JP4079305B2 - 建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置に関する。建具用錠内部の係脱機構としては、例えば建具の一例としての引き違い戸に設けられた錠用サムターン係脱機構が適合する。建具用サムターン係脱機構は、普通一般の家庭に於いて、泥棒がガラスの一部をくり抜いて手を差込み、外からサムターンを移動させて解錠するのを防止するために使用されている。
【0002】
【従来の技術】
一般に、引き違い戸錠は、内側引戸の框に外側引戸の受け金具と係合する施錠片を動かすための操作体(サムターン)が設けられている。例えば中央部に摘みを有する垂直板状のサムターンを下方へスライドさせると、取付け箱に設けられた連動部材を介して施錠片(鎌片)が掛合方向へと突出回転する。これに対してサムターンを上方方向へスライドさせると施錠片は後退方向へと回転する。
【0003】
そこで、今仮に泥棒が留守宅に忍び込もうとしてガラスの一部をくり抜き、当該くり抜き部分から手を入れて内側のサムターンを操作した場合には、簡単に不正解錠が行われる可能性がある。
【0004】
これを防止するために、外出する際に「サムターンの摘みを取り外す考え方」がある。確かに、摘みを取り外すと、泥棒はガラスをくり抜いても外から容易にサムターンをスライドさせることができないので、不正解錠に時間がかかり過ぎ、泥棒は室内に侵入するのを諦める可能性がでてくるという利点はある。しかしながら、相手は泥棒であるから、摘みがなくてもサムターンを移動させる可能性が残っている。また、摘みを取り外した場合、その保管場所に困り、時には「どこに摘みを置いたか」判らないことも日常的な経験則である。
【0005】
そこで、出願人は、このような従来の問題点に鑑み、「引き違い戸錠用サムターン係脱機構」を特許庁に提案した(出願中)。この引き違い戸錠用サムターン係脱機構は、泥棒が仮にガラスをくり抜き、手を差入れてサムターンをスライドさせても引戸錠の施錠状態を解消させることができないことを目的とし、その基本的構成は、内側引戸の室外側に設けられた取付け収納箱にシリンダー部材の駆動力を変換する動力変換上下動部材を組込み、一方、内側引戸の室内側にクラッチボタン用支持筒を有するサムターンを設け、このサムターンと前記支持筒に組込まれたクラッチボタンを介して連動し、かつ、施錠片を回転させる連動部材を前記取付け収納箱に上下動可能に内装し、内側のシリンダー部材をキーで操作すると、連動部材に係合している前記クラッチボタンのクラッチ状態を解消させることができるように、動力変換上下動部材の移動方向に対して交差方向へ移動する制御板を連動部材と動力変換上下動部材の間に組込んだことを特徴とする。
【0006】
この新規な先願発明は、一般に居住者は室内にいる場合には「クラッチ係合状態」にし、一方、居住者は外出する際には、シリンダー部材を操作して「クラッチ非係合状態(お出かけ状態)」にする訳であるが、居住者にとって、「室内からは、お出かけ状態にしたか否かの判別」を、視覚上、容易にできないと言う問題点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、建具用錠内部の係脱機構の係脱状態を視覚上容易に判別することである。この目的を具体的に言えば、錠の種類によっては、その内部の係脱機構の係脱状態が、例えば外出の際に防犯上重要な意味合いを有する場合に、「お出かけ状態にしたか否か」の判別を、視覚上、容易にわかるようにし、外出の際には、極力、錠内部の係脱機構(サムターン係脱機構のクラッチ)の状態を、「クラッチ非係合状態(お出かけ状態)」にするように喚起することである。
【0008】
したがって、居住者に対する外出時の防犯行為を期待することである。また視点を変えると、錠内部の係脱機構の係脱状態が、例えば痴呆症の老人を管理する管理者の立場から言えば、人に対して管理上重要な意味合いを有する場合に、錠内部の係脱機構の状態が「クラッチ係合状態(きちんと管理している場合)」か、それとも「クラッチ非係合状態(鍵をかけるのを忘れ、管理不十分である場合)」であるかを視覚上容易に判別することができることである。本発明の第2の目的は、構成する部品点数を少なくすることである。第3の目的は、実施例によっては、暗い所でも、係合状態の識別力を十分に発揮させることができることである。第4は、錠内部の係脱機構の係脱状態が、「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別させる係脱状態識別部材を備えた建具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置は、室内側から見える戸の内壁に固定され、かつ、内側のシリンダー部材10用の嵌合窓4aとこの嵌合窓から上下方向に所定距離離間して形成された表示窓4bとを有する建具用化粧板と、この化粧板の前記嵌合窓4aに鍵穴が室内側から見えるように固定された前記シリンダー部材と、このシリンダー部材の回転可能な内筒体に一端部が固定されていると共に、該一端部に半径外方向に縦長に延設する他端部に前記表示窓の裏側に臨むように配設された識別部を有する係脱状態識別部材と、前記シリンダー部材の駆動力を変換する動力変換上下動部材20と、この動力変換上下動部材20と係合すると共に該動力変換上下動部材に対して水平方向に移動し、かつ施錠片3を備えた連動部材30に係合しているサムターン3側の内部クラッチのクラッチ状態を解消させる制御板25とから成り、前記識別部には、錠内部の係脱機構の係脱状態が、外出の際に「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別することができる標識が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置は、室内側から見える戸の内壁に固定され、かつ内側のシリンダー部材用の嵌合窓4aとこの嵌合窓から上下方向に所定距離離間して形成された表示窓4bとを有する建具用化粧板と、この化粧板の前記嵌合窓4aに鍵穴が室内側から見えるように固定されたシリンダー部材と、このシリンダー部材の回転可能な内筒体に固定された係合駆動部材と、この係合駆動部材の半径外方向に縦長に延設する係合腕に係合する被係合部を有し、かつ、前記表示窓に臨むように化粧板の裏側にスライド自在に配設された係脱状態識別部材と、前記シリンダー部材の駆動力を変換する動力変換上下動部材20と、この動力変換上下動部材20と係合すると共に該動力変換上下動部材に対して水平方向に移動し、かつ施錠片3を備えた連動部材30に係合しているサムターン3側の内部クラッチのクラッチ状態を解消させる制御板25とから成り、前記係脱状態識別部材の識別部は、キー操作によって回転体すると、係合駆動部材の係合腕によって左右にスライドし、錠内部の係脱機構の係脱状態が、外出の際に「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1乃至図10は、建具Zに適用した本発明の第1実施例を示す各説明図で、特に図1乃至図3、図4及び図6は、本発明の一例を示す。また図5、図7乃至図10は、本発明の第1実施例を利用した錠内部の係脱機構の一例を示す。
【0012】
(1)発明の実施の環境
まず本発明の第1実施例を建具(例えば引き違い戸)Zに適用した発明の実施の環境について説明する。また、本実施例では、引き違い戸錠用サムターン係脱機構Xに適用した例で説明する。このサムターン係脱機構Xは、図5以下で示すように、図示しない内側引戸の框に組み込まれた単数又は複数個の取付け収納箱1又はサムターン2を基準として内側引戸Zに設けられている。3は施錠片の一例としての鎌片で、この鎌片3は図示しない外側引戸の受け金具に回転掛合する。内側引戸Zの中に収められる一つの取付け収納箱2は、固着手段を介して内側引戸の室外側から固定される。一方、長板状のサムターン2を上下方向に案内する外枠部材としての化粧板4並びにサムターン2を内側から支持する受け部材(図示しない)は、室内側から固定される。以下、本発明の実施の環境に関連する部分について順次説明するが、細部的な事項はその説明を割愛する。
【0013】
(2)内側のシリンダー部材
10は化粧板4の嵌合孔4aに突出先端部が嵌合するシリンダー部材で、このシリンダー部材10は、外筒体11と、この外筒体11に回転可能に設けられた内筒体12とから成る。前記内筒体12の突出先端部には、後述する係合駆動部材が嵌着した際にその係合突起が係合する横溝13が複数個設けられている。横溝13は、突出先端部の周壁に所定間隔を有して軸方向に形成されている。シリンダー部材10の内端部から突出する駆動軸には、動力変換機構の一部を構成する駆動歯車(ピニオン)14が設けられている。シリンダー部材10は、例えば外側引戸に取付けた外側シリンダーにも使える共用キーKによってその駆動軸が回転する。
【0014】
(3)取付け収納箱
図8で示すように、取付け収納箱1は中空角柱状に形成され、上端部には一側壁から上方に延びた取付け壁1aが、また、下端部には施錠片3が十分に回転後退することかできるように逃し用切欠部1bが形成されている。この取付け収納箱1の形態は、任意に形成することができるが、他の部材との関係で複数個の軸孔、突起軸、上下動部材用案内部などが設けられている。
【0015】
しかして、15は左右の側壁下部に形成した鎌片用軸孔、16は左右側壁の上端部寄りの部位に形成され、かつ、水平移動可能な制御板を案内する内側突起軸である。また17は左右の側壁と交差する側壁に形成された縦長嵌合孔或いは切欠部である。
【0016】
(4)動力変換上下動部材
20は取付け収納箱1に組込まれた動力変換上下動部材である。この動力変換上下動部材20は、縦長ブロック形状の係合駆動部21と、この係合駆動部21の一側壁から垂直板状に上方に延びるラック部22とから成る。係合駆動部21の左右の側壁には、上下に所要の間隔を有して一対の突起軸23,23が設けられ、取付け収納箱1の上部側に内装される。一方、動力変換機構の一部を構成するラック部22は、取付け収納箱1の上端面開口から突出し、シリンダー部材10の駆動歯車14に噛合している。
【0017】
(5)制御板
25は取付け収納箱1の上部に内装された制御板である。制御板25は、上下の端面がチャンネル形状(コ字型)に形成され、動力変換上下動部材20或いは取付け収納箱1に対して水平移動可能に設けられている。すなわち、26は左右の側壁の中央部にそれぞれ形成され、かつ、取付け収納箱1の左右の突起軸16,16にそれぞれ係合する左右一対の水平案内長孔である。また27は左右の側壁の上下部にやや斜めの状態にそれぞれ形成され、かつ、動力変換上下動部材20の左右の突起23,23が係合する傾斜案内長孔である。
【0018】
したがって、制御板25は動力変換上下動部材20が駆動歯車14の駆動力により鉛直方向に昇降動すると、左右の突起23,23の位置が上方又は下方へと移行することになるから、カム機能を有する傾斜案内長孔27,27によって進退動をする。この時制御板25は取付け収納箱1の突起軸16,16に水平案内長孔26,26が係合しているので、突起軸16,16に支持された状態で水平移動する。
【0019】
(6)連動部材
長板枠状連動部材30も動力変換上下動部材20と同様に取付け収納箱1内に上下方向へとスライド可能に内装されている。この連動部材30には取付け収納箱1に横設軸架された横軸に係合する垂直案内長孔などが形成されているが、細部的事項なので省略してある。
【0020】
32は連動部材30の下部の左右側壁(端板)31に設けられた可動軸で、施錠片3の幅広後端部3aはこの可動軸32に、例えばT字型状係合孔を介して係合している。取付け収納箱1の下端部には軸孔15が形成されているが、これらの軸孔15に施錠片用の支軸33が取付けられる。施錠片3は所定位置にてこの支軸33を介して回転し、一方、連動部材30はサムターン2と係合した場合には上下に連動するので、本実施例では支軸33が邪魔にならないように左右側壁31の下部を指先状に切欠形成してある。
【0021】
また35は前壁(端板に対する中央板)である。ここでは説明の便宜上、前壁35と称するが、本実施例ではこの前壁35は、下部側の垂直壁35aと、上部側に設けられかつ該垂直壁35aよりも多少後方側へオフセットされた係合垂直壁35bとに区分けされている。
【0022】
しかして、前記係合垂直壁35bには、上端部から下端部に至って逃し用垂直案内長孔36が形成され、さらに、この垂直案内長孔36の略中央部には、該垂直案内長孔よりも大径の係合孔37が連通形成されている。ところで、係合垂直壁35と直交する左右の側壁(端板)31の上端部は、L型状に切欠されている。また連動部材30は、前壁35を基準にして左右の側壁31が折り曲げ形成されたチャネル形態であり、
前述した制御板25及び動力変換上下動部材20は、この連動部材30の上部内で可動する。
【0023】
(7)サムターン
次にサムターン2について説明する。サムターン2は、外側部材としての化粧板4と内側の受け部材との間を上下動するスライド部2aと、このスライド部2aの外壁面端部寄りの部位に突設された摘み部2bと、前記スライド部2aの一端部に摘み部とは反対側に突設されたクラッチボタン用支持筒40と、この支持筒40の一端開口収納部41にバネ42に付勢された状態で組込まれたクラッチボタン43と、このクラッチボタン43が外れないように固着手段を介して支持筒40の端面に固定された矩形状小支持板44とから構成されている。
【0024】
しかして、前記クラッチボタン43は、フランジ部43aと、このフランジ部43aから突出する大径係合部43bと、この大径係合部43bから突出する小径係合部43cとから成る。また前記小支持板44には、支持筒40の端面に形成したネジ孔40aと符合する貫通孔小孔44aや前記クラッチボタン43の大径係合部43bが摺動係合する支持係合孔44bがそれぞれ形成されている。
【0025】
上記構成に於いて、図7及び図8を参照にしてサムターン係脱機構Xのクラッチボタン43が連動部材30から係合状態(クラッチ)が解かれる場合について説明する。
【0026】
(8)サムターン係脱機構Xのクラッチの係脱状態
ここで、本発明の係脱状態確認装置Yに関連するので、サムターン係脱機構Xの内部クラッチの係脱状態について説明する。
【0027】
まず、図4の場合は、居住者が外出しようとしてシリンダー部材10のキー穴10aにキーKを差込み、時計方向に90度回した状態を示すが、この時サムターン係脱機構Xのクラッチの係脱状態は、図5で示すようになる。すなわち、屋内にいる時は、一般にクラッチボタン43の大径係合部43bが連動部材30の係合垂直壁35bの係合孔37に係合している(図7参照)が、今仮にお出かけの際にサムターン2をフリーな状態にしようと思い、外側シリンダーにも使える共用キーKをシリンダー部材10にキー穴10aに差込み、係合解除方向へ回したとする。
【0028】
この時、駆動歯車14が回転すると、当然動力変換上下動部材20は当然移動(下降)する。そうすると、前述したように制御板25は突起軸16に案内されながら連動部材30側へ前進する。その結果、クラッチボタン43は、バネ42のバネ力に抗しながら制御板25の前壁25aに押されるので、その大径係合部43bは係合垂直壁35bの係合孔37から外れる(図5の拡大部分を参照:錠内部の係合状態:解消)。
【0029】
したがって、サムターン2の摘み部2bを摘んで上下方向に操作しても、クラッチボタン43の小径係合部43cが逃し用垂直案内長孔3b内を移動するだけなので、連動部材30にサムターン2側の動力が伝わらない(図10参照)。それ故に、泥棒によって施錠片3の施錠状態が解かれる心配がない。
【0030】
これに対し、図6の場合は、居住者が外出先から帰ってきて、家にいる場合である。家にいる場合には、一般にサムターンを施錠(係合)状態にするので、シリンダー部材10のキー穴10aにキーKを差込み、半時計方向に90度回すが、この時サムターン係脱機構Xのクラッチの係脱状態は、図7で示すようになる。すなわち、共用キー14で駆動歯車14を逆方向へ回転させると、動力変換上下動部材20は上昇し、制御板25は傾斜案内長孔27,27等に案内されながら動力変換上下動部材20側へと戻る。その結果、クラッチボタン43は、バネ42のバネ力により制御板25に追従して突出し、その大径係合部43bが係合垂直壁35bの係合孔37に係合する(図7の拡大部分を参照:錠内部の係合状態:係合)。
【0031】
したがって、サムターン2を、本実施例では上方方向へスライドさせると、連動部材30はクラッチボタン43を介して上方へと移動する。
【0032】
(9)係脱機構の係脱状態確認装置
そこで、図1乃至図7を基準にして本発明の主要部について説明する。なお、説明の便宜上、符号はそのまま同一の符号を用いる。前述したように符号4は室内側から見える戸の内壁に固定され、かつ表示窓4bを有する化粧板である。化粧版4は長板状に形成され、その裏側には、図3で示すように取付け部4cや横向き凹所4dが形成されている。またシリンダー部材用ないし係脱状態確認装置用の支持箱を化粧版4の裏側に適宜固定しても良いが、本実施例では、取付け部4cの下方に複数個の水平支持部4e、4eを形成している。しかして、前記表示窓4bの形状は特に限定するものではないが、係脱状態識別部材6の識別部8のスライド位置との関係を考慮し、本実施例では縦長に形成されている。なお、化粧板4は、内側のシリンダー部材用の嵌合窓4aとこの嵌合窓から上下方向に所定距離離間して形成された表示窓4bとを有する。
【0033】
次に符合10は、化粧板4に鍵穴10aが室内側から見えるように固定されたシリンダー部材で、このシリンダー部材10は、前述したように外筒体11と、この外筒体11に所定量(例えば90度)回転可能に設けられた内筒体12とから成る。内筒体12の突出先端部の一部は、化粧版4の嵌合孔4aに嵌合し、またその余の外周壁には、前述したように被係合部としての複数個の横溝13が形成されている。
【0034】
次に5はシリンダー部材10の内筒体12の突出先端部に固定された係合駆動部材で、この係合駆動部材5は、図1で示すように突出先端部に嵌合する環状の嵌合部5aと、この嵌合部5aの適宜部位から下方方向に延設する係合腕5bと、この係合腕5bの端部の前面に突設された係合突起5cとから成る。しかして、前記環状嵌合部5aの内周壁には、内筒体12の横溝13と係合する複数個の係合爪が突設されている。
【0035】
次に6は中央部の上部に係合駆動部材5の係合腕5bに係合する切欠状被係合部7を有し、かつ、化粧板4の表示窓4bに臨むように該化粧板の裏側にスライド自在に配設された係脱状態識別部材である。係脱状態識別部材6は、本実施例では、係合駆動部材5とは別体であり、やや横長状の板形状に形成されている。
【0036】
しかして、8は被係合部7以外の識別部で、この識別部8の前面には、錠内部の係脱機構Xの係脱状態が、「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別させる標識8aが施されている。この標識8aは、本実施例では左側半分が「係合している状態を意味する色彩又は/および文字」であるのに対し、右側半分が「係合していない状態を意味する色彩又は/および文字」である。例えば左側半分が「赤色:危険」で、左側半分が「青色:外出安全」の如くである。したがって、識別部8は、二色以上からなるので、模様である。もちろん、有色彩ないし模様を除き、文字のみでも良いが、このような場合には左側半分が「クラッチ係合」、右側半分が「クラッチ解除」のように記載される。さらに、標識8aに蛍光塗料層や蓄光表示層を設けて部屋が暗い状態の時でも識別できるように工夫されている。
【0037】
次に9は押え板で、この押え板9は化粧板4の水平支持部4eの一つに適宜に固定され、係脱状態識別部材6を案内するガイド機能を発揮している。なお、押え板9も含め、係脱状態識別部材6などを矩形状の支持枠に収めることもできる。
【0038】
上記構成に於いて、キーK操作によってシリンダー部材10の内筒体12が回転すると、内筒体12と一体の係合駆動部材5は内筒体12と同方向に回転するから、係脱状態識別部材6は係合腕5bによって左右にスライドする。したがって、係脱状態識別部材6の標識8aの左側半分か、又は右側半分かのいずれかが選択的に化粧板4の表示窓4bに現れる。本実施例では、前述したように、図4で示すように内筒体12が時計方向に回転すると、係脱状態識別部材6は矢印で示すように左にスライドし、標識8aの右側半分の部分が見えるので、錠内部の係脱機構Xの係脱状態が、「係合していない状態である」ことが判る。これに対し、図6で示すように内筒体12が半時計方向に回転すると、係脱状態識別部材6は矢印で示すように右にスライドし、標識8aの左側半分の部分が見えるので、錠内部の係脱機構Xの係脱状態が、「係合している状態である」ことが判る。
【0039】
【実施例】
この欄では第2実施例について説明する。なお、第2の実施例の説明にあたって、第1実施例と同一又は同様(機能が同一)の部分には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0040】
図11乃至図14に示す第2実施例に於いて、第1実施例と主に異なる点は、識別表示手段について、第1実施例の係合駆動部材5と係脱状態識別部材6とを一体化し、「一物品」に構成していること。ここでは、この一物品を便宜上「係脱状態識別部材6A」と称する。
【0041】
しかして、51はシリンダー部材10の内筒体12の突出先端部に嵌合固定された環状嵌合部である。52は嵌合部51の適宜部位から下方方向に延設する連結腕で、この連結腕52の端部は前方に折り曲げされ、突起部となっている。53は連結腕52の下端部に弧状に連設形成され、かつ化粧板4Aの表示窓4bの裏側に臨むように配設された識別部で、この識別部53には、錠内部の係脱機構の係脱状態が、「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別することができる標識8aが設けられている。
【0042】
したがって、この実施例の係脱状態識別部材6Aは、スライド型ではなく、キーK操作によって回転する内筒体と同じ方向に摺動する振り子型の一つの部材であるから、図13で示すように回転体としての内筒体12が時計方向に回転すると、係脱状態識別部材6Aは矢印で示すように左に揺れ、標識8aの右側半分の部分が表示窓4bから見える。それ故に、錠内部の係脱機構Xの係脱状態が、「係合していない状態である」ことが判る。これに対し、図14で示すように内筒体12が半時計方向に回転すると、係脱状態識別部材6は矢印で示すように右に揺れ、標識8aの左側半分の部分が見える。それ故に、錠内部の係脱機構Xの係脱状態が、「係合している状態である」ことが判る。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、建具用の錠の種類によっては、その内部の係脱機構の係脱状態が、例えば外出の際に防犯上重要な意味合いを有する場合に、居住者に対して「お出かけ状態にしたか否か」の判別を、視覚上、容易に判る。換言すれば、居住者は、外出の際に、化粧板の表示窓から見える識別標識を見ることにより、忘れている場合には錠内部の係脱機構、例えばサムターン係脱機構のクラッチの状態を、「クラッチ非係合状態(お出かけ状態)」にする習慣が身に付くので、外出時の防犯行為を期待することができる。なお、視点を変えると、人を管理する管理者の立場からは、「クラッチが係合状態か否か」を、視覚上容易に判別することができる。
【0044】
また、本発明では建具用の化粧板に表示窓を形成し、一方、この表示窓から識別部を有する係脱状態識別部材がシリンダー部材の回転体の駆動力により左右に移動する構成なので、構成する部品点数を少ない。さらに、係脱状態識別部材の実施例如何によっては、暗い所でも、係合状態の識別力を発揮させることができる。加えて、実施形態で説明したサムターン係脱機構は、お出かけの際にシリンダー部材にキーを差込んで操作すると、シリンダー部材の駆動歯車と噛合う動力変換上下動部材が移動し、これにより制御板が前進して連動部材に係合中のクラッチボタンを押し下げ、いわゆるクラッチ状態を解いてしまうので、泥棒が仮にガラスをくり抜き、手を差入れてサムターンをスライドさせても連動部材はサムターンに連動しない。それ故に、泥棒は引戸錠の施錠状態を解消させることができない。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図10は本発明の第1実施例を示す各説明図である。図11乃至図14は本発明の第2実施例を示す各説明図である。
【図1】第1実施例の主要部を示す分解斜視図。
【図2】化粧板の正面から見た場合の主要部の説明図。
【図3】図2の3−3線概略断面説明図。
【図4】内筒体が時計方向に回転した場合の説明図。
【図5】図4の場合に於いて、錠内部のサムターン係脱機構の係脱状態(係合解除)の説明図。
【図6】内筒体が反時計方向に回転した場合の説明図。
【図7】図6の場合に於いて、錠内部のサムターン係脱機構の係脱状態(係合)の説明図。
【図8】本発明の主要部を含むサムターン係脱機構の分解斜視図。
【図9】キー操作により動力変換上下動部材を介し、制御板が作動する旨の概略説明図。
【図10】サムターン係脱機構の連動部材とクラッチボタンとの関係を示す説明図。
【図11】第2実施例の主要部を示す分解斜視図。
【図12】主要部の概略断面説明図。
【図13】内筒体が時計方向に回転した場合の説明図。
【図14】内筒体が反時計方向に回転した場合の説明図。
【符号の説明】
X…サムターン係脱機構、Y…係脱状態確認装置、Z…建具、K…キー、2…取付け収納箱、2…サムターン、3…施錠片、4,4A…化粧板、4a…嵌合孔、4b…表示窓、4c…取付け部、4d…凹所、4e…水平支持部、5…係合駆動部材、5a,51…嵌合部、5b…係合腕、5c…係合突起、6,6A…係脱状態識別部材、8,53…識別部、8a…標識、9…押え板、10…シリンダー部材、11…外筒体、12…内筒体、13…横溝、52…連結腕、10…シリンダー部材、14…駆動歯車、14…キー、15…鎌片用軸孔、16,23…突起軸、20…動力変換上下動部材、21…係合駆動部、22…ラック部、25…制御板、26…水平案内長孔、27…傾斜案内長孔、30…連動部材、31…左右側壁(端板)、32…可動軸、33…支軸、35…前壁、35a…垂直壁、35b…係合垂直壁、36…垂直案内長孔、37…係合孔、40…クラッチボタン用支持筒、42…バネ、43…クラッチボタン、43b…大径係合部、43c…小径係合部、44…小支持板。
Claims (2)
- 室内側から見える戸の内壁に固定され、かつ、内側のシリンダー部材10用の嵌合窓4aとこの嵌合窓から上下方向に所定距離離間して形成された表示窓4bとを有する建具用化粧板と、この化粧板の前記嵌合窓4aに鍵穴が室内側から見えるように固定された前記シリンダー部材と、このシリンダー部材の回転可能な内筒体に一端部が固定されていると共に、該一端部に半径外方向に縦長に延設する他端部に前記表示窓の裏側に臨むように配設された識別部を有する係脱状態識別部材と、前記シリンダー部材の駆動力を変換する動力変換上下動部材20と、この動力変換上下動部材20と係合すると共に該動力変換上下動部材に対して水平方向に移動し、かつ施錠片3を備えた連動部材30に係合しているサムターン3側の内部クラッチのクラッチ状態を解消させる制御板25とから成り、前記識別部には、錠内部の係脱機構の係脱状態が、外出の際に「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別することができる標識が設けられていることを特徴とする建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置。
- 室内側から見える戸の内壁に固定され、かつ内側のシリンダー部材10用の嵌合窓4aとこの嵌合窓から上下方向に所定距離離間して形成された表示窓4bとを有する建具用化粧板と、この化粧板の前記嵌合窓4aに鍵穴が室内側から見えるように固定されたシリンダー部材と、このシリンダー部材の回転可能な内筒体に固定された係合駆動部材と、この係合駆動部材の半径外方向に縦長に延設する係合腕に係合する被係合部を有し、かつ、前記表示窓に臨むように化粧板の裏側にスライド自在に配設された係脱状態識別部材と、前記シリンダー部材の駆動力を変換する動力変換上下動部材20と、この動力変換上下動部材20と係合すると共に該動力変換上下動部材に対して水平方向に移動し、かつ施錠片3を備えた連動部材30に係合しているサムターン3側の内部クラッチのクラッチ状態を解消させる制御板25とから成り、前記係脱状態識別部材の識別部は、キー操作によって回転体すると、係合駆動部材の係合腕によって左右にスライドし、錠内部の係脱機構の係脱状態が、外出の際に「係合している状態なのか」、それとも「係合していない状態なのか」を視覚上識別させることを特徴とする建具用錠内部の係脱機構の係脱状態確認装置。
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