JP4074076B2 - カーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ｂｃｆ異型断面糸 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）（Ｐｏｌｙ（ｔｒｉｍｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ）以下”ＰＴＴ”という）ＢＣＦ異型断面糸に関するものであり、より詳細には異型度、各面の長さ及びアーム角を調節した変形されたＹ字形ノズルを使用して紡糸され、物性が均一でバルキング性及び紡糸作業性が優秀なカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）（Ｐｏｌｙ（ｍｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ））ＢＣＦ異型断面糸に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般的にカーペット製造に使われるＢＣＦ（バルク連続フィラメント；Ｂｕｌｋｅｄ Ｃｏｎｔｉｎｕｏｕｓ Ｆｉｌａｍｅｎｔ）の合成繊維素材としてはナイロン、ポリプロピレン、ポリ（エチレンテレフタレート）などが使われてきているし、カーペットの光沢、高い被服度、触感、防汚性などの特徴を発現させるために多様な形態の断面を有するカーペット用フィラメントが開発されてきた。しかし、その間発明されたカーペット用異型断面糸は大部分ポリアミド糸に適合したものであって、強度が顕著に低いポリ（トリメチレンテレフタレート）素材には適合しない異型度を有している。
【０００３】
一例で、韓国特許第２５２８３号はポリアミド糸に対してＹ字形異型断面糸の製造方法を提案しているが、このような方法は紡糸口金内の口金孔等の大きさを別にすることによって冷却時に平らな断面積が出てくるようにすることができると説明されているが、実際の工程で冷却される位置で糸の移動速度やエアー量と冷却温度を勘案する時、フィラメント断面積変動にほとんど影響を与えられなくて、むしろ不均一した断面積形成でケーブリングと同じ後工程でピン糸をたくさん発生させてタフティング時にカッティング性も落として後工程の諸般作業性を低下させる問題点を誘発する。
【０００４】
一方、韓国特許第２７２２８号は異型度とアーム角を皆考慮したカーペット用三角断面合成フィラメントを提案しているが、前記特許による合成フィラメントは異型度対比アーム角が過度に大きく設定されて糸の断面が三角断面に近くなる。したがって、異型度が大きい場合発現できる高バルキング性が充分に発現できない限界がある。また、前記特許で規定されたものと同じ断面形態を有するポリアミドＹ型異型断面糸は異型度が大きい範囲で優秀なバルキング性を示すが、強度が低いポリ（トリメチレンテレフタレート）の場合は紡糸ガイドに接触される部分で摩擦に耐える力が弱くて紡糸性が急激に落ちるために、前記特許技術はポリ（トリメチレンテレフタレート）に対しては適用できない。
【０００５】
家庭用または事務用カーペットは食物等による汚染を抑制できる防汚性が強調されるのに、ポリ（トリメチレンテレフタレート）フィラメントで製造されたカーペットは弾性（ｒｅｓｉｌｉｅｎｃｙ）、防汚性、及び分散染料に対する染色性が優秀で、ポリ（エチレンテレフタレート）またはポリ（ブチレンテレフタレート）カーペットに比べて優秀な弾性回復率及びパイル高さ保存性（ｐｉｌｅ ｈｅｉｇｈｔ ｒｅｔｅｎｔｉｏｎ）を有しているためにカーペットの新しい素材として注目されている。
【０００６】
米国特許５，６６２，９８０号はポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸により製造されたカーペットを提案しているが、前記特許でカーペット製造に利用されるポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は防汚性が他素材に比べて飛び抜けて優秀な曲がり性とパイル高さ保存性を有する。しかし前記特許は異型度が１．７で低いノズルを使用することによって糸のバルキング性が落ちて最終カーペット製品の弾性回復率を低下させ、これはカットパイル（ｃｕｔ ｐｉｌｅ）の構造を有するカーペット製品の染色性を低下させるだけでなく見かけの比重も落ちてカーペットの外観が不良になる問題点を有する。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は詳述したように従来技術の問題点を克服するために案出されたものであり、本発明の目的は異型度及びアーム角を調節した変形されたＹ字形ノズルを使用して製造されて物性が均一で、バルキング性及び紡糸作業性が優秀なカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸及びそれの製造方法を提供することである。
【０００８】
本発明の他の目的は後工程でのタフティング作業性が優秀で、秀麗な外観と触感、及び光沢を有するカーペットで製造できるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸及びそれの製造方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
すなわち、詳述した目的を達成するための本発明の一つの様態はＹ字形断面を有するカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸であり、異型度及びアーム角が図３に図示されたグラフの平行四辺形ＡＢＣＤの範囲内であることを特徴とするカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を提供することである。
【００１０】
詳述した目的を達成するための本発明の他の様態はカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造するにおいて、Ｙ型断面に異型度及びアーム角が図３に図示されたグラフの平行四辺形ＡＢＣＤの範囲内に設計されたノズルを使用して紡糸することを特徴とするカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸の製造方法である。
【００１１】
本発明のまた他の様態はカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造するにおいて、低いもしくは高い異型度で問題になったＹ型断面糸を各面長さ比を調節して設計されたノズルを使用することによって既存に発生される問題点を解決して、さらに高いバルキング性を発現できるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸の製造方法である。
【００１２】
以上のような本発明の目的と別の特徴及び長所などは次ぎに参照する本発明の好適な実施例に対する以下の説明から明確になるであろう。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下で本発明を添付図面を参考してより詳細に説明する。
本発明を詳細に説明するために、まず、本願で使われる用語を定義すると次のようである。
【００１４】
図１を参照すれば、本発明で”異型度”とは、Ｙ字形断面の糸の１フィラメントの内接円の直径（ｒ）に対する外接円の直径（Ｒ）の比率（異型度＝Ｒ／ｒ）を意味する。
【００１５】
図１を参照すれば、本発明で”アーム角”とは、Ｙ字形断面の糸の１フィラメントの一つのアームの両側面の延長線により形成される鋭角を意味する。
【００１６】
図２を参照すれば、本発明で”各面長さの比”とは、口金孔の中心軸から各アームの長さ比で同じ二面の長さ（ｂ）に対する他の一面の長さ（ａ）の比（ｂ：ａ）を意味する。
【００１７】
本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はＹ字形断面を有して、異型度及びアーム角が図３に図示されたグラフ上の平行四辺形ＡＢＣＤの内部に属することを特徴とする。
【００１８】
本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸の異型度が１．５未満ならば紡糸作業性には大きい問題がないが、異型断面による充分なバルキング性を持てなくて、３．５を超過する場合には糸の強伸度が急激に落ちて糸切りが頻繁に発生し正常な紡糸作業が難しくなる。
【００１９】
一方、本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はアーム角が５〜４０゜の範囲内であることが必要で、前記アーム角が５゜未満であるか４０゜を超過する場合には異型度及び各面長さの比にもかかわらずバルキング性及び作業性向上効果が充分でなくなる。
【００２０】
従来の異型断面糸の場合異型度が１．８以下であるか２．５以上の場合、作業性及び品質面で問題されたが、本発明はこのような従来技術の問題点をフィラメントの各断面の長さの比を調節することによって克服した。すなわち、本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は口金孔の中心軸から同じ二断面の長さ（ｂ）に対する他の一断面の長さ（ａ）の比（ｂ：ａ）が１：０．６〜１．８の範囲内で調節されてバルキング性と作業性が優秀な利点を有する。本発明で一断面の長さと同じ他の２面の長さ比が１：０．６未満であるか１：１．８を超過すればフィラメント断面差がひどく現れて正常な紡糸作業が難しくなるために糸切りが頻繁に発生される。
【００２１】
次に、図４を参照して本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸の製造方法に関して説明する。本発明の方法でポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸はＹ型断面に異型度及びアーム角が図３のグラフの平行四辺形ＡＢＣＤの内部に属するように設計されたノズルを使用する。具体的に、異型度が１．５〜３．５で、アーム角は５゜ないし４０゜の範囲内にならなければならなく、４０ホール以上のノズルを使用しなければならない。
【００２２】
原料としては固有粘度０．８〜１．２、水分が５０ｐｐｍ以下のポリ（トリメチレンテレフタレート）を使用してこれを１５００〜４０００ｍ／ｍｉｎの紡糸速度で溶融紡糸することが望ましい。本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸の特有な断面形態は紡糸ノズルの形態だけでなく、使われた重合体の相対粘度、冷却条件などのような多様な要因により左右される。本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は通常の装置により製造することができる。
【００２３】
具体的に、本発明の一つの実施例によるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸の製造時にはまず、固有粘度が０．８〜１．２、水分が５０ｐｐｍ以下のＰＴＴポリマーを２４５〜２６５℃で溶融紡糸して紡糸口金１を通過させる。この時、ノズルはＹ型断面であり、４０ホール以上、異型度及びアーム角が図３に図示された平行四辺形ＡＢＣＤの内部に属するように設計されたものを使用する。
【００２４】
次いで、紡糸されたフィラメント２を冷却区域３で冷却させて、フィニッシアプリケート４でオイリングする。この段階以後の紡糸時に途絶えた糸を吸い込む糸吸入ノズル５を通過させて、６５０〜８５０ｍ／ｍｉｎ速度の供給ローラ６と１５００〜４０００ｍ／ｍｉｎ速度の延伸ローラ７の間で延伸する。延伸ローラ７を通過したフィラメントはテクスチャリングノズルがあるバルキングユニット（Ｂｕｌｋｉｎｇ ｕｎｉｔ）８を通過させてクリンプを付与する。この時、クリンプ率は１０〜６０％となる。
【００２５】
テクスチャリングノズルを通過したフィラメントを冷却ドラム９を通過させて冷却して第４ゴデットローラ１０を経て交絡器１１を通過させて１０〜４５回／ｍで結び目を付与する。この時、交絡を１０回／ｍ未満で付与する場合一般原糸では集束力が落ちて糸くずやピン糸がたくさん発生するためにタフティング段階では糸のカッティング性が落ち、これによってシヤリング段階を経た最終カーペットのパイル端解けで外観が良くなくなって、耐久性も落ちる。一方、４０回／ｍを超過して多くの交絡を与える時は染色、後加工をたどっても交絡が解けない状態がそのまま維持されてカーペットの外観を損傷させる。交絡後に第５ゴデットローラ１２と糸ガイド（Ｙａｒｎ ｇｕｉｄｅ）１３を経て最終捲取器１４に巻き取る。
【００２６】
本発明によるポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はカーペット用途によって原着糸で製造することができる。一般的に原着糸は防汚性及び耐摩耗性などが優秀で事務室用途のカーペットに適合して、後染を行なったカーペットは家庭用、ホテルなどの高級な用途に適している。本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を原着糸で製造する方法は上で説明した工程と同一であるが、ただし、原料供給時にベースチップ投入量対比カラーマスターバッチ（ｃｏｌｏｒ ｍａｓｔｅｒ ｂａｔｃｈ）を２〜５％投入してブレンディング紡糸することによって原着糸を製造することができる。このような本発明の原着糸により製造されるカーペットは洗濯堅牢度、日光堅牢度、摩擦堅牢度面で一般カーペットより優秀で後染をしたカーペットでたびたび発生されるストレイクなどが発生しなくて不良率が低い。
【００２７】
本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はケーブリング（Ｃａｂｌｉｎｇ）、熱固定などの過程をたどりタフティングしてカーペットで製造することができる。
【００２８】
本発明により製造されたポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はバルキング性が優秀で紡糸作業性が飛び抜けて、カット−パイル、ループ−パイル、及び組合せ型カーペット、マット、絨毯などの製造に有用に利用することができる。
【００２９】
以下で実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、このような実施例は単に本発明を説明するためのものであり）、本発明を制限するものとして解釈されてはならない。
【００３０】
<BCFの物性評価方法>
（１）強度
KS K０４１２(フィラメント糸の強度及び伸度試験方法)規格により実験したし、測定前実験条件は試料長は２０cm、引張速度は２００m/mm、初荷重は２０g、、絡まりは８回/１０cmで実験した。
（２）クリンプ率
周りが１mのリール(reel)に次の基準で糸を巻いてスカイン(skein)を作った。
初期スカインの長さ(LO)を測定した次ぎに１３０℃の乾燥オブンで５分間糸を入れておいてから、オブンで糸を取り出して１分程度コンディショニングさせる。この後、５０gの錘をぶら下げて３０秒後にスカイン長さ(Ll)を測定して下の式によりクリンプ率(%)を算定した。
(３)紡糸作業性：糸切り率で総３トン生産時の生産量に対する糸切り回数で評価した。
(４)タフティング作業性：パイルのカッティング性を表してタフティング作業性
【００３１】
＜カーペット物性評価方法＞
（１）圧縮率／圧縮弾性率：ＫＳ Ｋ ０８１８規格中Ａ法により試験した。
（２）ペンシルポイント（Ｐｅｎｃｉｌ Ｐｏｉｎｔ）：パイルの端解け程度を肉眼で観察して次の通りに３等級で評価した（Ａ：良好、Ｂ：普通、Ｃ：不良）。
（３）日光堅牢度：６３℃で４０時間の間処理してＫＳ Ｋ０７００規格により試験し、ＩＳＯブルースケールで判定した。
（４）洗濯堅牢度：４０℃で処理してＫＳ Ｋ ０４３０規格中Ａ−１法により試験した。
（５）摩擦堅牢度：ＫＳ Ｋ ０６５０規格により評価した。
（６）ストレイク性：カーペットのストレイク（ｓｔｒｅａｋ）程度を肉眼で観察して次の通りに３等級で評価した（Ａ：良好、Ｂ：普通、Ｃ：不良）
【００３２】
実施例１
紡糸ケパー（ｃａｐａ．）が日産３トンのｂａｒｍａｇ紡糸器を利用して固有粘度が０．９２、水分率４０ｐｐｍのＰＴＴポリマーをＹ断面、６８ホール、異型度２．０でアーム角が３３゜で設計されたノズルを使用して２５０℃で１３００デニール、６８フィラメントで溶融紡糸した。次いで冷却区域で０．５ｍ／ｍｉｎの速度で１６℃で冷却させて供給ローラと延伸ローラの温度は各々６０℃、１６０℃としてローラ速度は各々７００ｍ／ｍｉｎ、２３００ｍ／ｍｉｎとして延伸した。バルキングユニット（Ｂｕｌｋｉｎｇ ｕｎｉｔ）の内部温度は２００℃としてクリンプを与えて、以後冷却ドラム（ｃｏｏｌｉｎｇ ｄｒｕｍ）で１６℃で冷却した。集束装置では４．Ｏｋｇ／ｍ２の圧力で２０回／ｍ絡まりを付与した。最後の捲き取り時に巻取器の速度は１９５０ｍ／ｍｉｎとして本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造した。
【００３３】
製造されたＢＣＦ糸をケーブルツイスター（Ｃａｂｌｅ ｔｗｉｓｔｅｒ）で１９４／ｍ、Ｚ絡まりで２合した後スーパーバーユニット（Ｓｕｐｅｒｂａ ｕｎｉｔ）で熱固定した。熱固定された糸を１／１０ゲージのタフティング機器でポリプロピレン基布上に植毛した。この時、パイルはカットパイルとして高さは１２ｍｍ、ステッチ（ｓｔｉｃｈｉ）は１３／インチとしたし原糸重量は４ｋｇ／坪になるようにした。
【００３４】
以上のようにして製造されたＢＣＦ異型断面糸の紡糸作業性、クリンプ率、タフティング（ｔｕｆｔｉｎｇ）作業性及び強度を評価してその結果を下記表１に表した。
【００３５】
実施例２〜３及び比較例１〜２
実施例２〜３及び比較例１〜２は異型度及びアーム角が下記表１のように設計されたノズルを使用することを除いては実施例１と同一に実施してポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造して、製造された糸の紡糸作業性とクリンプ率、タフティング（ｔｕｆｔｉｎｇ）作業性を評価してその結果を下記表１に共に表した。
【表１】
【００３６】
前記表１の内容を通じて確認されるように、実施例１、２及び３により製造された本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はバルキング性、紡糸作業性とタフティング作業性皆優秀であったし、そのうち異型度が２．０で最も優秀な結果を表した。これと対照的に、比較例１では強度は実施例と類似であったが、バルキング性及びタフティング作業性が低かったし、比較例２では異型度が４．０であるとき作業途中ずっと糸切りが発生して正常な紡糸作業が不可能であった。また、前記表１の結果を通じて本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は異型度が１．５で低いか３．５である場合にも強度面で問題が無いことを確認することができる。
【００３７】
実施例４〜５
実施例４は異型度が１．５で口金孔の中心軸からの各面間の長さ比で同一の二面の短軸長さ（ｂ）：長軸長さ（ａ）＝１：１．４で設計されたノズルを使用して、実施例５は異型度３．５で糸ガイド（ｙａｒｎ ｇｕｉｄｅ）との摩擦を減らすことができるように各面の長さの比が１：０．８で設計されたノズルを使用したことを除いては実施例１と同一に実施してポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造して、製造された糸の紡糸作業性とクリンプ率、タフティング（ｔｕｆｔｉｎｇ）作業性及び強度を評価してその結果を下記表２に共に表した。
【００３８】
比較例３〜４
比較例３及び比較例４の異型度は実施例４及び５と同一であるが、各面の長さの比が１：１で設計されたノズルを使用することを除いては実施例１と同一に実施してポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸及び物性評価用カーペット試片を製造し、製造された糸の紡糸作業性とクリンプ率、タフティング（ｔｕｆｔｉｎｇ）作業性及び強度を評価してその結果を下記表２に共に表した。
【表２】
【００３９】
実施例４では既存に異型度が少ない場合に問題になった低いバルキング性が改善されて、実施例５では正常な紡糸作業が可能でバルキング性が高いながらも作業性が優秀なポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造することができた。これと対照的に比較例３の場合は紡糸作業中に糸切りが多数発生したし、タフティング作業性は普通であり、比較例４の場合には紡糸作業中ずっと糸切りが発生して正常な紡糸作業が不可能であった。また、前記表２の結果を通じて本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は異型度が１．５で低いか３．５である場合にも強度面で問題が無いことを確認することができる。
【００４０】
実施例６〜７及び比較例５〜６
本実施例では最も優秀な結果を表した異型度２．０であるノズルを使用したし、分離された交絡装置で交絡回数を下記表３のように別にして実験した。その他の条件は前記実施例１と同一にしてポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造して同一にタフティングした。
【００４１】
タフトされたカーペットは分散染料ＤＩＡＮＩＸコンビを使用して常圧下でキャリアなしでベック（ｂｅｃｋ）染色するものの、ＯＷＦ（織物対比投入される染料の量）は０．０１％、液比は２０：１として、分散剤は０．５ｇ／ｌを添加し染色して染色温度は９８℃として染色した。染色されたタフトカーペットをベースラテックス３５％、ＣａＣｏ３６０％、その他分散剤、増粘剤を添加してラテックスコーティング後２次基布地である黄麻布に接着した。以後最後の工程であるシヤリング段階でスパイラルナイフ（ｓｐｉｒａｌ ｋｎｉｆｅ）でシヤリングした。以上のようにして製造されたカーペットのタフティング作業性及びペンシルポイント（ｐｅｎｃｉｌ ｐｏｉｎｔ）を評価して、その結果を下記表３に表した。
【表３】
【００４２】
実施例６及び７は交絡数を各々２０及び２５回／ｍで調整し作業したものであり、タフティング作業性及びペンシルポイント（Ｐｅｎｃｉｌ ｐｏｉｎｔ）が皆優秀であった。一方、比較例５は交絡数１０回／ｍとしたものであり、タフティング作業時に正常なカッティングがなされなくて、シヤリング段階まで進行させられなかったし、比較例６はバルキングユニット（ｂｕｌｋｉｎｇ ｕｎｉｔ）内でバルク化と同時に２０回／ｍで交絡を与えたものであり、パイル（Ｐｉｌｅ）の端解けが過度に発生して外観が不良であった。
【００４３】
実施例８及び比較例７
原着糸を製造するために、原料供給時ＰＴＴベースチップ投入量対比カラーマスターバッチ（ｃｏｌｏｒ ｍａｓｔｅｒ ｂａｔｃｈ）を３％投入したものの他には実施例１と同一に実施してポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸を製造してタフティングして物性評価用カーペット試片を製造した。ただ、原着糸であるために別途染色工程をたどることはなかった。比較例７は対照用で実施例１で生産された原糸で実施例４の染色、ベッキング、シヤリング工程をたどりカーペットを製造した。実施例８により製造された原着ＢＣＦカーペットを比較例７の一般カーペットと物性を比較評価してその結果を下記表４に表した。
【表４】
【００４４】
実施例８により製造された本発明の原着ＢＣＦカーペットの場合洗濯堅牢度、日光堅牢度及び摩擦堅牢度で後染カーペットより優秀で、ストレイク（Ｓｔｒｅａｋ）性は比較例７と同じＡ級であるが、多少より優勢であることを確認することができる。一方、染色をたどらなくて染色工程で発現される潜在バルクの成長がない関係で圧縮率や圧縮弾性率面では多少不利なことを見られる。
【００４５】
【発明の効果】
本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸は物性が均一とバルキング成及び紡糸作業性が優秀で、本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸により製造されたカーペットはナイロンの長所の優秀な弾性回復率、秀麗な外観、タッチ感、耐摩耗性とポリエステルの長所の防汚性、静電気防止性を皆揃えるだけだけなく、後工程作業性が優秀な利点を有する。したがって、本発明のポリ（トリメチレンテレフタレート）ＢＣＦ異型断面糸はカーペットの品質及び経済性を向上させる顕著な効果を提供する。
【００４６】
以上では本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸の異型度とアーム角範囲を説明するための説明図である。
【図２】本発明によるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸の各面長さの比を説明するための説明図である。
【図３】本発明によるカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸の異型度及びアーム角範囲を表した図面である。
【図４】本発明のカーペット用ポリ（トリメチレンテレフタレート）異型断面糸の製造方法の工程概略図である。
【符号の説明】
１ 紡糸口金
２ フィラメント
３ 冷却区域
４ フィニッシアプリケート
５ 糸吸入ノズル
６ 第１ゴデットローラ（供給ローラ）
７ 延伸ローラ
８ テクスチャリングノズル
９ 冷却ドラム
１０ 第４ゴデットローラ
１１ 交絡器
１２ 第５ゴデットローラ
１３ ガイドローラ
１４ 捲取器

Claims (4)

1. カーペット用ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCF異型断面糸を製造するにおいて、Y型断面に異型度及びアーム角が図３に図示されたグラフの平行四辺形ABCDの範囲内であって、該異型度が１．５〜３．５で、該アーム角は２５゜ないし３５゜の範囲内に設計されたノズルを使用し、異型断面糸の各面長さの比が１：０．６〜１．８とされるように設計されたノズルを使用する過程を含み、テクスチャーノズルを通過したフィラメントを、バルク化とは異なる時に交絡器を通過させて１０〜４５回/mで結び目を付与する過程を含むことを特徴とするカーペット用ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCF異型断面糸の製造方法。
2. 前記方法が固有粘度０．８〜１．２、水分が５０ppm以下のポリ(トリメチレンテレフタレート)を使用してこれを１５００〜４０００m/minの紡糸速度で溶融紡糸する過程を含むことを特徴とする請求項１に記載のカーペット用ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCF異型断面糸の製造方法。
3. 前記方法が延伸した後テクスチャーノズルを通過させて１０〜６０%のクリンプ率を付与する過程をさらに含むことを特徴とする請求項２に記載のカーペット用ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCF異型断面糸の製造方法。
4. 前記方法が原料供給時ベースチップ投入量対比カラーマスターバッチ(color masterbatch)を２〜５%投入してブレンディング紡糸する過程をさらに含むことを特徴とする請求項３に記載のカーペット用ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCF異型断面糸の製造方法。