JP4079054B2 - エアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管およびその製造方法 - Google Patents

エアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度溶接鋼管に係り、とくにエアバッグ用として好適な、靭性、加工性に優れた高強度溶接鋼管に関する。
近年、自動車の衝突安全性の向上が熱望され、とくに衝突時に乗員を保護する安全装置の導入が積極的に進められている。なかでも、衝突時、乗員と、ハンドルやインストルメントパネルとの間に展開し、乗員の運動エネルギーを吸収して乗員の損傷低減を図るエアバッグの搭載が一般化しつつある。とくに、ハンドル内に装填される運転席用エアバックや、インストルメントパネル内に装填される助手席用エアバッグは標準装備化されつつある。さらに、最近では、これらに加え、側面衝突時に乗員を保護するため、座席にサイドエアバッグ、あるいはサイドウインドウを覆うカーテン式エアバッグなどを搭載する自動車が多くなっている。エアバッグ用インフレータには容器部分であるボトルが含まれる。
従来から、エアバッグには、インフレータに収納した火薬を使用してガスを発生させる方式や、インフレータに収納した反応ガスの熱膨張を利用した方式が多く採用されてきた。 最近では、リサイクル性や環境への配慮から、火薬の使用に替えて、アルゴンなどの不活性ガスをインフレータに高圧で充填する方式も採用されるようになっている。
一般に、エアバッグ用ボトルは鋼管を加工して製造されている。鋼管に冷間引抜き加工を施し所定寸法とし、所定の長さに切断したのち、両管端をプレス加工などにより加工し封板を溶接して、ボトルとされる。このため、エアバッグボトル用鋼管としては、十分な強度と靭性を有し、加工性に優れ、さらに溶接性にも優れた鋼管が要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、C:0.01〜0.20%、Si:0.50%以下、Mn:0.30〜2.00%、P:0.020 %以下、S:0.020 %以下、Al:0.10%以下を含み、あるいはさらにMo:0.50%以下、V:0.10%以下、Ni:0.50%以下、Cr:1.00%以下、Cu:0.50%以下、Ti:0.10%以下、Nb:0.10%以下、B:0.005 %以下のうち1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を製管後、冷間加工を施したまま、もしくは冷間加工後、 焼なまし、 焼ならし、または焼入れ焼戻し処理する高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
また、特許文献2には、特許文献1に記載された組成と同様の組成の鋼を製管後、850 〜1000℃で焼ならしたのち、所定の寸法に冷間加工を施したまま、もしくは応力除去焼鈍、焼ならし、または焼入れ焼戻し処理を施す高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
また、特許文献3には、特許文献1に記載された組成と同様の組成の鋼を製管後、850 〜1000℃での焼入れ、あるいはさらに450 ℃以上Ac1 変態点未満での焼戻しを行なったのち、所定の寸法に冷間加工を施したまま、もしくは冷間加工後焼きなまし処理を施す高強度高靭性エアーバッグ用鋼管の製造方法が提案されている。
特開平10−140283号公報 特開平10-140249 号公報 特開平10-140250 号公報
最近では、エアバッグシステムに対する小型化、軽量化が要求されるようになっており、エアバッグのボトル用鋼管として、さらなる高強度化が要求されている。このような要求を満足するには、冷間引抜や熱処理等を施したのち、最終的にエアバッグ用ボトルとして900MPa以上の引張強さが得られる鋼管が要望されている。
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術では590MPa級の高強度継目無鋼管の製造を目的としており、上記したエアバッグボトル用鋼管として望まれている、更なる高強度化要求には対応できないという問題がある。
また、エアバッグボトルでは、液圧によるバースト試験が実施され、管円周方向の強度と延性が評価されている。このバースト試験では、試験時の割れが延性割れであることが要求されている。通常、試験時の割れが脆性割れでは不合格となる。バースト試験での脆性割れを防止するために、熱処理を施す必要があるが、強度確保の目的から、焼入れ・焼戻し処理を施すのが一般的である。
しかしながら、焼入れ・焼戻し処理を施すことは、工程が複雑となり製造期間が長くなるとともに、インフレータ製造コストの高騰を招くという問題がある。このようなことから、熱処理を必要とすることなく、あるいは簡易な熱処理を施すだけで、要求特性を満足できるエアバッグボトル用鋼管が要望されている。
なお、不活性ガスを充填する方式のエアバッグでは、不活性ガスはインフレータ内に高圧で充填され、インフレータ内に常時高圧に保つ必要があるため、シームの信頼性の観点から、エアバッグ用鋼管としては、もっぱら継目無鋼管が使用される。しかし、継目無鋼管は高価であり、製造コストの更なる低減の要求に応えるべく溶接鋼管の適用が検討されている。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、熱処理を必要とすることなく、あるいは簡易な熱処理を施すだけで、エアバッグ用ボトルとして、900MPa以上の引張強さと、半割りにした鋼管に対する−60℃における落重試験で延性破壊するか又は破壊しない高靭性を有する、エアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法およびエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、溶接鋼管の強度、靭性におよぼす各種要因について鋭意研究した。その結果、C、Si、Mn、N、Ti、Nb、Bを適正範囲に調整したうえで、組織をベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、またはベイナイト相またはベイニティックフェライト相を主相とし、15面積%以下のマルテンサイトを第二相として含む組織の溶接鋼管を素材鋼管とし、エアバックボトル用として最適な強度、靭性におよび加工性を有する溶接鋼管が得られることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:1%以下、Mn:1.5〜4%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、またはベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織を有する溶接鋼管を素材鋼管とし、該素材鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、次A群またはB群
A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。
(3)質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:1%以下、Mn:1.5〜4%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する溶接鋼管に加熱処理または均熱処理を施したのち、圧延終了温度を700℃以上、800℃以上に再加熱する中間加熱処理を含み、該中間加熱処理以降の累積縮径率を35%以下とする絞り圧延を施し、得られた鋼管を素材鋼管として、該素材鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法
)(3)において、前記組成に加えてさらに、次A群またはB群
A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。
)冷間引抜処理まま、または冷間引抜処理とその後の焼ならし処理を施されて成る溶接鋼管であって、質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:1%以下、Mn:1.5〜4%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、またはベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織を有し、引張強さ:900MPa以上の高強度と、半割りにした鋼管に対する−60℃における落重試験で延性破壊するかまたは破壊しない高靭性を有することを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管。
(6)(5)において、前記組成に加えてさらに、次A群またはB群
A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管。
本発明によれば、焼入れ焼戻し処理を施しことなく、エアバッグボトル用鋼管として適正な強度、靭性および加工性を有する溶接鋼管を、高寸法精度で安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明になる溶接鋼管は、エアバッグボトルの用途以外にも、自動車用部材、建築用部材等の用途に好適な溶接鋼管である。なお、自動車用部材、建築用部材等の用途には冷間引抜処理を施すことなく、適用することが可能である。
本発明では、質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:1%以下、Mn:1.5〜4%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、または、ベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織を有する溶接鋼管を素材鋼管とし、該素材鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とする。
まず、使用する素材鋼管の組成限定理由について 説明する。以下、組成における質量%は単に%と記す。
C:0.02〜0.2%
Cは、鋼の強度増加に寄与する元素であり、所望の組織、強度を確保するために本発明では0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.2%を超えて過剰に含有すると加工性、靭性が低下する。なお、0.02%未満の含有では、溶接時に結晶粒が粗大化する傾向を示し、強度不足、不均一変形の原因となる。このため、本発明では、Cは0.02〜0.2%の範囲に限定した。なお、好ましくは 0.02〜0.1%である。また、所望の組織を得るためにはC含有量とMn含有量とバランスさせることが必要となる。
Si:1%以下
Siは、鋼の強度を増加させる元素であり、このような効果を得るには0.01%以上含有することが好ましいが、過剰な含有は電縫溶接性を著しく低下させる。このため、本発明では1%以下に限定した。なお、好ましくは0.15〜0.5%である。
Mn:1.5〜4%
Mnは、強度を向上させる元素であり、所望の強度を確保するために、本発明では1.5%以上の含有を必要とする。一方、4%を超えて含有すると、中心偏析起因の欠陥が発生する危険性が増大するとともに、溶接時に割れが発生したりして電縫溶接性が著しく低下する。なお、本発明では、靭性の改善を目的として、最適な組織を得るために、MnはC量とのバランスで適正量含有させるが、Mnが1.5%未満ではいかなるC量と組み合わせても目標強度と目標とする靭性を両立させて確保することができなくなる。また、Mnが1.5%未満ではフェライト+パーライト組織となり目標の組織を得ることができず、目標強度を確保できない。このようなことから、Mnは1.5〜4%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.5〜3.0%である。
P:0.1%以下
Pは、強度の増加に有用な元素であり、0.01%以上の含有で効果が顕著となるが、0.1%を超えて含有すると溶接性が顕著に劣化する。このため、Pは0.1%以下に限定した。なお、Pによる強化をそれほど必要としない場合や溶接性が問題となる場合には0.05%以下とすることが好ましい。
S:0.01%以下
Sは、鋼中では非金属介在物として存在するが、曲げ加工、拡管加工などのような応力が負荷された場合には、これら非金属介在物を起点として亀裂が発生し鋼管が破断する場合がある。このため、Sはできるだけ低減することが好ましい。0.01%以下に低減すれば上記した悪影響は少なくなるため、本発明ではSは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.0010%以下である。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒の粗大化を抑制して延性、靭性を向上させる作用を有する元素であり、0.005%以上含有することが好ましい。しかし、0.1%を超えて含有すると、酸化物系介在物量が増加し清浄度が低下する。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
N:0.01%以下
Nは、Alと結合して結晶粒を微細化する元素であり、このためには、0.001%以上含有することが望ましいが、0.01%を超えて含有すると、延性が低下する。このため、Nは0.01%以下に限定した。
Ti:0.1%以下
Tiは、Cと結合してTiCとして鋼中に析出して、鋼の強化、さらには溶接熱影響部の軟化を抑制する作用を有する。このような効果は0.005%以上の含有で顕著となるが、0.1%を超えて含有すると電縫溶接性が低下し、延性が低下する。このため、Tiは0.1%以下に限定した。
Nb:0.1%以下
Nbは、Tiと同様に、Cと結合しNbCとして鋼中に析出して、鋼の強化、さらには溶接熱影響部の軟化を抑制する作用を有する。このような効果は0.005%以上の含有で顕著となるが、0.1%を超えて含有すると電縫溶接性が低下し、延性が低下する。このため、Nbは0.1%以下に限定した。
B:0.01%以下
Bは、連続冷却において、フェライト変態を抑制し、長時間側にシフトさせベイナイト組織を得やすくする作用を有し、本発明では所望の組織を確保するために重要な元素の一つである。Bによりフェライト変態が抑制されることにより、靭性に悪影響を及ぼすマルテンサイト相の分率を低く抑えることができる。このような効果は0.0005%以上の含有で顕著に認められるが、0.01%を超えて含有しても上記した効果が飽和するとともに、靭性が劣化する。このため、Bは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.0005〜0.0030%である。
上記した基本成分に加えて、さらに必要に応じ、次A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群を含有することができる。
A群:Cu:1%以下Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
A群のCu、Ni、Crは、いずれも延性、靭性を損なうことなく、強度を増加させることができる有用な元素であり、本発明では必要に応じ選択して含有できる。このような効果はCu、Ni、Crでそれぞれ0.01%以上の含有で顕著に認められる。一方、Cu、Ni、Crがそれぞれ1%を超えて含有すると、延性、溶接性が劣化するとともに、熱間加工性や冷間加工性が低下する。また、これら元素は高価であり、多量の含有は経済的に不利となる。このため、A群では、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下にそれぞれ限定することが好ましい。
B群:Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
B群のCa、REMは、いずれも非金属介在物の形態を球状とし、延性および加工性の向上に有効に作用する元素であり、本発明では必要に応じ選択して含有できる。このような効果は、Ca:0.001%以上、REM:0.001%以上の含有で認められる。一方、Ca、REMとも0.02%を超えて含有すると、介在物量が多くなりすぎて清浄度が低下する。このため、B群では、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下に限定することが好ましい。なお、CaとREMを併用する場合には、合計で0.03%以下とすることが好ましい。
残部Feおよび不可避的不純物
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
つぎに、素材鋼管の組織限定について説明する。
本発明で使用する素材鋼管の組織は、所定の強度、靭性を確保するために、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織とすることが好ましい。また、素材鋼管の組織は、ベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織としてもよい。なお、本発明でいう主相とは、面積率で50%以上を占める相をいうものとする。主相をベイナイトまたはベイニティックフェライトとして、より靭性を向上させるために、第二相として、マルテンサイト相を面積率で15%以下に制限することが好ましい。これにより所望の靭性を確保できる。なお、第二相は、マルテンサイト相以外に、フェライト相、パーライト相、セメンタイト相、炭化物を含んでも良い。
つぎに、好ましい素材鋼管の製造方法について説明する。
上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉等の公知の溶製方法により溶製し、連続鋳造法、造塊法等の公知の鋳造方法によりスラブ等の圧延素材とすることが好ましい。ついで、スラブ等の圧延素材を、熱間圧延により熱延鋼板(帯鋼)とするか、あるいはさらに熱延鋼板(鋼帯)に冷間圧延と焼鈍処理とを施し冷延鋼板(鋼帯)とし、鋼管素材とすることが好ましい。ついで、これら鋼管素材(帯鋼)を用いて溶接鋼管とする。溶接鋼管の製造方法は、例えば、冷間あるいは温間または熱間で、ロール成形あるいは曲げ加工によりオープン管とし、オープン管の両エッジ部を誘導加熱を利用し融点以上に加熱してスクイズロールで衝合溶接する電気抵抗溶接法、あるいはオープン管の両エッジ部を誘導加熱を利用し融点未満に加熱してスクイズロールで衝合圧接する固相圧接法、あるいは鍛接法等とすることが好ましいが、本発明ではこれらの方法に限定されるものではない。
本発明では、上記した組成を有する溶接鋼管を素材として、素材に加熱処理または均熱処理を施したのち、圧延終了温度を700℃以上、800℃以上に再加熱する中間加熱処理を含み、該中間加熱処理以降の累積縮径率を35%以下とする絞り圧延を施し、素材鋼管とすることが好ましい。これにより、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、または、ベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織を有する素材鋼管が容易に得られる。なお、本発明では素材鋼管の製造方法はこれに限定されるものではない。
加熱処理の条件は、とくに限定されないが、圧延終了温度を700℃以上とすることができればよく、700〜1000℃の範囲で行うことが好ましい。なお、溶接鋼管の製造が、温間または熱間で行われ、溶接鋼管が絞り圧延可能な温度を保有している場合には、管温度の均熱化のために行う均熱処理で十分である。素材とする溶接鋼管の保有する温度が低すぎる場合には上記した加熱処理を行うことはいうまでもない。
絞り圧延の圧延終了温度は700℃以上とすることが好ましい。圧延終了温度が700℃未満では、加工により導入されるフェライト変態核が増加してフェライト変態が促進され、フェライト分率が増大する。このため所望の強度が得られないうえ、結果的にマルテンサイト分率が増加して、靭性が劣化する。なお、圧延終了温度は、900℃以下とすることが生産性の確保と表面肌の劣化防止の観点から好ましい。また、絞り圧延の累積縮径率は35%以下とすることが好ましい。累積縮径率が35%を超えて大きくなると、フェライト変態核が増加し所望の組織を確保することができず、所望の靭性を確保することができない。
また、本発明では、絞り圧延の途中で一旦、圧延を中断し、800℃以上の温度に再加熱する中間加熱処理を施す。この場合、中間加熱処理以前の加工歪が開放されるために、中間加熱処理以降の累積縮径率を35%以下にする。
なお、素材鋼管の製造方法は上記した方法に限定されないことはいうまでもない。
得られた素材鋼管は、ついで冷間引抜処理を施され、所定寸法の鋼管(製品)とされる。
冷間引抜き処理は、特別な装置を必要とせず、通常公知の冷間引抜装置を利用して行なうことができる。冷間引抜処理条件は、所定寸法の鋼管とすることができればとくに限定する必要はないが、縮径率を5〜25%、減肉率を10〜30%と適正範囲内に調整することが寸法精度確保の観点から好ましい。
本発明では、上記した冷間引抜処理のままでも、所望のエアバッグ用鋼管として要求される強度、靭性等の特性を十分に満足させることができるが、冷間引抜処理後に、焼ならし処理を施すことが好ましい。これによりとくに、優れた管周方向靭性を安定して確保することができ。
焼ならし処理は、850〜1000℃の範囲内の温度に加熱し空冷する処理とすることが好ましい。焼ならし温度が850℃未満ではオーステナイト粒の十分な均一化ができず、一方、焼ならし温度が1000℃を超えて高くなると、結晶粒が粗大化し所望の靭性が確保できにくくなる。このため、焼ならし温度は850〜1000℃に限定することが好ましい。なお、好ましくは850〜950℃である。
冷間引抜処理のまま、あるいはさらに焼ならし処理を施された溶接鋼管は、その後、好ましくは、酸洗によるスケール除去、また必要に応じ曲がりの矯正を施され、製品管(鋼管)とされる。
上記した製造方法により製造された溶接鋼管は、引張強さ:900MPa以上の高強度と、半割りにした鋼管に対する−60℃における落重試験で延性破壊するかもしくは破壊しない高靭性を有し、加工性、溶接性に優れた鋼管となり、エアバッグボトル向けとして好適な鋼管となる。
なお、本発明では、焼ならし処理後の冷却を空冷としても十分に目標強度を確保できるため、特別な設備を必要とせずに、優れた特性の鋼管を安価なコストで安定して製造できるという利点がある。
表1に示す組成の鋼管素材(板厚:2.6mmの熱延鋼板または板厚:2.6mmの焼鈍済み冷延鋼板)をロール成形しオープン管としたのち、オープン管両端部を誘導加熱により融点以上に加熱してスクイズロールで衝合接合して溶接鋼管(外径:146mmφ×肉厚:2.6 mm)とした。これら溶接鋼管に、さらに表2に示す条件で絞り圧延を施し素材鋼管(外径:70.0mmφ×肉厚:2.6 mm)とした。得られた素材鋼管から試験片を採取し、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて組織を観察し撮像して、画像解析装置を用いて、主相、第二相の種類、分率を求めた。なお、各試験片で10視野以上観察し各組織分率の平均値をもとめ、各素材鋼管の組織分率とした。
これら素材鋼管に縮径率:4%、減肉率:19%、または縮径率:9%、減肉率:15%の冷間引抜処理を施して、外径67.0mmφ×肉厚2.1 mm、または外径63.5mmφ×肉厚2.2 mmの鋼管とした。一部の鋼管については、表2に示すように冷間引抜処理後に900℃×15min空冷の焼ならし処理を施した。ついで、これら鋼管を矯正し曲がりを除去して、製品管とした。
得られた溶接鋼管 (製品管)からJIS Z 2201の規定に準拠して引張試験片(JIS 12A試験片)を採取して、引張試験を実施し、長さ方向の引張特性を調査した。引張試験は、JIS Z 2241の規定に準拠して行った。さらに、水圧バースト試験を実施し、 そのバースト圧から周方向の引張強さTSを換算した。
また、得られた溶接鋼管(製品管)について、−60℃における落重試験を実施し、周方向の靭性を調査した。−60℃における落重試験は、溶接鋼管(製品管)を半円状半割りにして、上に凸となるように配置し、その上に重錘(5kg)を高さ2m から落下させる試験を−60℃で実施した。なお、試験する溶接鋼管(半円状半割り)の内表面側の上部で管長方向に深さ0.5mmVノッチを導入した。Vノッチは45°、先端半径R0.25mmとした。試験後、破面を観察し脆性破壊の有無を調査した。試験は繰り返し3回とし、3回の試験で全く脆性破壊が生じない場合を○とし、全てが脆性破壊が生じた場合を×、それ以外を△とした。
また、得られた溶接鋼管(製品管)について、へら絞り加工により、管端を外径45mmに縮径し、加工部の割れを観察し、加工性を評価した。割れ発生のない場合を○、割れが発生した場合を×とした。
また、へら絞り加工により、管端を外径45mmに縮径したのち、管端に封板を溶接し、溶接後割れ発生の有無を目視および顕微鏡により調査し、溶接性を評価した。溶接後割れ発生のない場合を○、割れが発生した場合を×とした。
また、得られた製品管から試験片を採取し、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて組織を観察し撮像して、画像解析装置を用いて、主相、第二相の種類、分率を求めた。なお、各試験片で10視野以上観察し各視野の平均値をもとめ、各製品管の組織分率とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0004079054
Figure 0004079054
Figure 0004079054
Figure 0004079054
本発明例はいずれも900MPa以上の引張強さと、高靭性とを有し、加工性に優れ、さらに、溶接性に優れた溶接鋼管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、引張強さが900MPa未満であるか、靭性が低下しているか、あるいは加工性、溶接性が低下しており、エアバッグボトル用鋼管として、十分な特性が得られていない。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.02〜0.2%、 Si:1%以下、
    Mn:1.5〜4%、 P:0.1%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.01%以下、 Ti:0.1%以下、
    Nb:0.1%以下、 B:0.01%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、またはベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織とを有する溶接鋼管を素材鋼管とし、該素材鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。
  2. 前記組成に加えてさらに、下記A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。

    A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
  3. 質量%で、
    C:0.02〜0.2%、 Si:1%以下、
    Mn:1.5〜4%、 P:0.1%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.01%以下、 Ti:0.1%以下、
    Nb:0.1%以下、 B:0.01%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する溶接鋼管に加熱処理または均熱処理を施したのち、圧延終了温度を700℃以上、800℃以上に再加熱する中間加熱処理を含み、該中間加熱処理以降の累積縮径率を35%以下とする絞り圧延を施し、得られた鋼管を素材鋼管として、該素材鋼管に冷間引抜処理を施して所定寸法の鋼管とすることを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法
  4. 前記組成に加えてさらに、下記A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とする請求項3に記載のエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管の製造方法。

    A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
  5. 冷間引抜処理まま、または冷間引抜処理とその後の焼ならし処理を施されて成る溶接鋼管であって、質量%で、
    C:0.02〜0.2%、 Si:1%以下、
    Mn:1.5〜4%、 P:0.1%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N:0.01%以下、 Ti:0.1%以下、
    Nb:0.1%以下、 B:0.01%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、ベイナイトまたはベイニティックフェライト組織、またはベイナイトまたはベイニティックフェライトを主相とし、面積率で15%以下のマルテンサイト相を第二相として含む組織を有し、引張強さ:900MPa以上の高強度と、半割りにした鋼管に対する−60℃における落重試験で延性破壊するかまたは破壊しない高靭性を有することを特徴とするエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管。
  6. 前記組成に加えてさらに、下記A群またはB群のうちから選ばれた1群または2群を含有することを特徴とする請求項5に記載のエアバッグボトル用高強度高靭性溶接鋼管。

    A群:質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Cr:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:質量%で、Ca:0.02%以下、REM:0.02%以下のうちから選ばれた1種または2種
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