JP2007220638A - マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ密度に依存しないインピーダンスを有しかつ導波体の長さを短くしてもマイクロ波吸収率(パワー吸収率)が低下しないマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】プラズマを生成する空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、前記チャンバの壁面から前記プラズマを生成する空間に向けて突出する誘電体の導波体を備え、前記導波体は、先端に向けて断面寸法が徐々に小さくなる形状を有し、かつその表面には前記導波体の実効的な誘電率に影響を及ぼす凹凸部が形成されていることを特徴とするマイクロ波導入器を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマ発生室の内部に高い効率でマイクロ波を導入可能なマイクロ波導入器、およびこれを備えたプラズマ発生装置、エッチング装置などのプラズマ処理装置に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体製造装置、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体や液晶ディスプレイなどの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
このようなプラズマ処理を行う装置の代表的なものして、周波数が100メガヘルツ〜数10ギガヘルツのマイクロ波によりプラズマを励起する「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置がある。マイクロ波励起型のプラズマ源は、高周波プラズマ源などに比べてプラズマ電位が低いので、ダメージ無しのレジスト・アッシング(resist ashing)や、バイアス電圧を印加した異方性エッチングなどに広く使われる。
マイクロ波励起型のプラズマ処理装置においては、マイクロ波を真空チャンバ内に導入する必要がある。例えば、大面積の誘電体窓を用いる方法(例えば、特許文献1)と、小面積の誘電体窓を用いる方法(例えば、特許文献2)と、がある。大面積の誘電体窓を用いる場合、その寸法は、マイクロ波の波長よりも大きくし、小面積の誘電体窓を用いる場合は、その寸法をマイクロ波の波長よりも小さくする。
プラズマプロセスにおいて用いるマイクロ波の周波数はいくつかの範囲に限定されており、最もよく用いられるものは、2.45ギガヘルツである。2.45ギガヘルツで使われる導波管は、JIS規格のWRJ−2(断面内径寸法:109.22×54.61ミリメータ、周波数範囲:1.70〜2.60ギガヘルツ)と、WRJ−2.6(断面内径寸法:86.36×43.18ミリメータ、周波数範囲:2.20〜3.30ギガヘルツ)の2種類に限られている。これら導波管WRJ−2、WRJ−2.6を含めて、全てのJIS−WRJシリーズ導波管の寸法比率は、(H面長さ):(E面長さ)=2:1に決められている。これら導波管を伝搬してきたマイクロ波をチャンバ内に導入する部分は、「導入器(applicator)」と呼ばれる。導入器の重要な役割は、導波管のインピーダンスとプラズマのインピーダンスとを整合(matching:マッチング)させることである(例えば、特許文献1〜4)。マッチングが不十分な場合には、マイクロ波発振器と導入器との間に、自動または手動の整合器(matching:マッチャー)を設けて整合をとる必要がある。
しかし、従来の導入器の場合、プラズマの密度が変わると、導入器のインピーダンスも変化する。導入器のインピーダンスの変化が大きくなると、プラズマプロセスに際して必要とされる連続的なプラズマ密度制御が、手動の整合器では対応できなくなり、高価な自動整合器が必要となる。また、導入器のインピーダンスの変化がさらに大きくなると、自動整合器でもマッチングをとることが困難となり、非線形な現象による不連続的な電子密度・インピーダンスのジャンプが発生して、連続的なプロセス制御が困難になる。本発明者は、これに対して、マイクロ波の入口から先端までの間の何処かにおいて、カットオフ状態となるように形成された導波体を提案した(特許文献3)。
一方、特許文献4には誘電体窓の内側(プラズマ側)に突条の凹凸部を設けることにより、大面積に亘って均一なプラズマを生成可能としたプラズマ発生装置が開示されている。このプラズマ発生装置では、マイクロ波は断面が矩形状の導波空間を有する導波管内を伝搬した後、スロットアンテナを介して誘電体透過窓に入射する。誘電体透過窓には、そのプラズマ側に、断面が矩形状の凹凸部が設けられている。凹凸部を設けない場合、スロットアンテナから放射されたマイクロ波は、スロットアンテナの近傍に局在化する傾向がある。これに対して、凹凸部を設けることにより、マイクロ波の表面波は、その凹凸部に沿って伝搬し、透過窓の全面に亘って均一なプラズマを生成する。
特開平10−255999号公報 特開2003−124193号公報 特開2003−264099号公報 特開2003−142457号公報
ところで、プラズマ発生装置においては、プラズマの均一性を上げるとともに、マイクロ波の持つパワーを有効にプラズマに吸収させて、プラズマの生成効率を上げることが極めて重要である。しかし、後述のように所定のプロセス条件等の中でマイクロ波吸収率(パワー吸収率)が最大となるような導波体を設計することは困難であり、吸収率の悪さを考慮して導波体の長さを長いものとせざるを得なかった。また、断面積が徐々に変化する導入器においては、導波体の長さを短くすると断面寸法の変化が激しくなり前述のカットオフ状態となる領域が狭くなるためマイクロ波吸収率(パワー吸収率)が低下し、かつ不安定となるという課題もあった。
また、特許文献4には誘電体窓の内側(プラズマ側)に突条の凹凸部を設ける技術が開示されている。しかしながら、本技術は凹凸部の寸法を一定にする場合を前提としている。後述するように凹凸部の寸法を一定とすれば、導波体の実効的な誘電率は、マイクロ波吸収率を最大とする値には必ずしもならない。
本発明は以上の事情を鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、プラズマ密度に依存しない安定したインピーダンスを有し、かつ導波体の長さを短くしてもマイクロ波吸収率(パワー吸収率)が低下しないマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供する。
本発明の一態様によれば、
プラズマを生成する空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、
前記チャンバの壁面から前記プラズマを生成する空間に向けて突出する誘電体の導波体を備え、
前記導波体は、先端に向けて断面寸法が徐々に小さくなる形状を有し、かつその表面には前記導波体の実効的な誘電率に影響を及ぼす凹凸部が形成されていることを特徴とするマイクロ波導入器が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
チャンバと、
前記チャンバに取り付けられた上記のマイクロ波導入器と、
を備え、
前記導波体を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを生成する空間においてプラズマを生成可能としたことを特徴とするプラズマ発生装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
上記のプラズマ発生装置を備え、
前記生成された前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
以上詳述したように、本発明によれば、プラズマ密度に依存しないインピーダンスを有しかつ長さの短いマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
以下、本発明の実施の形態について、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の具体例にかかるマイクロ波導入器の要部基本構成を説明するための概念図である。すなわち、同図(a)はその模式断面図であり、同図(b)はその一部拡大図である。
本具体例は、減圧プラズマ発生装置に用いることができるマイクロ波導入器である。このマイクロ波導入器は、誘電体からなる導波体100を有する。導波体100は、プラズマを発生させるためのチャンバ300の壁面からチャンバ300の内側(図1(a)の右側)の減圧空間に向けて突出するように取り付けられる。この導波体100には、チャンバ300の外側から、導波管200を介してマイクロ波Mが供給される。
図1に表した具体例の場合、導波体100は円錐台状であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、断面寸法が徐々に小さくなるものであれば任意の断面形状のものであってもよい。例えば、断面が三角形、四角形、多角形、楕円形、外形線が任意の直線や曲線で構成されたものなどであってもよい。チャンバ300の内部(同図の右側)の減圧雰囲気を維持するために、導波体100の根元には、導波体100よりも外径の大きい導波体根110が設けられ、Oリング320により気密を確保している。ただし、この導波体根110やOリング320は本発明において必須ではなく、他の方法により気密を確保してもよい。導波体100の表面には凹凸部120が形成されている。図1に表した具体例の場合、凹凸部120は断面が矩形の突条体である。
前述のように導波体100の形状は、円錐台状であり導波体100の根元(導波管200に近い側)においては断面寸法は大きく、先端(導波管200から遠い側)に近づくに従って断面寸法は小さくなる。一般に、誘電体を介してマイクロ波Mのパワーがプラズマに効率的に供給されるためには、両者がカップリングする必要がある。マイクロ波Mが誘電体の中で励起できるモードは、誘電体のサイズが大きいほど増える。従って、プラズマの密度が高い場合には、サイズの大きな誘電体を介してマイクロ波Mを供給することが望ましい。一方、プラズマの密度が低い場合には、サイズが小さく、励起モードが抑制された誘電体を介してマイクロ波Mを供給することが望ましい。
図1(a)に例示した如く、本実施形態においては、先端に向けて径が縮小する導波体100を設ける。一般に、プラズマの密度は、マイクロ波Mの供給源から遠ざかるにつれて低下する。
図2は、プラズマの密度の変化を説明するための模式図である。同図に表したように、L1からL4の方向にプラズマが遠ざかるにつれてその密度は低下する。これに対して、導波体60の径も順次縮小し、誘電体の中でマイクロ波Mが励起できるモードの数も減少する。
すなわち、プラズマの密度が高いときはL1に近い側においてカップリングが生じ、プラズマの密度が低い時はL4に近い側でカップリングさせることができる。つまり、本実施形態においては、プラズマの密度に応じて必ず最適なマイクロ波Mとのカップリングを生じさせることができる。
チャンバ300の内部では、例えば、そのガス流や圧力の分布、あるいは内部構造物の配置関係などにより、プラズマの点火条件や維持条件は必ずしも同一ではない場合も多い。これに対して、本実施形態によれば、チャンバ300の内部に向けて突出した円錐台状の導波体100を設けることにより、どのような条件下においても、プラズマを確実に点火させ、また安定的に維持させることができる。
また、本具体例のマイクロ波導入器においては、導波体100の中心軸C1と、導波管200の中心軸C2とがほぼ一致している。さらに、導波体100の根元(導波管200に近い側)の断面寸法は、導波管200の内径に近いサイズにされている。このようにすると、導波管200を伝搬したマイクロ波Mが導波体100に入力される時の反射波の発生を抑制できる。その結果として、マイクロ波Mの損失を抑制し、高い効率でプラズマを生成できる。
本発明者は、導波体100の具体的な形状や寸法について定量的な検討を行った。この際に考慮した点は、以下の如くである。
まず第1に、サイズの問題がある。すなわち、チャンバ300の大型化などを防ぐためには、導波体100はできるだけ短いほうがよい。しかし、逆に、幅広いプラズマ密度範囲において完全にマイクロ波Mを救出させるためには、ある程度長くて断面寸法の変化が連続的且つ滑らかであり、マイクロ波吸収率の高い導波体が必要である。実用的なサイズを考慮すると、マイクロ波Mの吸収率が50〜60パーセントでも、できるだけ短い(長さ5〜10センチメータ程度)導波体が望ましい。
第2に、再現性の問題がある。すなわち、導波体の中に複数のマイクロ波モードが存在する場合、実際に励起されているモードを予め予測することは困難である。導波体の周囲環境の変化(例えば、ガス圧などのプロセス条件の変化)によりマイクロ波Mのモードが変化する可能性もある。プラズマの再現性や安定性の点からは、できるだけ限定された唯一のモードで励起される導波体とすることが望ましい。導波体の断面寸法を大きくすると、励起できるモード数が多くなる。モード数を1にするためには、導波体の断面寸法を小さくしなければならない。その反面で、マイクロ波Mとプラズマとの相互作用(interaction)を強くするためには、導波体のサイズを大きくすることが望ましい。
つまり、短い導波体の中でのマイクロ波Mのモード数を1に近づけるためには、大面積化に限りがあり、複数の導波体によりプラズマを生成することが有利となる。ただし、この場合でも、複数の導波体にマイクロ波パワーを均等に分配するためには、インピーダンスの変動が小さいマイクロ波導入器が必要とされる。
第3に、導波管とのマッチングの問題がある。すなわち、導波体に入力されたパワーを完全に反射せずにプラズマに吸収させる導波体であっても、マイクロ波Mをこの導波体に標準の導波管から導入しなければならないので、導波体と導波管のマッチングが良好であることが必要である。従って、例えば、前述したJIS規格のJIS−WRJシリーズの導波管とのマッチングが良好な導波体とすることが望ましい。
図3は、本発明者が検討した導波体のサイズを説明するための模式図である。
ここでは、導波体100の材料として、誘電率3.8の石英を用いた場合について説明する。導波体100は、円錐台状であり、その先端の直径をA、チャンバ内壁から突出する長さをL、チャンバ内壁における直径をB、チャンバ内壁を貫通する部分105の厚みと導波体根110の厚みをそれぞれD、導波体根110の直径をC、マイクロ波Mの自由空間での波長をλとしたときに、概ね以下の範囲が望ましいことが判明した。

A<0.3λ
B<0.499λ
C=0.656λ
D=(5〜10)ミリメータ
L=(0.40〜1.7)×λ

導波体100のサイズを上記の範囲内とすると、導波体100において許容されるマイクロ波Mの励起モードを、TE11モードと、TM01モードのみに制限できる。
図4は、TE11モードを表す模式図である。
すなわち、円錐台状の導波体100の中において、図4(a)に表したように垂直分極する場合と、同図(b)に表したように水平分極する場合とがあり得る。
これらTE11モードのカットオフ直径は、0.3λである。すなわち、導波体100の直径がマイクロ波Mの波長の0.3倍の部分において、TE11モードのマイクロ波Mからプラズマにパワーが高い効率で入力される。従って、TE11モードのカップリングを生じさせるためには、導波体100の先端の直径Aを0.3λよりも小さくすることが望ましい。本発明者の試作検討の結果によれば、直径Aは、(0.13〜0.41)λの範囲とすると良好な結果が得られた。
次に、図5は、TM01モードを表す模式図である。
すなわち、TM01モードにおいては、導波体100の中心から周囲に均等に広がる分極が形成される。
このTM01モードのカットオフ直径は、0.393λである。すなわち、導波体100の直径がマイクロ波Mの波長の0.393倍の部分において、TM01モードのマイクロ波Mからプラズマにパワーが高い効率で入力される。
一方、TE11モードとTM01モード以外のモードのカットオフ直径は、0.499λよりも大きい。すなわち、導波体100の直径をマイクロ波Mの波長の0.499倍よりも大きくしない限り、TE11モードとTM01モード以外のモードのマイクロ波Mがプラズマに作用することはない。従って、導波体100の直径Bは、0.499λよりも小さい範囲でできるだけ大きくすることが望ましい。マイクロ波Mの吸収面積をできるだけ大きくするためである。この観点からは、直径Bを例えば、0.492λ程度とするとよい。
また一方、導波管200としてJIS規格の導波管を用いた場合、その縦横幅の比率が1:2であるために、導波管200において励起されるマイクロ波Mのモードが制限される。
図6は、導波管200において励起されるマイクロ波Mのモードを表す模式図である。 すなわち、マイクロ波Mは、導波管200をその断面から眺めた時に、短辺に対して平行な方向に分極するモードに励起される。このため、図4(b)に表した水平分極のTE11モードと、図5に表したTM01モードは励起されず、図4(a)に表した垂直分極のTE11モードのみが導波体100に励起されることとなる。
以上説明したように、導波体100の直径を0.499λよりも小さくし、且つ、0.3λとなる部分があるように形成すると、垂直分極のTE11モードのみを導波体100に励起でき、且つ、高い効率でプラズマにパワーを供給できる。単一のモードのみを励起可能とすることにより、高い再現性と高い安定性でプラズマを生成できる。
次に、導波体100の表面に設けられた凹凸部120の作用について説明する。マイクロ波Mによりプラズマを生成させる場合、マイクロ波Mの持つパワーを有効にプラズマに吸収させる必要がある。マイクロ波吸収率(パワー吸収率)は、表面波空間減衰係数αに比例する。表面波空間減衰係数αは、次式に表すように時間減衰係数γに比例し群速度νgに反比例する。

α=γ/νg (1)

時間減衰係数γは、主に電子・原子衝突周波数で決まるため、処理ガスの圧力やその成分の影響を強く受けるが、これらは半導体装置などの製造におけるそれぞれのプロセス条件に応じて決定される。そのため、所定のプロセス条件を前提とした場合、マイクロ波吸収率(パワー吸収率)のみを上げることを目的として処理ガスの圧力やその成分を変えることはできない。つまり、時間減衰係数γを変えることによって表面波空間減衰係数α、ひいてはマイクロ波吸収率(パワー吸収率)を最適化することは困難である。
また、群速度νgは、マイクロ波周波数、プラズマ密度、誘電体(導波体)の誘電率により決定される。ここで、マイクロ波周波数は、経済性などを考慮するとほぼ工業用周波数(例えば、2.45ギガヘルツ)に固定されてしまう。また、プラズマ密度も、半導体装置などの製造におけるそれぞれのプロセス条件によりほぼ決定されてしまい、マイクロ波吸収率(パワー吸収率)のみを上げることを目的として自由に変えることはできない。誘電体の材質も、経済性や耐化学反応性を考慮すると石英やアルミナのような一定の材料に限られ誘電率もほぼ一定のの範囲に固定されてしまう。そのため、従来は群速度νgを変えることにより、表面波空間減衰係数α、ひいてはマイクロ波吸収率(パワー吸収率)を変えることも困難であった。
本発明においては、表面波が伝搬する導波体100の表面部分に凹凸部120が形成されている。こうすると、後述するように、凹凸部120の充填率(誘電体部分が占める比率)を変えることで、導波体100の表面部分の実効的な誘電率を変えることができる。その結果として、所定のプロセス条件にあわせてマイクロ波吸収率(パワー吸収率)が最大となるよう最適な群速度νgを持つ導波体100を得ることができる。また、導波体100の長さを短くすると、低下するマイクロ波吸収率(パワー吸収率)を引き上げることができるため、導波体の長さをより短くすることができる。なお、これは、導波体100の凸部に沿って表面波が伝搬する場合である。
第1の具体例として、凹凸部120の断面が矩形の場合の実効的な誘電率について説明する。
図1(b)は、凹凸部120を拡大して表した模式断面図である。導波体100を構成する誘電体の誘電率をεとした場合、凹凸部120における実効的な(effective)誘電率εeffは、次式により表され、誘電体の誘電率εとプラズマの誘電率εとの中間的な値となる。

εeff=F・ε+(1−F)・ε (2)
F=S/ρ

ここで、F=s/ρ は、前述した充填率(filling factor)である。充填率Fを変えることにより、凹凸部120の実効的な誘電率εeffを変えることができる。充填率Fは、プロセス条件を考慮の上、凹凸部120の深さや幅などを変えることにより適宜決定することができる。
図7(a)は、凹凸部120が矩形断面の場合の実効的な誘電率の分布を示す概念図である。
矩形断面の場合、凹凸部120の部分における実効的な誘電率εeffは(2)式により表した如くであり、充填率Fの値に応じて、導波体100を構成する誘電体の誘電率εpとプラズマの誘電率εpとの間の値を有する。
矩形断面の場合の実効的な誘電率εeffについて具体例を用いて説明する。前述のように、一般的には誘電体の材質は限られるため、誘電体の誘電率εは4〜10の間の値となる(例えば、石英は3.8であり、アルミナは8.5である)。そして、これに対しプラズマの誘電率εも−4〜−10となるのが一般的である。このような場合、実効的な誘電率εeffをどのように選ぶかが問題となるが、本発明者の研究の結果、誘電体の誘電率εとプラズマの誘電率εの値の間の値で、かつ、誘電体の誘電率εまたはプラズマの誘電率εのどちらかの値と絶対値を同じにし、符号を逆にした値に実質的になるように、誘電率εeffを選べば良いことがわかった。例えば、誘電体が石英でε=3.8、プラズマの誘電率εが−10の場合はεeff=−3.8とすればよく、また、誘電体がアルミナでε=8.5、プラズマの誘電率εが−5の場合であればεeff=5となるようにすればよい。これは、実効的な誘電率εeffをこのような値に選べば、導波体100の表面で表面波共振が起こり群速度νgが0に近づくため、表面波空間減衰係数αが大きくなるからであると考えられる。
第2の具体例として、凹凸部120の充填率をその高さ方向に対して略連続的に変化させることにより、実効的な誘電率εeffを略連続的に変化させる場合を説明する。導波体100の表面(プラズマ側)付近に、複数の突起などからなり充填率をその高さ方向に対して略連続的に変化させる遷移領域を設けることにより、図7(b)及び(c)に例示した如く実効的な誘電率εeffを略連続的に変化させることができる。
例えば、図7(b)に表した具体例の場合、遷移領域の誘電率εeffを誘電率ε からε に至るまでの範囲に亘り、連続的に変化させることができる。
また、図7(c)に表した具体例の場合、遷移領域の誘電率εeffをεeff1からεeff2に至るまでの範囲に亘って連続的に変化させることができる。
このようにすれば、遷移領域の誘電率εeffが変化している範囲に、前述の矩形突条体の例で説明した最適な実効的誘電率を有する部分が含まれるので、マイクロ波吸収率(パワー吸収率)を高めるのに最適な群速度νgを有する導波体を容易に得ることができる。
なお、図7(b)及び(c)は一例に過ぎず、遷移領域における誘電率εeffの分布としては、この他にも各種の分布を与えることができる。
図8も、遷移領域における誘電率εeffの分布を例示する概念図である。すなわち、遷移領域の誘電率εeffは、図8(a)に表したように略直線状に変化してもよく、また、図8(b)に表したように階段状に変化してもよい。階段状に変化させた場合、厳密には連続的とはいえないが、変化のステップを細かくすれば実質的に連続的な変化と同等の効果を得ることができる。
図9は、本発明において用いることができる導波体100の表面部分の凹凸部120の形状を例示する模式図である。
まず、同図(a)に表した具体例の場合、導波体100の表面(プラズマ側)に、断面が略三角形状の複数の突条の凸部100Pが設けられている。これら凸部100Pの設けられた領域が遷移領域として作用する。断面が略三角形状の凸部100Pを設けた場合、図7(b)あるいは図8(a)などに例示した如く、遷移領域の誘電率εeffの最大値と最小値を、それぞれ誘電体の誘電率εdとプラズマPの誘電率εpにまで拡げることができる。凸部100Pの高さ、すなわち遷移領域100の幅(厚み)は、マイクロ波Mの波長よりも小さいことが望ましく、典型的には、例えば数ミリメータ程度とすればよい。
次に、図9(b)に表した具体例の場合、導波体100の表面(プラズマ側)に、断面が略台形状の複数の突条の凸部100Pが設けられている。これら凸部100Pが設けられた領域が遷移領域として作用する。断面が略台形状の凸部を設けた場合には、図7(c)に例示した如く、遷移領域の誘電率εeffの最大値と最小値は、それぞれ誘電体の誘電率εdとプラズマPの誘電率εpにまでは至らないが、遷移領域に前述の最適な実効的誘電率を有する部分が含まれるようにすればよい。
次に、図9(c)に表した具体例の場合、導波体100の表面(プラズマ側)に、断面が略台形状でありその側面が湾曲した複数の突条の凸部100Pが設けられている。これら凸部100Pの設けられた領域が遷移領域として作用する。本具体例の場合も、図7(c)に例示した如く、遷移領域の誘電率εeffの最大値と最小値は、それぞれ誘電体の誘電率εdとプラズマPの誘電率εにまでは至らないが、遷移領域に前述の最適な実効的誘電率を有する部分が含まれるようにすればよい。
また、図9(d)に表した具体例の場合、導波体100の表面(プラズマ側)に、断面が先端に向けて略階段状に集束する形状の突条の凸部100Pが設けられている。このように、略階段状の断面形状を採用した場合には、平均の誘電率εeffの変化も略階段状となるが、変化のステップをある程度細かくすれば、誘電率εeffの変化を略連続的、すなわち実質的に連続的なものとすることが可能である。
図10は、本発明において用いることができる導波体100の表面部分の凹凸部120の他の具体例を表す模式図である。
すなわち、同図(a)に斜視図として表したように、導波体100の表面(プラズマ側)に、ピン状あるいはコーン状の複数の突起100Pを設けることにより、実効的な誘電率εeffを略連続的に変化させることができる。
この場合、突起100Pの形状としては、同図(b)に断面図として表したように略円錐状でもよく、また、同図(c)に表したように略円錐台状でもよく、また、同図(d)に表したように 曲面回転体状や、同図(e)に表したように、その頂点を切り取った形状でもよい。またさらに、同図(f)に表したように、先端に向けて略階段状に集束する形状であってもよい。
これらいずれの場合にも、遷移領域において誘電率εeffを連続的または略連続的に変化させることができる。
図11は、本発明において用いることができる導波体100の表面部分の凹凸部120のさらに他の具体例を表す模式図である。
すなわち、同図(a)に斜視図として表したように、複数の先絞り状の孔100Hを設けることによっても実効的な誘電率εeffを連続的に変化させることが可能である。
この場合、孔100Hの形状としては、同図(b)に断面図として表したように略円錐状としてもよく、また、同図(c)に表したように略円錐台状、同図(d)に表したように曲面回転体状や、同図(e)に表したようにその頂点を切り取った形状であってもよい。またさらに、同図(f)に表したように、先端(孔の底)に向けて略階段状に集束する形状であってもよい。
また、図9乃至図11に例示した以外にも、各種の形状を有する凸部、突起、あるいは孔を設けて同様の効果を得ることができる。また、これら凸部、突起、孔を適宜組合せてもよい。すなわち、本発明においては、導波体100の表面(プラズマ側)において、誘電率εeffの連続的な変化が生ずる構造であればよい。
図12は、本実施形態における導波体100のもうひとつの具体例を表す模式図であり、同図(a)は導波体100の模式断面図、同図(b)はそのA−A線断面図である。
また、図13は、本具体例の導波体100の斜視図である。
すなわち、本具体例においては、断面が矩形の突条体としての凹凸部120が、導波体100の軸方向に沿って形成されている。このような凹凸部120を形成した場合、導波体100の先端から根元に亘り、その断面のサイズが連続的に変化する。従って、凹凸120の効果を確保しつつ、プラズマの電子密度の変化に対して連続的に整合させることが可能となり、プラズマをより安定に維持することができる。
以下、本発明者が具体的におこなった実験例を参照しつつ、本発明の効果についてさらに詳細に説明する。
図14は、マイクロ波出力とマイクロ波反射振幅係数|Γ|との関係を例示するグラフ図であり、同図(a)は導波体100の表面に凹凸部120を設けない比較例、同図(b)は導波体100の表面に凹凸部120を設けた本発明の実施例についてそれぞれ表す。
マイクロ波反射係数|Γ|の測定は、マイクロ波Mを導波体100に導入し、プラズマが生成されたところでおこなった。本実験の条件としては、導波体形状を図1(a)に示したような円錐台状とし、その長さを50mm、その材質を石英とした。凹凸部120の形状は図1(a)及び(b)に表した如くであり、ここでS=5mm、ρ=10mm、深さ5mmとした。マイクロ波Mの周波数は、2.45ギガヘルツとした。また、ガスは、酸素(O)であり、チャンバ内圧力は15Paである。
ここで、マイクロ波反射係数|Γ|とマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aとの関係は下記の式で表すことができる。

A=1−|Γ| (3)

図14から、マイクロ波出力が高い条件(500〜600W付近)におけるマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aを考察する。同図(a)からわかるように凹凸部120がないものではマイクロ波反射係数|Γ|は0.8程度であり、同図(b)からわかるように凹凸部120があるものではマイクロ波反射係数|Γ|は0.4程度である。これらの値を式(3)に代入してマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aを求めてみると、凹凸部120がないものではA=1−0.8 =0.36であり、凹凸部120があるものではA=1−0.4 =0.86である。つまり、凹凸部120を設けることでマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aを2倍以上にすることが可能となる。なお、本実験では、凹凸部の形状(S=5mm、ρ=10mm、深さ5mm)を簡易的に決定したため、実効的な誘電率は必ずしも最適値とはなっていない。そのため、前述のように最適な誘電率を与える凹凸部120の形状であれば、さらに高い効果が期待できる。
図15は、表面に凹凸部120がない比較例の導波体の導波体長さとマイクロ波反射係数|Γ|との関係を例示するグラフ図である。
また、図16は、このグラフ図に対応する本比較例の導波体を表す模式図であり、同図(a)は導波体をチャンバに取り付ける状態を例示する模式断面図、同図(b)〜(e)はそれぞれ実際に取り付けた導波体を表す模式断面図である。ここで、比較例の導波体100の材質は石英、チャンバ内圧力は15Pa、ガスは酸素(O)とした。
この結果から、導波体の長さが200mmの時はマイクロ波反射係数|Γ|は0.26であり、導波体の長さが50mmの時はマイクロ波反射係数|Γ|は0.77であることがわかる。これを(3)の式に代入してマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aを求めると、導波体の長さが200mmの時はマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aは0.93、導波体の長さが50mmの時はマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aは0.41となる。すなわち、長さを1/4(200mm→50mm)にすると、マイクロ波吸収率(パワー吸収率)は1/2(0.93→0.41)程度まで低下することとなる。
図14乃至図16から、比較例においては導波体の長さを1/4にしたために1/2程度まで低下したマイクロ波吸収率(パワー吸収率)を、本発明の実施例によれば、表面に凹凸を設けることによりこれを2倍に引き上げ元のマイクロ波吸収率(パワー吸収率)に戻すことができることがわかる。これは、表面に適切な凹凸部を設ければ、マイクロ波吸収率(パワー吸収率)を落とさずとも非常に短い長さの導波体(1/4程度)100を得ることができることを意味する。
なお、図14(b)から、本発明の実施例によれば、マイクロ波Mの出力を高出力から低出力に落としてもマイクロ波反射係数|Γ|はほぼ一定であることもわかる。このことは、高出力から低出力までマイクロ波吸収率(パワー吸収率)Aがほぼ一定であり、処理中に出力が変動したり出力を調整しても安定してプラズマを生成し続けられることを意味している。
次に、凹凸部120の分布についてさらに説明する。
前述した具体例は、導波体100の表面に略均一に凹凸部120を設けた構造を有するが、凹凸部120の分布を変えることによりプラズマの分布を変えることもできる。例えば、プラズマが導波体100の根本部分(導波管200に近い側)に多く生成される場合、導波体100の根本付近のチャンバ壁面がスパッタされて金属汚染が発生してしまうことがある。このような場合には、導波体100の先端側(導波管200から遠い側)に凹凸部を偏在させてプラズマの発生場所を導波体100の先端側に誘導すると、チャンバ壁面のスパッタを防止し金属汚染を防ぐことができる。また、凹部と凹部の間の寸法(または、凸部と凸部の間の寸法)を適宜選択することによっても、プラズマの分布を変えることができる。
次に、本発明のマイクロ波導入器を用いたプラズマ生成装置及びプラズマ処理装置について説明する。
図17は、本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を説明するための概念図である。
また、図18は、チャンバ300を上方から眺めた時のマイクロ波導入器の配置を例示する模式平面図である。
本実施形態のプラズマ処理装置は、減圧状態でプラズマ処理を実施可能としたものであり、チャンバ300と、これに取り付けられた導波体100と、を有する。導波体100は、図1乃至図14に関して前述した本発明の実施の形態にかかるマイクロ波導入器の導波体である。この導波体100は、例えば、図18に例示したように、チャンバ300の中心軸からみて同一円周上に等間隔に配置することができる。これら導波体100には、導波管200からマイクロ波Mが導入される。
一方、チャンバ300は、真空排気手段Eによりその内部を減圧状態に維持可能とされている。ステージ330の上に被処理物Wを載置し、図示しないガス導入系を介して、所定のガスを導入した状態で、マイクロ波Mをチャンバ内に導入することによりプラズマPを生成する。このプラズマにより、ガスが適宜分解あるいは活性化され、ラジカルなどの活性種や分解種Rが被処理物Wに作用する。このようにして、エッチングやアッシング、堆積、表面改質、ドーピングなどの各種のプラズマ処理を実施できる。
本発明によれば、このようなプラズマ処理装置において、図1乃至図14に関して前述したマイクロ波導入器を設けることにより、高い効率でマイクロ波Mを導入して安定した高密度のプラズマPを生成できる。また、プロセス条件が変化したり変動した場合でもプラズマを安定して生成・維持できる。
また、図2に関して前述したように、プラズマの密度が高い状態においても、低い状態においても、導波体100でカップリングさせることができる。つまり、本実施形態においては、プラズマの密度に応じて必ず最適なマイクロ波Mとのカップリングを生じさせることができる。
チャンバ300の内部では、例えば、そのガス流や圧力の分布、あるいは内部構造物の配置関係などにより、プラズマの点火条件や維持条件は必ずしも同一ではない場合も多い。これに対して、本実施形態によれば、複数の導波体100を設けることにより、どの導波体100においても、プラズマを確実に点火させ、また安定的に維持させることができる。
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、本発明は、減圧空間でプラズマを生成しプラズマ処理する減圧プラズマ発生装置及び減圧プラズマ処理装置には限定されず、大気圧空間でプラズマを生成しプラズマ処理する大気圧プラズマ発生装置及び大気圧プラズマ処理装置に用いても、同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
また、本発明において用いる導波体100、導波管200、チャンバ300やこれらに付設される要素は、図示した形状、サイズのものには限定されず、その断面形状、壁面厚、開口の形状やサイズ、材質などは本発明の範囲内において適宜変更して同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
導波管は完全な方形である必要はなく、また同軸導入部や同軸変換部も完全な円筒状である必要はない。
また、チャンバ300の形状やサイズ、あるいはその内部の配置関係についても、図示したものには限定されず、プラズマ処理の内容や条件などを考慮して適宜決定することができる。例えば、プラズマ発生部はプラズマ処理室の上面でなく、側面や下面に付設してもよく、または、これらを組み合わせてもよい。つまり、ひとつのチャンバに複数のプラズマ発生部を付設してもよい。このようにすれば、被処理物の形状やサイズに合わせて均一あるいは所定の密度分布を有する大面積のプラズマを形成することが可能となる。
さらにまた、上述した具体例においては、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置の要部構成のみ説明したが、本発明は、このようなプラズマ発生装置を有する全てのプラズマ処理装置を包含し、例えば、エッチング装置、アッシング装置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマドーピング装置などとして実現したプラズマ処理装置のいずれもが本発明の範囲に包含される。
本発明の具体例にかかるマイクロ波導入器の要部基本構成を説明するための概念図である。 プラズマの密度の変化を説明するための模式図である。 本発明者が検討した導波体のサイズを説明するための模式図である。 TE11モードを表す模式図である。 TM01モードを表す模式図である。 導波管200において励起されるマイクロ波のモードを表す模式図である。 プラズマが生成された状態での誘電率の分布を例示するグラフ図である。 遷移領域における誘電率εeffの分布を例示するグラフ図である。 本発明において用いることができる導波体100の形状を例示する模式図である。 本発明において用いることができる導波体100の他の具体例を表す模式図である。 発明において用いることができる導波体100のさらに他の具体例を表す模式図である。 本発明の実施形態における導波体100のもうひとつの具体例を表す模式図であり、同図(a)は導波体100の模式断面図、同図(b)はそのA−A線断面図である。 図12に表した具体例の導波体100の斜視図である。 凹凸部120の有無によるマイクロ波反射係数|Γ|の違いを示すグラフ図である。 表面に凹凸部120がない比較例の導波体の導波体長さとマイクロ波反射係数|Γ|との関係を例示するグラフ図である。 図15に対応する比較例の導波体を表す模式図である。 本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を説明するための概念図である。 チャンバ300の上方から眺めた時のマイクロ波導入器の配置を例示する模式平面図である。
符号の説明
100 導波体
120 凹凸部
110 導波体根
200 導波管
300 チャンバ
320 Oリング
330 ステージ
M マイクロ波
P プラズマ
R 活性種や分解種

Claims (12)

  1. プラズマを生成する空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、
    前記チャンバの壁面から前記プラズマを生成する空間に向けて突出する誘電体の導波体を備え、
    前記導波体は、先端に向けて断面寸法が徐々に小さくなる形状を有し、かつその表面には前記導波体の実効的な誘電率に影響を及ぼす凹凸部が形成されていることを特徴とするマイクロ波導入器。
  2. 前記導波体の形状は、先端に向けて直径が小さくなる略円錐台状であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波導入器。
  3. 前記凹凸部は、断面が略矩形の複数の突条体を有することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波導入器。
  4. 前記凹凸部は、前記プラズマに向けて実効的な誘電率が略連続的に低下する遷移領域を前記プラズマとの間に形成する複数の突条体を有することを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波導入器。
  5. 前記遷移領域は、前記プラズマに向けて前記誘電体の充填率が略連続的に低下してなる領域であることを特徴とする請求項4記載のマイクロ波導入器。
  6. 前記遷移領域は、前記プラズマに向けて先端が集束する断面を有する誘電体を含むことを特徴とする請求項4または5に記載のマイクロ波導入器。
  7. 前記凹凸部は、前記プラズマに向けて先端が集束した誘電体からなる複数の突起を有することを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波導入器。
  8. 前記凹凸部は、前記導波体に向けて先端が集束する複数の孔を有することを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ波導入器。
  9. チャンバと、
    前記チャンバに取り付けられた請求項1〜8のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器と、
    を備え、
    前記導波体を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを生成する空間においてプラズマを生成可能としたことを特徴とするプラズマ発生装置。
  10. 前記チャンバの外側に設けられ、前記導波体にマイクロ波を供給する導波管をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載のプラズマ発生装置。
  11. 前記導波管の中心軸と、前記導波体の中心軸と、が略同軸とされたことを特徴とする請求項10記載のプラズマ発生装置。
  12. 請求項9〜11のいずれか1つに記載のプラズマ発生装置を備え、
    前記生成された前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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