JP4078511B2 - ルーバおよび照明器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基部に対して羽部を折り曲げて形成したルーバおよびこのルーバを備えた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のルーバは、Lの字状に折り曲げた複数の羽部を、基部にねじ止めや溶接などして設けられている。また、一枚の板体からルーバを設けることも知られているが、この種のルーバは、基部に対して羽部を略直角に折曲部にて折り曲げて設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のルーバでは、羽部に対してねじれ方向の力が加わった際に、この羽部が基部に対して折れやすく、また、基部に羽部を溶接した場合には、歪みやすく曲がりやすい。
【0004】
さらに、一枚の板体で設けた場合には、基部に対して羽部を略直角に折曲部にて折り曲げていることにより、この折曲部の強度が弱い。このため、このルーバを照明器具に取り付けまたは取り外す際などに、これら取り付けまたは取り外し時に加えた力により、このルーバが破損しやすいという問題を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、破損しにくいルーバおよびこのルーバを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のルーバは、基部と;この基部に対して面方向が交差する方向に折曲部にて折り曲げて形成された略板状の複数の羽部と;これら羽部の間に、これら羽部に沿って形成された切欠溝と;これら切欠溝の両端部に連続して基部側に設けられ、これら切欠溝に対して傾斜した切欠部と;羽部の厚さの3倍以下の大きさで、これら羽部の切欠部の位置から折り曲げられ、折り曲げた先端方向逆側に向けて羽部が立ち上がる方向に折り返して、これら羽部の折曲部にそれぞれ突出して形成された突出部とを具備しているものである。
【0007】
そして、この構成では、基部に対して面方向が交差する方向に切欠部の位置から折曲部にて折り曲げて複数の羽部を形成する。このとき、これら羽部の厚さの3倍以下の大きさで、これら羽部の折り曲げた先端方向逆側に向けて突出する突出部を、羽部が立ち上がる方向に折り返された折曲部に形成する。この結果、折曲部に突出部を設けたことにより、羽部を折曲部にて直角に折り曲げる必要がなくなる。よって、この折曲部に折れなどが起こりにくくなるから、この折曲部の強度が向上して破損しにくい。また、突出部の大きさを羽部の厚さの3倍以下にすることにより、基部を取り付ける際に突出部が邪魔になりにくい。
【0008】
請求項2記載のルーバは、請求項1記載のルーバにおいて、基部、羽部および突出部は、一枚の板体にて成形されているものである。
【0009】
そして、この構成では、基部、羽部および突出部を一枚の板体で成形することにより、これら基部、羽部および突出部をねじ止めまたは溶接などして接続する必要が無くなる。よって、これら基部、羽部および突出部間における接続部分で強度が弱くならない。また、溶接による歪みおよび曲がりの問題も解消する。このため、これら基部、羽部および突出部の強度がより向上する。
【0010】
請求項3記載のルーバは、請求項1または2記載のルーバにおいて、羽部は、艶消し黒色であるものである。
【0011】
そして、この構成では、羽部を艶消し黒色にすることにより、この羽部に入射した光がこの羽部にて反射されにくくなる。この結果、この羽部による制光が設計しやすくなり、ルーバの反射によるグレアも低減する。
【0012】
請求項4記載のルーバは、請求項1ないし3いずれか記載のルーバにおいて、羽部は、この羽部の面方向が基部の面方向に対して±40°の範囲で傾斜しているものである。
【0013】
そして、この構成では、基部の面方向に対して±40°の範囲で羽部の面方向を傾斜させたことにより、この羽部と基部との接続部分である折曲部の強度がより向上するとともに、例えば、基部を水平に配設した際に、上方に位置した光源が羽部を介して下方から見えにくくなる。
【0014】
請求項5記載の照明器具は、請求項1ないし4いずれか記載のルーバを備えた器具本体と;この器具本体に装着された光源とを具備しているものである。
【0015】
そして、この構成では、請求項1ないし4いずれか記載のルーバを備えた器具本体に光源を装着するので、それぞれの作用を奏する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は羽ルーバの一部を示す正面図であり、図2は羽ルーバを示す正面図であり、図3は照明器具を示す斜視図であり、図4は羽ルーバの一部を示す斜視図である。
【0018】
そして、図3において、1は道路用の照明器具で、この照明器具1は、例えば高速道路の両側域に立設される道路灯の図示しないポールの上端に取り付けられる。また、この照明器具1は、器具本体2を備えており、この器具本体2の下方位置には、開口部3が開口している。
【0019】
また、この器具本体2の内部には、ランプソケット4が取り付けられており、このランプソケット4には、光源である高輝度放電ランプ(HIDランプ)5が着脱可能に取り付けられている。この高輝度放電ランプ5は、器具本体2の内部に収容されている。また、ランプソケット4の基端には、対をなすリード線6a,6bが接続されており、これらリード線リード線6a,6bは、ランプソケット4を介して高輝度放電ランプ5を点灯させる図示しない放電灯点灯装置に接続されている。
【0020】
さらに、器具本体2の開口部3の内部には、この器具本体2内の高輝度放電ランプ5から発生される光を任意の方向に向けて反射する図示しない反射板が取り付けられている。この反射板は、器具本体2内において高輝度放電ランプ5の外周域を覆っている。
【0021】
また、この器具本体2の開口部3には、高輝度放電ランプ5から発生される光を外部へと照射させる透光板7が取り付けられている。この透光板7は、開口部3からの水の浸入やゴミの付着などを防止する。
【0022】
そして、この透光板7と高輝度放電ランプ5との間には、この高輝度放電ランプ5から発生されて反射板にて反射された迷光、およびこの高輝度放電ランプ5から発生された光の不必要な部分それぞれを遮光して、この高輝度放電ランプ5から発生される光を任意の方向へと制光する制光体としての羽ルーバ11a,11bがそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
【0023】
まず、羽ルーバ11aは、器具本体2の開口部3の基端域に取り付けられており、この羽ルーバ11aは、プレス成形を可能とする一枚の金属板12に等間隔な平行な複数の切り込み13を形成し、この切り込み13のいずれか一側縁それぞれを同一方向に向けて略直角に折り曲げて立ち上がらせて羽部14を設けて成形されている。
【0024】
次いで、羽ルーバ11bは、図3に示すように、器具本体2の開口部3の中間域に幅方向に沿ってこの開口部3を橋渡しして取り付けられており、図1および図2に示すように、プレス加工で成形可能な略矩形平板状の一枚の板体としての金属板21により形成されている。また、この羽ルーバ11bは、焼き付け塗装にて艶消し黒色に着色されている。
【0025】
さらに、この羽ルーバ11bは、互いの面方向を同一平面として対向して配設された対をなす細長板状の基部22a,22bを備えている。これら基部22a,22bそれぞれの外周縁は、器具本体2の開口部3の内縁形状に合致した形状である。また、これら基部22a,22bそれぞれの外周縁には、凹弧状に切り欠かれた切欠凹部23が離間して2つずつそれぞれ設けられている。これら切欠凹部23は、各基部22a,22bを器具本体2の開口部3の中間域における幅方向の両側縁に位置決め固定するための嵌合溝である。
【0026】
そして、これら基部22a,22b間には、これら基部22a,22bに対して面方向が交差する方向に折曲部24a,24bにて折り曲げて形成された細長平板状の複数、例えば13枚の羽部25が橋渡した状態で設けられている。これら各羽部25は、各基部22a,22bの内縁に対して約45度程度傾斜した状態で曲げ加工により各基部22a,22bに設けられている。また、これら各羽部25は、これら各羽部25の面方向が各基部22a,22bそれぞれの面方向に対して±40°の範囲で傾斜している。
【0027】
さらに、これら各羽部25の各折曲部24a,24bは、図4に示すように、羽部25の長手方向における両端域それぞれに逆オーバーハングした状態で設けられている。また、これら各折曲部24a,24bは、各基部22a,22bに対して羽部25の板厚の1/2倍以上5倍以下の半径を有する円弧状に折り曲げて形成されている。
【0028】
そして、これら各折曲部24a,24bには、羽部25の折り曲げた先端方向に対する逆側、すなわち羽ルーバ11bの取り付け面の裏面から突出する方向に向けて突出した突出部26a,26bがそれぞれ形成されている。これら各突出部26a,26bの羽ルーバ11bの裏面からの突出量は、羽部25の板厚の3倍以下の大きさである。
【0029】
また、各羽体25の間には、細長状の切欠溝27がそれぞれ形成されている。これら各切欠溝27の両側先端には、羽部25の長手方向に対して同一方向に向けてそれぞれ傾斜して切り欠かれた切欠部28がそれぞれ形成されている。
【0030】
次に、この羽ルーバ11bの製造方法を説明する。
【0031】
まず、一枚の金属板21の幅方向における中間域に、等間隔に離間した互いに幅方向に沿って平行な切欠溝27をプレス加工により複数列穿設する。
【0032】
このとき、この金属板21の幅方向における両側域それぞれに切欠凹部23をプレス加工にて切欠形成する。
【0033】
次いで、この金属板21の切欠溝27間それぞれが羽部25となるように、これら切欠溝27間における両端域に折曲部24a,24bおよび突出部26a,26bそれぞれをプレス加工にて形成する。
【0034】
この結果、この金属板21に形成した各羽部25の両端域が対をなす基部22a,22bとなる。
【0035】
上述したように、上記一実施の形態によれば、羽ルーバ11bの羽部25の厚さの3倍以下の大きさでこれら羽部25の基端方向に向けて突出する突出部26a,26bを、この羽ルーバ11bの羽部25の折曲部24a,24bに形成することにより、各羽部25を折曲部24a,24bにて直角に折り曲げる必要がなくなる。この結果、これら羽部25の各折曲部24a,24bにひび割れや折れなどが起こりにくくなるから、これら折曲部24a,24bの強度および耐久性を向上でき、これら折曲部24a,24bを破損しにくくできる。よって、羽ルーバ11b全体の強度を向上できる。
【0036】
また、羽ルーバ11bの羽部25の折曲部24a,24bに設けた突出部26a,26bの大きさを、これら羽部25の板厚の3倍以下とすることにより、この羽ルーバ11bの基部22a,22bを照明器具1の開口部3に取り付けた透光板7に取り付ける際に、この羽ルーバ11bの各突出部26a,26bが基部22a,22bの一平面から突出しすぎず、これら突出部26a,26bが邪魔になりにくい。このため、照明器具1の透光板7に、この羽ルーバ11bを取り付けやすくできる。
【0037】
さらに、一枚の金属板21から羽ルーバ11bを成形したことにより、この羽ルーバ11bをプレス加工で成形できる。この結果、例えば基部22a,22bと羽部25との間をねじ止めや溶接などして接続する必要がなくなる。よって、これら基部22a,22bと羽部25との間における接続部分で強度が弱くならず、溶接による歪みおよび曲がりが生じないから、羽ルーバ11bの強度をより向上できる。
【0038】
また、羽ルーバ11bを艶消し黒色に着色したので、この羽ルーバ11bの羽部25へと入射する光がこの羽部25にて反射されにくくなる。この結果、この羽部25による制光をより設計しやすくできる。また、羽ルーバ11bの反射によるグレアも低減できる。
【0039】
さらに、羽ルーバ11bの基部22a,22bの面方向に対して±40°の範囲で、この羽ルーバ11bの羽部25の面方向を傾斜させたことにより、この羽部25と基部22a,22bとの接続部分である折曲部24a,24bの強度を維持できる。この結果、この羽ルーバ11bの折曲部24a,24bでの強度をより向上できるとともに、この羽ルーバ25を照明器具1の開口部3に取り付けた透光板7に取り付けた際に、この照明器具1内の高輝度放電ランプ5を外部から直接見えにくくできる。
【0040】
また、羽ルーバ11bの各折曲部24a,24bを、この羽ルーバ11bの各基部22a,22bに対して羽部25の板厚の1/2倍以上5倍以下の半径を有する円弧状に折り曲げて形成することにより、これら各折曲部24a,24bでの強度を適度に維持しつつ、これら各折曲部24a,24bの美感を良くできる。
【0041】
なお、上記一実施の形態では、照明器具1の開口部3に取り付ける羽ルーバ11bについて説明したが、この羽ルーバ11bを整風や遮光のために用いることもできる。また、この羽ルーバ11bは、金属以外の材料であってもよく、基部22a,22bが一方だけであってもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載のルーバによれば、基部に対して面方向が交差する方向に羽部を切欠部の位置から折り曲げ、羽部が立ち上がる方向に折り返された折曲部に、羽部の折り曲げた先端方向逆側に向けて突出する突出部を設ければ、羽部を折曲部で直角に折り曲げる必要がなくなるから、この折曲部に折れなどが起こりにくくなり、この折曲部の強度が向上し、この折曲部を破損しにくくでき、また、突出部の大きさを羽部の厚さの3倍以下にすれば、基部を取り付ける際にこの突出部が邪魔になりにくい。
【0043】
請求項2記載のルーバによれば、請求項1記載のルーバの効果に加え、基部、羽部および突出部を一枚の板体で成形すれば、これら基部、羽部および突出部を接続せずに済むので、これら基部、羽部および突出部の接続部分で強度が弱くならず、歪みも低減でき、曲がりも少なくなるから、これら基部、羽部および突出部の強度をより向上できる。
【0044】
請求項3記載のルーバによれば、請求項1または2記載のルーバの効果に加え、羽部を艶消し黒色にすれば、この羽部にて光が反射されにくくなるから、この羽部による制光をより設計しやすくでき、ルーバの反射によるグレアも低減できる。
【0045】
請求項4記載のルーバによれば、請求項1ないし3いずれか記載のルーバの効果に加え、基部の面方向に対して±40°の範囲で羽部の面方向を傾斜させれば、折曲部の強度をより向上できるとともに、例えば基部を水平に配設した際に、上方に位置した光源が羽部を介して下方から見えにくくできる。
【0046】
請求項5記載の照明器具によれば、請求項1ないし4いずれか記載のルーバを備えた器具本体に光源を装着すれば、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のルーバの一部を示す正面図である。
【図2】同上ルーバを示す正面図である。
【図3】同上ルーバを取り付けた照明器具を示す斜視図である。
【図4】同上ルーバの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 照明器具
2 器具本体
5 光源としての高輝度放電ランプ
11b 羽ルーバ
21 板体としての金属板
22a,22b 基部
24a,24b 折曲部
25 羽部
26a,26b 突出部

Claims (5)

  1. 基部と;
    この基部に対して面方向が交差する方向に折曲部にて折り曲げて形成された略板状の複数の羽部と;
    これら羽部の間に、これら羽部に沿って形成された切欠溝と;
    これら切欠溝の両端部に連続して基部側に設けられ、これら切欠溝に対して傾斜した切欠部と;
    部の厚さの3倍以下の大きさで、これら羽部の切欠部の位置から折り曲げられ、折り曲げた先端方向逆側に向けて羽部が立ち上がる方向に折り返して、これら羽部の折曲部にそれぞれ突出して形成された突出部と;
    を具備していることを特徴としたルーバ。
  2. 基部、羽部および突出部は、一枚の板体にて成形されている
    ことを特徴とした請求項1記載のルーバ。
  3. 羽部は、艶消し黒色である
    ことを特徴とした請求項1または2記載のルーバ。
  4. 羽部は、この羽部の面方向が基部の面方向に対して±40°の範囲で傾斜している
    ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載のルーバ。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のルーバを備えた器具本体と;
    この器具本体に装着された光源と;
    を具備していることを特徴とした照明器具。
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