以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力炊飯方式の炊飯器を示す。この炊飯器は、電磁誘導加熱される炊飯鍋10を着脱可能に収容する炊飯器本体11と、該炊飯器本体11に回動可能に取り付けた蓋体22とを備え、この蓋体22の内側の面には内蓋46が着脱可能に取り付けられるものである。
前記炊飯器本体11は、筒形状をなす胴体12と、該胴体12の下端開口を閉塞する底体13と、前記胴体12の上端開口を覆うように取り付ける肩体14とからなる外装体を備えている。この肩体14は、その中央上部に炊飯鍋10を着脱可能に配置するための開口部15を備え、この開口部15の下部に、筒状をなす内胴16と、非導電性材料からなる受け皿状の保護枠17とが配設されている。この保護枠17の下部外周面には、鍋底(第1)加熱手段である誘導加熱コイル18がフェライトコア19を介して配設されている。また、炊飯鍋10の温度を検出するための第1の温度検出手段として炊飯鍋用温度センサ20が保護枠17を貫通して配設されている。さらに、前記内胴16の外周部には、鍋側部(第2)加熱手段である胴ヒータ21が配設されている。
前記蓋体22は、肩体14の背部に形成されたヒンジ受部に開閉可能に取り付けられ、炊飯器本体11の開口部15を閉塞するものである。この蓋体22は、炊飯器本体11の外装体と共に外表面材を構成する上板23と、該上板23の底を閉塞する下板27と、該下板27の下面に着脱可能に装着される内蓋46とを備えている。そして、この蓋体22の内部には炊飯鍋10内と外部とを連通する排気通路が設けられ、この排気通路に炊飯鍋10内を昇圧するための調圧弁50が設けられている。
前記上板23には、その前部に蓋体22を開放操作するための操作部材24を回動可能に装着する装着孔25が設けられている。また、上板23の背部には、蒸気口ユニット57の配設凹部26が設けられている。
図1および図2に示すように、下板27は、前記肩体14の上側の凹状の窪み形状と対応する形状をなす。この下板27の背部には、肩体14のヒンジ受部に軸によって回動可能に軸着されるヒンジ接続部28が設けられている。また、下板27の前部には、肩体14のロック穴にアンロック可能にロックするロック部材29が回動可能に取り付けられている。このロック部材29は、図示しないスプリングによってロック方向に付勢されている。さらに、このロック部材29の上部中央には、後述するソレノイド38を動作させることによる加圧時に、蓋体の開放を不可能とするロック手段として開放防止用ロック片30が突設されている。また、下板27の底には、金属製のヒータカバー31を介して蓋(第3)加熱手段である蓋ヒータ32が配設されるとともに、第2の温度検出手段である蓋体用温度センサ33(図5参照)が配設されている。
そして、本実施形態の下板27には、後述する内蓋46に設けられた調圧弁50を収容するとともに排気通路の入り口部を構成する収容部34が設けられている。そして、この収容部34の前側には、調圧弁50の駆動手段であるソレノイド38が配設されている。また、前記配設凹部26の下部には、排気通路の出口部を構成する排気部42が設けられている。
前記収容部34は、図3(A),(B)に示すように、排気通路の一部を構成するもので、後述する調圧弁50を収容する下端開口のドーム形状のものである。この収容部34の側壁前部には駆動用開口部35が設けられ、この駆動用開口部35にパッキン36が配設されている。また、前記ヒータカバー31において、この収容部34の下端開口と対応する位置は同様に開口され、これらの間がパッキン37によってシールされている。
駆動手段であるソレノイド38は、2ポジションソレノイドであり、通電の有無により進退するロッド39の先端に、パッキン36を介して球状部材56を押圧する押圧部材40を配設したものである。そして、動作状態では通電(オン)によりロッド39を後退させ、パッキン36を介して調圧弁50である球状部材56を自重で転動させて加圧(閉)状態とする一方、非動作状態では遮断(オフ)によりロッド39を進出させ、球状部材56を転動させて非加圧(開)状態とするものである。なお、押圧部材40には、オン状態でロック部材29の開放防止用ロック片30の下部に進入し、該ロック部材29の回動による蓋体22の開放を防止するリンク部材41が設けられている。
前記排気部42は、上板23の配設凹部26の接続口26aと対応する位置に設けた上下端開口の筒状のものである。この排気部42の上端開口部には、上板23との間をシールするとともに、後述する蒸気口ユニット57の接続部59との間をシールするパッキン43が配設されている。また、前記ヒータカバー31において、この排気部42の下端開口と対応する位置は同様に開口され、これらの間がパッキン44によってシールされている。
前記内蓋46は、金属製の内蓋本体47と、蓋パッキン48と、樹脂枠49とを備え、ヒータカバー31の下部に着脱可能に配設されるものである。なお、ヒータカバー31の外周部には、この内蓋46との間を気密にシールするためのパッキン45が配設されている。また、内蓋46には、前記収容部34内に配置される調圧弁50が一体的に配設されている。
前記内蓋本体47は、放熱板の役割をなすもので、収容部34と対応する位置には炊飯鍋10内と連通する開口部が設けられている。前記蓋パッキン48は、炊飯鍋10の開口内周部に密着してシールするものである。前記樹脂枠49は、内蓋本体47の外周部に挟み込むことによって、蓋パッキン48を内蓋本体47との間に離脱不可能に装着するものである。
前記調圧弁50は、弁座部材51と、該弁座部材51を覆うカバー53と、これらの内部に収容された弁体である球状部材56とからなり、炊飯制御時に炊飯鍋10内を加圧する加圧手段の役割をなすとともに、保温制御時に炊飯鍋10内を密閉する保湿手段の役割をなすものである。即ち、本実施形態では、従来の圧力炊飯器で搭載した加圧手段である調圧弁50を、保温制御時に動作させる保湿手段として兼用している。
前記弁座部材51は、下端開口で上端を閉塞した台形筒状をなすものである。この弁座部材51には、平坦な上端閉塞面に、炊飯鍋10内が沸騰状態で、該炊飯鍋10の内圧が大気圧と同等になるように排気可能な開口面積の通気孔52が設けられている。
前記カバー53は、後述する球状部材56を収容した状態で前記弁座部材51を覆うように固着されるものである。このカバー53には、収容部34の駆動用開口部35に対応し、パッキン36を介してソレノイド38の押圧部材40を進退可能に挿通する挿通孔54が設けられている。また、カバー53の上部には、周方向に所定間隔をもって排気孔55が設けられている。
前記球状部材56は、転動により通気孔52を閉塞することにより、炊飯鍋10内の空気を外部に排気するのを防止して、炊飯鍋10内の圧力を昇圧するためのものである。本実施形態では、炊飯鍋10内の圧力が1.20から1.25atmに昇圧すると、その圧力で通気孔52上から離反するように転動する重量のものを使用している。
前記蒸気口ユニット57は、受け皿状の下ケース58と、該下ケース58に着脱可能に取り付けられる上ケース60と、これらケース58,60間をシールする蒸気口パッキン62とを備え、配設凹部26の背部に位置する前記排気部42にパッキン36を介して着脱可能に接続されるものである。前記下ケース58は、その底壁の略中央部に排気部42に接続するための接続部59が設けられている。前記上ケース60は、蓋体22の表面形状と一致するように、上板23と一体的な曲面形状をなす上端閉塞面を有し、前記下ケース58に対して着脱可能に組み付けられるものである。この上ケース60には、前記下ケース58の側壁形状と一致するパッキン収容部61が設けられ、このパッキン収容部61にケース58,60間をシールする蒸気口パッキン62が配設されている。
前記内蓋46を装着した蓋体22は、通気孔52を有する弁座部材51内、排気孔55を有するカバー53内、カバー53と収容部34との隙間から、内蓋本体47とヒータカバー31との隙間、排気部42内、および、排気口を有する蒸気口ユニット57内を経た経路が、炊飯鍋10内と外部とを連通させる排気通路を構成する。
前記炊飯器において、肩体14の正面上部には、ユーザが炊飯条件を入力したり、該炊飯器の動作状態を表示するための操作パネル63が配設されている。
この操作パネル63は、図4に示すように、中央の液晶パネル65の周囲に、入力手段であるスイッチ64a〜64hが配設されている。具体的には、操作パネル63の上側には、炊飯制御を実行させる炊飯スイッチ64a、保温制御を実行させる保温スイッチ64b、および、通常の保温制御より低い温度で保温を実行するおやすみ保温スイッチ64cが配設されている。また、操作パネル63の下側には、希望時刻にご飯を炊き上げる予約機能を選択するための予約スイッチ64d、実行中の動作を停止させるとりけしスイッチ64e、炊飯メニューを選択するためのメニュースイッチ64f、現在時刻や炊飯時刻を設定するための▽スイッチ64gおよび△スイッチ64hが配設されている。
また、操作パネル63の中央には、後述するマイコン78が内蔵したドライバによって表示するセグメント表示方式の表示手段である液晶パネル65が配設されている。この液晶パネル65には、現在時刻や炊飯残時間などを表示する数値表示66、予約機能の設定状態を示す予約表示67a,67b、数値表示66が残り炊飯時間であることを示すあと表示68、分表示69および時間表示70、並びに複数の炊飯メニュー表示71が設けられている。そして、本実施形態では、数値表示66の上部に、蓋体22が開放不可能な状態を示すロック表示72が設けられるとともに、蓋体22が開放可能な状態を示すロック解除表示73が設けられている。
そして、本実施形態では、蓋体22の開閉状態を検出する蓋状態検出手段として、下板27に図2に示す磁石74が配設されるとともに、炊飯器本体11における蓋体22の閉塞状態で対応する位置にリードスイッチ75が配設されている。このリードスイッチ75は、蓋体22が閉塞されると、対向位置の磁石74の磁界により接点が閉じ(オン)、蓋体22が開放されると、接点が開く(オフ)ことにより、蓋体22の開閉状態を検出できる。
また、下板27において、蓋体開放用の操作部材24の下部には、蓋体22の開放意思を検出する開放意思検出手段としてマイクロスイッチ76が配設されている。このマイクロスイッチ76は、常開スイッチであり、操作部材24の下向きの押圧操作により、下部に位置するように配設した作用部77が押圧されることにより、接点がオンされることにより、ユーザによる操作部材24の操作、即ち、蓋体22の開放意思を検出できる。
前記構成の圧力炊飯器は、図5に示すように、図示しない制御基板に実装された制御手段であるマイコン78によって、内蔵したメモリ79に予め設定(記憶)されたプログラムに従って予熱、昇温、沸騰維持、炊き上げ、むらしなどの工程からなる炊飯制御を実行し、続いて保温制御を実行する。また、予約炊飯の待機時間を含む何ら制御を実行していない待機状態で、保温スイッチ64bが操作されると、そのまま保温制御を実行する。また、内蔵した計時手段80により、待機状態では数値表示66に現在時刻を計時して表示するとともに、各工程での制御タイミングを計時する。
具体的には、炊飯制御では、調圧弁50のソレノイド38を非動作状態とした非加圧状態で、炊飯鍋用温度センサ20による検出値に基づいて予熱工程および昇温工程を実行する。その後、調圧弁50を動作させた加圧状態で、蓋体用温度センサ33による検出値に基づいて沸騰維持工程、炊き上げおよびむらし工程を実行する。なお、この炊飯制御では、前記昇温工程と並行して実行される容量判別工程で、炊飯容量を判別する容量判別手段の役割もなす。そして、本実施形態では、この際に判別した炊飯容量をメモリ79に記憶する。
また、保温制御では、調圧弁50のソレノイド38を非動作状態とした開放状態で、炊飯鍋用温度センサ20の検出値による鍋内温度が予め設定した基準温度(例えば85℃)以下に降下するまで待機する。そして、鍋内温度が基準温度以下の状態で、リードスイッチ75によって蓋体22の閉塞状態を所定時間以上、継続して検出すると、調圧弁50のソレノイド38を動作させて排気通路を閉塞し、炊飯鍋10内を保湿する。
この際、本実施形態ではソレノイド38の動作に連動してロック手段であるリンク部材41が動作し、ロック部材29の回動を阻止することにより、蓋体22の開放を防止する。そして、ユーザによる前記蓋体22の開放意思をマイクロスイッチ76により検出し、開放意思を検出(オン)すると、ソレノイド38を非動作状態として、排気通路の閉塞を解除(開放)して炊飯鍋10の内圧と大気圧とを平衡させる。また、同時にリンク部材41を動作させて蓋体22を開放可能とする。
また、前記ソレノイド38の動作に連動し、操作パネル63のロック表示72およびロック解除表示73の表示変更を行う。なお、本実施形態では、ソレノイド38は2ポジションソレノイドを適用しているため、ロック表示72を消灯させてロック解除表示73を点灯させるタイミングは、圧力が平衡するまでの遅延(待機)時間を設けることが好ましい。
さらに、本実施形態では。炊飯制御から保温制御に移行した場合において、その1回の保温制御中での蓋体22の開閉頻度(回数)と、先の炊飯制御で判別した炊飯容量とに基づく容量変化データをメモリ79に記憶する。そして、過去の複数回の容量変化データの平均値に基づいて、現在保温中のご飯において、蓋体22の1回の開閉でのご飯減少量、即ち、炊飯鍋10内の残量を予測し、加熱手段である誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の加熱制御を変更する。
本実施形態の加熱制御は、炊飯鍋10内の飯米容量によって、保温温度を変更する。しかも、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32に対して通電する電力の通電率(ハンチング幅)を変更する。ここで、飯米容量とは、先の炊飯制御で判別した炊飯容量、蓋体22の開閉による予測飯米残量の両方を含む。そして、本実施形態では、炊飯容量により保温温度および通電率を変更するとともに、蓋体22の開閉による予測飯米残量の変更の度に保温温度および通電率を変更する構成としている。
例えば、満量で5カップの飯米を炊飯可能な炊飯器の場合、図6に示すように、少量である1カップと2カップ、中量である3カップ、および、満量である4カップと5カップの3段階に区分けする。そして、炊飯鍋用温度センサ20による保温制御は、少量の場合71℃とし、中量の場合には72℃とし、満量の場合には73℃とする。なお、蓋体用温度センサ33による保温制御の場合には、少量の場合74℃とし、中量の場合には75℃とし、満量の場合には76℃である。しかも、各加熱手段への通電率は、少量の場合、誘導加熱コイル18に対して25ms中0.5ms、胴ヒータ21に対して25ms中10ms、蓋ヒータ32に対して25ms中10msとする。また、中量の場合、誘導加熱コイル18に対して25ms中0.5ms、胴ヒータ21に対して25ms中15ms、蓋ヒータ32に対して25ms中15msとする。さらに、満量の場合、誘導加熱コイル18に対して25ms中1.0ms、胴ヒータ21に対して25ms中20ms、蓋ヒータ32に対して25ms中20msとする。
ここで、炊飯鍋10内のご飯の上面位置は、飯米容量によって異なる。そのため、前述のように誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32に対する通電率を、飯米容量によって変更すると、保温中のご飯の黄変や白化に対して非常に有効である。
次に、マイコン78による制御について具体的に説明する。ユーザが操作パネル63の炊飯スイッチ64aを操作すると、マイコン78は炊飯制御を実行し、続いて保温制御を実行する。また、ユーザが保温スイッチ64bを操作すると、マイコン78は、炊飯制御を実行することなく、保温制御を実行する。
そして、炊飯制御では、マイコン78は、図7に示すように、まず、ステップS1で、誘導加熱コイル18に通電を開始し、内鍋の温度が約50℃程度となるように温度調節して加熱する予熱工程を実行する。
そして、予め設定した時間が経過することにより予熱工程が終了すると、ステップS2の昇温工程と、ステップS3の容量判別工程とを並行処理する。なお、昇温工程は、誘導加熱コイル18に対して100%(フルパワー)の電力で通電し、炊飯鍋10内の米を含む水を沸騰させるものである。また、容量判別工程は、加熱中のご飯の温度の上昇勾配により、炊飯鍋10内に収容された炊飯容量を判別し、その判別した炊飯容量をメモリ79に記憶するものである。
炊飯容量を判別し、炊飯鍋10内が所定温度まで昇温すると、ステップS4で、調圧弁50をオンして炊飯鍋10内の加圧を開始した後、ステップS5で、ロック解除表示73を消灯させるとともにロック表示72を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS6で、蓋体用温度センサ33の入力値に基づいて誘導加熱コイル18を制御して沸騰維持工程を実行する。予め設定した時間が経過することにより沸騰維持工程が終了すると、ステップS7で、誘導加熱コイル18に対する通電量を上げて炊き上げ工程を実行する。そして、この炊き上げ工程により炊飯鍋10内のドライアップを検出すると、ステップS8で、蓋体22に配設した蓋ヒータ32に通電を開始して、所定時間むらし工程をする。その後、ステップS9で、炊飯制御を実行したことを意味するフラグfaに1を入力して、炊飯制御を終了し、続いて保温制御に移行する。
次に、保温制御では、マイコン78は、以下で説明する図8から図10の保湿工程と、図11の加熱制御工程とを並行処理する。
まず、保湿工程では、マイコン78は、図8に示すように、ステップS10で、調圧弁50をオフして排気通路を開放状態とする。なお、この状態では、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32は、加熱制御工程によりオフ状態となっている。
ついで、ステップS11で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートした後、ステップS12で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更する。その後、ステップS13で、蓋体22の開閉数のカウンタをリセットする。
ついで、ステップS14で、炊飯鍋用温度センサ20によって検出した炊飯鍋10の温度が85℃(基準温度)以下であるか否かを検出する。そして、基準温度以下である場合にはステップS15に進み、基準温度より高い場合にはステップS18に進む。
ステップS15では、蓋ロックタイマがカウントアップしているか否かを検出する。そして、蓋ロックタイマがカウントアップしている場合にはステップS16に進み、調圧弁50をオンして排気通路を閉塞した後、ステップS17で、ロック解除表示73を消灯させるとともにロック表示72を点灯させるようにロック状態表示を変更して、図9のステップS22に進む。また、蓋ロックタイマがカウントアップしていない場合にはステップS18に進む。
一方、ステップS18では、リードスイッチ75によって蓋体22が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体22の開放を検出した場合にはステップS19に進み、蓋体22の開放を検出しない場合にはステップS14に進む。ステップS19では、リードスイッチ75によって蓋体22が閉塞されたことを検出するまで待機し、蓋体22の閉塞を検出すると、ステップS20で、蓋体22の開閉カウンタに1を加算した後、ステップS21で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートして、ステップS14に進む。
調圧弁50の動作により炊飯鍋10内を閉塞してご飯の保湿を開始すると、図9に示すように、ステップS22で、マイクロスイッチ76によりユーザによる蓋体22の開放意思の有無を検出する。そして、開放意思を検出した場合にはステップS23に進み、開放意思を検出しない場合にはステップS34に進む。
ステップS23では、調圧弁50をオフして排気通路を開放した後、ステップS24で、ロック解除タイマをリセットしてスタートさせる。その後、ステップS25で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS26で、リードスイッチ75により蓋体22が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体22の開放を検出しない場合にはステップS27に進み、蓋体22の開放を検出した場合にはステップS30に進む。
ステップS27では、ロック解除タイマがカウントアップしたか否かを検出する。そして、ロック解除タイマがカウントアップした場合にはステップS28で、調圧弁50をオンして排気通路を閉塞した後、ステップS29で、ロック解除表示73を消灯させるとともにロック表示72を点灯させるようにロック状態表示を変更してステップS34に進む。
一方、ステップS30では、ロック解除タイマを停止した後、ステップS31で、リードスイッチ75によって蓋体22が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体22の閉塞を検出すると、ステップS32で、蓋体22の開閉カウンタに1を加算した後、ステップS33で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートしてステップS34に進む。
ステップS34では、ユーザによるとりけしスイッチ64eの操作、または、ユーザによる炊飯鍋10の取り出し、または、停電により炊飯鍋10が所定温度以下に降温などの保温制御の停止条件の有無を検出する。そして、停止条件を検出しない場合にはステップS35に進み、停止条件を検出した場合には図10のステップS36に進む。
ステップS35では、蓋ロックタイマがカウント中であるか否か、即ち、調圧弁50がオン状態になっているか否かを検出する。そして、カウント中である(調圧弁オフ)場合には図8のステップS14に進み、カウント中でない(調圧弁オン)場合にはステップS22に進む。
一方、停止条件を検出した場合には、図10に示すように、ステップS36で、調圧弁50をオフして排気通路を開放した後、ステップS37で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS38で、この保温制御の前に炊飯制御を実行したか否かをフラグfaにより検出し、faが1である(炊飯制御を実行した)場合にはステップS39に進み、faが0である(炊飯制御を実行していない)場合には加熱制御工程を含む保温制御を終了して、待機モードへ移行する。
ステップS39では、開閉カウンタによる開閉数をメモリ79に記憶した後、ステップS40で、faに0を入力して、加熱制御工程を含む保温制御を終了して、待機モードへ移行する。
また、加熱制御工程では、マイコン78は、図11に示すように、まず、ステップS50で、この保温制御前に炊飯制御を実行したか否かをフラグfaに1が入力されているか否かで検出する。そして、faが1である(炊飯制御を実行した)場合にはステップS51に進み、faが0である(炊飯制御を実行していない)場合にはステップS54に進む。
ステップS51では、メモリ79に容量変化データが設定記憶数記憶されているか否かを検出する。そして、記憶数を満足している場合にはステップS52に進み、記憶数を満足していない場合にはステップS54に進む。
ステップS52では、炊飯制御の容量判別工程で記憶した炊飯容量を読み込み、ステップS53で、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の各通電率、および、それによる保温温度を、炊飯容量に基づいて設定してステップS56に進む。
一方、ステップS54では、炊飯鍋10内の飯米容量が解らないため(ステップS50)、または、後述する加熱制御変更処理を行わないため(ステップS51)、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の各通電率、および、それによる保温温度を、平均的な中量に設定する。そして、ステップS55で、加熱制御変更処理の実行の許否を意味するフラグfbに1(実行せず)を入力してステップS56に進む。
ステップS56では、fbが0であるか否かを検出し、fbが0である場合にはステップS57に進み、fbが1である場合にはステップS60に進む。
ステップS57では、保湿工程でカウント中の蓋体22の開閉数を読み込んだ後、ステップS58で、カウント数に変化があるか否かを検出する。そして、カウント数に変化がある場合にはステップS59に進み、変化がない場合にはステップS60に進む。
ステップS59では、メモリ79に記憶されている過去の容量変化データに基づいて、現在の飯米残量を演算予測し、その予測残量に基づいて誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の各通電率、および、それによる保温温度の変更処理を行ってステップS60に進む。
ステップS60では、炊飯鍋用温度センサ20によって炊飯鍋10の温度Tを検出した後、ステップS61で、その検出温度Tがしきい値T0である温調温度以下であるか否かを検出する。そして、検出温度Tがしきい値T0以下である場合には、ステップS62に進み、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32を設定された通電率でオンしてステップS64に進む。また、検出温度Tがしきい値T0より高い場合にはステップS63に進み、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32への通電を遮断(オフ)してステップS64に進む。
ステップS64では、保湿制御と同様に保温制御の停止条件の有無を検出する。そして、停止条件を検出しない場合にはステップS56に進む。また、停止条件を検出した場合にはステップS65に進み、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32への通電を遮断した後、ステップS66で、fbに0を入力して前記保湿工程を含む保温制御を終了して、待機モードへ移行する。
次に、ステップS59の加熱制御変更処理について具体的に説明する。例えば、メモリ79には、合計で8回分の炊飯容量と、その際の炊飯制御に続いて実行した保温制御での蓋体22の開閉数を記憶可能としている。そして、図12に示すように、合計した炊飯容量を、蓋体22の開閉数で除算すると、1回の開閉で減量される平均ご飯量を演算できる。その結果、蓋体22の開閉数により、炊飯鍋10の内部の飯米残量を予測することができる。そして、その予測飯米残量に基づいて、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の通電率、および、これらによる保温温度を、図6に従って設定変更する。
勿論、通電率および保温温度を少量設定とした以後には、更なる設定変更は行わない。また、新たな容量変化データを記憶する場合には、最も古い過去の容量変化データを削除する。または、例えば図12の記憶番号4のように、1回当たりの減量が最も多い容量変化データで、最も古い過去の容量変化データを削除する。
このように、本発明の炊飯器では、保温制御中に蓋体22の閉塞状態を検出すると、調圧弁50を保湿手段として排気通路を閉塞するため、炊き上げたご飯の保湿を図ることができる。また、ユーザによる蓋体22の開放意思を検出すると、前記調圧弁50による排気通路の閉塞を解除し、炊飯鍋10の内圧と大気圧とを平衡させるため、ユーザによる蓋体22の開閉作業に支障が生じることを防止できる。
また、排気通路を閉塞した保湿状態では、ロック手段であるリンク部材41により蓋体22の開放を不可能とするため、炊飯鍋10の内部が昇圧された状態での安全性を向上できる。さらに、マイクロスイッチ76によりユーザの開放意思を検出すると、圧力平衡を行うとともにロック解除を可能とするため、ユーザが蓋体22の開放操作を行った際の安全性を向上できる。しかも、本実施形態では、炊飯制御時に動作させる調圧弁50を保湿手段として兼用しているため、部品点数の増加を防止でき、コスト高になることを防止できる。
さらに、炊飯制御を行った炊飯容量と、続いて実行した保温制御での蓋体22の開閉数をメモリ79に記憶し、これらによって演算予測可能な容量変化データに基づいて、保温制御での保温温度および通電率を含む加熱量を、蓋体22の開閉毎に変更する。そのため、リアルタイムで細かい調整が可能である。しかも、誘導加熱コイル18、胴ヒータ21および蓋ヒータ32の通電率を個別に変更するため、無駄な電力消費を防止したうえで、保温中のご飯の変色を飛躍的に防止できる。
また、この加熱制御の変更は、過去の複数の容量変化データの平均値に基づいて行うため、信頼性を向上できる。さらに、この加熱制御の変更は、設定記憶数を満たさない場合、および、先に炊飯制御を実行していない場合には実行せず、これらの場合には平均的な中量設定で加熱制御を行う。そのため、加熱制御の変更を行う場合には、ご飯の変色を確実に防止できるとともに、加熱制御の変更を行わない場合には、従来と同様に変色を防止できる。
図13から図16は第2実施形態の炊飯器における保温制御での保湿工程の開閉処理を示す。この第2実施形態では、ユーザによる蓋体22の開放意思の検出手段の1つとして、ユーザの生活習慣を学習する習慣判断手段としてマイコン78を機能させるようにした点で、第1実施形態と相違している。
具体的には、この習慣判断手段としてのマイコン78は、図13(A)に示すように、リードスイッチ75によって蓋体22の開閉を検出すると、その開閉時刻をメモリ79に記憶する。そして、図13(B)に示すように、記憶された開閉時刻のなかで、30分以内の誤差の開閉時刻が3回以上存在する場合、それらの最も早い時刻から最も遅い時刻までの時間帯に、更に10分の許容時間を前後に加えた時間帯を、開放時間帯として設定する。そして、保湿工程では、開放時間帯になると、ソレノイド38を動作させることにより、予め排気通路を開放するとともに、蓋体22を開放可能にアンロックする。また、この開放時間帯が終了すると、即ち、非開放時間帯になると、ソレノイド38を動作させて排気通路を閉塞して保湿を図る。
なお、メモリ79に記憶する数、開放時間帯を設定するための誤差範囲、前後の許容時間、および、回数は、希望に応じて変更可能である。但し、回数は、極希なパターン(図13(B)の記憶番号10,15,17)を除くために、1回を除くことが好ましい。また、メモリ79への記憶数が満量になった状態で、新たな時刻を記憶する場合、最も古い記憶時刻を消去することにより、ユーザの生活習慣が変わった場合にも対応できるように構成している。
次に、マイコン78による保温制御における保湿工程について具体的に説明する。なお、炊飯制御、および、並行処理される加熱制御工程は、第1実施形態と同一である。
第2実施形態の保湿工程では、マイコン78は、図14に示すように、まず、ステップS101で、調圧弁50をオフして排気通路を開放状態とした後、ステップS102で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートさせる。その後、ステップS103で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更した後、ステップS104で、蓋体22の開閉数のカウンタをリセットする。
ついで、ステップS105で、炊飯鍋用温度センサ20によって検出した炊飯鍋10の温度が85℃以下であるか否かを検出する。そして、基準温度以下である場合にはステップS106に進み、基準温度より高い場合にはステップS107に進む。
ステップS106では、蓋ロックタイマがカウントアップしているか否かを検出する。そして、蓋ロックタイマがカウントアップしていない場合にはステップS107に進み、カウントアップしている場合にはステップS112に進む。
ステップS107では、リードスイッチ75によって蓋体22が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体22の開放を検出しない場合にはステップS105に進み、蓋体22の開放を検出した場合にはステップS108に進む。ステップS108では、リードスイッチ75によって蓋体22が閉塞されたことを検出するまで待機し、蓋体22の閉塞を検出すると、ステップS109で、蓋体22の開閉カウンタに1を加算した後、ステップS110で、後述する蓋開閉時刻設定処理を実行する。その後、ステップS111で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートしてステップS105に進む。
一方、蓋ロックタイマがカウントアップした場合、ステップS112で、調圧弁50をオンして排気通路を閉塞した後、ステップS113で、ロック解除表示73を消灯させるとともにロック表示72を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS114で、後述する学習開閉処理を実行した後、ステップS115で、保温制御の停止条件の有無を検出する。そして、停止条件を検出しない場合にはステップS114に進み、停止条件を検出した場合にはステップS116に進む。
ステップS116では、調圧弁50をオフして排気通路を開放した後、ステップS117で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS118で、この保温制御の前に炊飯制御を実行したか否かをフラグfaにより検出し、faが1である場合にはステップS119に進み、開閉カウンタによる開閉数をメモリ79に記憶した後、ステップS120で、faに0を入力して、加熱制御工程を含む保温制御を終了して、待機モードへ移行する。また、ステップS118でfaが0である場合には、そのまま加熱制御工程を含む保温制御を終了して、待機モードへ移行する。
次に、ステップS114の学習開閉処理について具体的に説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態に示すロック解除タイマ(ステップS24)を無くし、蓋ロックタイマで兼用させることにより、簡素化を図っている。
具体的には、この学習開閉処理では、マイコン78は、図15に示すように、まず、ステップS114−1で、蓋体22がロック中であるか否かを検出する。そして、蓋体22がロック中である場合にはステップS114−2に進み、蓋体22がアンロック中である場合にはステップS114−13に進む。
ステップS114−2では、開放時間帯が設定されているか否かを示すフラグfcが0であるか否かを検出する。そして、fcが0である(設定されている)場合にはステップS114−3に進み、fcが1である(設定されていない)場合にはステップS114−4に進む。
ステップS114−3では、現在時刻を読み込んで開放時間帯になったか否かを判断する。そして、開放時間帯になっていない場合にはステップS114−4に進み、開放時間帯になっている場合にはステップS114−5に進む。
ステップS114−4では、マイクロスイッチ76によりユーザによる蓋体22の開放意思の有無を検出する。そして、開放意思を検出した場合にはステップS114−5に進み、開放意思を検出しない場合にはリターンする。
ステップS114−5では、調圧弁50をオフして排気通路を開放した後、ステップS114−6で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートさせる。その後、ステップS114−7で、ロック表示72を消灯させるとともにロック解除表示73を点灯させるようにロック状態表示を変更する。
ついで、ステップS114−8で、リードスイッチ75により蓋体22が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体22の開放を検出した場合にはステップS114−9に進み、蓋体の開放を検出しない場合にはリターンする。
ステップS114−9では、リードスイッチ75によって蓋体22が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体22の閉塞を検出すると、ステップS114−10で、蓋体の開閉カウンタに1を加算した後、ステップS114−11で、後述する蓋開閉時刻設定処理を実行する。その後、ステップS114−12で、蓋ロックタイマをリセットしてスタートした後、リターンする。
一方、蓋体22がアンロック中である場合には、ステップS114−13で、フラグfcが0であるか否かを検出する。そして、fcが0である場合にはステップS114−14に進み、fcが1である場合にはステップS114−15に進む。
ステップS114−14では、現在時刻を読み込んで閉塞時間帯(非開放時間帯)になったか否かを判断する。そして、閉塞時間帯になっている場合にはステップS114−15に進み、閉塞時間帯になっていない場合にはリターンする。
ステップS114−15では、蓋ロックタイマがカウントアップしているか否かを検出する。そして、蓋ロックタイマがカウントアップしている場合にはステップS114−16に進み、調圧弁50をオンして炊飯鍋10内の加圧を開始した後、ステップS114−17で、ロック解除表示73を消灯させるとともにロック表示72を点灯させるようにロック状態表示を変更してリターンする。また、蓋ロックタイマがカウントアップしていない場合には、そのままリターンする。
次に、ステップS110,S114−11の蓋開閉時刻設定処理について具体的に説明する。
この蓋開閉時刻設定処理では、マイコン78は、図16に示すように、まず、ステップS130で、内蔵した計時手段80より現在時刻を読み込んだ後、ステップS131で、その時刻を開閉時刻としてメモリ79に記憶させる。ついで、ステップS132で、図13(B)に示すように誤差範囲内にあり同一時期に蓋体22を開放したことを意味する開閉時間帯を検索した後、ステップS133で、開閉時間帯を更新記憶する。
ついで、ステップS134で、調圧弁50を動作させて排気通路の開閉設定を行う時間帯があるか否かを判断する。そして、設定時間帯を有する場合にはステップS135に進み、開放時間帯が設定されているか否かを示すフラグfcに1を入力(有り)してリターンする。また、設定時間帯を有しない場合にはステップS136に進み、fcに0を入力(無し)してリターンする。
このように、第2実施形態の炊飯器では、第1実施形態と同様に、保温制御中に蓋体22の閉塞状態を検出すると排気通路を閉塞するため、炊き上げたご飯の保湿を図ることができる。しかも、第2実施形態では、リードスイッチ75による蓋体22の開閉操作に基づいてユーザの開閉習慣を判断し、蓋体22の開放時間帯になると、予め排気通路を開放するとともに、蓋体22のロックを解除するため、炊飯鍋10内の昇圧に係る安全性を確保したうえで、ユーザによる蓋体22の開閉作業に支障(タイムラグ)が生じることを防止できる。
なお、本発明の炊飯器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、炊飯制御時に調圧弁50によって炊飯鍋10内を加圧する圧力炊飯器を用い、その調圧弁50を保湿手段として兼用したが、図17に示すように、この調圧弁50に連動するように設けた保湿専用の弁体81としてもよい。具体的には、前記実施形態において、球状部材56には、耐熱性を有する軟質接続部材82を介して弁体81を配設する。また、球状部材56を動作させるソレノイド38として、図17(A)に示す非通電状態、図17(B)に示す第1通電状態、図17(C)に示す第1通電状態より高電流を通電する第2通電状態の3状態で、それぞれロッド39の進出位置を可変可能な3ポジションソレノイドを使用する。そして、炊飯制御では、図17(B)に示す非加圧状態かつ非閉塞状態として予熱および昇温工程を実行し、図17(A)に示す加圧状態かつ非閉塞状態として沸騰維持工程以後を実行する。また、保温制御では、図17(C)に示す非加圧状態かつ閉塞状態として保湿を図り、図17(B)に示す非加圧状態かつ非閉塞状態として蓋体22の開閉を行うように構成する。このようにしても、前記と同様の作用および効果を得ることができる。
また、前記実施形態では、ソレノイド38の非動作(非通電)状態で非加圧状態とすることにより、ソレノイド38の故障やロッド39の動作不良などにより、炊飯鍋10内が加圧状態のままになることを防止したが、長時間に及ぶことが多い保温制御にて調圧弁50を動作させることになるため、消費電力の低減を目的として非動作状態で加圧状態としてもよい。
さらに、前記実施形態では、蓋体22のロック手段は、調圧弁50の動作に連動させる必要性から、該調圧弁50のソレノイド38にロック部材29の回動を不可能とするリンク部材41を配設したが、専用の駆動手段を設けてもよい。
また、この蓋状態検出手段の配設箇所、即ち、蓋体22の開閉を検出するための作動部は、調圧弁50の球状部材56、蓋体22と炊飯器本体11とのヒンジ接続部28、ソレノイド38のロッド39であってもよい。勿論、蓋体22の開放意思検出手段であるマイクロスイッチ76を、そのまま蓋状態検出手段として兼用させてもよい。さらに、炊飯鍋10の内圧を検出する圧力検出手段を配設し、この圧力検出手段によって負圧を検出した回数を蓋体22の開閉数としてもよい。
さらに、ユーザによる蓋体22の開放意思検出手段は、操作部材24の操作を検出するマイクロスイッチ76に限られず、炊飯器の所定範囲内に人体が近づいたことを検出する赤外線センサなどの人体検出手段であってもよい。