JP4079053B2 - エアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高強度継目無鋼管に係り、とくにエアバッグ用として好適な、加工性、靭性に優れた高強度継目無鋼管に関する。
近年、自動車の衝突安全性の向上が熱望され、とくに衝突時に乗員を保護する安全装置の導入が積極的に進められている。なかでも、衝突時、乗員と、ハンドルやインストルメントパネルとの間に展開し、乗員の運動エネルギーを吸収して乗員の損傷低減を図るエアバッグの搭載が一般化しつつある。とくに、ハンドル内に装填される運転席用エアバックや、インストルメントパネル内に装填される助手席用エアバックは標準装備化されつつある。さらに、最近では、これらに加え、側面衝突時に乗員を保護するため、座席にサイドエアバッグ、あるいはサイドウインドウを覆うカーテン式エアバッグなどを搭載する自動車が多くなっている。
従来から、エアバッグには、火薬を使用してガスを発生させる方式が多く採用されてきた。しかし、 最近では、リサイクル性や環境への配慮から、火薬の使用に替えて、アルゴンなどの不活性ガスをインフレータに高圧で充填する方式が採用されるようになっている。この方式では、不活性ガスをインフレータ内に常時高圧に保つ必要があることから、インフレータには、十分な強度を有することが望まれている。
一般に、エアバッグ用インフレータは鋼管を加工して製造されている。不活性ガスを充填する方式のエアバッグでは、不活性ガスはインフレータ内に高圧で充填される。このため、シームの信頼性の観点から、インフレータ用鋼管としては、もっぱら継目無鋼管が使用されている。通常、継目無鋼管に冷間引抜き加工を施し所定寸法とし、所定の長さに切断したのち、両管端をプレス加工などにより加工し封板を溶接して、製品(インフレータ)とされる。
このようなことから、インフレータ用鋼管として、十分な強度と靭性を有し、加工性に優れ、さらに溶接性にも優れた継目無鋼管が要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、C:0.01〜0.20%、Si:0.50%以下、Mn:0.30〜2.00%、P:0.020 %以下、S:0.020 %以下、Al:0.10%以下を含み、あるいはさらにMo:0.50%以下、V:0.10%以下、Ni:0.50%以下、Cr:1.00%以下、Cu:0.50%以下、Ti:0.10%以下、Nb:0.10%以下、B:0.005 %以下のうち1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を製管後、冷間加工を施したまま、もしくは冷間加工後、 焼なまし、 焼ならし、または焼入れ焼戻し処理する高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
また、特許文献2には、特許文献1に記載された組成と同様の組成の鋼を製管後、850 〜1000℃で焼ならしたのち、所定の寸法に冷間加工を施したまま、もしくは応力除去焼鈍、焼ならし、または焼入れ焼戻し処理を施す高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
また、特許文献3には、特許文献1に記載された組成と同様の組成の鋼を製管後、850 〜1000℃での焼入れ、あるいはさらに450 ℃以上Ac1変態点未満での焼戻しを行なったのち、所定の寸法に冷間加工を施したまま、もしくは冷間加工後焼きなまし処理を施す高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術によれば、高寸法精度で加工性と溶接性に優れ、かつ引張強さ:590 N/mm2 以上の高強度高靭性のエアバッグ用鋼管が製造できるとしている。
特開平10−140283号公報 特開平10-140249 号公報 特開平10-140250 号公報
最近では、エアバッグシステムに対する小型化、軽量化が要求されるようになっており、エアバッグのインフレータ用の継目無鋼管として、さらなる高強度化が要求されている。とくに、カーテン式エアバッグでは、エアバッグが前後のサイドウインドウを覆うことができるように、大容量のガスを必要とし、しかも50MPa 以上の充填圧力が要求されている。このような要求を満足するには、冷間引抜や熱処理等を施したのち、最終的にインフレータとして900MPa以上の引張強さが得られる継目無鋼管が要望されている。
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術では590MPa級の高強度継目無鋼管の製造を目的としており、上記したインフレータ用鋼管として望まれている、更なる高強度化要求には対応できないという問題がある。
また、インフレータでは、液圧によるバースト試験が実施され、管円周方向の強度と延性が評価されている。このバースト試験では、試験時の割れが延性割れであることが要求されている。通常、試験時の割れが脆性割れでは不合格となる。バースト試験での脆性割れを防止するために、熱処理を施す必要があるが、強度確保の目的から、焼入れ・焼戻し処理を施すのが一般的であった。
しかしながら、焼入れ・焼戻し処理を施すことは、工程が複雑となり製造期間が長くなるとともに、インフレータ製造コストの高騰を招くという問題がある。このようなことから、熱処理を必要とすることなく、あるいは簡易な熱処理を施すだけで、要求特性を満足できるインフレータ用鋼管が要望されている。
本発明は、上記したような状況に鑑みて成されたものであり、熱処理を必要とすることなく、あるいは簡易な熱処理を施すだけ、インフレータとして、900MPa以上の引張強さと、半割りにした鋼管に対する−40℃における落重試験で延性を示す高靭性とを有する、高強度高靭性継目無鋼管の製造方法を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、強度、靭性におよぼす各種要因について鋭意研究した。その結果、Cを0.05〜0.15質量%、Mnを2.5〜5.0質量%含有する組成の継目無鋼管に冷間引抜処理を施すことにより、焼入れ・焼戻し処理を施すことなく、エアバッグ用インフレータとして最適な強度、靭性を有する継目無鋼管となることを見出した。
本発明は、 上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:2.0%以下、Mn:2.5〜5.0%、 P:0.1%以下、S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含み、さらにTi:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼管素材を造管し継目無鋼管としたのち、該継目無鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。
(2)(1)において、前記冷間引抜処理の前または後に、850〜1000℃の範囲内の温度に加熱し、空冷する焼ならし処理を施すことを特徴とするエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、次A群またはB群
A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とするエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。
本発明によれば、 焼入れ焼戻し処理を施すことなく、インフレータ用鋼管として適正な高強度、高靭性を有する、継目無鋼管を安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。
まず、使用する鋼管素材の組成限定理由について説明する。以下、組成における質量%は単に%と記す。
C:0.05〜0.15%
Cは、鋼の強度増加に寄与する元素であるが、0.15%を超えて過剰に含有すると加工性、靭性、溶接性が低下する。一方、0.05%未満の含有では、所望の引張強さを確保することができにくくなる。このため、本発明では、Cは0.05〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.06〜0.12%である。
Si:2.0 %以下
Siは、鋼の強度を増加させる元素であり、このような効果を得るには0.1 %以上含有することが好ましいが、過剰な含有は延性が低下し加工性を劣化させるため、本発明では2.0 %以下に限定した。なお、好ましくは0.1〜0.6%である。
Mn:2.5〜5.0%
Mnは、強度を向上させる元素であり、所望の強度を確保するために、本発明では2.5%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超えて含有すると、延性、靭性が低下するとともに溶接性が低下する。このため、Mnは2.5〜5.0%に限定した
P:0.1%以下
Pは、強度の増加に有用な元素である。0.05%以上の含有で効果が顕著となるが、0.1%を超えて含有すると溶接性が顕著に劣化する。このため、Pは0.1%以下に限定した。なお、Pによる強化をそれほど必要としない場合や溶接性が問題となる場合には0.05%以下とすることが好ましい。
S:0.01%以下
Sは、鋼中では非金属介在物として存在するが、応力が負荷された場合にはこの非金属介在物を起点として鋼管が破断することがあり、Sはできるだけ低減することが好ましい。0.01%以下に低減すれば上記した鋼管の破断に対する影響は少なくなるため、Sは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.003%以下である。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒の粗大化を抑制して延性、靭性を向上させる作用を有する元素であり、0.01%以上含有することが好ましい。しかし、0.1%を超えて含有すると、酸化物系介在物量が増加し清浄度が低下する。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
N:0.01%以下
Nは、Alと結合して結晶粒を微細化する元素であり、このためには、0.001%以上含有することが望ましいが、0.01%を超えて含有すると、延性が低下する。このため、Nは0.01%以下に限定した。
Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、Nb、Vは、いずれも少量の含有で、強度の増加に寄与する元素であり、選択して1種または2種以上含有する。
Tiは、炭化物および/または窒化物を形成し、析出強化により強度を増加させるとともに、組織の微細化にも寄与して靭性を向上させる元素である。このためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.1%を超えて含有すると、延性、靭性が低下する。このため、Tiは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.030%である。
Nbは、炭化物および/または窒化物を形成し、析出強化により強度を増加させるとともに、組織の微細化にも寄与して靭性を向上させる元素である。このためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.1%を超えて含有すると、鋼の熱間変形抵抗を増加させ、製造性が低下するとともに、延性、靭性が低下する。このため、Nbは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.050%である。
Vは、Ti、Nbと同様に、強度を増加させる元素であり、このためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.1%を超えて含有すると、延性、靭性が低下する。このため、Vは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.050%である。
A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群
A群:Cu:1%以下Ni:1%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
A群のCu、Ni、Cr、Mo、Bは、いずれも延性、靭性を損なうことなく、強度を増加させることができる有用な元素であり、本発明では必要に応じ選択して含有できる。このような効果はCu、Ni、Cr、Moでそれぞれ0.01%以上、Bで0.001%以上の含有で顕著に認められる。一方、Cu、Ni、Cr、Moでそれぞれ1%、Bで0.01%を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となるとともに、さらに鋼の熱間加工性および冷間加工性を低下させる。このため、A群では、Cu:1%以下Ni:1%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下に限定することが好ましい。
B群:Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
B群のCa、REMは、いずれも非金属介在物の形態を球状とし加工性向上に有効に作用する元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果は、Ca:0.001%以上、REM:0.001%以上の含有で認められる。一方、Ca、REMとも0.02%を超えて含有すると、介在物量が多くなりすぎて清浄度が低下する。このため、B群では、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下に限定することが好ましい。なお、CaとREMを併用する場合には、合計で0.02%以下とすることが好ましい。
残部Feおよび不可避的不純物
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉等の公知の溶製方法により溶製し、連続鋳造法、造塊法等の公知の鋳造方法によりビレット等の鋼管素材とすることが好ましい。なお、連続鋳造法等によりスラブとし、該スラブを圧延によりビレットとしてもよい。
ついで、得られた鋼管素材を、好ましくは通常のマンネスマン−プラグミル方式、あるいはマンネスマンーマンドレルミル方式の製造工程を用いて造管し、継目無鋼管とする。継目無鋼管の製造工程としては、上記した以外の方式によっても何ら問題はない。
造管された継目無鋼管は、ついで冷間引抜処理を施され、所定寸法の鋼管とされる。
冷間引抜処理は、特別な装置を必要とせず、通常公知の冷間引抜装置を利用して行なうことができる。冷間引抜処理条件は、所定寸法の鋼管とすることができればとくに限定する必要はないが、縮径率を5〜25%、減肉率を10〜30%と適正範囲内に調整することが寸法精度確保の観点から好ましい。
本発明では、上記した冷間引抜処理のままでも、所望のインフレータ用鋼管として要求される強度、靭性等の特性を十分に満足させることができる。なお、冷間引抜処理の前または後に、焼ならし処理を施すことによりとくに、優れた管周方向靭性を安定して確保することができ、バースト試験時の割れを延性とすることが確実となる。
焼ならし処理は、850 〜1000℃の範囲内の温度に加熱し空冷する処理とすることが好ましい。焼ならし温度が850 ℃未満ではオーステナイト粒の十分な均一化ができず、一方、焼ならし温度が1000℃を超えて高くなると、結晶粒が粗大化し所望の靭性が確保できにくくなる。このため、焼ならし温度は850 〜1000℃に限定することが好ましい。なお、好ましくは850 〜950 ℃である。
冷間引抜処理のまま、あるいは焼ならし処理を施された継目無鋼管は、その後、好ましくは、酸洗によるスケール除去、また必要に応じ曲がりの矯正を施され、製品管(鋼管)とされる。
上記した製造方法により製造された継目無鋼管は、引張強さ:900MPa以上の高強度と、半割りにした鋼管に対する−40℃における落重試験で延性を示す高靭性とを有し、加工性、溶接性に優れた鋼管となり、カーテン式エアバッグ用インフレータ向けとして好適な鋼管となる。
なお、本発明では、焼ならし処理後の冷却を空冷としても十分に目標強度を確保できるため、特別な設備を必要とせずに、優れた特性の鋼管を安価なコストで安定して製造できるという利点がある。
表1に示す組成の鋼管素材(ビレット:140mm φ)を1250℃に加熱し、マンネスマン−マンドレルミル方式による穿孔、延伸圧延、および縮径圧延とにより、継目無鋼管(外径:38.1mmφ×肉厚:3.3 mm)とした。これら継目無鋼管に、縮径率:8.9%、減肉率:18.2%の冷間引抜処理を施して、外径34.7mmφ×肉厚2.7 mmの鋼管とした。一部の鋼管については、表2に示すように冷間引抜処理の前または後で950℃×15min空冷の焼ならし処理を施した。ついで、これら継目無鋼管を矯正し曲がりを除去して、製品管とした。
得られた継目無鋼管 (製品管)から試験片を採取し、実管引張試験を実施し、長さ方向の引張特性を調査した。実管引張試験は、JIS Z 2201に規定の11号試験片(管状試験片:実管)を採取して、JIS Z 2241の規定に準拠して行った。さらに、水圧バースト試験を実施し、 そのバースト圧から周方向の引張強さTSを換算した。
また、得られた継目無鋼管(製品管)について、−40℃における落重試験を実施し、周方向の靭性を調査した。−40℃における落重試験は、継目無鋼管(製品管)を半円状半割りにして、上に凸となるように配置しその上に重錘(100kg)を高さ500mm から落下させる試験を−40℃で実施した。なお、半円状半割りにした試験用管には、管内面側の上部に深さ0.5mmのVノッチを管長手方向に導入した。Vノッチは45°、先端半径R0.25mmとした。破面を観察し脆性破壊の有無を調査した。試験は繰り返し3回とし、3回の試験で全く脆性破壊が生じない場合を○とし、全てが脆性破壊が生じた場合を×、それ以外を△として靱性を評価した。
また、得られた継目無鋼管(製品管)について、へら絞り加工により、管端を外径20mm、25mmに縮径し、加工部の割れを観察し、加工性を評価した。割れ発生のない場合を加工性○、割れが発生した場合を加工性×とした。
また、へら絞り加工により、管端を外径20mmに縮径したのち、管端に封板を溶接し、溶接後割れ発生の有無を目視および顕微鏡により調査し、溶接性を評価した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0004079053
Figure 0004079053
本発明例はいずれも900MPa以上の引張強さと、高靭性とを有し、加工性に優れ、さらに、溶接性に優れた継目無鋼管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、引張強さが900MPa未満であるか、靭性が低下しているか、あるいは加工性、溶接性が低下しており、カーテン式エアバッグ用インフレータ向け鋼管として、十分な特性が得られていない。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.15%、 Si:2.0%以下、
    Mn:2.5〜5.0%、 P:0.1%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.01%以下
    を含み、さらにTi:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼管素材を造管し継目無鋼管としたのち、該継目無鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。
  2. 前記冷間引抜処理の前または後に、850〜1000℃の範囲内の温度に加熱し、空冷する焼ならし処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。
  3. 前記組成に加えてさらに、下記A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ用高強度高靭性継目無鋼管の製造方法。

    A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
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