JP4993158B2 - マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマ発生室内部の金属汚染やパーティクルの発生を抑えることが可能なマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びエッチング装置などのプラズマ処理装置に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体製造装置、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体や液晶ディスプレイなどの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
このようなプラズマ処理を行う装置の代表的なものして、周波数が100メガヘルツ〜数10ギガヘルツのマイクロ波によりプラズマを励起する「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置がある(例えば、特許文献1及び2)。マイクロ波励起型のプラズマ源は、高周波プラズマ源などに比べてプラズマ電位が低いので、ダメージ無しのレジスト・アッシング(resist ashing)や、バイアス電圧を印加した異方性エッチングなどに広く使われる。
マイクロ波励起型のプラズマ処理装置においては、マイクロ波を減圧チャンバ内に導入する必要がある。マイクロ波を導入する構造として、最も広く採用されているものは、誘電体の窓を介して減圧チャンバの内部にマイクロ波を導入する構造である。
図9は、特許文献1に開示されているようなプラズマ処理装置の概念図である。
すなわち、プラズマ処理装置は、減圧状態を保持できるチャンバ10を備えている。チャンバ10の底部には、チャンバ内を排気して減圧するための排気口が設けられ、真空ポンプなどの排気手段Eにより排気して減圧雰囲気を維持可能とされている。また、チャンバ10の天井部分には、誘電体からなる窓30が設けられている。窓30の外側には、導波管20が設けられ、スロット20Sを介して窓30にマイクロ波を照射可能とされている。図示しないマイクロ波発生装置から供給されたマイクロ波Mは、導波管20からスロット20S、窓30を介してチャンバ10の内部に導入される。一方、チャンバ10の内部には、窓30に対向するように被処理物Wを載置するためのステージ16が設けられている。
次に、このプラズマ処理装置の動作について説明する。
まず最初に、排気口に接続されている図示しない排気手段Eによりチャンバ10内が所定の圧力になるまで減圧される。次に、図示しないガス導入口から処理ガス(例えば、酸素やフッ素含有ガスなど)がチャンバ10内に導入される。マイクロ波発生装置(図示せず)により発生させたマイクロ波Mは、導波管20を介して導かれ、スロット20Sから窓30を介してチャンバ10の内部に放射される。このようにして放射されたマイクロ波Mにより、プラズマPが励起される。
このようにして励起されたプラズマPによって、チャンバ10内の処理ガスが分解あるいは活性化されラジカルなどの活性種や分解種Aが生成される。そして、この発生した活性種や分解種Aにより、ステージ16に載置された被処理物Wに所定のプラズマ処理が施される。
特開平9−148097号公報 特開2000−133641号公報
ところで、プラズマ発生装置においては、プラズマの均一性を上げることやプラズマの生成効率を上げることとともに、チャンバ内を清浄に保つことやコンタミネーション(汚染)の発生を防ぐことが極めて重要である。もし、パーティクルなどが発生し被処理物Wの表面に付着すると、被処理物上に形成される配線がショートしやすくなる等の障害を生じるからである。
チャンバ10内を清浄に保つためには、チャンバ10外からパーティクルなどを持ち込まないようにするとともに、チャンバ10内でのパーティクルやコンタミネーションなどの発生を極力抑える必要がある。しかしながら、図9に例示したような構造のマイクロ波導入器では、プラズマPは窓30の直下部分のみならず、その周囲にも拡がって発生する。このため、窓30の周囲のチャンバ10の内壁部CがプラズマPによりスパッタリングされ、パーティクルや金属汚染などが発生してしまうおそれがあった。
プラズマの発生を特定部分に限定するため、例えば、特許文献2には同軸線路によりチャンバの内部にマイクロ波を導入し、その先端に設けた供給部からマイクロ波を放出させる導入機構が開示されている。
図10は、このような導入機構を備えたプラズマ処理装置を例示する模式図である。
すなわち、マイクロ波Mは、同軸線路1aを介して、チャンバ10内に設けられた供給部1bに供給される。供給部1bは、複数の導体板やストリップラインと誘電体とを組み合わせた複合構造を有し、マイクロ波Mをチャンバ10内に放出させる。放出されたマイクロ波Mは、ガス導入口5から導入されたガスGのプラズマを励起させる。
図10に表した構造にすれば、プラズマをチャンバ10の内壁から引き離すことができ、チャンバ内壁がスパッタリングされることにより発生するパーティクルや金属汚染を防止することができる。しかし、この場合、今度は、供給部1bにおいて誘電体を覆う導体(金属)がスパッタリングされパーティクルや金属汚染が発生してしまうという問題が生ずる。
一方、このようにして起こるパーティクルや金属汚染の発生を反応性を低減して防止すべく、チャンバ内壁を冷却液などで冷やす技術も提案されている。しかしながら、この方法によりチャンバ内壁のスパッタリングを完全に解消することは困難であり、また、このような冷却装置を設けることとすれば装置機構の複雑化、装置寸法の過大化、メンテナンスの負担の増大を招くという問題があった。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、装置機構の複雑化などを招くことなく、パーティクルや金属汚染などの発生を抑えることのできるマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、プラズマを生成する空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、前記チャンバの壁面から前記プラズマを生成する空間に向けて突出する誘電体からなる導波体を備え、前記導波体は、マイクロ波を導入する導入部と、前記導入部から前記プラズマを生成する空間に向けて突出した伝搬部と、前記プラズマを生成する空間にマイクロ波を放射させる放射部と、前記伝搬部と前記放射部の間に設けられる結合部と、を有し、前記結合部は、前記伝搬部及び前記放射部よりも小なる断面を有することを特徴とするマイクロ波導入器が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
チャンバと、
前記チャンバに取り付けられた前記マイクロ波導入器と、
を備え、
前記導波体を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを生成する空間においてプラズマを生成可能としたことを特徴とするプラズマ発生装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
前記のプラズマ発生装置を備え、
前記生成された前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
以上詳述したように、本発明によれば、装置機構の複雑化などを招くことなくパーティクルや金属汚染などの発生を抑えることのできるマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
以下、本発明の実施の形態について、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の具体例にかかるマイクロ波導入器の要部基本構成を説明するための概念図である。すなわち、同図は、マイクロ波導入器を減圧プラズマ発生装置に取り付けた状態を例示する断面図である。
このマイクロ波導入器は、導入部100aと、伝搬部100bと、放射部100cと、結合部100dと、を有する導波体100を備える。導波体100(導入部100a、伝搬部100b、放射部100c、結合部100d)は誘電体からなり、例えば石英(SiO)、アルミナ(Al)、サファイヤ、窒化アルミ(AlN)、酸化イットリウム(Y)などにより構成されるがこれに限定されるものではなく、化学的に安定で耐熱性、耐食性に優れた絶縁材料であればよい。導波体100は、プラズマを生成する空間800に向けてチャンバ300の壁面からチャンバ300の内側(同図の右側)の減圧空間に向けて突出するように取り付けられる。この導波体100には、チャンバ300の外側から、導波管200などを介してマイクロ波Mが導入される。図1に表した具体例の場合、導入部100a、伝搬部100b、放射部100c、結合部100dは、それぞれ円柱状であるが、これに限定されるものではなく任意の断面形状のものであってもよい。例えば、断面が三角形、四角形、多角形、楕円形、外形線が任意の直線や曲線で構成されたものなどの柱状体であってもよい。
チャンバ300の内部(同図の右側)の減圧状態を維持するために、導入部100aには導入部100aよりも外径の大きい導波体根110が設けられ、Oリング320により気密を確保している。ただし、この導波体根110やOリング320は本発明において必須ではなく、他の方法により気密を確保してもよい。
伝搬部100bは、導入部100aからチャンバ300の内部(同図の右側)のプラズマを生成する空間800に向けて突出するように設けられている。放射部100cは伝搬部100bの先端側(導波管200から遠い側)のプラズマを生成する空間800に設けられ、結合部100dにより伝搬部100bと連結されている。
本具体例のマイクロ波導入器においては、導波体100の中心軸C1と、導波管200の中心軸C2と、がほぼ一致している。さらに、導入部100aの断面寸法は、導波管200の内径に近いサイズにされている。このようにすると、導波管200を伝搬したマイクロ波Mが導波体100に入力される時の反射波の発生を抑制できる。その結果として、マイクロ波Mの損失を抑制し、高い効率でプラズマを生成できる。
次に、このマイクロ波導入器の動作について説明する。
図1において、マイクロ波発生手段(図示しない)により発生させたマイクロ波Mは、導波管200により導波体100部分に導かれる。導波体100部分に導かれたマイクロ波Mは、導入部100aに導入された後、伝搬部100cから結合部100dを通り放射部100cに導入される。放射部100cに導入されたマイクロ波Mは後述のように放射部100c部で共振し、その後、放射部100cの外部に放出される。そして、この放出されたマイクロ波Mによりプラズマが生成される。
次に、伝搬部100bについて説明する。
伝搬部100bは、導入部100aに導入されたマイクロ波Mを結合部100dを介して放射部100cに伝搬するためのものである。伝搬部100bからのマイクロ波の漏れを少なくするためには、伝搬部100bの断面寸法は小さい方が望ましい。ただし、放射部100c付近で発生するプラズマPのスキン・デプス(skin depth)以上であることが必要であり、一般的には、伝搬部100bの断面寸法120bは1センチメートル以上とされる。また、マイクロ波が伝搬部100bにおいて共振しないような形状及びサイズとすることが望ましい。
次に、放射部100cについて説明する。
放射部100cは、結合部100dを介して導入されてくるマイクロ波MをプラズマPに向けて放出するためのものである。一般的に、マイクロ波MとプラズマPとの相互作用(interaction)を強くし、プラズマPの生成効率を上げるためには、導波体のサイズを大きくすることが望ましい。そして、放射部100cに導入されたマイクロ波を共振させることができれば、それだけ多くのエネルギーをプラズマに供給することができる。このためには、共振が起きるように、放射部100cの断面寸法120cはマイクロ波Mの波長の整数倍であることがより望ましい。このようにすれば、放射部100cにおいてマイクロ波MのTEモードあるいはTMモードのみが存在し、唯一のモードで共振させることができる。また、反射が起こっても結合部100dや伝搬部100bで吸収されるため、モードジャンプを抑制することができる。その結果として、常に安定したプラズマを連続的に維持することができる。
次に、結合部100dについて説明する。
結合部100dは、伝搬部100bと放射部100cの間に設けられ、伝搬部100bと放射部100cとの間の結合を調整する役割を有する。つまり、結合部100dは、伝搬部100bと放射部100cとを結合するとともに、放射部100cから伝搬部100bへ戻る反射波を制限し、放射部100c内で共振を生じさせる機能をも有している。このためには、結合部100dの断面サイズ120dは、伝搬部の断面サイズ120bや放射部の断面サイズ120cよりも小さくすることが望ましい。そして、結合部100dの長さや断面サイズを調節することにより、伝搬部100bと放射部100cとの結合を調節できる。
結合部100dから放射部100cに導入されたマイクロ波の一部は反射波となって伝搬部100b側へ戻ろうとするが、結合部100dにより伝搬部100b側へ戻るのが阻害される。そのため放射部100c内で進行波と反射波との干渉が起きる。ここで、前述のように放射部100cの断面寸法120cをマイクロ波波長の整数倍としておけば放射部100c内で共振が起き、その分高いエネルギーをプラズマPに供給することができる。また、反射波の伝搬部100b側への戻りが制限されるため、伝搬部100bにおける定在波の発生がなく、伝搬部100bからチャンバに放出されるマイクロ波も少なくなる。
本発明者は、結合部100dの寸法に関して定量的な研究を行った。
図2(a)は、結合部100dの断面寸法と放射部100c付近の電界強度比及び共振周波数との関係を例示したグラフ図であり、同図(b)は、このグラフ図に対応する寸法パラメータを表す断面図である。
また、図3は、結合部100dの長さ寸法と放射部100c付近の電界強度比及び共振周波数との関係を例示したグラフ図であり、同図(b)は、このグラフ図に対応する寸法パラメータを表す断面図である。
ここで、「電界強度比」とは、放射部100cの付近での電界強度E1と、伝搬部100bのチャンバ300付近(チャンバ壁面から20mm位)における電界強度E2と、の比E1/E2である。
この測定においては、図2(b)に表した寸法パラメータとして、直径A=40mm、直径B=140mm、L1=40mm、L2=10mm、L3=28mmとした。また、導波体の材質は石英とし、マイクロ波周波数は2.45ギガヘルツ、処理ガスは酸素、チャンバ内圧力は15Pa(パスカル)とした。
図2(a)から、結合部100dの断面寸法を大きくするほど電界強度比が低下することがわかる。電界強度比が低下するということは、それだけマイクロ波のプラズマへの放射量が少なくなっていることを意味する。従って、電界強度比は高いほど望ましい。図2(a)からは、結合部100dの直径Dを概ね20mm以下にすると高い電界強度比が得られることがわかる。特に、結合部100dの直径Dを5ミリメータ程度とすれば、電界強度比は最大となるのでより望ましいことがわかる。
一方、図3(a)からは、結合部100dの長さ寸法を長くするほど電界強度比が低下することがわかる。ただし、図2に関して前述した断面寸法の変化が与える影響よりも影響は少ない。図3(a)に表した結果によれば、結合部100dの長さL2を概ね40mm以下にすればよく、特に10mm以下とすれば5mm付近で電界強度比が最大となるのでより望ましいことがわかる。なお、図3(a)のデータは、直径A=40mm、直径B=140mm、直径D=18mm、L1=40mm、L3=28mmとし、導波体の材質は石英、マイクロ波周波数は2.45ギガヘルツ、処理ガスは酸素、チャンバ内圧力は15Paとした場合のものである。
本発明の効果について、図4を参照しつつ説明する。
図4は、結合部100dと放射部100cの各寸法を図3(b)に関して前述した範囲に選択したときに生じるプラズマPの分布を表す模式図である。すなわち、同図においては、プラズマの密度をコントラストで表し、濃いコントラストほどプラズマの密度が高いことを表す。なお、プラズマPの分布は、導波体100の中心軸C1に対してほぼ対称に現れるため、本図においては半分のみを表した。
図4から明らかなように、プラズマPは放射部100cのほぼ全面に亘って励起されている。これに対して、結合部100d付近にも若干のプラズマが発生してはいるものの、導波体100bの根本部分(チャンバの内壁に近い側)にはプラズマはほとんど発生していない。つまり、プラズマPをチャンバ300の壁面より引き離すことができ、チャンバ300の壁がスパッタリングされることによる生じるパーティクルや金属汚染の発生を防ぐことができる。
本実施形態において、放射部100cの付近において特に高い密度のプラズマPが発生するのは、放射部100c内で共振が起こりマイクロ波の強度が上がるためである。なお、本発明では導波体100部分には前述のように耐熱性、耐食性、耐化学性に優れた石英(SiO)、アルミナ(Al)、サファイヤ、窒化アルミ(AlN)、酸化イットリウム(Y)などの誘電体を用いているため、これらがスパッタリングされてパーティクルや金属汚染が発生することはない。
前述のようにして一度決定した結合部100dの断面寸法や長さ、放射部100cの断面寸法も、プラズマ処理条件などが変われば多少変更せざるを得ない場合が生じる。本発明においては、このような場合に対処すべく、結合部100dを着脱自在な構造とすることも可能である。
図5は、結合部100dを着脱自在な構造として具体例を表す模式図である。
本具体例においては、伝搬部100bの先端には雌ねじ部101bが設けられ、結合部100dの先端には雌ねじ部101bとはまり合う雄ねじ部101cが設けられている。雄ねじ部101cの長さは雌ねじ部101bの深さより若干短くなっており、結合部100dの先端(雄ねじ部101c側)には、結合部100dの雄ねじ部101cを伝搬部100bの雌ねじ部101bにねじ込んだときに伝搬部100bと放射部100cが略直角となるようにするための肩部102が設けられている。
本発明においては、このような構成により結合部100dを着脱自在としているため、処理条件などに合わせて最適な断面寸法や長さを持つ結合部100dに簡単に交換することができる。なお、前述の構造は例示にすぎず、結合部100dを着脱自在とするものはすべて本発明に包含される。例えば、結合部100dの先端には雌ねじ部が伝搬部100bの先端には雄ねじ部が設けられていてもよいし、結合部100dの両先端に雄ねじ部があり放射部100cとも着脱自在になっていてもよい。また、結合には摩擦力を使ったものでもよいし、分離位置も図5(b)に例示したごとく伝搬部100bの途中であってもよい。
このような構成にしておけばメンテナンスなどの際に部品交換が必要になったときでも、最小限の部分の交換ですむので経済的でもある。また、放射部100cとも着脱自在としておけば、特定の処理条件において共振させるのに最適な寸法の放射部100cを選んだり、より少ない単位での部品交換や処理条件に合わせて色々な組み合わせをすることもできる。
次に、本実施形態のマイクロ波導入器を用いたプラズマ発生装置及びプラズマ処理装置について説明する。
図6は、本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を例示する斜視一部断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置700は、減圧状態でプラズマ処理を実施可能としたものであり、チャンバ300と、これに取り付けられた複数の導波体100と、を有する。導波体100は、図1乃至図5に関して前述した本発明の実施の形態にかかるマイクロ波導入器の導波体である。これら導波体100は、例えば、図6に例示したように、チャンバ300の中心軸からみて同一円周上に等間隔に配置することができる。これら導波体100のそれぞれには、導波管200を介してマイクロ波Mが導入される。
一方、チャンバ300は、図示しない排気手段によりその内部を減圧状態に維持可能とされている。ステージ400の上に被処理物Wを載置し、図示しないガス導入系を介して、所定のガスを導入した状態で、マイクロ波Mをチャンバ内に導入することによりプラズマPを生成する。このプラズマPにより、ガスが適宜分解あるいは活性化され、ラジカルなどの活性種や分解種Rが被処理物Wに作用する。このようにして、エッチングやアッシング、堆積、表面改質、ドーピングなどの各種のプラズマ処理を実施できる。
本発明によれば、このようなプラズマ処理装置700において、図1乃至図5に関して前述したマイクロ波導入器を設けることにより、チャンバ300壁面から離れた位置にプラズマPを発生させることができるため、パーティクルや金属汚染の発生が極めて少ない環境を得ることができる。
また、プラズマ処理装置700には、ループ状共振器210を設けても良い。すなわち、図6において導入導波管220に矢印Mの方向から導入されたマイクロ波は、導入導波管220とループ状共振器210との間に設けられた結合部を介してループ状共振器210に導入される。ループ状共振器210は、マイクロ波がループ状に伝搬しながら共振するように設計されている。そして、ループ状共振器210内で共振するマイクロ波は、図示しない結合部を介して導波管200に供給され、導波体100を介してチャンバ300の中に導入される。
このようなループ状共振器210を設ければ、導入導波管220から導入されたマイクロ波Mを共振させることができるので、それだけ強力なマイクロ波Mを導波管200を介して前述のマイクロ波導入器に送ることができる。
図7は、本実施形態のプラズマ処理装置の第2の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置710も、基本的な構成は図6に関して前述したプラズマ処理装置と同様であるが、ステージ400に高周波電源410が接続されている点が異なる。高周波電源410によってステージ400に高周波バイアスをかけ、活性種や分解種Rを被処理物Wに対して引き込むことができる。そのため、活性種や分解種Rのチャンバ壁面側への移動がますます少なくなり、パーティクルや金属汚染の発生をさらに抑えることができる。
図8は、本実施形態のプラズマ処理装置の第3の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置720も、基本的な構成は図6に関して前述したプラズマ処理装置と同様であるが、チャンバ壁面に冷却手段330を設けた点が異なる。すなわち、本具体例のプラズマ処理装置720では、冷却手段330によりチャンバ壁面の温度を下げることができる。そのため、チャンバ壁面と活性種や分解種Rとの反応が弱くなり、パーティクルや金属汚染の発生をさらに抑えることができる。ここで、本発明の効果により冷却手段330の冷却能力は、冷却手段のみによりパーティクルや金属汚染の発生を抑える場合に比べて大幅に低いものでも足りる。そのため、冷却手段330を設ける場合でも、プラズマ処理装置の機構の複雑化や装置寸法の過大化を抑えることができる。
図8では、冷却手段330をチャンバ天井部に設けた具体例を表したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、チャンバ側壁部や底部にも冷却手段を設けたり、これらのいずれか同士を適宜組み合わせてもよい。また、冷却手段300を、チャンバ外壁面や内壁面に接触させるように設けてもよい。また、冷却手段330として冷却媒体を循環させるものを設ける代わりに、例えば、冷風をチャンバの外壁面に吹きかけたり、ペルチェ素子などで冷却するようにしたものであってもよい。
また、図6乃至図8に示した具体例の各要素を適宜組み合わせてプラズマ処理装置を構成することもできる。例えば、前述のループ状共振器210、高周波電源410、冷却手段330などを適宜組み合わせてもよい。
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、本発明は、減圧空間でプラズマを生成しプラズマ処理する減圧プラズマ発生装置及び減圧プラズマ処理装置には限定されず、大気圧空間でプラズマを生成しプラズマ処理する大気圧プラズマ発生装置及び大気圧プラズマ処理装置に用いても、同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
また、本発明において用いる導波体100、導波管200、チャンバ300やこれらに付設される要素は、図示した形状、サイズのものには限定されず、その断面形状、壁面厚、開口の形状やサイズ、材質などは本発明の範囲内において適宜変更して同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
導波管は完全な方形である必要はなく、また同軸導入部や同軸変換部も完全な円筒状である必要はない。
また、チャンバ300の形状やサイズ、あるいはその内部の配置関係についても、図示したものには限定されず、プラズマ処理の内容や条件などを考慮して適宜決定することができる。例えば、プラズマ発生部はプラズマ処理室の上面でなく、側面や下面に付設してもよく、または、これらを組み合わせてもよい。つまり、ひとつのチャンバに複数のプラズマ発生部を付設してもよい。このようにすれば、被処理物の形状やサイズに合わせて均一あるいは所定の密度分布を有する大面積のプラズマを形成することが可能となる。
さらにまた、上述した具体例においては、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置の要部構成のみ説明したが、本発明は、このようなプラズマ発生装置を有する全てのプラズマ処理装置を包含し、例えば、エッチング装置、アッシング装置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマドーピング装置などとして実現したプラズマ処理装置のいずれもが本発明の範囲に包含される。
本発明の具体例にかかるマイクロ波導入器の要部基本構成を説明するための概念図である。 結合部100dの断面寸法と放射部100c付近の電界強度比の関係を例示する図である。 結合部100dの長さ寸法と放射部100c付近の電界強度比の関係を例示する図である。 導波体100付近のプラズマPの分布を例示する図である。 結合部100d部分を着脱自在とした場合の構造を例示した図である。 本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を例示するための概念図である。 ステージ400に高周波電源410が接続されているプラズマ処理装置の要部基本構成を例示する概念図である。 チャンバ壁面に冷却手段330を備えているプラズマ処理装置の要部基本構成を例示する概念図である。 マイクロ波励起型のプラズマ処理装置の概念図である。 導入機構を備えたプラズマ処理装置の概念図である。
符号の説明
100 導波体
100a 導入部
100b 伝搬部
100c 放射部
100d 結合部
110 導波体根
200 導波管
300 チャンバ
320 Oリング
400 ステージ
M マイクロ波
P プラズマ
R 活性種や分解種

Claims (12)

  1. プラズマを生成する空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、
    前記チャンバの壁面から前記プラズマを生成する空間に向けて突出する誘電体からなる導波体を備え、
    前記導波体は、マイクロ波を導入する導入部と、前記導入部から前記プラズマを生成する空間に向けて突出した伝搬部と、前記プラズマを生成する空間にマイクロ波を放射させる放射部と、前記伝搬部と前記放射部の間に設けられる結合部と、を有し、前記結合部は、前記伝搬部及び前記放射部よりも小なる断面を有することを特徴とするマイクロ波導入器。
  2. 前記結合部は、前記放射部から前記伝搬部に戻るマイクロ波の反射を阻害することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波導入器。
  3. 前記放射部は、前記マイクロ波を共振させることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波導入器。
  4. 前記結合部は、前記伝搬部に対して着脱自在とされたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器。
  5. 前記結合部は、前記放射部に対して着脱自在とされたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器。
  6. チャンバと、
    前記チャンバに取り付けられた請求項1〜のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器と、
    を備え、
    前記導波体を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを生成する空間においてプラズマを生成可能としたことを特徴とするプラズマ発生装置。
  7. 前記チャンバの外側に設けられ、前記導波体にマイクロ波を導入する導波管をさらに備えたことを特徴とする請求項記載のプラズマ発生装置。
  8. 前記導波管の中心軸と、前記導波体の中心軸と、が略同軸とされたことを特徴とする請求項記載のプラズマ発生装置。
  9. 複数の前記導波体と、
    前記複数の導波体にマイクロ波を導入する複数の導波管と、
    前記複数の導波管のそれぞれにマイクロ波を導入する環状共振器と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項記載のプラズマ発生装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1つに記載のプラズマ発生装置を備え、
    前記生成された前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 前記プラズマ発生装置に対向するように前記被処理物を載置するステージと、
    前記ステージに接続される高周波電源と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項10記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記チャンバの壁を冷却するための冷却手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10または11に記載のプラズマ処理装置。
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