JP4073816B2 - プラズマプロセス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、プラズマプロセス装置に関し、より特定的には、半導体や液晶表示素子などの製造において、高周波によって励起するプラズマを利用したエッチング処理装置または成膜処理装置などのプラズマプロセス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波を用いたプラズマ処理技術によれば、高いプラズマ密度を得ることができ、イオンエネルギーを制御し易いことが知られている。このため、プラズマ処理技術は、半導体やTFT(thin film transistor)液晶基板の製造プロセスにおいて広く用いられている。また近年、半導体やTFT液晶基板の需要の拡大および処理基板の大型化などに伴い、プラズマ処理における生産効率の向上や大型基板をプラズマ処理する技術の向上が一層必要となっている。
【0003】
図11は、マイクロ波プラズマ源を用いた従来のプラズマプロセス装置を示す断面図である。図11を参照して、プラズマプロセス装置200は、プラズマ処理を行なうための処理空間206を規定するプロセスチャンバ本体201aおよびチャンバ蓋201bと、チャンバ蓋201bに取り付けられた誘電体窓204と、誘電体窓204上に設けられたスロット板211と、スロット板211上に設けられた導波管203と、導波管203上の中央部に接続された導波管212とを備える。
【0004】
プロセスチャンバ本体201aには、処理空間206を真空封止するためのOリング209を介してチャンバ蓋201bが設けられている。処理空間206の所定の位置には、処理空間206においてプラズマ処理を受ける被処理基板208が載置されている。チャンバ蓋201bには、矩形形状の断面を有する凹部223と、凹部223から処理空間206に達する孔221とが形成されている。凹部223から孔221に連なる平面であって、凹部223の底面に相当する平面は、取付け面225を構成している。取付け面225にはOリング溝227が形成されている。Oリング溝227にはOリング210が設けられている。
【0005】
凹部223および孔221には、アルミナ(Al23)などの誘電体で形成された矩形形状の誘電体窓204が埋設されている。チャンバ蓋201b上には、内部に開口部203bが形成された導波管203が設けられている。導波管203上には、開口部203bに連通し、図示しないマイクロ波発振器に接続される導波管212が設けられている。誘電体窓204と導波管203との間には、金属製のスロット板211が設けられている。スロット板211には、開口部203bの下方に位置して、スリット状のスロット211aが複数形成されている。
【0006】
プロセスチャンバ本体201aの底面側に接続された図示しない真空ポンプを稼働させることによって、処理空間206を真空状態とする。一方、図示しないマイクロ波発振器において生成されたマイクロ波は、導波管212を介して導波管203の開口部203bへと伝播する。さらにマイクロ波は、スロット板211のスロット211aを通過し、誘電体窓204を介して処理空間206へと導入される。
【0007】
そのマイクロ波が処理空間206に導入されている処理ガスを励起することによって、処理空間206にプラズマが生成される。このプラズマによって被処理基板208にプラズマ処理が行なわれる。
【0008】
図12は、図11中のチャンバ蓋に形成された取付け面の詳細を示す斜視図である。図13は、図12中のXIII−XIII線上に沿った断面図である。図14は、図12中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。図12を参照して、図11中に示すOリング210が省略されてOリング溝227の形状が描かれている。
【0009】
図12および図13を参照して、取付け面225には、取付け面225の周縁に沿って帯状に延在するOリング溝227が形成されている。Oリング溝227は、アリ溝(溝の深さが深くなるに従って溝幅が大きくなるように形成された溝)形状に形成されている。このような形状にOリング溝227を形成することによって、Oリング210がOリング溝227から外れ難い構造を実現することができる。
【0010】
図12および図14を参照して、Oリング溝227の一部には、エントリーポイント250が形成されている。エントリーポイント250には、Oリング溝227の溝幅よりも大きい直径を有する円筒状の開口がOリング溝227に重なるように形成されている。
【0011】
Oリング210は消耗品であるため定期的に交換しなければならない。Oリング210の交換時には古くなったOリング210をOリング溝227から取り出す必要がある。しかし、Oリング溝227はアリ溝となっているため、古くなったOリング210を容易に取り外すことができない。そこで、Oリング溝227の一部に形成されたエントリーポイント250に棒状の治具を挿入することによって、Oリング210を容易に取り外すことができる。
【0012】
また、別の先行技術として、真空封止に使用されるシールの劣化を防止することを目的としたプラズマ処理装置が、特開平7−106301号公報に開示されている(特許文献1)。さらに、耐熱性誘電体板に接触して設けられたOリングを備えるマイクロ波プラズマ装置が、実開平4−117437号公報に開示されている(特許文献2)。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−106301号公報
【0014】
【特許文献2】
実開平4−117437号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成されたプラズマプロセス装置200において、処理空間206にはマイクロ波が導入されている。この場合、Oリング210が高周波やプラズマから受けるダメージの度合いは、取付け面225においてOリング溝227およびエントリーポイント250が形成される位置、ならびにOリング溝227においてエントリーポイント250が形成される位置によって異なってくる。
【0016】
しかし、プラズマプロセス装置200では、Oリング210が受けるダメージを考慮することなく、Oリング溝227およびエントリーポイント250が形成されている。このため、処理空間206に導入されるマイクロ波やマイクロ波により励起されたプラズマからOリング210が著しいダメージを受け、場合によっては処理空間206を真空に維持できないという問題が発生する。
【0017】
また、このような問題は、Oリング210に対応するOリングを、特許文献1に開示されたプラズマ処理装置または特許文献2に開示されたマイクロ波プラズマ装置に設けた場合にも発生する。
【0018】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、封止部材が高周波やプラズマから受けるダメージを軽減することによって、プラズマを用いた処理を行なう内部空間の真空特性を長期に渡って維持できるプラズマプロセス装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったプラズマプロセス装置は、プラズマを用いた処理を行なうための内部空間を規定し、取付け面を有する処理室と、内部空間に面する表面を有し、高周波を内部空間に放射するために取付け面と表面とが向い合うように処理室に取り付けられる誘電体と、取付け面と表面との間で表面の周縁に沿って延在する封止部材とを備える。誘電体の内部には、共振によって高周波の定在波が形成される。処理室および誘電体のいずれか一方は、取付け面または表面に形成され、封止部材が設けられる溝部をさらに有する。溝部は、封止部材が延在する方向に垂直な方向において所定の幅で形成された第1の部分と、第1の部分が形成された所定の幅よりも大きい幅で形成された第2の部分とを含む。第2の部分は、誘電体の内部において定在波の節が形成される位置の直下に位置決めされている。
このように構成されたプラズマプロセス装置によれば、誘電体の内部には定在波が形成されるため、誘電体の位置によって高周波の電界強度が異なっている。つまり、定在波の腹が形成される位置では高周波の電界強度が極大となり、定在波の節が形成される位置では高周波の電界強度が極小となる。一方、封止部材のメンテナンス時において溝部に設けられた封止部材をスムーズに取り外すことができるように、溝部には第2の部分が設けられている。
本発明では、第2の部分が、誘電体の内部において定在波の節が形成され、高周波の電界強度が極小となる位置の直下に位置決めされている。このため、第2の部分が第1の部分よりも大きい幅で形成されており、第2の部分に位置する封止部材が溝部から広く露出した状態となっているにもかかわらず、第2の部分に位置する封止部材が高周波やプラズマから大きいダメージを受けることを防止できる。これにより、処理空間の真空特性を長期に渡って維持することができる。
また好ましくは、溝部は、封止部材が延在する方向に垂直な方向における第1の部分の中心と表面の周縁との間に、封止部材が延在する方向に垂直な方向における第2の部分の中心が位置するように形成されている。このように構成されたプラズマプロセス装置によれば、溝部に対して表面の周縁が位置する側とは反対側には、真空封止され、プラズマが生成される内部空間が存在する。本発明では、第2の部分が表面の周縁側に寄って形成されているため、内部空間側において第2の部分と封止部材との間に空隙が形成され、この空隙において放電が発生するということがない。これにより、第2の部分に位置する封止部材が高周波やプラズマから受けるダメージを軽減することができる。
また好ましくは、上述のいずれかのプラズマプロセス装置では、高周波としてマイクロ波が用いられている。このように構成されたプラズマプロセス装置では、特に周波数が高いマイクロ波を高周波として用いた場合においても、上述の効果を奏することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、この発明の実施の形態におけるプラズマプロセス装置を示す断面図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【0033】
図1および図2を参照して、プラズマプロセス装置100は、処理空間6を規定するプロセスチャンバ1と、プロセスチャンバ1に取り付けられた誘電体窓4と、誘電体窓4の上方においてプロセスチャンバ1に取り付けられた導波管3と、誘電体窓4と導波管3との間に設けられたスロット板11と、導波管3上に設けられた導波管12とを備える。
【0034】
プロセスチャンバ1は、プロセスチャンバ本体1aおよびチャンバ蓋1bとから構成されている。プロセスチャンバ本体1aは頂面側が開口しており、その開口した部分をチャンバ蓋1bが覆っている。チャンバ蓋1bに接触するプロセスチャンバ本体1aの表面には、帯状に延在するOリング溝29が形成されている。Oリング溝29にはOリング9が設けられており、これにより、プロセスチャンバ本体1aおよびチャンバ蓋1bの間が封止されている。
【0035】
プロセスチャンバ本体1aおよびチャンバ蓋1bによって、プラズマ処理を行なうための処理空間6が規定されている。処理空間6には、載置面7aを有する基板ホルダ7が設けられている。載置面7aには、処理空間6においてプラズマ処理が行なわれる被処理基板8がチャンバ蓋1bに向い合うように載置されている。チャンバ蓋1bには、処理空間6に達する処理ガス供給管13が設けられている。処理空間6は、プロセスチャンバ本体1aの底面側において、図示しない真空ポンプに接続されている。
【0036】
チャンバ蓋1bの頂面側には、矩形形状の凹部23が複数箇所に形成されている。チャンバ蓋1bには、凹部23から処理空間6に達し、凹部23よりも小さいサイズの矩形形状に開口された孔21が形成されている。凹部23から孔21に連なる平面であって、凹部23の底面に相当する平面によって、取付け面25が構成されている。取付け面25には、取付け面25の周縁に沿って帯状に延在するOリング溝27が形成されている。Oリング溝27には、Oリング10が設けられている。
【0037】
凹部23および孔21には、アルミナ(Al23)などの誘電体で形成された誘電体窓4が埋設されている。誘電体窓4は、凹部23および孔21に嵌め合わされるように段差のある矩形形状に形成されている。その段差部分は、誘電体窓4の表面31を構成しており、表面31とチャンバ蓋1bの取付け面25とが向い合っている。Oリング溝27に設けられたOリング10が誘電体窓4の表面31に接触することによって、誘電体窓4とチャンバ蓋1bとの間が封止されている。誘電体窓4は、誘電体窓4の頂面とチャンバ蓋1bの頂面とが、ほぼ同一平面上に延在するように形成されている。
【0038】
誘電体窓4上には、誘電体窓4の頂面の一部を覆うスロット板11が設けられている。スロット板11の表面には、スロット11aが複数形成されている。チャンバ蓋1bの頂面上には、スロット板11を覆うように導波管3が設けられている。導波管3の内部には、環状に延在する保温流路3aと、スロット11aに面する開口部3bとが形成されている。保温流路3aに冷却用媒質が流されることによって、導波管3およびその周辺部が一定温度に保たれる。導波管3には、開口部3bに連通する導波管12が接続されている。導波管12は、図示しないマイクロ波発振器に接続されている。
【0039】
プロセスチャンバ本体1aおよびチャンバ蓋1bの間はOリング9によって、チャンバ蓋1bおよび誘電体窓4の間はOリング10によって封止されている。したがって、図示しない真空ポンプを駆動させることによって、処理空間6は真空状態に保持される。一方、図示しないマイクロ波発振器では、たとえば周波数2.45(GHz)のマイクロ波が生成される。マイクロ波は、導波管12を介して導波管3の開口部3bへと導入される。マイクロ波は、スロット板11のスロット11aを通過し、誘電体窓4から処理空間6に向けて放射される。
【0040】
処理空間6には、処理ガス供給管13から処理ガスが導入されている。処理空間6に向けて放射されたマイクロ波がその処理ガスを励起することによってプラズマが生成される。このプラズマによって被処理基板8にプラズマ処理が行なわれる。
【0041】
図3は、図1中のスロット板の具体例を示す斜視図である。図3を参照して、スロット板11には、スリット状に開口されたスロット11aが4箇所に形成されている。スロット11aの形状、またはスロット11aを形成する位置を変更することによって、処理空間6におけるマイクロ波の放射分布を調整することができる。
【0042】
図4は、図3中のスロット板を用いた場合において、誘電体の内部におけるマイクロ波の電界強度を示す斜視図である。図4を参照して、スロット板11のスロット11aを通過したマイクロ波によって、誘電体窓4の内部にはマイクロ波の定在波が形成される。図中に示す略円形は、マイクロ波の電界強度を表わす等高線であり、略円形の中心ほど電界強度が強いことを示している。また、誘電体窓4の内部において定在波の腹が形成され、電界強度が極大となる位置4aと、誘電体窓4の内部において定在波の節が形成され、電界強度が極小となる位置4bとが示されている。電界強度が極大となる位置4aは、4行1列に形成されており、電界強度が極小となる位置4bは、5行2列に形成されている。
【0043】
誘電体窓4は、周縁に短辺4mと長辺4nとを有する矩形形状に形成されている。短辺4mの長さXと長辺4nの長さYとは異なっている。このため、短辺4m方向のマイクロ波の波長(短辺4mが延在する方向(図中の矢印42に示す方向)のマイクロ波の波長)λpと、長辺4n方向のマイクロ波の波長(長辺4nが延在する方向(図中の矢印41に示す方向)のマイクロ波の波長)λqとが異なってマイクロ波の定在波が形成されている。
【0044】
誘電体窓4の周縁には、定在波の節が必ず形成される。定在波の腹と節とは、誘電体窓4の内部におけるマイクロ波の波長λの1/4の間隔で現れる。このため、短辺4mからλq/4だけ隔てた位置、および長辺4nからλp/4だけ隔てた位置には、電界強度が極大となるマイクロ波の腹が形成されている。
【0045】
図5は、図1中のスロット板の別の具体例を示す斜視図である。図5を参照して、スロット板11には、スリット状に開口されたスロット11aが6箇所に形成されている。
【0046】
図6は、図5中のスロット板を用いた場合において、誘電体の内部におけるマイクロ波の電界強度を示す斜視図である。図6を参照して、図中の略円形については、図4中の略円形の説明と同様に理解するものとする。電界強度が極大となる位置4aは、6行1列に形成されており、電界強度が極小となる位置4bは、7行2列に形成されている。
【0047】
なお、図4および図6を用いて説明したマイクロ波の電界強度分布は一例であり、導波管3および誘電体窓4の形状、スロット11aの形状、ならびにスロット11aを形成する位置などによって変化する。これらをパラメータとしてコンピューターシミュレーションを行なうことによって、誘電体窓4の内部におけるマイクロ波の電界強度分布を求めることができる。
【0048】
図7は、図1中のチャンバ蓋に形成された取付け面の詳細を示す斜視図である。図8は、図7中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。図9は、図7中のIX−IX線上に沿った断面図である。図7を参照して、図1中に示すOリング10が省略されてOリング溝27の形状が描かれている。
【0049】
図7を参照して、取付け面25には、取付け面25の周縁に沿ってOリング溝27が形成されている。Oリング溝27は、アリ溝形状に形成されている主要部27mと、主要部27mの一部に形成されたエントリーポイント27nとから構成されている。
【0050】
図7および図8を参照して、アリ溝形状とは、溝の深さが深くなるに従って溝幅が大きくなるように形成された溝のことをいう。つまり、Oリング溝27の主要部27mは、取付け面25から溝の底面に向かうに従って、溝幅(Oリング溝27が延在する方向に垂直な方向における溝の幅)が大きくなるように形成されている。Oリング溝27の主要部27mは、中心線51に対して対称形状となるように形成されている。
【0051】
Oリング溝27にはOリング10が設けられる。このため、Oリング10は誘電体窓4の周縁53に沿って延在する。また、Oリング10は弾性を有するため、Oリング10の形状がOリング溝27のアリ溝形状に倣う。これにより、Oリング10がOリング溝27から外れ難くなるため、Oリング10がOリング溝27に一度挿入されるとOリング溝27から落ちることがない。
【0052】
Oリング溝27に設けられたOリング10が、誘電体窓4の表面31と取付け面25の表面(Oリング溝27の表面)との間で押圧されることによって、誘電体窓4およびチャンバ蓋1bとの間の封止が確実に行なわれている。
【0053】
図7および図9を参照して、Oリング溝27には、Oリング10のメンテナンス時に使用されるエントリーポイント27nが形成されている。エントリーポイント27nでは、アリ溝形状に形成された主要部27mの側壁であって、取付け面25の周縁側に位置する側壁が弧状に後退した形状に形成されている。また、エントリーポイント27nの底面は、Oリング溝27の底面と平行な平面上であって、Oリング溝27の底面よりも高い位置に形成されている。溝幅方向におけるエントリーポイント27nの中心線52を想定した場合、主要部27mの中心線51と誘電体窓4の周縁53との間に中心線52が位置するようにエントリーポイント27nが形成されている。
【0054】
エントリーポイント27nは、誘電体窓4の内部において定在波の節が形成される位置の直下に設けられている。たとえば、誘電体窓4が図4中に示すような矩形形状を有する場合、エントリーポイント27nは、誘電体窓4の位置4b(図4を参照のこと)の直下に位置するように設けられている。
【0055】
主要部27mの中心線51に対して処理空間6が位置する側は真空状態となっており、その反対側は大気に開放された状態となっている。したがって、エントリーポイント27nは、大気側にシフトして形成されている。このため、真空側ではOリング10がOリング溝27の側壁に密着しているが、大気側ではOリング10とOリング溝27の側壁との間に空隙が形成されている状態となる。これにより、真空側に空隙が形成されて、その空隙で放電が発生するという事態を回避することができる。また、大気側に形成された空隙を利用することによって、Oリング溝27からOリング10を容易に取り外すことができる。
【0056】
図10は、図1中のチャンバ蓋に形成されたOリング溝付近の詳細を示す断面図である。図10を参照して、Oリング溝27に設けられたOリング10は、誘電体窓4の表面31の部分31aに接触している。表面31の部分31aは、誘電体窓4の周縁53から距離Lだけ隔てている。誘電体窓4の内部におけるマイクロ波の波長がλである場合、距離Lは、0<L≦λ/16の関係を満たしている。
【0057】
以下において具体的な誘電体窓4の形状を想定し、Oリング10が設けられる位置について説明を続ける。
【0058】
図4を参照して、誘電体窓4が短辺4mおよび長辺4nを有する矩形形状に形成されている場合、Oリング10は、短辺4mおよび長辺4nからそれぞれ距離LpおよびLqだけ隔てた位置に接触するように設けられている。誘電体窓4の内部における短辺4m方向および長辺4n方向のマイクロ波の波長λpおよびλqを用いると、距離LpおよびLqは、0<Lp≦λq/16および0<Lq≦λp/16の関係を満たしている。
【0059】
たとえば、誘電体窓4がアルミナによって形成されており、50mm(短辺4mの長さX)×190mm(長辺4nの長さY)×15mm(厚み)の大きさを有する場合、短辺4m方向のマイクロ波の波長λpは100mmとなり、長辺4n方向のマイクロ波の波長λqは95mmとなる。したがって、短辺4mから0<Lp≦5.9mmの関係を満たす距離Lpだけ隔てた表面31の部分に接触するようにOリング10を設ける。また、長辺4nから0<Lq≦6.3mmの関係を満たす距離Lqだけ隔てた表面31の部分に接触するようにOリング10を設ける。
【0060】
この発明の実施の形態に従ったプラズマプロセス装置100は、プラズマを用いた処理を行なうための内部空間としての処理空間6を規定し、取付け面25を有する処理室としてのプロセスチャンバ1と、処理空間6に面する表面31を有し、高周波としてのマイクロ波を処理空間6に放射するために取付け面25と表面31とが向い合うようにプロセスチャンバ1に取り付けられる誘電体としての誘電体窓4と、取付け面25と表面31との間で表面31の周縁53に沿って延在する封止部材としてのOリング10とを備える。Oリング10は、表面31の周縁53から距離Lだけ隔てた位置の表面31の部分31aに接触する。誘電体窓4の内部には、共振によってマイクロ波の定在波が形成される。誘電体窓4の内部におけるマイクロ波の波長がλである場合、距離Lは、0<L≦λ/16の関係を満たす。
【0061】
誘電体窓4は、表面31の周縁に短辺4mと長辺4nとを有する矩形形状に形成されている。Oリング10は、短辺4mおよび長辺4nからそれぞれ距離LpおよびLqだけ隔てた位置の表面31の部分に接触している。誘電体窓4の内部における短辺4m方向および長辺4n方向のマイクロ波の波長がそれぞれλpおよびλqである場合、距離LpおよびLqは、0<Lp≦λq/16および0<Lq≦λp/16の関係を満たす。
【0062】
プロセスチャンバ1および誘電体窓4のいずれか一方は、取付け面25または表面31に形成され、Oリング10が設けられる溝部としてのOリング溝27をさらに有する。Oリング溝27は、Oリング10が延在する方向に垂直な方向において所定の幅で形成された第1の部分としての主要部27mと、主要部27mが形成された所定の幅よりも大きい幅で形成された第2の部分としてのエントリーポイント27nとを含む。
【0063】
プラズマプロセス装置100は、プラズマを用いた処理を行なうための処理空間6を規定し、取付け面25を有するプロセスチャンバ1と、処理空間6に面する表面31を有し、マイクロ波を処理空間6に放射するために取付け面25と表面31とが向い合うようにプロセスチャンバ1に取り付けられる誘電体窓4と、取付け面25と表面31との間で表面31の周縁に沿って延在するOリング10とを備える。誘電体窓4の内部には、共振によってマイクロ波の定在波が形成される。プロセスチャンバ1および誘電体窓4のいずれか一方は、取付け面25または表面31に形成され、Oリング10が設けられるOリング溝27をさらに有する。Oリング溝27は、Oリング10が延在する方向に垂直な方向において所定の幅で形成された主要部27mと、主要部27mが形成された所定の幅よりも大きい幅で形成されたエントリーポイント27nとを含む。エントリーポイント27nは、誘電体窓4の内部において定在波の節が形成される位置の直下に位置決めされている。
【0064】
Oリング溝27は、Oリング10が延在する方向に垂直な方向における主要部27mの中心としての中心線51と表面31の周縁53との間に、Oリング10が延在する方向に垂直な方向におけるエントリーポイント27nの中心としての中心線52が位置するように形成されている。
【0065】
このように構成されたプラズマプロセス装置100によれば、周縁からの距離が所定の範囲にある誘電体窓4の表面31の部分に接触するようにOリング10が設けられている。このため、誘電体窓4の内部において定在波の節が形成され、マイクロ波の電界強度が極小となる表面31の周縁により近い位置にOリング10を接触させることができる。たとえば、表面31の周縁からλ/4だけ隔てた位置であり、定在波の腹が形成される位置と比較した場合に、表面31の周縁からλ/16だけ隔てた位置では、マイクロ波の電界強度が0.38倍となる。したがって、Oリング10がマイクロ波やプラズマから受けるダメージを低減させることができる。
【0066】
また、エントリーポイント27nは、誘電体窓4の内部において定在波の節が形成される位置の直下に設けられている。エントリーポイント27nでは、Oリング10がOリング溝27から大きく露出した状態で設けられる。しかし、マイクロ波の電界強度は定在波の節において極小となるため、マイクロ波やプラズマがOリング溝27から露出した状態のOリング10に深刻なダメージを与えることを防止できる。
【0067】
なお、本実施の形態では、高周波としてマイクロ波を用いた場合について説明した。マイクロ波によってプラズマを励起した場合、そのプラズマは低電子温度で高密度となるためプラズマ処理に適している。しかし、一般に広く用いられている13.56(MHz)の高周波(RF)においても問題なく本発明を適用することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、Oリング溝27をチャンバ蓋1bの取付け面25に設けたが、Oリング溝27を誘電体窓4の表面31に設けた場合にも同様の効果を奏することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態では、プラズマプロセス装置100をエッチング装置に適用する場合を想定して装置の説明を行なったが、何らこれに限るものではなく、たとえばCVD(chemical vapor deposition)装置として適用し得ることは言うまでもない。また、真空封止された装置だけでなく、減圧または加圧された装置や、常圧であっても大気とは異なる組成のガスが封入された装置など気密性を要する装置においても適用し得る。
【0070】
続いて、Oリング10を設ける位置に関する本発明の効果を確認するために、以下に説明する実験を行なった。
【0071】
図1を参照して、誘電体窓4として、70mm(短辺の長さ)×242mm(長辺の長さ)×8mm(厚み)の大きさを有する矩形形状のアルミナを使用した。図示しないマイクロ波発振器から周波数2.45(GHz)のマイクロ波を発振した。この場合、短辺方向のマイクロ波の波長λpは140mmとなり、長辺方向のマイクロ波の波長λqは80.7mmとなった。
【0072】
したがって、λp/16は約8.8mmとなり、λq/16は約5.0mmとなる。そこで、短辺から7mm、長辺から6mm隔てた誘電体窓4の表面31の部分に接触するようにOリング10を設けた(実験1)。別に、短辺から5mm、長辺から5mm隔てた誘電体窓4の表面31の部分に接触するようにOリング10を設けた(実験2)。実験1では、短辺からλq/16より大きい距離を隔てた表面31の部分に接触するようにOリング10が位置決めされている。実験2では、本実施の形態で説明した0<L≦λ/16の関係を満たす位置にOリング10が位置決めされている。
【0073】
マイクロ波を発振してから所定の時間が経過した後に、それぞれの実験で用いたOリング10のダメージの有無を調べた。その結果、実験1で用いたOリング10にはダメージが認められたが、実験2で用いたOリング10にはダメージが認められなかった。このことから、本発明によれば、Oリング10がマイクロ波やプラズマから受けるダメージを低減させることができることを確認できた。
【0074】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、封止部材が高周波やプラズマから受けるダメージを軽減することによって、プラズマを用いた処理を行なう内部空間の真空特性を長期に渡って維持できるプラズマプロセス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態におけるプラズマプロセス装置を示す断面図である。
【図2】 図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】 図1中のスロット板の具体例を示す斜視図である。
【図4】 図3中のスロット板を用いた場合において、誘電体の内部におけるマイクロ波の電界強度を示す斜視図である。
【図5】 図1中のスロット板の別の具体例を示す斜視図である。
【図6】 図5中のスロット板を用いた場合において、誘電体の内部におけるマイクロ波の電界強度を示す斜視図である。
【図7】 図1中のチャンバ蓋に形成された取付け面の詳細を示す斜視図である。
【図8】 図7中のVIII−VIII線上に沿った断面図である。
【図9】 図7中のIX−IX線上に沿った断面図である。
【図10】 図1中のチャンバ蓋に形成されたOリング溝付近の詳細を示す断面図である。
【図11】 マイクロ波プラズマ源を用いた従来のプラズマプロセス装置を示す断面図である。
【図12】 図11中のチャンバ蓋に形成された取付け面の詳細を示す斜視図である。
【図13】 図12中のXIII−XIII線上に沿った断面図である。
【図14】 図12中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 プロセスチャンバ、4 誘電体窓、4m 短辺、4n 長辺、6 処理空間、10 Oリング、25 取付け面、27 Oリング溝、27m 主要部、27n エントリーポイント、31 表面、31a 部分、51,52 中心線、53 周縁、100 プラズマプロセス装置。

Claims (3)

  1. プラズマを用いた処理を行なうための内部空間を規定し、取付け面を有する処理室と、
    前記内部空間に面する表面を有し、高周波を前記内部空間に放射するために前記取付け面と前記表面とが向い合うように前記処理室に取り付けられ、共振によって高周波の定在波が内部に形成される誘電体と、
    前記取付け面と前記表面との間で前記表面の周縁に沿って延在する封止部材とを備え、
    前記処理室および前記誘電体のいずれか一方は、前記取付け面または前記表面に形成され、前記封止部材が設けられる溝部をさらに有し、
    前記溝部は、前記封止部材が延在する方向に垂直な方向において所定の幅で形成された第1の部分と、前記第1の部分が形成された所定の幅よりも大きい幅で形成された第2の部分とを含み、前記第2の部分は、前記誘電体の内部において定在波の節が形成される位置の直下に位置決めされている、プラズマプロセス装置。
  2. 前記溝部は、前記封止部材が延在する方向に垂直な方向における前記第1の部分の中心と前記表面の周縁との間に、前記封止部材が延在する方向に垂直な方向における前記第2の部分の中心が位置するように形成されている、請求項1に記載のプラズマプロセス装置。
  3. 高周波としてマイクロ波が用いられている、請求項1または2に記載のプラズマプロセス装置。
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