JP4077127B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置と、開閉扉を備えた特別変動入賞装置と、外部の電源手段から電源供給されるとともに、前記可変表示を所定の停止態様で停止させて大当たりを発生させ、該大当たり中に前記開閉扉を開放して閉じるサイクルを1ラウンドとして所定ラウンドまで継続可能とする遊技制御装置と、を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機では、制御用のプログラムの実行にしたがって遊技制御動作を行うCPU等からなる遊技制御装置を備え、電源供給を受けて動作し、予め定められた遊技進行順序に従って遊技制御を行って、遊技状態を進行するように構成されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の遊技機では、遊技が行われている最中に、停電などが発生して遊技機への電源供給が絶たれた場合には、遊技機がどのような遊技状態であったかの遊技状態に関する情報が消滅してしまい、電源供給が再開されても、停電発生時に実行されていた遊技状態から遊技を再開することができず、停電発生に伴う遊技者への補償ができないという不都合が生じる。
このような不都合を回避するものとして、電源供給の遮断後においても遊技状態に関する情報を記憶保持するための記憶保持手段と、この記憶保持手段に電源供給するための記憶保持用電源供給手段(バックアップ電源手段)を設け、これにより停電が復旧するまでの間、遊技状態に関する情報を記憶保持する構成が考えられる。
しかし、電源供給が再開されるのと同時に、停電発生時の遊技状態で遊技を再開するのでは、いつ復旧するかもわからない停電のために、遊技者が遊技機の前を離れられない状況が発生する。
例えば、セブン機と呼ばれる第1種に分類されるパチンコ遊技機の場合、特別図柄変動中、あるいは特別図柄の始動記憶があって停電したとき、停電復旧後のこれらの変動結果が大当りとなる可能性があり、大当り発生後、所定時間以内に遊技球の発射をしなければ、せっかくの遊技球大量獲得の機会を失うことになりかねない。もちろん、停電発生時に大当り中であった場合も同様である。
【0004】
このような場合、遊技場に大勢いる遊技客に対し、いつ復旧するとも知れない停電の間、遊技機の前に座っていることを強いるのは困難である。そこで、遊技者の意志、あるいは遊技場の意志のもとで停電復旧後の遊技を再開することが求められる。
また、遊技者が遊技をしていないという遊技状態もあり、このような状態をも停電発生前の状態に復旧させるようにしたのでは、翌営業日の開店時の遊技機状態は前日閉店時の遊技機状態になる。開店時は遊技機を初期状態に揃えておくのがならいであるため、遊技者が遊技をしていない遊技状態までをも停電発生前の状態に復旧させないようにする必要がある。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、遊技者に遊技機の前で停電復旧をずっと待たせる必要がないとともに、遊技再開に対しての準備がないために、遊技によって得られるべき利益喪失の可能性を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置と、
開閉扉を備えた特別変動入賞装置と、
外部の電源手段から電源供給されるとともに、前記可変表示を所定の停止態様で停止させて大当たりを発生させ、該大当たり中に前記開閉扉を開放して閉じるサイクルを1ラウンドとして所定ラウンドまで継続可能とする遊技制御装置と、
を備えた遊技機において、
前記外部の電源手段からの電源供給遮断を検出する停電監視手段を備え、
前記遊技制御装置は、
前記大当たり中の何ラウンド目であるかを判別するための継続回数記憶を遊技状態に関する遊技状態情報の一部として、該遊技状態情報を前記外部の電源手段からの電源供給遮断後において記憶保持可能な遊技状態情報記憶手段と、
前記外部の電源手段からの電源投入を検出する電源投入検出手段と、
前記遊技状態情報が前記遊技状態情報記憶手段に記憶保持されているかどうかを判定する遊技状態情報判定手段と、
を備え、
前記遊技状態情報記憶手段は、遊技状態情報を連続したアドレスに記憶させるように構成し、
前記遊技制御装置は、前記停電監視手段により電源供給遮断が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段の連続したアドレスに記憶されている遊技状態情報のチェックサムを演算し、該チェックサムを前記遊技状態情報記憶手段に記憶させる停電処理手段を備え、
前記電源投入検出手段によって電源投入が検出された際に、前記遊技状態情報判定手段によって前記遊技状態情報記憶手段に遊技状態情報が記憶保持されていると判定された場合に、発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出することに基づいて、当該遊技状態情報に応じた遊技状態から遊技を再開させ、
前記遊技状態情報判定手段は、前記電源投入検出手段によって電源投入が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段の連続したアドレスに記憶保持されている遊技状態情報のチェックサムを新たに演算し、この新たに演算したチェックサムと既にバックアップされていたチェックサムとを照合して当該遊技状態情報の正当性を判定し、
照合結果が不一致であった場合に前記遊技状態情報記憶手段の情報をクリアするとともに、更に、前記発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出しないまま、前記電源投入検出手段によって電源投入が検出されてから所定時間が経過した場合に、前記遊技状態情報記憶手段の情報をクリアすることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図5の図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機100を示す正面図である。
【0030】
この実施の形態のパチンコ遊技機100は、内部の遊技領域(後述)内に遊技球(遊技媒体)を発射して遊技を行うもので、その前側上半部には、ガラス板101がガラス枠102に保持された状態で取付けられている。このガラス板101の奥側には、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有する遊技盤1が設置されている。
【0031】
この遊技盤1の遊技領域1aには、普図始動ゲート6,6、特別図柄(特図)の可変表示装置4、普通図柄(普図)の可変表示装置7、普図可変表示遊技の結果如何によって開閉部材9a,9aを開(遊技者にとって有利な状態)閉(遊技者にとって不利な状態)させる特図始動口を兼ねた普通変動入賞装置9、特図可変表示遊技の結果如何によって大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換するサイクル遊技を行う特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材14,…、装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、多数の障害釘(図示省略)などが配設されている。遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴(図示省略)が設けられている。
【0032】
特図の可変表示装置4は、例えば、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)からなる特図の可変表示部4aを備え、この特図の可変表示部4aにおいて複数種類の識別情報(例えば、図柄、数字、記号など)が変動表示されることにより特図の可変表示遊技が可能となっている。また、特図の可変表示装置4の下部には、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図可変表示遊技が未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器4b,…が設けられている。
普図の可変表示装置7は、例えば、7セグメント型のLEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)の可変表示遊技が行われるようになっている。また、特別変動入賞装置5の開閉扉5aの右側には、普図始動ゲート6,6に遊技球が入賞(普図の始動入賞)して普図可変表示遊技が未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器6aが配設されている。
【0033】
普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材9a,9aを具備し、この開閉部材9a,9aは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態を保持しているが、普図の可変表示装置7の可変表示遊技の結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動口も兼ね、その内部(入賞領域)に特図始動スイッチ9b(図3)を備えている。また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するための普図始動スイッチ6b,6b(図3)が設けられている。
【0034】
特別変動入賞装置5はアタッカー形式の開閉扉5aによって開閉される大入賞口5bを備えている。開閉扉5aはその上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっていて、特図の可変表示遊技の結果が所定の停止表示態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)となって大当り等が発生した場合に、大入賞口5bが開放されるようになっている。この大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該大入賞口5bに入った遊技球を検出するためのアタッカーカウントスイッチ5c(図3)と、大入賞口5bに入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するためのアタッカー継続スイッチ5d(図3)が配設されている。
また、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ8a,…(図3)が配設されている。
【0035】
また、パチンコ遊技機100の前側下半部には、発射部(図示省略)に遊技球を供給する上皿105、この上皿105に収容しきれない遊技球を収容する下皿107、前記遊技領域1aに向けて遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル104、そして、遊技中の効果音を出したり、後述する遊技再開報知を行うためのスピーカの放音部108などが設置されている。また、上皿105の上面には、球貸釦105aおよびカード返却用の返却釦105bがそれぞれ設けられている。
【0036】
図2はパチンコ遊技機100における電源供給系統を示すブロック図であり、図3はパチンコ遊技機100の制御系統を示す主要ブロック図である。
【0037】
図2に示すように、パチンコ遊技機100は、遊技系統の制御を行う遊技制御装置20、遊技球の排出制御等を行う排出制御装置30、特図の可変表示装置4の可変表示部4aの表示制御を行う表示制御装置40、装飾ランプ11,…やサイドランプ12,12など各種ランプ・LEDの点灯・点滅状態を制御する装飾制御装置50、スピーカ(図示省略)等の出力を制御する音制御装置60、操作ハンドル104の操作に基づき遊技球を遊技領域1aに発射させるための制御を行う発射制御装置70、電源回路を有する電源供給装置90等を備えている。
そして、この電源供給装置90から、これら遊技制御装置20、排出制御装置30、表示制御装置40、装飾制御装置50、音制御装置60および発射制御装置70に対し、それぞれ所定の電力が供給されるようになっている。
【0038】
即ち、パチンコ遊技機100の外部ターミナル300には、外部の電源手段からAC24Vの電源供給がなされるようになっており、外部電源であるAC24Vはこの外部ターミナル300を介して電源供給装置90に供給される。そして、電源供給装置90はAC24Vを直流に変換し、各種のDC電圧を生成して各制御装置に供給する。
具体的には、ソレノイド駆動用ならびに各制御装置の動作用のDC32V、ランプ類駆動用のDC24V、センサ駆動用およびバックライト駆動用のDC12Vを生成する。そして、DC32VおよびDC12Vを発射制御装置70に、DC24VおよびDC12Vを排出制御装置30に、DC32V、DC24VおよびDC12Vを遊技制御装置20に、DC12Vを音制御装置60に、DC32V、DC24VおよびDC12Vを装飾制御装置50に、DC12Vを表示制御装置40に供給する。
【0039】
また、図3に示すように、電源供給装置90はロジック電源回路91を備えている。このロジック電源回路91はDC12Vから更にDC5Vを生成する回路で、このロジック電源回路91にはダイオード92を介して、遊技制御装置20のRAM21b、排出制御装置30のRAM31b、コンデンサ(バックアップ電源手段)93が並列接続されている。即ち、コンデンサ93がRAM21b、31bのバックアップ用電源として機能し、例えば、停電時など、RAM21b、31bへの電源供給が遮断されても、RAM21b、31bの記憶内容が所定時間保持されるようになっている。
【0040】
遊技制御装置20は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ、インターフェース23等により構成されている。
【0041】
CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図や普図の可変表示遊技に関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図の大当り判定用乱数値や普図の当たり判定用乱数値などが含まれる他、停止図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値、リーチパターン決定用乱数値、予告判定用乱数値などが含まれる。
このCPU21aは、後述するように、本発明に係る遊技制御手段、遊技状態情報判定手段、停電処理手段、遊技状態情報無効化手段、および遊技再開報知制御手段として機能する。
【0042】
また、図5に示すように、RAM21bは、遊技中の遊技状態に関する遊技状態情報と、後述するチェックサムとを記憶する遊技状態情報記憶領域(遊技状態情報記憶手段として機能する)500と、遊技状態情報以外の遊技制御に関する情報を記憶する遊技制御記憶領域550、並びに、CPU21aの作業領域(図示省略)等を備えている。
【0043】
ここで、遊技状態情報記憶領域500に記憶される遊技状態情報は、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態を再開させるのに必要とされるものである。
具体的に、このような遊技状態情報には、特図始動信号としての特図始動スイッチ9bのオン信号に基づく未処理の特図可変表示遊技の回数の記憶(特図始動記憶)、大当り中であるか否かを判別するための大当りフラグ、確率変動中であるかどうかを判別するための確率変動フラグ、あるラウンドの遊技中に特別変動入賞装置5の大入賞口5bに何個の遊技球が入賞したかを判別するための10カウント記憶、大当り中の何ラウンド目であるかを判別するための継続回数記憶、未処理の特図可変表示遊技の各々に対応する大当り判定用乱数値の記憶(特図乱数記憶)、普図始動信号としての普図始動スイッチ6b,6bのオン信号に基づく普図始動回数の記憶(普図始動記憶)、未処理の普図可変表示遊技の各々に対応する当たり判定用乱数値の記憶(普図乱数記憶)、および払い出しをすべき賞球数に関する賞球データ等が含まれる。
【0044】
これらの遊技状態情報のうち、特図始動記憶は、例えば、特図始動スイッチ9bからCPU21aに対し入賞球の検出信号が入力される毎に+1(上限4まで)され、特図可変表示遊技が開始される毎に−1(下限0まで)された数値として記憶される。大当りフラグは、大当りが発生するとオンとなり、大当りが終了するとオフになる。確率変動フラグは確率変動状態中にオンとなり、確率変動状態が終了するとオフになる。10カウント記憶は、入賞口スイッチ8a,…からCPU21aに対し入賞球の検出信号が入力される毎に+1された数値として記憶される。継続回数記憶は、大入賞口5bが開動作する毎に+1された数値として記憶される(大当り発生時、大当り終了時にはクリアされて0になる)。特図乱数記憶は、特図始動スイッチ9bによる入賞球の検出に基づき、未処理の特図可変表示遊技の各々に対応する大当り判定用乱数値が決定される毎に各大当り判定用乱数値が記憶されたものである。普図始動記憶は、遊技球が普図始動スイッチ6b,6bからCPU21aに対し遊技球の検出信号が入力される毎に+1(上限4まで)され、普図可変表示遊技が開始される毎に−1(下限0まで)された数値として記憶される。普図乱数記憶は、普図始動スイッチ6b,6bによる遊技球の検出に基づき、未処理の普図可変表示遊技の各々に対応する当たり判定用乱数値が決定される毎に各当たり判定用乱数値が記憶されたものである。賞球データは、入賞口スイッチ8a,…、特図始動スイッチ9b、アタッカーカウントスイッチ5cからCPU21aに対し、入賞球の検出信号が入力される毎に、各々の検出信号に対応するデータが記憶され、CPU21aから排出制御装置30のCPU31aに対し各検出信号に対応する賞球制御指令を送る毎に各検出信号に対応するデータが消去されたものである。
即ち、これらの遊技状態情報は、遊技状態の変化に伴い、遊技中に随時書き換えられるものであり、常に最新のデータが遊技状態情報記憶領域500に記憶されていることになる。
【0045】
さらに、これらの遊技状態情報は、遊技状態情報記憶領域500として示すように、RAM21bのメモリ上の連続したアドレスに記憶されるようになっている。
【0046】
そして、このような遊技状態情報は、バックアップ電源手段たるコンデンサ93により電源をバックアップされたRAM21bの、遊技状態情報記憶手段たる遊技状態情報記憶領域500に記憶されているので、停電時などにおいても所定時間は記憶保持されるようになっている。
【0047】
また、遊技制御装置20のROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特図の大当り発生を判定するための特図の大当り判定値、普図の当たり発生を判定するための普図の当たり判定値を含む各種判定値などが書き込まれている。
【0048】
遊技制御装置20のインターフェース23には、下皿107のオーバーフロー状態を検出するオーバーフロースイッチ84、排出用の予備球の貯留状態を検出する半端球検出スイッチ85、遊技盤1前方のガラス板101を保持するガラス枠102の開放状態を検出する金枠開放スイッチ86、特図始動スイッチ9b、普図始動スイッチ6b,6b、アタッカーカウントスイッチ5c、アタッカー継続スイッチ5d、入賞口スイッチ8a,…、排出ユニット124より排出されて賞球用流路を流下する賞球を検出するための賞球検出センサ125b,125b(中継基板82を介して)などが、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して接続されている。そして、これらから出力される各種の出力信号をインターフェース23がCPU21aに出力している。
また、インターフェース23に対し、CPU21aから出力される制御信号が入力されることで、インターフェース23から、遊技盤用外部出力端子81、試験用の出力端子を有する試験用出力部83、普図の可変表示装置(普図LED)7、特別変動入賞装置5の開閉扉5aを開閉するためのアタッカーソレノイド5e、普通変動入賞装置9の開閉部材9a,9aを開閉するための普電ソレノイド6c、表示制御装置40、装飾制御装置50、音制御装置60などに対し、図示しない出力ポート及びドライバーを介して制御信号を出力している。
【0049】
遊技制御装置20のCPU21aは、特図始動スイッチ9bからの検出信号の入力や普図始動スイッチ6b,6bからの検出信号の入力に基づき、RAM21bに記憶されている大当り判定用乱数値や当たり判定用乱数値等を抽出し、該乱数値と、予めROM21cに記憶されている特図の大当り判定値や普図の当たり判定値等との比較により、特図の大当りや普図の当たり等を決定するようになっている。
【0050】
例えば、特図の大当り判定用乱数値と特図の大当り判定値とが一致する場合には、表示制御装置40に表示制御信号を送って特図の可変表示部4aの可変表示を所定の停止態様(例えば、「1,1,1」、「7,7,7」などのゾロ目)で停止させ、大当りを発生させる。
この大当りは、特別変動入賞装置5の開閉扉5aが所定時間(例えば、29.5秒間)開放して閉じるサイクルを1ラウンドとし、各ラウンド中、遊技球が大入賞口5b中の継続入賞領域のアタッカー継続スイッチ5dに検出されることを条件に所定ラウンド(例えば、16ラウンド)まで継続される遊技である。但し、各ラウンド中、大入賞口5bに遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのラウンドを終了する。各ラウンド中、大入賞口5bへの入賞個数は、アタッカーカウントスイッチ5cにより検出されてRAM21bに記憶され、所定個数に達すると開閉扉5aが閉じられてそのラウンドの特別遊技状態が終了する。
【0051】
さらに、遊技制御装置20のCPU21aは、入賞口スイッチ8a,…、特図始動スイッチ9b、アタッカーカウントスイッチ5cから入賞球の検出信号が入力された場合に、この検出信号に基づいて、排出制御装置30に賞球制御指令を送って、排出ユニット124より所要数の賞球を排出させる。
【0052】
また、排出制御装置30は、内部にCPU31a、ROM31c、RAM31b、インターフェース32等を備えて構成されている。
インターフェース32には、流路切換ユニット125の貸球検出センサ125a,125a及び賞球検出センサ125b,125b(中継基板82を介して)、カードユニット500、遊技制御装置20からの信号が入力される。インターフェース32からは、報知ランプ87、排出ユニット124の球排出モータ124a及びストッパーソレノイド124b、カードユニット500、流路切換ユニット125の流路切換ソレノイド125cに信号がそれぞれ出力される。
【0053】
即ち、排出制御装置30は、遊技制御装置20から入力される賞球制御指令やカードユニット500から入力される貸球制御指令に基づいて、流路切換ユニット125の流路切換ソレノイド125cに制御信号を送って、排出ユニット124からの球排出流路を賞球用流路又は貸球用流路の何れか一方に切り換えると共に、排出ユニット124の球排出モータ124a及びストッパーソレノイド124bに制御信号を送って、排出ユニット124より所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。
また、排出制御装置30は、貸球用流路に配設される貸球検出センサ125a,125aや賞球用流路に配設される賞球検出センサ125b,125bからの検出信号を入力して貸球数や賞球数を計数し、この計数値に基づき貸球排出及び賞球排出が正確に行われているか否かを監視する処理を行う。この処理の結果、異常が認められた場合には、報知ランプ87に制御信号を送信して報知ランプ87を点滅させ、ホールの従業員等に異常発生を報知する。
【0054】
また、排出制御装置30は、球貸機200との協働により、球貸し動作を行うようになっている。即ち、球貸機200は、排出制御装置30からのPRDY信号により、排出制御装置30が遊技球の排出制御が可能かどうかを判断し、球貸釦105aの操作を受け付ける。球貸釦105aの押圧操作があれば、球貸機200は、排出制御装置30に対しこれから球貸要求(BRQ信号)が行われる旨を連絡するBRDY信号を送信し、この結果、排出制御装置30は球の排出準備を行う。さらに、球貸機200から排出制御装置30に対しBRQ信号が送信されると、排出制御装置30から球貸機200に対しEXS信号が送信され、BRQ信号を受信したことを球貸機200が認識する。同時に、排出制御装置30は、BRQ信号に基づき所定数の球の排出を行う。
【0055】
発射制御装置70は、操作ハンドル104の回動量に応じた強さで遊技球を発射させる制御を行う。なお、発射イネーブル信号は、発射動作を可能としたり停止させるための信号である。
【0056】
表示制御装置40は遊技制御装置20のCPU21aから送信された表示データに基づき、特図の可変表示装置4の特図の可変表示部4aの画像表示を制御するとともに、特図の可変表示装置4に対して電源を供給している。特図の可変表示部4aの画像表示には、特図可変表示遊技や大当り中の遊技に関するものの他に、停電時の遊技再開報知(詳細は以下で説明)に関するものなどがある。
装飾制御装置50は遊技制御装置20のCPU21aから送信された装飾データに基づき、サイドランプ12,12等の発光を制御するとともに、このサイドランプ12,12等に電源を供給している。
音制御装置60は遊技制御装置20から送信された音データに基づき、スピーカを制御し、その結果、スピーカの放音部108から所定の発音がなされるようになっている。この発音は、遊技に関する効果音や、停電時の遊技再開報知(詳細は以下で説明)に関するものなどである。
【0057】
さらに、本発明に係るパチンコ遊技機100においては、停電検出回路により電源供給遮断が検出された際に、「停電復旧後に遊技が再開される旨の報知」、即ち、遊技再開報知が行われるようになっている。
この遊技再開報知は、遊技制御装置20のCPU21aから、音制御装置60に対し、報知音データ(音データの一種)が送信されることで、スピーカの放音部108から報知音(メッセージなど)が出力されるものであっても良いし、CPU21aから表示制御装置40に対し報知表示データ(表示データの一種)が送信されることで、特図の可変表示部4aで報知表示(メッセージなど)が表示されるものであってもよいし、あるいは、CPU21aから装飾制御装置50に対し装飾データが送信されることで、サイドランプ12,12等のランプ類やLEDを点灯・点滅させることで報知を行うものであっても良い。
さらに、この遊技再開報知は、ホール内のスピーカや表示装置など、パチンコ遊技機100以外の外部機器によりなされることとしてもよいし、上記の各報知を並行して行うものであっても良い。
加えて、この遊技再開報知を行うためにスピーカ、特図の可変表示装置4、サイドランプ12,12等に対し電源供給するために、パチンコ遊技機100には、コンデンサ93とは別途の報知用バックアップ電源手段(図示省略)が備えられている。
【0058】
本発明に係るパチンコ遊技機100では、上記のように、停電等による電源遮断後も遊技状態情報をバッテリバックアップして記憶保持(以下、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶保持された遊技状態情報を便宜的に「バックアップデータ」ということにする)できるようになっているが、バッテリバックアップの時間に限りがあることなどから、停電復旧時にバックアップデータの良否を判定し、正常と判定された場合にのみ、当該バックアップデータを用いて遊技制御を再開できるようになっている。
【0059】
このように、停電復旧時に、バックアップデータの良否を判定するために、本発明に係るパチンコ遊技機100では、以下に説明するような停電処理を行うようになっている。
【0060】
先ず、パチンコ遊技機100の電源供給装置90は、該パチンコ遊技機100への電源供給が絶たれたことを検出する図示しない停電検出回路(停電監視手段)を備えており、この停電検出回路が、停電発生によりパチンコ遊技機100への電源供給が絶たれたことを検出すると、この停電検出回路からCPU21aに強制的に割り込みをかけ、CPU21aに所定の停電処理を実行させる。
そして、停電検出回路に割り込みをかけられたCPU21aは、この時点でRAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶されている遊技状態情報の演算加工値(例えば、チェックサム)を演算する。このチェックサムは、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶されている遊技状態情報を引数として所定の演算式により演算加工した結果の値であり、例えば、遊技状態情報を引数として数値演算(四則演算)や、論理演算(論理和、論理積、論理シフト、否定、比較など)、或いはそれらの組み合わせなどの演算を行った結果、得られた値である。
この演算加工は、遊技状態情報に該当する全ての情報を対象として行うようにしても良いし、例えば、特図始動記憶と大当りフラグといったように、遊技状態情報のうち代表的なもののみを対象として行うようにして、代表的なものを対象とした演算加工値を、全情報を対象とした演算加工値の代替的なものとして利用しても良い。
【0061】
そして、CPU21aは、このように演算されたチェックサムを、バックアップデータとともにRAM21bに記憶させて、バッテリバックアップさせておく。つまり、ここでは、CPU21aは停電処理手段として機能する。
【0062】
また、上記のように、遊技状態情報はRAM21bのメモリ上の連続したアドレスに記憶されているので、CPU21aの処理時間を小さくでき、この停電処理は速やかに行うことができる。この停電処理は、電圧降下中に行われるので、CPU21aの動作が保証される時間内に終了させる必要があるが、このように速やかに停電処理を行うことにより、処理時間オーバーによる停電処理失敗の可能性が低減される。
このようにしてバックアップデータとともにバッテリバックアップされたチェックサムは、停電復旧時にバックアップデータの照合情報として用いられる。
【0063】
以下、図4を参照して、本発明に係るパチンコ遊技機100の停電復旧動作について説明する。
【0064】
先ず、遊技制御装置20のRAM21bは、フラグ成立により該パチンコ遊技機100への電源投入を検出するための電源投入検出領域(電源投入検出手段;図示省略)を備えている。
そして、ステップS1において、停電復旧するとともに外部の電源手段からパチンコ遊技機100への電源投入があると、電源投入検出領域の電源投入フラグが成立し、これにより、CPU21aは電源投入を認識する。
【0065】
すると、ステップS2において、遊技制御措置20のCPU21aは、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に、再開すべき遊技(を行うための遊技制御)に関する遊技状態情報が記憶保持されているかどうかの判定を行う(ここでは、CPU21aは遊技状態情報判定手段として機能する)。
【0066】
具体的には、CPU21aは、バックアップデータの有無を判定と、バックアップデータの正当性の判定とを行う。
バックアップデータの有無の判定は、CPU21aが、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に遊技状態情報が記憶保持されているかどうかを判定することによりなされる。具体的には、例えば、遊技状態情報記憶領域500内の各記憶内容(特図始動記憶、大当りフラグ,…等)を、個別にあるいは代表値(例えば、特図始動記憶と大当りフラグ)を調べることによりなされる。
これにより、バックアップデータがあると判定された場合には、バックアップデータの正当性の判定へと移行する。即ち、CPU21aが、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶保持されているバックアップデータのチェックサムを新たに演算し、この新たに演算したチェックサムと、既にバッテリバックアップされているチェックサムとを照合する。
これにより、照合結果が一致すると、停電中にバックアップデータが変化(バックアップデータの喪失やビット化け等)しなかったこと(従って、再開すべき遊技制御に関する遊技状態情報が記憶保持されていたこと)を判定できる一方、不一致の場合は、停電中にバックアップデータが変化したこと(従って、再開すべき遊技制御に関する遊技状態情報が記憶保持されていなかったこと)を判定できる。
【0067】
上記ステップS2において、CPU21aにより、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に再開すべき遊技に関する遊技状態情報が記憶保持されていると判定された場合には、ステップS3に移行し、CPU21aは、遊技開始許可条件の成立を監視する。
【0068】
ここで、遊技開始許可条件とは、バックアップデータに基づき当該バックアップデータに応じた遊技状態から遊技を再開するための契機となるものである。
この遊技開始許可条件とは、例えば、「遊技制御装置20への電源投入を検出した後、所定時間が経過したこと」や、「遊技制御装置20への電源投入を検出した後に、CPU21aが所定の入力信号の変化を検出したこと」などである。
ここでいう所定の入力信号には、例えば、特図始動スイッチ9b、普図始動スイッチ6b,6b、入賞口SW8a,…等からCPU21aに対し入力される入力信号等のように、停電復旧を知った遊技者が操作ハンドル104を操作した結果生じる可能性があるものや、ホールの集中管理装置などのパチンコ遊技機100の外部装置からの停電復旧指令信号や、従業員による復帰スイッチ(別途パチンコ遊技機100に設けると良い)の操作の検出や、所定信号線の断線検出(コネクタの抜き差しなど)等が含まれる。
【0069】
ステップS3において、いずれかの遊技開始許可条件が成立したら、ステップS4に移行し、CPU21aは、バックアップデータに応じた遊技状態から遊技を再開させるための準備(遊技再開用のデータの生成等)を行う。
【0070】
上記ステップS4において、バックアップデータに基づく遊技再開準備が整ったら、ステップS6に移行し、CPU21aは、通常の遊技状態を開始させるとともに、この通常の遊技状態のなかでバックアップデータに基づく遊技を再開させる。
つまり、本発明に係るパチンコ遊技機100においては、CPU21aにより、RAM21bに遊技状態情報が記憶保持されていると判定された場合に、いずれかの遊技開始許可条件の成立に基づいて、当該遊技状態情報に応じた遊技状態から遊技を再開させることができる。
このように、停電復旧後に遊技開始許可条件が成立してはじめて、所定の遊技が再開されることにより、遊技者は遊技再開に対して準備できる。
【0071】
上記ステップS2において、バックアップデータが無いと判定された場合、あるいは、新たに演算したチェックサムと、既にバッテリバックアップされているチェックサムとの照合結果が不一致であった場合、即ち、CPU21aにより、RAM21bの遊技状態情報記憶領域500に、再開すべき遊技に関する遊技状態情報がないと判定された場合には、ステップS5に移行し、CPU21aは、遊技状態情報記憶領域500の情報をクリアして初期化を行う。この初期化の後、ステップS6に移行し、CPU21aは、通常の遊技状態を開始させる。
【0072】
また、上記ステップS3において、いずれの遊技開始許可条件も成立しないうちに、いずれかの遊技状態情報無効化条件(詳細は以下に説明)が成立した場合には、ステップS5に移行し、CPU21aは、遊技状態情報記憶領域500の情報をクリア(遊技状態情報を無効化)して初期化を行う(ここでは、CPU21aは、遊技状態情報無効化手段として機能する)。
【0073】
ここで、遊技状態情報無効化条件とは、例えば、「遊技制御装置20への電源投入を検出した後、所定時間が経過したこと」や、「遊技制御装置20への電源投入を検出した後に、CPU21aが所定の入力信号の変化を検出したこと」などである。
ここでいう所定の入力信号には、例えば、ホールの集中管理装置などのパチンコ遊技機100の外部装置からの遊技状態情報無効化指令信号や、従業員による遊技状態情報無効化スイッチ(別途パチンコ遊技機100に設けると良い)の操作の検出等が含まれる。
なお、遊技開始許可条件と、遊技状態情報無効化条件とを、ともに「遊技制御装置20への電源投入を検出した後、所定時間が経過したこと」とすると不都合が生じるため、「遊技制御装置20への電源投入を検出した後、所定時間が経過したこと」は、遊技開始許可条件と、遊技状態情報無効化条件とのうち、いずれか一方のみに適用することが望ましい。
【0074】
このように、いずれかの遊技状態情報無効化条件の成立に基づき、遊技状態情報を無効化できるので、いずれの遊技開始許可条件も成立しないために遊技機が稼働不能状態に陥ったり、遊技状態情報がある状態で閉店を迎えたときに、翌営業日に遊技状態情報を持ち越してしまったりといったことが防止される。
【0075】
上記ステップS5における遊技状態情報無効化条件の成立による遊技状態情報記憶領域500の初期化の後、ステップS6に移行し、CPU21aは、通常の遊技状態を再開させる。
【0076】
また、電源供給中に停電が発生した時には、停電検出回路により電源供給遮断が検出され、この停電検出回路からCPU21aに対し、電源供給遮断検出信号が入力される。
すると、CPU21aは、遊技状態情報のチェックサムを演算し、これをRAM21bに記憶させる(停電処理を行う)とともに、音制御装置60や表示制御装置40を制御することにより、スピーカや特図の可変表示装置4などにより遊技再開報知を行わしめる。
【0077】
この実施の形態のパチンコ遊技機100によれば、該パチンコ遊技機100への電源投入が検出された際に、遊技状態情報が遊技状態情報記憶領域500に記憶保持されていた場合に、いずれかの遊技開始許可条件の成立に基づいて、当該遊技状態情報に応じた遊技状態から遊技を再開させるようにしたので、停電復旧後に遊技開始許可条件が成立してはじめて、所定の遊技が再開するようにできる。
よって、いつになるかわからない停電復旧のために、遊技者をパチンコ遊技機100の前でずっと待たせる必要がないとともに、遊技者が遊技再開に対する準備がないために遊技によって得られるべき利益を喪失するといった可能性を減少させることができる。
【0078】
また、停電検出回路により電源供給遮断が検出された際に、遊技状態情報記憶領域500に記憶された遊技状態情報に基づいて演算加工を行った結果である演算加工値を、RAM21bに記憶させるようにし、かつ、電源投入検出回路によって電源投入が検出された際に、演算加工値を用いて、遊技状態情報記憶領域500に遊技状態情報が記憶保持されているかどうかの判定を行うようにしたので、遊技状態情報記憶領域500における遊技状態情報の有無と正当性とを同時に判定でき、正確な停電復旧処理が可能となる。
【0079】
さらに、遊技状態情報は、遊技状態情報記憶領域500のメモリ上の連続したアドレスに記憶されるので、停電検出時の停電処理、および停電復旧時の停電復旧処理におけるCPU21aの処理を速やかに行うことができる。
【0080】
また、遊技状態情報無効化条件の成立に基づいて遊技状態情報を無効化できるので、遊技開始許可条件の成立がないために遊技機が稼働不能状態に陥ることを防止できるとともに、遊技状態情報がある状態で閉店を迎えたときに、翌営業日に遊技状態情報を持ち越さないようにできる。
【0081】
加えて、停電時に、停電復旧後に遊技が再開する旨の報知がなされるので、遊技者は、停電復旧後に遊技が再開することを認識したうえで停電復旧を待つことができ、遊技者があきらめて帰ってしまったり、あるいは、遊技者とホール側とでトラブルが生じたりすることを防止できる。
【0082】
なお、本発明はこの実施の形態のパチンコ遊技機100に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機にも適用可能である。
また、本実施の形態では、外部の電源手段からの電源供給遮断後において、遊技状態情報記憶手段(RAM21bの遊技状態情報記憶領域500)が遊技状態情報を記憶保持可能とするために、バックアップ電源手段を用いる構成としたが、電源供給を受けないでも記憶内容が消去されない記憶手段(例えば、EEPROM等の不揮発性メモリなど)を備え、このEEPROMなどの記憶手段に対し、停電発生時の停電処理においてRAM21bに記憶されている遊技状態情報、および、停電処理中に演算加工されたチェックサムを書き込むような構成としても良い。この場合、このEEPROMなどが遊技状態情報記憶手段となる。
加えて、バックアップ電源手段を用いる場合のバックアップ電源手段としてコンデンサ93を例示したが、これに限らず、停電時にRAM21bの記憶内容が保持されるようにRAM21bに対しバックアップ電源を供給できるものであればよく、例えば、二次電池であってもよい。さらに、本実施の形態では、バックアップ電源手段を電源供給装置90に設けているが、電源供給装置90以外の部分に設けてもよい。
さらに、電源遮断時に、CPU21aがチェックサムを演算する前に、CPU21aが一旦、各入賞口に入力があったかどうかを確認して、入力があった場合には、対応する遊技状態情報をRAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶させた後、チェックサムを演算するようにすることで、再開すべき遊技に関する遊技状態情報を、漏れなく網羅するようにしても良い。
加えて、遊技状態情報がRAM21bの遊技状態情報記憶領域500に記憶保持されていたかどうかの判定は、上記実施形態のように所定の演算加工値(チェックサム)を用いて行うことの他、例えば、予めRAM21bに書き込まれている固定の判定値(チェックデータ)を用いて、この判定値が停電によって変化なかったかどうかを判定することによって行うこととしても良い。
【0083】
さらに、遊技再開報知を行うためには、実施例中に例示したものの他、以下のようにしても良い。
例えば、図1に示すように、報知情報(図柄、文字、記号、色など)を表示する表示部材109aと、この表示部材109aを内部に収容し、内部を透視可能な報知窓109と、表示部材109aを駆動させるためのラッチングソレノイドやモーターなどの駆動手段(図示省略)とを備え、停電処理中に、この駆動手段により表示部材109aを駆動させて、表示窓109を透過して報知情報を遊技者に視認可能な状態に切り換えることにより報知を行うようにしてもよい。この場合、停電中にも報知状態を保持することが可能となる。この場合、駆動手段用のバックアップ電源を備えても良い。
あるいは、ラッチングリレー(図示省略)の接点状態によって、報知を行う状態と行わない状態とが切り替わるスピーカ、表示装置などの報知手段(図示省略)を備え、停電処理中にラッチングリレーの接点状態が切り替わることにより、報知手段により報知が行われるようにしても良い。この場合にも、停電中に報知状態を保持できる。この場合、報知手段用のバックアップ電源を備えることが望ましい。
その他、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、電源投入検出手段によって外部の電源手段からの電源投入が検出された際に、遊技状態情報が遊技状態情報記憶手段に記憶保持されていた場合に、発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出することに基づいて、当該遊技状態情報に応じた遊技状態から遊技を再開させるようにしたので、停電復旧後に発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出してはじめて、所定の遊技を開始するようにできる。よって、いつになるかわからない停電復旧のために、遊技者を遊技機の前でずっと待たせる必要がない。また、例えば、停電復旧後に、発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号の検出を待たずして遊技が再開されるような場合のように、遊技者が遊技再開に対する準備がないために遊技によって得られるべき利益を喪失するといった可能性を低減できる。ここでいう、遊技によって得られるべき利益は、遊技価値のほかに、遊技自体(興趣を感じる機会)を含むこととする。
また、停電監視手段により電源供給遮断が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段に記憶されている遊技状態情報のチェックサムを演算し、該チェックサムを遊技状態情報記憶手段に記憶させるようにし、かつ、電源投入検出手段によって電源投入が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段に記憶保持されている遊技状態情報のチェックサムを新たに演算し、この新たに演算したチェックサムと既にバックアップされていたチェックサムとを照合して当該遊技状態情報の正当性を判定するので、遊技状態情報記憶手段における遊技状態情報の有無と、この遊技状態情報の正当性とを同時に判定でき、確実な停電復旧処理が可能となる。
さらに、遊技状態情報は、遊技状態情報記憶手段の連続したアドレスに記憶保持されるので、停電検出時の停電処理、及び停電復旧時の停電復旧処理を速やかに行うことができる。
また、発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出しないまま、電源投入検出手段によって電源投入が検出されてから所定時間が経過した場合、遊技状態情報を無効化できるので、当該所定入力信号を検出しないために遊技機が稼動不能状態に陥ったり、遊技状態情報がある状態で閉店を迎えたときに、翌営業日に遊技状態情報を持ち越してしまったりといったことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機の電源供給系統を示すブロック図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機の制御系統を示す主要ブロック図である。
【図4】図1に示すパチンコ遊技機の状態遷移を説明するための図である。
【図5】図1に示すパチンコ遊技機のRAMのアドレスと記憶内容との対応関係を示す図である。
【符号の説明】
20 遊技制御装置(CPU21a、RAM21b等により構成される)
21a CPU(遊技状態情報判定手段、停電処理手段、遊技状態情報無効化手段、遊技再開報知制御手段)
21b RAM(遊技状態情報記憶領域500等を有する)
500 遊技状態情報記憶領域(遊技状態情報記憶手段)
93 コンデンサ(バックアップ電源手段)
100 パチンコ遊技機

Claims (1)

  1. 複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置と、
    開閉扉を備えた特別変動入賞装置と、
    外部の電源手段から電源供給されるとともに、前記可変表示を所定の停止態様で停止させて大当たりを発生させ、該大当たり中に前記開閉扉を開放して閉じるサイクルを1ラウンドとして所定ラウンドまで継続可能とする遊技制御装置と、
    を備えた遊技機において、
    前記外部の電源手段からの電源供給遮断を検出する停電監視手段を備え、
    前記遊技制御装置は、
    前記大当たり中の何ラウンド目であるかを判別するための継続回数記憶を遊技状態に関する遊技状態情報の一部として、該遊技状態情報を前記外部の電源手段からの電源供給遮断後において記憶保持可能な遊技状態情報記憶手段と、
    前記外部の電源手段からの電源投入を検出する電源投入検出手段と、
    前記遊技状態情報が前記遊技状態情報記憶手段に記憶保持されているかどうかを判定する遊技状態情報判定手段と、
    を備え、
    前記遊技状態情報記憶手段は、遊技状態情報を連続したアドレスに記憶させるように構成し、
    前記遊技制御装置は、前記停電監視手段により電源供給遮断が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段の連続したアドレスに記憶されている遊技状態情報のチェックサムを演算し、該チェックサムを前記遊技状態情報記憶手段に記憶させる停電処理手段を備え、
    前記電源投入検出手段によって電源投入が検出された際に、前記遊技状態情報判定手段によって前記遊技状態情報記憶手段に遊技状態情報が記憶保持されていると判定された場合に、発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出することに基づいて、当該遊技状態情報に応じた遊技状態から遊技を再開させ、
    前記遊技状態情報判定手段は、前記電源投入検出手段によって電源投入が検出された際に前記遊技状態情報記憶手段の連続したアドレスに記憶保持されている遊技状態情報のチェックサムを新たに演算し、この新たに演算したチェックサムと既にバックアップされていたチェックサムとを照合して当該遊技状態情報の正当性を判定し、
    照合結果が不一致であった場合に前記遊技状態情報記憶手段の情報をクリアするとともに、更に、前記発射操作のための操作ハンドルを操作した結果生ずる所定入力信号を検出しないまま、前記電源投入検出手段によって電源投入が検出されてから所定時間が経過した場合に、前記遊技状態情報記憶手段の情報をクリアすることを特徴とする遊技機。
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