点に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段であって、この修正用アクチュエータ手段の可動部の移動方向と上記操作力の作用方向が平行である修正用アクチュエータ手段と、
    を有することを特徴とする磁気ヘッドの研磨装置。
  2. 上記バランス用アクチュエータ手段は、その可動部の移動方向と上記押圧力の作用方向が平行であるように配置された請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  3. 上記修正用アクチュエータ手段は、修正用電磁式アクチュエータである請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  4. 上記修正用アクチュエータ手段は、修正用低摩擦シリンダ装置である請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  5. 上記バランス用アクチュエータ手段は、バランス用電磁式アクチュエータである請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  6. 上記バランス用アクチュエータ手段は、バランス用低摩擦シリンダ装置である請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  7. 上記研磨ヘッド及びアジャストリングは、上記研磨ヘッド取付手段に対して回転可能に支持されている請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  8. 上記研磨ヘッド取付手段は、上記研磨ヘッド及びアジャストリングに所定角度範囲の往復回転運動をさせる揺動手段を有する請求項7記載の磁気ヘッド研磨装置。
  9. 上記治具は、その中央部の1点で上記バックプレートに取り付けられている請求項1記載の磁気ヘッドの研磨装置。
  10. さらに、上記治具の左端部及び右端部の位置を検出するセンサを有する請求項1記載の磁気ヘッド研磨装置。
  11. 上記修正用電磁式アクチュエータは、可動部及び固定部がコイル及び磁石又は磁石及びコイルにより構成されている請求項3記載の磁気ヘッド研磨装置。
  12. 上記バランス用電磁式アクチュエータは、可動部及び固定部がコイル及び磁石又は磁石及びコイルより構成されている請求項5記載の磁気ヘッド研磨装置。
  13. 上記治具の複数の作用点は、上記治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられている請求項9記載の磁気ヘッド研磨装置。
  14. 磁気ヘッドが複数配列された被研磨物を研磨する磁気ヘッドの研磨方法において、
    被研磨物を保持した治具と、回転駆動される研磨面を有する研磨用定盤と、この研磨面に接触するように設けられたアジャストリングと、このアジャストリングに固定された研磨ヘッドと、この研磨ヘッドに取り付けられた傾動部と、この傾動部に対して昇降自在に設けられた昇降部と、この昇降部の下部に枢着されるバックプレートと、このバックプレートに押圧力を作用させるバランス用アクチュエータ手段と、上記治具にその可動部の移動方向と平行な方向に操作力を作用させる修正用アクチュエータ手段と、を準備する工程と、
    上記治具を上記バックプレートに取り付ける工程と、
    上記アジャストリングにより上記研磨ヘッドの姿勢を制御する工程と、
    上記治具を上記昇降部で支持しながら上記バックプレートの枢着点の両側にそれぞれ上記バランス用アクチュエータ手段で押圧力を作用させると共に上記治具の所定の複数の作用点に上記修正用アクチュエータ手段で操作力を作用させて、上記被研磨物の複数の磁気ヘッドを均等に研磨する第1研磨工程と、
    上記磁気ヘッドに対して上記傾動部を傾斜させることにより上記治具を上記研磨面に対する垂直面から傾斜させ、この状態で上記被研磨物の底面をテーパ加工する第2研磨工程と、
    を有することを特徴とする磁気ヘッドの研磨方法。
  15. 上記バランス用アクチュエータ手段は、上記バックプレートにその可動部の移動方向と平行な方向に押圧力を作用させる請求項14記載の磁気ヘッドの研磨方法。
  16. 上記研磨ヘッドを連続回転又は所定角度範囲で往復回転させる請求項14記載の磁気ヘッドの研磨方法。
  17. 上記アジャストリングを回転させる請求項14又は16記載の磁気ヘッドの研磨方法。
  18. 上記研磨ヘッド及びアジャストリングを直線往復運動させる請求項14、16又は17の何れか1項に記載の磁気ヘッドの研磨方法。
  19. 上記治具の左端部及び右端部の位置をセンサで検出して上記第2研磨工程による上記被研磨物の底面の研磨量を検出する請求項14記載の磁気ヘッドの研磨方法。
  20. 上記治具の複数の作用点は、上記治具の中央部及びこの中央部に対して左右対称に設けられており、これらの作用点に上記修正用アクチュエータ手段で操作力を作用させている請求項14記載の磁気ヘッド研磨方法。
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