以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67,68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。なお、符号24はCRユニット56とパチンコ機50を接続するためのCRユニット端子板、符号671は電源スイッチ、符号676は電源基板85に設けられたRAMクリアスイッチ1、符号626は払出制御装置81に設けられたRAMクリアスイッチ2である。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。また払出制御装置81はサブ統合制御装置83とも接続されており、払出制御装置81は後述する報知動作等をサブ統合制御装置83を介してスピーカ66や各種LED,ランプ26、或いは演出図柄表示装置6に行なうことが可能にされている。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
図5に電源基板85と、主制御装置80(本図では主制御基板と記載)、払出制御装置81(本図では払出制御基板と記載)を含む遊技機各部との間の給電および信号系を示す。各パチンコ遊技機の電源基板85は、パチンコ店側に設けられたAC24V電源を、電源スイッチ671を介して電源生成回路672が受けており、電源生成回路672が、図示の主制御装置80、払出制御装置81を含む遊技機各部に給電する。電源スイッチ671はオンまたはオフの操作をするとその状態を保持するタイプが用いられる。
電源生成回路672における全波24V出力は電源電圧監視回路673に入力し、電源電圧監視回路673による全波24V出力の有無の検出結果に基づいてリセット信号発生回路674がリセット信号を出力もしくは解除する。すなわち、電源電圧監視回路673は所定の基準電圧以上の非出力状態が所定の時間、維持されれば全波24V出力停止と判断し、リセット信号発生回路674は全波24V出力停止との判断に応じてリセット信号を出力する。一方、全波24V出力が開始されるとリセット信号は解除される。ここで、リセット信号の出力とはロウレベルの信号を出力することであり、解除とはロウレベルからハイレベルに変化することをいう。なお、リセット信号の解除は、全波24V出力の検出時点から遅延時間Ta の後なされる。
リセット信号発生回路674の出力は主制御基板80、払出制御装置81それぞれのCPU611、621のリセット端子に出力される。
電源電圧監視回路673の出力を入力として停電信号発生回路675が設けてあり、停電等の電源遮断時に停電信号を各制御基板CPU611、621のNMI端子に出力するようになっている。停電信号は電源遮断に伴ってハイレベルからロウレベルに変化する信号であり、リセット信号が出力するに先立って出力するように出力タイミングが設定されている。
また、電源基板85は、コンデンサを含み構成されたバックアップ電源生成回路678によりDC5Vのバックアップ電源(VBB)を生成する構成となっており、バックアップ電源(VBB)出力は各制御基板CPU611、621のバックアップ端子(VBB) に出力され、停電時には後述するように各制御基板CPU611のRWM615、およびCPU621のRWM625の記憶内容を保持する。
電源基板85はまた、RAMクリアスイッチ676を備えている。RAMクリアスイッチ676はCPU611のRWM615に記憶されている内容、およびCPU621のRWM625に記憶されている識別情報記憶領域625a以外の内容をクリアするためのものである。また、払出制御装置81はRAMクリアスイッチ626を備えており、払出制御装置81のCPU621のRWM625に記憶されている識別情報記憶領域625aを含むRWM625の全ての内容をクリアするためのものである。
RAMクリアスイッチ676には押下時のみオンする押し釦タイプのものが用いられ、RAMクリアスイッチ676がオンであれば、RAMクリア信号発生回路677が、ハイレベルの信号であるRAMクリア信号を主制御基板80、払出制御基板81それぞれの入力ポート613、623に所定時間の間、出力する。ここで電源スイッチ671のオンからリセット信号解除までの遅延時間Ta は例えば100msに設定され、RAMクリア信号を発生せしめるにはRAMクリアスイッチ676を押下しながら電源スイッチ671をオンすることになる。なお、各制御基板CPU611、621は入力ポート613、623におけるRAMクリア信号の有無をデータバスを介して監視する。なお、RAMクリアスイッチ626にも押下時のみオンする押し釦タイプのものが用いられている。
図6〜図7に、主制御装置80のCPU611により実行される主電源投入時処理の概要を示す。当処理が起動されると、まず電源投入の初期処理(S5)を行なう。続いてRAMクリア信号1がオン(つまりRAMクリアスイッチ676が押されている)か否かを判定する(S10)。肯定判断(S10:yes)なら、電源断時の発生情報が正常か否かを判定する(S15)。これも肯定判断(S15:yes)の場合は、RWM判定値を算出し(S20)、そのRWM判定値が正常か否かを判定する(S25)。RWM判定値が正常ならば(S25:yes)、電源復帰時の処理(S30)を行い、識別情報読取処理(S50)を行なう。S10でRAMクリア信号1がオンでないと判定された場合、S15で電源断時の発生情報が正常でないと判定された場合、またはS25でRWM判定値が正常ではない判定された場合は、S35に移行してRWM615の記憶内容を全てクリアする。そしてS40にてRWM615の初期設定を行い、S45にてCPU周辺デバイスの初期設定を行い、S50に移行する。
識別情報読取処理(S50)とは、主制御装置80のCPU611に固有の情報(識別情報、ユニークIDともいう)を読み出す処理である。この識別情報はCPU611の識別情報記憶領域616に記憶されている。この処理に続き、S55の識別情報送信処理を行い、図7のS60に移行する。識別情報送信処理(S55)では、CPU611の識別情報をデジタル信号のシリアル通信とし、ハイレベル信号(”1”信号)とローレベル信号(”0”信号)の出力時間を変えて払出制御装置81に出力する。具体的には、ハイレベル信号の出力時間を約100msとして、ローレベル信号の出力時間を約50msとし、例えば識別情報が2バイトで1403(H)であれば、1が”0001”、4が”0100”、0が”0000”、3が”0011”であるので、図14に示すようなタイミングチャートにて、払出制御装置81に送信される。つまり識別情報はハイレベル信号が多いほど長くなり、識別情報の出力時間は、各パチンコ機ごとに異なることになる(図14に示す識別情報が出力されるパチンコ機50では1s)。尚、一般的に識別情報は4バイトのデータで構成される。また、電源投入時には主制御装置80および払出制御装置81は、セキュリティーチェックを開始してからユーザプログラムを実行するが、セキュリティーチェックは主制御装置80の方が払出制御装置81よりも長い時間を要するものとなっており、この結果、主制御装置80が識別情報を送信するときには、払出制御装置81はセキュリティーチェックを終えて、識別情報を受け取り可能な状態となっている。
図7に戻る。S60では割込禁止処理を行い、続くS65にて停電検出フラグが0か否かを判定する。停電検出フラグは後述する割込(NMI)処理にて設定される。肯定判断(S65:yes)ならS70にて初期値乱数を更新し、S75で割込許可をし、S60に戻る。初期値乱数更新処理(S70)は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。S65が否定判断、すなわち停電検出フラグが0ではないと判定された場合は、S80にて電源断フラグを設定し、RWM判定値を算出して保存する(S85)。そして遊技情報を保存し(S90)、RWM615への書き込みを禁止(S95)して無限ループに入る。
つまり主電源投入時処理によれば、電源基板85のRAMクリアスイッチ676が押された状態で電源が投入されると、主制御装置80のCPU611のRWM615がクリアされ、RAMクリアスイッチ676が押されることなく電源が投入されると、RWM615の記憶内容は電源断時の状態が復旧される。
主制御装置80のCPU611により実行されるメインルーチンを図8に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S100〜S155までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行される図7のS60〜S75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は前記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S100:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S105)、図7のS60に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S100:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S110)。この初期値乱数更新処理は、S70で説明したものと同じ処理である。S110に続く大当り決定用乱数更新処理(S115)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。大当り図柄決定用乱数更新処理(S120)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S120に続く当り決定用乱数更新処理(S125)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、時短状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S130)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S135)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S140)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S145)を行う。この当否判定処理(S145)が終了すると、続く不正監視処理(S150)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
続いて画像出力処理等の各出力処理(S155)が実行される。各出力処理では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S140)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続いて行なわれる前述の残余処理は、図7のS60〜75の処理が繰り返し実行されることにより、S70の初期値乱数更新処理が、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS100〜S155までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、S60〜75の処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図8に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S125)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S65で前述した停電検出フラグを設定する割込(NMI)処理を図9に示す。割込(NMI)処理は、パチンコ遊技機の電源断や電圧の低下が発生したときに出力される停電検出信号が主制御基板のNMI端子に入力されることを条件に実行される処理である。すなわち、NMI端子に入力があると、S200でレジスタを退避させ、S205で停電検出フラグをセットし、S210でレジスタを復帰してリターンする。
払出制御装置81のCPU621により実行される払出電源投入時処理および払出制御処理の概要について図10〜13に従って説明する。本図の説明においてRWMとは、払出制御装置81のRWM625を意味する。当処理が起動されると、まず払出制御装置81の電源投入時の初期処理(S250)を行なう。続いてRAMクリア信号1がオン(RAMクリアスイッチ676が押されている)か否かを判定する(S255)。否定判断(S255:no)ならRAMクリア信号2がオン(RAMクリアスイッチ626が押されている)か否かを判定する(S260)。否定判断(S260:no)の場合は、S265にて電源断時の情報があるか否かを判定し、肯定判断なら(S265:yes)、RWMチェックサムの算出を行なう(S270)。そしてこの算出結果が正常か否かをS275にて判定する。正常であれば(S275:yes)、RWMの初期設定(S280)をし、台READY信号をオンにし(S285)、CTCの設定を行い(S290)、図11のS335に移行する。ここで台READY信号とは、CRユニット56に払い出し動作が可能であることを伝達する信号である。また、CTCとは払出制御装置81で行なうタイマ割込みの割込み周期を設定するものである。S280〜S290の処理が行なわれると、RWMの記憶内容が電源断時の状態に復旧される。
S255が肯定判断された場合、S265が否定判断された場合、またはS275が否定判断された場合はS295に移行し、RWMの識別情報領域625a以外をクリアする(0にする)。そしてRWMの初期設定(S300)をし、台READY信号をオンにし(S305)、CTCの設定を行い(S310)、図11のS335に移行する。S260が肯定判断された場合はS315に移行し、RWMの全てをクリアする(0にする)。そしてRWMの初期設定(S320)をし、台READY信号をオンにし(S325)、CTCの設定を行い(S330)、図11のS335に移行する。
つまり、図10に示した処理によれば、RAMクリアスイッチ676が押されていると、RWMの識別情報記憶領域625a以外の領域(例えば賞球情報記憶領域625b)がクリアされ、RAMクリアスイッチ626が押されていると、識別情報記憶領域625aを含むRWMの全領域がクリアされ、いずれのRAMクリアスイッチ676,626も押されていない場合は、電源断時のRWM領域が全て復旧される。
図11のS335では、識別情報待機報知処理を行う。識別情報待機報知処理とは、現在、払出制御装置81が主制御装置80から識別情報を受信するために待機中であることを演出図柄表示装置6に表示する処理である。続くS340にて停電検出フラグが0か否かを判定し、肯定判断(S340:yes)なら、S340にて識別情報を主制御装置80から受信したか否かを判定し、否定判断の場合(S345:no)はS350に移行し、その状態になってから10秒経過したか否かを判定する。経過していなければS340に戻りS340〜S350の処理を繰り返すことにより識別情報を受信するのを10秒を上限として待つ。10秒経過しても識別情報を受信できない場合(S350:yes)は、S390に進んで識別情報異常報知処理を行なった後、無限ループに入る。識別情報異常報知処理とは、現在、識別情報が受信されない、または受信した情報が以前に記憶した識別情報と一致しない旨を演出図柄表示装置6に表示する処理である。
S345で識別情報を受信していれば(S345:yes)、S345にて識別情報の記憶が識別情報記憶領域625aにあるか否かを判定する(S355)。識別情報の記憶があれば(S355:yes)、識別情報識別処理(S360)にて、記憶済みの識別情報を参照して、S345にて受信した識別情報と比較し、一致しているか否かを判定する(S365)。否定判断(S365:no)ならS390に移行して識別情報異常報知処理を行なう。識別情報が一致していれば(S365:yes)、識別情報一致報知処理(S370)を行う。識別情報一致報知処理とは、主制御装置80から受信した識別情報と、識別情報記憶領域625aに記憶されていた識別情報とが一致した旨を演出図柄表示装置6に表示する処理である。識別情報一致報知処理(S370)が終了すると、割込許可処理(S375)を実行して払出制御処理に移行する。
S355において識別情報の記憶がないと判定された場合は、主制御装置80から受信した識別情報を識別情報記憶領域625aに記憶(S380)し、更にS385にて識別情報記憶報知処理を実行した上でS375に移行する。識別情報記憶報知処理とは、新たに主制御装置80から受信した識別情報を、払出制御装置81の識別情報記憶領域625aに記憶した旨を演出図柄表示装置6に表示する処理である。
つまり図11に示した処理によれば、新たに識別情報を主制御装置80から受信した場合に、識別情報記憶領域625aに既に識別情報が記憶されていなければこれを記憶(S380)し、識別情報記憶領域625aに既に識別情報が記憶されていればこれと比較し、一致しなければこの異常を報知する処理となっている。また、10秒待っても識別情報を受信できない場合は、その異常も報知する処理となっている。なお、新たに識別情報を記憶した際にはその旨も報知する処理となっている。
なお、S340において停電検出フラグが0ではないと判定された場合は、図13のS445に移行する。S445では割込禁止処理を行い、続くS450にて賞球情報を賞球情報記憶領域625bに保存する。そしてS455にてRWM625のチェックサムを算出して保存し、S460にてRAM書き込み禁止処理を行なった後、無限ループに入る。
払出制御処理の概要は図12に示すようなもので、前述の図13も払出制御処理の一部となっている。払出制御処理が起動されると、まずCRユニット端子板24にCRユニット56が接続されているか否かをS400にて判定し、肯定判断(S400:yes)なら発射制御装置84に対して発射許可を行なう処理(S405)を行い、否定判断なら発射制御装置84に対して発射を禁止する処理(S410)を実行する。こうして発射許可処理または発射禁止処理が行なわれると、S415にて未払賞球数更新処理を行ない、払出制御装置81がCRユニット56から貸出要望信号を受信したか否かを判定する(S420)。貸出要望信号とは、球貸ボタン57の操作を受けてCRユニット56が払出制御装置81に対して送信する信号である。貸出要望信号を受信していなかった場合(S420:no)は、未払賞球があるか否かを判定し、ある場合(S425:yes)は賞球制御処理(S430)を行なった後、S440に移行する。未払賞球がない場合(S425:no)は、そのままS440に移行する。S420で貸出要望信号を受信したと判定された場合は、S435に進み、球貸制御処理を実行し、S440に移行する。S440では停電検出フラグが0か否かを判定し、肯定判定(S440:yes)ならばS440に戻り、否定判断ならばS445(図13参照)に移行する。なお、払出制御処理は、図11のS375の処理に引き続いて起動される他、タイマ割込みによっても起動され、S440の無限ループにおいて払出制御処理が再起動されると、S400に戻る。
つまり払出制御処理は、受信した識別情報に異常がなかった場合に、遊技球の発射の許可(S405)・禁止(S410)の判断を行なうと共に、遊技者からの貸出要求に応じて遊技球の貸し出しを行なう(S435)処理となっている。なお、未払いの賞球がある場合は、その分の払出(S430)も行なう処理となっている。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、残余処理に入る前の識別情報読取処理(S50)にて、識別情報を払出制御装置81に送信し、この識別情報を受信した払出制御装置81は、以前に主制御装置80から受信し、自らの識別情報記憶領域625aに記憶した識別情報と照合し、両者が一致しない場合には、識別情報異常報知処理(S390)を実行して演出図柄制御装置82に異常が発生した旨を報知するので、主制御装置80が交換された可能性があることを容易に発見することができる。なお、主制御装置80から識別情報が送信されてこない場合にも異常が発生した旨を報知するので、識別情報を送信しない主制御装置80に交換された場合にも検出可能である。また、識別情報異常報知処理(S390)の実行後は無限ループに入って、払出制御処理が実行されなくなるので、賞球などの払出動作を行なわなくなり、たとえ主制御装置80が交換されていても、それによる賞球の被害を遊技店が受けることがない。
なお、識別情報記憶領域625aに識別情報が記憶されていない場合には、主制御装置80から受信した識別情報を識別情報記憶領域625aに記憶(S380)し、識別情報異常報知処理(S390)は行なわれない。このような構成にすると、RAMクリアを悪用して識別情報記憶領域625aに記憶されている識別情報を消去した上で、主制御装置80を交換することが考えられる。しかしながらパチンコ機50においては、通常のRAMクリア操作(電源断状態からRAMクリアスイッチ676を押しながら電源を投入)を行なうと、主制御装置80のRWM615の内容はクリアされるものの、払出制御装置81の識別情報記憶領域625aはクリアされないので、電源投入時に主制御装置80が不正に交換されていれば、これを検出して報知することができる。なお、RAMクリアスイッチ626を押すことにより、識別情報記憶領域625aをクリアすることもできるので、盤面のみを交換することにより機種変更をする場合には、報知動作をさせないようにすることも可能である。更に、識別情報の送信は、残余処理によってタイマ割込みを待つ前の段階で行なわれるので、タイマ割込みによって起動される処理の影響を受けることなく、確実に識別情報を払出制御装置81に送信することができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S5〜S55の処理が本発明の「電源復帰処理手段」に相当し、S60〜S75が本発明の「残余処理手段」に相当し、識別情報記憶領域616が本発明の「識別情報保持部」に相当し、S55の処理が本発明の「識別情報送信手段」に相当し、識別情報記憶領域625aが本発明の「識別情報記憶部」に相当し、S380の処理が本発明の「識別情報記憶手段」に相当し、S390の処理が本発明の「異常情報出力手段」に相当し、S390の処理に続く無限ループが本発明の「払出制御停止手段」に相当し、賞球情報記憶領域625bが本発明の「未払価値担体記憶手段」に相当し、RAMクリアスイッチ676が本発明の「第1情報消去手段」に相当し、RAMクリアスイッチ626が本発明の「第2情報消去手段」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図15を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図15に示す第2実施例の払出電源投入時処理(前半部のみ)では、電源投入の初期処理(S250)を行ない、RAMクリア信号1がオンであると判定された(S255)後に、RAMクリア信号2がオンか否かを判定する(S260)。RAMクリア信号2がオンと判断(S260:yes)された場合は、第1実施例と同様、S315の処理に移行するが、RAMクリア信号2がオンではないと判断された場合(S260:no)は、S295に直行する(第1実施例では、S265またはS275の判定が否定された場合に限りS295に移行する)。
このように構成すると、RAMクリアスイッチ676およびRAMクリアスイッチ626の双方を押さないと、払出制御装置81のRWM625の全データをクリアできない。つまり、RWM625の識別情報記憶領域625aに記憶された識別情報を消去するには、RAMクリアスイッチ676およびRAMクリアスイッチ626の双方を押す必要がある。RAMクリアスイッチ676は電源基板85に設けられており、他方のRAMクリアスイッチ626は払出制御装置81に設けられており、両RAMクリアスイッチは離れた箇所に設置されている(図3参照)。従って、実施例1のパチンコ機50による効果に加え、識別情報記憶領域625aに記憶された識別情報を消去するのが困難であるという効果がある。
[他の実施例]
前記実施例では、報知動作はいずれもサブ統合制御装置83を介して、演出図柄表示装置6に出力していたが、他の構成を用いても良い。例えば、スピーカ66から報知内容に応じた音声を出力してもよいし、ランプ26などを点灯させたり点滅させたりしてもよい。また、外部接続端子78を介して外部装置(例えばホールコンピュータ87)に報知動作を行なわせる構成としてもよい。
RAMクリアスイッチ626は、払出制御装置81のRWM626のクリアのみを行なうためのものであったが、主制御装置80のRWM615のクリアをも行なうスイッチとして構成しなおしてもよい。これには、RAMクリアスイッチ626から発せられるRAMクリア信号が主制御装置80にも入力されるように接続し、主制御装置80がRAMクリアスイッチ626からRAMクリア信号を受信すると、RWM615のクリアを行なうように構成すればよい。
なお、前記実施例ではRAMクリアスイッチ626を操作すると、RWM615、625の記憶内容を全てクリアしていたが、識別情報領域625aの記憶内容のみをクリアする構成としてもよい。こうすると、全ての主制御装置80を不正なものに交換する場合には、2度の電源投入を行ない、それぞれRAMクリアスイッチ676とRAMクリアスイッチ626を操作する必要があることになる。これにより、主制御装置80の不正な交換が一層面倒になる。このように構成した場合には、RAMクリアスイッチ626が操作されると、払出制御装置81による遊技球を払出を停止する構成とすることが望ましい。また、前記実施例では、RAMクリアスイッチ626が操作された場合には、RWMをクリアし(S315)、RWMの初期設定をし(S329)、台READY信号を送信し(S325)、CTCの設定(S330)をしていたが、これ以外に外部(例えばホールコンピュータ87)に、RAMクリアスイッチ626が操作された旨を報知する信号を送信してもよい。また、前記実施例はいずれもパチンコ機に適用したものであったが、その他のバックアップ機能を有する遊技機(例えば回胴式遊技機)に適用しても構わない。