JP4076266B2 - 電気かみそり - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気かみそりに関し、特に回転型電気かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気かみそり、特に回転型電気かみそりにおいては、内刃が外刃の下面で回転し、外刃に設けられたスリット(体毛導入口)から導入された毛髪や髭等の体毛はこれら2つの刃によって生ずる剪断力により切断される。
現在市販されている電気かみそりでは、電気かみそりのハウジング内に設けられた電動モータにより、ヘッド部に回転可能に取り付けられた内刃のみが回転駆動され、同じくヘッド部に取り付けられた外刃は回転していない。
このような電気かみそりで体毛を剪断する場合、外刃のスリット内へ積極的に体毛を導入する必要があるため、人は電気かみそりのハウジングを手で持ちながらヘッド部を皮膚の表面で絶えず動かすようにする。
【0003】
しかしながら、このように剪断中において常時電気かみそりを手で持ちながら動かす作業は、例え数分から十数分であっても腕の筋肉が疲れて苦痛である。
このために、特開平7−16360号に記載されたような外刃がヘッド部に対して回転しながら、積極的に体毛をスリット内へ導入する電気かみそりが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の外刃が回転する電気かみそりでは、外刃と内刃が共に回転する場合にはそれぞれに駆動源としての電動モータが配されており、小型化が困難であるという課題がある。
また、外刃は内刃と同様に直接、電動モータの出力軸に取り付けられている構成のために回転が一般的に高速となり、皮膚が擦れて傷んでしまうという課題がある。また、外刃は直接皮膚に当たって皮膚から抵抗を受ける。このような外刃を直接、電動モータで駆動するには高トルク型の電動モータが必要であるが、一般的にこのような高トルク型の電動モータは大型であり、やはり電気かみそりの小型化に反するという課題がある。
【0005】
従って、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、外刃と内刃を回転させながら、かつ外形がコンパクトな電気かみそりを提供することにある。また、さらに外刃と内刃を回転させながら、かつ外刃の回転数を減速させ、かつ外形がコンパクトな電気かみそりを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、単一の電動モータと、該電動モータにより回転駆動される外刃と、該外刃と組み合わされて配され、前記電動モータにより回転駆動される内刃とを備えた回転型の電気かみそりであって、前記外刃と外刃ホルダとから構成され、内部に内刃が装着された外刃ユニットが、ハウジングの上部に設けられたヘッド部に回転自在に支持され、前記外刃ホルダは、筒状に形成され前記外刃の下部が挿入されて外刃と一体的に連結されるとともに、外周に環状歯車が設けられ、前記電動モータの出力軸に取り付けられたモータ軸歯車と、前記外刃ホルダに設けられた環状歯車と噛合する減速出力歯車との間に、前記モータの出力軸の回転軸線を中心とする遊星歯車機構によって構成され、前記内刃と同一方向に、前記内刃よりも低速で外刃を回転させる減速機構が配されていることを特徴とする。
また、前記外刃は、外刃の上面および側面に毛導入用のスリットが形成されたものであることを特徴とする。
【0007】
また、前記減速機構は、太陽内歯車と、キャリアに回転自在に取り付けられて該太陽内歯車と噛合する複数の遊星歯車と、該複数の遊星歯車の中心に配されて各遊星歯車と噛合する太陽外歯車とから成る複数段の遊星歯車機構が、前記太陽内歯車が一つの連続した共通の筒状体に形成され、一の遊星歯車機構の前記キャリアの回転中心位置に、隣接する他の遊星歯車機構の前記太陽外歯車が連結されて多段に積層されて成る。この構造では、複数の遊星歯車機構を多段に積層して大きな減速比を得ながら、各々の太陽内歯車を一つの連続した共通の筒状体とすることによって減速機構自体の大きさをコンパクトにすることが可能となる。
【0008】
また、前記モータ軸歯車は、多段に積層された前記遊星歯車機構の内の初段の遊星歯車機構の前記太陽外歯車であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電気かみそりの好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず、電気かみそり10の全体構成の概要について図1を用いて説明する。なお、一例として外刃が3つ有る電気かみそりを用いて説明する。
電気かみそり10は、外刃ユニット12の一部が露出して取り付けられると共に、その駆動機構14が内蔵された上部がヘッド部16aとして形成された合成樹脂製のハウジング16と、このハウジング16内のヘッド部16aの下部に配されて駆動機構14を作動させる電動モータ18と、ハウジング16内に配されて電動モータ18への電流供給を行うバッテリ20と、バッテリ20へ充電電流を外部から供給するためにハウジング16の下部に設けられたコネクタ22と、ハウジング16の表面に取り付けられてバッテリ20から電動モータ18への電流供給をオン・オフするためのスライドスイッチ24とを有している。
【0010】
次に、ヘッド部16a内の詳細な構成について図2を用いて説明する。
ヘッド部16aの上部は開口しており、着脱自在のヘッドフレーム26によりカバーされている。また、内部には載置板28と駆動軸ホルダ30が設けられている。
このヘッドフレーム26の内面には取付ネジ32により着脱自在に取り付けられた刃体取付フレーム34が設けられ、外刃ユニット12をヘッドフレーム26との間で回転自在に挟持する構成となっている。ここで外刃ユニット12は、外刃36と外刃ホルダ38とから構成され、内部に内刃40が装着されている。
また、ヘッドフレーム26には、外刃36の形状に合わせた円形の第1開口部42が外刃36の数と同数(3つ)設けられており、挟持された各外刃ユニット12の外刃36の上面がヘッドフレーム26外面から外方へ突出する構成となっている。
【0011】
次に外刃ユニット12の構成を詳細に説明する。
外刃36の下部にはフランジ部36aが形成されている。
外刃ホルダ38は筒状に形成されている。そしてその上端部分の大径部38aに外刃36の下部が挿入され、大径部38aの口縁部分が内面に絞り込まれて形成されたフック部38bとフランジ部36aとが係合することで外刃36が外刃ホルダ38と一体的に連結されている。また、外刃ホルダ38の下端部分の小径部38cの外周には後述する減速機構の減速出力歯車と噛合する環状の歯車(以下、環状歯車)44が取り付けられている。なお、この環状歯車44は、一例として合成樹脂材料で形成され、外刃ホルダ38の小径部38cの外周に嵌め込まれ、固定されているが、小径部38cの外周面に一体成形にて形成しても良い。
【0012】
そして、各外刃ユニット12は、体毛導入用のスリット(不図示)が上面及び側面に形成された外刃36の上部がヘッドフレーム26の第1開口部42内に進入し、また環状歯車44が周設された小径部38cが、第1開口部42に対応して刃体取付フレーム34に同数設けられた第2開口部46に進入して、ヘッドフレーム26と刃体取付フレーム34との間で回転自在に挟持されている。第2開口部46の内径は、外刃ホルダ38の大径部38aの外径よりも小径に形成されているために、各外刃ユニット12は刃体取付フレーム34から抜け落ちることはない。
また図3に示すように、3つの外刃ユニット12の各環状歯車44の中心部分には、減速機構の出力歯車である減速出力歯車48が各環状歯車44と噛合するように配されている。
【0013】
次に、駆動機構14について図2と共に説明する。
駆動軸ホルダ30には、3つの外刃ユニット12に対応して内刃40を回転駆動するための駆動軸50が回転自在に挿入される軸挿入孔52が設けられている。また、3つの軸挿入孔52の中心には、外形が円柱状に形成された減速機構54が挿着される挿着孔56が1つ設けられている。
駆動軸50の外刃ユニット12側の先端には、内刃40に設けられた係合孔40aに進入して、駆動軸50の回転力を内刃40に伝達するための係合舌片50aが形成されている。また、駆動軸50の載置板28側の先端には、後述する中空ハブ内に挿入されるフランジ部50bが形成されている。
【0014】
載置板28の下面には電動モータ18が、その出力軸18aが載置板28と駆動軸ホルダ30との間の領域内に進入するように取り付けられている。そして、出力軸18aには、先端には減速機構54の初段の遊星歯車機構58の太陽外歯車となる第1軸歯車60aが形成され、中途部分には後述する3つの各軸芯に取り付けられた軸平歯車と噛合する第2軸歯車60bが形成されたモータ軸歯車60が取り付けられている。
また、載置板28の駆動軸ホルダ30側の面には、3つの軸挿入孔52に対応して3つの軸支持孔62が同軸となるように設けられ、各軸支持孔62内にはそれぞれ軸芯64が電動モータ18の出力軸18aと平行に、かつそれぞれの軸線を中心として回転自在に挿着されている。
そして各軸芯64には、モータ軸歯車60の第2軸歯車60bと噛合する軸平歯車66が取り付けられると共に、駆動軸ホルダ30側の先端には、駆動軸ホルダ30側に開口する円筒状の空洞部68aを有する中空ハブ68が取り付けられている。
【0015】
各駆動軸50は、フランジ部50bが形成された先端が空洞部68a内に挿入されて中空ハブ68と連結されている。なお、中空ハブ68の内壁面には軸芯64方向に沿ったリブ(不図示)が設けられ、またフランジ部50bには切欠部(不図示)が設けられ、このリブが切欠部と嵌合する状態で各駆動軸50が空洞部68a内に挿入されている。よって、駆動軸50は中空ハブ68に対して軸芯64の回転軸方向へ移動自在であると共に、中空ハブ68が回転した際には駆動軸50も中空ハブ68と共に回転する。
また、各空洞部68a内にはコイルバネ70が装着されて、中空ハブ68に対して駆動軸50を常時外刃ユニット12方向へ付勢している。
なお、本実施の形態では、一例として中空ハブ68の空洞部68a内の中心には、軸芯64の先端が挿入される筒部68bが形成され、駆動軸50内部には駆動軸50の中空ハブ68側の端面に開口し、筒部68bが挿入可能な筒状の第2空洞部50cが形成されている。そして、コイルバネ70は筒部68bに緩やかに外嵌されて第2空洞部50c内に配されている。
【0016】
次に、本発明の特徴点である減速機構54について図4と図5を用いて説明する。
本発明に係る電気かみそり10は、従来例でも述べたように、内刃40が高速に回転すると共に、外刃36も回転して積極的に体毛をスリット内へ導入する構成となっている。
そして、外刃36が高速に回転して皮膚が擦れて傷んだり、また高トルク型の電動モータを使用しなくても充分回転駆動できるように、電動モータ18と外刃36の環状歯車44との間に減速機構54を設けると共に、大きな減速比を得ながら減速機構54自体の容積を極力抑えるべく、減速機構54を遊星歯車機構で構成している点が特徴点である。
【0017】
この減速機構54は、図2や詳細には図4に示すように複数(本実施の形態では一例として3つ)の遊星歯車機構72、74、76が、隣接した状態で多段に積層されて構成されている。
各遊星歯車機構毎に説明する。
最も電動モータ18寄りに位置する初段の遊星歯車機構72は、円筒状の太陽内歯車72a、キャリア72bの下面に回転自在に取り付けられて太陽内歯車72aと噛合する複数(一例として3つ)の遊星歯車72c、複数の遊星歯車72cの中心に配されて各遊星歯車72cと噛合する太陽外歯車としての第1軸歯車60aから成る。なお、本実施の形態では太陽内歯車72aは積層される3つの遊星歯車機構72、74、76の厚み分の長さに設定されて、他の遊星歯車機構74、76の太陽内歯車ともなっている。
【0018】
2段目の遊星歯車機構74は、太陽内歯車72a、キャリア74bの下面に回転自在に取り付けられて太陽内歯車72aと噛合する複数(一例として3つ)の遊星歯車74c、遊星歯車74cの中心に配されて各遊星歯車74cと噛合する太陽外歯車74dから成る。また、太陽外歯車74dは初段のキャリア72bの上面の回転中心に固定されている。
3段目の遊星歯車機構76は、太陽内歯車72a、キャリア76bの下面に回転自在に取り付けられて太陽内歯車72aと噛合する複数(一例として3つ)の遊星歯車76c、遊星歯車76cの中心に配されて各遊星歯車76cと噛合する太陽外歯車76dから成る。また、太陽外歯車76dは2段目のキャリア74bの上面の回転中心に固定されている。
【0019】
すなわち、各段の遊星歯車機構72、74、76の構成部材は、一つの連続した共通の筒状体に形成された太陽内歯車72a内に配され、前段の遊星歯車機構のキャリアの回転中心位置に、後段の他の遊星歯車機構の太陽外歯車が連結されて多段に積層されている。
このように、各段の遊星歯車機構72、74、76の太陽内歯車の外径を同じにして一体化し、かつ複数の遊星歯車機構72、74、76を多段に積層することによって、複数の平歯車を組み合わせて減速機構を構成しても、減速機構54自体の容積をコンパクトにすることが可能となり、電気かみそり10自体の小型化が実現できる。
なお、本実施の形態では一例として3つの遊星歯車機構を用いたが、減速機構54の目標とする減速比の値により、減速比が小さい場合には段数を減らして2段にするとか、減速比を大きくする場合にはさらに段数を増やして4段以上とすることも可能である。
【0020】
以上の3つの遊星歯車機構72〜76の構成部材は、太陽内歯車72aの両開口部分に取り付けられた蓋体78によって太陽内歯車72aから抜け落ちないように挟持されている。
また、減速機構54は、共通の太陽内歯車72aが挿着孔56に嵌め込まれることによって駆動軸ホルダ30に固定されている。
また、この最終段目の遊星歯車機構76のキャリア76bの上面の回転中心には減速機構54の出力歯車としての減速出力歯車48が取り付けられている。この減速出力歯車48は外刃ユニット12側の蓋体78の中心孔78aから突出し、各外刃ユニット12に嵌め込まれた環状歯車44の中心位置に配され、各環状歯車44と噛合する。
また、同様に電動モータ18側の蓋体78の中心孔78aにはモータ軸歯車60が挿通されている。
【0021】
以上の構成により、各軸芯64と各駆動軸50と外刃ユニット12は電動モータ18の出力軸18aと平行な同一回転軸線上に配されることになる。また、3つの遊星歯車機構72、74、76を多段に積層してなる減速機構54の中心は電動モータ18の出力軸18aの回転軸線上に位置することになる。
【0022】
続いて、動作について説明する。
まず、スライドスイッチ24が操作されてバッテリ20から電動モータ18へ電流が供給されると電動モータ18は作動し、出力軸18aが回転してモータ軸歯車60も回転する。これにより、外刃ユニット12と内刃40が回転駆動される。
最初に、内刃40の回転について説明する。
モータ軸歯車60が回転すると、その第2軸歯車60bと噛合する3つの軸平歯車66がそれぞれモータ軸歯車60と反対方向へ回転し、各軸芯64の先端に取り付けられた3つの中空ハブ68も同方向へ回転する。よって、各中空ハブ68と連結された3つの駆動軸50も同方向へ回転し、各外刃ユニット12内に配された内刃40がモータ軸歯車60と反対方向へ回転する。
その減速比は、第2軸歯車60bの歯数がZ2、軸平歯車66の歯数がZ3であるとすると、Z3/Z2となる。本実施の形態では、一例としてZ2=16、Z3=36であるから、減速比Ri=36/16=2.25となる。
【0023】
次に、外刃36の回転について説明する。
モータ軸歯車60が回転すると、その第1軸歯車60aから減速機構54に回転力が伝達される。
この減速機構54の回転力の伝達は、まず第1軸歯車60aと噛合する初段の遊星歯車機構72の遊星歯車72cが自転しながら太陽内歯車72aの内周に沿って第1軸歯車60aと同じ方向へ円運動する。これにより、キャリア72bが第1軸歯車60aを中心として同方向へ回転(公転)する。
第2段目の遊星歯車機構74も初段と同様に、キャリア72bに取り付けられた太陽外歯車74dが第1軸歯車60aと同じ方向へ回転することで、遊星歯車74cが自転しつつ第1軸歯車60aを中心として公転し、キャリア74bも同じ方向へ回転する。
第3段目の遊星歯車機構76も初段と同様に、キャリア74bに取り付けられた太陽外歯車76dが第1軸歯車60aと同じ方向へ回転することで、遊星歯車76bが自転しつつ公転し、キャリア76bも同じ方向へ回転する。
【0024】
この減速機構54の減速比は、太陽内歯車72aの歯数がZo、初段の遊星歯車機構72の太陽外歯車としての第1軸歯車60aの歯数がZu1、2段目の太陽外歯車74dの歯数がZu2、3段目の太陽外歯車76dの歯数がZu2とすると、
減速比Rg=(1+Zo/Zu1)×(1+Zo/Zu2)×(1+Zo/Zu3)
一例として、本実施の形態では、Zo=36、Zu1=Zu2=Zu3=12であるから、減速比R=4×4×4=64となる。
【0025】
減速機構54の最終段のキャリア76bが回転することによって、当該キャリア76bに取り付けられた減速出力歯車48も回転し、この回転力は外刃ユニット12の環状歯車44に伝達されて、外刃ユニット12は第1軸歯車60aと反対方向へ回転する。よって、外刃36自体も外刃ユニット12と一体に回転する。
ここで、外刃ユニット12の電動モータ18を基準とした全体の減速比Roは、減速出力歯車48の歯数がZ4、環状歯車44の歯数がZ5とすると、
減速比Ro=Rg×Z5/Z4となる。
一例として本実施の形態では、Z4=16、Z5=45であるから、
減速比Ro=64×45/16=180となる。
【0026】
このように、外刃36自体が回転することによって、電気かみそり10を手で持ちながら常時動かさなくても、積極的に髭等の体毛を外刃36に設けられたスリット内へ導入することができ、効率の剪断が行え、また腕の筋肉の疲れも軽減できる。
また、内刃40と外刃36は同一方向へ回転するが、内刃40の減速比が約2程度であり、高速に回転するのに対し、外刃36は減速比が180であるために非常にゆっくりと回転する。よって、この外刃36と内刃40の相対的な回転数の差により、外刃36のスリットから導入された体毛が剪断される。また、外刃36は非常にゆっくりと回転するため、外刃36に直接当たる肌が外刃36との間に生ずる摩擦によって傷むことはない。また、減速比が大きいために、特に高トルクの電動モータを使用しなくても、肌との接触抵抗に抗して所定の回転数で外刃36が回転可能である。
なお、外刃36と内刃40は単一の電動モータ18により回転駆動されるため、その回転数の比は電動モータ18の回転数がバッテリ20の電圧の変化により変動しても常に一定(一例として上記の実施の形態では2.3対180)であり、外刃36が適切な回転数である100rpm以下(例えば40〜60rpm)で回転すると、内刃40は約3900rpmで回転することになる。なお、上記のように外刃36はあまりに高速回転すると肌が傷む等の弊害があるため、外刃36のスリット内に体毛が導入できる限度でゆっくりと回転する必要があり、できれば50rpm以下が望ましい。従って、上記の実施の形態では一例として外刃36と内刃40の回転数の比は2.3対180、つまり1対78であるが、さらに内刃40の比率を高くしても良く、例えば1対83が現状のところ好適である。
また、外刃36と内刃40の駆動源は単一の電動モータ18を共用しているため、電気かみそりの外形もよりコンパクトである。
【0027】
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は上述する実施例に限定されるものではなく、外刃ユニットが1つの場合や2つの場合にも同様に、遊星歯車機構を多段に積層してなる減速機構を応用することができる。
また、歯車の直径や歯数、遊星歯車機構の段数は、電気かみそりの仕様に応じて種々変更されるものであり、上記の実施の形態で説明した具体例は一例にすぎない。
また、内刃40と外刃36は同じ方向に回転しているが、反対方向に回転させるようにしても良い。具体的には、第2軸歯車60bと軸平歯車66との間に反転用の歯車を挿むようにすれば良い。
【0028】
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明は上述する実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明では、単一の駆動モータで外刃と内刃を回転駆動するから、外刃と内刃を回転させながら、かつ外形がコンパクトな電気かみそりを提供できる。また、駆動モータは1つであるから、騒音も駆動モータを2つ設ける場合よりも少なく、また製品自体のコストも低減できる。また、遊星歯車機構を用いて外刃の回転数を減速させているから、直接皮膚に当たって皮膚から抵抗を受ける外刃を大型な高トルク型でなく、小型な電動モータで駆動できる。また外刃の回転数を減速させる機構が遊星歯車機構で構成された減速機構であるために、平歯車を用いた一般的な減速機構に比べて減速機構自体も小型化できる。よって、電気かみそりの外形をコンパクトにしつつ、大きな減速比を得て皮膚からの抵抗を受ける外刃を確実に回転させることができる。
また、請求項3記載の発明では、複数の遊星歯車機構を多段に積層して大きな減速比を得ながら、各々の太陽内歯車を一つの連続した筒状体とすることによって、共通の太陽内歯車内に、各段の遊星歯車や太陽外歯車、キャリア等の遊星歯車機構の他の構成要素を収容することができ、減速機構自体の大きさをさらにコンパクトにすることが可能となる。また、請求項4記載の発明のようにさらにモータ軸歯車を、多段に積層された前記遊星歯車機構の内の初段の遊星歯車機構の前記太陽外歯車とすることによって、電動モータの出力軸の回転中心と減速機構の回転中心とが同一直線上となり、減速機構と電動モータ全体の外径が小さくなり、一層のコンパクト化が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気かみそりの一実施の形態の概要構成を示す要部切欠側面図である。
【図2】図1のヘッド部とヘッドフレームの内部構成を示す図3におけるC−C断面図である。
【図3】図2における減速出力歯車と環状歯車の噛合関係を示すB−B矢視図である。
【図4】減速機構の内部構成を示す分解斜視図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【符号の説明】
10 電気かみそり
18 電動モータ
18a 出力軸
36 外刃
40 内刃
44 環状歯車
54 減速機構
60 モータ軸歯車
72、74、76 遊星歯車機構
Claims (4)
- 単一の電動モータと、該電動モータにより回転駆動される外刃と、該外刃と組み合わされて配され、前記電動モータにより回転駆動される内刃とを備えた回転型の電気かみそりであって、
前記外刃と外刃ホルダとから構成され、内部に内刃が装着された外刃ユニットが、ハウジングの上部のヘッド部に設けられたヘッドフレームに回転自在に支持され、
前記外刃ホルダは、筒状に形成され前記外刃の下部が挿入されて外刃と一体的に連結されるとともに、外周に環状歯車が設けられ、
前記電動モータの出力軸に取り付けられたモータ軸歯車と、前記外刃ホルダに設けられた環状歯車と噛合する減速出力歯車との間に、前記モータの出力軸の回転軸線を中心とする遊星歯車機構によって構成され、前記内刃と同一方向に、前記内刃よりも低速で外刃を回転させる減速機構が配されていることを特徴とする電気かみそり。 - 前記外刃は、外刃の上面および側面に毛導入用のスリットが形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の電気かみそり。
- 前記減速機構は、
太陽内歯車と、キャリアに回転自在に取り付けられて該太陽内歯車と噛合する複数の遊星歯車と、該複数の遊星歯車の中心に配されて各遊星歯車と噛合する太陽外歯車とから成る複数段の遊星歯車機構が、前記太陽内歯車が一つの連続した共通の筒状体に形成され、一の遊星歯車機構の前記キャリアの回転中心位置に、隣接する他の遊星歯車機構の前記太陽外歯車が連結されて多段に積層されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の電気かみそり。 - 前記モータ軸歯車は、多段に積層された前記遊星歯車機構の内の初段の遊星歯車機構の前記太陽外歯車であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の電気かみそり。
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