JP4074137B2 - 復水器システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービン発電プラントの蒸気タービン排気を冷却して復水にする復水器などを含む復水器システムに係り、特に、復水器を冷却する冷却水の循環量の制御を伴う復水器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の蒸気タービン発電プラントの復水器廻りの循環水系統などにつき、図15を参照して説明する。循環水(復水器冷却水)ラインでは、取水口8から取水した海水が循環水ポンプ1にて汲み上げられ、循環水ポンプ出口弁70、復水器水室入口弁71を経て、循環水配管5を通って復水器冷却器72に冷却水として流入する。さらに、復水器水室出口弁57を経て放水口9で海に排出される。復水器冷却器72は、復水器6を冷却するものであって、復水器水室74と、伝熱管である復水器冷却水管7とを有する。
循環水ポンプ1は、母線3から遮断器4を介して一定周波数の交流電源を供給された循環水ポンプ用電動機2により駆動される。遮断器4は通常は閉している。
【0003】
タービン10は蒸気により回転し、このタービン10の軸に直結された発電機11により発電されプラントの出力を得る。通常運転中は、発電機11の電力を検出する発電機電力検出器15により発電機電力を監視し、プラント定格出力を確保するように運転する。この際、復水器6はタービン10の排気のうちの蒸気を凝縮させて水に戻し復水とする。この凝縮を効果的に行なうのために、空気抽出器空気入口弁17を介して空気抽出器16により、非凝縮性ガスを復水器6外に排出し、復水器6の真空度を維持する復水器空気抽出ラインを持っている。空気抽出器16は蒸気流によって駆動される。
【0004】
一般的にプラントの安定運転のためには、この復水器6の真空度をある範囲に制限する必要がある。そのため、循環水ポンプ1と復水器冷却水管7との間に設けた復水器入口冷却水温度検出器12からの復水器入口冷却水温度信号と復水器冷却水管出口に設けた復水器出口冷却水温度検出器13からの復水器出口冷却水温度信号の差を復水器冷却水出入口温度差として監視する。
【0005】
そして、復水器冷却水出入口温度差が制限値を超えない範囲で、復水器冷却水管7の逆洗・ボール洗浄により変化する復水器6の清浄度を洗浄能力の高いボール洗浄を実施するかどうか判断して運用を行なうとともに、空気抽出器空気入口弁17の開度の手動による制御で復水器6の真空度を制限内に収める。
【0006】
空気抽出器空気入口弁17は通常運転中は全開としているが、復水器6が過真空状態になった場合には、弁開度を絞って真空度を下げる。また、洗浄を行なわないと、海水に含まれる貝などの海生生物が復水器冷却水管7に付着し、清浄度が低下、すなわち冷却水による熱交換性能が低下する。このため、通常は定期的に復水器冷却水管7の逆洗・ボール洗浄を実施し、清浄度の維持を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の従来の復水器真空度制御系統においては、復水器6の真空度に余裕がある場合に空気抽出器空気入口弁17の開度を絞って真空度を調整したとしても、循環水配管5や復水器冷却水管7の流路抵抗が一定、すなわち復水器6の清浄度が一定の場合、循環水ポンプ1の消費する動力はほとんど変化しない。
【0008】
復水器6の真空度は、冷却水量が多ければ上昇するが、逆に真空度に余裕があれば、冷却水量を低下させることで、循環水ポンプの消費動力を低下させることができる。それにもかかわらず一定の回転数で運転し、一定の流量を流し続ける循環水ポンプは無駄な動力を消費していることになる。
【0009】
また、これとは別の運用で、発電機出力を増加させたい場合に、一定の回転数で運転する循環水ポンプではその流量を増加させることで復水器熱交換量を増加させることができない。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、復水器真空度を制御し、循環水ポンプの消費動力を低減することができる復水器システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、これ以外に循環水ポンプの回転数を上昇側に変化させ循環水ポンプの流量を増加させることにより復水器真空度を制御し、発電機出力を増加させることができる復水器システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的の少なくとも一部を達成するものであって、請求項1に記載の発明は、蒸気タービン発電プラントの蒸気タービン排気を冷却して復水にするための復水器と、前記復水器内の非凝縮性ガスを排出する空気抽出器と、冷却水を導入して前記復水器を冷却する復水器冷却器と、前記復水器冷却器に前記冷却水を送るための循環水ポンプと、前記循環水ポンプを駆動する電動機と、前記復水器冷却器の冷却能力を調整するべく前記循環水ポンプの回転数を制御する制御手段とを備え前記制御手段は、前記プラントの発電電力が通常運転中にそのプラントの定格出力を下回らないように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、循環水ポンプの回転数を変化させることによって流量を変化させ、復水器冷却器の冷却能力を調整し、循環水ポンプの消費動力の無駄を削減することができる。また、プラント定格出力を維持することができる
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、実測データに基いて、前記復水器の真空度、前記発電プラントの発電出力、前記復水器冷却器に導入される前の前記冷却水の温度、前記復水器冷却器に導入される前と復水器冷却器を出た後の前記冷却水の温度差、前記復水器冷却器に導入される前記冷却水の流量、前記復水器冷却器内の前記冷却水の流速、前記復水器冷却器内の差圧、のうちの少なくとも一つが所定の範囲にはいることを目標として制御するものであること、を特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用・効果が得られるほか、実測データに基く制御を実現できる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記電動機に供給する電力の周波数を制御するものであること、を特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明による作用・効果が得られるほか、循環水ポンプを駆動する電動機の省電力を具体的に実現できる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプおよび電動機は複数組あって、前記制御手段は、前記複数組のうちの一部の組のみの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、制御手段の設備費用を必要最小限に抑えることができる。
【0020】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却水入口と復水器冷却水出口での冷却水の温度差が所定の制限値を超えないように前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、復水器冷却水出入口温度差制限を維持することができる。
【0022】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却器内の前記冷却水の平均流速が、海棲生物付着防止または配管浸食防止のための制限幅を逸脱しないように前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、海棲生物付着防止または配管浸食防止の機能を維持することができる。
【0024】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却器内の冷却水管内差圧が、冷却水管洗浄のためのボールが当該冷却水管を通過するための必要最低限以上の差圧を維持するように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
【0025】
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、復水器の冷却水管の洗浄機能を保持することができる。
【0026】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器内の真空度が、タービン振動の恐れのある過真空域下限以下で、かつ、タービントリップの恐れのある注意域上限以上の安定運転範囲内に維持されるように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、復水器の安定運転を維持することができる。
【0027】
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、選択的に、前記循環水ポンプの回転数を制御することなしに前記循環水ポンプを駆動するための直接駆動手段をさらに有すること、を特徴とする。
【0028】
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、循環水ポンプの回転数を変化させる制御手段などに不適合が発生した場合やメンテナンス時にも、プラントの運転を継続することが可能となる。また、循環水ポンプ制御手段を追設したことによりかえって循環水ポンプへの供給電力が増加してしまうような事態を回避することができる。
【0029】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記空気抽出器は蒸気で駆動されるものであって、前記空気抽出器に供給する蒸気流量を制御する手段とをさらに有すること、を特徴とする。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、タービンに悪影響を与える過真空状態となった場合にも、真空度を安定運転範囲内に収めることができる。
【0031】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記復水器と前記空気抽出器の間に空気抽出器入口弁が配置され、この空気抽出器入口弁の開度を制御する手段をさらに有すること、を特徴とする。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1ないし10のいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、空気抽出器から抽出される空気の量を直接的に制御できる。
【0033】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプは複数あって、前記循環水ポンプの一部がトリップした場合に、トリップした循環水ポンプが供給していた前記復水器冷却器の部分の少なくとも一部に、運転を継続している残りの循環水ポンプからの冷却水の少なくとも一部を供給できるように前記冷却水の流路を切り替える手段をさらに有すること、を特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、複数の循環水ポンプのうちの一部がトリップした場合に、流路切換えによって、運転を継続している残りの循環水ポンプを利用し、復水器の真空度を、タービンが運転継続可能な許容範囲内に収め、かつ運転を継続している残りの循環水ポンプの運転継続可能な許容範囲内に収めることができる。
【0035】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプは複数あって、前記循環水ポンプの一部がトリップした場合に、運転を継続している残りの循環水ポンプの回転数を制御する手段を有することを、特徴とする。
【0036】
請求項13に記載の発明によれば、請求項1ないし12のいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、複数の循環水ポンプのうちの一部がトリップした場合に、運転を継続している循環水ポンプの回転数を増大させることによって、循環水ポンプのトリップによる全体冷却水流量の減少分をある程度補うこともでき、また、運転を継続している循環水ポンプの流量が過大になることを防止することもできる。また、適正なプラントの発電機出力に低下させて、プラントの運転を継続することもできる。
【0037】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記電動機の定格動力および周波数制限、並びに前記循環水ポンプの流量制限を超えないように前記循環水ポンプの回転数を制御する手段を有することを、特徴とする。
【0038】
請求項14に記載の発明によれば、請求項1ないし13のいずれかに記載の発明による作用・効果が得られるほか、循環水ポンプの回転数を上昇させてプラントの発電機出力を増加させる運転を行なった場合にも安定にプラントの運転を継続させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図14を参照して本発明の種々の実施の形態について説明する。ここで、従来技術と、または相互に、同一もしくは類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0040】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る復水器システムの第1の実施の形態を示す系統構成図である。この第1の実施の形態は、図15に示した従来例に対し、循環水ポンプ用電動機2の回転数を制御する循環水ポンプ制御装置20が設けられている点が異なる。循環水ポンプ制御装置20には、可変周波数電源装置18と、復水器真空度制御器19と、2個の遮断器4が含まれている。復水器真空度制御器19は、図示の例では、復水器入口冷却水温度検出器12、復水器出口冷却水温度検出器13、復水器真空度検出器14から信号を入力でき、可変周波数電源装置18を制御するようになっている。
【0041】
可変周波数電源装置18は、母線3からの電力を受けて循環水ポンプ用電動機2に供給する電力の周波数を制御でき、それによって電動機2および循環水ポンプ1の回転数を制御できるようになっている。この構成で、復水器真空度制御器19により循環水ポンプ1の回転数を変化させ、復水器真空度を制御して、循環水ポンプ1に供給する電力を低減できる。なお、母線3と可変周波数電源装置18の間、および可変周波数電源装置18と電動機2の間のそれぞれに、遮断器4が接続されている。
【0042】
図1では、可変周波数電源装置18を利用する場合を記載しているが、循環水ポンプ1の回転数を変化させる装置としては、他に、流体継手や可変速電動機や遊星歯車などを利用することも可能である。
【0043】
図2は、本発明の第1の実施の形態の復水器真空度制御器19を示す。ここでは、電源周波数演算器31を設けており、復水器真空度検出器14からの復水器真空度信号23が電源周波数演算器31により演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力し、循環水ポンプ1の回転数を変化させることにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0044】
図3は、図1の実施の形態の作用効果を説明するための循環水ポンプ特性図である。従来は、循環水ポンプ1は一定回転数で運転しているため、図3(a)に示すように、通常運転中は循環水ポンプ流量は変化せず、運転点36は固定されており、軸動力は一定である。循環水ポンプ流量が変化した場合も、循環水ポンプ軸動力は35の曲線状でほぼ変化なく必要となる。ここで、運転点36は循環水系流路抵抗33および循環水ポンプ全揚程34の交点として決まる。
【0045】
これに対し、本実施の形態によると、電源周波数制御信号32を可変周波数電源装置18に出力した場合に循環水ポンプ全揚程は循環水ポンプ回転数の2乗に比例することから、図3(b)に示すように、回転数低減後循環水ポンプ全揚程は34の曲線から37の曲線に低下する。これにより循環水ポンプ運転点も36から回転数低減後運転点39に移動し、循環水ポンプ流量が低下する。また、循環水ポンプ軸動力は循環水ポンプ回転数の3乗に比例することから、回転数低減後循環水ポンプ軸動力は35の曲線から38の曲線に低下し、循環水ポンプ軸動力、すなわち循環水ポンプへの供給電力が低下することになる。
【0046】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、図2に示した第1の実施の形態において、復水器真空度検出器14に代えて、発電機11からの出力を検出する発電機出力検出器15(図1)を設け、復水器真空度信号23に代えてプラントの発電機出力信号にて構成したものである(図示せず)。プラントの発電機出力信号が電源周波数演算器31により演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力し、循環水ポンプ1の回転数を変化させることにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0047】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、図2に示した第1の実施の形態において、復水器真空度検出器14に代えて復水器入口冷却水温度検出器12(図1)を設け、復水器真空度信号23に代えて復水器入口冷却水温度信号にて構成したものである(図示せず)。復水器入口冷却水温度信号が電源周波数演算器31により演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力し、循環水ポンプ1の回転数を変化させることにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0048】
さらに、変形例として、復水器入口冷却水温度検出器12からの復水器入口冷却水温度信号に代えて海水温度検出器からの海水温度信号を用いることも可能である。
【0049】
[第4の実施の形態]
図4は、本発明の第4の実施の形態の復水器真空度制御器19を示す。この第4の実施の形態は、図2に示した第1の実施の形態に対し、復水器真空度検出器14に代えて復水器入口冷却水温度検出器12と、復水器出口冷却水温度検出器13を利用することとし、復水器真空度制御器19に温度偏差演算器24を設けたものである。
【0050】
復水器真空度信号23に代えて、復水器入口冷却水温度信号21と復水器出口冷却水温度検出器13からの復水器出口冷却水温度信号22が入力され、これらの信号の差が温度偏差演算器24にて演算され、復水器冷却水出入口温度差信号25が出力される。復水器冷却水出入口温度差信号25が電源周波数演算器31により演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力し、循環水ポンプ1の回転数を変化させることにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0051】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、図2に示した第1の実施の形態において、復水器真空度検出器14に代えて循環水ポンプ流量検出器を設け、復水器真空度信号23に代えて、循環水ポンプ流量信号を利用するものである(図示せず)。循環水ポンプ流量信号が電源周波数演算器31により演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力し、循環水ポンプ1の回転数を変化させることにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0052】
図5は、本発明の第5の実施の形態の変形例を示す。この図では、循環水ポンプ流量検出器を設けず、これに代えて循環水ポンプ流量は、復水器入口冷却水温度検出器12からの復水器入口冷却水温度信号21および復水器出口冷却水温度検出器13からの復水器出口冷却水温度信号22を温度偏差演算器24により演算した偏差である復水器冷却水出入口温度差信号25および復水器の熱交換量を表す図示しない熱負荷信号より間接的に算出する構成としている。
本構成のように、第1から第5の実施の形態全てについて、演算または変換などを行ない、間接的に制御用の信号を入力することも可能である。
【0053】
なお、本構成にみられる制御用の信号の変換の仕方は実施の形態の一例であり、温度から流量への変換で構成したが、変換前および変換後の信号とも回転数、真空度、発電機出力、熱負荷、温度、温度差、流量、流速、差圧またはその他の制御量に変換して制御させる構成とすることもできる。
【0054】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態では、図1に示した第1の実施の形態において、循環水ポンプの回転数を変化させるために可変周波数電源装置18に与える信号を生成する構成を具体的に記載する。
【0055】
図6は、本発明の第6の実施の形態を示す。復水器真空度制御器19内において、温度偏差演算器24と、第1の循環水ポンプ流量演算器26と、第1の循環水ポンプ流量設定器27と、第1の低値選択器28と、復水器真空度設定器29と、第2の低値選択器30と、電源周波数演算器31とを設けている。
【0056】
第1の循環水ポンプ流量演算器26と第1の循環水ポンプ流量設定器27からの流量信号とを第1の低値選択器28で比較し選択された低値の信号と、復水器入口冷却水温度信号21を復水器真空度設定器29に入力する。
【0057】
この復水器真空度設定器29の中で復水器特性関数により演算された設定値と復水器真空度検出器14からの復水器真空度信号23とを第2の低値選択器30で比較し、選択された低値の信号である復水器真空度制御信号を電源周波数演算器31により、復水器入口冷却水温度信号21の補正も行ない演算された電源周波数制御信号32を循環水ポンプ1の駆動部に出力する。これにより、循環水ポンプ1への供給電力を低減できる。
【0058】
第6の実施の形態は、図15に示した従来の実施の形態に対して、可変周波数電源装置18と、遮断器4とを追加して設けており、可変周波数電源装置18により循環水ポンプ用電動機2に供給する電力の周波数および電圧を変化させることで電動機2および循環水ポンプ1の回転数を変化させ、電源の母線3と循環水ポンプ用電動機2との間に循環水ポンプ用電動機2への供給電力を制御でき、復水器真空度制御器19により復水器真空度を制御しつつ、循環水ポンプ1に供給する電力が低減できる。
【0059】
[第7の実施の形態]
図7は、本発明の第7の実施の形態を示す系統図である。この第7の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、循環水ポンプ1および循環水ポンプ用電動機2を複数組有する循環水系において、循環水ポンプ制御装置20を各々の循環水ポンプ1ごとに設けたものである。なお、図7では、復水器6に設置される復水器冷却器72の図を省略している。
この構成により、全ての循環水ポンプ1について動力を低減することが可能となり、大きな省電力効果を生むことができる。
【0060】
[第8の実施の形態]
図8は、本発明の第8の実施の形態を示す系統図である。この第8の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、循環水ポンプ1および循環水ポンプ用電動機2を複数組有する循環水系において、循環水ポンプ制御装置20を一部の循環水ポンプのみに設けたものである。この場合、循環水ポンプ吐出連絡弁40は全て開した状態で運用し、各ポンプ1間での流量の不均一をなくして各復水器6に送水してもよいし、閉した状態で運用することもできる。
【0061】
本実施の形態によれば、循環水ポンプ制御装置20の追設は一部のみとなるため初期の設備投資費用を低く抑えることが可能となり、本制御装置を導入しやすくすることができる。
【0062】
[第9の実施の形態]
図9は、本発明の第9の実施の形態を示す。この第9の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて循環水ポンプ流量制限器(定格出力)42を設けたものである。
【0063】
本実施の形態によれば、循環水ポンプ流量制限器(定格出力)42によりプラントの定格出力を維持しながら、循環水ポンプ1への供給電力を低減することが可能となる。
【0064】
なお、本構成は復水器真空度制御器19の実施の形態の一例であり、第1の循環水ポンプ流量設定器27で設定される、循環水ポンプ1の回転数を制限する制限値を流量で構成したが、変形例として、回転数、発電機出力、熱負荷、温度、温度差、真空度、流速、差圧またはその他の制御量相当の設定値で電源周波数制御信号を演算させる構成とすることもできる。
【0065】
[第10の実施の形態]
図9は、本発明の第10の実施の形態を示す。この第10の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて循環水ポンプ流量制限器(Δt)41を設けたものである。
【0066】
本実施の形態によれば、復水器冷却水出入口温度差制限値を流量相当に変換した値を出力する循環水ポンプ流量制限器(Δt)41により、復水器冷却水出入口温度差をプラントの制限値内に保持しながら、循環水ポンプ1への供給電力を低減することが可能となる。
【0067】
なお、図9では第9の実施の形態および第10の実施の形態を組み合わせた構成としており、両方の制限値を使用して循環水ポンプ流量制限器(定格出力)42と循環水ポンプ流量制限器(Δt)41の信号を高値選択器43により、厳しい方の制限値を採用して制御する構成とすることができる。上述のように、循環水ポンプ流量制限器(定格出力)42または循環水ポンプ流量制限器(Δt)41の一方のみとする構成も可能である。
【0068】
[第11の実施の形態]
第11の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて復水器冷却水管7(図1)内の平均流速制限による循環水ポンプ流量制限器を設けたものである(図示せず)。
【0069】
本実施の形態によれば、復水器冷却水管内の平均流速制限値を流量相当に変換した値を出力する循環水ポンプ流量制限器により、海棲生物付着防止または配管浸食防止の機能を損なわずに、循環水ポンプ1への供給電力を低減することが可能となる。
【0070】
[第12の実施の形態]
第12の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて、復水器洗浄のためのボールが復水器冷却水管7(図1)を通過するための管内差圧制限による循環水ポンプ流量制限器を設けたものである(図示せず)。
【0071】
本実施の形態によれば、復水器洗浄用ボールが復水器冷却水管を通過するための必要最低限の管内差圧を流量相当に変換した値を出力する循環水ポンプ流量制限器により、復水器の洗浄機能は保持したままで、循環水ポンプ1への供給電力を低減することが可能となる。
【0072】
[第13の実施の形態]
第13の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて復水器真空度制限器を設けたものである(図示せず)。
【0073】
本実施の形態によれば、タービン振動の恐れのある過真空域下限以下で、かつタービントリップの恐れのある注意域上限以上の復水器真空度制限幅を流量相当に変換した制限幅を出力する復水器真空度制限器により、復水器真空度をタービン振動の恐れのある過真空域下限以下で、タービントリップの恐れのある注意域上限以上の安定運転範囲内に維持しつつ、循環水ポンプ1への供給電力を低減することが可能となる。
【0074】
[第14の実施の形態]
図10は、本発明の第14の実施の形態を示す系統図である。この第14の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態において、可変周波数電源装置18をバイパスする可変周波数電源装置バイパスライン44と、本ライン44の上の遮断器4aを追設したものである。
【0075】
また、図11は、本発明の第14の実施の形態の復水器真空度制御器19を示す。ここでは、復水器真空度制御器19は、可変周波数電源装置18の故障を検出する可変周波数電源故障検出手段45と、復水器真空度制御器19の故障を検出する復水器真空度制御器故障検出手段46と、供給電力低減量0以下検出手段47と、論理和回路51とを備えている。
【0076】
可変周波数電源故障検出手段45、復水器真空度制御器故障検出手段46、供給電力低減量0以下検出手段47はそれぞれ、可変周波数電源故障信号48、復水器真空度制御器故障信号49、供給電力低減量0以下信号50を論理和回路51に出力する。供給電力低減量0以下信号50は、循環水ポンプ用電動機2の定格回転数での供給電力と電源周波数制御信号32を入力した場合の可変周波数電源装置18の供給電力の比較を行なった上で、供給電力低減量が0以下であることを検出する信号である。論理和回路51の出力信号として、可変周波数電源ライン切替信号52が出力される。
【0077】
本実施の形態によれば、可変周波数電源故障検出手段45、復水器真空度制御器故障検出手段46または供給電力低減量0以下検出手段47の信号成立により、可変周波数電源装置バイパスライン44に切り替えて、可変周波数電源装置18をバイパスすることができる。これにより、可変周波数電源18や復水器真空度制御器19の故障が発生した場合や、図示はしていないが循環水ポンプ制御装置のメンテナンスを行なう場合などにも、プラントの運転を継続することが可能となり、プラントの稼働率の低下を防止できる。また、循環水ポンプ制御装置20を追設したことによりかえって循環水ポンプ1への供給電力が増加してしまうような事態を回避することが可能となる。
【0078】
[第15の実施の形態]
図12は、本発明の第15の実施の形態を示す。この第15の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、復水器真空度上限設定器53と、真空度偏差演算器54と、真空度/蒸気量制御量変換器55とを追設したものである。
【0079】
本実施の形態によれば、第2の低値選択器30から出力される復水器真空度制御信号と復水器真空度上限設定器53からの信号から真空度偏差演算器54により演算された偏差信号を、真空度/蒸気量制御量変換器55により信号変換し、復水器6の空気抽出器16(図1)の駆動蒸気を制御する空気抽出器駆動蒸気量制御信号56を空気抽出器駆動蒸気制御器(図示せず)に出力する。これにより、タービンに悪影響を与える過真空状態となった場合にも、真空度を安定運転範囲内に収めることが可能となる。
【0080】
[第16の実施の形態]
第16の実施の形態は、図12に示した第15の実施の形態において、真空度/蒸気量制御量変換器55を真空度/弁開度蒸気量制御量変換器に置き換えたものである(図示せず)。
【0081】
本実施の形態によれば、復水器の空気抽出器空気入口弁17(図1)の開度を制御する空気抽出器空気入口弁制御信号を空気抽出器空気入口弁17に出力し、復水器6の空気抽出量を制御することにより、タービンに悪影響を与える過真空状態となった場合にも、真空度を安定運転範囲内に収めることができる。
【0082】
[第17の実施の形態]
図13は、本発明の第17の実施の形態を示す。この第17の実施の形態は、図2に示した第1の実施の形態において、復水器入口冷却水温度検出器12と、循環水ポンプトリップ対象検出手段58と、循環水ポンプ吐出連絡弁開閉検出手段59と、第2の循環水ポンプ流量演算器60と、第2の循環水ポンプ流量設定器61と、流量偏差演算器62と、流量/弁開度制御量変換器63と、循環水ポンプ運転状態切替器65とを追設したものである。
【0083】
本実施の形態によれば、復水器入口冷却水温度検出器12からの復水器入口冷却水温度信号21と復水器真空度検出器14からの復水器真空度信号23を入力して現状の循環水ポンプ流量を演算する第2の循環水ポンプ流量演算器60に対し、循環水ポンプトリップ対象検出手段58からの循環水ポンプトリップ状態信号と、循環水ポンプ吐出連絡弁開閉検出手段59からの循環水ポンプ吐出連絡弁開閉状態信号を循環水ポンプ運転状態切替器65に入力して得られた循環水ポンプ運転状態切替信号を入力し、循環水ポンプトリップ状態に基づいた循環水ポンプ流量の補正をかける。
【0084】
これにより、正確な運転状態を把握できるとともに、本流量信号と第2の循環水ポンプ流量設定器61とを流量偏差演算器62に入力して得られた偏差を流量/弁開度制御量変換器63で弁開度制御量に変換し、復水器水室出口弁制御信号64として復水器水室出口弁57(図1)の開度を制御することができる。また、複数の循環水ポンプ1のうちの一部がトリップした場合に、運転を継続している残りの復水器水室出口弁57の開度を制御することで、真空度をタービンが運転継続可能な許容範囲内に収め、かつ運転を継続している残りの循環水ポンプ1の運転継続可能な許容範囲内に収めることが可能となる。
【0085】
[第18の実施の形態]
図14は、本発明の第18の実施の形態を示す。この第18の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、循環水ポンプトリップ対象検出手段58と、循環水ポンプ吐出連絡弁開閉検出手段59と、循環水ポンプ運転状態切替器65とを追設したものである。
【0086】
本実施の形態によれば、循環水ポンプトリップ対象検出手段58からの循環水ポンプトリップ状態信号と、循環水ポンプ吐出連絡弁開閉検出手段59からの循環水ポンプ吐出連絡弁開閉状態信号を循環水ポンプ運転状態切替器65に入力する。循環水ポンプ運転状態切替器65で得られた循環水ポンプ運転状態切替信号をそれぞれ第1の循環水ポンプ流量演算器26、第1の循環水ポンプ流量設定器27、復水器真空度設定器29、電源周波数演算器31に入力する。
【0087】
第1の循環水ポンプ流量演算器26、復水器真空度設定器29、電源周波数演算器31では流量状態の補正をかけ、第1の循環水ポンプ流量設定器27では、循環水ポンプ1の運転状態に応じたプラントの発電機出力相当の流量設定値に変更を行なうことができる。
【0088】
例えば、複数の循環水ポンプ1のうちの一部がトリップした場合に、運転を継続している循環水ポンプ1の流量を増やして、一部の循環水ポンプ1がトリップしたことによる全体の冷却水流量をある程度補うことができる。また、運転を継続している循環水ポンプ1の流量が過大になるのを防ぐように制御することも可能である。このようにして、プラントの運転を継続することができる。
【0089】
[第19の実施の形態]
第19の実施の形態は、図6に示した第6の実施の形態において、第1の循環水ポンプ流量設定器27に代えて循環水ポンプ用電動機2の定格動力、周波数制限および循環水ポンプ1の流量制限を満足する流量制限値を設定する流量設定器を設け、また第1の低値選択器28に代えて高値選択器を設けたものである(図示せず)。
【0090】
本実施の形態によれば、循環水ポンプの回転数を上昇させてプラントの発電機出力を増加させる運転を行なった場合にも安定にプラントの運転を継続させることができる。
なお、以上第1から第19の実施の形態の各特徴を種々に組み合わせた構成とすることもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の復水器システムにおいては、循環水ポンプの回転数を低下させることにより、プラントの所内動力を低減することが可能となる。また、循環水ポンプの回転数を上昇させることにより、プラントの出力を上昇させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る復水器システムの第1の実施の形態を示す系統図。
【図2】図1の復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図3】図1の復水器システムの作用効果を説明するための循環水ポンプ特性図であって、(a)は従来の技術の場合を示し、(b)は図1の復水器システムの場合と従来の技術の場合とを比較して示す。
【図4】本発明に係る復水器システムの第4の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図5】本発明に係る復水器システムの第5の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図6】本発明に係る復水器システムの第6の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図7】本発明に係る復水器システムの第7の実施の形態を示す概略系統図。
【図8】本発明に係る復水器システムの第8の実施の形態を示す概略系統図。
【図9】本発明に係る復水器システムの第9および第10の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図10】本発明に係る復水器システムの第14の実施の形態を示す系統図。
【図11】図10の復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図12】本発明に係る復水器システムの第15の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図13】本発明に係る復水器システムの第17の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図14】本発明に係る復水器システムの第18の実施の形態における復水器真空度制御器の一例を示すブロック構成図。
【図15】従来の復水器システムの系統図。
【符号の説明】
1…循環水ポンプ、2…循環水ポンプ用電動機、3…母線、4…遮断器、4a…遮断器、5…循環水ポンプ配管、6…復水器、7…復水器冷却水管、8…取水口、9…放水口、10…タービン、11…発電機、12…復水器入口冷却水温度検出器、13…復水器出口冷却水温度検出器、14…復水器真空度検出器、15…発電機電力検出器、16…空気抽出器、17…空気抽出器空気入口弁、18…可変周波数電源装置、19…復水器真空度制御器、20…循環水ポンプ制御装置、21…復水器入口冷却水温度信号、22…復水器出口冷却水温度信号、23…復水器真空度信号、24…温度偏差演算器、25…復水器冷却水出入口温度差信号、26…第1の循環水ポンプ流量演算器、27…第1の循環水ポンプ流量設定器、28…第1の低値選択器、29…復水器真空度設定器、30…第2の低値選択器、31…電源周波数演算器、32…電源周波数制御信号、33…循環水系流路抵抗、34…循環水ポンプ全揚程、35…循環水ポンプ軸動力、36…運転点、37…回転数低減後循環水ポンプ全揚程、38…回転数低減後循環水ポンプ軸動力、39…回転数低減後運転点、40…循環水ポンプ吐出連絡弁、41…循環水ポンプ流量制限器(Δt)、42…循環水ポンプ流量制限器(定格出力)、43…高値選択器、44…可変周波数電源装置バイパスライン、45…可変周波数電源故障検出手段、46…復水器真空度制御器故障検出手段、47…供給電力低減量0以下検出手段、48…可変周波数電源故障信号、49…復水器真空度制御器故障信号、50…供給電力低減量0以下信号、51…論理和回路、52…可変周波数電源ライン切替信号、53…復水器真空度上限設定器、54…真空度偏差演算器、55…真空度/蒸気量制御量変換器、56…空気抽出器駆動蒸気量制御信号、57…復水器水室出口弁、58…循環水ポンプトリップ対象検出手段、59…循環水ポンプ吐出連絡弁開閉検出手段、60…第2の循環水ポンプ流量演算器、61…第2の循環水ポンプ流量設定器、62…流量偏差演算器、63…流量/弁開度制御量変換器、64…復水器水室出口弁制御信号、65…循環水ポンプ運転状態切替器、66…循環水ポンプ流量信号、70…循環水ポンプ出口弁、71…復水器入口弁、72…復水器冷却器、74…復水器水室。

Claims (14)

  1. 蒸気タービン発電プラントの蒸気タービン排気を冷却して復水にするための復水器と、
    前記復水器内の非凝縮性ガスを排出する空気抽出器と、
    冷却水を導入して前記復水器を冷却する復水器冷却器と、
    前記復水器冷却器に前記冷却水を送るための循環水ポンプと、
    前記循環水ポンプを駆動する電動機と、
    前記復水器冷却器の冷却能力を調整するべく前記循環水ポンプの回転数を制御する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記プラントの発電電力が通常運転中にそのプラントの定格出力を下回らないように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  2. 請求項1に記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、実測データに基いて、前記復水器の真空度、前記発電プラントの発電出力、前記復水器冷却器に導入される前の前記冷却水の温度、前記復水器冷却器に導入される前と復水器冷却器を出た後の前記冷却水の温度差、前記復水器冷却器に導入される前記冷却水の流量、前記復水器冷却器内の前記冷却水の流速、前記復水器冷却器内の差圧、のうちの少なくとも一つが所定の範囲にはいることを目標として制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  3. 請求項1または2に記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記電動機に供給する電力の周波数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプおよび電動機は複数組あって、前記制御手段は、前記複数組のうちの一部の組のみの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却水入口と復水器冷却水出口での冷却水の温度差が所定の制限値を超えないように前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却器内の前記冷却水の平均流速が、海棲生物付着防止または配管浸食防止のための制限幅を逸脱しないように前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器冷却器内の冷却水管内差圧が、冷却水管洗浄のためのボールが当該冷却水管を通過するための必要最低限以上の差圧を維持するように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記制御手段は、前記復水器内の真空度が、タービン振動の恐れのある過真空域下限以下で、かつ、タービントリップの恐れのある注意域上限以上の安定運転範囲内に維持されるように、前記循環水ポンプの回転数を制御するものであること、を特徴とする復水器システム。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、選択的に、前記循環水ポンプの回転数を制御することなしに前記循環水ポンプを駆動するための直接駆動手段をさらに有すること、を特徴とする復水器システム。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記空気抽出器は蒸気で駆動されるものであって、前記空気抽出器に供給する蒸気流量を制御する手段とをさらに有すること、を特徴とする復水器システム。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記復水器と前記空気抽出器の間に空気抽出器入口弁が配置され、この空気抽出器入口弁の開度を制御する手段をさらに有すること、を特徴とする復水器システム。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプは複数あって、前記循環水ポンプの一部がトリップした場合に、トリップした循環水ポンプが供給していた前記復水器冷却器の部分の少なくとも一部に、運転を継続している残りの循環水ポンプからの冷却水の少なくとも一部を供給できるように前記冷却水の流路を切り替える手段をさらに有すること、を特徴とする復水器システム。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記循環水ポンプは複数あって、前記循環水ポンプの一部がトリップした場合に、運転を継続している残りの循環水ポンプの回転数を制御する手段を有することを、特徴とする復水器システム。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の復水器システムにおいて、前記電動機の定格動力および周波数制限、並びに前記循環水ポンプの流量制限を超えないように前記循環水ポンプの回転数を制御する手段を有することを、特徴とする復水器システム。
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